日々の恐怖4月17日再会(3)俺は悲しくなって奴の肩に手をかけた。「俺××だよ。そっちこそ俺のこと忘れたのか?それより、どうしてここにいるんだ?向こうの大学に行ってたんじゃないのか?」奴は何も答えず、自分の頭を手でなでている。「立ち話もなんだ、どっかファミレスでも入るか?」「いや、人がいる所じゃ緊張してしゃべれない。誰もいない静かな場所がいい。」奴はそれだけ言うと、自分の自転車にまたがった。そして行く先も告げず、いきなり立ちこぎしながら走り出した。辿り着いた場所は、倉庫が立ち並ぶ埠頭だった。奴は自転車を降りると、自動販売機でお茶を買った。それから防波堤に腰掛け、ポケットから薬袋を取り出すと、幾つかの錠剤を飲んだ。その間、会話は無かった。俺が隣に座り、二、三話し掛けるが、目を閉じてうつむいている。成す術もな...日々の恐怖4月17日再会(3)