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  • 読み始めた頃

    小学校に入学する前は、時々、「幼稚園」、あるいは「楽しい幼稚園」のような幼児向け雑誌を買ってもらって読んでいた。 その頃、家族の知り合いに本屋さんがいたので、両親や祖母は、それらの本をその知り合いの店で買うことが多かった。 最寄りの駅にも、当時はキオスクがあり、そこで買ったりして僕に与えてくれていた。 それらの薄い雑誌で、僕は漫画を読んでいた。 小学校に入ると、「小学一年生」などを続けて読んでいた。時々「テレビランド」なども買ってもらっていた。 小学校高学年になると「冒険王」や、「少年サンデー」なども読んだりしていた。 これらの児童や少年向け漫画雑誌の他に、学校の図書室にある本も読むようになっ…

  • これでテニスがうまくなっていたら奇跡だ 豊沼-砂川(二十六)

    学校のテニスコートの脇に草むらがあり、練習中よくそこにボールが飛んでいった。僕たちはその草むらでボールを探した。時々、古くなったボールが見つかった。古いボールは汚れていたので、手で触るのが嫌だった。それで、テニスラケットですくい上げるようにして取っていた。そのうち、ただすくい上げるだけでなく、ゴルフで深いラフから打ち出すような感じでボールを打つようになり、やがてそれが楽しくなった。練習時間中ずっとゴルフ遊びのようなことをしていたこともあった。顧問の先生が練習を見にくることはほとんどなく、先輩部員もあまり熱心ではなかった。それで、僕たちは練習をまったくせず、テニスコートの脇で勝手に遊んでいたのだ…

  • 【現代詩】「根」 遠い北の駅の待合室と、線路の上を季節の変わり目に吹き抜ける風のイメージ 現代詩の試み

    根 冷たい風の吹く朝 遠い北の町を目指して 細い指で地層の境目に指を差し込む 狭い穴の中が 生ぬるい呼気で湿り 汗が土を固め 指先を押し返す 呻く口に、ざりざりとした土が入り 吐き出そうとして 最後の息を吐いてしまう 重い、窒息 と、爪が剥がれ 温かな血が流れ出し 硬い地層の層間を巡るように走る 気がつけば 足の指からも 口からも耳からも 無数の血の筋が出ていて 根のように 地中を這い回り 重く硬い地層を貫き 全方位に果てしなく展開し 不意に流動化する暗い地中で 身体をまるで中空に浮かぶように ゆらゆらと、ゆらゆらと捧げ持つのだ 根の先端は 層間を走り続ける 西へ、東へ、南へ、そして北へ …あ…

  • 年金って、どうやってもらい始めるの? ただ待っていても年金は振り込まれません 年金に対する疑問もFPの勉強が解決

    こんにちは、暖淡堂です。 自分自身のこととして気になっている年金。 金額だとか、受給年齢だとか、その辺り、とても気になります。 が、ふと、年金って、何もしなくてももらえるのだろうか、と疑問に思いました。 まあ、そんなわけないですよね。 で、今回は、年金をもらい始める時の手続きをまとめてみようと思います。 年金は手続きをしないともらえません 年金はどのようなタイミングで支払われるのか 年金は手続きをしないともらえません 老齢基礎年金も、老齢厚生年金も、年金をもらうためには、年金請求書を記入して提出しないともらえません。 年金請求書の提出先は年金事務所。 年金請求書は、年金をもらえる年齢になる3ヶ…

  • 2010年6月下旬 週末を家族とのんびり過ごす 初めての日本への出張【微笑みの国の記憶:タイ駐在備忘録】

    2010年6月下旬には雨季に入っていた。 それでもあまり雨は降らず、晴れて暑い日が続いていた。 仕事では、新入社員(研究員)採用で、大学や公的な研究機関訪問をしていた。 特にチュラロンコン大にはよく通うようになった。 その結果、数人の教授と面識を得て、継続的にコミュニケーションを取れるようになった。 学生も何人か、会社の仕事に関心を持ってもらえたようだった。 当時のタイの大学の研究室の中は、設備があまり整っていなかった。 それでも、学生たちは工夫して実験をしていた。 ゼミ室に、当時の国王の写真や肖像画、仏像のようなものが飾られているのが普通の状態のようだった。 教官の家族(子供)が遊んでいるこ…

  • 「終着駅」 谷村新司 「人生の終わり」を見つめ続ける

    こんにちは、暖淡堂です。 谷村新司さんが亡くなったことの寂しさを、まだ引きずっています。 最近は新しい曲よりも、まだ谷村さんが30代、40代の頃に発表されたアルバムの曲をよく聴いています。 で、思い出したのがこの「終着駅」。 「昴」が大ヒットしていた頃に発表されたアルバムに収録されています。 この曲のイントロと、その後の展開のドラマチックさには、谷村新司さんの作品群のエッセンスが溢れています。 思えば、谷村新司さんは、いつも「人生の終わり」を曲のどこかに潜ませているように感じます。 そして、時々、その「終わり」自体をテーマにした曲も発表されます。 アリスで大ヒットした「チャンピオン」も、一つの…

  • 旭川、鷹栖の親戚の家のこと 昭和の頃は、旭川が大都会に思えたこと 【沙河13】

    小学校に入学する前は、祖父母に連れられて、よく親戚の家に行きました。 祖父や祖母の家系は、入植後、道北の旭川、士別、比布あたりに住んでいました。 祖父母によく連れて行ってもらった親戚の家は、多くが旭川や鷹栖の周辺。 広い田圃の中に家がポツリポツリとあるようなところでした。 旭川の駅前は、子供の目から見ると大都会。 市外につながる路面電車がまだ走っている頃でしたね。 旭川電気軌道という会社が運営している電車でした。 www.youtube.com 旭川は、砂川とは比べられないほど大きな街でした。 そこで僕は、初めてカウンターの前でお寿司を食べたことを覚えています。 祖父母の遠出におとなしくついて…

  • 「塗仏の宴 宴の始末」 京極夏彦 京極堂自身の事件【暖淡堂の書棚】

    こんにちは、暖淡堂です。 「塗仏の宴 宴の始末」 読み終えました。 京極夏彦さんの作品です。 講談社ノベルズで、1998年9月20日に第一刷発行となっています。 「塗仏の宴 宴の支度」とほぼ同じサイズ。 ほぼ同じ重量感です。 このくらいの厚みがあると、護身用にも使えるかもしれません。 使い方によっては凶器にもできそうです。 枕であれば、すぐそのまま使えます。 「宴の支度」で準備されたもの以上の展開があります。 まったく別の出来事なのに、なぜかつながっているように思える、そのつながりの理由が明らかにされます。 また、過去の事件も関係しているように思えてくる。 それを理解するためのキーワードが「家…

  • 百人一首の時代 第61歌から第70歌まで まとめ

    百人一首の第61歌から第70歌までをまとめます。 藤原道長が権勢を極めた時代から、地方で平氏、源氏、それぞれが力をつけ始めた頃までになります。 また、世の中から少し距離を取り、僧侶となった人たちの作品もいくつか見られましたね。 dantandho.hatenadiary.com dantandho.hatenadiary.com dantandho.hatenadiary.com dantandho.hatenadiary.com dantandho.hatenadiary.com dantandho.hatenadiary.com dantandho.hatenadiary.com dant…

  • 「GOING HOME」 谷村新司(&堀内孝雄) 長い旅路の果て

    こんにちは、暖淡堂です。 谷村新司さんが亡くなられたことの衝撃が、まだ身体の奥の方に残っています。 ついつい、曲を聴いてしまいます。 で、思い出したのが、この曲。 谷村新司さんのソロアルバムに収録されているのですが、堀内孝雄さんとのデュエットになっています。 二人の歌声だけがもつ響きのようなものが聞こえてきます。 もうこんな曲が新たに作られることはないのですね。 気づかないうちに、もう取り戻すことのできない時間が流れているということかもしれません。 一緒にいる、大切な人との時間を大切にしようと思います。 自分にしかできないことを、一つでも多く実現したいなとも。 本当に、一度きりの人生ですから。…

  • 中学校での部活のこと 豊沼-砂川(二十五)

    中学入学から少しして、僕はテニス部に入った。一年先輩の部員に廊下で勧誘されたのだ。練習はきつくないというので入部することにした。嫌だったらやめようと思っていた。練習は確かにきつくなかった。そして、テニスが上手になることも、強くなることもなかった。よその学校との練習試合や中体連のトーナメントに参加しても、僕は勝ったことがほとんどなかった。 * テニスといっても、軟式テニスでした。 フワフワのボールで、空気が抜けたり、寒くなったりすると縮んだりしていました。 ラケットのフレームに当たると「魔球」になるので、それをわざとやって遊んだりしていましたね。 顧問の先生は、練習を見に来ることはほとんどなかっ…

  • 【現代詩】「花」 酔った花が光のようにこぼれ落ちるイメージ 現代詩の試み

    花 酒気まじりの風が その枝の先で微かな渦を巻く、 と、 空間が小さく揺れ、 波紋のように生じた襞の間を、 滑り落ちるように、 たくさんの花が、 一斉に… 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon 【現代詩】「花」 酔った花が光のようにこぼれ落ちるイメージ 現代詩の試み またお立ち寄りください。 どうぞご贔屓に。 dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

  • 大学生も社会保障制度にエントリーを 学生納付特例制度で将来の年金を守ろう! FP2独学で準備中

    こんにちは、暖淡堂です。 FP3合格時、たくさんの方からコメントをいただきました。 とても励みになります。 ありがとうございました。 ☺️☺️☺️☺️☺️ で、今回は、大学生と国民基礎年金の保険料支払いについて整理してみます。 大学生の時期に、社会保障制度の知識がもっとあったらよかったのに、と、反省しています。 ぜひ、今の大学生の方々には基本的な知識は持っていただけたらと思っています。 国民基礎年金のざっくりとした金額感 日本に住んでいる20歳から60歳までの人は、国民年金保険料を支払う必要があります。 20歳から60歳までの40年間、国民年金保険料を支払うと、国民基礎年金が満額受け取れます。…

  • 「桐の花」 さだまさし 秋の日の夕暮れに、沁みる声を。

    こんにちは、暖淡堂です。 秋らしくなってきました。 色々と物思いに耽ってしまいます。 遅めの昼食を済ませた後、家族とテレビを観ていたら、さださんの姿が。 NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」の再放送でした。 さださんは、グレープの頃からずっと好きでしたね。 番組では、華やかな活動の裏で、色々と悩んでいたということも紹介されていました。 中学生や高校生の頃の僕は、そんなことはまったく知りませんでした。 純粋に、曲を聴いていました。 僕みたいな人間(ファン)がいたことが、さださんが活動を続けていく上での一助になっていたらなあ、なんて思いました。 で、思い出したのが、「桐の花」。 さださんの曲…

  • そういえば氷河期っていつ頃くるのだったっけ? 子供の頃、ものすごく不安でした

    こんにちは、暖淡堂です。 僕が子供の頃は、やがて氷河期が来る、そのための準備をしないと、人類は大変なことになる、と言われていました。 昭和40年代の頃です。 子供の頃は、それがとても不安でした。 氷に閉ざされた世界で生きる様子を想像していました。 今みたいに、地球温暖化が問題だと言われ始める前のことですね。 現在の地球は最前の氷河期と次の氷河期との間の間氷期。 次の氷河期は、約5万年後に訪れると予想されているようです。 本格的な氷河期ではなくても、寒い時期はその前にあって、もしかしたら2030年頃にそれは起こるかもしれないとの予想もあるみたいです。 business.nikkei.com 小さ…

  • 「君の瞳は10000ボルト」 堀内孝雄 僕の世代で「キンモクセイ」といえば

    こんにちは、暖淡堂です。 朝夕のお散歩が、気持ちのよい季節になりました。 歩いていると、キンモクセイの香りを嗅ぐことが多いですね。 散歩経路のところどころにキンモクセイが植えられています。 で、思い出すのは「君の瞳は10000ボルト」。 堀内孝雄さんの大ヒット曲です。 「0」の数に要注意です。 この曲がリリースされた頃のことを覚えています。 先日亡くなった谷村新司さんが、その頃も体調を崩されていて、アリスとしての活動は休止中でした。 この曲は作詞が谷村新司さん、作曲が堀内孝雄さんで、もともとはアリスの曲として作られたのではないかと思います。 それが、堀内孝雄さんのソロの曲になり、その後、堀内さ…

  • 2010年6月中旬 家族の滞在ビザ手続きをした【微笑みの国の記憶:タイ駐在備忘録】

    2010年6月中旬のこと。 仕事はそれなりに進み始めていた。 僕がタイに赴任する前に、タイから日本の大学に留学していた現地のスタッフがいた。 そのスタッフは、僕が統括する組織のメンバーではなかったが、留学を終え、タイに帰国した際は、僕の組織に入りたいと希望し始めていた。 彼は元々は工場のエンジニアだったが、優秀だったので留学機会を得て、日本の大学で研究していた。 留学期間中に研究が面白くなり、帰国後も続けたくなったようだ。 僕の組織は、現地スタッフを中心にしたR&Dセンターだったので、帰国後はそのメンバーになり、研究を続けたいと希望していたようだった。 工場側のマネージャーは、予定通り工場に戻…

  • FP技能士3級に「完全合格」していました えっ、完全合格ってなに? まあ喜んでおきましょう

    こんにちは、暖淡堂です。 本日(2023年10月20日)は、2023年9月10日に行われたFP技能検定試験の合格発表の日でした。 午前10時からFP協会のHPで合否確認ができました。 www.jafp.or.jp 見てみると、「完全合格」の文字がありました。 「完全合格」の意味がわからなかったのですが、おそらく「学科試験と実技試験の両方とも合格だよ」くらいの意味で理解しておこうと思います。 以前のブログにも書きましたが、FP3級の試験が終わった直後からFP2級の試験勉強を進めています。 FP3級の勉強をしながら、得られている知識の意味や価値がよくわかってきたからです。 さらに実践的に活用してい…

  • 祖母の昔話 戦前、戦中の北海道の面影 【沙河12】

    小学校くらいまでの頃の僕の北海道観は、ほぼ祖母から聞いた話で出来上がっていました。 祖母が子供の時に奉公に出ていたという話は何度も聞きましたが、それがどこのことだったのか聞きそびれているのが残念です。 北海道への入植の時期を判断する重要な情報になったはずです。 砂川の高校を卒業した後、旭川の大学に通いました。 社会学の講義が終わった時、教授の先生から声をかけられました。 僕が書いた試験の答案の内容に関心を持ったようでした。 答案には、祖母から聞いた話の一部を書いたように記憶しています。 祖母に追加で話を聞いてみてほしいということでした。 その頃、祖母は入院していて、あまり長い時間話はできなかっ…

  • 【現代詩】「白き峰」 人間の弱さを知らせるもののイメージ 現代詩の試み

    白き峰 駐車場の手摺越しに 白き峰々が、見える 人々の暮らしを 不意に呑み込む 大量の雪を被り 一層聳え立つ 大きな 白き峰々が、見える 冷たい風の午後 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon 【現代詩】「秋の駅/豊沼」 渦を巻く季節の中心にある故郷のイメージ 現代詩の試み またお立ち寄りください。 どうぞご贔屓に。 dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

  • 「塗仏の宴 宴の支度」 京極夏彦 【暖淡堂の書棚】

    こんにちは、暖淡堂です。 京極祭を極私的に楽しんでいます。 読んだものをすぐに忘れてしまうので、エンドレスに続けられそうです。 老後につながる楽しみになっています。 で、最近読み終えたのが 「塗仏の宴 宴の支度」 京極夏彦さんの作品です。 講談社ノベルズで、1998年3月30日に第一刷発行となっています。 塗仏の宴 宴の支度 この本も厚い。そして重たい。 もし「塗仏の宴 宴の始末」と合わせて一冊になっていたら、オーバーな言い方ではなく、建材のレンガなみ。 これを通勤電車の中で、片手で吊り革につかまり、もう片手で読むとすると、結構な筋トレになります。 昨年、腱鞘炎をやっているので、要注意ではあり…

  • 戦国武将たちはなぜ「十八史略」を読んだのか 還暦と定年を機会に古典を学び直すために最適な入り口

    こんにちは、暖淡堂です。 還暦や定年を機会に古典を学び直すのはとても有意義なことだと考えています。 人生経験も十分に積んでいるので、古典を読むときの理解が、若い頃よりもずっと深くなっていることに気づくはず。 改めて古典を読もうと思った場合、では何から読み始めるのがよいでしょうか。 書店で入門書や解説書などがたくさん売られている論語や老子、荘子などの東洋思想の書物をまず手に取るのがよいでしょうか。 それとも翻訳や小説化されている水滸伝や三国演義などから読むのがよいでしょうか。 そのどれから読み始められるのも、十分に楽しめるし、学ぶことも多いかと思います。 暖淡堂の一番のオススメは、歴史書です。 …

  • 「さびしさに 宿を立ち出でて 眺むれば」 良暹法師 秋の夕暮れを多くの人が愛した

    百人一首第70番目の歌の作者は良暹法師りょうぜんほうしです。 この人も僧侶で歌人です。 今回は良暹法師について紹介します。 良暹法師とは 生没年不詳。 生年1000年頃、没年1065年頃とする説があります。 天台宗の僧で、朱雀天皇、後冷泉天皇の頃に歌人として活躍しました。 祇園別当にもなったとされています。 一時期、大原に隠棲したと伝えられています。 百人一首に選ばれた歌は、その頃に住んだ庵で経験した情景を詠んだものかもしれません。 前回紹介した歌も、秋を詠んだもの。 この時代の人たちは、秋の情景を愛していたのでしょうね。 dantandho.hatenadiary.com 時代背景 「扶桑略…

  • 【現代詩】「秋の駅/豊沼」 渦を巻く季節の中心にある故郷のイメージ 現代詩の試み

    秋の駅/豊沼 空間を埋めるいくつもの勾配から そのざわめきから 瞬間に凝り、ゆっくりと とてもゆっくりと 滑り落ちる小さな無数の滴の群を その静かな流れを 層流状態に落とし込むのは 冷ややかな激しさ 滴は加速する螺旋を描きながら寄り集まり 青い球状の塊になり表面に漣を走らせる そして強度の変化域に捕らわれ 激しく揺すぶられると 歪みながら縮み 黒変した後 弾ける その時に失われる わずかな質量が その涯を、ここ、に手繰り寄せる その風は、線路の上を あの日の「私」の後を 追って、行った そして、何度もここに帰り、 ここから始める この、「私」への収縮 あの春、の、さびしげな背中と あの夏、の、…

  • 宇宙の涯や、遠い未来や過去を想像するのが好きだった 豊沼-砂川(二十四)

    理科だけは好きだった。好きだったので、授業の内容はよくわかった。試験の成績がよかったとはいえないが。おそらくは当時よく観ていたテレビ番組のおかげだと思っている。宇宙やミクロの世界や未来や遠い過去のことを考えていることが多かった。この理科好きは、結局、今の僕の生き方の大部分を決めている。 * 小学生の頃、図書室にあった児童向けのSF小説全集を読み切りました。 通学路を車が通ることはあまりなかったので、学校の行き帰り、本を読みながら歩いたりしていました。 で、家に帰っても、そのまま読み続けて。 今、スマホを見ながら歩いている人と同じことを、小学生の頃にやっていたような感じですね。 中学生になって、…

  • 「冬の雁」 谷村新司 追悼

    mainichi.jp こんにちは、暖淡堂です。 しばらくは、うまく言葉にできない気がします。 「冬の雁」という曲を思い出しました。 「人それぞれの、幸せがあるらしいわ」という歌詞が、頭の中を流れていることがよくあります。 「海を渡る蝶」というアルバムに入っていました。 こんな時ですが、以下の曲を皆さんと共有できればと思います。 www.youtube.com *☺☺☺☺☺* 海を渡る蝶 [12" Analog LP Record] アーティスト:谷村新司 日本フォノグラム Amazon 「冬の雁」 谷村新司 追悼 過ぎ去った時間を痛感します。 ご冥福をお祈りします。 dantandho ラン…

  • 大学生こそ「103万円の壁」を意識するべき FP2の勉強を進めています

    こんにちは、暖淡堂です。 130万円の壁(保険での扶養の取り扱い)と103万円の壁(所得税の配偶者控除)について、前回までの記事にまとめました。 dantandho.hatenadiary.com dantandho.hatenadiary.com 今回は所得税における扶養控除の全体像をまとめてみたいと思います。 扶養控除とは 扶養控除とは、生計を同じくしている家族の事情に合わせて、税額を軽減するためのものですね。 家族の年齢とか、それぞれの収入とかに応じて、所得金額を調整して、税額を決めます。 扶養家族が多いと、その分、税金が減っていく感じです。 所得税を計算する流れを簡単にまとめると、以下…

  • 「君が、嘘を、ついた」 オフコース 切ない、辛い、秋の夜に

    こんにちは、暖淡堂です。 朝、起きた時には強めの雨が降っていて。 起きられませんでした。 いつもよりも長く、布団の中でヌクヌクと過ごしていました。 で、色々と考えていたのですが、ふと思い出したのがこの曲。 「君が、嘘を、ついた」 オフコースの名曲です。 小田さんの声って、独特だよなあってまず考えて、次に、初めて聞いた人はどんなふうに感じるかなあって思って、もしかして、女の人かなって思う人もいるかなって、なって。 どうなんでしょうね。 小田さんの声を聞くと、学生時代のことを思い出したりします。 この曲は、ちょうど色々とあった頃によく聴いていました。 一人で過ごす午後に、どうぞお楽しみください。 …

  • 京極本との付き合い方 これから読み始める人へ

    京極本を積み上げる こんにちは、暖淡堂です。 極私的に「京極祭」の真っ最中です。 京極夏彦さんの作品、たくさん出版されているので、興味を持たれている方は多いかと思います。 それでも、なんとなく手を出すのに「ためらっていたり」していたり。 その理由は、おそらく本の厚さ。 それと、表紙の絵の怖さ。 表紙の絵の怖さは、本を買った後、カバーを外してしまうか、さらにカバーをかけてしまうかで、なんとかなります。 しかし、本の厚さはどうにもなりません。 本が厚いと、どうなるか。 手が疲れる。 この部分は、筋トレと理解してもらうのが一番良いかと思います。 また、本が厚いと、文字がたくさん書かれています。 厚さ…

  • 「故郷には帰りたくない」 堀内孝雄 郷愁を、秋の日に

    こんにちは、暖淡堂です。 秋ですね。 日本酒ですね。焼酎のお湯割ですね。 秋味のビールですね。 結局なんでもいいのですが。 酔いながら、故郷のことを考えたりします。 で、ふと思い出したのが、堀内孝雄さんの「故郷には帰りたくない」。 確か「君の瞳は100万ボルト」のB面に入っていましたね。 「故郷には帰りたくない」の作詞は岩谷時子さん。 アルバム「あいつが死んだ晩」は、岩谷時子さんとの共作がメインでした。 そのアルバムにも収録されています。 (ちなみに、「あいつが死んだ晩」は、堀内さん自身の再録音版があります) この歌の歌詞、ついつい引き込まれてしまいます。 両親のことを、それぞれ思い出したり、…

  • 極私的「京極祭」しめやかに開催中です、まだ中盤 【暖淡堂の書棚】

    こんにちは、暖淡堂です。 今年、春頃からずっと、自分の書棚にある京極夏彦さんの作品を断続的に読み続けています。 これまでに読んだ本を、読んだ順に並べると以下になります。 実際に書棚にあるものは、単行本で、新刊は大きな書店でもあまり見かけなくなりました。 以下に掲載したのは、それぞれアマゾンの広告のリンクになっています。 で、最初に読んだものが以下です。 これを引っ張り出した時は、京極祭の兆候はまだありませんでした。 遠巷説百物語 「巷説百物語」シリーズ (角川文庫) 作者:京極 夏彦 KADOKAWA Amazon これまで発表されているものの後日談風ではありますが、まだまだ語られていない事件…

  • 【現代詩】「変 域」 境界線上を滑落しながら発熱する液滴のイメージ 現代詩の試み

    変 域 その白い膚に凝るように寄り集まる滴は 互いの境界を食い破りながら成長し 表面を泡立てながら発熱する 越境する水銀球になる それ、 は、 ゆっくり、 と、滑落しはじめる… 水銀球は 産毛の上を転がりながら 急激に発熱し不意に泡立つ転移点に到る 乱れる 表面では どの「私」への 収縮をも拒む「私」達が 表面を走る漣に乱されながら 球の内側から伸びてくる無数の紐に きつく縛り上げられて 生ぬるい底に 呑まれる 二つ目の水銀球は わずかな窪みをなぞりながら 耳、首筋、胸、腹、背、を辿り 急激な変域を介してその向こう側を震わせ 発熱させる、そして界面を埋め尽くす 赤く染まる熱い膚の冷たい汗 震え…

  • 祖父母の部屋、そこで聞いた昔話など 【沙河11】

    北海道の砂川市で生まれてから高校を卒業するまでのことを振り返っています。 昭和の頃の様子なども思い出せる範囲で書いています。 僕はいわゆる「お婆ちゃん子」で、いつも祖母と一緒にいました。 母が外に働きに出ていたからかもしれません。 祖母と話をすることが多かったので、考え方も影響を受けています。 北海道を移住し続けたこと、アイヌの人、朝鮮の人、中国の人などのこと。 道路工事や炭鉱で働いていた人たちのこと。 それに、男の子はどのような大人になるべきか。 現在の自分は、その頃に思い描いたものの、途上にあるような気がしています。 【沙河】昭和四〇年~昭和五〇年 (六)① 祖父母の部屋は、一階を南東、南…

  • 「平均寿命くらいまで生きるだろう」は正しい予想ではありません 自分は何歳まで生きられる?

    こんにちは、暖淡堂です。 還暦を無事乗り越えられるとして、そのあと、自分は何歳まで生きられるのでしょうか。 何歳まで生きるのかで、何歳まで働くのか、お金はいくらあったらいいのかがまったく違ってきます。 で、自分は何歳まで生きられるのでしょう。 それを考えるにあたって、気になったのが二つの言葉。 平均寿命 平均予命 よく耳にするのですが、それぞれ、意味が違うようです。 平均寿命とは 平均寿命とは、現時点で0歳の人の平均予命のこと。 今年生まれた人があと何年生きるのか。その平均の年数のことを意味します。 2021年(令和3年)では男性が81.47年、女性が87.57年。これは過去最高となった202…

  • 惜別 鬼役(五)坂岡 真 将軍の食事内容が面白い

    加賀前田藩の手木(てこ)足軽の相撲取りが、茶店で乱暴を働き、女を死なせてしまう。店にいた矢背蔵人介は、それを防げなかったことを悔む。 加賀藩の重臣は事件をもみ消すため、矢背蔵人介を買収しようとする。事件を起こした手木足軽は加賀藩のお抱え力士として御前相撲に出ることになっているのだ。 矢背蔵人介は賂を拒み、将軍家斉の面前で力士に恥をかかせる形での復讐を実行する。 * ハマっています。短編連作なのが、通勤電車の中で読みやすいです。気が付けは家慶の息子の影がとても薄くなっていますね。でも志乃と幸恵は大活躍。笑いどころもあります。 そういえば、江戸時代の将軍の食事メニューがよく出てきます。夕方の電車の…

  • 【現代詩】「毘売塚(ひめづか)」 冷たい水の底に横たわる古代の丸木舟と月のイメージ 現代詩の試み

    毘売塚ひめづか 紺色の雲の端が朱色に炙られ 渦巻き身を捩る 遠い涯から冷たい風が (…不穏な… (…底の、獣を目覚めさせる… 空から剥がれ落ちた風が 砂浜を舐め続ける薄い波の舌先を 白く、まだ幼い足で踏みしめながら 水平線の先を睨み続ける少年は (…落ち着かない… (…獣が、底で、臭う息を吐く… 血で泥濘る砂浜に 赤黒く染まる矛を立て 細い腕で、震える指先で、穴を掘る 緑の光を滴らせる月の下 布で固く包んだ少女を 穴の底の丸木舟にそっと横たえる、と 静かに砂が、黄色い風が、穴に流れ込み (…ああ、… (…そこに、「私」も、… 不意の衝動に、息を吸うこともなく ///叫ぶ///骨が、軋む/// …

  • 「嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は」 能因法師 秋の情景に思いを馳せて詠った

    百人一首第68番目の歌の作者は能因法師のういんほうしです。 僧侶で歌人。中古三十六歌仙の一人です。 今回は能因法師について紹介します。 能因法師とは 生年988年、没年1050年(または1070年)。 俗名は橘永愷たちばなのながやす。 和歌に堪能で、諸国を旅し、その情景を詠った歌が残されています。 百人一首に選ばれた歌は後冷泉天皇の頃の内裏歌合で詠まれたもの。 この時は三室の山の情景を想像して作っていますが、山に吹き荒れる嵐、散るもみじ葉、錦のような落ち葉で覆われた竜田川など、色彩と動きが盛り込まれた作品になっています。 yamatoji.nara-kankou.or.jp 能因法師はまた数寄…

  • 「口笛が聞こえる町」 谷村新司 北へ向かう旅情

    こんにちは、暖淡堂です。 秋が深まりつつある季節、どこかに行くのであれば「北」でしょうか。 そんなことを考えていて思い出したのが、この曲です。 海は、日本海かもしれません、どこかの海峡かもしれません。 オホーツク海でもいいですね。 なんだかついつい演歌っぽくなってしまいますが。 イカ釣船というと、函館とか小樽のあたりとか。 自分の海のイメージそのままです。 そういえば、美味しいイカを最近食べていません。 そろそろ帰ろうかな。 秋が深まりつつあるこの季節。 美味しい肴でいっぱいやりながら、旅情を感じてみてください。 www.youtube.com 谷村新司 「 黒い鷲 」CD/帯付 ノーブランド…

  • 数学がわかるようになった日の記憶 豊沼-砂川(二十三)

    数学がわかる 数学も、はじめ不得意だった。何がどうなっているのか、さっぱりわからなかった。それでも、いつまでもわからないのが辛いので、やさしそうな参考書を一冊買ってきて、それをはじめからゆっくりと学習してみた。考え方、問題の解き方がていねいに書かれていたので、よくわかった。そして読み進むうちに、楽しくなってきた。その日、僕はその参考書を明け方近くまで読み続けていた。その翌日は休日だったから夜更かしは可能だった。布団に入ってからも、しばらくは興奮していて、寝付けなかったと思う。生まれてはじめて、勉強が楽しいと感じた日だった。 * 僕の学生生活は数学と科学(物理と化学)で埋め尽くされています。 高…

  • 【現代詩】「地下茎」 深い地底で醗酵する古代の遺物のイメージ 現代詩の試み

    地下茎 ここ、に この地下に溜まる 巨大な爆縮が持ち去った 触手の時代の空洞 あるいははじめからなかったもの 後退する凍土が置き去りにした湿地 涯からの響きに応えるのはこの地下に並ぶ灰色に膨れ上がる腹を抱えた箱舟の群暗い窓に浮かぶ口不ぞろいな歯に肺が潰れもう息を吸い込むことの出来ないがための窒息する叫び 北の、西の、南の、東の 炭鉱を、灰色の男達が、女達が取り囲み 赤い提灯を掲げて、回り始める とろけるようにゆがむ遠い涯に陽が落ち 水から上がったばかりの月が光を滴らせると 男達が提灯の火を互いの背に押し付け 腐臭を漏らす 女達が下腹に零れ落ちる塊を 乳飲み子のようにあやす その時、不意に燃え上…

  • 九竅之有職、官之分也。春秋時代から伝わる心術の歴史 黄老思想の源流:菅子四篇から

    黄老思想の源流:老子 こんにちは、暖淡堂です。 古典からは様々なものが学べます。古典を読んでいると、今、書店で売られている本に書かれているような内容のものが、すでに2000年以上前にもあったりします。2000年以上にわたって書き続けられている内容って、人類の永遠のテーマなのかもしれませんね。 「心と身体」について書かれている書物を紹介しています。「管子四篇」の「心術」でです。前回の続きを紹介します。前回は漢字8文字。今回は漢字9文字に増えます。ちょっとだけ長くなります。が、読み方は前回と同じです。 少しずつ、読んでみましょう。 九竅之有職 官之分也 心身二元論、とは 九竅之有職 九竅きゅうきょ…

  • 「懐かしい友のうたう歌」 堀内孝雄 いつもすぐそばにいる過去

    こんにちは、暖淡堂です。 なんだかこのところ、昔のことばかり考えています。 そして、いろんな懐かしい曲を思い出しています。 ふと、堀内孝雄さんの昔の曲を思い出しました。 「懐かしい友のうたう歌」です。 この曲はアルバム「忘れかけていたラブソング」に収録されています。 YouTubeで探してみたら、ライブ映像がありました。 弾き語りで、とても堀内孝雄さんらしい演奏になっています。 この曲の世界観は、のちの「ジョニーの子守唄」や「さよならDJ」などでも引き継がれています。 街角でふと耳にした歌で、多くのことを思い出す。 僕にも、そんなことが、以前はよくありました。 僕の郷里の砂川では、商店街で有線…

  • 心之在體、君之位也。春秋時代から伝わる心術の歴史:菅子四篇の心術から

    こんにちは、暖淡堂です。 皆さんは、心と身体の関係について考えたことはありませんか? この関係について、2500年以上も前に書かれた書物があるのをご存知でしょうか。 それが「管子」と呼ばれる書物の中の「心術」という篇です。 「心術」は、上下篇に分かれ、他の「白心」篇、「内業」篇と合わせて「管子四篇」と呼ばれています。 管子四篇 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 「管子四篇」は、現代を生きる私たちにとって、とっても示唆に富んだ書物なのですが、丁寧に解説している本はあまり目にしません。 それは非常に残念なことです。 そこで、この書物について、少しずつですが詳しく解説していきます。 漢文の…

  • 「青空」 谷村新司 どこまでも青く高い空を見上げながら

    こんにちは、暖淡堂です。 秋空を見上げると、必ず思い出される曲があります。 谷村新司さんの「青空」です。 この曲は、谷村新司さんのソロアルバム「引き潮」のB面ラストに収められています。 アリスのヒット曲が続く時期の、少し前の発表ですね。 まだ若い谷村さんの艶のある声を楽しめます。 また、詞も、その後のアリスや谷村新司さんご自身の活躍を見据えているような感じです。 そして、さらにその後まで、その視線が届いているような。 僕の今の年齢になって、あらためてこの曲を聴くと、ここまで辿り着くまでの道のりを、過去の視点と現在の視点で重ねてみることができるような気がします。 空間的にも、時間的にもスケールの…

  • 2010年6月上旬 サービスアパートの部屋の中の整理、家電品の現地調達など【微笑みの国の記憶:タイ駐在備忘録】

    パタヤのモスバーガー 2010年6月上旬。 相変わらず身体の疲れは取れていなかった。 時々大雨が降って、車の通勤に時間がかかるようになっていた。 自分では運転しないが、それでも車の中に往復で2時間以上座っているのはそれなりに疲れた。 疲れがたまる上に、運動不足になる。 色々と身体にはよくなかった。 船便で届いたものが大体片付くと、必要な家電品などの調達に取り掛かった。 サービスアパートに備え付けのものでは使いにくいものがいくつかあり、それらを自分で買って置き換えることにした。 一番初めに買ったのが洗濯機。 サービスアパートに備え付けられていたのが、ヨーロッパの家電メーカーのドラム式のもの。 使…

  • 「ラストソング 最後のライト」 谷村新司 週末の午後に

    こんにちは、暖淡堂です。 季節が急に進んだ感じがします。 夜が長くなりましたね。 こんな季節にも、ついつい昔のことを思い出したりします。 谷村新司さんのソロアルバム、中学生の頃から買い続けていて。 どのアルバムも、本当に何度も繰り返し聴きました。 「喝采」はとても好きなアルバムです。 ジャケットの写真、かっこいいですよね。 こんな感じで歳を取りたいなと思っていました。 結果は、どうだったかな。 「喝采」のB面最後の曲が「ラストソング 最後のライト」です。 山口百恵さんに提供されていた曲ですが、谷村新司さんも歌っています。 この歌の内容が、中学生の頃はよくわかっていなかったかもしれません。 それ…

  • 思いがけないものに落ちたこと 【沙河10】

    昭和40年代、深川の町外れ、国道12号線沿いに温泉施設がありました。 そこに家族で何度か出かけています。 その大浴場でも深みにハマって溺れかけたことがあります。 家族で出かけられる温泉施設はたくさんありましたね。 奈井江、浦臼、上砂川、深川などへはよく出かけました。 そのどれもが、たくさんの人で賑わっていたように記憶しています。 炭鉱が閉山するちょっと前の頃のことですね。 【沙河】昭和四〇年~昭和五〇年 (五)② その後も、私は数回水に落ちている。母の実家の庭に池があった。その縁で遊んでいて、落ちた。また、夏だった。水の中から空を見上げたのを覚えている。 その時は誰に助けてもらったのだろうか。…

  • 【現代詩】「未明/境界」 長い航海の終わりに、境界にたどり着くもののイメージ 現代詩の試み

    未明/境界 (…霧が、揺れ… 過飽和の空間から 凝り落ちるように 帆船が 帆の破れた 帆船が 何隻も 現れ (…風が、止み… 岩を舐めていた 薄い波が静かに逃げ 置き去りにされた 岩の上に 帆船が 座礁する 海岸を帆船が埋める 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon 【現代詩】「未明/境界」 長い航海の終わりに、境界にたどり着くもののイメージ 現代詩の試み またお立ち寄りください。 どうぞご贔屓に。 dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

  • 「御書物同心日記」 出久根達郎 【暖淡堂の書棚】

    こんにちは、暖淡堂です。 書棚の本、結構埃を被っています。 目についたものを少しずつ引っ張り出して、ブラシで埃落としをしています。 今回、引っ張り出したのが 「御書物同心日記」 出久根達郎さんの作品です。 講談社文庫版で、2002年12月15日に第一刷発行となっています。 御書物同心日記 出久根達郎 ものすごくざっくりというと、主人公の丈太郎は御書物同心。 呑気で軽い「中禅寺秋彦」を描くとこんな感じかもしれません。 この本を読んだ頃は、まだ時代物をそれほど読んでいませんでした。 それで、内容が頭に入ってこないところも多々ありました。 江戸の街の位置関係もよくわかっていなくて、例えば四谷と書かれ…

  • 眠れない時は、いっそ起きてみるのも手かも

    夜中に目が覚めて、その後、いろいろなことが頭に思い浮かんできて眠れない。 そんな時は、目を開いてみる。 それで、眠気がこなければ、起き上がってみる。 読みかけの本があればそれを読んでみる。 やりかけのことがあれば、それを少し進めてみる。 水分をとり、トイレにいって、それからまた布団に戻ってみる。 そして、目を閉じてみる。 翌日、用事がある場合は、寝不足が気になるかもしれない。 それで、布団の中にとどまって、寝ようと頑張ってみたりする。 それで、眠れずに過ごす時間と、起き上がって、別のことをする時間は、おそらくあまり違わない。 削られた時間は大体同じならば、考えても仕方がないことを考えて過ごす方…

  • 「心にも あらで憂き世に ながらへば」 三条院 おっとりとした人柄が愛された

    百人一首第68番目の歌の作者は三条院さんじょういんです。 第六十七代天皇ですが、藤原道長に強く求められて退位しました。 今回は三条院について紹介します。 三条院とは 生年976年、没年1017年。 冷泉天皇の第二皇子でした。 眼病(おそらく緑内障)により、次第に視力が衰えていたようです。 権力の中心にいた藤原道長は、それを理由に三条天皇に退位を迫りました。 藤原道長は自らの娘の彰子と一条天皇との間に生まれた皇子(後一条天皇となる)を即位させたかったようです。 退位後も醜聞事件に巻き込まれます。 皇女当子内親王と藤原道雅の間で起こった出来事に心を痛めます。 その事件については、以下の記事をご参照…

  • 夜中に目覚めて思うこと

    夜中、ふと目覚める。暑くて寝苦しかったりすることが時々ある。夢うつつで考えごとをしていて、目が覚めてもそれを考え続けていたりする。 例えば昨夜は、これまでやっておくべきこと、やり残していることを思い出して、落ち着かない気持ちになっていた。それで不安になり、また眠りに落ちるのに時間がかかった。それで、寝不足気味である。 同じようなことは、これまで何度もあった。真夜中に、一人で感じていた不安は、朝になると大概は解消されていた。やらなければならないことが残されていても、それをやればいいだけのことで、不安になったりする必要はないことに、朝になれば思い至るのだ。 それが、なぜか真夜中に考えているととても…

  • 豊沼中学校 豊沼-砂川(二十二)

    砂川市立豊沼中学校閉校記念誌「とよぬま」平成6年10月22日発行より 中学に入ってからしばらくは成績が悪かった。初めての中間試験ではよい点数が取れなかった。成績は小学校の頃からよくなかった。勉強の仕方がわからなかったのだ。 特に、中学になってから習い始めた英語の学習法がまったくわからなかった。このときにうまく対応できなかったために、僕は学生時代を通じて英語が得意教科になることはなかった。 英語を日常的に学習するようになったのは、就職してしばらくたってからのことだ。必要に迫られる形ではじめた。それで、今はある程度は使えるようになっていると思う。 僕の場合は、英語の学習は、社会に出てからで十分であ…

  • 【現代詩】「錘」 力を抜くことで得られるものの一つのイメージ 現代詩の試み

    錘 横になり目を閉じると いろいろな音がここをつつんで 底を流れるやわらかな水に気付く 夜の錘 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon 【現代詩】「錘」 力を抜くことで得られるものの 一つのイメージ 現代詩の試み またお立ち寄りください。 どうぞご贔屓に。 dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

  • 扶養(配偶者)控除と「103万円の壁」という言葉のこと FP2の勉強をしながら整理すると

    こんにちは、暖淡堂です。 フィナンシャル・プランナーの勉強を始めると、新聞やテレビのニュースで伝えられる数字の意味がわかるようになってきます。 ここ数日では「103万円」と「106万円〜130万円」という金額。 「106万円〜130万円」は会社員などが加入する健康保険における配偶者の扶養に関係して出てくるものですね。 こちらに関しては、前回の記事をご参照ください。 dantandho.hatenadiary.com で、前回の記事を書きながら、さらっと流してしまった感じの「103万円」。 これは「130万円」の誤記ではありません。 所得税額を計算する際の配偶者控除に関係する数字です。 今回はそ…

  • 「Blue Sky」 チューリップ そろそろ爽やかな青空を

    こんにちは、暖淡堂です。 夏に膨らみきっていた空気が、ちょっと萎んだように感じます。 時々見える青空は、夏の間に騒いでいたものがちょっと減って、綺麗に澄んでいるようにも見えます。 気持ちのよい季節になりました。 で、思い出したのがチューリップの「Blue Sky」。 財津さんの書く曲って、メロディーがしなやかにうねる感じがします。 チューリップの曲のアレンジもそんな感じで。 この曲も、目だけで空を見上げるのではなく、首を傾けて、身体を空に向けるような様子が想像されます。 それからゆっくりと、目に映ったものが身体の中に入ってきて、それに響く言葉が浮かんできたような。 そんな一曲です。 秋空の青を…

  • 2010年5月下旬 バンコク市内で、デモで集まっていた人たちの一斉排除【微笑みの国の記憶:タイ駐在備忘録】

    2010年5月下旬。 体調を崩していた娘も、無事シラチャの日本人学校に通い始めた。 ちょうどその頃、バンコクにデモで集まっていた人たちの強制排除が行われた。 市内を装甲車が走り、武力行使した上での排除だった。 寺院内に逃げ込んだ人たちに対して銃撃が行われ、死者も出たようだった。 そんな様子を現地のテレビ放送で観ていた。 日本の親戚や知人からは、時々心配して様子を聞くための連絡があったりした。 実家の家族へは、我々の方から電話をしたりしていた。 この一斉排除の際、セントラルワールドへの放火があった。 隣接する伊勢丹の中に紀伊國屋があって、家族で週末に出かける先であったが、そこにはしばらくは行けな…

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