日々の恐怖11月16日国有鉄道宿舎(3)とりあえず何とかなってるからいいか、と思っていたのも束の間、ある日、夜8時過ぎに電話がかかって来た。障子の向こうから、とうに亡くなったはずの自身の祖母から語りかけがあった、という電話だった。今現在、襖が開かないので外に出られない。どうしよう、というものだった。内容が内容だけに、合鍵を持って今から宿舎に行くことになり、中学生の私も同行することになった。ただでは行けないので、知り合いのお寺でお札と御守りを貰って行くことにして、さっそくお寺に電話すると、「すぐ来なさい。」とのこと。お寺でお経をあげてもらい、お札と御守りを持って父のいる宿舎へと向かった。片道1時間半ほどで着き、玄関を開けた。確かに父のいる寝室だけ電気が点いていたが、すぐに宿舎中の明かりを点け、寝室の襖を開け...日々の恐怖11月16日国有鉄道宿舎(3)