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Pas de Quatre http://pasd124.blog.fc2.com/

花より男子の二次小説サイトになります。特に類と 総二郎が大好きですべてハッピーエンドなります。

読むだけでもの足らず、とうとう自分で書いてしまいました。自己満足の表現不足とは思いますが、楽しんでいただけたらと思います。

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2017/02/11

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  • 流砂の如く・・・ 47

    翌日、ホームセンターに電話して、退職後にしていたベッドの配達を早めてもらった。それが届いたのが昼前で、想像以上に大きな段ボールに溜息しか出なかった。それでも早くベッドで寝たかった私は、お昼ご飯を食べたらすぐにそれを広げ、組み立て説明書を読んだんだけど・・・「なになに・・・ベッドの組み立てに必要な準備品と手順を解説・・・か。ドライバートレンチ、それに軍手に毛布・・・それはカーペット敷いてるからいいよね?それに細...

  • なんでも屋の業務日誌・1

    なんでも屋・・・それは便利屋とも言われる生活上の困りごとを手助けする仕事だ。昔はよろず屋とも呼ばれ、部屋の掃除や洗濯、買い物、ゴミ出しなど家事全般から犬の散歩、浮気調査、引越し作業、高齢者のサポートまで、文字通りなんでも引き受けちゃう。もちろん引き受けられないものもあって、それは「法律・道徳に反する仕事」と、「責任が個人に負わされる仕事」。法律や道徳に背くような仕事は、たとえば人の命を・・・なんてのは論...

  • 流砂の如く・・・ 46

    火曜日、俺は移動途中に親父の見舞いに行った。とは言えその時間は僅かに15分・・・それ以上はスケジュール上無理だったが、1週間以上会っていなかったので気になっていた。「おはようございます、西門様」「お父様、今はリハビリ前なのでお部屋でゆっくりされてると思いますよ~」「お世話になります・・・」「じゃあこちらに記入お願いしますね~~」ナースステーションで面会記録簿にサイン・・・この特別室のフロアにはそんなに沢山...

  • 流砂の如く・・・ 45

    月曜日の朝、今までよりも30分早く家を出た。初めての通勤ルートで、どのくらい時間が掛かるかわからなかったから・・・それを片山課長に聞いても良いんだけど、それだけのために電話やメールをするのは躊躇われた。そして最寄り駅でも課長とは会わず、彼が何時の電車で通勤しているのか、それも聞いてないから知らない。あれだけの事をしてもらってるのに、この態度は酷いのかとも思うけど。会社にはいつもより早い時間に着き、就...

  • 真音の決心(最終話)

    僕が花沢の見学を終えてから1週間後、真莉愛達が帰国してきた。久しぶりに家族揃って夕食を食べたとき、真莉愛と真宙の体験談で大笑いして、母さんは「やっぱり日本で食べるのが美味しいわ~って。「ねぇ、真音は私たちがいないとき、何をしてたの?」「僕は・・・パパと水族館に行ったよ」「えっ?またウミガメの研究するの?」「ウミガメ限定じゃないけどね・・・やっぱり海洋生物は好きだなって思って」「へぇ~~~~~!また話を聞...

  • 流砂の如く・・・ 44

    東京に戻ったのは日曜日の夕方、まだ明るい時間だった。すぐに荷物を置き、金沢での出来事をお袋に報告・・・その時、仕事に関する事は何も言わなかったが、美涼と会う時間を作らないのかと小言を言われた。「会う時間も何も、俺はまだ承諾しちゃいねぇよ」「お見舞いのお礼も兼ねて、食事ぐらいすればいいのに・・・今からでもどこか予約出来るお店はないの?」「見舞いの度にそんなことしてたらキリがねぇよ。しかもまだ本調子じゃない...

  • 真音の決心(22)

    海洋開発部に入ると、まず飛び込んできたのが壁に貼られた沢山の海の写真。それはほとんどが海洋・海底調査、海底資源開発の現場みたいだったけど、その中にウミガメとか珊瑚の写真もあった。すぐにその写真の前に行くと、後ろから声をかけてきたのは平野さん。「可愛いでしょ?」「あ!はい・・・・・・綺麗な海ですね」「これは宮古島と石垣島です。こっちはハワイですね~」「・・・・・・僕も見ました。ハワイのウミガメ・・・」「聞いてます...

  • 流砂の如く・・・ 43

    引っ越し業者さんが帰ると、今度は部屋の片付・・・でも思うように身体が動かなかった。「牧野さん、どうかした?やっぱり具合が悪いの?」「いえ・・・そんなことはないんですけど」「疲れてるんだろうね・・・少し休んだら?俺の持ってきた珈琲、まだあるから飲まない?」「・・・はい、じゃあ少し休もうかな・・・」課長に言われてカーペットも敷いてない床に座り、紙コップに入れてくれた珈琲をいただいた。それを飲んで目を閉じると、身体が...

  • 真音の決心(21)

    3階に行くと今度は総務部っていうのがあった。藤本さんが言うには、総務部とは「組織全体に関する事務全般を扱う部署」だそうだ。備品や消耗品の管理、避難訓練などの企画、福利厚生業務、さっきのビルメンテナンスの会社に依頼をするのは総務の仕事なんだって。会議資料や社員名簿などの重要書類を作成、管理。入社式や社員旅行、忘年会などのスケジュール作成や会場の手配などもこの部署がするみたい。だから社員さん達は黙々と...

  • 流砂の如く・・・ 42

    土曜日の朝、早い時間に起きてすぐに部屋を掃除した。そして僅かな荷物を纏め、ここでの最後の朝食・・・もちろん自炊してないからコンビニのサンドイッチだ。それを食べてから珈琲を飲み、スマホで時間を確認。「もうすぐ7時か・・・・・・そろそろかな」そう言った途端にインターホンが鳴った。それは片山課長で、今日の朝7時に来ることになっていたからだ。理由はこの部屋の退去手続きのため・・・もともとここはこの人の名前で借りていた...

  • 真音の決心(20)

    高級ホテルみたいなエレベーターの中、操作盤の前に立つ藤本さんの背中と、僕の横にいる父さんの姿を横目で見ていた。会社の中に入った途端に変わった父さんの顔・・・そして父さんを見る社員さん達の表情。自宅でのんびりしてる父さんしか知らないから、ピンと背筋を伸ばした姿勢にもちょっと驚いてしまった。最上階に着くと静かにドアが開き、先に父さんが降りた。どうしていいのかわからずに残ってると、藤本さんが「どうぞ降りて...

  • 流砂の如く・・・ 41

    余裕の笑みを浮かべた美涼が、「お心は決まりましたか?」と言った。その意味は俺との結婚だろうが、そんな事は初めから考えていない。ただ、こいつ相手にあまり感情的に話すと不味いことが起きそうな気がして、ここでも「そう簡単に決められませんよ」と無愛想に答えるに留まった。先にどうしてもつくしと会って話したい・・・その結果、俺が西門を出てしまえば、そのあとの事は・・・・・・親父の事は気になるが、それよりもつくしとの未...

  • 真音の決心(19)

    真莉愛達がサマースクールに行った翌日の朝のこと。真純は1階のベビールームで使用人さん達が世話していて、僕と父さんだけが朝食のテーブルについていた。「本当に静かですこと・・・真音様、淋しくありませんか?」加代さんがパンを置きながらそんなことを言うから、ニコッと笑って「そんな子どもじゃないよ」って答えた。それには父さんがクスって笑っていたけど、僕はそんな父さんに真面目な目を向けて「お願いがあるんだ」と言...

  • 流砂の如く・・・ 40

    「課長、その案で退職届を提出します。お手数ですが総務部にご同行、お願いします」「・・・判った。じゃあ朝礼終了後にすぐ行こう」その後の朝礼中は何も言わなかったけど、終わってから私が片山課長と営業部のフロアを出て行く姿をみんながキョトンとした顔で見ていた。いつもなら私に話しかけてくる山田先輩も何も言わず、むしろ課長と一緒だから怪訝な顔してる・・・勘違いされたかな?って思ったけど、それももうどうでもいい。総務...

  • 真音の決心(18)

    夕食のすき焼きも、次の日のお好み焼きもみんなには好評だった。特にお好み焼きが美味しかったらしく、ノアもカイも2枚食べ、コアなんて3枚目・・・母さんは焼くのに大忙しで、でも特注した鉄板の前で、嬉しそうにお好み焼きをひっくり返してた。それを見てキャシーも挑戦し、見事にグチャグチャに・・・それも大笑いしながら母さんが形を整えてた。『ねぇ、つくし。これは何が入ってるの?』『これは海鮮だから、タコとイカとエビがは...

  • 流砂の如く・・・ 39

    慣れない部屋だったのに、疲れが溜まっていたのかよく眠れた。それというのも頭が重くなかったから・・・靄が掛かったような気持ち悪さがなかったせいかもしれない。この土日の調子の悪さはなんだったのか・・・昨日課長が買ってきてくれたおにぎりを朝食にして、お湯を湧かして珈琲を淹れた。変な組み合わせだけど、少しでも食べないと仕事が出来ない。そう思って無理矢理口に入れ、いつもより遅い時間に部屋を出た。なんたってここは会...

  • 真音の決心(17)

    『ここが僕の部屋だよ・・・』そう言って2階の部屋に案内すると、ノアは『すごく広いじゃん!』って驚いてた。確かに僕の部屋はもともと父さんが使っていた部屋で、机と本棚、それにベッドとテレビ以外に大きな家具はない。出窓のところに簡単なソファーがあるんだけど、ノアはそんなところに座らず、真ん中に敷いてるラグの上にぺたんと座った。そして壁に掛けてる「海洋地図」を見て、『夢は続いてるんだね~』と・・・『・・・・・・・・・』...

  • 流砂の如く・・・ 38

    管理会社の事務所に行ったけど、ここは契約者が課長だったから、彼が中に入って何かの手続きをした。私は課長とは「無関係」だから付いては行かず、車の中で待機・・・しばらくしたら課長が出てきたので、一緒にウィークリーマンションに向かった。この時、課長は近くのコインパーキングに停め、私の車をマンションの駐車場に入れた。このマンションは入り口も部屋のドアも暗証番号で開けるタイプだったので、それを聞いて中に入り、...

  • 真音の決心(16)

    ノアが来日したという電話がかかってきたのは3月16日で、「すぐに北海道に行く!」と楽しそうだった。その時、土曜日に羽田に着く時間を教えてくれと頼み、我が家はそれからおもてなしの準備でみんなドタバタしていた。「・・・でもノアの家ってアイランドスタイルのプランテーションハウスだよ?あんまりディナーって感じじゃないと思うんだけど」「そうなの?じゃあもっとアットホームな感じにしましょうか」「鍋にするには人数...

  • 流砂の如く・・・ 37

    「私にとって幸いだったのは・・・総二郎、お前が・・・いてくれたことだな」「・・・・・・・・・・・・俺はまだまだだ。今の段階じゃ、とても家元になんてなれない・・・そんな歳でもねぇし、周りが納得しない」「私の病気があるんだから・・・納得はするだろう。そしてお前を助けてくれるはず・・・だ。なんの問題も・・・・・・なかろう」まだ上手く喋ることが出来ないせいか、時々言葉を詰まらせながら親父はそう言った。そして真面目な顔で、「もう一つ、言わ...

  • 真音の決心(15)

    真純が産まれてから前みたいに賑やかになった自宅。赤ちゃんの泣き声は真宙の時を思い出させ、真莉愛なんて自分が母親にでもなったかのように世話してた。お祝いの品物や花束が毎日のように届き、甘ったるい匂いで頭が痛くなるぐらい・・・母さんと加代さんは毎日そのお礼とお返しで忙しそうだった。「す~ちゃんってさ、1番パパに似てない?」「そうかな・・・でも目の色は確かにパパだよね」「ねぇ、まりあ姉ちゃん・・・赤ちゃんの髪の...

  • 流砂の如く・・・ 36

    届けてもらったお弁当を広げ、小さなテーブルで向かい合って食べた。結構高そうなお弁当で、味も良い・・・私の知らない仕出し屋さんの名前だった。「お金、払います」って言ったんだけど、課長は笑いながら「要らないよ~」って。「それよりもしっかり食べて?牧野さん、痩せすぎだよ」「えっ、あ、あの・・・」「あぁ、深い意味はないって。Tシャツがブカブカだから・・・その、見えちゃうんだよね」「ーーーーっ///!」「今じゃないよ?...

  • 真音の決心(14)

    ゴールデンウィークが終わる前日、父さんと真莉愛が帰国してきた。その時には羽田まで迎えに行き、出発の時と同じように元気な真莉愛が顔を見せた。僕よりも真宙の方が駆け寄っていき、真莉愛も「ひろ君、元気だった~~?」って・・・・・・数日間なんだからそんなに変わることなどないのに、と母さんと呆れて笑ったんだけど・・・「ただいま。変わったことはなかった?」「お帰りなさい、類。のんびりしたゴールデンウィークだったよ~~...

  • 流砂の如く・・・ 35

    管理会社を出たのは昼過ぎで、それから課長とランチを食べに行った。それは駅近くの小さなイタリアンで、冷製パスタを頼んだんだけど・・・「食欲無さそうだね」「・・・・・・頭が重くて・・・」「そっか・・・ホント、ごめん・・・」「・・・・・・いえ、私が・・・悪いんです」謝られると虚しくなる。あれは夢ではなく、本当だったんだと思い知らされる・・・記憶はないけど、自分から迫っただなんて恥ずかしすぎる。ただ、課長も本気で申し訳なさそうな顔をす...

  • 真音の決心(13)

    それから数ヶ月が経ち、僕たちは5年になった。そのゴールデンウイーク、父さんはパリにある花沢物産の欧州本社に行くことになった。それは珍しいことじゃなかったんだけど、真莉愛が父さんにくっついてフランスに行くことに・・・しかも、その理由を聞いて僕は驚いた。「えっ?デザイナーの職場見学?」「うん。パパの会社の人の奥さんがデザイナーなんだって」「へぇ・・・真莉愛、そんなに興味があったの?」「まぁね!なんでもやって...

  • 流砂の如く・・・ 34

    「牧野さん、シャワー浴びたら?」「・・・・・・・・・え?」「シャワーだよ。汗かいたし、気持ち悪いでしょ?」「あ、そうですね・・・・・・そうします」珈琲を飲んだらそれまで昂ぶっていた気持ちも静まり、逆に身体が怠かった。だからなのか課長の声が随分遠くから聞こえるような・・・そんな感じでフワフワしていた。確かに身体がベタベタしていて、それが何を意味するのかはわかる・・・でも、それを悔やんだり苛立ったりする気持ちはなくなって...

  • 真音の決心(12)

    サマースクールをきっかけに、僕は自分のやりたいことが出来るようになった。ウミガメの保護は日本だけの話じゃない。だから英語をもっと話せるようになろうと思って、それは今まで以上に頑張った。それにちゃんと泳げるようになりたくて、スイミングスクールにも通うようになった。真莉愛も初めは僕にくっついて来てたけど、あいつは1ヶ月でやめちゃったけどね。それまでヒョロヒョロだった僕だけど、ご飯も沢山食べるようになっ...

  • 流砂の如く・・・ 33

    いつ5階に着いたのかも覚えていない。気がついたら課長の部屋の前で、この人がポケットから鍵を出すのを見ていた。そしてガチャッと音がして、フワッと香ったのは男性の部屋、独特の匂い・・・私がドアの外で突っ立ってると、「中に入って?」と優しい声で言われた。その声に導かれるように足が前に出る・・・その時も、「入るな」って声がしたけど、身体はそれを無視した。「お邪魔します・・・」「どうぞ~、殺風景な部屋だけど」「・・・・・・...

  • 真音の決心(11)

    『で、まことはなんになりたいの?』・・・・・・僕はすぐにその返事が出来なかった。でも何か言わなくちゃって思って、英語が出なかったから日本語で「パパの会社に・・・」って言ってしまった。それをカイがみんなに伝えたようで、ノアが『パパの会社に入るんだ?』って言った。だから一生懸命笑って頷いたけど、それが泣いてるように見えたのかもしれない・・・キャシーが『それも素敵な夢よ』って髪を撫でてくれた。その時・・・『あ~~~、...

  • 流砂の如く・・・ 32

    夕方、宗家に戻って後援会の臨時集会に臨んだ。内容は勿論親父のことで、孝三郎は仕事のため欠席、お袋が現時点で説明できる範囲での病状報告をした。医者ではないためそれも推測というか、希望というか・・・この時にはお袋が悲しそうに喋っていて、俺はそれを醒めた目で見ていた。「家元も必死に頑張っておりますの。ですからどうか皆様、今しばらく見守って下さいませ。その間はわたくしと息子達でしっかり務めさせていただきます...

  • 真音の決心(10)

    「どうしてまこちゃんばっかり面白いことしてるの?!まりあだっておさかなさん、見たかった!!」「そう言われても・・・ぼくが決めたワケじゃないし」「そ、そうだよ~~~、真莉愛。真音のせいじゃないわよ~」「・・・どうしてもって言うなら、帰国したあとで、今度は別の島に行けば良くない?それかニースでいいなら、丁度パパも仕事で行こうかと思ってるから」「今日、見たかったの!!」「「「・・・・・・残念だったね・・・」」」真莉愛...

  • 流砂の如く・・・ 31

    課長の住むマンションに到着したのは約束の時間から5分程遅れていた。その原因は私のホテル予約・・・シングルがちょうど1部屋だけ空いてたから、急いで手続きをしたんだけど、そのせいで管理会社の人を待たせてしまった。でもその人は穏やかな人で、「問題ないですよ~」と笑って許してくれて、その後はすぐに空室の見学に入った。片山課長も自分の部屋に戻らず、スーツにカバン持ったまま付き添ってくれて、この部屋の設備や近所...

  • 真音の決心(9)

    高さ150m、約8分間の空の旅・・・それは確かに素晴らしかった。ハワイの真っ青な海とワイキキの街並み、遠くにはダイヤモンドヘッド・・・座ってるだけなのに、鳥の気分になった感じ。それを夕食時に家族に話すと、母さんは驚き、父さんは「勇気あるね~」って。真莉愛はピンとこなかったようで、パラセイリングのことを父さんに聞いていた。そして「いいなぁ!まりあも乗りたい~」って言ってたけど、真莉愛のバディであるルアナはアク...

  • 流砂の如く・・・ 30

    出勤するのにキャリーケース持ってるなんて、出張でもあるまいし・・・と、自分で突っ込み入れながらフロアに入ったけど、少し時間が早かったので人は少なかった。急いで更衣室に行ってキャリーケースをロッカーに押し込み、始業時間までかなりあったけど仕事を開始。昨日出来なかったことをしたり、メモ書きされていたことを片付けたりと、やることは多かった。そのうちみんなが出社してきて、私を見るなり「具合、どう?」と・・・それ...

  • 真音の決心(8)

    少しの間ゆっくりしたらすぐに夕食の時間になり、初日のこの時は参加している生徒と親が全員レストランに集合することになっていた。それは軽いパーティーのような感じだったんだけど、父さんは仕事のために欠席。サマードレスに着替えた母さんが、僕と真莉愛を連れてそこに向かった。2人のドレスはロイヤルブルーで、白いプルメリアの花がプリントされたもの。僕はグリーンにパイナップルがプリントされたシャツ。集まったみんな...

  • 流砂の如く・・・ 29

    少し休んだらなんとか歩けるようになり、食事もしたので力も湧いたような気がした。それでも仕事が出来る程には回復していなくて、課長の言うとおり今日は有休を取ることにした。15時にはフロアに戻り、そこで有給申請をしてから先輩達に頭を下げ、自分のデスクを簡単に片付けた。山田先輩は営業に出ているし、片山課長も同じく・・・電話するのも申し訳ないので、メモ用紙にお礼を書き、それぞれのデスクに置いた。「本当に病院行...

  • 真音の決心(7)

    サマースクールには翔太も行くことになった。ただ、翔太の場合ハワイに叔父さんがいるらしく、その家に泊まるとのことだった。だから飛行機に乗るときは1人だけど、それも初めてじゃないらしい。去年も1人で飛行機に乗ってハワイに行ったようで、「お前は両親が来るのかよ」って小馬鹿にしたように言われた。「だって生徒1人に親が1人って言うから・・・」「え?じゃあ妹も行くのか?」「どっちかっていうとまりあが行きたがって...

  • 流砂の如く・・・ 28

    『ごめんごめん!先輩が二日酔いで起きられなくてさ~、私用のスマホでアレコレ話してたのよ~』あぁ、そう言うことか・・・そんなに飲んだのか?てか、つくしが飲んだんじゃねぇよな・・・・・・お前が具合悪いならヤバいけど、そうじゃねぇなら良かったわ『総二郎こそ声が暗いけど、何かあったの?もしかして、私に会えなかったから淋しいとか?』アホか!てか、どれだけ自信過剰だよ・・・・・・まぁ、間違ってねぇけどな。実はな・・・俺の方も色...

  • 真音の決心(6)

    幼稚舎を卒園したら、今度は英徳学園初等科に入学した。幼稚舎の友達は全員ここに進級したし、外部からの新入生もいて、新一年生の人数は倍になった。そして規定により真莉愛とはクラスが別々・・・それは仕方のないことで、でも友達が増えていた真莉愛も気にしてない様子だった。入学式の時には両親が揃ってきてくれて、これもやっぱり幼稚園同様、父さんにペコペコする人はいた。そして僕にわざわざ声をかけるおじさんも・・・「おぉ、...

  • 流砂の如く・・・ 27

    「牧野、大丈夫か?!」・・・そんな声が聞こえていたけど、頭がグルングルン回って気持ちが悪い・・・少し吐き気もあって口元を押さえていたら、男性じゃなくて数人の女子社員が会議室に入ってきた。その中には山田先輩もいて、「貧血?」とか「メニエール病とかあるの?」って・・・気分が悪い理由は判っていたから首を横に振り、「大丈夫です」って言ったけど立ち上がれない。そのまま先輩の肩に掴まってデスクまで行こうと思ったけど、...

  • 真音の決心(5)

    その日の帰り、迎えに来てくれたのは母さんだった。真宙がいるから運転手のおじさんが来ると思っていた僕たちは喜んで駆け出したんだけど・・・その時にすれ違った誰かの母親が・・・「あら・・・花沢の奥様じゃない?」「あぁ~~~~、あの普通の家庭の人でしょ?前の奥様の方がお似合いだったわね~」「ふふふ、そんなこと言っちゃ可哀想よ。もともとの育ちが違いすぎるんだから」「そうね~、やっぱり品格って途中からはなかなか身につ...

  • 流砂の如く・・・ 26

    結局その日の夜は1度も総二郎と話せなかった。あれからも悪いと思いつつ、何度か電話したんだけど・・・それが「答え」だと思ってしまった私は・・・・・・木曜日の朝、LINEをブロックし、総二郎の電話番号を着信拒否した。総二郎の気持ちに嘘はなかったのだと信じたいけど、昨日の安達さんの話も事実なのだろう・・・と。それなら傷が浅いうちに手を引いた方がいいと思ってしまった。それにほんの少しだけ・・・許せないって気持ちもあった。あ...

  • 真音の決心(4)

    入園式の前、園児である僕たちと父さん達は離れることになる。だから僕は真莉愛と一緒に「新園児控え室」のような部屋に入ったんだけど、そこにはすでに沢山の子ども達がいた。もちろん初めてあう子ばかりで名前すら知らない。それに保育園の時のような暢気さも明るさもなく、みんな大人っぽい顔つきをしていた。瞬間、僕は「場違い」だと思ったくらいだ。そこで先生と思われる女の人が「静かにまっててね~」とか「おなたのお名前...

  • 流砂の如く・・・ 25

    親父はすぐに来た救急車で西門の主治医がいる病院に運ばれた。そこはデカい総合病院で、親父はすぐに検査に回された。付き添ったのは俺とお袋で、弟の孝三郎が宗家に残って西村事務長と仕事の調整などの対応をすることになった。親父の状況から、素人の俺が見ても当面は仕事ができないのは確実だったから。「・・・何が起きたんだ?」「私もその瞬間は見てないのよ・・・ただ、夕食もあまり食べなくて、気分が悪そうだったから休むように...

  • 真音の決心(3)

    真宙と母さんがまだ入院してる時、自宅には沢山のお祝いが届いた。それは国内の企業がほとんどで、大きな花束やブランド物のベビー用品・ベビー服が多かった。真莉愛はその山積みになった箱にキャアキャア言ってる。その中にはデザートも果物もあって、加代さんが「お母様はこんなに食べられないので」と言って、僕たちのおやつになった。ただ、土日で父さんが家にいるのを確認し、わざわざ持ってくる人もいて・・・そのせいで母さん...

  • 流砂の如く・・・ 24

    「こちらにお泊まりされたことはすでに承知していますが、お嬢様も入籍までは大目に見るとのことですので、慰謝料などの請求はいたしませんとのことです」「・・・・・・慰謝料?」「公表していませんけれど婚約はしているのです。よって不貞行為・・・俗に言う浮気は慰謝料案件ですよ?そのぐらいの知識はありますでしょ?」不貞行為・・・私とのことは不貞行為だったってこと?でも、あの時の総二郎はそんな感じじゃなく、本気で私のことを愛...

  • 真音の決心(2)

    結婚式は父さん達には内緒で、僕たちと加代さんで話を進めることになった。正直言えばそれが面白いことだとは思わなかったけど、真莉愛の熱に負けただけ・・・女の子を怒らせたら怖いっていうのは保育園でわかってたんだと思う。本当は涼しくなってから結婚式を挙げればいいって計画だったんだけど、それが崩れたのは母さんに赤ちゃんが出来たことだった。それは美来達が遊びに来ていたときにわかったんだけど、それまで一人っ子だっ...

  • 流砂の如く・・・ 23

    その日の夕方、山田さんと光莉と終業時刻が一緒になり、ご飯を食べに行こうって話になった。先輩である山田さんの好きな焼き肉屋さん・・・明日も仕事だから早めに帰ろうって話しながら、タクシーに乗り込んでその店に向かったのは19時。話し合ったとおりに1時間ぐらいで食事は終わり、光莉と山田さんがトイレに行ってる間に総二郎にLINEすることにした。「うん・・・小忠実な連絡は長続きの為には必要だからね・・・」昼間に話したこと...

  • 真音の決心(1)

    「卒業生総代答辞、花沢真音!」「はい!」司会の先生の言葉で前に出て、大勢に向かって答辞を述べる・・・今日は英徳学園初等部の卒業式だ。壇上で振り向き前を見ると、すぐそこに心配そうな真莉愛の顔が見えた。保護者席の1番前には母さんがいて、父さんは来賓席に座っていた。そんな中、イヤだけど選ばれてしまった答辞・・・昨日の夜も1人で練習したんだけど、そんなことは全部吹っ飛ぶ程緊張していた。でも・・・父さんが見ているか...

  • 流砂の如く・・・ 22

    その週の水曜日の午後・・・久しぶりに会社でお弁当を食べたから、休憩中にスマホを見ていた。それは総二郎とのLINEのメッセージで、月曜も火曜も電話じゃなく、それだけだった。・・・と、言うか、「恋人」というのはそんなものなんだろうか。月曜の夜のLINEは「体は平気か?」みたいな言葉///と、会社であったことなんか聞かれ、総二郎は新しく買ったジーンズの話とか、私とおそろいで靴でも買わないかとか・・・火曜のLINEは梅雨明け予想...

  • 真莉愛の独り言(最終話)

    「それじゃあ、行ってきます」「気をつけてね、類」「「いってらっしゃ~~~~い♪」」ゴールデンウィークが終わったら、パパはニコニコ顔で会社に行った。その時のゆびわは、あの日にあげた新しい「ケッコンゆびわ」・・・それまでのは大事にしまってて、ママも同じ物をつけてる。そして時々、ふたりともゆびわをさわったり、ながめてたり・・・それにドレスはまだパパ達の部屋に飾られてる。ママがあんまりうれしかったから、すぐには...

  • 流砂の如く・・・ 21

    今の電話はなんだったのか・・・・・・少し気になったけど、終わりの方は巫山戯た内容だった。それに切るときには『また電話するわ』って明るい声で言われたから、深い意味はないだろうと思うことにしたんだけど・・・「誰かが尋ねてくる?そもそもこの住所を知ってる友人っていないと思うんだけど」クリーニングした布団をベッドに戻しながらそんなことをブツブツ言ってた。もちろん両親や弟は知ってるし、会社にだって届け出してるから調...

  • 真莉愛の独り言(17)

    美央ママ達との写真・・・せっかくだからみんなで撮ろうってなってたので、真ん中にパパとママ、そして美央ママとおじちゃんが座った。あたし達はうしろに立って、両端にそじろ兄ちゃんと加代さん、そしてお婆ちゃんが立った。今度はおとなの間に子どもが入ろうって話になり、そじろ兄ちゃん・加代さん・ひろ君・パパ・まこちゃん・ママ・あたし・美央ママ・みらいちゃん・おじちゃん・ひ~君・お婆ちゃんで手をつないで撮った。最後...

  • 流砂の如く・・・ 20

    「私、知ってるんです。貴方の秘密・・・・・・世間に知られてはならない西門総二郎様の秘密を、ですわ」「・・・私の秘密?」そのワードを聞いた瞬間、心臓を抉られたかと思う程の痛みを感じた。だが、まさか・・・「あれ」を知っているヤツはいないはずだと、動揺を抑え込んだが・・・・・・「総二郎様、貴方は・・・・・・」それから美涼が俺に話した内容は、俺が誰にも言えずに秘めていた事だった。それを聞いてひと言も言葉が出ず、みっともねぇがその...

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