篤胤による釈尊への総評(拝啓 平田篤胤先生50)
江戸時代末期の国学者・平田篤胤(1776~1843)の『出定笑語』の内容は、一言で言えば仏教批判である。当然にその矛先は、仏教の開祖である釈尊(釈迦牟尼仏)へと向かうが、その向き方は遠慮が無いというか、批判ありきで見ているところもある。今回は篤胤の、釈尊への総評である。見ておきたい。さてかやうに老衰しつゝ、年八十の時とんと床へついたでござる。夫は大般涅槃経と云経に、我今背疾、挙体皆痛、我今欲臥、如彼小児及常患者といつて、右脇に臥たと云事が有。然るを後世の僧どもがまた説を作りて大論などに、仏は金剛の体なれば実にはやまひと云事はなけれども、方便して病悩があるやうに示現したものじやなどゝいつたでござる。然れども、こりやけつく贔屓のひきだおしというもので、ちやうど儒者が聖人を引たふすとおなじやうなことでござる。実...篤胤による釈尊への総評(拝啓平田篤胤先生50)
2025/04/30 07:34