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『隠し砦の三悪人』(58)戦国時代、秋月家の武将・真壁六郎太(三船敏郎)は、生き残った雪姫(上原美佐)と隠し砦に潜んでいた。六郎太たちは、一獲千金をもくろむ農民の太平(千秋実)と又七(藤原釜足)に軍用金の黄金を背負わせて敵陣を突破し、友好国へ逃げ込もうとするが…。次々にふりかかる絶体絶命の危機を大胆に切り抜けていくハラハラドキドキの大脱出劇。『スター・ウォーズ』(77)のジョージ・ルーカスをはじめ、多くの映画作家に影響を与えた、黒澤明監督の傑作時代劇。佐藤勝の音楽も素晴らしい。(94.11.)もはや新たに書くことなどないと思うほど、もう何度も見ているというのに、またしても面白かった。これは一体どういうことなのだ。ところで、今回は、レナード・マルティンの『MOVIESGUIDE』で、この映画についての「三船...「BSシネマ」『隠し砦の三悪人』
京橋の国立映画アーカイブで開催中の「脚本家黒澤明」を見た。黒澤が影響を受け、映画化もした作家には、ドストエフスキー(『白痴』51)、シェークスピア(『蜘蛛巣城』57)、山本周五郎(『椿三十郎』62・『赤ひげ』65・『どですかでん』70)らがいるが、彼らに加えて、映画化はしていないがバルザックの影響が大きいことに触れていた。『隠し砦の三悪人』(58)や『七人の侍』(54)を例にして、菊島隆三、小国英雄、橋本忍、そして『デルス・ウザーラ』(75)や『乱』(85)の井手雅人との“共同脚本”の執筆の様子を生原稿などで再現しているコーナーには興味深いものがあった。谷口千吉監督の『銀嶺の果て』(47)など、他の監督たちに脚本を提供した作品を見ると、改めて監督としての黒澤明のすごさを知らされる思いがした。また、エドガー...「脚本家黒澤明」(国立映画アーカイブ)
『不滅の熱球』(55)伝説の名投手・沢村栄治といえば、池部良が沢村を演じた鈴木英夫監督の『不滅の熱球』(55)がある。戦死した沢村が、英霊となって後楽園球場のマウンドに戻ってくるラストシーンが切ない映画だ。妻役は司葉子。この映画の脚本は、黒澤明の映画で有名な菊島隆三が書いているのだが、彼はこの映画の他にも、後楽園球場での巨人対南海戦が映る『野良犬』(49)、志村喬がプロ野球の監督を演じた『男ありて』(55)の脚本を書き、『鉄腕投手稲尾物語』(59)の原作、構成も担当している。多分無類の野球好き。日本の野球映画を語る時には欠かせない存在だ。『その場所に女ありて』(62)広告業界を舞台に、男社会に果敢に挑むキャリア・ウーマンの夢と挫折を描いた、鈴木英夫監督の女性映画。広告代理店同士の熾烈な戦いの中で葛藤する女...鈴木英夫特集『不滅の熱球』『その場所に女ありて』
阪急ブレーブスほかで名遊撃手として活躍した阪本敏三が亡くなった。彼の名前が出てくる映画がある。『闇を裂く一発』(68)(2013.7.3.)メキシコ五輪の射撃候補生の本多(峰岸隆之介)、同じく近代五種の中尾(平泉征)、フリーピストルの木村(青山良彦)は、ある日、本庁に呼び出される。3人は捜査会議の席で、東京の下町で起ったライフル魔事件を知らされ、子どもを人質に取って逃走中の犯人(佐藤允)を、最悪の場合は一発で射殺するよう命じられる。本多は江森(露口茂)、中尾は犬丸(加藤武)、木村は酒井(高原駿雄)というベテラン刑事とコンビを組んで犯人の後を追う。監督・村野鉄太郎、脚本・菊島隆三、撮影・上原明、音楽・山下毅雄によるこの映画は、3組の若手とベテランの刑事によるバディムービーとして見ても面白い。脚本の菊島は、黒澤明の...『闇を裂く一発』東京スタジアム