日々の恐怖9月13日40男の夏(2)そして月日は流れ、俺がまだ鼻たれ坊主で、ファミコンが出るちょっと前の夏休みのことだった。当事小4だった俺は、友達3人と一緒に朝から山へクワガタを取りに行った。その辺りの山は一族(と言っても、親父を含めその兄弟)で所有している山だ。だから普段からよく遊んでいた。迷った事は一度もなく、その日も奥へ奥へと進んで行った。最初のうちは四人仲良く虫を捕っていたが、やはり虫の大きさで争いが起こり、「自分だけででっかいの捕ってやる!」となり、それぞれがバラバラに虫捕りを始めた。木を蹴飛ばしたり、登ってみたり、根元を掘り返してみたり、夢中になって虫を探していた。太陽も真上になり、お腹も減ったしそろそろ一度戻ろうかと辺りを見回すが、自分が何処にいるのか分からない。まあ、小さい山だし、下って...日々の恐怖9月13日40男の夏(2)