中国の核戦略抜きの防衛議論は空論に
中国による台湾侵攻が現実味を帯びる中、日本国政府も、同国による軍事的脅威を根拠として防衛費増額に踏み切る方針を固めたようです。敵基地攻撃能力の保持や反撃力が議論されてはおりますが、政府やメディアの説明を聞いておりますと、最も重要な観点が抜け落ちているように思えます。それは、中国の核戦略です。泥沼化も懸念されているウクライナ紛争では、ロシアによる核兵器の先制使用の可能性が取り沙汰されることとなりました。その理由は、2020年6月にプーチン大統領が署名した「核抑止の分野におけるロシア連邦国家政策の基礎について(核抑止力の国家政策指針)」において示した核使用条件の一つに、「通常兵器によるロシアへの侵略により存立危機に瀕したとき」というものがあったからです。ロシア軍の劣勢を受けて、プーチン大統領も、核の先制使用に...中国の核戦略抜きの防衛議論は空論に
2022/12/13 14:01