桜の茶会が終わると宗家は茶会以外の行事で大忙しだった。まずは光翔の小学校入学で、英徳小学部の制服を着た光翔を囲み、庭の桜の下で家族全員の記念撮影。この時も祐子の悪阻は酷くなく、孝三郎と共に入学式に出席することが出来た。建翔の面倒は志乃さんがみることになり、嬉しそうな顔の3人を乗せた西門の高級車が走り去るのを皆で見送った。英徳の制服は有名デザイナーのもので、カバンもランドセルじゃなく共通の通学バッグ...
花より男子の二次小説サイトになります。特に類と 総二郎が大好きですべてハッピーエンドなります。
読むだけでもの足らず、とうとう自分で書いてしまいました。自己満足の表現不足とは思いますが、楽しんでいただけたらと思います。
夏美さんが来てくれたので安心して全身の力が抜けた・・・けど、この人に色々と教えてもらわないといけないので、「よろしくおねがいします!」と元気よく挨拶♪中に入ってもらって、まずは・・・・・・何をする?「え~~~~~と・・・」「あぁ、お茶とか珈琲とかはいいですよ。仕事で来てるので気を遣わないで下さい」「・・・(あぁ、お茶を出すものなのね?そもそも炭汁(珈琲)は作れないし)・・・あはは///すみません」現代社会を知らないフリ...
5月31日は土曜日で、一颯の保育園はお休み。光翔くんの幼稚園もお休みで、子供達は朝から庭で遊んでいた。あんな風に走ったり飛んだり、しゃがんだりが身軽で羨ましい・・・と、自分のお腹をさすりながらそれを眺めて・・・・・・「・・・つくし、平気か?」「へ?あぁ~~~、うん、まだ平気」「陣痛が来る前に入院してもいいんじゃねぇの?」「そんなの病院に迷惑だよ。陣痛間隔が15分ぐらいで行く人もいるんだし」「でも・・・・・・」「そん...
「おはようございます、花沢課長///」「課長、今日も素敵なスーツですね~~♪」「・・・・・・・・・」「無口だけどそこがまた///」←ただの無愛想「ねぇねぇ、今日は少しワイルドな髪型じゃない?」←ただの寝癖「「「花沢課長、おはようございます~~~♪」」」「あぁ、おはよう・・・・・・」「「「きゃあああ🧡今日はご挨拶できたぁ🧡」」」そんな声もほとんど耳に入らず、床の大理石タイルに視線を落として歩いた。頭の中では1人にしてしまった...
墓参りから1週間が過ぎ、明日は桜の茶会。今回もつくしは準備だけで、当日は子供達の世話係。まだ後援会に何も話していないので、姿を見せないように離れで過ごすことにしていた。が、祐子は茶会終了後に挨拶するために数日前からその練習をしていた。お袋から譲り受けた着物を着て、光翔にも着物を着せて・・・その時は流石に一颯の事が気になったが、子供なのであまり深くは考えていないようで助かった。むしろ面倒くさいことをせ...
翌朝、やっぱり私はベッドから落ちて寝ていた。でも類がそこにマットレスってのを敷いててくれたので、今日は身体が痛くないなぁ~と思いながら身体を起こすと・・・もう類はこの部屋にはいなかった。「・・・あ、今日から仕事に行くって言ってたっけ・・・」いつまでも寝てるから、起こさずに出かけたのかと思って飛び起た私。その時にズボンの裾を踏んで転けそうになりなからも、ドアを開けて隣の部屋に行くと・・・・・・「おはよう、つくし」...
桜の茶会の10日前・・・彼岸の日に神楽木家に向かった。車中にはお袋の姿もあり、つくしが後部座席で一颯の相手をし、お袋は助手席。運転席の俺も少しばかり緊張するが、まだ祖母に慣れていない一颯のためにはこの方がいいだろうと思ったからだ。お袋は紫地の江戸小紋に紹巴織の名古屋帯。春らしい着物ではなかったけど、品があり、墓参りに相応しいものだった。「ねぇ、ママ。かぐらぎのおじちゃんはなんのお仕事してるの~?」「...
その日の夕ご飯も誰かが持って来てくれた物をレンジでチンして食べることになった。何度もやったから温めは完璧🧡そしてコンロでお湯を沸かすことも出来るようになった。ここでまた初めての物が出てきたんだけど・・・すごく軽くて四角くて、スカスカしてる?「類、これはどうやって食べるの?このまま囓るの?」「それはフリーズドライの卵スープだよ」「・・・・・・?」「あぁ、フリーズドライって言うのは真空凍結乾燥って意味で・・・・・・わ...
威厳に満ちたお袋の姿がこの邸にある・・・それは長いこと当たり前の光景だったが、今では少し違う。お袋は痩せて小さくなり、ホンの少し遠慮気味に廊下を歩いていた。それでも懐かしく思うのか、使用人達は「お帰りなさいませ」と言って頭を下げている。皆には真実を話していないし、お袋が体調を壊して長期療養に出ていたと思っているからだろうけど、どことなくホッとした表情で持ち場に戻っていった。お袋が1番はじめにしたのは...
初めて自分でお金を支払わせたけど、この1回じゃ足りない。今度は本屋に行き、そこで幼児用の絵本を買うことにした。それを話すとつくしは「ほん?」と首を傾げてたけど、これは実物を見た方がいいからと、通りすがりに見付けた大きな書店に入った。そこにはズラーーーーーッと本が並んでて、つくしは目がテン。平安時代にも本はあったらしいけど、一般的には出回っていなかっただろうから。なんたってあの頃は印刷技術がないから...
爺様と婆様が京都に戻ってから数日後、宗家には祥一郎が来ていた。理由はお袋の説得役・・・一応親父が戻ってくるように電話で話したのだが、お袋が難色を示したからだ。それに祥一郎はこの1年間で数回お袋と会っており、今では1番話しやすい存在になっていたから。夜勤明けの疲れた顔で俺たちの前に座り、「しょうがないなぁ~」とひと言。「親父が言っても渋るし、当事者である俺が言うのもな・・・・・・」「確かに母さん、総二郎に会...
類がくれたのはお金とお財布。今までお金を持ってなかったんだから当然財布なんてものを知らず、それを手に持ってもどうして良いのやら・・・「二つ折りの財布でも良かったんだけど、小さいと落としそうだから長財布にしたんだ」そう言われても、どっちがいいのかなんて理解出来ないんだけど。取り合えず硬貨と呼ばれるお金を全部持って歩くわけにはいかないので、類が適当にお財布の小銭入れの部分にジャラジャラ入れてくれた。そし...
みなさま、こんにちは。タイトル通り、今後についてのお知らせです。過去に自分の仕事について書いたことがあるのでご存じの方も多いと思いますが、私の仕事は「舞台衣装製作」です。個人で仕事をするようになって6年目、最近は依頼も増えており、有り難いことです。そして今月に入り、今までにない数の注文を受けまして、毎日その制作でドタバタしております。と言うのも数に対して納期が非常に短いのです。それでブログに時間を...
お爺様とお婆様の話を聞いたあと、今日は子供達は離れで一緒に寝ることになった。その時は祐子さんと私が付き添ったけど、寝入った後は志乃さんに任せて本邸に行くことに・・・そこでは家族だけの除夜釜が行われていて、遅ればせながら2人で参加することにした。私はこの行事が初めてだったので緊張したけど、思ったよりも穏やかでのんびりした雰囲気だった。しかも、初めて見る家元のお点前・・・それを見るお爺様の視線だけがちょっと...
「まったくもう!!あんた、さっきの男が何しようとしたのかわかってんの?!」「うわああぁ~~~~~んっ!!」「泣いてもダメ!ここは平安京じゃないんだ!あんたは姫でもないし、守ってくれる宿直も検非違使もいないんだから!」「・・・・・・・・・・・・・・はい・・・」類の車に乗ってからも散々お説教・・・ちゃんと途中まで言いつけ守っていたのに、それすら聞いてもらえず・・・そして私も涙と鼻水でそこまで説明出来ず・・・ようやく落ち着いてか...
「ほぎゃああああぁ~~~~💦」「たっくん、お兄ちゃんだよ~~!」「たっくん、泣かないで~~」「ふぎゃあああぁ~💦」「うわああぁ~~ん!母さま~~っ!!」「ママ、どうしたらいいの~~~!!」建翔君が西門に来て数日後・・・この邸に赤ちゃんの泣き声が響いた。ついでにお兄ちゃん達の泣き声が加わり、使用人さん達もクスクス笑いながら廊下を歩いてた。それが本邸にまで聞こえるようで、すぐにすっ飛んでくるのは孝三郎さん・...
「類様・・・私に隠れて何かしていませんよね?」「・・・してないよ、加代」買物に行くにはお金が必要・・・と言うのも、つくしに現金を持たせて買物するのが目的だから、1番はじめに自宅に立ち寄った。その時に玄関先で仁王立ちした加代にそう言われ、自分の家なのにビビりまくりの俺。そして追求されるつくしのこと・・・こうなることを予想して、つくしには門の外で待つように指示していた。『あんたに渡すお金を用意するから、悪いけどこ...
その日の西門は仕事なんて其方退け。家元は腕組みしてジッと庭を見てるし、そのうち石化してしまうんじゃないかってぐらい。孝三郎さんは意味もなく屋敷中を歩いて落ち着きがなく、時々何処かで遠吠えしてるのが聞こえる。そんな2人の仕事を引き受け、総二郎1人が大忙し・・・でも凡ミスしてお弟子さんに笑われてる。私はお婆様にお花の生け方を教わっていたけど、その時間も何度孝三郎さんが廊下を歩いていったやら!「・・・ほんとに...
翌朝・・・・・・またつくしは床に落ちてた。そこで丸くなって寝てて、俺には布団が掛かってなく・・・・・・ブルッと震えて両手を擦った。これが続いたら、本気で風邪を引きそうなんだけど・・・。音を立てないように移動して覗き込むと爆睡してる。だからそっとベッドから降りて、静かにキッチンに向かった。そこで珈琲を入れて、一昨日の夜に買ったパンの残りを出した。「・・・あれだけのピザ、朝ご飯用に残ると思ったのに」そう言いながらピザの...
妊娠が判ってすぐに始まったのは私達の引っ越し・・・総二郎は仕事を休んでそれを手伝ってくれた。とは言っても、このマンションの家具や家電を持って行くわけではなく、身の回りの物だけ。それなのに何一つ荷物を持たせてくれなくて、一颯ですら「ママはじっとしてなよ~」と生意気なこと言って・・・「母屋の総二郎の部屋に行くんでしょ?」「あぁ、奥の和室を洋間に変えて、一颯の部屋にしようと思う」「そこ、総二郎の着物とかがある...
「今日はちゃんとドライヤーで髪を乾かすよ」「どらいやぁ?」「これはカタカナね。ドライヤーと言って髪を乾かす道具」「乾かさなきゃダメなの?」類が持って来たのは私が電気店で大騒ぎしたヤツ・・・いきなりすごい音が出て、熱風が来たから放り投げたのよ。だから怖くて怖くて・・・そう言うと類が乾かしてくれるって。私はソファーの前に座り、類がソファーに座ってドライヤーを手に持った。そしてブオォーーーーッ!とすんごい音が...
「おめでとうございます。赤ちゃんの様子から妊娠2ヶ月、6~7週ってところですね」「・・・・・・・・・・・・」「あ、ありがとうございます///」「異常も見られませんし、出血もしてないので問題ないですよ」「・・・・・・・・・・・・」「あ~、良かった!安心しました」次の日、来なくていいと言うのに付いてきた総二郎と一緒に先生の説明を受けた。不順だったから気がつくのが遅れたんだと思ってたけど、実はまだ妊娠2ヶ月になったばかり・・・今の私...
取り合えず電話を掛けることだけは出来るようになった。と言うか、何かを検索したくでも文字を覚えなくちゃ入力も出来ない。そして出てきた文字を解読することも出来ない。それこそ小学校低学年の子が読める程度の漢字を覚えることと、ひらがな・カタカナ・数字、アルファベットの習得が必要・・・そう言うと、アルファベット以外はなんとか覚えたっていうから驚いた。「1日しか経ってないのに?」「うん。あんまり似てないけど、私...
千葉からの帰り道・・・今度は孝三郎さんの運転で、助手席には祐子さんが座った。私と総二郎が後部座席で子供達の面倒を見ることになったんだけど、その子供達は爆睡・・・このまま起こさずに自宅まで戻ろうってことになって、私もホッとしていた。ただここでも気分が悪くなり、酷くはないけど吐き気も・・・それを口に出すとせっかくのドライブが楽しくなくなると思い、顔を窓の方に向けて寝たふりをした。「祐子、体調大丈夫か?」「うん...
「「「「ありがとうございましたぁ~~!!」」」」「どーも・・・」「ご苦労様でした~♪」夕方、家具屋の配達員が4名体制でやってきて、今日買った物を全部運び入れてくれた。しかも昨日の家電店で買った洗濯機も届けられ、これでようやく生活が出来る・・・と思うんだけど。振り向いたらつくしがドラム式洗濯機の中に入ろうとしてる。「それは人を洗う物じゃないから」って言うと、少々頬を赤くして苦笑い・・・そのあとで不思議そうにい...
「・・・何だったんだろう・・・でも、よく似てたなぁ・・・」「どうかしたの?さっきからブツブツ言ってるけど」「・・・ううん、なんでもないんだけど・・・・・・多分、気のせいだわ」「・・・???」桜子の声が聞こえたような・・・・・・もしかしたら、自分でも気がつかないうちに会いたいと思ってるのかも?(←桜子が不憫である)しかも何かを探せって言ってたようだけど・・・この世界に私が探せるものがあるだろうか?なんてことを考えても仕方がない。...
家具屋を出てからランチに行こうと思ったけど、またつくしが大暴れしたらと思うと・・・だからテイクアウトでサンドイッチを買い、何処かの公園で食べることにした。きっとその方が店員にも迷惑かけずにすむはずだし、「姫」とは言えおおらかな性格のようだから外で食べても文句言わないだろう。それにボチボチ桜も咲いてるし、天気もいいから気分転換にもなると思って。それを提案すると・・・「ていくあうと?」「そう。店で食べずに持...
すっごく大きな家具屋さん・・・そこに入ったら、すっごく広い場所に、不思議な大きな箱みたいなのが沢山並んでる。そう言えば、初めに見た類の家にはこんな物があったな~と思いながら眺めてた。私の実家・・・大納言家とは全然違う今の家。そもそも昔のは壁ってものがなくて、『自然との調和』といえば聞こえが良いけれど、要するに風の通りが良すぎる造りなのよ。寝殿と呼ばれるのは公家の邸宅において、主人の居所として中央部に設け...
「えっ?次の日曜、海に行くの?」「あぁ、夏は暑すぎて遊びに行けなかったからさ。孝三郎の嫁さんの体調も安定してるし、今なら浜辺で遊んでも大丈夫だろうって言うから・・・どうだ?」「・・・そうねぇ、一颯もプールしか行けてないから喜ぶかもね」「んじゃ、孝三郎に話をしてくるな」「よろしく~~」9月後半の金曜日・・・マンションを出るときに総二郎から聞かされたドライブの計画は、宗家のワンボックスで千葉の海に遊びに行くと...
「・・・・・・・・・・・・」「つくし、出掛けるよ」彼女が着替えのために寝室に入って20分・・・今日も忙しいからドアの前で声を掛けたんだけど返事がない。メイクの仕方がわかんないのかもだけど、俺もそんなの教えられないし・・・と、もう1度「どうかした?」と聞くと・・・「まだ服の着方がよくわからなくて」「え?」「どれを着れば良いのかサッパリなんだけど」「・・・ドア、開けるよ」また俺がアドバイス出来ないことを・・・・・・そう思ったけど、...
8月のクソ暑い時、ある情報を目にした。それは桜井商事の業績が急激に悪化したというもの・・・・・・そのニュースにフッと鼻で笑ってしまった。「・・・あいつら、やっぱり速攻やりやがったな?」「若宗匠、家元がお呼びですよ。重陽の茶会の件だそうです」「わかった、すぐに行く」弟子が呼びに来たのでネットニュースを見るのはお終い・・・だが、俺がニヤニヤしてるもんだから、迎えに来た弟子は怪訝そうな顔をしていた。昨年末の桜井との...
翌朝・・・目が覚めたらすでに明るかった。と言うか、見覚えのない部屋・・・いつもと違う空気だし、見たこともない照明器があった。薄く目を開けて窓を見たらレースのカーテンだけ・・・・・・そして違和感のある枕。それよりも布団が掛かってない。しばらくぼんやりしながら昨日の夜のことを考えていたら、ここが自分のプライベートマンションであることを思い出した。ハッとして隣を見たら・・・・・・「あれ?いない・・・」ベッドが1つしかないか...
桜が散る頃、今度は一颯の誕生日が来た。私達はマンションでのバースデーパーティーを考えていたんだけど、家元も孝三郎さんも「どうしてそうなる?」と、2人同時に驚いた顔。「宗家でお祝いして当然!」って感じで・・・なにより光翔君がノリノリだったので、1週間前と同じように誕生日会をしていただいた。お料理も並び方もあの日と同じで、家元の左右に事も達が座ってる。今回はちらし寿司じゃなくて手まり寿司・・・それをお爺様に...
あきらとの電話を切った後も、つくしはタブレットに夢中・・・でもまだ言葉を覚えてないから、画面にタッチするだけ。その時に動作するものだから「うわ、絵が変わった!」とか「ぎゃっ!変なの出た!」とか・・・写真のない時代だから、何でも全部「絵」って言うのにはクスッと笑ってしまった。「もうそろそろ10時だから寝る?」「じゅうじ?」「・・・・・・あぁ、今の時代の時間のこと。それも教えなきゃね」「うん!教えて🧡」「・・・勉強熱...
桜の茶会・・・お稽古を頑張った祐子さんだったけど、妊娠初期でもあるので参加を見送り、私と一緒に裏方を手伝った。その裏方というもの庭から全然見えない場所で、その近くでは一颯と光翔君も遊んでる。裏庭にボール遊びが出来るスペースを庭師さんが作ってくれたんだけど、その遊び場も竹垣で囲んでボールが植木の方に行かないようにしてくれた。それに通りがかった使用人さんが声をかけてくれたり、2人は多くの人に守られて・・・「...
部屋に戻ったらつくしはほんのりピンク色のほっぺたでリビングのまん中に座ってた。買ってきた物はまだ半分ぐらいしか片付いてないけど、今日はもう体力の限界・・・少し早いけど、寝ようかと思ったら・・・「えっ?スマホとタブレットが見たい?」「うん♪」「何を見たいの・・・見方がわかんないでしょ?」「だから教えて欲しいの♪」「いや、その前に現代の通信事情を知らないと・・・」「それも教えて?」「・・・・・・・・・・・・」古代日本において公...
あれから数週間が過ぎた。婆様が来て、親父は祐子の両親との会食も済ませた。光翔は随分この生活に慣れたようで、毎日元気よく庭で遊んでおり、それに付き合うのは祐子・・・孝三郎は夜遊びもしなくなり、志乃さんは婆様の世話で忙しそうだ。今は2月で、今日は小さな雪が降っている。その凜とした空気の中、俺は自分の茶室で若弟子を伴い稽古の準備をしていた。この準備というのは当然稽古の前にするものだが、流派によっては生徒が...
「総二郎・・・悪いけど頼み事があるんだ」『ん?珍しいな、言ってみ?』電話をかけた相手は幼馴染みの西門総二郎。こいつは茶道家だから卒業後に海外に行くこともなく、比較的このマンションに近いところに住んでた。それに体格も俺と変わらないし、「何でも良いから服を貸して」と言うと・・・『は?なんだ、その頼み事は』「詳しいことは言えないんだけど、着る服がない状態で・・・出来たら部屋着を2~3着貸してくれない?ジーンズも...
「・・・皆様、本日は初釜式へのご参加、ありがとうございました。今日は我が家の現状と、今後についてのお話がございます。どうぞ最後までお聞き下さいますよう、お願い申し上げます」親父の言葉で始まり、後援会の会長と副会長がチラッと目配せをした。後ろに並ぶ面々は何も知らないから戸惑ったような表情を浮かべ、中にはヒソヒソと会話する人も・・・そんな中、まずはお袋が体調を崩し、昨年末から西門の別邸で過ごしていることを話...
ドキドキする自分に違和感というか、疚しい気分というか・・・年頃の女の子の入浴中なのに足を踏み入れるなんて信じられないというか・・・取り合えず平常心を保ちつつ中に入ると、そこには一応俺の思い描いた姿の彼女いた。バスタオルを脇の下からグルグル巻きにして、太股の際どい部分でまでは・・・ーーーなんだ、ちゃんと隠してるじゃんーーー「えっ?俺、今何考えた?」「ん?どうかしたの?」「いや、なんでもない・・・・・・じゃあそこに...
「美和子さんの話を聞いたとき、そういう選択もあると思うて婆様と話しておったんだよ。儂らはそのぐらいしか手伝ってやれないが、孫の為でもあるし、婆様もまだまだ元気だからな・・・つくしさんが正式に西門に入るまで、ここで稽古を付けてもらったらどうじゃな?」「お婆様が?!」「婆ちゃん、本気なのかよ!」「孝三郎、言葉遣い!!」前家元夫人がこの家の事を教えて下さる・・・それは嬉しいというか、怖いと言うか・・・慌てて隣を...
陰陽師の指示もないのにお風呂に入るなんて思わなかった。お湯に身体を浸けたら魂抜かれないだろうか・・・そんなことを考えながらお風呂場に行き、そこで一瞬悩んだ。裸で入る・・・つまり、服を脱ぐ。でも、この服は後ろに「ふぁすなぁ」ってものがあって、それを下ろさなきゃ脱げない。そして手が回らないから、ここは当然・・・「類~~~~~!」「どうかした?助けを呼ぶの、随分早かったね」「服が脱げないの」「えっ?!」「後ろ、...
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桜の茶会が終わると宗家は茶会以外の行事で大忙しだった。まずは光翔の小学校入学で、英徳小学部の制服を着た光翔を囲み、庭の桜の下で家族全員の記念撮影。この時も祐子の悪阻は酷くなく、孝三郎と共に入学式に出席することが出来た。建翔の面倒は志乃さんがみることになり、嬉しそうな顔の3人を乗せた西門の高級車が走り去るのを皆で見送った。英徳の制服は有名デザイナーのもので、カバンもランドセルじゃなく共通の通学バッグ...
夏美さんが呆然としてる・・・・・・流石に自分でも不味いコトしたと思ってる。でも流れた玉子は拾えなかったし、真ん中の穴みたいなところ(ディスポーザー)にス~~~っと落ちていき・・・「どうしましょう、夏美さん・・・」「残った玉子は4個ですから、小さめのを作りましょうか💦」「ごめんなさい・・・」「大丈夫です!これも慣れですからね!」でも玉子をキレイに割ることは覚えたので、気を取り直して玉子4個を割った。そして夏美さんに...
翌日の紅葉の野点では、家元夫人のお茶席で祐子さんと一緒にお手伝いをした。まだまだ阿吽の呼吸とはいかないけど、とにかく自分の出来ることを頑張るしかない。2人とも家元夫人と色違いの着物で、それだけで周りの人達には意味が判ったようでザワザワしたけど・・・それでも笑顔を絶やさず、大失敗をしないことだけを願いながら。野点茶会が始まって2時間後にやってきた花沢類と美作さんは、何故か総二郎のお茶席じゃなくて家元夫...
「はぁ~~~~~!12時になったぁ!」「社食に行く?今日の日替わり、なんだったっけ?」「池上君、今日は13時30分には芝崎産業に行くから遅れるなよ~~」「はい、すぐに飯食ってきます!」「花沢課長、キリがいいところで食事にしませんか?」「・・・ん」・・・なんとか午前中の業務終了。俺も昼食に行こうと席を立った。他の社員のように社食に行ってもいいんだけど、俺の場合は周りにいる社員の方が気にするってことで、いつ...
1時間後・・・・・・クタクタになった私達は母屋に戻っていた。後援会の皆様への挨拶は道明寺達のおかげで滞りなく終わり、むしろ後半はこの人達によって私達の結婚が西門流にとってもこの上ない幸運だと言わんばかりに盛り上がってた。総二郎の親友なんだから特別顧問的な役割は続くのに、オマケに私の後ろ盾だなんて・・・家元ご夫妻も彼らとニコニコしながら会話し、「今日はどうもありがとうね~」なんて言ってる。そして鬼みたいな顔...
マンションに戻ったのは11時30分。ここで夏美さんが「すぐにご飯を炊きましょう」って言いながら、さっき買ってきた食料品の中からお米を取り出した。「お米を・・・たく?」「えぇ、炊飯器で炊くんです。これも忘れました?」「・・・・・・あ、あは・・・あっははははは!」「簡単ですからすぐに思い出せますよ」野菜を炊いたものなら知ってるけど、基本私達のご飯は玄米を蒸して強飯にしたり、水をたっぷり入れて煮るお粥がほとんどだっ...
「つくし様、終わりましたわ」「・・・ありがとうございます、志乃さん。うわぁ・・・私じゃないみたい///」「うふふ、よくお似合いですわ。では総二郎様をお呼びしますね。お客様もすでにお待ちのようですので」「・・・・・・は、はい!」今日は後援会の皆さんとの顔合わせの日・・・家元夫人から譲り受けた色留袖を着て、ドキドキしながら控えの間で待っていた。総二郎が選んでくれたのはすごく綺麗な袷の色留袖で、地色は象牙色、柄はすべて手...
夏美さんとホームセンターに行くと、真っ直ぐ向かったのは「キッチン○○」ってことろ。(↑○○=用品だが、まだ漢字が読めない)そこにはキラキラした(金属)ものが沢山あるんだけど、私には何のことやら・・・だから全部彼女に任せることにした。まずは”包丁”・・・「このまえ買ったかどうか忘れたんですけど、2つあっても良いと思うので」「は~~い」「ぺティナイフも買いましょうか」「・・・は、は~~い」(←わかっていない)夏美さんが...
お義母様との話し合いが終わった翌日から、私はいただいた着物を着て本邸を歩くことになった。そしてここではお義母様から家元夫人に呼び方も変更・・・自分1人では何をしていいのかわからないので、常に家元夫人にくっついていた。玄関の花を変えたりするぐらいなら緊張はしないけど、生徒さんが来たときに挨拶するのは心臓が破裂しそうになる。なんたって生徒さんの半数は名家のご令嬢・・・今はフリーの総二郎がお目当てなんだもん。...
サンルームとやらに干された3日分の下着・・・白に鴇色(ときいろ・ピンク)に空色・・・乾いたらこれを畳んだらいいとのこと。でもそれを何処に仕舞うのかしら?この部屋には唐櫃(からびつ)もないんだけど・・・。出典:e国宝「どこに仕舞っても自由だと思いますけど、確かにお部屋にタンスはないみたいですね~」「服は向こうに置いてあるんですけど・・・」「あぁ、クローゼットですね?でもこんなに広い脱衣場があるし、ここにも棚がある...
つくしと葵が退院してから1ヶ月が過ぎた。梅雨の晴れ間で、気温もそう高くない日・・・・・宗家には客人が来ていた。それは神楽木裕也夫妻で、その手には葵のための祝い着があった。淡い黄色から赤への暈かしがあり、美しい配色の毬に組紐、そして熨斗目が描かれたもので、華やかな芍薬や桜なども。金彩も施され、煌びやかさもある極上のもの。それを見るつくしや祐子は目がテン・・・お袋は涙ぐみながらそれを手に持った。その場には親父...
「まだ始まっていない・・・とは・・・?」「えっと・・・・・・つくしさん、成人してますよね?」「せいじん?」「大人・・・ですよね?」”せいじん”・・・つまりそれが大人って意味?私達の頃は男性は「加冠の儀」つまり「元服」、女性は「裳着の儀」ってのがあった。元服は帝であればおおよそ11歳から15歳まで、皇太子であれば17歳までに行われてたけど、通常14歳前後が多かったみたい。元服式には「理髪の役」と「加冠の役」の役目があって、まず...
出産がこれほどまでに大変だったとは・・・・・・光翔の時には立ち会わなかったからわからなかったし、正直美涼の苦しみや痛みまで考えなかった気がする。でもつくしの様子を見ていると、彼女も必死に産んでくれたのだと・・・・・・もう少し感謝の言葉をかけてやれば良かったと思った。と同時に、これだけの思いをして生んだ光翔を愛おしく思えなかったことに対して疑問が湧いたが・・・「・・・総二郎、どうかした?」「あ、いや・・・なんでもない。...
夏美さんが来てくれたので安心して全身の力が抜けた・・・けど、この人に色々と教えてもらわないといけないので、「よろしくおねがいします!」と元気よく挨拶♪中に入ってもらって、まずは・・・・・・何をする?「え~~~~~と・・・」「あぁ、お茶とか珈琲とかはいいですよ。仕事で来てるので気を遣わないで下さい」「・・・(あぁ、お茶を出すものなのね?そもそも炭汁(珈琲)は作れないし)・・・あはは///すみません」現代社会を知らないフリ...
5月31日は土曜日で、一颯の保育園はお休み。光翔くんの幼稚園もお休みで、子供達は朝から庭で遊んでいた。あんな風に走ったり飛んだり、しゃがんだりが身軽で羨ましい・・・と、自分のお腹をさすりながらそれを眺めて・・・・・・「・・・つくし、平気か?」「へ?あぁ~~~、うん、まだ平気」「陣痛が来る前に入院してもいいんじゃねぇの?」「そんなの病院に迷惑だよ。陣痛間隔が15分ぐらいで行く人もいるんだし」「でも・・・・・・」「そん...
「おはようございます、花沢課長///」「課長、今日も素敵なスーツですね~~♪」「・・・・・・・・・」「無口だけどそこがまた///」←ただの無愛想「ねぇねぇ、今日は少しワイルドな髪型じゃない?」←ただの寝癖「「「花沢課長、おはようございます~~~♪」」」「あぁ、おはよう・・・・・・」「「「きゃあああ🧡今日はご挨拶できたぁ🧡」」」そんな声もほとんど耳に入らず、床の大理石タイルに視線を落として歩いた。頭の中では1人にしてしまった...
墓参りから1週間が過ぎ、明日は桜の茶会。今回もつくしは準備だけで、当日は子供達の世話係。まだ後援会に何も話していないので、姿を見せないように離れで過ごすことにしていた。が、祐子は茶会終了後に挨拶するために数日前からその練習をしていた。お袋から譲り受けた着物を着て、光翔にも着物を着せて・・・その時は流石に一颯の事が気になったが、子供なのであまり深くは考えていないようで助かった。むしろ面倒くさいことをせ...
翌朝、やっぱり私はベッドから落ちて寝ていた。でも類がそこにマットレスってのを敷いててくれたので、今日は身体が痛くないなぁ~と思いながら身体を起こすと・・・もう類はこの部屋にはいなかった。「・・・あ、今日から仕事に行くって言ってたっけ・・・」いつまでも寝てるから、起こさずに出かけたのかと思って飛び起た私。その時にズボンの裾を踏んで転けそうになりなからも、ドアを開けて隣の部屋に行くと・・・・・・「おはよう、つくし」...
桜の茶会の10日前・・・彼岸の日に神楽木家に向かった。車中にはお袋の姿もあり、つくしが後部座席で一颯の相手をし、お袋は助手席。運転席の俺も少しばかり緊張するが、まだ祖母に慣れていない一颯のためにはこの方がいいだろうと思ったからだ。お袋は紫地の江戸小紋に紹巴織の名古屋帯。春らしい着物ではなかったけど、品があり、墓参りに相応しいものだった。「ねぇ、ママ。かぐらぎのおじちゃんはなんのお仕事してるの~?」「...
その日の夕ご飯も誰かが持って来てくれた物をレンジでチンして食べることになった。何度もやったから温めは完璧🧡そしてコンロでお湯を沸かすことも出来るようになった。ここでまた初めての物が出てきたんだけど・・・すごく軽くて四角くて、スカスカしてる?「類、これはどうやって食べるの?このまま囓るの?」「それはフリーズドライの卵スープだよ」「・・・・・・?」「あぁ、フリーズドライって言うのは真空凍結乾燥って意味で・・・・・・わ...
その日の夕方・・・土曜だったので類は早めに帰宅できた。当然それを迎えに出たのは真利愛と真音で、「ぱっぱ~~!」と飛び付いたのは真利愛だ。真音も同じようにしたい様子だったが、真利愛の勢いに負けるのと、まだ素直に類に触れることが出来なかった。そんな真音に気が付いて、類はいつも真利愛の後で真音も抱き上げた。「うわ・・・真音、少し重くなった?」「ほんと?ぼく、大きくなった?」「まいあは~?まいあも大きくなったぁ...
巨大迷路の入り口に立つと、そこには2つのコースがあった。1つは体力勝負のアスレチックコース、もう一つは仕掛けを解いていく知力コース。迷路としての建物は1つだけど、中の通路は巧みに入り組んでいるため2つのコースが交わることはないそうだ。そのどっちに行くかってことで、再びジャンケンすることに。勝った方が好きな方を選ぶことにして、総二郎と道明寺さんがジャンケンすることとなった。「行くぞ、司!」「・・・そん...
つくしが花沢邸に来てから1ヶ月が経過した。それが5月の中旬で、ここで2人は婚姻届けを提出することになった。何故3ヶ月も先になったのかというと、社長に就任した類が多忙だった事もあるが、警察の事情聴取、つくしの税務処理と何かにつけてドタバタしていたのだ。それも全部終わり、類も落ち着いてきたために漸く自分達の届け出に着手できたのだ。しかも類と真利愛は養子縁組をしていたので、その辺りの修正手続きに弁護士を...
いきなり現れたのが恐ろしい顔の人形だったのか、それとも人間だったのか・・・それすらわかんない状況で彼に逃げられたけど、こんなところに1人で取り残されるのもイヤだ!だから楽しむ時間もなく暗闇の中を追い掛けたら、道明寺さんは何にもない壁に両手ついてゼイゼイしていた。・・・まったく、それが30歳の男のすることか💢!!それを怒ることも出来ず、薄気味悪いBGMの中、道明寺さんの背中をポンと叩くと・・・「うわあああぁっ!...
「・・・・・・マジか・・・」「俺、1回入ってみたかった♪」「悪い、俺は絶対に嫌だ。乗り物ならいいけど、あそこは無理!」「・・・・・・・・・は、入るだけなのか?」「うん、入るだけだよ~~♪だってお化け屋敷だもん!自分の足で歩くだけだよ~~」子供の頃からの夢だと言いながら、つくしは薄気味悪い建物の前で立ち止まった。そしてここでも言いだしたのがジャンケン。あきらが絶対に嫌だと言うから、俺と類と司とつくしの4人で2組に分かれ...
先日は大変お騒がせしました。たくさんコメントいただきまして、そのお返事も出来ずに申し訳ありません。多くの方にお話を楽しみにしていると言っていただき、とても感謝しております。しばらくお休みさせていただき少しは落ち着いたのですが、続編のお話で物足りなさが解消できるかどうかを考えると・・・どうなのかな~?と思いつつ・・・でも書いていたものだけは公開して、それでこの話を完全終了させることにしました。なので近々0...
初めはゆっくり動くジェットコースター・・・だんだん心臓がバクバクし始めて、喉がゴクリと鳴った。そうしたら花沢さんがボソッとひと言・・・「ジェットコースターってさ・・・恐怖心とは関係なく気絶する事があるんだよね」「は?」「極端な重力がかかると血液は下半身に集まって脳に届かなくなるから。特に気温の高い日は汗をかいて体内が脱水気味になってるから余計になりやすいんだって」「・・・・・・(今日、暑いけど)・・・」「ジェットコ...
「あ~あ、もう無理か・・・」「美作さん、何が無理なの?」「いや、何でもない(総二郎達のゴンドラからはもう見えない・・・なんて言えないし)。つくしちゃん、あと少しだからしっかり見ておかないと!」「は~~~い!」観覧車の後半になったら美作さんは私と向かい合って座り、何故かニヤニヤしていた。その意味は判らなかったけど、言われたとおりに窓の外を眺めて「もう地面が近くなった~!」と・・・その時目に入ったのはジェット...
遊園地とは文字の如く、楽しく遊べるように、いろいろな遊具やアトラクション、設備を備えた施設。アトラクションの設置に関係なく遊園地と呼ばれている公園もあるんだけど、私の思う遊園地は「乗り物」があること!それは滑り台、ブランコじゃなく、もっとハードでスピード感のあるもの・・・まさか、本当にそれに乗れる日が来るとは・・・っ!!「・・・・・・うっ・・・うっ・・・えぐっ!」「ちょっと総二郎・・・この子、泣いてるんだけど」「悪い...
「ふああああぁ~~~~~~~~!よく寝たぁ~~~~~~~~~~!!」大きく背伸びをして起きたのは6時30分。総二郎がいないおかげで久しぶりに爆睡でき、すっごく気持ちの良い朝だった。カーテンを開けると清々しい朝陽が目に入る・・・「今日は快晴だな~」と呟きながらベッドを降りて服を着替えた。そしてドアを開けて隣の部屋を覗くと・・・ベッドで寝ているのは美作さん1人。花沢さんはソファーで丸くなり、道明寺さんと総二...
私を無視して決められた翌日の予定・・・まさかの、道明寺さん達とのお出掛け?!結婚式の翌日に団体行動?!「ちょっと待ってよ、何処に行くの?」「つくし、行き先が問題じゃねぇよ💢俺達は2人きりでここで過ごし、明日の夜までマッタリするんだから!そうじゃないと明後日からは仕事なんだぞ?これまでの疲れを癒やさないとダメだろ?」「確かに疲れてるかも・・・行き先次第だけど・・・」「そうだなぁ、何処に行きたい?あきら」「俺は...
最後まであきらが仕切った二次会終了・・・考三郎はそれからまた飲みに行くと言い、女達を連れて何処かに消えた。従姉妹・従兄弟達はそれぞれの迎えの車であっさり帰宅。涼子達はつくしよりも景品に浮かれまくり、万歳しながらタクシーに乗った。港に残されたのは俺達5人・・・今日は宗家に戻らず、Tホテルのスイートを予約していたので、そこに向かうと言うと、あきらが「ハネムーンは?」と聞いてきた。答えは・・・「今すぐ旅行には行か...
「皆さま、大変長らくお待たせいたしました。本日の主役である新郎新婦の準備が整ったようです。皆さま、ご準備はよろしいでしょうか~?!それでは新郎新婦の入場で~~~す!」美作さんの声で扉が開けられ、途端に目の前でパーン!とクラッカーの鳴る音が!それよりもシャンデリアの灯りの方が眩しくてクラッとしてしまった。その後で叫ばれたのは・・・「西門さん、つくし、おめでとう~~~!」「さぁ、二次会は盛りあがっていく...
おはようございます。突然ではございますが、当面の間類君の連載公開を中止します。理由は、今回のお話について、「物足りない」とのコメントをいただき、それによりモチベーションがダダ下がりしてしまったからです。物足りない・・・それは私の筆力がないので受け入れますが、200話以上で「終盤が物足りない」と言われても、素人の私ではどうしていいのか判りません。明日より続編として、つくしと真利愛のこと、美央とのその後...
それから2ヶ月後・・・桜の花が終り、新緑の美しい季節に変わっていた。少しずつ気温も上がり、春らしい陽気に包まれた土曜日のこと・・・「ママ~~~、トラック来たよ~~」「ぱっぱ、おしっこしのトラック~~~!」「は~~~~い!2人ともおじさん達の邪魔しちゃだめよ~」「つくし、もう全部ガムテープした?」武蔵小山のマンションでは引っ越しの真っ最中。今日はここを出て、花沢家に引っ越すのだ。その為に大人達は朝からドタ...
終わった・・・・・・絢爛豪華な披露宴が終わった・・・・・・マジで疲れた・・・・・・本気で披露宴したらこんなに疲れるんだと思い知った・・・・・・いや、もう2度としないけど。私たちの披露宴・・・それはある意味特殊だった。祝辞が長いからって余興をお色直しの後にしたから、キャンドルサービスの直後が余興開始。私の方からは涼子達が何かしてくれるって言うから任せたんだけど、とにかく西門関係者の余興が長く・・・。1番手は後援会長の詩吟。詩吟は...
「ただいま・・・・・・」「ぱっぱだぁ~~~!」「おかえり~~~~~!!」流石にその日は定時では帰ることが出来ず、類がマンションに戻ったのは20時過ぎ。子ども達はすでに風呂を済ませていて、パジャマ姿で出迎えてくれた。2人を同時に抱き締めて、出て来た言葉は「お腹空いた~」・・・つくしはソワソワしながらリビングのドア付近で待っていたが、それを聞いて急いで夕食をテーブルに並べた。あまり食欲がなさそうだったので、作...
結婚式&披露宴にもその時代の流行りってもんはあると思う。なにも面白くて珍しいことをしたいとは思わないけど、西門は超古風というか、何と言うか・・・さっきから西門の関係者のスピーチが長い長い!新婦側には話す人がいないから、ここぞとばかりに後援会のお爺様や何処かの会社の社長さんがお話ししている。それをニコニコしながら聞いてる総二郎だけど、膝の上の手はすでに握り拳・・・そうとうイラッとしてるんだろうなって思った...
金曜日の朝はいつもと違う空気が流れていた。それは類が取締役会を開催する日・・・朝早くに目が覚めたつくしと類は、お互いに言葉を交わさずにピリピリとした中で過ごしていた。類は黙って窓の外を見ている。まだ薄暗く、天気は午後から雨になるらしい。つくしはキッチンで珈琲の準備・・・今日の類は何も食べそうになかったが、せめて少しでもと思い、ひと口サイズのサンドイッチを作った。「類、珈琲が入ったよ」「・・・・・・・・・・・・」「身...
折角気分良くここまで来たのに、おかしな3人組みのせいでモヤモヤと・・・それでも巫女さんが現われて、いよいよ本殿に入るって時になったら気分はガラリと変わった。まずは参進の儀と言って、神職さんと巫女さんの後に付いて新郎新婦、両家の親、親族の順に本殿に向かう。中に入ったら神前に向かって右に新郎側親族、左に新婦側親族が入場後、私たちと神職が入場。本当はここで仲人さんも入るんだけど、今回は仲人さんはなし。理由...