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  • 日々の恐怖 1月30日 ガキの頃の話 (6)

    日々の恐怖1月30日ガキの頃の話(6)しばらく沈黙のやりとりが続いた後、そこはやはりリーダーなわけで、Sが最初に沈黙を破った。「見ただけで、何で俺たちと分かるんや。俺たちの顔まで見たんか?俺ら一人一人の名前も分かるんか?」教師らは誰も口を開かない。立場が逆転したようにSは続ける。「証拠もないのに、呼び出してええんか?悪さって何や?俺らが何したって言うんや?」と、一気にまくしたてたSに、「言うてええんか?」と、Sの担任がSを牽制したが、勢いが止まらなくなったSを誰も止めることは出来なかった。「言わんかい!」と、売り言葉に買い言葉なSをみて、俺はバレた後のことを考え始めた。しかし、どう考えても、それは胡麻化しようがない状態な訳で、俺は親に知られてぶん殴られることを覚悟するしかなかった。そして、俺の担任が俺に言...日々の恐怖1月30日ガキの頃の話(6)

  • 日々の恐怖 1月22日 ガキの頃の話 (5)

    日々の恐怖1月22日ガキの頃の話(5)帰り道の途中、どちらかが言うわけでもなく公園に立ち寄り、俺とKはブランコに腰をかけた。「Mがチクったんやろ?」最初に口を切ったのはKだった。「何でや?自分も一緒に居て、Sにお菓子買って貰って食べた癖に。しかも、Sは兄ちゃんやぞ。」とKはつづけた。「だいたい、誰にチクったんやろ?」そんな話をしながら何も答えもでず、Mは裏切り者ということだけが延々と繰り返された。それからしばらくしてSは学校に登校してきたけど、何となく俺もKもあの日以来、SとMに近寄ることを避けた。放課後に4人で帰ることも遊ぶこともなく、自然と俺・KとS・Mという組み合わせで別々に帰る日が続いた。喧嘩をした訳でもないから、気まずいまま数週間が過ぎた頃、担任から呼び出しをくらった。体育係だった俺とKが、放課...日々の恐怖1月22日ガキの頃の話(5)

  • 日々の恐怖 1月13日 ガキの頃の話 (4)

    日々の恐怖1月13日ガキの頃の話(4)風邪の割には中々登校してこないSを、俺もKも心配して何度もMに、「Sの風邪、大丈夫か?」と尋ねても、「Sは熱と言ってもそんなに高熱じゃないし、咳も出よらん。元気にしとるけど、体にブツブツが出来て、それが引かんから登校出来んだけ。」と聞かされた。医者に行ったけど伝染病の類いでもないし、蕁麻疹と診断され大事をとって休んでるとのことだった。それを聞いて安心した俺とKは、「うつる病気じゃないなら会いに行けるし、今日、一旦家帰った後お見舞いに行く。」とMに伝えた。放課後、見舞いに行くとMから聞かされた通り、Sは元気そうな様子で俺らを迎えてくれた。「悪いな。大したことないんやけど、おかんが外に出してくれんのや!」と、ふて腐れたようにベッドに座りながら、俺が親から手渡された差し入れ...日々の恐怖1月13日ガキの頃の話(4)

  • 日々の恐怖 1月4日 ガキの頃の話 (3)

    日々の恐怖1月4日ガキの頃の話(3)そんな俺らを気にも止めずSは、「あのおっさんが賽銭置きに来よったん辞めたんやろ。あいつ、俺が盗みよるの見たから置きにくるん辞めたんやわ。」Sによると最後の賽銭に有り付いた日、その日は五百円玉と十円玉が数枚。「まぁ、こんなもんか・・・・。」と賽銭をくすねて駄菓子屋に向かうために山を下りようとした時、山の反対から男が登ってくるのが見えた。賽銭泥棒がバレたと思ったけど一向に男は神社に入ってくる気配もなく、ただじっとそこに立ち止まっていただけだった。何故、俺達に今まで黙ってたかと言うと、”誰もおっさんの気配に気付いてないことが怖かった。みんなに確かめて、おっさんが自分にしか見えない存在だとしたら、それを認めるのは怖い。”というようなことを言った。Sの話を聞いて薄ら寒いものを感じ...日々の恐怖1月4日ガキの頃の話(3)

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