神無月の巫女二次創作小説「夜の狽(おおかみ)」(四)
****「日輪光裂大撃破ァアアアアア――ッ!!」武者姿の神機タケノヤミカズチの雄たけびが響きわたり、おろち衆の駆る神機がからくも退散する。雲をかき分け一直線に貫く光りの御柱が昇り、巨神(おほちがみ)はあっけなく空へとかき消えた。陽の巫女、月の巫女両名共に会心の笑みがやどる。背負われていた赤子は、疲れたのか、満足したように眠りに落ちたのだった。剣の巫女としての資格をやっと得た千歌音と、すでに先輩格の姫子によるおろち神退治は、その後、つつがなく進んでいた。巨体と思えていたあの魔神も、姫子といっしょにいれば、畏れることなどなかった。姫子とともに、からだを鍛えて、並外れた跳躍力と膂力とを身につければ、山のような巨神(おほちがみ)であっても、その動きを封じることはできたのだ。姫子が言ったように、あのおろち神たちは、...神無月の巫女二次創作小説「夜の狽(おおかみ)」(四)
2023/07/30 06:14