臥龍的陣 太陽の章 その100 太陽の下の龍
「軍師!的にされてしまいます!」陳到があわてて止めようとするのであるが、孔明は構わず、さらに目立つように大きく手を広げると、村の内外に響くように叫んだ。「みな、鎮まれ!我が名は諸葛孔明!新野を預かりし劉豫州の軍師である!」村の外から射掛けられた矢が、孔明の頬をかすめ、軽い傷を作って、過ぎ去っていった。山風がそれをさらになぶる。そうして、ふたたび大量の矢が、村の外から雨のように飛んでくる。これは避けられない。孔明はひやりとしたものの、孔明の身に突き刺さる前に、矢は、あらわれた関羽の槍がすべてを打ち折ってくれた。矢は力なく、地面にぼとぼとと落ちて行った。関羽が、にやりと、珍しく悪戯小僧のように笑う。「軍師、ご無事でなにより。さて、貴殿のお得意の舌を、存分に揮《ふる》われよ」「ありがとう」孔明は言い、ふたたび周...臥龍的陣太陽の章その100太陽の下の龍
2023/04/03 09:56