奥羽本線陣場駅の冬、その2
南岸低気圧による豪雪で乱れたダイヤを回復すべく奮闘する蒸気機関車と鉄道員、雪くらいじゃ列車は止めないと言う気合と誇りが満ちていました。 猛然とラッセル軌道モーターカーを押し上げるD51。奥羽本線を電化で追われる幾ばくもない命を燃焼させて峠に挑みます。当時、北海道連絡の大動脈であった東北本線や奥羽本線に配置されたD51には、車両限界いっぱいの大型の重油タンクが装備され、D51としては最大の出力を発揮していました。蒸気機関車は力行を続けるとボイラーの圧力が下がり馬力が落ちます、同時に連続するドラフトによって石炭が急速に燃焼するために火床に焚べた石炭も減り、空転した際に火床に穴が開いてボイラーの燃焼…
2023/08/18 20:43