「雪国」
神保町シアターで「雪国」を見てきました。当時25歳の岸惠子が主演しています。原作は川端康成の「雪国」です。新潟の越後湯沢温泉を舞台に、貧困から芸者に身を落として生きる「駒子」が、旅の男「島村」との不倫の恋にのめり込む話です。しがらみや借金から逃れられず、年を経るごとに駒子の境遇は悪化します。現実的な解決にはならない島村との恋に命を燃やす駒子の姿は、その苛酷で哀しい運命に抗うかのようでした。岸惠子は、とってもパワフルで昭和の日本人女性の枠に全く収まらない稀有な方ですが、内面に烈しさと諦めを同時に抱えた駒子によく合っていたように思います。感想を言葉にするのが難しい映画(というか原作)だなと思いまし…
2023/10/30 00:00