桜の茶会が終わると宗家は茶会以外の行事で大忙しだった。まずは光翔の小学校入学で、英徳小学部の制服を着た光翔を囲み、庭の桜の下で家族全員の記念撮影。この時も祐子の悪阻は酷くなく、孝三郎と共に入学式に出席することが出来た。建翔の面倒は志乃さんがみることになり、嬉しそうな顔の3人を乗せた西門の高級車が走り去るのを皆で見送った。英徳の制服は有名デザイナーのもので、カバンもランドセルじゃなく共通の通学バッグ...
花より男子の二次小説サイトになります。特に類と 総二郎が大好きですべてハッピーエンドなります。
読むだけでもの足らず、とうとう自分で書いてしまいました。自己満足の表現不足とは思いますが、楽しんでいただけたらと思います。
「あの人と違って祐子だったら一緒に飯食って一緒に寝てくれると思うから、そうしたら淋しいとか思わねぇだろ!俺と総兄が光翔にしっかり話してさ、それでいて光翔を一番大事にしてくれる人がそこにいれば・・・それって今よりも幸せなんじゃね?ってこと///!」孝三郎さんの話を聞いた2人がポカンとしてる。私はこの人とさっき見た女の人・・・美涼さんの付き人だったって言う中村祐子さんの関係を知らないから反応も出来なかった。で...
「・・・・・・はい、出来ましたよ。本当にお綺麗ですわ~~、このドレス🧡」「・・・・・・あはははは、ありがとうございます」綺麗なのはドレスだけかいっ!!な~~~んてツッコミは入れないけど、少々眉間に皺が寄った。今日は私達の結婚式だ🧡梅雨入りしたけど今日は爽やかな晴れの日で、ガーデンウエディングにはピッタリ♪類はすでに着替えてお父様達と何処かに行ったし、牧野家はビビって家族控え室から出てこない。今、私は1人でドレス...
「うえええぇ~~~~~💦」「・・・大丈夫?つくし」「だいじょ・・・・・・うえええぇ💦」「可哀想に・・・代わってあげられなくてごめん・・・」「平気だよ・・・ちょっと疲れが・・・おえええぇ~💦」災害とも言える母さんの帰国で振り回される毎日、部屋の引っ越し、ドタバタしながら婚姻届を書き、それをつくしと母さんが提出しにいくという想定外の出来事。そして写真撮影もあの人が監督みたいになってて、やっと終わって渡仏。その翌日からつくしの...
HappyBirthday 類君🧡今日は類君のお誕生日ですねっ!今年はイベントがないので残念ですが、連載をお休みしてコソッとお話をアップします。内容は前話の「なんでも屋」の続きです。数話だけのお話ですが、その後の2人を楽しんでくださいね♪◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆『なんですって?!それ、本当なの、類!!』「うん、間違いないみたい♪つくしがちゃんとエコー写真見せてくれたから♪今日は俺の誕・・・」『すぐに帰国するわ!じゃ...
「つくしさんにはこんなややこしい家のことを覚えろと言わなきゃならんが、皆でサポートするが・・・考えてはくれないか?孝三郎は中心に居るよりサポートするほうが力を発揮できる男だと思うし、総二郎は皆を纏める力があると思っている。血の繋がりなどこの際二の次じゃないか?先代も納得して下さるだろうし、もうお亡くなりの先々代達もお許し下さると思うがな・・・・・・」家元の言葉は素直に嬉しかった。総二郎は頑なにこの家を出る...
花沢の主治医が来たのは30分後。当然その時俺はゲストルームから出され、食事をしながら処置が終わるのを待ってた。それにしても・・・今時の若い子が「無礼者」とか言う?その前に何歳だ?俺の予想では15歳ぐらいだと思うんだけど・・・・・・でも15歳だったらうちで働かないよね?うちで働くなら加代が面接だけど、最近そんな話も聞かないし、雇うのなら最終的には俺の許可が必要だし。住み込みの場合、未成年が応募したら断ってる...
「家元、総二郎です。牧野つくしさんと一颯を連れてきました」「・・・入りなさい」「失礼いたします」親に会うのにこんなややこしい手順を踏む・・・それが西門家だ。判っていたけど、いざ目の前にするとやっぱり恐怖でしかない。総二郎がここに残り、私達も一緒にって言葉は嬉しかったけど、これまで自由に育ってきた一颯にここでの暮らしは無理・・・そんなことを考えながら総二郎の後ろをついて入った。その部屋は何畳あるのかわかんな...
ーーーつくし姫様、どこにおられるのです?ーー・・・・・・あぁ、桜子が探してるわ。早く戻らなきゃ・・・帝を待たせたらお父様の首が危ないし、私だって追い出されちゃう・・・・・・そろそろ日も暮れただろうし、私だって身支度整えないと・・・それにもう1回桜子に寝屋でのアレコレを聞かなきゃ不安だわ・・・・・・ーーあぁ、こんなところにいらしたのですか?まぁ、そんなに濡れて汚して・・・どうするつもりなのです?!ーー私のせいじゃないのよ、桜子...
一颯の服も、私の服も髪も取り繕う時間もない。とにかく可能な限り品良くして、急いでメイクも始めた。その時、総二郎はデリバリーを頼むと言って一颯とメニューを見ながらワイワイやってる・・・それを若干ムカつきながら横目で見て、真新しいストッキングを探してた。そんな感じでドタバタしてると20分なんてあっという間に過ぎ、届いたのは一颯の決めたピザ・・・こんな気分でピザ?!とガクッとしたけど、そんなことも言ってられな...
「あなた、梅壺の更衣の女房でしょう?」「いいのよ、そんなに身分が高い人でもないし、そこの女房ならいなくなっても誰も探さないわ」「ちょっ・・・!」「「「あなたが悪いのよ!私達でさえお話し出来ないのに、左近衛大将様のお手に触れるなんて!!」」」井戸を覗き込んでいた私の背中をグイグイ押すもんだから、慌てて縁を手で握って踏ん張った。でも相手は3人だし、唐衣裳は動きにくい・・・しかも誰か私の袴を踏んでる?それなら...
日曜の朝、いつものように起きると光翔の部屋に向かった。光翔は母親がいなくなった夜もぐずることなく独りで寝て、起こしたときもいつもと変わらない。ただ「母さまは~?」と目を擦りながら聞いたので、「ここにはいないぞ」と言うと・・・・・・「・・・え?」「昨日話しただろ?母様はもうここには戻らないんだ」「・・・あぁ、そうだったっけ・・・・・・」「淋しいか?」「・・・ううん、そんなことはないけど・・・・・・母さまのほうがさみしくないか...
「・・・よし!誰もいないわね・・・・・・それじゃあ失礼して・・・・・・とりゃあああああぁっ!!」袴の裾を持ち上げ、廊下の欄干に手をかけてヒョイッとそれを飛び越えた♪こんなの実家にいたときにはよくやってたし、怖くもなんともない。桜子にはド叱られされたけど、そんなの気にしちゃいないし~。いつものように上手く庭の白砂の上に着地して、落とした扇を拾った瞬間、廊下の真下の空間にユラリと動くものが・・・ハッとしてそっちに目をや...
クリスマスツリーの組み立てが終わり、オーナメントもイルミネーションランプも取り付けた。電源を入れるとそれが美しく光り、光翔は手を叩いて喜んでいた。ここで部屋に戻した中村祐子を呼び、光翔の着替えを頼むことに。彼女はこれまでもこの子の世話をしているから、着替えがどこにあるのか知っているからだ。ダイニングに入ってきた祐子は元気がなかったが、光翔も彼女には慣れているため、すぐに「ゆうこちゃん!」と言って抱...
私が入内して数日後・・・・・・まだ1度も帝には呼ばれてない。それも全く気にならないから、暢気に過ごしてた。・・・と、言うのも実家から連れてきた女房の桜子と入れ替わってるから♪更衣だったら勝手にウロウロ出来ないけど、女房だったら内裏の庭や廊下、帝の住まわれる清涼殿に近づいたりしなければ歩くぐらいは問題ない。女御様の女房達に出会っても、端に避けて頭下げてりゃ文句言われないし、部屋ばかりの暮らしよりはマシだもんね...
「ママ、ご飯まぁだ?」「・・・・・・・・・・・・うん・・・」「ねぇ、サンタさんってここにも来てくれるかなぁ?」「・・・・・・・・・・・・うん・・・」「ぼくね、ひこうきのおもちゃがほしいっておてがみ書いたんだ~」「・・・・・・・・・・・・うん・・・」「・・・ママ、聞いてる?」「えっ?あぁ・・・・・・ご飯だよね・・・えっ!もう12時回ってるじゃん!!」総二郎が家元達に全部を話すと言った日・・・私は朝からソワソワして落ち着かなかった。調査したことは私も全部聞かさ...
平安京・・・それは摂関家の娘と天皇との婚姻により、外祖父の藤原氏の女系が重視される女性の時代。平仮名・片仮名も生まれ、『枕草子』や『源氏物語』に代表される和歌・貴族生活の日記・恋愛物語の女流貴族文学が繁栄し、貴族文化が誕生した時代。この頃、ある貴族のお屋敷に、1人の姫がおりました。名前を「つくし」と言い、この時代の女性にしてはおおらかで元気が良く、窮屈な屋敷住まいにウンザリしているのです。今日も姫に...
親父が光翔とこの先の約束をする・・・それを聞いていると箸が止まった。志乃さんも戸惑いを隠せないようで、時々俺に視線を送ってくる。「おじいちゃま、クリスマスってしってる~~?」「あぁ、知っとるよ。光翔の部屋にはツリーを飾っていないのか?」「そんなのないけどぉ~、お外にはいっぱいあるよ?ぼくもほしい~~♪」「そうか・・・じゃあ買いに行くか?」「親父・・・・・・あのさ、さっきの話だけど・・・」俺としてはすぐにでも・・・い...
俺の父親は神楽木直也・・・でも、すでにこの世にはいない。そして俺が何度か会った神楽木裕也は、実の父親の双子の弟だっただなんて・・・あの人は俺が自分の甥だと知っていて、それであんな言葉を言ったのか・・・『茶道家になって、幸せですかな?いや、失礼・・・・・・立派な家元におなりなさいね』それが直也氏の残した言葉だったから・・・俺が感じた不思議なものも、血の繋がりがあったからなのか・・・・・・美涼がいなくなったこのタイミングで、...
「最後の質問だ。お袋・・・俺の本当の父親は誰なのか、教えてくれないか?」お袋の表情が変わった。そして親父も横目でお袋を見て、深い溜息を漏らしていた・・・。親父も美涼の母親、真理子との関係を知られたので文句など言えない。だからこの場で俺も聞いたのだが、お袋はなかなか言おうとしなかった。すると親父の方から「もう責めるつもりはないし、私も申し訳なかったと思っている」と・・・「・・・私は裏切るつもりはなかった・・・と言...
美涼のしてきたことは粗方判った。あとは細かい疑問を問い質すと、どうでもいいと言った感じで淡々と答えていた。村上への報酬1200万やその借金の肩代わりにに使った金の出所は何処なのか・・・それは美涼の爺様が亡くなったときに遺贈としてもらった土地を売却して得た3000万から出したと言った。西門家に嫁ぐ気満々だった美涼にとって、3000万は大した金額じゃなかったんだろう。村上への接触は偶然だったのか・・・美涼は...
式場が決まったら招待客を決めたり、料理についての打ち合わせが続いた。招待客といっても私の方は三毛猫の手の社員全員と家族だけ・・・友達は数人いるんだけど、就職してからはそんなに付き合いがなかったからだ。そんな友達に「花沢物産の御曹司との結婚」なんて、説明する方が面倒くさかった。しかも花沢家の方に招待客が多すぎる・・・その式場に入れる最大限の人数のうち、95%が会社関連だもん。それは類が選ぶのではなく、ご両親...
「総二郎様はその人と親子ではない・・・本当の子どもは私の方なんですよ。私、孝三郎さんとは腹違いの姉になるんです・・・・・・ねぇ、お父様」美涼の言葉に一同固まった。さっきまで怯えていたお袋もこの時は親父を睨み、孝三郎は目も口も見開いて「姉」と言った美涼を見ている・・・これは俺も想定外だったが、さっきの親父の態度を思い出したら・・・俺が親父の子じゃないと言った時にもそこまで驚かなかった・・・と言うか、お袋に対して怒りを...
年が明けるとお父様達はフランスに戻ることに。その時には私と類とで空港まで見送ったけど、同行してる秘書さん達もいるから賑やかと言うか華やかというか・・・淋しいとか悲しいって気分はゼロ。しかも来月にはまた帰国して、今度はドレスの採寸をするとか言うし・・・「ドレス・・・ですか?」「そうよ、ウエディングドレス🧡私、義理の娘のドレスを作るのが夢だったの~~」「えっ、もうウエディングドレス?!」「当たり前じゃないの、春...
泣きじゃくる祐子に孝三郎がハンカチを差し出し、彼女はそれで涙を拭いていた。俺は義兄のしたことにムカついたが、今更それをどうにか出来るわけでもなく・・・中村祐子が「そのことはもういい」と言うし、不同意性交等罪の公訴時効は15年だが、それも訴えないとのこと。俺は力になると言ったが、「美涼のしたことを黙認してきた罪があるので」と断られた。すると、それを聞いていた美涼が吐き捨てるように・・・「そりゃ訴えないでしょ...
「・・・・・・これでよしっと!」翌年、3月の最終金曜日・・・私は数年間使っていたデスクを綺麗に片付けた。今日は私の最後の出勤日、そして類の27歳の誕生日だ。私の代わりに事務をしてくれることになった夏美ちゃんへの引き継ぎも終わり、彼女には真新しい業務日誌を渡した。「牧野さん、本当にあの花沢物産の専務さんと結婚するんですか?」「えへへ///そうなの。6月のお式にはみんな呼ぶからさ、夏美ちゃんも来てね♪」「行って良...
親父の様子は気になったが、今は美涼のしてきたことを話すのが先。そう思って俺は見合い後の美涼の脅迫の内容を話した。この時すでに俺が家元の息子でないことを知っていたこと・・・それを話さない代わりに自分との結婚を承諾しろと言ったこと・・・それに再びお袋が驚き、「どうしてあなたがそんなことを?」と呟いた。相変わらず親父は黙ったまま・・・美涼は何か否定したかったようだが、さっきの光翔のことで動揺したのか、こっちも何...
ご両親に挨拶できないのが気になったけど、加代さん曰く「今晩もこちらにお戻りでしょう?」って・・・それなら夕方にお詫びを言えばいいかと思って類の車に急いだ。その時、類は車の中で誰かに電話中・・・だから外で待ってると、指でチョイチョイって合図されたからドアを開けて助手席に座った。「電話、誰と?」「秘書の藤本。今日は少し遅れるって話しただけ」「類が会社に遅れるのなら、私はタクシーで行くよ?」「そんなことさせな...
「本日付で俺は美涼と離婚する。そして西門流の次期家元を降り、孝三郎にその座を譲ろうと思う」その言葉に場がシーンとなった。だがすぐに大声を上げたのは美涼。親父達の前なのに表情を激変させ、キッと俺を睨み、膝の上で重ねていた手をワナワナと震わせ・・・「総二郎様、何を言い出すのです!正気ですか!!」「あぁ、正気だ。お前とは離婚する」「光翔だって居るのですよ!あの子はあなたの跡継ぎではありませんか!」「大きな...
「・・・・・・・・・・・・・・・う~~~ん」身体が重い・・・・・・・・・何かにグルグル巻きにされてる感じ・・・それに暑い・・・・・・と言うか、くすぐったい?それなのに良い香りがして、自然と大きく息を吸い・・・・・・・・・ハッと目を開けると、目の前に人肌が。しかも肩と腰に長いものが巻き付いてて、それがどうやら息苦しさの原因のよう。暑いのは単純にこの長いもののせいで、くすぐったいのはフワフワのお布団のせい。そのお布団が直接肌に当たってて・・・・・・...
総二郎はラグの上にコロンと横になり、目を閉じで何かを考えていた。「総二郎・・・私、お風呂に入ってくるね」「あぁ・・・・・・」「もう少し居るんでしょ?」「あぁ・・・・・・」私の言葉なんて聞いてるんだか・・・・・・でも、この人の心情を慮るとそんな言葉は出せない。我が子と信じて育ててきた子どもを手放すんだもの・・・たとえ本当の息子と暮らせると言っても、その子ども達は「同じ」じゃない。一颯に向けられる愛情と、光翔君に向けられる愛...
本文中にR表現を含んだ部分がございます。苦手な方はご遠慮下さい。パスをかけておりませんので閲覧は自己責任でお願い致します。*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*フワモコのパジャマのボタンが外されていく・・・俺の真下で真っ赤になったつくしが両手で目を覆ってる。そんな仕草に笑いながらパジャマをずらしたら、可愛らしい膨らみを隠してるのは白いレースたっぷりのブラ。今まで何度か見たことあるの...
12月の中旬・・・このマンションのエントランスにはクリスマスツリーが飾られていた。それを見ると一颯のテンションもあがり、今週の土曜日は保育園のクリスマス会本番だ。総二郎が来ないことに残念がってたけど、「ちゃんととって、パパに見せてよ?」と張り切ってた。今日も保育園に迎えに行き、買い物をしてマンションに戻ったんだけど、入り口でコンシェルジュさんに呼び止められ・・・「えっ?大型の荷物ですか?」「はい、こちら...
いつもシャワーで済ませてるから、俺も久しぶりのバスタブ・・・それなのに、まさか1人じゃないなんて。さっきまで綺麗に結ってた髪を解いて無造作に括り、恥ずかしそうに俯いてるつくしが隣にいるなんて。しかもすでに顔が真っ赤・・・。今日は逆上せないでよ?と思いながらつつっと横移動してつくしの肩と触れ合うところまで行った。そうしたらビクッとして顔を俺の方に向け、今までになく困った顔してる。「・・・そんなに怯えなくても...
「父さま、たーーーっくさん子どもがいたんだよ♪」「そうか・・・楽しかったか?」「うん!あのね、すべり台があってね、おっきなボールもあってね」「落ち着いて話せって。志乃さんに迷惑かけなかったか?」「かけてないよぉ~~」「ほほほ、大丈夫ですわ。東京にも似たような場所があるので、また行きましょうね~」「それでね、それでね、あのね!」夕方遅く、別邸に戻ってきた光翔は大興奮。俺の前で遊びに行った室内公園での出来...
類のお部屋でのクリスマス・・・窓を背中にしてソファーに座り、部屋の真ん中にあるツリーを眺めながらの二次会♪ワインは飲みやすいものだったのでチビチビと。それよりもオードブルの美味しいこと🧡ちなみに日本では、パーティなどで出される酒のつまみや軽食類を盛り合わせたものをオードブルという。サークルトレーに並べられてるのが一般的だけど、ここでは綺麗なお皿にカラフルで小さなお料理がちょこっと乗ってるだけ。まぁ、す...
話の続きで俺が出したのは、スマホの画像・・・・・・天草で撮った、つくしと一颯の写真だ。それを見た2人はしばらく沈黙していたが、その様子を見て察したのか、お互いに目を合わせていた。「光翔のことは後でお話しします。まず、この写真に写っている子どもは、この女性と俺の間に出来た息子で、一颯と言います。今・・・3歳半です」「・・・なに?!」「でも光翔も3歳半じゃないの?」「一颯の方が4月生まれ、光翔はその1ヶ月前に生ま...
怒鳴り合う類とお母様の向こうにクリスマスツリーが見える・・・こんなクリスマスパーティーなんてあるんだろうか。しかも、私はこのためにこんなドレスアップして、いったい誰と闘ってるのか・・・見えてきたのは類よりもご両親の方が一枚上手だということで、この数ヶ月間、私達はこの2人の手のひらの上で転がされていた・・・と?しかもあのグアム行きまでもが花沢家の陰謀だったなんて・・・せめてもの救いはお爺ちゃんが何も知らなかった...
この一乗寺の別邸は家元の隠居後の居住まいで、ここで茶会なども行われている。造りは東京の本邸の半分ほどだが、それでも庭も屋敷も一般住宅とは比べものにならないぐらい広い。そして当然植木・花木も多く、池もあるし、石組みもある。違うのは裏手が山であることと、若い人間が少ないということ。森田事務長の他には使用人も数人だし、若弟子は1人も居ない。居るのは爺様に昔から仕えている古弟子の大谷さんと小山さんだけだ。...
「どういうつもり?昨日と話が違うよね・・・・・・・・・仕組んだの?!息子を騙してそんなに面白いの?!」「えぇ、騙したわよ?」「「・・・・・・・・・・・・」」俺がテーブルまで叩いて意気込んでみたのに、騙したことをあっさり認めた・・・・・・しかも父さんまで「今まで気がつかなかったのか?」って・・・・・・呆気にとられて言葉も出ない。そんな俺の隣で、つくしの方が「騙してたってどういう意味ですか?」って身を乗り出して聞いていた。それに対し...
12月10日、今日は光翔を連れて京都に行く日だ。光翔はこの話を聞いてから毎日楽しみにしていたので、昨日の夜はワクワクして寝られなかったぐらい。そのせいで熱でも出さないかと心配したが、元気よく起きて朝食も完食。今は中村祐子に身支度を整えてもらっていた。その時には一応美涼も側に居て、「ご挨拶は丁寧にね」とか「お行儀良くするのよ」と声をかけていたが、表情を見るとどうでも良さそうな感じだ。光翔が粗相をする...
勇気振り絞って叫んだのに、母さんと父さんの、向こう側にいるのは両親と同じ年ぐらいのご婦人4人。その後ろに娘でも居るのかと思ったけど、どう見てもその人達しかいなくて、俺は意味が判らずポカンとしてしまった。「今の言葉、よく聞き取れなかったわ♪もう1度紹介して下さる?」「そうだな。さぁさぁ、皆様、私達も座りましょう!」『『『『Oui♪』』』』「何を突っ立ってるの?ほら、類達はそこの席よ。牧野さん・・・だったかし...
「まっかなおはなのぉ~~、トナカイさんはぁ~~♪」キッチンで夕飯の準備をしていると、リビングから聞こえてくる一颯の声。新しい保育園でのクリスマス会で歌を歌うらしいので、その練習をしていた。見に行くのは私だけ・・・でもちゃんと録画して総二郎に見せなきゃいけないから、私はそっちの方が心配だった。ブレてたらすっごく怒られそう・・・だから早く行って良い席を確保しなきゃ、とか。「ママ、ごはんできたぁ?」「まだだよ...
まさか、このパジャマがプロポースのきっけかになるなんて・・・・・・まさか、恋人関係すっ飛ばして婚約者になるなんて・・・・・・まさか、花沢さんが私のこと好きだなんて🧡プロポーズにYESの返事をしたら彼が優しく抱き締めてくれて、私もうっとりしてその腕の中に埋もれてたんだけど、その時に窓の外で車の音が・・・・・・「やばっ!!今何時?!」「えっ?えっと・・・・・・18時20分・・・だけど?「父さんと母さんが戻ってきたんだ!牧野、身支度...
山本のところに行ってから2日後、書斎で仕事中に西村事務長から「口切りで祝いをくれた人達への礼状の発送が終わった」との報告を受けた。その時、「あの方はどうしますか?」と言われたので手を止めると・・・「あの方?」「総二郎様がご自分でお礼を言いたいと言われた神楽木様ですよ」「・・・あぁ、親父の友人の・・・」「はい。ですからお礼状は出していませんが、ゆっくりしてるとすぐに日が経ちますので・・・」「そうだったな・・・住所...
「これ、どういうつもりでプレゼントしてくれたの?」「どういうつもり・・・とは・・・・・・ああああああぁーーーーっ!!」そう・・・俺が牧野に聞きたかったのはペアのルームウエア(パジャマ)のこと。どうしてこんなものを「家で見ろ」と言って渡したのか・・・実は俺に恋人がいると思って渡したのだとしたら、俺の朝の発言が超絶恥ずかしいことになる。でも牧野は俺にそんな相手がいないことを知ってるはずだし、全く意味が判らない。同サ...
山本のマンションを出て鑑定施設に戻ったのは16時。そこに車を駐めていたからで、濱崎の車が戻った事に気がついた市村が外に出て来た。そこで俺ではなく、濱崎が山本の証言を掻い摘まんで説明し、市村は20年近く前の検定結果が外部に漏らされたことを聞いて驚いていた。同時にそれがあきら経由で俺が依頼した、自分の父子鑑定であることも知ることになり・・・「・・・そうなんですか?私はそのころからここにいましたが、責任者では...
牧野が着替え終わって出てきたのは17時。これまでに何度もドレスアップした姿を見てきたから驚くことはなかったけど、今日のは一段と可愛く見えた。両サイドから編み込んだ髪をふんわり纏め、そこにパールのピンをいくつか挿してる。メイクはピンク系、ヒラヒラしたデザインの袖から白い腕が出てて、裾に鏤められたラメレースがキラキラして・・・「類様、こんな感じに仕上げましたけど、いかがでしょう・・・?」「・・・うん、素敵だと...
まさか、この男が美涼に俺の出自の秘密を伝えていたとは・・・俺の知らないうちに検体を取られ、それと照合されていたとは思わなかった。濱崎もこのことは知らなかったので驚いた顔をしていたが、今更知られても問題はない。それにこの人は信用できるので、「今はまだ誰にも言わないでくれ」と囁くと、それに軽く頷いてくれた。それからまた山本の説明は続いた。「・・・子どものデータが西門様なら、もうひとつは家元になる。それが親子...
三毛猫の手に寄ってから会社に行ったんだけど、その途中頭が真っ白だった。牧野に何を言ったのか・・・もちろん全部覚えてる。牧野の驚いた顔・・・信じてなかったみたいだけど、俺、ちゃんと本気だって言ったよね?牧野が何か言ってたけど、何だったっけ・・・・・・何かが違うみたいなことを・・・そんなことを考えていたら会社に着いて、俺は急いで執務室に向かった。この時も社員達から何か言われたけど返事もせず、正面にいた社員が飛び退い...
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桜の茶会が終わると宗家は茶会以外の行事で大忙しだった。まずは光翔の小学校入学で、英徳小学部の制服を着た光翔を囲み、庭の桜の下で家族全員の記念撮影。この時も祐子の悪阻は酷くなく、孝三郎と共に入学式に出席することが出来た。建翔の面倒は志乃さんがみることになり、嬉しそうな顔の3人を乗せた西門の高級車が走り去るのを皆で見送った。英徳の制服は有名デザイナーのもので、カバンもランドセルじゃなく共通の通学バッグ...
夏美さんが呆然としてる・・・・・・流石に自分でも不味いコトしたと思ってる。でも流れた玉子は拾えなかったし、真ん中の穴みたいなところ(ディスポーザー)にス~~~っと落ちていき・・・「どうしましょう、夏美さん・・・」「残った玉子は4個ですから、小さめのを作りましょうか💦」「ごめんなさい・・・」「大丈夫です!これも慣れですからね!」でも玉子をキレイに割ることは覚えたので、気を取り直して玉子4個を割った。そして夏美さんに...
翌日の紅葉の野点では、家元夫人のお茶席で祐子さんと一緒にお手伝いをした。まだまだ阿吽の呼吸とはいかないけど、とにかく自分の出来ることを頑張るしかない。2人とも家元夫人と色違いの着物で、それだけで周りの人達には意味が判ったようでザワザワしたけど・・・それでも笑顔を絶やさず、大失敗をしないことだけを願いながら。野点茶会が始まって2時間後にやってきた花沢類と美作さんは、何故か総二郎のお茶席じゃなくて家元夫...
「はぁ~~~~~!12時になったぁ!」「社食に行く?今日の日替わり、なんだったっけ?」「池上君、今日は13時30分には芝崎産業に行くから遅れるなよ~~」「はい、すぐに飯食ってきます!」「花沢課長、キリがいいところで食事にしませんか?」「・・・ん」・・・なんとか午前中の業務終了。俺も昼食に行こうと席を立った。他の社員のように社食に行ってもいいんだけど、俺の場合は周りにいる社員の方が気にするってことで、いつ...
1時間後・・・・・・クタクタになった私達は母屋に戻っていた。後援会の皆様への挨拶は道明寺達のおかげで滞りなく終わり、むしろ後半はこの人達によって私達の結婚が西門流にとってもこの上ない幸運だと言わんばかりに盛り上がってた。総二郎の親友なんだから特別顧問的な役割は続くのに、オマケに私の後ろ盾だなんて・・・家元ご夫妻も彼らとニコニコしながら会話し、「今日はどうもありがとうね~」なんて言ってる。そして鬼みたいな顔...
マンションに戻ったのは11時30分。ここで夏美さんが「すぐにご飯を炊きましょう」って言いながら、さっき買ってきた食料品の中からお米を取り出した。「お米を・・・たく?」「えぇ、炊飯器で炊くんです。これも忘れました?」「・・・・・・あ、あは・・・あっははははは!」「簡単ですからすぐに思い出せますよ」野菜を炊いたものなら知ってるけど、基本私達のご飯は玄米を蒸して強飯にしたり、水をたっぷり入れて煮るお粥がほとんどだっ...
「つくし様、終わりましたわ」「・・・ありがとうございます、志乃さん。うわぁ・・・私じゃないみたい///」「うふふ、よくお似合いですわ。では総二郎様をお呼びしますね。お客様もすでにお待ちのようですので」「・・・・・・は、はい!」今日は後援会の皆さんとの顔合わせの日・・・家元夫人から譲り受けた色留袖を着て、ドキドキしながら控えの間で待っていた。総二郎が選んでくれたのはすごく綺麗な袷の色留袖で、地色は象牙色、柄はすべて手...
夏美さんとホームセンターに行くと、真っ直ぐ向かったのは「キッチン○○」ってことろ。(↑○○=用品だが、まだ漢字が読めない)そこにはキラキラした(金属)ものが沢山あるんだけど、私には何のことやら・・・だから全部彼女に任せることにした。まずは”包丁”・・・「このまえ買ったかどうか忘れたんですけど、2つあっても良いと思うので」「は~~い」「ぺティナイフも買いましょうか」「・・・は、は~~い」(←わかっていない)夏美さんが...
お義母様との話し合いが終わった翌日から、私はいただいた着物を着て本邸を歩くことになった。そしてここではお義母様から家元夫人に呼び方も変更・・・自分1人では何をしていいのかわからないので、常に家元夫人にくっついていた。玄関の花を変えたりするぐらいなら緊張はしないけど、生徒さんが来たときに挨拶するのは心臓が破裂しそうになる。なんたって生徒さんの半数は名家のご令嬢・・・今はフリーの総二郎がお目当てなんだもん。...
サンルームとやらに干された3日分の下着・・・白に鴇色(ときいろ・ピンク)に空色・・・乾いたらこれを畳んだらいいとのこと。でもそれを何処に仕舞うのかしら?この部屋には唐櫃(からびつ)もないんだけど・・・。出典:e国宝「どこに仕舞っても自由だと思いますけど、確かにお部屋にタンスはないみたいですね~」「服は向こうに置いてあるんですけど・・・」「あぁ、クローゼットですね?でもこんなに広い脱衣場があるし、ここにも棚がある...
つくしと葵が退院してから1ヶ月が過ぎた。梅雨の晴れ間で、気温もそう高くない日・・・・・宗家には客人が来ていた。それは神楽木裕也夫妻で、その手には葵のための祝い着があった。淡い黄色から赤への暈かしがあり、美しい配色の毬に組紐、そして熨斗目が描かれたもので、華やかな芍薬や桜なども。金彩も施され、煌びやかさもある極上のもの。それを見るつくしや祐子は目がテン・・・お袋は涙ぐみながらそれを手に持った。その場には親父...
「まだ始まっていない・・・とは・・・?」「えっと・・・・・・つくしさん、成人してますよね?」「せいじん?」「大人・・・ですよね?」”せいじん”・・・つまりそれが大人って意味?私達の頃は男性は「加冠の儀」つまり「元服」、女性は「裳着の儀」ってのがあった。元服は帝であればおおよそ11歳から15歳まで、皇太子であれば17歳までに行われてたけど、通常14歳前後が多かったみたい。元服式には「理髪の役」と「加冠の役」の役目があって、まず...
出産がこれほどまでに大変だったとは・・・・・・光翔の時には立ち会わなかったからわからなかったし、正直美涼の苦しみや痛みまで考えなかった気がする。でもつくしの様子を見ていると、彼女も必死に産んでくれたのだと・・・・・・もう少し感謝の言葉をかけてやれば良かったと思った。と同時に、これだけの思いをして生んだ光翔を愛おしく思えなかったことに対して疑問が湧いたが・・・「・・・総二郎、どうかした?」「あ、いや・・・なんでもない。...
夏美さんが来てくれたので安心して全身の力が抜けた・・・けど、この人に色々と教えてもらわないといけないので、「よろしくおねがいします!」と元気よく挨拶♪中に入ってもらって、まずは・・・・・・何をする?「え~~~~~と・・・」「あぁ、お茶とか珈琲とかはいいですよ。仕事で来てるので気を遣わないで下さい」「・・・(あぁ、お茶を出すものなのね?そもそも炭汁(珈琲)は作れないし)・・・あはは///すみません」現代社会を知らないフリ...
5月31日は土曜日で、一颯の保育園はお休み。光翔くんの幼稚園もお休みで、子供達は朝から庭で遊んでいた。あんな風に走ったり飛んだり、しゃがんだりが身軽で羨ましい・・・と、自分のお腹をさすりながらそれを眺めて・・・・・・「・・・つくし、平気か?」「へ?あぁ~~~、うん、まだ平気」「陣痛が来る前に入院してもいいんじゃねぇの?」「そんなの病院に迷惑だよ。陣痛間隔が15分ぐらいで行く人もいるんだし」「でも・・・・・・」「そん...
「おはようございます、花沢課長///」「課長、今日も素敵なスーツですね~~♪」「・・・・・・・・・」「無口だけどそこがまた///」←ただの無愛想「ねぇねぇ、今日は少しワイルドな髪型じゃない?」←ただの寝癖「「「花沢課長、おはようございます~~~♪」」」「あぁ、おはよう・・・・・・」「「「きゃあああ🧡今日はご挨拶できたぁ🧡」」」そんな声もほとんど耳に入らず、床の大理石タイルに視線を落として歩いた。頭の中では1人にしてしまった...
墓参りから1週間が過ぎ、明日は桜の茶会。今回もつくしは準備だけで、当日は子供達の世話係。まだ後援会に何も話していないので、姿を見せないように離れで過ごすことにしていた。が、祐子は茶会終了後に挨拶するために数日前からその練習をしていた。お袋から譲り受けた着物を着て、光翔にも着物を着せて・・・その時は流石に一颯の事が気になったが、子供なのであまり深くは考えていないようで助かった。むしろ面倒くさいことをせ...
翌朝、やっぱり私はベッドから落ちて寝ていた。でも類がそこにマットレスってのを敷いててくれたので、今日は身体が痛くないなぁ~と思いながら身体を起こすと・・・もう類はこの部屋にはいなかった。「・・・あ、今日から仕事に行くって言ってたっけ・・・」いつまでも寝てるから、起こさずに出かけたのかと思って飛び起た私。その時にズボンの裾を踏んで転けそうになりなからも、ドアを開けて隣の部屋に行くと・・・・・・「おはよう、つくし」...
桜の茶会の10日前・・・彼岸の日に神楽木家に向かった。車中にはお袋の姿もあり、つくしが後部座席で一颯の相手をし、お袋は助手席。運転席の俺も少しばかり緊張するが、まだ祖母に慣れていない一颯のためにはこの方がいいだろうと思ったからだ。お袋は紫地の江戸小紋に紹巴織の名古屋帯。春らしい着物ではなかったけど、品があり、墓参りに相応しいものだった。「ねぇ、ママ。かぐらぎのおじちゃんはなんのお仕事してるの~?」「...
その日の夕ご飯も誰かが持って来てくれた物をレンジでチンして食べることになった。何度もやったから温めは完璧🧡そしてコンロでお湯を沸かすことも出来るようになった。ここでまた初めての物が出てきたんだけど・・・すごく軽くて四角くて、スカスカしてる?「類、これはどうやって食べるの?このまま囓るの?」「それはフリーズドライの卵スープだよ」「・・・・・・?」「あぁ、フリーズドライって言うのは真空凍結乾燥って意味で・・・・・・わ...
その日の夕方・・・土曜だったので類は早めに帰宅できた。当然それを迎えに出たのは真利愛と真音で、「ぱっぱ~~!」と飛び付いたのは真利愛だ。真音も同じようにしたい様子だったが、真利愛の勢いに負けるのと、まだ素直に類に触れることが出来なかった。そんな真音に気が付いて、類はいつも真利愛の後で真音も抱き上げた。「うわ・・・真音、少し重くなった?」「ほんと?ぼく、大きくなった?」「まいあは~?まいあも大きくなったぁ...
巨大迷路の入り口に立つと、そこには2つのコースがあった。1つは体力勝負のアスレチックコース、もう一つは仕掛けを解いていく知力コース。迷路としての建物は1つだけど、中の通路は巧みに入り組んでいるため2つのコースが交わることはないそうだ。そのどっちに行くかってことで、再びジャンケンすることに。勝った方が好きな方を選ぶことにして、総二郎と道明寺さんがジャンケンすることとなった。「行くぞ、司!」「・・・そん...
つくしが花沢邸に来てから1ヶ月が経過した。それが5月の中旬で、ここで2人は婚姻届けを提出することになった。何故3ヶ月も先になったのかというと、社長に就任した類が多忙だった事もあるが、警察の事情聴取、つくしの税務処理と何かにつけてドタバタしていたのだ。それも全部終わり、類も落ち着いてきたために漸く自分達の届け出に着手できたのだ。しかも類と真利愛は養子縁組をしていたので、その辺りの修正手続きに弁護士を...
いきなり現れたのが恐ろしい顔の人形だったのか、それとも人間だったのか・・・それすらわかんない状況で彼に逃げられたけど、こんなところに1人で取り残されるのもイヤだ!だから楽しむ時間もなく暗闇の中を追い掛けたら、道明寺さんは何にもない壁に両手ついてゼイゼイしていた。・・・まったく、それが30歳の男のすることか💢!!それを怒ることも出来ず、薄気味悪いBGMの中、道明寺さんの背中をポンと叩くと・・・「うわあああぁっ!...
「・・・・・・マジか・・・」「俺、1回入ってみたかった♪」「悪い、俺は絶対に嫌だ。乗り物ならいいけど、あそこは無理!」「・・・・・・・・・は、入るだけなのか?」「うん、入るだけだよ~~♪だってお化け屋敷だもん!自分の足で歩くだけだよ~~」子供の頃からの夢だと言いながら、つくしは薄気味悪い建物の前で立ち止まった。そしてここでも言いだしたのがジャンケン。あきらが絶対に嫌だと言うから、俺と類と司とつくしの4人で2組に分かれ...
先日は大変お騒がせしました。たくさんコメントいただきまして、そのお返事も出来ずに申し訳ありません。多くの方にお話を楽しみにしていると言っていただき、とても感謝しております。しばらくお休みさせていただき少しは落ち着いたのですが、続編のお話で物足りなさが解消できるかどうかを考えると・・・どうなのかな~?と思いつつ・・・でも書いていたものだけは公開して、それでこの話を完全終了させることにしました。なので近々0...
初めはゆっくり動くジェットコースター・・・だんだん心臓がバクバクし始めて、喉がゴクリと鳴った。そうしたら花沢さんがボソッとひと言・・・「ジェットコースターってさ・・・恐怖心とは関係なく気絶する事があるんだよね」「は?」「極端な重力がかかると血液は下半身に集まって脳に届かなくなるから。特に気温の高い日は汗をかいて体内が脱水気味になってるから余計になりやすいんだって」「・・・・・・(今日、暑いけど)・・・」「ジェットコ...
「あ~あ、もう無理か・・・」「美作さん、何が無理なの?」「いや、何でもない(総二郎達のゴンドラからはもう見えない・・・なんて言えないし)。つくしちゃん、あと少しだからしっかり見ておかないと!」「は~~~い!」観覧車の後半になったら美作さんは私と向かい合って座り、何故かニヤニヤしていた。その意味は判らなかったけど、言われたとおりに窓の外を眺めて「もう地面が近くなった~!」と・・・その時目に入ったのはジェット...
遊園地とは文字の如く、楽しく遊べるように、いろいろな遊具やアトラクション、設備を備えた施設。アトラクションの設置に関係なく遊園地と呼ばれている公園もあるんだけど、私の思う遊園地は「乗り物」があること!それは滑り台、ブランコじゃなく、もっとハードでスピード感のあるもの・・・まさか、本当にそれに乗れる日が来るとは・・・っ!!「・・・・・・うっ・・・うっ・・・えぐっ!」「ちょっと総二郎・・・この子、泣いてるんだけど」「悪い...
「ふああああぁ~~~~~~~~!よく寝たぁ~~~~~~~~~~!!」大きく背伸びをして起きたのは6時30分。総二郎がいないおかげで久しぶりに爆睡でき、すっごく気持ちの良い朝だった。カーテンを開けると清々しい朝陽が目に入る・・・「今日は快晴だな~」と呟きながらベッドを降りて服を着替えた。そしてドアを開けて隣の部屋を覗くと・・・ベッドで寝ているのは美作さん1人。花沢さんはソファーで丸くなり、道明寺さんと総二...
私を無視して決められた翌日の予定・・・まさかの、道明寺さん達とのお出掛け?!結婚式の翌日に団体行動?!「ちょっと待ってよ、何処に行くの?」「つくし、行き先が問題じゃねぇよ💢俺達は2人きりでここで過ごし、明日の夜までマッタリするんだから!そうじゃないと明後日からは仕事なんだぞ?これまでの疲れを癒やさないとダメだろ?」「確かに疲れてるかも・・・行き先次第だけど・・・」「そうだなぁ、何処に行きたい?あきら」「俺は...
最後まであきらが仕切った二次会終了・・・考三郎はそれからまた飲みに行くと言い、女達を連れて何処かに消えた。従姉妹・従兄弟達はそれぞれの迎えの車であっさり帰宅。涼子達はつくしよりも景品に浮かれまくり、万歳しながらタクシーに乗った。港に残されたのは俺達5人・・・今日は宗家に戻らず、Tホテルのスイートを予約していたので、そこに向かうと言うと、あきらが「ハネムーンは?」と聞いてきた。答えは・・・「今すぐ旅行には行か...
「皆さま、大変長らくお待たせいたしました。本日の主役である新郎新婦の準備が整ったようです。皆さま、ご準備はよろしいでしょうか~?!それでは新郎新婦の入場で~~~す!」美作さんの声で扉が開けられ、途端に目の前でパーン!とクラッカーの鳴る音が!それよりもシャンデリアの灯りの方が眩しくてクラッとしてしまった。その後で叫ばれたのは・・・「西門さん、つくし、おめでとう~~~!」「さぁ、二次会は盛りあがっていく...
おはようございます。突然ではございますが、当面の間類君の連載公開を中止します。理由は、今回のお話について、「物足りない」とのコメントをいただき、それによりモチベーションがダダ下がりしてしまったからです。物足りない・・・それは私の筆力がないので受け入れますが、200話以上で「終盤が物足りない」と言われても、素人の私ではどうしていいのか判りません。明日より続編として、つくしと真利愛のこと、美央とのその後...
それから2ヶ月後・・・桜の花が終り、新緑の美しい季節に変わっていた。少しずつ気温も上がり、春らしい陽気に包まれた土曜日のこと・・・「ママ~~~、トラック来たよ~~」「ぱっぱ、おしっこしのトラック~~~!」「は~~~~い!2人ともおじさん達の邪魔しちゃだめよ~」「つくし、もう全部ガムテープした?」武蔵小山のマンションでは引っ越しの真っ最中。今日はここを出て、花沢家に引っ越すのだ。その為に大人達は朝からドタ...
終わった・・・・・・絢爛豪華な披露宴が終わった・・・・・・マジで疲れた・・・・・・本気で披露宴したらこんなに疲れるんだと思い知った・・・・・・いや、もう2度としないけど。私たちの披露宴・・・それはある意味特殊だった。祝辞が長いからって余興をお色直しの後にしたから、キャンドルサービスの直後が余興開始。私の方からは涼子達が何かしてくれるって言うから任せたんだけど、とにかく西門関係者の余興が長く・・・。1番手は後援会長の詩吟。詩吟は...
「ただいま・・・・・・」「ぱっぱだぁ~~~!」「おかえり~~~~~!!」流石にその日は定時では帰ることが出来ず、類がマンションに戻ったのは20時過ぎ。子ども達はすでに風呂を済ませていて、パジャマ姿で出迎えてくれた。2人を同時に抱き締めて、出て来た言葉は「お腹空いた~」・・・つくしはソワソワしながらリビングのドア付近で待っていたが、それを聞いて急いで夕食をテーブルに並べた。あまり食欲がなさそうだったので、作...
結婚式&披露宴にもその時代の流行りってもんはあると思う。なにも面白くて珍しいことをしたいとは思わないけど、西門は超古風というか、何と言うか・・・さっきから西門の関係者のスピーチが長い長い!新婦側には話す人がいないから、ここぞとばかりに後援会のお爺様や何処かの会社の社長さんがお話ししている。それをニコニコしながら聞いてる総二郎だけど、膝の上の手はすでに握り拳・・・そうとうイラッとしてるんだろうなって思った...
金曜日の朝はいつもと違う空気が流れていた。それは類が取締役会を開催する日・・・朝早くに目が覚めたつくしと類は、お互いに言葉を交わさずにピリピリとした中で過ごしていた。類は黙って窓の外を見ている。まだ薄暗く、天気は午後から雨になるらしい。つくしはキッチンで珈琲の準備・・・今日の類は何も食べそうになかったが、せめて少しでもと思い、ひと口サイズのサンドイッチを作った。「類、珈琲が入ったよ」「・・・・・・・・・・・・」「身...
折角気分良くここまで来たのに、おかしな3人組みのせいでモヤモヤと・・・それでも巫女さんが現われて、いよいよ本殿に入るって時になったら気分はガラリと変わった。まずは参進の儀と言って、神職さんと巫女さんの後に付いて新郎新婦、両家の親、親族の順に本殿に向かう。中に入ったら神前に向かって右に新郎側親族、左に新婦側親族が入場後、私たちと神職が入場。本当はここで仲人さんも入るんだけど、今回は仲人さんはなし。理由...