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花より男子の二次小説サイトになります。特に類と 総二郎が大好きですべてハッピーエンドなります。

読むだけでもの足らず、とうとう自分で書いてしまいました。自己満足の表現不足とは思いますが、楽しんでいただけたらと思います。

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2017/02/11

1件〜100件

  • As long as you love me(31)

    土曜日、産婦人科に総二郎がやって来た。ここは土曜日も診療しているため患者が数人居て、急に入って来た妖美な男に視線が集中・・・それをニコッと笑ってやり過ごし、受付で牧野の退院だと告げ、病室へと向かった。そして部屋の前でノックをし、つくしの返事など待たずにドアを開けた。「よっ!準備出来てるか?」「うわっ!西門さんったら///!」「ん?なんかあった?」「も、もう!今飲ませてたから・・・・・・もう少し早かったら完全ア...

  • 始まらないLoveStory・110

    わんわん子供みたいに泣いてた牧野の顔が、今度は驚きのあまり目をまん丸くさせて大口開けてる。そして俺は腕組みして自分でもはっきり判るほど、眉間に5本の皺を寄せた・・・数えてはねぇけど。そしてもう1回、一華と俺の間に「婚約」の2文字はないと言い切った。そうしたら「ホントに?!」「マジで?!」を繰り返し、俺はその度に「何故嘘をつかなきゃならねぇんだ!」と怒鳴った。ここは静なか山里の茶庵・・・他の部屋に客が居る...

  • As long as you love me(30)

    この産婦人科は産後2日目から母子同室を推奨しており、類が帰ったあとでつくしもそれを希望した。確かに休めないかもしれないが、出産後早い段階から同じ部屋で過ごすことで、この生活に早めに慣れることができると思ったからだ。それに夜泣きでさえ愛おしく思えるし、実際想像よりも泣き方は穏やかだった。そう言う部分も父親似だと笑いが出るぐらい・・・。これが牧野家の血なら時間に関係なくギャン泣きだったろうと思ったりもし...

  • 始まらないLoveStory・109

    西門さんが見付けてくれた茶庵はすごく長閑な場所にあり、すごく落ち着ける場所だった。ただし、それは普通の観光客の場合・・・だと思う。私にしてみればこの人と2人で茶室風の部屋に入り、向かい合って和スィーツ食べるなんて・・・あの和カフェの方がまだ東京だって事で気にならなかったけど、ここはまるで「この世に2人きり」って雰囲気があって緊張した。しかも前日は同じ部屋に泊まったし、このあとのお宿もとってあると言うし、...

  • As long as you love me(29)

    つくしの出産を祝うために来てくれるのは極一部の人間だけ・・・その中の1人はハルだ。彼女からその日の午前10時、病室に来ると連絡があった。それを聞いて類に教えたのは自分の偽名。ハルには「美幸」という名前で通していると伝え、「結婚を反対されて彼氏が奮闘中である」ことにしているから、話を合わせるように頼んだ。類は会ったことがない老婦人に戸惑い、梨沙を抱っこしたまま「俺、怒られる?」と子供みたいな事を言った...

  • 始まらないLoveStory・108

    午後になって、私達は修善寺温泉街をトボトボ歩いては止まり・・・を繰り返していた。最早気が急くという事はなく、どっちかって言うと迷路の中で立ち往生してる感じ。出口は見えてるけど、そこまでの道がグチャグチャで・・・それは西門さんも同じみたいで、私よりも難しい顔して隣を歩いてた。15日にまたここに来る・・・そう決めたから東京に戻ってもいいんだけど、何故か2人ともそれを言葉にしなかった。それどころか西門さんが「橋...

  • 天泣の日に・6

    牧野が俺の稽古を受けるようになって暫くすると、司が俺を睨むようになった。そんな顔するのなら他に行けと言うのに、それはしない・・・まぁ、気心知れてる方がいいって事だろうが。その原因は牧野が茶道の稽古に真剣だったから。初めはそうでもなかったのに、数回やると何かが面白かったのか、興味が湧いたのか・・・こいつの性格を考えるとこんなジッとしている茶道なんてイヤだろうと思ったのに、意外にも覚えは早かった。勿論そう簡...

  • As long as you love me(28)

    産まれた子供はすぐに新生児処置をされ、もう1度類の所に連れて来られた。つくしは産後処置中だったために類は分娩台から離れ、新生児室の手前でゆっくり抱くことが出来た。軽いはずなのに何故か凄く重たく感じられ、優しく抱いてるつもりが腕に緊張が走る。その不安を感じ取ったように赤ん坊が泣き、慌てて強く抱き締めると看護師に取り上げられた。余程不器用だと思われたのか、類は少し不服そうにするが仕方がない。看護師には...

  • 始まらないLoveStory・107

    修禅寺について1番初めに見付けた駐車場に車を停め、そこからは温泉街を歩くことにした。そして修禅寺の隣にある日枝神社・・・中尾が御守を買った場所にむかった。牧野は俺の少し後ろを真顔で歩き、キョロキョロしてるところを見ると、親父さんかお袋さんを探してるんだろう。それに俺達は中尾の顔を知らない。だから目視で見付けられるとすればこいつの両親・・・しかも俺も親父さん達はほとんど覚えてねぇから牧野にしか見付けること...

  • As long as you love me(27)

    三鷹についても類は産婦人科の名前を運転手に告げなかった。念には念を入れての警戒ぶり・・・つくしを安全に出産させ、また隔離しなくてはならないのだから。だから予め聞いていた番地付近でタクシーを降り、ネットで調べて産婦人科を見付けた。そこに入るのも裏口からで、それは前もって志乃が手配してくれていたこと。花沢の名前は一切出さず、「牧野の身内」だと言って立ち会うことになっていた。その裏口に立ってチャイムを押し...

  • 始まらないLoveStory・106

    次の日の朝・・・目が覚めたのは随分早かった。と言うか、ほぼ寝てない・・・何故なら、西門さんのあの言葉が頭に残ってしまったから。『本当の事を話したら、もう俺とは会わねぇかもな・・・』それってやっぱり一華さんとの事が「本当」になったってことじゃないだろうか・・・だからそれを話したら、もう会えないってこと?流石に正式に婚約したのに女友達に会ってるのは変・・・いくら私と一華さんが面識あったとしても、それってたった1回の...

  • As long as you love me(26)

    つくしが病院に電話をすると、すぐに来るように言われた。歩いても数分の距離だからゆっくり歩けば自分は行ける、でも荷物を持つのは大変だと言う事で、ハルが隣の家の女性に車を出して欲しいと頼みに行った。極力他人様の車には乗らないようにと考えていたが仕方がない。それよりも類に連絡をしなければと、この時だけはメッセージではなく電話を入れた。今日は土曜日で類は休日のはず・・・そして予定日間近だからすぐに出ると思っ...

  • 始まらないLoveStory・105

    その10分後・・・牧野は見事に沈没。もう起こす事も無理だと思った俺は1人でチビチビ飲んで、それも30分もしないうちに飽きた。まだ眠くはないし、もう1回風呂に入ろうと立ち上がったが、牧野をそのままには出来ない。フロントに電話して夕食の皿を下げてくれと頼み、そのあとで牧野に「立てるか?」と声をかけたが・・・応答無し。「やれやれ・・・なんでそんなに飲んだんだ?」仕方なく牧野の身体を抱きあげ、隣の寝室に運ぶことに...

  • 天泣の日に・5

    牧野への攻撃は秋になっても続いた。でも少しずつ変わってきた。変わって来たのは司の方・・・明らかに今までの「攻撃対象人物」とは違う態度になった。気に入らないと言いながらも目で牧野を追い、五月蠅いと言いながらも口喧嘩は毎日。これを見ていて俺達が勘付かない訳がない・・・確かに司の中に牧野に対する別の感情が芽生えたんだ。牧野の方にも多少の変化はあった。相変わらず俺達には腹が立つのかもしれないが、司と話す時には照...

  • As long as you love me(25)

    澪と遙香が渡仏したあとも、気が休まらない日が続いた。毎朝類がダイニングに行くと、その手前で田崎に「おはようございます」と声をかけられる。それに返事もせずに通り過ぎ、1人で朝食をとるようになった。加代もダイニングルームの外で待機する田崎のことを気にしながら給仕をし、以前に比べて話し掛けることが少なくなった。類が勤務している営業本部の隅には田崎の席が設けられ、類が外出する時には秘書のように付き添うよう...

  • 始まらないLoveStory・104

    埃まみれの身体と髪を洗ったら幾分スッキリした。しかも風呂から上がればテーブルには料理が並べられていて、牧野が・・・すげぇ怒った顔して、俺から随分離れた場所に座っていた。それに「どうした?」って聞くと、「最低!」って返事。そんなにパーティションのことを教えなかったのがいけなかったのか?と疑問・・・・・・少し考えれば判りそうなものなのに。「あのな、1泊10万以上の老舗旅館のスイートだぞ?ラブホじゃあるまいし」...

  • As long as you love me(24)

    昨夜から降り続いた雪が庭の椿に葉に積もり、その下から赤い花が見えている。そんな中、新しい年になった。つくしは30日からハルと一緒におせちをつくり、重箱には2人で頑張った御馳走が詰められていた。五穀豊穣を願う田作り、子孫繁栄を願う数の子、金に困らないようにと願う金団、健康と仕事運を願う黒豆・・・ハルが味見のために煮物の中の里芋を差し出した時・・・「里芋は親イモになると根もとから子イモが出て育つからね、子ど...

  • 始まらないLoveStory・103

    「・・・・・・・・・・・・・・・ここ?」「急だからここしか無かったが、まぁランク的には合格だろ」そう言って西門さんが車を停めたのは、いかにもな雰囲気の旅館の駐車場・・・。海の近くじゃなく山側で、気持ちいい緑に囲まれてる。老舗旅館の風情を醸し出す入口の門構えは西門みたいだし、そこから続くアプローチは石畳・・・そして石灯籠で庭が照らし出され、暗いから見渡せないけど、相当豪華な日本庭園。オレンジ色の照明で落ち着いたロビーに...

  • As long as you love me(23)

    類と再会出来たつくしはほんの少し元気が出た。痩せてはいたが心は変わっていなかったどころか、子供のことを本当に喜んでくれている・・・それが伝わって嬉しかったのだ。それにお腹の子供も父親の声が聞けて嬉しかったのか、今日もよく動く。勿論そんな事は無いのだが、つくしにはそんな風に感じられてならなかった。そして今日はクリスマスイブ・・・80を過ぎたハルだから何もしないと思ったのに、いきなりケーキを焼くと言われて驚...

  • 始まらないLoveStory・102

    牧野に言われてもう1回部屋に入り、今度は2人で色々と見て回った。確かに6年でここまで荒れるとは・・・ってぐらいの傷みようだ。この造りからしてもかなりの築年数あるんだろうし、中尾夫婦が出ていった後は婆さんが1人暮らししていたのならそんなに手入れが出来なかったのかもしれない。まずは台所と風呂場・・・牧野も見たと言っていたが、黒ずんだ調理器具やカビだらけの洗面器なんかが転がってた。「・・・・・・なんかの動物も入って...

  • 天泣の日に・4

    牧野は司に喧嘩を売ったことで、たちまち学園中から総攻撃を受けた。そりゃもう凄かった・・・相手が女でも容赦ない。直接手を出さない司は傍観して笑ってて、俺達もそれまでのヤツの時には一緒になって黙って見てた。と言うか、大抵のヤツは1回やられたら不登校になって辞めていくから、そんなに見る場面もなかった。だが牧野は違う。暴君に逆らって立ち上がる最下兵のように、どれだけやられても向かって来た。道明寺を相手にして...

  • As long as you love me(22)

    類に包まれている数分間・・・つくしは幸せに浸っていた。そして「愛してる」と耳元で甘く囁かれ、それに返事も出来ず涙だけが頬を伝った。こうして抱き合う時間が永遠であればいいと思ったが、現実はそうではない。残された時間は6時間・・・21時に総二郎がこの部屋に迎えに来て、類と一緒に帰ることになっていた。「西門さんが類の家に行くの?」「いや、そうじゃない。総二郎に熱を上げてる本田ホールディングスの1人娘も一緒に車...

  • 始まらないLoveStory・101

    ほんの少し動いただけなのに自分の足元が軽くなり、気がついた時には床が抜けて落下・・・それには当然驚いたけど、真下に誰かが居て、その人の上に落っこちた!当然大声上げたけど、私の下敷きになった人も悲鳴を上げて・・・「・・・いたたたた・・・」「・・・・・・・・・」「あれ?あっ!ごめんな・・・・・・・・うわあああぁっ!!西門さん?!」「牧野、お前かーーーっ💢💢!!」私が両手で押さえ込んでたのは西門さんで、超汚い床の上にこの人が大の字・・・...

  • As long as you love me(21)

    つくしは志乃に連れて来られたTホテルの一室で一晩を過ごした。朝食もルームサービスを頼み、誰にも会わないようにして時間が過ぎるのを待った。総二郎に聞いたパーティー開始は14時だが、少しは会場に顔を出すと言われたから会えるのは14寺30分ぐらいだろうか・・・それにはまだ何時間もあるのにホテルの窓からずっと外を眺めていた。そこまで上層階の部屋じゃないから地上のクリスマスデコレーションがよく見える・・・本当なら...

  • 始まらないLoveStory・100

    後ろは鬱蒼とした山で、かなり古くて朽ちた門に伸びすぎた雑草・・・木造で崩れそうな屋根に傾いた雨どい。縁側があるけど崩れてるし、障子も見えるけど穴だらけ。その家の表札は掠れた文字で、確かに「中尾」とあった。車が数台停められそうな庭の奥には倉庫があるけど、扉もない。壊れたような自転車が1台と洗濯物を干すための土台はあるけど、物干し竿は見当たらない。その庭には畑でもあったのか、畝の残骸みたいなのはあるけど...

  • As long as you love me(20)

    ハルの眼科に付き合った翌日、つくしは庭の掃き掃除をしていた。そうしたら木塀の向こう側に人影が見え、瞬間動きを止めてそれを凝視・・・でもすぐにそこから手が伸びて、「牧野か?」と言われてガクッと肩を落とした。その声は総二郎・・・「驚かせないでよ!」と苦笑いしながら門まで行くと、総二郎がヒョコッと顔を出した。でも今日はヤケに楽しそうで、つくしはキョトンとした。何か良いことでもあったのか・・・それを聞こうとしたら...

  • 始まらないLoveStory・99

    「はぁ~~~~~~~!ご馳走様でした~♪」海の幸に大満足してお店を出たのは13時半。天気がいいから早速ここで日傘を使用・・・流石、7万円の日傘だと紫外線もビビって通過しない気がした。今から中尾さんの実家に行こうと思ってスマホを取り出し、電源を入れたら・・・瞬間明るくなった画面がすぐに消えた。そして出て来たのは電池のマーク・・・・・・えっ?!まさかの電池切れ?!それに驚いて暫し硬直・・・そして中尾さんの住所をメモ書...

  • 天泣の日に・3

    七夕の前日に自転車で轢かれそうになってから数年、あいつに会う事はなかった。何度か公園にも行ってみたが姿はなく、あの通学路でも見掛けない・・・あの日はたまたまだったのか?と思いながら小学部が終わってしまった。別に毎日考えていたわけでもなく、雨が降ったら思い出すぐらい・・・それも小学部高学年の時には然程でもなく、中等部に入った時には雨が降っても気にならなかった。どっかに引っ越してったのかも・・・そんな風に思っ...

  • As long as you love me(19)

    12月・・・つくしは総二郎の訪問後、少し元気がなくなった。体調が悪いとかではなく、類の事が気になっていた。調べれば判るのだろうが、相手の顔を見たくはない。勿論知らない女性の隣に立つ類を見るのはもっと嫌なわけで・・・それなのにスマホを手に持つと検索したくなる衝動に駆られ、何度も実行しようとしてはやめた。それでも毎日のように想像してしまう・・・どんなお嬢様なのだろうと。そんなある日、ハルに病院の付き添いを頼ま...

  • 始まらないLoveStory・98

    次の日の朝、早く起きて野菜達に水やりをした。「何日間で戻るか判らないけど、梅雨時だからまた雨が降るかもしれないし・・・・・・頑張ってね!」せっかく実が出来てたのに随分傷んでしまったプチトマトにナス・・・てか、もう少しプランターの数を減らすべきだったと猛省。ゴーヤカーテンも再度チェックして、万が一の悪天候でも飛ばないようにみんなを一纏めにして隅っこに。そして西門さんの木箱が乾燥したから部屋の中に戻した。若干...

  • As long as you love me(18)

    三鷹に来て2週間が過ぎた。つくしは類の会えないことを除けば安心安全な毎日を送っていた。LINEもあの日以来途絶えたままで、最後の既読日はここに来た日だ。その代わりに総二郎が何度か電話をくれていた。ただし、その内容は喜ばしいものでは無く、類の婚約話が加速しているとのこと・・・それは本人から聞いていたために驚きはしないが、到底気分の良いものではない。『そのうち何かで見聞きするだろうが気にすんな』「・・・うん...

  • 始まらないLoveStory・97

    「・・・・・・・・・・・・・・・」「総兄?」「総二郎、どうしたのだ?」「いやぁねぇ、朝ご飯食べながら寝てるのかしら・・・器用な子ねぇ」昨日のどしゃ降りが嘘のように晴れた翌日・・・俺は朝飯を食いながら訳が判らなくなっていた。牧野から聞いた加世子の話では、彼女は誰かを探している・・・その話の内容から相手は真人だと思う。が、加世子には痣はなく、あるのは俺の母親だ。しかもこっちは直人とヤバい関係になってる・・・でも金を都合してやっ...

  • As long as you love me(17)

    志乃の実家の檜風呂・・・その良い香りに包まれて身体を温めていると、ポコンと赤ん坊に脇腹を蹴られた。そこを指で少し押すともう1回蹴り返され、つくしはクスクス笑った。笑ったが・・・それも数秒で素に戻った。類が悔しがっていたから・・・今しか感じられない胎動だから、類にも触らせてやりたかったと・・・。目の前が歪んできたのは湯気のせいなのか、それとも泣いているのか・・・つくしは自分でも判らないまま、目元を拭って浴室から出...

  • 始まらないLoveStory・96

    珈琲を飲み終えたら急いで西門さんの服を洗った。ついでに自分の・・・服も一緒に入れたけど、何故かそれだけで気恥ずかしい・・・。「洗濯機の中だけど、私達の服が絡まっちゃうのね・・・・・・って、馬鹿じゃないの///?」そんな事を呟きながらリビングに戻ると西門さんはスマホ弄くって何かを検索中・・・別に仕事の事じゃなさそうだったから、キッチンで洗い物をしながら「そう言えば」と話し掛けた。その内容はこの前街中で高橋加世子さんを...

  • 天泣の日に・2

    あのヘンテコな牧野つくしと言う女に出会ってから数日間、雨は降り続いた。別に気になったわけじゃないけど、何度か稽古の合間に屋敷を抜け出し、1人で公園に行ってみたが・・・あの日以来会う事はなかった。その度に使用人や内弟子が俺を探しに来ては、「お風邪を引きますから」って連れ戻す・・・その手を振り払って、バシャバシャ雨の中を走って帰った。その頃は・・・と言うか、その頃から大人が俺に干渉するのがイヤだった。あいつだ...

  • As long as you love me(16)

    『思ったより元気にしてたから安心しろ。明日のことだけど、行き先は西門の別邸って言ってたけどやめた。志乃さんの実家が三鷹にあるから、そこにしようと思う。志乃さんのお袋さんが健在で1人暮らしだから、丁度いいだろうってさ』つくしを産婦人科に預けた翌朝、類は昨夜届いた総二郎からのメッセージをもう1度眺めていた。そしてそれを消去・・・なるべく「文字としての証拠」を残さないようにするためだった。総二郎も判ってい...

  • 始まらないLoveStory・95

    「西門さん、後ろーーーっ!!」「・・・えっ?」牧野に言われて振り向けば、突然俺の頭に落ちてきたもの・・・・・・ゴーヤ?!ゴーヤカーテンのネットを窓枠に固定するための金具?が風で外れ、俺の頭に雨風と共に落ちてきて、しかも顔面に小っさいゴーヤが当たり、思いの外痛かった!!それに藻掻いたらネットの中に手が入るし、ゴーヤの葉で気持ち悪いし、牧野を起こそうとしてたぐらいだからこいつまで絡まるしで最悪!「くそぉっ💢!!...

  • As long as you love me(15)

    つくしが説明室から出て診察室に入ると、そこでは女医が黙って何かを書いていた。看護師もわかっているのか何も言わない・・・重苦しい空気がそこに流れていた。何度も吐くつくしの溜息に、女医がチラッと目を向ける。その時に慌てて姿勢を戻すと、彼女は「そんなに心配しなくてもいいですよ」と笑った。「じゃあ普通に検診しましょうか。本当は2週間も先だけどね」「は、はい・・・あ、最近胎動がありました」「そう?どうだった?」「...

  • 始まらないLoveStory・94

    ピカッ!・・・・・・ドーーーーン!!「ひいぃーーーーっ!!」7月の第一日曜日・・・朝から続いてるどしゃ降りの雨&雷・・・そのせいで仕事も捗らず、停電になったらどうしようかとウロウロしてばかりだった。私が前に住んでいたアパートだったら雨漏り必須、それどころか崩れてるんじゃないの?ってぐらいの暴風雨・・・台風じゃないよね?ってスマホを見たけどタダの「大雨」・・・それにしても酷くない?と窓のからバルコニーを見たら・・・「うわ...

  • As long as you love me(14)

    次の日もつくしは朝早く起きて部屋の掃除をした。でも今日のは「撤収」の意味を込めた掃除だ。冷蔵庫のものは今日自分が食べるものだけを残して処分し、部屋中のゴミを集める。ベッドの布団は乾燥機をかけた後でふんわりとたたみ、洗濯できなかった部屋着も勿体ないがゴミ袋に突っ込んだ。そして早めの昼食を済ませたらキッチンを片付け、12時半になったら総ての部屋のカーテンを閉めた。ここで1度ゴミを持って部屋を出て、マン...

  • 始まらないLoveStory・93

    私が細い路地から大通りに向かう途中、目の前を見覚えある顔が通った。それは高橋加世子さん・・・こんなところで見掛けるとは思いも寄らず、私は自然と足を速めた。時間は15時50分で、待ち合わせまでにはあと10分・・・どうしようかと思ったけど見失ったら不味いかと思って彼女の歩いていった方に足を向けた。そうしたら人混みの中で彼女の後ろ姿を発見・・・つい目が足に向かったけど、パンツスタイルだったから脹ら脛の痣は確認出...

  • 天泣の日に・1

    天泣・・・空に雲がなく晴れているのに雨が降ることを天泣(てんきゅう)と言う。俗に「天気雨」・・・とも呼ばれている。ただ単に自然現象の1つで、雨が上空から落ちる間に雲が移動したり、風によって雨が運ばれた場合に起こるんだが、昔の人々は晴れているのに雨が降ることを恐ろしいことのように感じ、「天が泣く」と表現したのだろう。自分達の嘆きを天が感じ、涙してくれているのだと・・・。俺があいつに初めて会ったのは、もう20...

  • As long as you love me(13)

    月曜日・・・つくしはいつも通り起きて朝食を作り、1人で食べた。昨日念入りに掃除をしたから汚れてもないけど、朝のルーティンとして掃除機を手に持った。洗濯は1人分だからしなくてもいいぐらいの量だったが、いつマンションを出ていくかも判らない。だから少しだったがそれも洗って干した。時刻は9時を回り、そろそろだろうかと構えていたら鳴ったインターホン・・・それはマンション入り口のセキュリティーではなく、この部屋のド...

  • 始まらないLoveStory・92

    「親父・・・ちょっといいか」「・・・どうした、総二郎。真面目な顔をして・・・まぁ、入ったらどうだ?」「来客前に申し訳ない」「構わんよ。先覚寺のご住職が来るのは1時間後だからな」翌日の午前中、親父が自分の茶室で道具の手入れをしている時、その前の廊下で話し掛けた。ここは母屋とは別の、西門流・本邸・・・特に茶室では「家元」と呼ばなくてはならないのに、敢えて「親父」と言ったことで、親父もそれなりの返事だった。だからこ...

  • As long as you love me(12)

    その日の夜、日付が変わってから総二郎が類を花沢邸に送り届けた。類が完全に酔い潰れたフリをしていて、総二郎が玄関で「しっかりしろよ!」と、こちらも熱演中だ。「まぁまぁ、類さまったら、そんなに酔ってしまわれて!」加代の声に花沢家の警備の人間が駆け付けたが、類はその差し出された手を撥ね除けた。そしてフラフラしながら階段を上がり、ご丁寧に手摺りに寄り掛かりながら上がって行く。その時にガウン姿の遙香が現われ...

  • 始まらないLoveStory・91

    牧野をマンションで降ろしたら、すぐに自宅に戻った。その時駐車場で「着物どうすんの?!」って言われたが、この時ばかりは無視。「帯ぐらい自分で解け!」と言ったが、「そんな無茶な~!」と言う言葉が聞こえただけ。でもマジで今の俺にはお袋の事が気になって・・・・・・悪いと思いながらも、車の窓を開けて「また連絡する!」とだけ叫んで駐車場を飛び出した。そして猛スピードで自宅に戻り、裏口から急いで中に入れば・・・「あら、...

  • As long as you love me(11)

    買って来てくれと頼んだ牛乳は届かなかった。だが、ほんの少しコクが無いだけでシチューが作れないわけではない。つくしは予定通りの具材を入れてそれを作り、たった独りで食べた。会話もなく、静まり返った部屋・・・そんな感じだから食べ終えるまでに数分しかかからない。実に義務的に、機械的に食事を済ませ、サッサと皿を洗って台所を片付けた。それが終わると風呂を沸かし、早いうちに入って身体を温め、それも済ませたら一杯の...

  • 始まらないLoveStory・90

    「・・・と言う事で、本日は沢山の先生にお話しを伺いました。女性はライフステージの変化が男性よりも多く、家事や育児で抱える不安や悩みにすら気づかないこともあるようです。今日のお話からヒントを見いだし、会場にお越しいただいたお客様の未来が輝けるものでありますようにと願ってやみません。○○先生、××先生、△△先生、篠作先生、本当に貴重なお話、ありがとうございました!それでは皆様、さようなら~~~」・・・・・・・・・と、司...

  • As long as you love me(10)

    部屋に誰もいなくなると、類はスマホを手に持った。番号など消しても僅か11しかない数字の配列など覚えるのは容易いこと・・・でも、この屋敷の中から掛けるのは不味いと思った。両親が自分の行動を総て見通していたのだ・・・最近留守が多かったこの部屋に盗聴器が仕込まれててもおかしくない。それならばと、日本に残っている幼馴染み、西門総二郎に電話ではなくメッセージを送った。その内容は・・・『早急に頼みたいことがあるが電話...

  • 始まらないLoveStory・89

    水曜日のトークショー出演日。開演時間は14時で打ち合わせ&リハの時間は11時・・・だから、このマンションをでるのは10時ぐらいで大丈夫だろうと思ってたら片桐さんからの電話が入った。勿論今日の諸連絡で、『緊張しなくても大丈夫ですから』って・・・いやいや、そんな訳ないでしょう?って感じで脱力してしまった。『洋服は大丈夫ですか?判ってると思うけど、Tシャツとジーンスは止めてくださいね?まき先生、一番若いけど逆...

  • As long as you love me(9)

    悪阻も治まったつくしは日中動くのも苦ではなくなった。それに後で類が来るのだから・・・と部屋の掃除を念入りに、その後で仮眠をとってもいいようにベッドのシーツも新しいものに変えた。とは言え久しぶりに会うわけではない。ただ、明日の事を考えると不安が生まれてしまうので、何かをして動いていたいという気持ちからだろう。そのうち少し動きすぎて疲れてしまったので、リビングのソファーに座ってウトウトしてしまった。その...

  • 始まらないLoveStory・88

    九州から戻った翌日、俺は朝早くに親父とお袋にそれについての報告をした。帰宅が遅かったことに対して多少の詮索はあったものの、それは適当にスルー。そうしたら尋問に近くなってきたので、28にもなった息子の行動をイチイチ気にすんなってことを伝えるために完全無視した。そして牧野用とは別に買い、弟子に持って帰らせていた土産を志乃さんに渡した。が、その中でも上品な菓子をひと箱、予定外のところに持っていく事に・・・...

  • As long as you love me(8)

    両親がいつから知っていたのか・・・それを聞いても仕方がない。母の言葉、『浮かれすぎて回りが見えなかった』・・・その通りなのだろう。特につくしに子供が出来てからは緊張感がなかった・・・それは自分でも認めざるを得ない。そんな自分の失敗に加え、つくしを監視されていることに苛立った類だが、遙香に促されて両親の対面に座った。両手を組んで脚の上に乗せ、背中を丸めて上半身を倒し、父にも母にもその目を見せない・・・怒りの感情...

  • 始まらないLoveStory・87

    西門さんが東京に戻る日の夕方、特に電話もないから今頃何処に居るのかな~と考えていたら、急に鳴ったインターホン。誰だろうと思ってモニターを見たら、丁度カードキーを探してる風な西門さんだった。でも見当たらないらしく、すんごい顔して「ドア開けろ!」と叫ばれ、慌てて玄関に向かった。そして開けたら・・・「うわあああぁ~~っ!なにごと?!」「五月蠅い!お前が言うから荷物が増えたんだよ💢!!「えっ?どう言う意味?!...

  • As long as you love me(7)

    紗江子が帰った後、話し合いの場は両親の自室に移動した。そこではさっきまでの穏やかな表情の父・澪の姿はなく、母・遙香もまた冷ややかであった。そんな2人の正面に立ち、類は同じく鋭い目付きで両親を睨んでいた。場をなごます飲み物もなく、対峙する親子の間には目に見えない壁があるかの如く・・・・・・先に口を開いたのは類の方だった。「さっきの話・・・どう言うこと?」「あら、わからなかった?貴方の婚約者になる人の紹介だっ...

  • 始まらないLoveStory・86

    長崎での最後の夜・・・やっとこの日は会食がなく、俺はホテルでのんびりすることが出来た。だから牧野に電話すると、コール2回で『もしもし!』と焦ったような声で出た。・・・そんな出方されるとこっちが気恥ずかしいというか、何と言うか・・・一瞬、初めのひと言を悩んだぐらいだ。「おぉ、久ぶりだな・・・元気だったか?」『めっちゃ元気だよ!って言うか、電話ぐらいしてよ~~~っ!』「・・・・・・なんだ、淋しかったのか?」『そうじゃな...

  • As long as you love me(6)

    金曜日の夜遅くまでマンションで過ごした類は、名残惜しそうに玄関のドアを開けた。そして閉める間際に「明日も来るから」、そう言った。つくしもいつものように「気を付けてね」と言って見送り、エレベーターのドアが閉まるまで手を振る・・・上手く行けば、来週からは違う生活がスタートすると思うと不安と期待が入り交じった。類の計画では日曜日に両親につくしを紹介し、子供の事を伝えて結婚の意思を伝える・・・そしてこのマンショ...

  • 始まらないLoveStory・85

    華道体験から1週間が過ぎた。数日前、西門さんは急に鹿児島に行く事になったと連絡があり、帰って来るのは明日・・・九州支部での講演巡業だそうで、鹿児島の後は熊本と長崎に行くんだと、すーーーーーっごく不機嫌に言われた。だから今回は「パンは要らないから!」って言ったけど、それなりにお土産を探してくると・・・せめて食べきれる量にしてよ?と思ったが、忙しいのか連絡はその1回しかなかった。私から電話やLINEをしてもいい...

  • As you wish・番外編~俺の話をしようか~(LastStory)

    つくしの母ちゃんからの呼び出し・・・こんなの初めてでめっちゃビビった。もしかしたらさつきさんがクビとか?もしかしたら俺がクビとか?もしかしたら遊びすぎとか?もしかしたらもっと働けとか?もしかしたら出て行けとか・・・・・・・・・飯代ぐらい自分で稼げとか?さつきさんと類とつくしと離れなきゃ、そのどれでもいいんだけど・・・・・・と思いながら2人で母ちゃんの部屋の前に立ってた。見上げたらさつきさんもキンチョー気味・・・チョイ...

  • As long as you love me(5)

    つくしの妊娠が判ってから数日後の日曜日、類はマンションに来ていた。そしてあれこれと家事をしようとするのだが、元々その必要が無い家庭で育った類には茶碗1つ洗えず、洗濯の仕方も判らない。掃除はロボットがすればいいと思うぐらいだし、拭き掃除なども手順を知らない。つまり、つくしにとっては邪魔なのである。でもそんな言葉を出せず、余計に仕事を増やしてしまう類を見て失笑するしかなかった。その笑い声を聞いてムスッ...

  • 始まらないLoveStory・84

    西門さんの車に乗ったら一気に脱力・・・西門さんも日高家の後妻さんが山本社長の奥さんだったと言う展開に頭を抱え込んでいた。でもよくよく考えたら後妻の貴子さんは事件の数年前に亡くなってるし、一華さんも直人さんも無関係・・・だから西門家には全然関係ないし、迷惑もかからない。ただ、婚約者候補ってだけで、それもお互いに乗り気じゃない。結果その偶然は気にせず、日高家と切り離して「高橋真人」さんを捜そうと言う事になっ...

  • ブログの表示不具合についてのお知らせ

    おはようございます。数日前から0時更新の類君の記事が読みにくいとのコメントが複数ありました。私自身はパソコンでもスマホでも普通に読めるので、どのように表示されているのかが判らないのですが、どうも自動翻訳機能?が関係しているのかもしれません。タイトルが変な風に表示されているのは確認が出来ました。それも私が思うだけで原因がはっきりしないのですが、問題なく読めていらっしゃる方もいらっしゃいますし、FC2...

  • As long as you love me(4)

    翌日の朝、類から電話があった。用件はつくしが行く産婦人科の名前と時間の確認だ。時計を見れば7時45分・・・そろそろ出勤時間のはずなのにと、つくしはここでも苦笑いだった。それを窘めながらも、「住田産婦人科」だと伝えたが、診察時間は予約制だからこれからだと言えば・・・『じゃあ時間が判ったらメールして?』「いいけど・・・類が来なくても大丈夫だって言ったよね?仕事さぼる方がダメだよ?」『判ってるって。でも気になっ...

  • 始まらないLoveStory・83

    「いらっしゃいませ、お好きなお席にどうぞ~」少し高めの優しそうな声でそう言われ、私達は一瞬店内を見回した。お客さんはやはり少なく・・・と言うか、1番奥の席でこっちに背中むけた学生さんらしい男性が1人だけ。しかもイヤホンしてるみたいで、それらしきコードが見えた。それならお店の人に話を聞けるかもと思ったのは彼も同じだったんだろう、私に同意を求める間もなく、カウンター席に座った。おばさんにしてみたら、これ...

  • As you wish・番外編~俺の話をしようか~(60)

    奥さん・・・さつきさんと再会してから1ヶ月が過ぎた。今日はつくしと類がフランスってところに行く日で、俺はもちろん留守番。だから朝早くに2人に連れられて、歩いてつくしの家に向かった。そこで出迎えてくれたのは・・・・・・「おはようございます、つくしお嬢様、類さん」「おはようございます~!さつきさん♪」「・・・・・・・・・おはようございます」「おはよう、シリウス」フンッ♪♪おはよう~~~、さつきさん♥と、俺がダッシュ&ジャン...

  • As long as you love me(3)

    ~~~~1年前~~~~花沢類は24歳にして、自社の営業本部・部長補佐を任されていた。いずれは上級役員に名を連ね、後々は父の跡を継ぐ・・・だが、まだこの若さだ。両親の方針により、数年間は営業本部長の下で学ぶようにと命じられた。そして当然のように類の花嫁は「花沢物産に相応しい令嬢」であることが条件・・・そう言われてきたが、この時の類には恋人がいた。それが牧野つくし・・・かつて自分の親友・道明寺司と婚約までした...

  • 始まらないLoveStory・82

    結局最後のデザートを2人分食った牧野。それを見るとお袋と話したこととか、一華に会ったことなんかはそんなに気になってないようだと安心した。それどころか、スマホで撮った画像を見返しては「本当に綺麗なお嬢様だよね~」と・・・「着物ってどうやったら着慣れるんだろうね?」「・・・着物に興味があるのか?」「全然。たださ、私の書いてる話のお嬢様、たまに着物着てるのよ。でも今日自分で着てみたら、話の中の動きが難しそうな...

  • As long as you love me(2)

    「小雨だけどちゃんと傘差してね?」つくしはそう言って類に黒い傘を手渡した。梨沙は類の肩に顔を乗せるような体勢で抱かれていて、落としはしないだろうが見慣れてないのでヒヤヒヤしていた。類は「そんなに心配?」と苦笑いして傘を受け取り、梨沙が濡れないようにすぐにそれを差した。こうしてみるとよく似ている顔立ち・・・まだ生後3ヶ月ではあるが、その髪も鼻の形も父親似だ。それはそれでよかったのだろうと、梨沙に顔を寄...

  • 始まらないLoveStory・81

    昼食を勧められたけど、一華さんはそれを断わって帰っていった。それなら当然私も・・・と思ったけど、まずは着物を脱がなきゃいけない。西門さんに頼んで着付けした部屋に連れて行ってもらい、そこでやっと楽になれた。そして思いっきり背伸び!同時に「う~~~~~ん!」と声が出て、それが思ったよりも大きくて、また西門さんに怒られた。「ちったぁ静かに背伸びしろ!」「ごめんごめん!つい、身体が自由になっちゃってねぇ~~...

  • As long as you love me(1)

    都内のとある閑静な住宅街・・・そこに広大な敷地を持ち、ひときわ目を惹く豪邸がある。細かく施された美しいフェンスは欧州を思わせる剣先デザイン。乳白色の鋳物ならではの高級感と存在感があり、花が溢れるというよりはシマトネリコとレイランディーに囲まれた花沢邸・・・花沢物産社長の自宅である。そこの前を初めて通ろうものなら、誰にも1度は立ち止まり、その異世界に目を見張るだろう。でもその屋敷の住人を見ることは殆どなく...

  • 飛んで火に入る恋の虫・後書き&拍手コメントのお礼

    皆様、こんにちは♥飛んで火に入る恋の虫、本日無事に終了いたしました。半年近くお付き合いいただき、ありがとうございました。今回も有り得ない内容でゴシャゴシャしていましたが(笑)、楽しんでいただけましたでしょうか。これは意地悪な類君が書きたくて始めたのですが、あんまり意地悪くならなかった・・・・・・もっともっと意地悪で変態な類君にすれば良かったなぁ~とちょっぴり反省。いつかもっとド変態な類君を・・・と思ったりし...

  • 始まらないLoveStory・80

    お袋が出て行くと部屋には俺達3人だけ。でもすぐに志乃さんが数人の使用人を連れてやってきて、今生けた花たちを丁寧に抱え上げた。「志乃さん、どうすんだ?」「せっかくだからいろんな場所に飾るようにと、家元夫人に言われましたの。随分ご機嫌よろしかったですわよ」「あ、そう・・・」「それと牧野様、お土産をいただきましてありがとうございます。休憩の時に皆でいただきますね。あと、こちらにはお茶とお菓子をお持ちいたし...

  • 飛んで火に入る恋の虫(LastStory)

    <side副社長・花沢夫人>左沢氏の息子が類に喧嘩を吹っ掛けてるのかも・・・そんな気がしてチラチラ見ていたら、本当に牧野さんにチョッカイ出してる。それに対して類はと言うと・・・冷静を装ってるけどかなり怒ってるってのは見てわかった。会長や社長も意味ありげな笑顔で妙な発言するし、何を考えているのかとこちらも様子見・・・でも、社長の息子、大海さんの言葉にとうとう類が・・・「仕事は当然だけど、俺は家族第一主義だからね。海...

  • 始まらないLoveStory・79

    西門さんの華道の姿・・・これはかなりレアで、でも素敵・・・なんだろうと思う。堅苦しい(失礼)お茶の時とは少し違い、バランスを見ながら花を生けていく動きは何とも言えずエレガントだった。そもそも指先がエロ・・・じゃない優雅なのよね。細いし長いし、形もいい・・・羨ましいぐらい品がある手先。それをスマホで撮った写真を見ながらつくづく感じていた。それに比べて私の手は、何とも荒れてて残念。もう少し指が長かったら少しは見た...

  • 飛んで火に入る恋の虫(174)

    公表もせずにコソコソしている・・・・・・そう言われて言葉が出なかった。つくしが時期を考えているだけだって言ったけど、つい最近まで俺は態とつくしに意地悪して、焦らしまくって公表をしてこなかったのは事実だ。つくしは楽しくなってきたインフラ・プロジェクト本部と辞めたくないからだろうし、母さんも父さんに紹介するまでは・・・と思ってただけ。「類、そうだよね?そのうち、ちゃんと・・・だもんね?」つくしがそう言って俺を見上...

  • 始まらないLoveStory・78

    日高一華さん・・・西門さんの婚約者候補のお嬢様。でもこれには「取り決め」があって、結婚したくない2人が「婚約前の友人」としてのお付き合いになってる。それを知ってるのは当人以外では私だけ・・・でも、こんなにも彼にお似合いな人はいないんじゃないかと思うぐらい、品があって綺麗な人だった。和装の2人が並ぶと本当に眩しい・・・それに一華さんは優しい笑顔で私に挨拶してくれた。「初めまして、日高一華と申します。牧野つく...

  • 飛んで火に入る恋の虫(173)

    サーフィンとかジェットスキーとか、私をマリンスポーツに誘ってくれる大海さんだけど・・・横にいる類が笑いながらすごく怒ってるのが判った。だから怖くて怖くて・・・それ以上言わないで~、と大海さんの方を見ていた。それなのに世界のビーチについて語る語る!メキシコ・マリエータ諸島にある無人島のヒドゥンビーチは地表にあいた穴の中に隠れてて、メキシコ政府の管理下にあるとか、オーストラリアにはシェルビーチってのがあって...

  • 始まらないLoveStory・77

    パソコンの修理をしてもらった日以来、2ヶ月ぶりの西門家・・・と言うか、2度と来る事はないと思ってたのに、2ヶ月したらまた来てることに自分でも吃驚だった。しかもまたもやこんな小さな車で乗り込むとは・・・隣に並ぶ車が全部私の車の倍ぐらいあるのに、恥ずかしいというか何と言うか。「おい、早くしろよ。支度があるんだから」「あぁ、はいはい!」「志乃さんに渡したいところだけど、あの人も忙しいから事務長に渡してくる」「...

  • As you wish・番外編~俺の話をしようか~(59)

    <side類&つくし>シリウスが川田さつきの足元で踞るのを、類は面白くないと言った感じで見ていた。彼女がシリウスを痛めつけたのではないのは判っているが、放置していたことに間違いはない・・・そんな気がするからだ。それにこの半年間シリウスと毎日一緒にいて、様々な場面で助けたり助けられたりした事が脳裏を過ぎり、弱ってた身体がここまで回復したのは牧野家での栄養管理の賜だ。・・・そう思えばシリウスに裏切られたような・・...

  • 飛んで火に入る恋の虫(172)

    私の恋人が花沢物産の御曹司かと聞いて来た左沢大海さん・・・ニコッと眩しい笑顔を向けて、今度は「正式には公表してないですよね?」なんて言い出した。それは確かだから「そうだ」と答えたけど、この時にバッグの中でスマホが鳴った!絶対に類からだと思ったけど、お爺ちゃん達4人が私の前で何やら見詰めてくるし、大海さんは「どうして公表しないの?」なんて聞いてくる。その圧に負けてスマホを取りたくても言い出せず、ヘラヘラ...

  • 始まらないLoveStory・76

    土曜日は黙々と仕事をした。ご飯と野菜の水やり以外はずっとパソコンに向かい、「さくら」と「颯太」を動かした。「そろそろ颯太にも恋心が芽生えてきた頃・・・でもさくらの家は新たに婚約者を用意して・・・・・・颯太を追い出した奴等は何も知らずに、庭木の手入れを・・・・・・あれ?でもここでさくらが登場したら不味いじゃん?えっと、プロット見直して・・・」なんて独り言をいいながら書き進めていると、気が付いたら昼ご飯も食べてなくて、...

  • 飛んで火に入る恋の虫(171)

    「失礼、牧野つくしさんですか?」その言葉で振り向いたら、そこに立っていたのは源さんのお孫さんの大海さんだった。スーツこそ着てるけど、写真で見た通りの健康的なアクティブ男子・・・年中海に居るのか?ってぐらいの日焼けで、白い歯が目に飛び込んで来る感じだった。類が冷凍みかんなら、この人はパッションフルーツ。類がペンギンなら、この人は熱帯魚。類が毛皮のコートなら、この人は海パン・・・いやいや、何考えてんの?!と...

  • 始まらないLoveStory・75

    目さんに御守を渡し、私達は奥の部屋から店の外に出た。そうしたら彼は店長さんの横に行き、「代わるから」と言って何かの工具を手に持った。その店長さんも「話は終わったのかい?」と西門さんに聞き、彼は頭を下げた。「はい、お邪魔して申し訳ありませんでした」「いや、そんなに忙しい店じゃないから気にせんでいいよ」「・・・もう少し立地が良くて広けりゃな~」「なんだと?!隆史!」「はいはい、俺みたいなヤツを雇ってるだ...

  • 飛んで火に入る恋の虫(170)

    父さんが帰国して数日後、花沢物産とレフトリウム・インターナショナルとの顔合わせ的な打ち合わせが、左沢所有のホテルの大会議室で行われた。先方は会長、社長、孫息子に加えて主要幹部。花沢サイドも営業本部長、統括本部長、不動産関連部門責任者、それに当然両親も出席したけど、俺は参加しなかった。ここでは役員でもないし、担当部署が違うことが理由。その初会合は和やかな雰囲気の中終り、ガッチリ握手して別れたそう。そ...

  • 始まらないLoveStory・74

    目隆史が何処を見てるのかも判らない目で、中尾に謝りたいと言った。それが不思議で、話を聞かせて欲しいと頼んだ。その俺の言葉に「事件と関係あんの?」と気怠そうに言うから、当時の目撃者が中尾で、彼女と仲が良かった岩本(高橋)に話を聞いたことを教えた。でもその内容に引っ掛かる部分があり、どんな事でもいいから知りたいし、手掛かりが欲しいと言った。「中尾さんと岩本が仲がいい?」「違うのか?岩本の旦那がそう言っ...

  • As you wish・番外編~俺の話をしようか~(58)

    類とつくしの声が聞こえたけど、俺は止まることが出来なかった。だってあれ後ろ姿は絶対に奥さんだ・・・俺を捜してくれてるんだ!!奥さーーーん!!俺はここだぞーーーっ!!ドッグランの横の通路を俺は全速力で走った。こっちを向いてる通行人がビビってるけど関係ねぇ・・・もう少しで奥さんに追い付くってところで、俺は思いっきり吠えた!ワンッ!!そうしたら奥さんがゆっくり後ろを振り向いて・・・その目が俺を見た瞬間にデカくな...

  • 飛んで火に入る恋の虫(169)

    玄関が近づいたら加代さんの「お帰りなさいませ、旦那様」の声・・・それにドキドキしながら類の真後ろを歩いていた。そうしたら彼が止まり、私はドンッ!とお約束のように背中にぶつかり、振り向いた類が「何やってんの?」って・・・「いたたた・・・急に止まるから!」「いや、もう玄関だし」「止まるって言ってよ~」「普通に考えて、自宅でそんな事言わないだろ」「いや、そこは緊張してる私の事を考えてさぁ~」「なんで?」そんな事を...

  • 始まらないLoveStory・73

    西門さんの高額衝動買いに呆れ、そのまま向かった最後のバイク屋さん。ここにも居なかったら次はどうするんだろうと、ぼんやり考えながら彼の後ろに乗ってた。バイク便の会社とかデリバリーのお店とか・・・気が遠くなりそうだと思うけど、そんなに落ち込んではいなかった。それが何故なのかは・・・自分でもよく判らないけど。目さんが見付かっても事件が即解決じゃない、そう思うからだろうか。それとも・・・そんな風に風景が流れるのを...

  • 飛んで火に入る恋の虫(168)

    副社長室から出てインフラ・プロジェクト本部に戻ると、真っ先に駆け寄って来たのは下村。真っ青な顔して「誤解は解けましたか?」って言うから「何のこと?」と返せば・・・「セクハラ問題ですよっ!私は何もやってないと信じていただけましたか?!」「・・・・・・あぁ、それね?」「それね?じゃないですよ!牧野さんのお父上は何と仰ったのですか?牧野さん、僕は何もしてないよね?ねっ?!してないよね?!」「は、はいっ!こちらこ...

  • 始まらないLoveStory・72

    西門さんから電話があったのは翌日の昼だった。倒れたと言う家元の事が気になっていたので「どうだった?!」と聞くと、1番初めに聞こえたのは彼の溜息。続いて「聞いてくれよ~」と、珍しく愚痴っぽい言葉が出て驚いた。その内容を聞いてポカン・・・家元は風邪気味だったのに無理して講演会に参加し、その為に熱が出ただけだって・・・でも詳しく聞くと、前の日に飲み過ぎたのが原因だそう。そのおかげで西門さんと弟さんの仕事が倍増...

  • 飛んで火に入る恋の虫(167)

    俺は勿論、母さんでさえ会った事がない左沢あてらさわ氏・・・上品な老人が副社長室に入った瞬間、つくしが「源さん?!」と叫んだのには驚いた。しかも客人も「おお!お友達の牧野さん♪」と・・・お友達ってなに?!いつの間にこんな老けた友人が出来たの?!・・・と、腰を抜かしそうになったら、始まった2人の会話・・・・・・「源さん・・・じゃない、”ひだりさわ”さん、ちょっとどうしたの?ここはアポ・・・えっと、予約した人じゃないと入れない...

  • 始まらないLoveStory・71

    真剣な顔で西門さんがパソコンの画面と、預かった御守を見比べてる。そこに「珈琲が入ったよ」と持っていき、私も向かい側に座った。「・・・サンキュ」、そう言ってカップを手に取るけど、視線はディスプレイに向かったまま・・・「似たものがあった?」って聞いたけど無言。そう簡単には見付からないか、と私はバルコニーの野菜達を見に窓まで行った。・・・雨が強くなって葉っぱが揺れてる・・・風が強くないからサンルームには避難させなく...

  • As you wish・番外編~俺の話をしようか~(57)

    <side類&つくし>保護センターにシリウスの彼女を捜しに行った日から数日後のこと。その日から元気がなくなったシリウスはぼんやりとドッグランの中にある小屋で寝そべっていた。フリスビーにも興味を示さないし、おやつも食べない。散歩も拒否するし、つくしが乗っかっても無視。耳を弄ろうがしっぽを弄ろうが、類が背中を見せても乗ってこない・・・流石に心配になって、屋敷の窓からシリウスを見ていた。「類・・・やっぱりシリウス...

  • 飛んで火に入る恋の虫(166)

    平和な1日になりそうだと思った直後の呼び出し・・・しかもつくしも一緒に。それに驚いて「どうしてですか?」と尋ねると思い掛けない言葉が返ってきた。『レフトリウム・インターナショナルの会長があなたと牧野さんに会いたいと仰って、もうすぐ私の所にお見えなのよ!』「レフトリウムって・・・あの世界的規模のホテルグループですか?その会長がどうして・・・」『知らないわよ、たった今電話をいただいたの!あなた、いつそんな人と...

  • 始まらないLoveStory・70

    食うのが目的で来たワケじゃねぇのに、どんだけ喜んでるんだ?!・・・と牧野を見て呆れたのも束の間、オッサンは俺が広げた名簿を手に取り、指差した男を見てニヤッと笑った。「あぁ、隆史じゃないか」「えっ?!目さんをご存じなんですか?」「・・・・・・ぶっ!!」「牧野、落ち着け!!」「あぁ、目隆史だろ?懐かしいなぁ、元気してんの?こいつ」その言葉に吃驚してラーメンどころじゃなくなった。だからこいつの事を聞こうと思った...

  • 飛んで火に入る恋の虫(165)

    「正直に言わないと、2度とこの指はあんたに触れないかもしれないよ」「佐藤主任と松本さんと中山課長です!!」「・・・は?!」「正直に言った!これは本当なの!でも何にもなかったし、お話しただけだから!」玄関先で襲われ、今日のことを追求されたから素直に話したのに、類の表情は鬼みたい。全身で固まったみたいだったから、そこで昼間の出来事を話した。佐藤主任と再会したのは浦田さんの忘れ物を届けた商業施設のイベント...

  • 始まらないLoveStory・69

    約束していた日曜日・・・今朝は凄く天気がよくて暑かった。でも夕方からは雨の予報で、「降らなきゃいいけどなぁ~」と太陽を見上げて呟いた。それと言うのも西門さんが午前中に急な仕事が出来たから。ここに来るのは14時だと言われ、それから車で何処かに行くみたい。だからランチは各自で済ませ、それまでは私も仕事をした。丁度来週は華道の体験に行けるから、その部分をどう書くのかを細かく決めて、その後の展開をメモ書き。...

  • 飛んで火に入る恋の虫(164)

    コツンと足で蹴ってしまったもの・・・それを拾ったら、見覚えがあるコードバンの名刺入れ。類が落としたのかと思ったけど、よく見たら名前が・・・・・・・・・「R・Nakayama」・・・・・はっ?!Hanazawaじゃない!こ、これはあの時の・・・「拾ってくれたんだね、ありがとう」その声で顔を上げたら、私の頭上にあった顔・・・・・・ホントに中山課長?!ビシッとしたスーツ着てネクタイも締めて、あの時と同じ空気纏った中山課長が私の目の前に立...

  • 始まらないLoveStory・68

    次の日の朝、いつもより早くに目が覚めた。そしてぼんやりと考えてたら・・・・・・「はっ!そうだ・・・あの3人が泊ったんだっけ?何処で寝てるんだろう・・・まさか、西門さんのベッドにみんなで寝てるの?」ガバッと起き上がってから急いで部屋を出ようとしてUターン!スッピン&色気のないパジャマで部屋から出るわけにもいかず、慌てて服を着替えて簡単にメイクした。とは言え普段のTシャツにジーンズで、髪はボサボサを隠す為のお団子...

  • As you wish・番外編~俺の話をしようか~(56)

    『ごめんね・・・早くこうしてあげれば良かったのにね。私が淋しかったからあんたをここに置いてたけど・・・もう限界・・・ゴメンね・・・シリウス。私を許してね・・・・・・』奥さんは手に持った「何か」を弱々しい手で振り上げた。その瞬間、俺は旦那じゃなくて、この人にヤられるんだと思った。でも、俺はそれでいいと思った。きっと奥さんもそのあとに・・・って思ったからだ。それなら2人で「あの世」って場所で気楽に暮らせばいいと・・・そんな話...

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