桜の茶会が終わると宗家は茶会以外の行事で大忙しだった。まずは光翔の小学校入学で、英徳小学部の制服を着た光翔を囲み、庭の桜の下で家族全員の記念撮影。この時も祐子の悪阻は酷くなく、孝三郎と共に入学式に出席することが出来た。建翔の面倒は志乃さんがみることになり、嬉しそうな顔の3人を乗せた西門の高級車が走り去るのを皆で見送った。英徳の制服は有名デザイナーのもので、カバンもランドセルじゃなく共通の通学バッグ...
花より男子の二次小説サイトになります。特に類と 総二郎が大好きですべてハッピーエンドなります。
読むだけでもの足らず、とうとう自分で書いてしまいました。自己満足の表現不足とは思いますが、楽しんでいただけたらと思います。
俺と美涼が結婚していたことも知らない。西門邸には1度も行ったことがないと山本は言い切った。「彼女があなたと結婚していたことなんて知りませんよ。桜井家とは縁がないのですから」・・・と。山本は美涼との関係を完全否定。それならと、今度は俺ではなく濱崎がカバンからある物を取り出して山本に見せた。それは綿棒のような検体採取キット・・・あの施設にいた山本にはなんのための道具かすぐにわかっただろう。「じゃあ、お前の口...
『今、あんたの会社の駐車場に居るんだ!話があるから出てきて欲しいんだけど!早く!!』「へっ?あ、は、はいっ!すぐに行きますっ!!」いや、ぜんぜんわかんないんだけどっ!!いったい何があったって言うの?!何故こんなに朝っぱらから花沢物産の専務さんが来てんの?!会社はどうしたーーーーーっ!!電話を切ったら社長達に何も言わず、急いで裏の通用口に向かった。そこで勢いよくドアを開けると、白い8000万円が停ま...
口切りが終わると宗家は静かになる。年内に大きな茶会はなく、俺たちの仕事はのんびりとしたものに・・・だが親父とお袋は年末に向けて地方支部へ出掛けたり、孝三郎は茶道教室のイベントなんかが増える。だから俺が宗家の仕事を任されることが多かった。この状況下で助かるのは、俺が外出しやすいと言うこと。親父達が不在だから口煩く言われることがない。丁度今日は親父達が不在で、孝三郎も夜の会食までずっと出掛けている。だか...
牧野のクリスマスプレゼントに悶々としながら一夜を過ごし、気がついたら朝になってた。いつもより更に開かない目でダイニングに行くと、朝っぱらからイルミネーションを点灯させたツリーが・・・それに若干イラッとしながら席に着くと、目の前では今日も元気な母さんの甲高い声が・・・「山下部長のところはお孫さんが生まれたらしいわ~~、羨ましい~♪」「香坂本部長の娘さんもご結婚らしいから、お祝いを送らないとな」「生まれたて...
口切りの茶事当日、朝から宗家はドタバタしていた。親父と俺は露地の掃除や茶室の確認をし、お袋達は茶懐石の確認、志乃さんは全国の支部から届く祝いの品などを大広間に並べていた。そのお礼をするのも俺たちの役目なので、茶会の前に全員でそれを確認するのが慣例。この茶事に全支部を招くことは無理なので、毎年選ばれた支部長しか招待しないからだ。それに招待したが都合が悪くて欠席する人、昔から懇意にしている取引先などか...
「じゃあクリスマスプレゼント、渡すね♪」「えっ?!」「・・・そんなに驚くこと?」「いや///花沢さんにそんな気遣いがあるとは思わなくって!」・・・なんて失礼な言い方するんだか。確かにクリスマスプレゼントをわざわざ用意したのは初めてだけどさ。今まで椅子の背もたれに隠してた袋を取り出すと、牧野は「え!ずっとそこにあったの?」って目がテン。でも驚くのはまだ早い・・・「俺が作ったんだよ」と言うと、元々大きな口を更に大...
ド派手な女物の服が散らかっている部屋、その真ん中に踞った村上にエアガンを押しつける俺。この状態で村上は美涼との取引について話し始めた。驚いたことに、それは俺と美涼が見合いをする前のこと。繁華街のど真ん中で借金取りに脅されている村上に、声をかけて来たのが美涼だと言った。そのまま個室のあるBarに連れて行かれ、そこで故意に事故を起こすような依頼をされたのだとか・・・しかも初めの依頼は孝三郎ではなく・・・「は?...
手首が赤いことに気がつくなんて・・・なんて目敏いの!!普段から無関心なんだから、そこは無視してよーーーーっ!!化繊負けでも静電気でのないの・・・・・・ダニなのよ!!でも花沢さんの前で「これ、ダニに噛まれたんです」って言えないでしょ?!ダニが居る場所から来た女なんてイヤでしょ?!加湿器も要らないし、ローションも必要ないの・・・・・・欲しいのはステロイド外用剤なのよっ!という心の声は置いといて・・・今日の花沢さんはダー...
翌日の朝食時、親父とお袋はまだ機嫌が悪そうだった。当然美涼もおとなしくしていて、静かな時間・・・光翔も周りの大人の顔色を窺いながら食っていた。そんな中、孝三郎が少し左手を気にしており、俺が「痛むのか?」と聞くと・・・「昨日の長時間の野点で疲れただけだって・・・寒いときはやっぱり疼くんだよな~~」「そうか・・・無理すんな」「気持ち悪っ!総兄が優しいこと言うとコワいわ~~!」「なんだと?心配してんのに!」「ははっ...
事務所に戻ったのは18時30分・・・その時は全員埃まみれで真っ黒クロスケだった。しかもみんな何処かしらが痒くて、掻きまくって血が出るほど・・・加藤さんなんて首が真っ赤に腫れてて、ダニじゃない害虫にやられたんじゃないかって話にまでなって・・・よくあんな家にお婆ちゃんが1人で住んでたよね?ってか、病気になったのはそのせいじゃないの?!貧乏で古い家だったとしても、掃除だけはしていた私・・・だから今でも外観はとんでもな...
山本啓介への疑念を抱いたまま10日間が過ぎた。何も動けなかったのは野点の準備、炉開き、口切りの茶事の打ち合わせが続いたから・・・これも後悔のないように終わらせたかったため、この期間は茶道に集中することにしたのだ。そして少しでも時間があればつくしと一颯のところに行き、穏やかな時間を過ごす・・・つくしには山本の話はしたが、茶事への思いも話していたため、時間が掛かることは納得してもらえた。その間につくしは一颯...
翌日の朝、ダイニングは賑やかだった。いつもなら俺が1人で静かに珈琲を飲むだけなのに、今日は父さんと母さんも居て、朝食のメニューもホテル並み・・・これでもか!ってぐらいの料理が並べられ、それを両親は「美味しいわね~」と言いながら食べてた。「フランスの朝食って甘いでしょ?私は長く住んでるけど、あれはダメなのよね~」「私は毎日同じというのがイヤだな・・・それにタルティーヌは今でも食べられないよ」「・・・シェフが作...
「以前、ここで見た手袋の男の事だが・・・」「あぁ、彼のことですか・・・何か気になることでも?」「偶然かもしれないけど、美涼が光翔を生む少し前に病院に手袋をした男が現れたって聞いたんだ。季節的に手袋してても問題ないんだが・・・その男、俺がここに来たときにジッと見てきたってのもあって少し気になるんだけど」「・・・・・・・・・そんなに西門様を見ていたんですか?」「何か言いたいことでもあるのかと思ったぐらいだけど、目を合わ...
ロビーに降りたらすでにそこには部長達が並んでた。いつの時代だ?って思うような出迎えぶりに辟易・・・・・・当然俺はその最前列に立つこととなった。秘書課も全員降りてるし、そんなことで事務所はどうすんの?って感じ・・・でも意見したら藤本に殴られそうだったんで黙っておいた。そうしたら2台のタクシーが到着して、1台目からは父さんとその秘書軍団、もう1台からは母さんとその秘書軍団が降りてきた。途端に緊張感が走り、業務...
羽田に着くと先につくしと一颯が到着ロビーから出ていき、俺とは別行動をとった。機内で爆睡だった一颯はぼんやりしていたのでこの状況がわかっておらず、特に泣くこともなく大きなペンギンのぬいぐるみを抱えてつくしに手を引かれていた。俺は振り向かない2人を横目で見送り、少し遅れて空港を後にした。宗家に戻ったのは22時前で、屋敷内はすでにシーンとしていた。離れの部屋に戻ると美涼もすでに自分の部屋にいて、光翔もベ...
月曜日に出勤すると、会社全体がザワザワしていた。それはパリから社長・副社長が来るとの情報が伝わっていたから・・・当然秘書課はアタフタしていた。フランスからも現地秘書が同行してくるが、藤本達には日本本社・秘書課としてのプライドがあるらしい。だからいつにも増して気合いが入ってるし、各役員の第一秘書ではない連中は社長室、および役員フロア、ロビーやエントランスに至るまで総チェックしていた。・・・そんなことするか...
「えっ?!ペンギン水族館?」「あぁ、長崎にはペンギン水族館があるんだ。本当ならハウステンボスとかに連れてってやりたいけど、夕方には長崎空港に行かなきゃいけねぇからな」「ペンギンさん、見られるの~~?うわぁ~~い!ぼく、ペンギンさん、だいすき~~~!」つくしの言う通り、3歳児にはグラバー園や大浦天主堂よりもその方が楽しいだろう・・・そう思って長崎ペンギン水族館に行くことにした。ここは展示するペンギンの...
そしてやってきた土曜日。軍資金を手にもってやってきたのは六本木。意気込んで向かったのはメンズもののパジャマを取り扱うお店・・・あれから花沢さんに何が良いかを考えたけど、どうしても「睡眠グッズ」しか思い浮かばなかったんだもん。お金持ちなのは判ってるから持ってないものがないだろうし、ネクタイだって好みがある。ケーキでも作ろうかと思ったけど、これまで見てるとデザート系は全部私に回してたから苦手なんだと思う...
美涼の妊娠は人工授精で、計画よりも早くに妊娠できたために俺との行為を急いだ・・・それに引っ掛かった俺のせいで事は上手く進み、彼女の願い通り出産予定日よりも遅くに出産をした。ここまでは美涼でさえ驚くほど順調に進んだし、お袋も親父も騙すことは出来た。協力者は中村祐子・・・彼女が何故あんなに怯えているのかはまだ判らないが、宮崎レディースクリニックを選んだのは中村祐子の医療事故がきっかけだと言うこともわかった。...
石垣島から帰った翌日。花沢トラベラーズの石川から「撮影無事終了」の報告メールが届いた。それを見てカチンときた俺は、藤本の居ない隙を見て、石川に電話することに・・・『あっ、社長、お疲れ様です!先日はご協力いただき、ありがとう・・・』「どうして写真のデータをメールで送った?!俺、現物を郵送か宅配でって言わなかった?!」『えっ?!いや、社長はそんな詳しいことは・・・』ーーカメラマンに頼んで、俺と牧野が写ってる写...
産婦人科についたのは午前中の診察が終わる5分前。しかもこんな病院に厳しい顔した男が1人で入ったので、受付は驚いた様子で言葉を掛けることさえ忘れていた。待合室で待っている患者はもう誰もおらず、どうやら中で午前中最後の患者を診察中らしい。パタパタと看護師の足音と共に、医者の話し声が聞こえた。ようやくここで受付に「お見舞いですか?」と聞かれたのだが・・・「東京の西門と申します。ここの先生に息子のことで聞き...
朝食が済んだら10時前にはホテルをチェックアウトした。その時にロビーでは花沢トラベラーズの撮影スタッフ達がいて、彼らは今からもこのホテルの内部撮影をするらしい。「昨日はありがとうございました」なんて石川に言われたけど、それよりも気になったのはカメラマンの横に立つ2人の男。2人とも俺に背中を向けてるけど、その背格好が・・・「・・・・・・・・・・・・」「花沢さん、どうしたの?やっぱり気分が悪い?」「いや、そんな事な...
「・・・・・・・・・う~~~~ん・・・・・・」「ママ、もう朝だよ~~~?」「・・・・・・・・・えっ?」「おねぼうしてる~~~♪」火曜日の朝、ホテルのベッドで目が覚めたんだけど、その時間が7時・・・いつもならとっくに起きてる時間なのに、真横で私を覗き込む一颯がいて驚いた。飛び起きたんだけど慌てて確認したのは自分の格好・・・持って来てたパジャマをちゃんと着てたからホッとしたんだけど・・・「おはよう、つくし。もう朝飯が来てるぞ」「ーーー...
正直、当たれば折れるぐらいの腐った木の枝で殴られたんだから大怪我には至らない。確かに衝撃はあったけど、1度両手に当たって威力も半減してたから尚更・・・でも牧野がすごく心配して肩まで貸してくれたから、それに甘えてみようかなって思っただけで・・・だから態と蹌踉けてみたり、痛そうにおでこに手を当てたりしてたんだけど・・・流石に部屋に入れば演技するのも申し訳ないと思い、彼女にも「寝ていいよ」って言ったんだけど・・・「...
本文中にR表現を含んだ部分がございます。苦手な方はご遠慮下さい。パスをかけておりませんので閲覧は自己責任でお願い致します。*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*細い腰を両手で掴み、弾力のある丸みを見下ろしながら熱り勃つモノを押し込んでいく・・・その時、夜の空気につくしの甘い声が溶け込んでいった。同時に俺も唸るような声が漏れてしまったが、それはつくしの中が想像よりキツかったため・・・つ...
喧嘩ド素人だと思われる2人組・・・もう呆れてしまうほどガタガタ震えてるから、怖くもなんともない。俺自身はそんなに喧嘩をしたことはないけど、司や総二郎のマジな殴り合いを見てきたし。だから躊躇わずに進んでいったんだけど、突然牧野が自分を掴まえてる男の足を蹴ったみたいだった。その呻き声で俺の前にいる男も振り向き、その様子が俺にも見えたんだけど、牧野がそいつの股間を思いっきり蹴って・・・あぁ~~~あ・・・可哀想に・...
本文中に微ではありますがR表現を含んだ部分がございます。苦手な方はご遠慮下さい。パスをかけておりませんので閲覧は自己責任でお願い致します。*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*寝る準備だというのに、「パパと遊ぶ!」と言って大騒ぎする一颯・・・総二郎はクスクス笑いながらパジャマに着替えさせられてる一颯を見てたけど、私は違うことを考えてて気持ちがそれどころじゃない。「今日は朝早くから出...
牧野が砂浜から少し離れた、薄暗くて木々が生い茂ってる場所に行くのを砂浜で見ていた。ホントに好奇心旺盛で怖いもの知らずだな~と感心しつつ・・・でもホントにハブだったら不味いから、早くこの場から離れようと思っていたのに・・・「きゃあああぁーーーっ!!」「牧野?!」「う、五月蠅い!」「おおおお、大声出すなよっ!!」牧野が遭遇したのはハブでもヤシガニでもなく、2人組の男?!帽子を目深に被ったヤツが牧野を後ろから...
少々乱暴な言い方だったけど、一颯が俺に向かって「パパ」と言ってくれた・・・それだけで嬉しくて、ガラにもなく涙が込み上げてきた。その様子を見て初対面の夫婦がおかしな顔をしていたが、そんなことを気にする余裕もない。俺の目の前で怒ったような、照れたような顔をしている一颯を抱き上げ、すげぇ力で抱き締めてしまった。「いたいってば~~~っ///!!」「一颯、もう1回言ってくれよ~!」「やだよぉ!いいから早くしてよ!...
ホテルの中庭からビーチに行ける道があるようで、真っ暗な中を歩いて行った。と言っても庭園灯はあるから、その部分だけ明るい・・・でも足下は薄暗くて、しかも舗装された道じゃないから危なっかしくて・・・「あれ?ここが道だよね・・・・・・砂利が多いなぁ」「両サイドに植物があるけど、それアダンっていう木だから。細長い葉っぱの側面に棘があるから気をつけて」「そうなの?触らないようにする・・・・・・うわっ!滑りそう~~~💦」「ほら...
旅館と言ってたからレトロな温泉旅館かと思ってたのに、実はリゾートホテルに近いコテージ・・・そこに着くとその豪華さにポカンとした・・・・・あぁ、やっぱりこうなるよね、と。4組限定で、その総てが離れてるからまるで一軒家のよう。しかもテラスからは海が見えて、広い芝生の庭にテーブルが置かれ、小さいけど温水プールがある。その横には露天風呂があって、お隣の庭は全く見えない作りになってる。ちなみにペットも泊まれるらしい...
今日のバスタイムはあっという間に終了。花沢さんが使ってたワケでもないし、それよりもこのあとのお散歩のことで頭がいっぱいだった。夜の海辺を2人で散歩・・・もうそれって恋人のすることじゃん///?!さっきもネットで調べたらそう書いてあったもん!夜の海デートはとにかくロマンチックさが魅力🧡2人で花火を楽しんだり、星空を眺めながらまったり過ごすのが◎。夜の海はそれだけで気分が最高潮に盛り上がるため、普段なかなか言...
熊本空港の東側に広がる阿蘇山・・・一颯がその山を見て、「けむりがでてる~」って。この子に活火山なんて言ってもわからないだろうから、なんて答えようかなって考えてると、総二郎が運転しながらざっくりと説明してた。「あのな、地面の下のほうにはすげぇ熱いマグマってのがあるんだ。それが上と繋がってるのが火山で、熱いから煙を出してるんだ。今は休んでる火山もたくさんあるけど、阿蘇山は元気がいいんだぞ」「あついってど...
なんとか撮影終了・・・・・・ドレスを脱いで自分の服になった瞬間、シンデレラの気持ちがよくわかった。鏡の中には花嫁さんじゃなくていつもの「牧野つくし」が居るし、メイクも落としたからなんだか淋しい顔しているし。それは花沢さんも同じで、さっきまでのタキシードじゃなくなったので普通の男性に・・・・・・いや、この人は普通の状態でも魔法は解けてない。365日24時間イケメンだった。「疲れたね・・・・・・部屋に行こうか」「そうだ...
羽田に着いたら周囲にドキドキしながら搭乗手続きに向かった。一颯は空港が初めてだからキョトンとしてるし、私も久しぶり・・・案内表示を見ながらなんとか手続きを済ませ、一颯の手を握ってゲートに向かった。一颯は間近で飛行機が見られて大はしゃぎで、広い窓の前でキャアキャア言ってる。私は総二郎にメールして、ちゃんと予約した便に乗れることを報告した。とは言え、その時間は総二郎の方が空の上だから返事はない。それでも...
「ラストは社長と牧野さんで撮るってカメラマンが準備しています!!なので急いで庭に来て下さい~~~~!」石川はそう言うと俺の返事も聞かずにどこかに消えた・・・・・・そして俺の横にはメイクスタッフが来ていて、「ブートニアを交換しますね~」って苦笑い。髪の毛も整えられて、「完璧です!」なんて言われたけど・・・・・・牧野と俺でどんな写真が撮れるというのか。お互いモデルじゃないし、笑えと言われて笑えるわけがない。むしろ...
「えっ?天草へ旅行?」「・・・あぁ、行く気はあるか?」「来週の初めに・・・ですか?」「何か予定はあるのか?」つくしに相談したあと、一応親父からの提案なので美涼にも聞いてみた。だが返事は想像通り・・・苦笑いで「私となんて行きたくないでしょう?」と。俺は親父が言った言葉をそのまま伝えたが、それでも薄ら笑うだけで「一緒に行こう」という考えにはならなかったようだ。もちろん「行く」と言われた方が困るわけで、それなら...
ふんっ!なによ、デレデレしちゃって!!普段は女性に興味ないって顔してるくせに、実際に美人を目の前にしたら鼻の下伸ばしちゃって!!まったく、イヤらしいったらないわ!あんな風に女性の腰に手を回したり、髪の毛触ったり、後ろから谷間でも眺めてたんでしょ!・・・と不機嫌さMAXでズンズンお庭を歩いていると、カメラマンさんに「行き過ぎ、行き過ぎ!」って止められた。あぁ、撮影だったと思い出して顔をパンパンと叩き、気分...
9月後半になると出掛けて行う茶会も増えてくる。だからドタバタしているうちに10月になり、その間に何度か一颯には会えたが遊んでやる時間はあまりなかった。つくしの話だと夜泣きは1週間ほど続いたが、今では随分と落ち着いたよう・・・時々俺について「今度はいつくるの?」なんて聞いてくるらしく、それはそれで嬉しかった。同時に片山の事を聞いてくるのかと尋ねると、それはないらしい。あの子の中で「忘れるべき出来事」と...
チャペル内での撮影が終わったけど、最後の方はどんな顔してたのかも覚えてない・・・。夏目さんにもカメラマンさんにも色々言われた気がするけど、その言葉さえ・・・・・・そして今から2着目のドレスに着替えるんだけど、それよりも気になるのは花沢さん達の撮影。あの色っぽいモデルさんとどんな風に撮るんだろう?花沢さんがリードするとは思えないから、あの女の人がグイグイ行くのかしら・・・・・・うんっ!!何も言わずに引っ張られてい...
田園調布での初めての朝・・・・・・私はほぼ寝られなかった。何故なら珍しく一颯の夜泣きが酷かったから。このマンションは防音対策も万全だから隣のことを気にしなくてもいいとは言われたけど、それでも気になって夜泣きの度に抱っこして宥めてた。いつもこんな風に泣く子じゃないけど、流石に色々あったから・・・・・・「・・・おかげで今はまだよく寝てるわ・・・・・・このまま寝かせといた方がいいよね」辛そうな顔で爆睡中の一颯・・・私も疲れてた...
俺の目の前で「離婚」していった2人・・・・・・担当の石川がオロオロしながら「旦那」を追いかけていくと、残ったのは妖艶な「奥さん」。さっきとは違う、スレンダーなウエディングドレスだったけど、デコルテや背中などに透け感のあるイリュージョンレースを使ってるからすごくゴージャスに見えた。・・・・・・もちろん、ボディそのものがゴージャスなんだけど。「ねぇ、私の相手役になってくださるわよね?私はモデルの美里亜🧡あなたも東...
宗家に戻ったのは真夜中だった。当然光翔は寝てるし、他の奴らもほとんどが就寝・・・ただ裏口から入ると、志乃さんが出迎えてくれて、小さな声で「一颯君は大丈夫でしたか?」と。「・・・・・・まぁ、理解出来ねぇよな・・・・・・すんげぇ泣かれたわ」「・・・しょうがないですわね」「でもあいつ(片山)のことを”悪いことをした人なのか”って聞いてきたから、それだけでも助かった・・・・・・」「そうですね・・・・・・良い人のままにしてはおけませんから...
控え室をソロソロと出たんだけど、こんなフワフワなドレスは初めてで歩きにくい・・・。グアムのドレスはストンとした感じだったから足に引っ掛かるものはなかったけど、このドレスは中のパニエがモサモサしてるし、裾を踏んで転けそう・・・ちょっと摘まんでるんだけど、それでも危なっかしくて・・・「くすっ・・・」「あっ///、すみません、慣れてないので」「いやいや、初々しくて可愛いなって」「そんなっ///!!」隣の夏目さんがそんな風...
役所の時間外受付窓口に離婚届を提出し、3人で田園調布のマンションに戻ったのは18時過ぎ・・・すでに疲れを見せている一颯を俺が抱っこして部屋に入ったが、その時も特に嫌がる様子はなかった。夕食は途中に買ったからつくしが準備する必要はなく、一颯を降ろすとすぐにそれらをテーブルに並べた。俺がグラスを出し、買ってきたお茶をつくしがそれに注いでいたが、一颯は黙ったまま母親の服を掴んで離さない・・・時々振り向いてだれ...
ちょっと待って・・・・・・こんな撮影の時って、そこまで感情移入しなきゃいけないの?!ドラマとか映画とか舞台とかなら判るよ?でもパンフレットの中の「花嫁と花婿」なだけだよね?ぎこちない笑顔を幸せそうに見えるように撮るのがプロのカメラマン、それだけだよね?!私、モデルの代役ってだけだよね?花沢さんが「花嫁の経験豊富ですからなにしてもいいですよ」なんて付け加えてないよね?!「あのモデルさんの2着目のドレスって...
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桜の茶会が終わると宗家は茶会以外の行事で大忙しだった。まずは光翔の小学校入学で、英徳小学部の制服を着た光翔を囲み、庭の桜の下で家族全員の記念撮影。この時も祐子の悪阻は酷くなく、孝三郎と共に入学式に出席することが出来た。建翔の面倒は志乃さんがみることになり、嬉しそうな顔の3人を乗せた西門の高級車が走り去るのを皆で見送った。英徳の制服は有名デザイナーのもので、カバンもランドセルじゃなく共通の通学バッグ...
夏美さんが呆然としてる・・・・・・流石に自分でも不味いコトしたと思ってる。でも流れた玉子は拾えなかったし、真ん中の穴みたいなところ(ディスポーザー)にス~~~っと落ちていき・・・「どうしましょう、夏美さん・・・」「残った玉子は4個ですから、小さめのを作りましょうか💦」「ごめんなさい・・・」「大丈夫です!これも慣れですからね!」でも玉子をキレイに割ることは覚えたので、気を取り直して玉子4個を割った。そして夏美さんに...
翌日の紅葉の野点では、家元夫人のお茶席で祐子さんと一緒にお手伝いをした。まだまだ阿吽の呼吸とはいかないけど、とにかく自分の出来ることを頑張るしかない。2人とも家元夫人と色違いの着物で、それだけで周りの人達には意味が判ったようでザワザワしたけど・・・それでも笑顔を絶やさず、大失敗をしないことだけを願いながら。野点茶会が始まって2時間後にやってきた花沢類と美作さんは、何故か総二郎のお茶席じゃなくて家元夫...
「はぁ~~~~~!12時になったぁ!」「社食に行く?今日の日替わり、なんだったっけ?」「池上君、今日は13時30分には芝崎産業に行くから遅れるなよ~~」「はい、すぐに飯食ってきます!」「花沢課長、キリがいいところで食事にしませんか?」「・・・ん」・・・なんとか午前中の業務終了。俺も昼食に行こうと席を立った。他の社員のように社食に行ってもいいんだけど、俺の場合は周りにいる社員の方が気にするってことで、いつ...
1時間後・・・・・・クタクタになった私達は母屋に戻っていた。後援会の皆様への挨拶は道明寺達のおかげで滞りなく終わり、むしろ後半はこの人達によって私達の結婚が西門流にとってもこの上ない幸運だと言わんばかりに盛り上がってた。総二郎の親友なんだから特別顧問的な役割は続くのに、オマケに私の後ろ盾だなんて・・・家元ご夫妻も彼らとニコニコしながら会話し、「今日はどうもありがとうね~」なんて言ってる。そして鬼みたいな顔...
マンションに戻ったのは11時30分。ここで夏美さんが「すぐにご飯を炊きましょう」って言いながら、さっき買ってきた食料品の中からお米を取り出した。「お米を・・・たく?」「えぇ、炊飯器で炊くんです。これも忘れました?」「・・・・・・あ、あは・・・あっははははは!」「簡単ですからすぐに思い出せますよ」野菜を炊いたものなら知ってるけど、基本私達のご飯は玄米を蒸して強飯にしたり、水をたっぷり入れて煮るお粥がほとんどだっ...
「つくし様、終わりましたわ」「・・・ありがとうございます、志乃さん。うわぁ・・・私じゃないみたい///」「うふふ、よくお似合いですわ。では総二郎様をお呼びしますね。お客様もすでにお待ちのようですので」「・・・・・・は、はい!」今日は後援会の皆さんとの顔合わせの日・・・家元夫人から譲り受けた色留袖を着て、ドキドキしながら控えの間で待っていた。総二郎が選んでくれたのはすごく綺麗な袷の色留袖で、地色は象牙色、柄はすべて手...
夏美さんとホームセンターに行くと、真っ直ぐ向かったのは「キッチン○○」ってことろ。(↑○○=用品だが、まだ漢字が読めない)そこにはキラキラした(金属)ものが沢山あるんだけど、私には何のことやら・・・だから全部彼女に任せることにした。まずは”包丁”・・・「このまえ買ったかどうか忘れたんですけど、2つあっても良いと思うので」「は~~い」「ぺティナイフも買いましょうか」「・・・は、は~~い」(←わかっていない)夏美さんが...
お義母様との話し合いが終わった翌日から、私はいただいた着物を着て本邸を歩くことになった。そしてここではお義母様から家元夫人に呼び方も変更・・・自分1人では何をしていいのかわからないので、常に家元夫人にくっついていた。玄関の花を変えたりするぐらいなら緊張はしないけど、生徒さんが来たときに挨拶するのは心臓が破裂しそうになる。なんたって生徒さんの半数は名家のご令嬢・・・今はフリーの総二郎がお目当てなんだもん。...
サンルームとやらに干された3日分の下着・・・白に鴇色(ときいろ・ピンク)に空色・・・乾いたらこれを畳んだらいいとのこと。でもそれを何処に仕舞うのかしら?この部屋には唐櫃(からびつ)もないんだけど・・・。出典:e国宝「どこに仕舞っても自由だと思いますけど、確かにお部屋にタンスはないみたいですね~」「服は向こうに置いてあるんですけど・・・」「あぁ、クローゼットですね?でもこんなに広い脱衣場があるし、ここにも棚がある...
つくしと葵が退院してから1ヶ月が過ぎた。梅雨の晴れ間で、気温もそう高くない日・・・・・宗家には客人が来ていた。それは神楽木裕也夫妻で、その手には葵のための祝い着があった。淡い黄色から赤への暈かしがあり、美しい配色の毬に組紐、そして熨斗目が描かれたもので、華やかな芍薬や桜なども。金彩も施され、煌びやかさもある極上のもの。それを見るつくしや祐子は目がテン・・・お袋は涙ぐみながらそれを手に持った。その場には親父...
「まだ始まっていない・・・とは・・・?」「えっと・・・・・・つくしさん、成人してますよね?」「せいじん?」「大人・・・ですよね?」”せいじん”・・・つまりそれが大人って意味?私達の頃は男性は「加冠の儀」つまり「元服」、女性は「裳着の儀」ってのがあった。元服は帝であればおおよそ11歳から15歳まで、皇太子であれば17歳までに行われてたけど、通常14歳前後が多かったみたい。元服式には「理髪の役」と「加冠の役」の役目があって、まず...
出産がこれほどまでに大変だったとは・・・・・・光翔の時には立ち会わなかったからわからなかったし、正直美涼の苦しみや痛みまで考えなかった気がする。でもつくしの様子を見ていると、彼女も必死に産んでくれたのだと・・・・・・もう少し感謝の言葉をかけてやれば良かったと思った。と同時に、これだけの思いをして生んだ光翔を愛おしく思えなかったことに対して疑問が湧いたが・・・「・・・総二郎、どうかした?」「あ、いや・・・なんでもない。...
夏美さんが来てくれたので安心して全身の力が抜けた・・・けど、この人に色々と教えてもらわないといけないので、「よろしくおねがいします!」と元気よく挨拶♪中に入ってもらって、まずは・・・・・・何をする?「え~~~~~と・・・」「あぁ、お茶とか珈琲とかはいいですよ。仕事で来てるので気を遣わないで下さい」「・・・(あぁ、お茶を出すものなのね?そもそも炭汁(珈琲)は作れないし)・・・あはは///すみません」現代社会を知らないフリ...
5月31日は土曜日で、一颯の保育園はお休み。光翔くんの幼稚園もお休みで、子供達は朝から庭で遊んでいた。あんな風に走ったり飛んだり、しゃがんだりが身軽で羨ましい・・・と、自分のお腹をさすりながらそれを眺めて・・・・・・「・・・つくし、平気か?」「へ?あぁ~~~、うん、まだ平気」「陣痛が来る前に入院してもいいんじゃねぇの?」「そんなの病院に迷惑だよ。陣痛間隔が15分ぐらいで行く人もいるんだし」「でも・・・・・・」「そん...
「おはようございます、花沢課長///」「課長、今日も素敵なスーツですね~~♪」「・・・・・・・・・」「無口だけどそこがまた///」←ただの無愛想「ねぇねぇ、今日は少しワイルドな髪型じゃない?」←ただの寝癖「「「花沢課長、おはようございます~~~♪」」」「あぁ、おはよう・・・・・・」「「「きゃあああ🧡今日はご挨拶できたぁ🧡」」」そんな声もほとんど耳に入らず、床の大理石タイルに視線を落として歩いた。頭の中では1人にしてしまった...
墓参りから1週間が過ぎ、明日は桜の茶会。今回もつくしは準備だけで、当日は子供達の世話係。まだ後援会に何も話していないので、姿を見せないように離れで過ごすことにしていた。が、祐子は茶会終了後に挨拶するために数日前からその練習をしていた。お袋から譲り受けた着物を着て、光翔にも着物を着せて・・・その時は流石に一颯の事が気になったが、子供なのであまり深くは考えていないようで助かった。むしろ面倒くさいことをせ...
翌朝、やっぱり私はベッドから落ちて寝ていた。でも類がそこにマットレスってのを敷いててくれたので、今日は身体が痛くないなぁ~と思いながら身体を起こすと・・・もう類はこの部屋にはいなかった。「・・・あ、今日から仕事に行くって言ってたっけ・・・」いつまでも寝てるから、起こさずに出かけたのかと思って飛び起た私。その時にズボンの裾を踏んで転けそうになりなからも、ドアを開けて隣の部屋に行くと・・・・・・「おはよう、つくし」...
桜の茶会の10日前・・・彼岸の日に神楽木家に向かった。車中にはお袋の姿もあり、つくしが後部座席で一颯の相手をし、お袋は助手席。運転席の俺も少しばかり緊張するが、まだ祖母に慣れていない一颯のためにはこの方がいいだろうと思ったからだ。お袋は紫地の江戸小紋に紹巴織の名古屋帯。春らしい着物ではなかったけど、品があり、墓参りに相応しいものだった。「ねぇ、ママ。かぐらぎのおじちゃんはなんのお仕事してるの~?」「...
その日の夕ご飯も誰かが持って来てくれた物をレンジでチンして食べることになった。何度もやったから温めは完璧🧡そしてコンロでお湯を沸かすことも出来るようになった。ここでまた初めての物が出てきたんだけど・・・すごく軽くて四角くて、スカスカしてる?「類、これはどうやって食べるの?このまま囓るの?」「それはフリーズドライの卵スープだよ」「・・・・・・?」「あぁ、フリーズドライって言うのは真空凍結乾燥って意味で・・・・・・わ...
その日の夕方・・・土曜だったので類は早めに帰宅できた。当然それを迎えに出たのは真利愛と真音で、「ぱっぱ~~!」と飛び付いたのは真利愛だ。真音も同じようにしたい様子だったが、真利愛の勢いに負けるのと、まだ素直に類に触れることが出来なかった。そんな真音に気が付いて、類はいつも真利愛の後で真音も抱き上げた。「うわ・・・真音、少し重くなった?」「ほんと?ぼく、大きくなった?」「まいあは~?まいあも大きくなったぁ...
巨大迷路の入り口に立つと、そこには2つのコースがあった。1つは体力勝負のアスレチックコース、もう一つは仕掛けを解いていく知力コース。迷路としての建物は1つだけど、中の通路は巧みに入り組んでいるため2つのコースが交わることはないそうだ。そのどっちに行くかってことで、再びジャンケンすることに。勝った方が好きな方を選ぶことにして、総二郎と道明寺さんがジャンケンすることとなった。「行くぞ、司!」「・・・そん...
つくしが花沢邸に来てから1ヶ月が経過した。それが5月の中旬で、ここで2人は婚姻届けを提出することになった。何故3ヶ月も先になったのかというと、社長に就任した類が多忙だった事もあるが、警察の事情聴取、つくしの税務処理と何かにつけてドタバタしていたのだ。それも全部終わり、類も落ち着いてきたために漸く自分達の届け出に着手できたのだ。しかも類と真利愛は養子縁組をしていたので、その辺りの修正手続きに弁護士を...
いきなり現れたのが恐ろしい顔の人形だったのか、それとも人間だったのか・・・それすらわかんない状況で彼に逃げられたけど、こんなところに1人で取り残されるのもイヤだ!だから楽しむ時間もなく暗闇の中を追い掛けたら、道明寺さんは何にもない壁に両手ついてゼイゼイしていた。・・・まったく、それが30歳の男のすることか💢!!それを怒ることも出来ず、薄気味悪いBGMの中、道明寺さんの背中をポンと叩くと・・・「うわあああぁっ!...
「・・・・・・マジか・・・」「俺、1回入ってみたかった♪」「悪い、俺は絶対に嫌だ。乗り物ならいいけど、あそこは無理!」「・・・・・・・・・は、入るだけなのか?」「うん、入るだけだよ~~♪だってお化け屋敷だもん!自分の足で歩くだけだよ~~」子供の頃からの夢だと言いながら、つくしは薄気味悪い建物の前で立ち止まった。そしてここでも言いだしたのがジャンケン。あきらが絶対に嫌だと言うから、俺と類と司とつくしの4人で2組に分かれ...
先日は大変お騒がせしました。たくさんコメントいただきまして、そのお返事も出来ずに申し訳ありません。多くの方にお話を楽しみにしていると言っていただき、とても感謝しております。しばらくお休みさせていただき少しは落ち着いたのですが、続編のお話で物足りなさが解消できるかどうかを考えると・・・どうなのかな~?と思いつつ・・・でも書いていたものだけは公開して、それでこの話を完全終了させることにしました。なので近々0...
初めはゆっくり動くジェットコースター・・・だんだん心臓がバクバクし始めて、喉がゴクリと鳴った。そうしたら花沢さんがボソッとひと言・・・「ジェットコースターってさ・・・恐怖心とは関係なく気絶する事があるんだよね」「は?」「極端な重力がかかると血液は下半身に集まって脳に届かなくなるから。特に気温の高い日は汗をかいて体内が脱水気味になってるから余計になりやすいんだって」「・・・・・・(今日、暑いけど)・・・」「ジェットコ...
「あ~あ、もう無理か・・・」「美作さん、何が無理なの?」「いや、何でもない(総二郎達のゴンドラからはもう見えない・・・なんて言えないし)。つくしちゃん、あと少しだからしっかり見ておかないと!」「は~~~い!」観覧車の後半になったら美作さんは私と向かい合って座り、何故かニヤニヤしていた。その意味は判らなかったけど、言われたとおりに窓の外を眺めて「もう地面が近くなった~!」と・・・その時目に入ったのはジェット...
遊園地とは文字の如く、楽しく遊べるように、いろいろな遊具やアトラクション、設備を備えた施設。アトラクションの設置に関係なく遊園地と呼ばれている公園もあるんだけど、私の思う遊園地は「乗り物」があること!それは滑り台、ブランコじゃなく、もっとハードでスピード感のあるもの・・・まさか、本当にそれに乗れる日が来るとは・・・っ!!「・・・・・・うっ・・・うっ・・・えぐっ!」「ちょっと総二郎・・・この子、泣いてるんだけど」「悪い...
「ふああああぁ~~~~~~~~!よく寝たぁ~~~~~~~~~~!!」大きく背伸びをして起きたのは6時30分。総二郎がいないおかげで久しぶりに爆睡でき、すっごく気持ちの良い朝だった。カーテンを開けると清々しい朝陽が目に入る・・・「今日は快晴だな~」と呟きながらベッドを降りて服を着替えた。そしてドアを開けて隣の部屋を覗くと・・・ベッドで寝ているのは美作さん1人。花沢さんはソファーで丸くなり、道明寺さんと総二...
私を無視して決められた翌日の予定・・・まさかの、道明寺さん達とのお出掛け?!結婚式の翌日に団体行動?!「ちょっと待ってよ、何処に行くの?」「つくし、行き先が問題じゃねぇよ💢俺達は2人きりでここで過ごし、明日の夜までマッタリするんだから!そうじゃないと明後日からは仕事なんだぞ?これまでの疲れを癒やさないとダメだろ?」「確かに疲れてるかも・・・行き先次第だけど・・・」「そうだなぁ、何処に行きたい?あきら」「俺は...
最後まであきらが仕切った二次会終了・・・考三郎はそれからまた飲みに行くと言い、女達を連れて何処かに消えた。従姉妹・従兄弟達はそれぞれの迎えの車であっさり帰宅。涼子達はつくしよりも景品に浮かれまくり、万歳しながらタクシーに乗った。港に残されたのは俺達5人・・・今日は宗家に戻らず、Tホテルのスイートを予約していたので、そこに向かうと言うと、あきらが「ハネムーンは?」と聞いてきた。答えは・・・「今すぐ旅行には行か...
「皆さま、大変長らくお待たせいたしました。本日の主役である新郎新婦の準備が整ったようです。皆さま、ご準備はよろしいでしょうか~?!それでは新郎新婦の入場で~~~す!」美作さんの声で扉が開けられ、途端に目の前でパーン!とクラッカーの鳴る音が!それよりもシャンデリアの灯りの方が眩しくてクラッとしてしまった。その後で叫ばれたのは・・・「西門さん、つくし、おめでとう~~~!」「さぁ、二次会は盛りあがっていく...
おはようございます。突然ではございますが、当面の間類君の連載公開を中止します。理由は、今回のお話について、「物足りない」とのコメントをいただき、それによりモチベーションがダダ下がりしてしまったからです。物足りない・・・それは私の筆力がないので受け入れますが、200話以上で「終盤が物足りない」と言われても、素人の私ではどうしていいのか判りません。明日より続編として、つくしと真利愛のこと、美央とのその後...
それから2ヶ月後・・・桜の花が終り、新緑の美しい季節に変わっていた。少しずつ気温も上がり、春らしい陽気に包まれた土曜日のこと・・・「ママ~~~、トラック来たよ~~」「ぱっぱ、おしっこしのトラック~~~!」「は~~~~い!2人ともおじさん達の邪魔しちゃだめよ~」「つくし、もう全部ガムテープした?」武蔵小山のマンションでは引っ越しの真っ最中。今日はここを出て、花沢家に引っ越すのだ。その為に大人達は朝からドタ...
終わった・・・・・・絢爛豪華な披露宴が終わった・・・・・・マジで疲れた・・・・・・本気で披露宴したらこんなに疲れるんだと思い知った・・・・・・いや、もう2度としないけど。私たちの披露宴・・・それはある意味特殊だった。祝辞が長いからって余興をお色直しの後にしたから、キャンドルサービスの直後が余興開始。私の方からは涼子達が何かしてくれるって言うから任せたんだけど、とにかく西門関係者の余興が長く・・・。1番手は後援会長の詩吟。詩吟は...
「ただいま・・・・・・」「ぱっぱだぁ~~~!」「おかえり~~~~~!!」流石にその日は定時では帰ることが出来ず、類がマンションに戻ったのは20時過ぎ。子ども達はすでに風呂を済ませていて、パジャマ姿で出迎えてくれた。2人を同時に抱き締めて、出て来た言葉は「お腹空いた~」・・・つくしはソワソワしながらリビングのドア付近で待っていたが、それを聞いて急いで夕食をテーブルに並べた。あまり食欲がなさそうだったので、作...
結婚式&披露宴にもその時代の流行りってもんはあると思う。なにも面白くて珍しいことをしたいとは思わないけど、西門は超古風というか、何と言うか・・・さっきから西門の関係者のスピーチが長い長い!新婦側には話す人がいないから、ここぞとばかりに後援会のお爺様や何処かの会社の社長さんがお話ししている。それをニコニコしながら聞いてる総二郎だけど、膝の上の手はすでに握り拳・・・そうとうイラッとしてるんだろうなって思った...
金曜日の朝はいつもと違う空気が流れていた。それは類が取締役会を開催する日・・・朝早くに目が覚めたつくしと類は、お互いに言葉を交わさずにピリピリとした中で過ごしていた。類は黙って窓の外を見ている。まだ薄暗く、天気は午後から雨になるらしい。つくしはキッチンで珈琲の準備・・・今日の類は何も食べそうになかったが、せめて少しでもと思い、ひと口サイズのサンドイッチを作った。「類、珈琲が入ったよ」「・・・・・・・・・・・・」「身...
折角気分良くここまで来たのに、おかしな3人組みのせいでモヤモヤと・・・それでも巫女さんが現われて、いよいよ本殿に入るって時になったら気分はガラリと変わった。まずは参進の儀と言って、神職さんと巫女さんの後に付いて新郎新婦、両家の親、親族の順に本殿に向かう。中に入ったら神前に向かって右に新郎側親族、左に新婦側親族が入場後、私たちと神職が入場。本当はここで仲人さんも入るんだけど、今回は仲人さんはなし。理由...