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2024/04/05

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  • 「魂の飛翔・鈴木光司《潰える》//「リング」は魂によって書かされたホラーだった

    潰える 最恐の書き下ろしアンソロジー (角川ホラー文庫) 作者:澤村伊智,阿泉 来堂,鈴木 光司,原 浩,一穂 ミチ,小野 不由美 KADOKAWA Amazon あらすじ 物語は、日本中に蔓延した「呪いのビデオ」に便乗して偽の呪いビデオを流布する者が現れるという状況から始まります。 そんな中、超能力の研究者・伊熊平八郎をルーツとするある教団がその「呪いのビデオ」を入手し、科学的に解明しようと試みます。 この教団とビデオを巡る中で、予期せぬ事態が次々と起こり、物語は虚実が入り混じる不気味な展開を見せていきます。リングシリーズを彷彿とさせる要素も含まれており、読者を深く引き込む作品です。 読後感…

  • 「ニンゲン柱 阿泉来堂《潰える》//人身御供

    潰える 最恐の書き下ろしアンソロジー (角川ホラー文庫) 作者:澤村伊智,阿泉 来堂,鈴木 光司,原 浩,一穂 ミチ,小野 不由美 KADOKAWA Amazon あらすじ 私は女性作家 6年前にネットのミステリー大賞を受賞し本格的作家になろうと役所を退職した アルバイトをしながら作家として生計を立てようとしているが、その後出版されたアンソロジーに掲載されただけでその後は出版されていない ある日祖父母が住んでいた北海道・根句尼村に小説のネタ探しに行った 祖父母はもう亡くなったが、道を歩くとほぼ全員の村人が愛想良く微笑んでくれる 夜村の神社に行ったら、ある人が神主や若者から出て行けとそこから追い…

  • 「ココノエ南新町店の真実 澤村伊智《潰える》」//夜のスーパーに出現する亡霊

    潰える 最恐の書き下ろしアンソロジー (角川ホラー文庫) 作者:澤村伊智,阿泉 来堂,鈴木 光司,原 浩,一穂 ミチ,小野 不由美 KADOKAWA Amazon あらすじ webライター依田江美は潰れたスーパーに怪談、怪現象 が出るという噂を聞き、これをweb記事にすべく出版社に提案した 提案は通り1回目はそのスーパーの営業していた頃のことを そして2回目は以下を記事にした 週刊誌に心霊写真が掲載されたが光の関係でそのように見えたらしい 極めつけは窃盗団3人が夜忍び込んだら大きな金庫の中に人間がギュウギュウ詰めになっているのを見たという噂を書いた 3回目は依田自身が閉店後のスーパーを見て回る…

  • 「潰える」//ホラー短編小説集

    潰える 最恐の書き下ろしアンソロジー (角川ホラー文庫) 作者:澤村伊智,阿泉 来堂,鈴木 光司,原 浩,一穂 ミチ,小野 不由美 KADOKAWA Amazon あらすじ 希望も潰える恐怖がここに。全編書き下ろしの超豪華アンソロジー! 角川ホラー文庫30周年 記念刊行! ――「考えうる、最大級の恐怖を」。 たったひとつのテーマのもとに、日本ホラー界の“最恐”執筆陣が集結した。澤村伊智×霊能& モキュメンタリー風ホラー、阿泉来堂×村に伝わる「ニンゲン柱」の災厄、鈴木光司×幕開けとなる新「リング」サーガ、原浩×おぞましき「828の1」という数字の謎、一穂ミチ×団地に忍び込んだ戦慄怪奇現象、小野不…

  • 「農協の闇・窪田新之助」//蟻地獄へ突き進む共済事業

    農協の闇 (講談社現代新書) 作者:窪田新之助 講談社 Amazon あらすじ JAは、「農業協同組合」本来の理念や目的を忘れてしまったのではないか?共済(保険)事業と信用(銀行)事業に依存し、職員に過大なノルマを課した結果、いまや多くのJAで「不正販売」と「自爆営業」が蔓延っている。元「日本農業新聞」記者である著者が、農協を愛するがゆえに書かざるをえなかった、渾身の告発ルポ!全国津々浦々に拠点を持ち、1000万人以上の組合員を抱える巨大組織の闇を撃つ。 <本書の内容>・JA職員が自爆営業を強いられている決定的証拠・損するだけの共済商品に切り替えを勧める職員たち・介護状態にならずに死ぬと1円も…

  • 「億までの人億からの人・田中渓」//早朝4時からのランニングで億り人?

    億までの人 億からの人 ゴールドマン・サックス勤続17年の投資家が明かす「兆人」のマインド 作者:田中渓 徳間書店 Amazon あらすじ 2008年に起きた世界規模の金融危機、いわゆるリーマンショックは、ゴールドマン・サックスに入社してまだ1年しかたっていない僕にとって足元が揺らぐほど信じがたい出来事でした。 金融業界はもちろん、世界中の名だたる企業も軒並み大きな経済的な打撃を与えた金融危機の影響で、53回もの面接をくぐり抜けてやっとの思いで入社した僕自身も「毎日いつ自分も解雇されるのか?」という不安を抱える日々が続きました。 幸いにしてクビは免れたものの、その後ボーナスはゼロ、大幅な減給に…

  • 「フェイクフィクション・誉田哲也」//闇に手を染めるカルト宗教の末路

    フェイクフィクション (集英社文庫) 作者:誉田哲也 集英社 Amazon あらすじ 首なし死体がすべての始まりだった。警察組織vs.悪魔と呼ばれる男vs.カルト教団vs.元キックボクサー。囚われた“彼女”の奪還。愛する人を失った者たちの復讐劇――。疑いなき信仰心に警鐘を鳴らすセンセーショナルな長編小説。 東京・五日市署管内の路上で、男性の首なし死体が発見された。刑事の鵜飼は現場へ急行し、地取り捜査を開始する。死体を司法解剖した結果、死因は頸椎断裂。「斬首」によって殺害されていたことが判明した。一方、プロのキックボクサーだった河野潤平は引退後、都内にある製餡所で従業員として働いていた。ある日、…

  • 「悪い夏 染井為人」//人はだれでも堕落する時がある

    悪い夏 (角川文庫) 作者:染井 為人 KADOKAWA Amazon あらすじ 26歳の守は生活保護受給者のもとを回るケースワーカー。同僚が生活保護の打ち切りをチラつかせ、ケースの女性に肉体関係を迫っていると知った守は、真相を確かめようと女性の家を訪ねる。しかし、その出会いをきっかけに普通の世界から足を踏み外して――。生活保護を不正受給する小悪党、貧困にあえぐシングルマザー、東京進出を目論む地方ヤクザ。加速する負の連鎖が、守を凄絶な悲劇へ叩き堕とす! 第37回横溝ミステリ大賞優秀賞受賞作。 読後感想 ミステリーではないので、イヤミスではないが、嫌な終わり方だった 今回はまたまた社会保険事務所…

  • 「マスカレード・ホテル 東野圭吾」//ホテルマンに化けて潜入捜査

    マスカレード・ホテル (集英社文庫) 作者:東野 圭吾 集英社 Amazon あらすじ 【映画化された、シリーズ第1弾】都内で起きた不可解な連続殺人事件。容疑者もターゲットも不明。残された暗号から判明したのは、次の犯行場所が一流ホテル・コルテシア東京ということのみ。若き刑事・新田浩介は、ホテルマンに化けて潜入捜査に就くことを命じられる。彼を教育するのは、女性フロントクラークの山岸尚美。次から次へと怪しげな客たちが訪れる中、二人は真相に辿り着けるのか!? 大人気シリーズ第1弾のミリオンセラー。 登場人物紹介山岸尚美ホテル・コルテシアのフロントクローク。人の役に立ちたいと思い、昔からホテルで働くこ…

  • 「成田の乱・牧久」//『ボタンの掛け違い』では割り切れない闘争史

    成田の乱 戸村一作の13年戦争 (日本経済新聞出版) 作者:牧 久 日経BP Amazon あらすじ 【内容紹介】 配慮なき意思決定により泥沼の抗争と化した成田空港開港。農民、過激派が一体となって権力に挑んだ「成田闘争とはいったい何だったのか」。本書の主人公ともいえる反対運動の先頭の立った戸村一作(反対同盟委員長)は敬虔なクリスチャンであったが、ある日、豹変したかのように過激セクトと手を結び、流血の惨事を繰り返す反対運動の先頭に立つようになった。何が彼を変え、呉越同舟であった過激派各派がまとまることができたのか。 「成田闘争」は、クリスチャン・戸村一作を闘争のシンボルとして担いで闘争に参加した…

  • 「無限病院・韓松」//ディスピアな病院が待つ世界(中国SF)

    無限病院 医院 作者:韓 松 早川書房 Amazon あらすじ 平凡なビジネスマン・楊偉(ヤン・ウェイ)は、ある日、仕事の出張先であるC市のホテルでミネラルウォーターを飲んだところ、腹痛で倒れてしまう。ホテルの従業員の女性たちに巨大な病院へ連れ込まれるが、外来には大量の患者が詰めかけており、なかなか検査の順番が回ってこない。楊偉は痛みに苦しみながら待つが、やがて病院内ではおそろしいほどに混沌とした状況が広がっていることがわかる。院内で商売をしはじめる者あり、遊ぶ者あり、苦しむ者あり、診断を求めて窓口に殺到している者あり……。楊偉はさまざまな検査を受けるが、なぜか治療はしてもらえない。逃げ出そう…

  • 「おれは老人?・勢古浩爾」//令和に老人はいない

    おれは老人?平成・令和の“新じいさん”出現! 作者:勢古 浩爾 清流出版 Amazon あらすじ 誰にでもある、実年齢と本人の意識のギャップ。じつは、ほとんどの老人が、自分を老人だとは思っていない?77歳の著者、自らの経験をもとに、そのギャップに迫り、よい年の重ね方、生き方を考える。 読後感想 僕はまだ前期高齢者と国の社会保険関連から言われているが、自分から「僕は老人なんだ」とは一言も言ったことは無い 昭和の頃は60歳過ぎれば通勤も大変だし、足腰弱く、当然パソコンすら触れない 当然見るからに老人と言われる人が多かった ところが令和の高齢者はユニクロやレオンで着用している最新トレンドの衣服を着て…

  • コミック「本なら売るほど2 児島青」//古書店の裏話

    本なら売るほど 2 (HARTA COMIX) 作者:児島 青 KADOKAWA Amazon あらすじ 本を愛し、本に人生を変えられたすべての人へ。 街の小さな古本屋「十月堂」にて。ある日店主は、初めて店を訪れた客にこう問われた。「読まなきゃ死ねないってぐらい、面白い本を教えて下さい」”オススメの本”――それは、すべての本好きが対峙する永遠の未解決問題!十月堂のチョイス、そしてお客さんの真意とは? 古本屋「十月堂」を舞台に、さまざまな愛書家たちの人生の機微を描く短編連作シリーズ。第1巻が発売するやいなや話題を席捲した作品が、待望の第2巻発売です。 読後感想 第7話 鷹の目つきを持つ男 古書店…

  • コミック「本なら売るほど1 児島青」//古書店を若者が譲り受けたお話

    本なら売るほど 1 (HARTA COMIX) 作者:児島 青 KADOKAWA Amazon あらすじ ここは、本と人とがもう一度出会い直す場所。 ひっつめ髪の気だるげな青年が営む古本屋「十月堂」。店主の人柄と素敵な品ぞろえに惹かれて、今日もいろんなお客が訪れる。 本好きの常連さん、背伸びしたい年頃の女子高生、不要な本を捨てに来る男、夫の蔵書を売りに来た未亡人。 ふと手にした一冊の本が、思わぬ縁をつないでいく――。本を愛し、本に人生を変えられたすべての人へ贈る、珠玉のヒューマンドラマ! 漫画誌「ハルタ」連載時から大きな反響を呼んだ話題作が、待望のコミックス1巻発売です。 読後感想 しばらくぶ…

  • 「第5章 予知む(しる)《予知夢》//住人が自殺する場面を前日に夢で見ていた?

    予知夢 (文春文庫 ひ 13-3) 作者:東野 圭吾 文藝春秋 Amazon あらすじ 菅原夫婦(直樹・静子)は大学ヨット部の後輩で同じ会社に勤務する峰村を食事に招いて峰村の労をねぎらっていた その場で直樹の携帯が鳴り響いた 「シマッタ」と直樹は思った 直樹の不倫相手瀬戸富由子からだった 静子と離婚し、結婚することを約束していきながら全く実行しようとしない直樹への執拗な催促であった 別の部屋で電話をしていた直樹に対し、富由子は窓のカーテンを開けろという 向かい側のマンションで富由子はベランダに置いたパイプハンガーで自殺するぞぶりをして、今すぐに結婚をすると約束してくれないと自殺すと電話で叫んで…

  • 「第4章 絞殺る(しめる)《予知夢》//他殺か自殺か、トリックを見破れるか?

    予知夢 (文春文庫 ひ 13-3) 作者:東野 圭吾 文藝春秋 Amazon あらすじ ヤジマ工業は自動車関係の部品製造を行っているが、不況のため資金繰りが危うく矢島社長の悩みだった ある日景気の良かった時期に金を貸した者から、返してくれるという連絡があり矢島昭忠はスーツを着、スポーツバッグを持って外出した 同じ日に妻の貴子も娘の衣服を買いに出かけたいといい外出した 工場ではベテラン社員3人がそれぞれの担当部品を作っていたが、最年長の酒井は得意先に納品すると言って車で出かけた 昭忠が夕食の時間になっても戻ってこないことを妻と娘が心配していた 寝る時間になっても帰ってこない どこかで酔い潰れてい…

  • 「第3章 騒霊ぐ(さわぐ)《予知夢》//霊の仕業か、毎日定時に家が揺れる

    予知夢 (文春文庫 ひ 13-3) 作者:東野 圭吾 文藝春秋 Amazon あらすじ 草薙刑事は姉の知人(神崎弥生)から、夫(神崎俊之)が失踪したので、地元警察に相談したが何の進展もないと直接相談された 管轄外なので一旦は断ったがたっての願いで調べることにした 俊之は八王子の老人ホームへ行ったまではつかめたがその後知人老婆宅を訪れると言ったきり行方不明になった 弥生が老婆宅に電話したら老婆は心臓発作で亡くなったことを現在住んでいた甥が話してくれたが愛想良くなかった 後日弥生がその老婆宅を見張っていたら、夜8時になると決まって甥夫婦ともうひと組の夫婦が外出していた 怖いので追いかけなかった 後…

  • 「第2章 霊視る(みえる)《予知夢》」//心霊写真撮影も殺害されるネタになる

    予知夢 (文春文庫 ひ 13-3) 作者:東野 圭吾 文藝春秋 Amazon あらすじ 小杉はふと入ったバーであどけなさと妖しさが同居する奇妙な個性を持つ従業員の長井清美に惹かれた 将来は結婚をできればと思い通っている これまで女性と縁が無く、いつも緊張して思うことが話せない 小杉は大学でラグビー部に所属、現在は個人でスポーツライターをしていた 大学のラグビー部時代の同窓生細谷をこの店に誘って飲みに来た 細谷も長井の虜になって数回デートを重ねた 長井は小杉よりも細谷の方が好きだとベッドを共にしたこともある 長井はカメラが趣味で、ふと気になった場所はやたらシャッターを切る 心霊写真らしきものも撮…

  • 「第1章 夢想る(ゆめみる)《予知夢》//小学生頃より夢見ていた少女に合いに行く

    予知夢 (文春文庫 ひ 13-3) 作者:東野 圭吾 文藝春秋 Amazon あらすじ 深夜、16歳の少女の部屋に男が侵入し、気がついた母親が猟銃を発砲した。とりおさえられた男は、17年前に少女と結ばれる夢を見たと主張する。その証拠は、男が小学四年生の時に書いた作文。果たして偶然か、妄想か…。 読後感想 侵入した男は小学生の頃から少女の名前を知っていたと言う これは少女が生まれる前からだ そんなことがあるのか ここからがガリレオ博士の推理(物理学というより心理学) そこで浮上してきたのが少女の母親 その母親は少年(当時)の近所のデザイナーの男と不倫をしていた その男の妻は病気により先立ってしま…

  • 「予知夢 東野圭吾」//ガリレオ博士こと湯川助教授が活躍する5つの短編集

    予知夢 (文春文庫 ひ 13-3) 作者:東野 圭吾 文藝春秋 Amazon あらすじ 常識ではありえない事件を、天才物理学者・湯川が解明する、シリーズ累計1320万部突破の人気連作ミステリー第二弾。 お知らせ 本書は5本の短編集だ 第1章「予知夢」のみ出版社からの「あらすじ」があった 第2章以降は僕が書くとこになる ガリレオ博士が物理学以外にも能力を発揮する 楽しみに読んでいきたい -------------- 以下の画像をクリックしてもらえると更新の励みになり嬉しいです ↓ にほんブログ村 ランキング参加中読書 *イラストはフリー素材を使用しています *クリックありがとうございます

  • 「夜の谷を行く・桐野夏生」//連合赤軍兵士のその後

    夜の谷を行く (文春文庫) 作者:桐野 夏生 文藝春秋 Amazon あらすじ 連合赤軍事件の山岳ベースで行われた「総括」と称する凄惨なリンチにより、十二人の仲間が次々に死んだ。アジトから逃げ出し、警察に逮捕されたメンバーの西田啓子は五年間の服役を終え、人目を忍んで慎ましく暮らしていた。しかし、ある日突然、元同志の熊谷から連絡が入り、決別したはずの過去に直面させられる。 読後感想 連合赤軍事件はかなりショッキングな事件として覚えている 浅間山荘事件から逮捕された犯人から聞き及んだ山中アジトでの総括という名のリンチ殺人事件が明らかにされた 本書は事実から書いたドキュメントだと思ったが、犯人やリン…

  • 「禁忌の子・山口未桜」//禁じられた出生

    禁忌の子 作者:山口 未桜 東京創元社 Amazon あらすじ 救急医・武田の元に搬送されてきた、一体の溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。彼はなぜ死んだのか、そして自身との関係は何なのか、武田は旧友で医師の城崎と共に調査を始める。しかし鍵を握る人物に会おうとした矢先、相手が密室内で死体となって発見されてしまう。自らのルーツを辿った先にある、思いもよらぬ真相とは――。過去と現在が交錯する、医療×本格ミステリ! 第三十四回鮎川哲也賞受賞作。 読後感想 ことしこれまでに読んだミステリーの中で一番おもしろかった 真相究明がミステリーたる所以だが、自分でも犯人…

  • 「しんがり 山一証券最後の12人・清武英利」//最後にババを掴んだ男は誰なのか?

    しんがり 山一證券最後の12人 (講談社文庫) 作者:清武英利 講談社 Amazon あらすじ 負け戦のときに、最後列で敵を迎え撃つ者たちを「しんがり」と言います。戦場に最後まで残って味方の退却を助けるのです。四大証券の一角を占める山一證券が自主廃業を発表したのは、1997年11月のことでした。店頭には「カネを、株券を返せ」と顧客が殺到し、社員たちは雪崩を打って再就職へと走り始めます。その中で、会社に踏み留まって経営破綻の原因を追究し、清算業務に就いた一群の社員がいました。負け戦のときに、最後列で敵を迎え撃つ者たちを「しんがり」と言います。戦場に最後まで残って味方の退却を助けるのです。四大証券…

  • Netflix「アドレセンス」//カメラワークと父子の演技力が良かった

    あらすじ 明け方のまだ早い時間に警察はミラー家の住宅のドアを破り、強制捜査に入った。またたく間に武装した警官が容疑者を確保。逮捕されたのはミラー家の長男で13歳のジェイミーだった。 事件を指揮するルーク・バスコム警部補は、パニック状態の両親にあとで警察署に来るように告げた後、ジェイミーをパトカーに乗せて連行した。 警察署に到着したジェイミーの家族は、ジェイミーが父親を「適切な大人」に選んだことを聞かされる。それはジェイミーの身体検査や尋問などが行われる際、父親がジェイミーに付き添うことを意味する。ジェイミーは終始おびえて泣きながら無罪を訴えていたが、流れ作業のように様々な手続きが行われた。 弁…

  • コミック「小隊」 作画柏葉比呂樹 原作砂川文次」//ロシアから攻め込まれ北海道での局地戦

    小隊 (文春e-book) 作者:砂川 文次,柏葉 比呂樹 文藝春秋 Amazon 小隊 (文春文庫) 作者:砂川 文次 文藝春秋 Amazon あらすじ ロシア軍上陸、迎え撃つ自衛隊!!元自衛官の芥川賞作家による衝撃作を鮮烈コミカライズ!! 宣戦布告のないまま、ロシア軍が北海道に上陸した。自衛隊は住民を避難させ、防御態勢を固める。にらみ合いが続くなか、小隊を率いる安達3尉は、釧路郊外の中隊指揮所から呼び出しをうける。「敵は明朝、行動開始と見積もられる」。迫り来る戦車、装甲車、歩兵戦闘車……。”ホンモノの戦闘”がはじまる! 小泉悠(東京大学先端科学技術研究センター准教授)推薦!!「読みながらウ…

  • 「教誨師・堀川惠子」//死刑囚の心のよりどころ

    教誨師 (講談社文庫) 作者:堀川惠子 講談社 Amazon あらすじ 半世紀にわたり、死刑囚と対話を重ね、死刑執行に立ち会い続けた教誨師・渡邉普相。「わしが死んでから世に出して下さいの」という約束のもと、初めて語られた死刑の現場とは? 死刑制度が持つ矛盾と苦しみを一身に背負って生きた僧侶の人生を通して、死刑の内実を描いた問題作! 第1回城山三郎賞受賞。 読後感想 何かで「教誨師」という名を聞いて本書を読んだ 死刑が確定してから死を待つ死刑囚を安寧に過ごすためのボランティアだ その死を待つ間にできるだけ心の平常心を保ってもらいたいということから自己推薦してなれる 概ね宗教家(仏教の僧侶やキリス…

  • 「カフネ 阿部暁子」//「あのでかく目つきの悪い人」が好き。

    カフネ 作者:阿部暁子 講談社 Amazon あらすじ ☆2025年本屋大賞受賞作☆ 【第8回未来屋小説大賞】【第1回あの本、読みました?大賞】 一緒に生きよう。あなたがいると、きっとおいしい。やさしくも、せつない。この物語は、心にそっと寄り添ってくれる。 最愛の弟が急死した。29歳の誕生日を祝ったばかりだった。姉の野宮薫子は遺志に従い弟の元恋人・小野寺せつなと会うことになる。無愛想なせつなに憤る薫子だったが、疲労がたたりその場で倒れてしまう。実は離婚をきっかけに荒んだ生活を送っていた薫子。家まで送り届けてくれたせつなに振る舞われたのは、それまでの彼女の態度からは想像もしなかったような優しい手…

  • 「一次元の挿し木・松下龍之介」//悲哀なクローン人間

    一次元の挿し木 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) 作者:松下 龍之介 宝島社 Amazon あらすじ 2025年第23回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリ受賞作「謎の牽引力、ストーリーの面白さは、今回これがダントツ」大森 望(翻訳家・書評家)「古人骨のDNA鑑定が暴く驚くべき真相!」香山二三郎(コラムニスト)「謎の散らばせ方、話の運び方も上手く、最後までぐいぐい読ませました。文章も上手い」瀧井朝世(ライター)「文章力が圧倒的だし、魅力的な謎の提示、読者を惑わす情報を入れてくるタイミングなど、とにかく舌を巻く巧さだ」千街晶之(書評家)「遺伝人類学を専攻する主人公の専門家らし…

  • 「米軍カラーフィルムが捉えた日本軍の艦船。航空機・軍事施設」//戦時中の貴重なカラー写真集

    米軍カラーフィルムが捉えた日本軍の艦船・航空機・軍事施設【電子書籍】[ 織田祐輔 ]価格: 2750 円楽天で詳細を見る あらすじ 米軍は太平洋戦争中からガンカメラなどのムービーカメラを用いて、日本軍の艦船・航空機・軍事施設をカラーフィルムで撮影していた。これら映像の一部は米国立公文書記録管理局(NARA)に保管されているものの、その多くは撮影対象や日時などが未分類のままである。著者はこのような映像を戦闘報告書とともに取り寄せて解析し、映っている艦船・航空機・施設の詳細や日付、場所等を明らかとしている。本書は著者の映像解析結果と解説をまとめた記録集。2024年に発見された「カラーフィルムが捉え…

  • 「教誨・柚月裕子」//女性死刑囚「約束は守ったよ、褒めて」

    教誨 (小学館文庫) 作者:柚月裕子 小学館 Amazon あらすじ 女性死刑囚の心に裡に迫る長編犯罪小説! どうすれば、事件は防げたのか。すべての者の鎮魂を願う。――柚月裕子 吉沢香純と母の静江は、遠縁の死刑囚三原響子から身柄引受人に指名され、刑の執行後に東京拘置所で遺骨と遺品を受け取った。響子は十年前、我が子も含む女児二人を殺めたとされた。事件当時、「毒親」「ネグレクト」と散々に報じられた響子と、香純の記憶する響子は、重なり合わない。香純は、響子の教誨師だった下間将人住職の力添えを受け、遺骨を三原家の墓におさめてもらうために、菩提寺がある青森県相野町を単身訪れる。香純は、響子が最期に遺した…

  • 「少年が来る・ハンガン」//市民が殺戮される事件の生々しさ

    少年が来る 新しい韓国の文学 作者:ハン・ガン CUON Amazon あらすじ 1980 年5月18 日、韓国全羅南道の光州を中心として起きた民主化抗争、光州事件。戒厳軍の武力鎮圧によって5月27日に終息するまでに、夥しい数の活動家や学生や市民が犠牲になった。抗争で命を落とした者がその時何を想い、生存者や家族は事件後どんな生を余儀なくされたのか。その一人一人の生を深く見つめ描き出すことで、「韓国の地方で起きた過去の話」ではなく、時間や地域を越えた鎮魂の物語となっている。 読後感想 光州事件で軍人から殺傷された市民を生々しく語っている 散文または詩のような短文形式が連綿と続く 日本では書けない…

  • 「歌舞伎町ララバイ 染井為人」//歌舞伎町から悪人を「駆除」する少女の物語

    歌舞伎町ララバイ 作者:染井為人 双葉社 Amazon あらすじ 中学卒業と同時に親元から飛び出し歌舞伎町にたどり着いた15歳の少女・七瀬。わずか15年の人生で絶望を味わい、すべてをあきらめている七瀬にとって、歌舞伎町は唯一、心を安らげる場所だった。トー横広場で仲間とダベり、危ないバイトに手を出していくうち、歌舞伎町の闇社会や家出少女たちを食い物にしようとする大人たちとも関わっていく。そして事件は起きた――。社会派サスペンスの新鋭が描く衝撃の復讐劇。 読後感想 第1部は七瀬を中心にトー横キッズの生活編 ただ、トー横キッズを見世物のにし、さも彼らに食事を与えているような姿をマスコミに宣伝し食い物…

  • 「減量の方程式・サイラ・ハミード」//これならできそう。NG食品を選ぶ。

    ランキング参加中読書 英国の専門医が教える 減量の方程式――満腹でも痩せていく究極のダイエットプログラム 作者:サイラ・ハミード ダイヤモンド社 Amazon あらすじ 【発売たちまち重版!!】イギリス減量専門医が臨床的に証明した、「満腹感」を味わいながら痩せる完全減量プログラム ★平均16kg減!!(被験者の1年の平均減量体重)★Amazon UK 書籍総合1位!★英国サンデータイムズ・ベストセラー ◎ダイエットが続かないすべての人へ◎カロリー計算、食事制限なし!!★日本人翻訳者も3か月で8kg減! 糖尿病が20年で470万人に倍増。3人に2人が「太り過ぎ」な肥満大国・イギリスで実証された減…

  • 「思い出のカレーパン《謎の香りはパン屋から》//2人の病

    謎の香りはパン屋から 作者:土屋うさぎ 宝島社 Amazon あらすじ ノスティモに初めて見る婆さんが来て小春に尋ねる 「亡くなった夫が30年ほど前に深夜勤務のあとで土産に買ってきたカレーパンをもう一度食べたい」と・・・ この店はそんなに前から営業していないのでここではない 小春やレナは30年前からカレーパンを売っていてこの亡くなった夫が会社よりばあさん宅への帰路にある店をスマホで検索したら4件出てきた 次の休日に小春、レナそして以前ここに勤務していた沙都美と3人でリクエストにあったパン店を探すべく行動に移す 1から3件目まではおいしいがばあさんのリクエストにあるようなカレーパンとはちょっと違…

  • さよならチョココロネ《謎の香りはパン屋から》//窃盗犯捕まる

    謎の香りはパン屋から 作者:土屋うさぎ 宝島社 Amazon あらすじ 店長はチョココロネの売れ筋が悪いのと型が複雑なので作るのに手間がかかることから休売にしようと思っていた ある日常連の親子がやって来た チョココロネが好きな凜ちゃんと母親の葉子さんだ バレエ教室に行ったらチョココロネを買ってあげる約束をしていたが、最近は逆転してチョココロネを買ってもらってからじゃないと行かないという チョココロネが終売の日、凜ちゃんが突然見せに入ってきて「ママがバイクのひったくりにあって転んでしまった その時バックの中んいあった凜ちゃんの財布を奪って逃げたらしい どうしてお金のたくさん入っていそうな葉子さん…

  • 「恋するシナモンロール《謎の香りはパン屋から》//お守りの秘密

    謎の香りはパン屋から 作者:土屋うさぎ 宝島社 Amazon あらすじ ノスティモに高校生カップル(道長と美桜)が来店した 道長は地元高校の野球部のエースを支えるキャッチャーだ 2人は1階でシナモンロール2個買って2階のカフェスペースに登った 道長がトイレに行っている間に美桜が道長の注文したコーヒーをこぼしてしまった>*0*<キャアアッ 小春は女子の叫ぶ越えを聞いて雑巾を持って2階へ 幸いというか、こぼれたのは道長が持ってきたエナメル製バックにのみ 床にはこぼれなかったのは店にとって不幸中の幸い 実は美桜がわざとコーヒーをこぼしたらしい 美桜がなぜコーヒーをわざとこぼしたのか 先日道長が野球部…

  • 「夢見るフランスパン《謎の香りはパン屋から》」//リストカット

    謎の香りはパン屋から 作者:土屋うさぎ 宝島社 Amazon あらすじ 同じ大学生アルバイトのルナ先輩が自分がシフトに入っていることをすっかり忘れてしまい熱海で遊んでいた 店長は急遽ケーキ作りなどを担当してているアルバイトの沙都美をヘルプとして小春と同じパン工房に入れることにした 沙都美は以前もヘルプとして手伝ったこともあり慣れている フランスパンに切り目を入れるクープの作業をやっていたとき突然彼女がナイフでズタズタに切り込みを入れてしまった 沙都美は間違いに気づいて失敗したと謝罪する ただ小春は何か沙都美に事情があるのではと帰りに誘ったが断られた そこで更衣室で事情を聞いた 小春の質問 金属…

  • 「焦げたクロワッサン《謎の香りはパン屋から》//切り出せなかった舞台俳優との恋

    謎の香りはパン屋から 作者:土屋うさぎ 宝島社 Amazon あらすじ 大学一年生の市倉小春は漫画家を目指しつつ、大阪府豊中市にあるパン屋〈ノスティモ〉でアルバイトをしていた。あるとき、同じパン屋で働いている親友の由貴子に、一緒に行くはずだったライブビューイングをドタキャンされてしまう。誘ってきたのは彼女のほうなのにどうして?疑問に思った小春は、彼女の行動を振り返り、意外な真相に辿りつく……。パン屋を舞台とした〈日常の謎〉連作ミステリー! ※本編だけは出版社で上記あらすじを書いているのでこれを活用した 読後感想 小春は良いところにアルバイトできたよね 僕もパン屋でアルバイトをやって見たかった …

  • 「謎の香りはパン屋から・土屋うさぎ」//お腹空いた〜

    謎の香りはパン屋から 作者:土屋うさぎ 宝島社 Amazon あらすじ 第23回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作 クロワッサン、フランスパン、シナモンロール、チョココロネ、カレーパン…焼きたてのパンの香りが広がる〈日常の謎〉ミステリー! 選考委員絶賛!「全体を包む空気感が魅力的」――大森望(翻訳家・書評家)「おいしそうなパンの魅力で読ませる」――香山二三郎(コラムニスト)「読者のもてなし方を分かっている」――瀧井朝世(ライター)「決め手は、この味わいの心地よさだ」――吉野仁(書評家) (あらすじ)大学一年生の市倉小春は漫画家を目指しつつ、大阪府豊中市にあるパン屋〈ノスティモ〉でアルバイト…

  • 白鳥とコウモリ・東野圭吾」//大学生と小学生による殺人事件。だれも考え及ばなかった。

    白鳥とコウモリ(上) (幻冬舎文庫) 作者:東野 圭吾 幻冬舎 Amazon 白鳥とコウモリ(下) (幻冬舎文庫) 作者:東野 圭吾 幻冬舎 Amazon あらすじ 上巻より​ 二〇一七年、東京竹芝で善良な弁護士、白石健介の遺体が発見された。捜査線上に浮かんだ倉木達郎は、一九八四年に愛知で起きた金融業者殺害事件と繋がりがある人物だった。​そんな中、突然倉木が二つの事件の犯人と自供。事件は解決したと思えたが。​「あなたのお父さんは嘘をついています」。​被害者の娘と加害者の息子は、互いの父の言動に違和感を抱く。​ 下巻より 父の死に疑問を持つ美令と父の自供に納得できない和真。事件の蚊帳の外の二人は…

  • Netflix「ロストケア」//誰もが経験するかもしれない家庭崩壊

    あらすじ 介護士として働きながら42人もの高齢者を殺害した殺人犯と、彼を裁こうとする検事の激突を描いた葉真中顕による小説「ロスト・ケア」を映画化。『そして、バトンは渡された』の前田哲がメガホンをとり、『聖の青春』の松山ケンイチが殺人犯となった斯波宗典、「コンフィデンスマンJP」シリーズの長澤まさみが法の正義のもと斯波を追い詰める検事、大友秀美をそれぞれ演じる 老人と訪問介護センターの所長の死体が早朝の民家で発見された。容疑者として浮上したのは亡くなった所長が勤めていたセンターで介護士として働く斯波宗典。検事の大友秀実は彼が働き始めてから亡くなった介護センターの利用者が40人を超えていることを突…

  • 「手先が器用《富士山》//平野氏の短編でも最短では?

    富士山 (コルク) 作者:平野啓一郎 コルク Amazon あらすじ 子どもの頃にかけられた、あの一言がなかったら。 読後感想 感想を書かないといけないんだが5ページにも満たない短編小説である 母は不器用であった 子供が良いことをしても決して褒めなかった テストで良い点をとっても「あっそう」で終わってしまう 祖母は見かねて孫が良いことをすると褒めてくれた それを母が見て少しずつ褒めることを学んだようだ 祖母のボタンをつけてあげると「お前は手先が器用だね」と褒めてくれる 今はもう母も祖母も亡くなったが自分の娘が手伝ってくれると「手先が器用だね」と褒めてあげる そしてあのときの2人のことを思い出す…

  • 「警察官のこのこ日記・安沼保夫」//テレビドラマのような活躍の場はほぼない

    警察官のこのこ日記 作者:安沼 保夫 三五館シンシャ Amazon あらすじ ノルマに駆けずり回る仕事」 警察小説には描かれないおまわりさんの事情――配属ガチャ、ハズレました 本書をきっかけに警視庁内で「犯人探し」が始まるかもしれない。私に対する非難や中傷もあるだろう。だが、誰になんといわれようと、本書にあるのはすべて私が実際に体験したことである。――現場で汗を流す末端の警察官の、よいことも悪いことも含めたリアルな姿を描きたいと思う。 読後感想 警察官は威厳のある職業だったが、最近は求人難やパワハラ問題等からだいぶやさしくなったと思う それでも著者が入管した20年前の警察学校はパワハラの連続 …

  • 「逃亡者は北へ向かう・柚月裕子」//涙腺が緩んでしまう

    逃亡者は北へ向かう 作者:柚月裕子 新潮社 Amazon あらすじ 人生を変えるために青年は北を目指した 震災の混乱のなか、ふたつの殺人事件が起きた。逃亡する容疑者と追う刑事。ふたりはどこへ辿り着くのか――。 『孤狼の血』『盤上の向日葵』『教誨』『風に立つ』の著者が東北を舞台に描く震災クライムサスペンス! 読後感想 柚月さんはまた僕の涙腺を緩める小説を書いてくれた 本書の背景は「正体・染井為人」と似ていた 父母を含む血縁者がいないため、施設で過ごした少年が殺人容疑者となり逃亡する姿は結末が哀しい ちょっとしたことで人生の歯車が狂い、逃げても逃げてもるそれに輪をかけてひずみが大きくなる もがいて…

  • 「ブラック郵便局・宮崎拓朗」//「全特会」は解散すべき

    ブラック郵便局 作者:宮崎拓朗 新潮社 Amazon あらすじ 関係者1000人以上の「叫び」を基に歪んだ巨大組織の実態に迫る驚愕ルポ街中を駆け回る配達員、高齢者の話に耳を傾け寄り添うかんぽの営業マン……。市民のために働いてきた局員とその家族が、疲弊しきっている。異常すぎるノルマ、手段を選ばない保険勧誘、部下を追い詰める幹部たち。そして、既得権保持を狙う政治との癒着――。窓口の向こう側に広がる絶望に光を当てる執念の調査報道。 【目次】第一章 高齢者を喰い物に第二章 〝自爆〟を強いられる局員たち第三章 局長会という闇第四章 内部通報者は脅された 第五章 選挙に溶けた8億円 第六章 沈黙だけが残っ…

  • 「ストレス・リレー(富士山)」//読者もストレスの渦に巻き込まれるよ。

    富士山 (コルク) 作者:平野啓一郎 コルク Amazon あらすじ 人から人へと感染を繰り返す「ストレス」の連鎖。それを断ち切った、一人の小さな英雄の物語。 読後感想 小島和久は5年間のシアトル勤務を終えてタコマ空港で搭乗する飛行機を待っていた 時間があったので飲料を買おうとにフードコートのカフェに入ったら3人待ち 自分の順番がきたと思ったら白人の大柄な女か割り込んできたが自分ではどうすすることもできなかった ようやくコーヒーを飲めるなと思ったら搭乗開始時間になってしまう飲み損なう 小島は羽田空港に着き、久しぶりに天ぷらそばが食べたいと思って空港内の蕎麦屋に立ち寄って注文したら、店員が天ぷら…

  • Netflix「市子」//2人を殺害した無戸籍の少女

    あらすじ 川辺市子(杉咲 花)は、3年間一緒に暮らしてきた恋人の長谷川義則(若葉竜也)からプロポーズを受けた翌日に、忽然と姿を消す。途方に暮れる長谷川の元に訪れたのは、市子を探しているという刑事・後藤(宇野祥平)。後藤は、長谷川の目の前に市子の写真を差し出し「この女性は誰なのでしょうか。」と尋ねる。市子の行方を追って、昔の友人や幼馴染、高校時代の同級生...と、これまで彼女と関わりがあった人々から証言を得ていく長谷川は、かつての市子が違う名前を名乗っていたことを知る。そんな中、長谷川は市子が置いていったカバンの底から一枚の写真を発見し、その裏に書かれた住所を訪ねることに。捜索を続けるうちに長谷…

  • 「鏡と自画像《富士山》」//死刑になるには3人以上殺してから申請ください

    富士山 (コルク) 作者:平野啓一郎 コルク Amazon あらすじ すべてを終らせたいとナイフを手にしたその時、あの自画像が僕を見つめていた。 読後感想 僕は新宿区役所の相談窓口にいって聞いた 「死刑になるためにはどうしたらよいのですか?」 「3人以上殺さなければ受付できません。2人以下では受け付けられません」 ある日妄想の中でこれが浮かんできた 僕は中学の時美術の先生からもらった美術教室に張られたドガの自画像を許可をもらって家に持ち帰りじっと見つめていた そのあと手鏡で身分の顔を見て目、鼻、口などに触れたが、決してドガではない自分の顔だった 後日兄からこのポスターを破られた 破られた自画像…

  • 「息吹《富士山》」//ガン罹患妄想により死を覚悟する

    富士山 (コルク) 作者:平野啓一郎 コルク Amazon あらすじ かき氷屋が満席だったという、たったそれだけで、生きるか死ぬかが決まってしまうのだろうか? 読後感想 斎藤伊吹は子供の塾帰りを待つ為、マクドナルドでコーヒーを飲んでいた ただ近くにかき氷屋がありそこで待つつもりであったが満席で仕方なくマクドへ行った マクドで隣のオバサンたちが大腸の内視鏡検査について話していたのが聞こえた 検査したらポリープが2個見つかって切除したという もし悪性の場合放っておいたらガンになる可能性もあった その向かい側に座っていたオバサンにももしものことがあったらヤバイので検査を薦めるのであった 息吹はまだ大…

  • 「富士山《富士山》」//あのときのとっさの判断が自分を苦しめる

    富士山 (コルク) 作者:平野啓一郎 コルク Amazon あらすじ 結婚を決めた相手のことを、人はどこまで知っているのか。 読後感想 加奈は会社では昇進を果たし、賢明に仕事に励んだがもう、40歳手前 結婚相手探しにも疲れていた そんなときマッチングアプリで津山と知り合った 加奈より2つほど上、職業はラジオ放送作家、年収300万円。加奈の1/3だ 結婚すれば両方合算した収入では生活できるので差はあまり考えていない 付き合って半年ほど過ぎたとき1泊で浜松への旅行に行くことにした 宿やJR、レンタカーの手配は津山がやってくれた 津山は依頼されたことにこだわり無く受ける 新幹線は富士山が見えるE席を…

  • 「富士山・平野啓一郎」//些細なことで人生が変わってしまう。そこに光を。

    富士山 (コルク) 作者:平野啓一郎 コルク Amazon あらすじ あり得たかもしれない人生の中で、なぜ、この人生だったのか?『マチネの終わりに』『ある男』 『本心』の平野啓一郎、10年ぶりの短篇集。 些細なことで、私たちの運命は変わってしまう。あり得たかもしれない幾つもの人生の中で、何故、今のこの人生なのか?その疑問を抱えて生きていく私たちに、微かな光を与える傑作短篇集。 お知らせ 本書は6編の短編集だ 出版社より各編ごとに短い「あらすじ」が書かれているのでこれを利用させていただく しかしあまりにもシンプルな一行書きなので「読後感想」にも本編の内容を追加する 次回からご覧下さい -----…

  • 「たべるノヲト。・松重豊」//あぁ、腹が・・・減った。

    たべるノヲト。 作者:松重豊 マガジンハウス Amazon あらすじ 記憶に残る料理には、その時代、その瞬間のドラマ、自分の人生そのものが詰まっている。 極貧時代を支えてくれた思い出の味や収録先で出会った逸品、四季折々の好物、食べものに対する素朴な疑問や秘密の食べ方、最近のブームなど、独自の視点で食にまつわる記憶を書き尽くし、本書に収録された品数は50品以上。 松重豊の手にかかれば、素朴な家庭のコロッケが名バイプレーヤーに変わり、うずらの卵を求めて町中華に行かずにはいられなくなる。そんな食べることが楽しみになる、笑いあり、涙ありの珠玉のエッセイ。イラストは、松重豊と親交の深い旭川在住の作家・あ…

  • 「探さないでください《成瀬は信じた道をいく》」//成瀬が東京でTVに映っていた

    成瀬は信じた道をいく 「成瀬」シリーズ 作者:宮島未奈 新潮社 Amazon あらすじ 本編は島崎の語りだった 島崎は成瀬と組んで高校生の時「ゼゼカラ」というペア名でお笑いや町内会のイベント司会をやっていた 正月には旧友に会いにの大津市に戻ってきた 成瀬家に行ったらあかりが家出したとのことで様子が変だ ただ「探さないでください」と書き置きをしていったので何か事情があってのことだとう 成瀬の父親はあかりは「天下統一スタンプラリー」をしていたが、最後名古屋城で終了と聞いていた それならばとレンタカーを借りて、父と島崎、観光大使の篠崎、小学生の友だち北川みらいと名古屋まで探しに行くことにした ただ名…

  • 「コンビーフはうまい《成瀬は信じた道をいく》//成瀬、びわ湖大津親善大使に選ばれる

    成瀬は信じた道をいく 「成瀬」シリーズ 作者:宮島未奈 新潮社 Amazon あらすじ 成瀬は高校卒業し大学入学までの間に「びわ湖大津親善大使に応募し選考の結果選ばれる 2人親善大使になったが、もう一人は祖母、母、本人と三代続けて親善大使に選ばれたという強者 彼女は篠原かれん19歳 篠原は成瀬に連絡先を聞いたが家電しかないという そして電話番号を暗記するには「コンビーフはうまい」と覚えておくように言われる ただ篠原はどうしてその言葉と電話番号に結び付くのかピンとこない そうだ、成瀬はスマホを持っていないのだ 今どきの若者でこれがないと連絡するとき不自由する さっそく親善大使として金沢駅に行き「…

  • やめたいクレーマー《成瀬は信じた道をいく》//クレーマーも成瀬の手のひら

    成瀬は信じた道をいく 「成瀬」シリーズ 作者:宮島未奈 新潮社 Amazon あらすじ 本編は某ママさんが主人公 フレンドマートに行くといつも掲示版に張り出されるクレームを書く 止められない自分のクセで実は悩んでいた 今日もクレームを書く Aさんが買いそびれたスーパーのレジ袋を他のお客さんが精算中に3円渡して受け取るのはマナー違反では無いかと・・・ たいしたことではないが無性に腹が立って投書する その中には投稿者、自分の名前連絡先も書くことになっている この日も飲食コーナーで禁止のアルコールを飲んでいる客がいて投書した 後日店員が「君が呉間言実だな」 店員が客を呼び捨てにするとはと、クレームを…

  • 「成瀬慶彦の憂鬱《成瀬は信じた道をいく》」//あかりは家を出るのか?

    成瀬は信じた道をいく 「成瀬」シリーズ 作者:宮島未奈 新潮社 Amazon あらすじ 本編は成瀬あかりの父慶彦の語りだ 慶彦が家に1台しかなかいパソコンで、昨晩家族の誰かが「京都 一人住まい」などと住居を検索した痕跡があった しかしてあかりが大学受験合格したら1人住まいを始めようとしているのか気が気でなかった 京都大学希望だが自宅から通学可能圏内にあるがあかりが出ていくとなると家が寂しくなる 入試2日間は付き添いとして慶彦が一緒に行くことになった 多少雪は降ったものの定刻に大学に着いて1日目は無事済んだ ただ大学構内で野宿用寝具で休んでいる男子受験生をあかりが見つけた 経費を節約するため野宿…

  • 「ときめきっ子タイム《成瀬は信じた道をいく》」//小学生の頃から伝説の少女

    成瀬は信じた道をいく 「成瀬」シリーズ 作者:宮島未奈 新潮社 Amazon あらすじ 本編の語り手は小学四年生北川みらい 学校の授業「ときめきタイム」は総合学習時間 今回の課題は地元ときめき地区で活動している人について調べることがテーマだ 決められた日に報告会を行う 北川は夏まつりのとき司会をしていたコンビ「ゼゼカラ」についてを選んだ 理由のきっかけは夏まつりの時財布を落とし探していたときゼゼカラの目に止まり、そのうちの1人が一緒に探してくれたことだ しかもそのうちの成瀬はこの小学校出身者で校長室近くに成瀬の描いた絵画が貼ってあることを知る しかもコンクールで優勝し琵琶湖博物館長賞をもらった…

  • 「成瀬は信じた道をいく・宮島美奈」//続編でも真実一路、真っ向勝負。

    成瀬は信じた道をいく 「成瀬」シリーズ 作者:宮島未奈 新潮社 Amazon あらすじ 唯一無二の主人公、再び。 ……と思いきや、まさかの事件発生!? 10万部突破の前作に続き、読み応え、ますますパワーアップの第2作! 成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。 「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、近所のクレーマー(をやめたい)主婦、観光大使になるべくしてなった女子大生……。 個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており……!? 面白さ、ますますパワーアップの全5篇! 感想 いやぁ〜 こんな娘が近くにいたらおっさんでもあこが…

  • 「責任・浅野皓生」//えん罪と大罪

    責任 (角川書店単行本) 作者:浅野 皓生 KADOKAWA Amazon あらすじ あのとき、俺が追わなければ。 雪の深夜の当直中、刑事の松野徹は不審車両に遭遇し職務質問する。運転手の藤池光彦は急発進、徹は追跡するが車は交差点に突っ込み、光彦と通りかかった車の家族四人が死亡する大惨事となる。警察への批判が強まりかけたとき、光彦が事故直前に強盗致傷事件を起こしていたと判明、非難は遺族に集中した。冤罪を疑う光彦の両親から再捜査を嘆願された徹は、自責の念に誘われるように引き受けてしまう。新事実など出てきようがない、はずだったが――。 読後感想 藤池光彦は未成年の頃、遊び仲間に誘われ3件の窃盗、強姦…

  • 「超合理的!ミステリーの書き方・中山七里」//3時間睡眠でスピード勝負

    超合理的! ミステリーの書き方 (幻冬舎新書) 作者:中山七里 幻冬舎 Amazon あらすじ 個性や才能は不要。「常識」と「普通の思考能力」さえあればいい。 「目標は生涯現役。パソコンのキーを打ちながら死にたい」と語る著者はデビューから十四年間、三か月に一冊以上のペースで書き続け、ベストセラーを連発している。その極意とは何か?「気分で仕事をしない」「プロットは三日で捻り出す」「主要キャラクターには落差を作る」「トリックよりも情報開示の順番に気をつける」など、思いつきに頼らず「質」と「量」を両立する創作術から、「トイレは一日一回、食事は二食」など驚異的な肉体改造まで、出し惜しみすることなく語り…

  • 「脱露 シベリア民間人抑留、凍土からの帰還・石村博子」//民間人抑留残留者未解決多い

    脱露 シベリア民間人抑留、凍土からの帰還 (角川書店単行本) 作者:石村 博子 KADOKAWA Amazon あらすじ 第10回(2024年度)「シベリア抑留記録・文化賞」受賞13歳の少年は密航者としてシベリアに送られた。彼が故国の地を踏むまでに40年以上が過ぎていた。敗戦後、ソ連に占領された南樺太。日本に帰ろうとする人、逆に家族との再会を目指し樺太に行く人は密航者とされた他、不当逮捕された人も多い。彼らは如何に生き延びたか?8年強の取材で明かされる“この国”の秘史。 鉄道員、炭鉱夫、大工、運転手……。敗戦後の南樺太で彼らは突然逮捕された。彼らや密航者は囚人としてラーゲリに連行され、苛酷な労…

  • 「対馬の海に沈む・窪田新之助」//JAの管理体制こそ、批判したい

    対馬の海に沈む (集英社学芸単行本) 作者:窪田新之助 集英社 Amazon あらすじ 2024年 第22回 開高健ノンフィクション賞受賞作 JAで「神様」と呼ばれた男の溺死。執拗な取材の果て、辿り着いたのは、国境の島に蠢く人間の、深い闇だった。 【あらすじ】人口わずか3万人の長崎県の離島で、日本一の実績を誇り「JAの神様」と呼ばれた男が、自らが運転する車で海に転落し溺死した。44歳という若さだった。彼には巨額の横領の疑いがあったが、果たしてこれは彼一人の悪事だったのか………? 職員の不可解な死をきっかけに、営業ノルマというJAの構造上の問題と、「金」をめぐる人間模様をえぐりだした、衝撃のノン…

  • 「架空犯・東野圭吾」//蝶のように次ぎ次と飛び移る悪女

    架空犯 作者:東野 圭吾 幻冬舎 Amazon あらすじ 『白鳥とコウモリ』の世界再び——シリーズ最新作​「まるで幽霊を追いかけているようだ」​​焼け落ちた屋敷から見つかったのは、​都議会議員と元女優夫婦の遺体だった。​華やかな人生を送ってきた二人に​何が起きたのか。​​​「誰にでも青春があった。​​被害者にも犯人にも、​​そして刑事にも——。」​ 読後感想 500ページ近い長編だったが、一気に読んでしまった さすがに東野圭吾作品だと思った 二重三重にも策が盛り込まれた内容だった あらすじにも書いてあるので少しネタを書くと、この事件に関わった刑事が一旦逮捕され、その供述により事件が解明される …

  • 「魔窟『知られざる日大帝国』興亡の歴史」・森功」//根は深い

    魔窟 知られざる「日大帝国」興亡の歴史 作者:森 功 東洋経済新報社 Amazon あらすじ ◎田中英壽体制の地下水脈◎中興の祖「古田重二良」の呪縛◎アメフト部薬物事件◎入学志願数2万2000減◎重量挙部・陸上部・スケート部「被害額1億1500万円超」の金銭不祥事◎「1000億円建替えプロジェクト」医学部附属「板橋病院」の税務調査 など… 迷走する「林真理子体制」。裏切られた改革。大宅賞作家が「日本一のマンモス私大」の「権力と闇」に光を当て、現在進行形の「タブー」に迫る。 2021年、田中英壽理事長(当時)が率いる日本大学を舞台に起こった一連の事件には、日本の私立大学が長らく抱えてきた共通の病…

  • 「生殖記・朝井リョウ」//人工的な出産でディストピアが待っているはず

    生殖記 作者:朝井リョウ 小学館 Amazon あらすじ とある家電メーカー総務部勤務の尚成は、同僚と二個体で新宿の量販店に来ています。体組成計を買うため――ではなく、寿命を効率よく消費するために。 この本は、そんなヒトのオス個体に宿る◯◯目線の、おそらく誰も読んだことのない文字列の集積です。 読後感想 人間のディストピアな未来を表す小説だったと思う テレビでは内容を明かさない小説として、また題名からして興味が沸いた読者も多かったと思う 僕も猥褻な小説だったら読まないと決めていたが、どうも思っている内容と様子が違うと思い購入した 読み始めると・・・ 男性器の話かと思って、引いた 次ぎに男女の交…

  • 「楽園の楽園・伊坂幸太郎」//人工知能の世界はユートピアかディストピアか

    楽園の楽園 作者:伊坂幸太郎 中央公論新社 Amazon あらすじ 人はどんなものにも物語(ストーリー)があると思い込む。きっとあなたもそのひとり。 大規模停電、強毒性ウィルスの蔓延、飛行機墜落事故などが立て続けに発生し、世界は急速に混乱に陥った。これらすべての原因は謎の人工知能『天軸』の暴走と考えられた。五十九彦(ごじゅくひこ)、三瑚嬢(さんごじょう)、蝶八隗(ちょうはっかい)の選ばれし3人は、人工知能の開発者が残したという巨大な樹の絵画『楽園』を手掛かりに、暴走する『天軸』の所在を探る。旅路の果てには、誰も想像できない結末が待ち受ける。 書き下ろしの短編小説を、気鋭のアーティスト、井出静佳…

  • 「スピノザの診察室・夏川草介」//学位を投げうって、人としての心の安寧を求めた医師

    スピノザの診察室 作者:夏川草介 水鈴社 Amazon あらすじ 現役医師として命と向き合い続けた著者が到達した、「人の幸せ」とは。 累計340万部突破のベストセラーシリーズ『神様のカルテ』を凌駕する、新たな傑作の誕生! その医師は、最期に希望の灯りをともす。 【あらすじ】 雄町哲郎は京都の町中の地域病院で働く内科医である。三十代の後半に差し掛かった時、最愛の妹が若くしてこの世を去り、 一人残された甥の龍之介と暮らすためにその職を得たが、かつては大学病院で数々の難手術を成功させ、将来を嘱望された凄腕医師だった。 哲郎の医師としての力量に惚れ込んでいた大学准教授の花垣は、愛弟子の南茉莉を研修と称…

  • 「溶果・黒川博行」//金塊強奪事件をネタにヤクザ、半グレから再強奪を狙う元刑事たちの闇。

    熔果(新潮文庫) 作者:黒川博行 新潮社 Amazon あらすじ 100キロ、5億円相当の金塊強奪事件発生!「これはおもしろい事件やで」元刑事の堀内・伊達コンビが西日本を駆け、半グレ、ヤクザら、西日本中の悪党と大乱闘‼ 博多駅付近で発生した五億円相当の金塊強奪事件。堀内信也は競売屋・ヒラヤマ総業調査員の伊達誠一に誘われ、金塊の行方を追うことに。二人は大阪府警の元刑事で現在もバディを組んでいるのだ。関西、九州、中部をBMWで駆け抜けながら、堀内と伊達は、ヤクザ、半グレ、ブローカー、汚職警官らと対決してゆく。頭脳と暴力の〝捜査〟から浮かび上がった闇の構図とは──。痛快無比のクライム・サスペンス! …

  • 「人質の法廷・里見蘭」//鈍器本。検察による自白強要の果て。

    人質の法廷 作者:里見 蘭 小学館 Amazon あらすじ 法治国家の欺瞞を暴くリーガルサスペンス! 駆け出し弁護士・川村志鶴のもとへ、突如、当番弁護の要請が入った。荒川河川敷で起こった女子中学生連続死体遺棄事件――遺体には証拠隠滅のため漂白剤がまかれ、冷酷な犯人像が推測された。容疑者には被害者の中学校に侵入し、逮捕された過去があったが、断じて犯行には関与していないと志鶴に訴える。警察による自白強要が疑われた。 志鶴が刑事司法を志した背景には、高校時代の友人のバイク事故死がある。自動車運転過失致死と処理されたが、彼女は冤罪を疑っている。そんな過去を持つ志鶴は、依頼人の潔白を晴らすため奔走する。…

  • 「フランス人はなぜ好きなものをたべて太らないか(翻訳本)」//スタイルを気にしていた仏人は太らなかった

    フランス人はなぜ好きなものを食べて太らないのか (日経ビジネス人文庫) 作者:ミレイユ・ジュリアーノ 日経BP Amazon あらすじ ジムには行かない、食事を抜かない、パンもチョコも我慢しない……そんなフランス人はなぜ太らないのか。日々の暮らしの中で実践する食べ方、考え方、生き方の知恵は一生もの。フランス人に教わる、賢く食べて優雅に生きるためのライフルールとは。付録には心も体も満たされる40のレシピが付いている。 読後感想 僕は日本人のシニア層だがBMIはギリギリ標準 ただお腹周りが太いのでそれを直したいと思って読んだ フランス人の筆者はアメリカ人とよく比べていた アメリカに留学生として行き…

  • 「青い壺<第13話>//青い壺は作り主の手元に現れる(終)

    青い壺 (文春文庫) 作者:有吉佐和子 文藝春秋 Amazon あらすじ 高名な美術評論家を訪ねた陶芸家の省造。スペインで見つけた「12世紀初頭の」掘り出しものとして、青い壺を見せられたが……。 読後感想 肺炎で入院していたのは高名な美術評論家だった 陶芸家牧田省造を東京の自宅に呼んでバルセロナで見つけた掘り出し物の青い壺を見せるためだった ところが省造がこれを見るなり「僕が10数年前に作った壺ですよ」 評論家はこれを信じること無しに南宋浙江省の竜泉窯だと言う 省造が再度自分の作ったものだと言っても聞く耳を持たず、もう帰れという 評論家は自分が見いだした高価なものだという事は決して疑わなかった…

  • 「青い壺<第12話>」//青い壺の価値が揺れている

    青い壺 (文春文庫) 作者:有吉佐和子 文藝春秋 Amazon あらすじ スペイン旅行中に急性肺炎になったという入院患者の男は、病室に飾った青い壺に触られそうになると、怒鳴るのだった。 読後感想 ある日本人がスペイン旅行中に骨董品店で掘り出し物を見つけたとして、「青い壺」を購入した ところが急性肺炎になりそのままみやげ物として日本に持ち帰った 病院で病室等の清掃業務をしている老婆シメは3人1組で病室を廻って清掃していた 上記スペインから帰国し、肺炎患者として入院している患者がスペイン風邪に罹患しているのでは無いかと気になっていたが、確認したら単なる肺炎と聞いて安心した ところがある日その病室で…

  • 「青い壺<第11話>」//青い壺はスペインへ

    青い壺 (文春文庫) 作者:有吉佐和子 文藝春秋 Amazon あらすじ 世話になったシスターが45年ぶりにスペインに帰郷するときいた悠子は、青磁の壺をプレゼントする。壺はついに、海をわたる! 読後感想 修道会に入会したら親の死に目にも逢えないと言われた ただ現在は緩和され親兄弟との手紙のやりとりもできる ある日シスター(スペイン人)が母親の危篤で母国へ一時帰国すると悠子は聞いた それならみやげにと思ってシスターに青い壺を渡した ・・・いよいよ青い壺はスペインへ みやげ物にしては重いしかさばるし、壊れることもあるのでどうかと思うが😩 -------------- 以下の画像をクリックしてもらえ…

  • 「青い壺<第10話>」//黒いほうれん草スープ

    青い壺 (文春文庫) 作者:有吉佐和子 文藝春秋 Amazon あらすじ 母校だったミッションスクールの初等科に栄養士として就職した、弓香の孫娘の悠子。野菜を食べさせたいと工夫を凝らすが、ある日… 読後感想 ミッションスクールで学校給食の栄養士として悠子は働いていた 子供達に緑黄色を出すと残すことが多い ある日人参を潰してカレーライスに入れたら全部食べてくれた これを良いことに、残すとこの多いほうれん草を潰してスープとして出したら、ほとん食べずに返された ほうれん草が化学反応を起こして黒色に変色しまったためだ これにすっかり悠子は気落ちしてしまった これを見かねてシスター(学校長)が失敗は誰に…

  • 青い壺<第9話>//50年ぶりの女学校同窓会は散々

    青い壺 (文春文庫) 作者:有吉佐和子 文藝春秋 Amazon あらすじ 女学校の卒業から半世紀、弓香は同級生たちと久しぶりに京都で集まる。戦争を経て子育ても終えた彼女たちは、家庭の状況も経済状態もそれぞれで……。 読後感想 50年ぶりの女学校の同窓会が京都で行われることになった 弓香はそわそわ落ち着きが無い 何を着ていこうか、何を持っていこうかその日に備えて何日も前から準備している 旧友が京都の集合場所にどんどん集まってくるが女性同士の目は鋭い あの人誰だったかしら、ずいぶん老けたわねとか自分を棚に上げ言いたい放題 幹事が1泊3食付き1400円のコースを申し込んだ 夜の宴会に出てくる料理は家…

  • 「青い壺<第8話>」//金持ち、泥棒に入られても高価なものは無し。

    青い壺 (文春文庫) 作者:有吉佐和子 文藝春秋 Amazon あらすじ 長女が嫁ぎ、長男はアメリカに留学。姑は他界したある日、夫にレストランに誘われ…… 読後感想 池田厚子は長女が嫁いで空き部屋になったところの整理をしていた 長男は留学、姑は他界 だれも居なくなった部屋で寂しくなった 医者の夫から突然増上寺前のレストランへ食事に誘われた 夫から日頃のねぎらいとしての気持ちからだろう 粧飾品をなににするかウキウキしながら選び、髪は美容院に行って仕上げた 当日夫とその店で待ち合わせ、思った以上のメニューに満足して帰宅した ところが家が荒らされ、泥棒に家はいられたことが一目で分かった 各部屋はこと…

  • 「青い壺<第7話>//優雅だった外交官夫人も戦渦に巻き込まれる

    青い壺 (文春文庫) 作者:有吉佐和子 文藝春秋 Amazon あらすじ 息子の忘れ物としてバアのマダムが届けてくれた壺をみて、老婦人は、戦時中の外務官僚だった亡き夫との思い出がよみがえり、饒舌に語りだす。 読後感想 医師石田の父は外交官として海外に赴任していたが、日本に帰任したが戦況厳しくなって高貴な暮らしもどん底に それでも父は欧州赴任の時味わった調理を母に見せたくてジャガイモなどに手を加え、さも欧州風料理としてもてなしたこともあった ただ父も海軍へ招集され戦火で亡くなった 母は優雅に暮らしていたときのことを思い出し息子には聞かせるのであった ただ息子は何回も聞かせられているようで、そこか…

  • 青い壺<第6話>//医師がバーに忘れていった桐箱の中には・・・

    青い壺 (文春文庫) 作者:有吉佐和子 文藝春秋 Amazon あらすじ 夫婦ふたりで、戦後の焼け跡から始めたこじんまりとしたバー。医師の石田は、「御礼」と書いた細長い荷物を置いて帰った。 読後感想 医師石田は眼科患者から全快のお礼として桐箱入りの品をもらった 「御礼」と書いてある 高価に見えた 仕事帰りに夫婦でやっている馴染みのバーに立ち寄る 女性従業員もおり、接客係として客につく バーの中では常連客がたわいもない話をしている 海軍大尉は「ダイイ」と呼ぶか「タイイ」と呼ぶかなど どとらでも良いとは思うが意地になって互いの客が大論争 これが落ち着けば若者グループがギターを弾きながら唄う ここは…

  • 「青い壺<第5話>//長男の嫁が盲目の義母を追い出す

    青い壺 (文春文庫) 作者:有吉佐和子 文藝春秋 Amazon あらすじ 老いて目が見えなくなった母親を東京の狭いマンションに引き取った千代子。思いがけず心弾む生活だったが…… 読後感想 実家には長男夫婦とその子供、そして母親が住んでいる 母親キヨは左右とも目が霞んで、そしてついには見えなくなった 医者は老齢のこともあり治らない病気だと言い、家の中では茶碗を持ち損ねて壊したり、トイレに行くのも不自由し、肩身の狭い生活をしている 長男の嫁は長女千代子は独身なので母親の面倒を見ることはできるはず 自分は子供の世話で手一杯だとグチをこぼしている 東京で会社員をしているが婚期を逃して独身のまま 自分に…

  • 「青い壺<第4話>」//本人生存時から遺産の争い

    青い壺 (文春文庫) 作者:有吉佐和子 文藝春秋 Amazon あらすじ 青い壺に美しく花を生けようと奮闘する芳江。孫を連れた娘の雅子が急に帰ってきて、婚家の醜い遺産争いを愚痴るのだが。 読後感想 芳江は自分の子供達が夫が元気で生存しているにも拘わらず相続財産の分配について話していると訊いて驚く しかも自分(妻・芳江)生存していれば妻が1/3が入って残りの2/3が子供達の分配になる よって妻も亡くなったことを前提に話を詰めている 「青い壺」は夫が元部下からもらったものだが、すぐにでも誰かほかの人に譲れという 理由は言わない 何にか不吉なことを感じ取ったのか -------------- 以下の…

  • 「青い壺<第3話>」//事前情報収集せずに見合いはさせるなという話

    青い壺 (文春文庫) 作者:有吉佐和子 文藝春秋 Amazon あらすじ 副社長の夫の部下の女性と、甥っ子を見合いさせるため二人を自宅に呼んだ芳江は、今どきの人たちに呆然とする。 読後感想 副社長の妻芳江が夫の部下の女性と姪っ子を結婚させようと見合いを仕組むが男女とも「傷」を持ち見合いする気は無かったという、よくある話 副社長の部下京子はある男の子供を産み、シングルマザーとして育てているという 芳江は事前にまったく知らなかったものだから見合い当日に大慌て ところがその見合いの相手甥っ子も女がいて今のところお互いに結婚する気は無いとのこと 両方ともよく話を詰めないままに見合いを進めた結果の話 親…

  • 「青い壺<第2話>」//壺は副社長へ贈答品として贈る

    青い壺 (文春文庫) 作者:有吉佐和子 文藝春秋 Amazon あらすじ 定年後、家でぼんやりする夫を持てあました妻は、世話になった副社長へのお礼にデパートで青い壺を買い、夫に持たせた。 読後感想 山田寅三は毎日印で押したように定時に家をで定時に帰宅する 妻の千枝ははサラリーマンとはどんな家でもこんな生活をていると思った それでも定年後嘱託で68歳まで会社で働かせてもらった 会社を辞めたあとは毎日家に居るばかり 妻も途方に暮れ世話になった副社長にお礼の品を持っていったらどうかと提案 妻はデパートで「青い壺」をみつけこれを贈ることにした 寅三はこれを持って副社長を訪ねお礼として贈答した しかしそ…

  • 「青い壺<第1話>」//化学薬品で古風に魅せる技

    青い壺 (文春文庫) 作者:有吉佐和子 文藝春秋 Amazon あらすじ 青磁ひとすじに制作を続ける陶芸家の省造。ある日デパートの注文品とともに焼きあがったその壺は見る者を魅了した。 読後感想 焼いた陶芸品は薬品の浸かり方によって出来映えが異なる デパートから受注した品を作り終えたあと残った材料で仕上げた作品が思った以上に良かった バイヤーからは個展を出さないかと言われているが、省造はそこまで考えていない ただこの日は良い作品ができたと満足のようだった 職人として万感の思いだったのだろう この時この壺が流転していくとは思いもしていない 「青い壺」がどんなデザインだったのか本書に挿絵や写真は掲載…

  • 「青い壺・有吉佐和子」//青い壺の流転を巡るストーリー

    青い壺 (文春文庫) 作者:有吉佐和子 文藝春秋 Amazon あらすじ 無名の陶芸家が生んだ青磁の壺が売られ贈られ盗まれ、十余年後に作者と再会した時――。人生の数奇な断面を描き出す名作! シングルマザーの苦悩、すれ違う夫婦、相続争いに悩む娘の言葉を聴いてドキリとする親… 人間の奥深く救うドロドロした心理を小気味よく、鮮やかに描き出す絶品の13話! 読後感想 NHKの番組に取り上げられたことから大きな反響を呼んだ 僕は有吉さんの作品は一度も読んでいなかったので良い機会だ思った 青い壺を巡る一連の話 無名の陶芸家がいわばおつりで作った壺 買った人にとっては歴史的陶器なので大金を惜しんでもかまわな…

  • 「またどこかで〜大人の流儀・伊集院静」//仙台は木ばかり伸びている土地だと?

    またどこかで 大人の流儀12 作者:伊集院 静 講談社 Amazon あらすじ 国民的ベストセラー「大人の流儀」シリーズ最終巻!伊集院があなたに贈る最後の言葉ーー数えきれない出逢いと別れを経験してきた作家が死の直前まで書き綴ったラストメッセージ。 人間は皆が強く、逞しい生き物ではないが、弱々しくて、くじけてばかりいる生き物でもない。踏ん張りきれないように思えても、そんなに簡単にはこわれない。人間の身体には、そういうものが備わっているのだ。”人々はいろんな事情をかかえて、それでも平然と生きている”ーー伊集院静 読後感想 以前読んだ本書シリーズ大人の流儀で伊集院静は週刊誌で上から目線で人生相談に載…

  • 「鑑定・山田宗樹」//精神を高揚させる装置が災いとなる

    鑑定 作者:山田 宗樹 角川春樹事務所 Amazon あらすじ 精神科医・葛西幸太郎は、市長選の候補者に対する殺人未遂および放火の実行犯・犬崎理志の精神鑑定を担当していた。犯行を淡々と語る犬崎に、葛西はある違和感を抱く。精神状態が安定しすぎているのだ。犬崎の中に、本来の自我を麻痺させ、代わりに彼の精神を支配している〈なにか〉が存在するのではないか――。葛西が疑いを深める中、全国各地で不可解な動機による傷害・殺人事件が起こりはじめる……。 読後感想 上記事件の原因はエモーショナル・コントローラー(略して「エモコン」) 人間をやる気にさせる装置である 精神科医院で活用され、家庭用まで販売されている…

  • 「有罪、とAIは告げた・中山七里」//AIに偽情報を挿入する企て。

    有罪、とAIは告げた 作者:中山七里 小学館 Amazon あらすじ 緊急出版! 人工知能は罪を裁けるのか 東京地方裁判所の新人裁判官・高遠寺円は、日々の業務に忙殺されていた。公判、証人尋問、証拠や鑑定書の読み込み、判例等の抽出、判決文作成と徹夜が続く。東京高裁総括判事の寺脇に呼び出された円は、ある任務を命じられる。中国から提供された「AI裁判官」を検証するというものだ。〈法神2〉と名付けられたその筐体に過去の裁判記録を入力する。果たして、〈法神〉が一瞬で作成した判決文は、裁判官が苦労して書き上げたものと遜色なく、判決もまた、全く同じものだった。業務の目覚ましい効率化は、全国の裁判官の福音とな…

  • 「夢か現実か<嘘か真言か>」//生成AIによる出版物の盗作犯罪

    嘘か真言か (文春e-book) 作者:五十嵐 律人 文藝春秋 Amazon あらすじ 相川梨子は中学生時代将来の職業としてスパイになりたいと思っていた ただスパイは現実的に職業としては成り得ず、ルポライターになりたい道を進んでいた 相川は詐欺事件のルポをまとめて出版社に持ち込んだが却下された 同じような内容を1万字程度にまとめた出版物が同社より販売されたことから自分のルポを真似てAIにより文字数を圧縮したのではないか?と疑っていたが、真偽がよく分からない 相川はその後、その出版社及び著者の承諾なしに同社の出版物を生成AIでテキストデータをダウンロードし、第三者に閲覧できるようにした そして出…

  • 「一か罰か<嘘か真言か>」//戸籍を売ったために、息子の人生も変わる

    嘘か真言か (文春e-book) 作者:五十嵐 律人 文藝春秋 Amazon あらすじ 判事補日向由衣は勉強のため執行官常田と建物明け渡し命令に基づいて、あるアパートの住人に退去申し入れのために向かう アパートに部屋のカギを管理人に開けてもらったそこには人間が首を吊っていた遺体があった 他殺なのか自殺なのかこれから調べる 偽装自殺であり他殺と判断された 死亡したのはそこの住人名簿から猪原広香と思われた 本人は破産宣告を受け、死亡したのは2ヶ月前と思われる 先日、詐欺事件で多数摘発された中に井原陸がいた 年齢は19歳と言うが戸籍がない このため小学校にも中学校にも行っていない シングルマザーの母…

  • 「幸か不幸か<嘘か真言か>//外国人技能研修制度に疑問を呈す

    嘘か真言か (文春e-book) 作者:五十嵐 律人 文藝春秋 Amazon あらすじ 日向由衣は以前裁判所見学会の時知り合ったリエンという中学生より相談したいとのことで司法研修時一緒だった永穂楓(現検察官)とプライベートなことで相談があった その内容とは父親が残留滞在資格無しに欺されて詐欺事件に関わって逮捕されたという リエンは日本生まれ日本育ちで親の住んでいたベトナムには一度も言ったことが無く日本のアイデンティティを持っている 父親が強制帰還命令を受けることはほぼ確実 ただ父親は娘のために一緒で生活したいと・・・ 最後は父親は強制送還により、娘リエンともに一緒にベトナムに戻ることになった …

  • 「喰うか騙るか<嘘か真言か>」//詐欺犯は二重詐欺まで考えている

    嘘か真言か (文春e-book) 作者:五十嵐 律人 文藝春秋 Amazon あらすじ 桃山晋平は大学を卒業したが、借金を500万円抱えている 奨学金だ 毎月2万円返済で利息込みで20年間かかる 新卒で就職した会社が嫌になって退職した 奨学金の返済負担が重荷に思っていた頃、ある男にそんなのすぐに返せると言われ話を聞いたら詐欺グループへの勧誘だった 安土(本名浦崎努)は話す「老人は金融資産をたくさん蓄えていながら社会保障に恵まれ富の再分配が成されていない 老人への詐欺は義賊であってヒーローだと・・・」 浦崎努は詐欺グループの指示役として自首し逮捕起訴された 浦崎は司法取引を望んでおり、司法取引が…

  • 「嘘か真言か<嘘か真言か>」//ダイヤを盗んだ本当の理由を裁判官が解明した

    嘘か真言か 作者:五十嵐 律人 文藝春秋 Amazon あらすじ 老婆が宝石窃盗犯で逮捕された リサイクルショップで宝石の現物を見せて欲しいと店員に要求し、更にケースから出してもらい室外で良く見たいと依頼した 店員が他の用事をしている間に老婆は持ち去った ただその宝石はこの店ではそれほど高価なもので無く、誕生石として婚約指輪によく使われている種類のようだ 裁判で検察側は換金の目的で盗んだもので単純な転売目的の窃盗事件として調書を提出した 被告人の家はそれほど立派ではないが亡くなった夫の遺産を元に暮らすには窃盗までするほど生活に困ることはないはずと担当裁判官紀伊は考えた 紀伊真言は被告人井田遼子…

  • 「嘘か真言か・五十嵐律人」//若き裁判官のリーガル小説

    嘘か真言か (文春e-book) 作者:五十嵐 律人 文藝春秋 Amazon 説明 本書には短編5編綴られている それぞれのあらすじはブログ筆者僕が書く 6編とも繋がっているストーリー 以下は本書全体のあらすじで、出版社が書いたものだ 各編の基本となるものだ あらすじ 新任判事補と癖が強すぎる裁判官が、市内で起こる特殊詐欺事件に挑む。現代の姿を「司法」であぶりだす社会派リーガルミステリー。 日向由衣は裁判官に任官して三年目。念願がかなって志波地方裁判所の刑事部に配属された。しかし、異動が決まった直後から、直近の先輩となる紀伊真言(まこと)裁判官にまつわるさまざまな噂が耳に入っていた。しかも、そ…

  • 「悪口の極意・村松友視」//悪口オンパレード

    悪口の極意 作者:村松友視 静岡新聞社 Amazon あらすじ 無駄だとは 言わぬ美容師 言う鏡―。 静岡県島田市で20年にわたって続く 「愛するあなたへの悪口コンテスト」の大傑作をお披露目しつつ、 稀代のエッセイストで、第1回から審査委員長を務める村松友視氏(直木賞作家、静岡県静岡市清水区出身)が独自のメスで解剖し、愛と悪口の正体を炙り出し迷走する。 エッセー・コラム6話は書き下ろし。新人漫画家、塚田ゆうたのイラストも収録。 激笑!糸井重里氏推薦。 読後感想 「あらすじ」記載の通り静岡県島田市で主催しているコンテストの入賞作品がかいてある 悪口の相手はほとんどが親子兄弟など肉親だ しかも陰湿…

  • 新年おめでとうございます

    明けましてめでとうございます 本年もたくさんの本を読んで教養を身につけたいと思います 当ブログもよろしくお願いします -------------- 以下の画像をクリックしてもらえると更新の励みになり嬉しいです(ブログ村) ↓ にほんブログ村 *イラストはフリー素材を使用しています *クリックありがとうございます

  • 「能面刑事・中山七里」//喜怒哀楽を表情に見せない鉄面皮の検事

    能面検事 (光文社文庫) 作者:中山 七里 光文社 Amazon あらすじ 空気を読まない。忖度しない。 “どんでん返しの帝王"が新たな名探偵を生み出した!驚愕の検察ミステリー!! 大阪地検一級検事の不破俊太郎はどんな圧力にも屈せず、微塵も表情を変えないことから、陰で<能面>と呼ばれている。新米事務官の総領美晴と西成ストーカー殺人事件の調べを進めるなかで、容疑者のアリバイを証明し、捜査資料が一部なくなっていることに気付いた。これが大阪府警を揺るがす一大スキャンダルに発展して--。一気読み必至の検察ミステリー! 読後感想 この作品はAudibleで聞いた 実際大阪府警であった証拠品散逸事件も素材…

  • 「ヒーロー<チョウセンアサガオが咲く夏>」//ヒーローより重要な役回りもある

    チョウセンアサガオの咲く夏 (角川文庫) 作者:柚月裕子 KADOKAWA Amazon あらすじ 増田陽二は検察事務官 佐伯検事は増田より3歳年下の26歳だ 増田は佐伯の下働きのような存在 今日は増田が高校時代、部活をやっていた当時の監督の告別式だ 佐伯はその始まる時間を気にしながら増田を早めに早退させた 告別式には同期の元柔道部員も何人か来ていた そのうち木戸彩香はマネージャーだった そして当時、人より体が一回り大きかった伊達将司もきていた 木戸から増田に告別式が終わったらみんなと食事に行かないかと誘いを受けた その場には伊達も来ていた 伊達は大阪府警刑事課に勤務しているという 増田も地元…

  • 「黙れおそ松<チョウセンアサガオが咲く夏>」//おそ松登場とは驚いた

    チョウセンアサガオの咲く夏 (角川文庫) 作者:柚月裕子 KADOKAWA Amazon あらすじ 松野家には長男おそ松を始め6つ子の兄弟がいる おそ松、カラ松、チョロ松、一松、十四松、トド松 それぞれ気性は異なる 全部紹介するのは多くなるので略するが、おそ松だけは紹介しよう 彼はどうやって楽に行けていけるかそれだけを毎日考えている ある日部屋の真ん中にまばゆい光が突然現れた 後光を背にする人物が現れ「神様です」と言う 「あなた方を救いに来た あなた方の望みをひとつだけ叶えてくれる」という 6人兄弟それぞれ自分の希望を言うが収拾が付かない おそ松が長男の利を生かして望みを神に伝える 「俺を神様…

  • 「泣く猫<チョウセンアサガオが咲く夏>」//母の友は唯一猫だった

    チョウセンアサガオの咲く夏 (角川文庫) 作者:柚月裕子 KADOKAWA Amazon あらすじ 窓の外から猫の鳴き声が聞こえた 紀代子の娘真紀は母が亡くなったと警察から連絡があり駆けつけた ただ真紀は紀代子と50年も会っていない 紀代子は水商売に入り、真紀の父親とは真紀が生まれる前に分かれた 浮気性で結婚する前とあとでは全く性格が違った そして紀代子と真紀は一緒に住んだが小学3年生の頃、紀代子が出ていったきり戻ってこない 真紀は施設に預けられた 真紀は紀代子とはそれ以来の対面だった 紀代子のもとに弔問客として来たのは水商売の元同僚1人だけ 同僚を代表してきたのだという 誰にも未練を持たれず…

  • 「影にそう<チョウセンアサガオの咲く夏>」//盲目の少女が生きていくための糧

    チョウセンアサガオの咲く夏 (角川文庫) 作者:柚月裕子 KADOKAWA Amazon あらすじ 本編は本書(チョウセンアサガオの咲く夏)の2番目の短編「泣き虫の鈴」の前段の物語だ 横殴りの雪の新潟の山中を親方ハツ、手引きのコトエとチヨの3人で次ぎに芸をする目的地に向かって歩いていた ところがハツととコトエが用をたすと言ってどこかへ行ったきり1刻(2時間)たっても持ってこない 付近は風雪で盲目のチヨはどこ行ったのか探しようがない もしかして捨てられたのではないかと心配する 気を失ったチヨは瞽女屋敷でハツとコトエに見守られているとき目を覚ました コトエが言うにはチヨとコトエがチヨが歩きやすいよ…

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