エーゲ海クルーズを終えてラブリオンの港に戻ってきた。スーツケースを受け取ってホールを抜けると知り合いのギリシャ人日本語ガイド、アンナ(仮名)が手を振っていた。「お久しぶり!」と挨拶をして、お客さんともどもバスに乗り込んで出発した。走り出して一通り案内
添乗員のドキュメントストーリー。 いいことも悪いことも、いいツアーも悪いツアーも、いい客も悪い客も満載。 業界の裏話も時々出ています。現地の美しい風景も掲載。
当日朝、僕は最初に羽田空港の第二ターミナルに向かった。まずは10名のお客さんのお出迎えだ。「あら、今回はたったこれだけ?」集合後に目をキラキラさせて喜ぶマダム。でも、そんな都合のいいはずもなく、「いえ。この後第一ターミナルに移動してJAL便でいらした方々
「これは大変そうだな。」打ち合わせの書類を眺めながら思わずつぶやいた。「どうかしましたか?」隣に座っている若い添乗員が声をかけてくれた。彼は、添乗員ルームでたまに見かける人なのだが、国内専属で仕事をしているため、会話を交わしたのは初めてだった。「
一昨日トルコから帰ってきて、次は10日間ほど空けてクロアチア。その合間に東京見物ツアーの国内添乗をすることになった。で、準備を進めているのだが、東京の案内って難しいな。特に車窓。別に気取って言うわけではないが、ロンドンやパリのほうが簡単だぞ。アテネの車窓
とりあえず商談のチャンスは確実になくなったので、先方に電話しようとしたが繋がらない。どうやら通信インフラにも問題が発生しているようだ。この時代、メールは既にあったが海外用携帯での使用はまだそれほど浸透しておらず、この時点では連絡手段が断たれた状態であった
先日、スイス大使館で行われた取引先旅行会社のイベントに参加した。過去にその会社のスイスツアーに参加経験のある添乗員の中で、イベント実施日に日本にいる者たち五人が呼ばれた。旅行会社の販売促進に各国大使館が助力するイベントは、90年代の中頃から流行り始めて、
細身さんからの「助けて光線」がだんだんと強く太くなってきた。気が付くと背後の中肉中背レディースも何かを放ち始めていた。なんだか妙な責任を負わされているような気分になってきた。面倒くさいと思う一方で、へんちくりんなやりがいも感じていたような気もする。「
ちょっと前に参加したとある取引先での旅行イベントでの出来事。女性の四人組がいらしていた。もう参加するツアーは決まっていた。最初は他のスタッフが対応していたらしいが、非常に質問が細かいということでノルウェーによく行っている僕が呼ばれた。席につくなり一番
早朝く暗いうちにホテルを出て、打ち上げ場に着く頃にようやく薄明るくなってきた。多くの気球はまだ地面に横たわり、轟音とともに膨らませている最中だった。やがて立ち上がる。炎が上がると辺りのうっすらとした明るさはかき消されて暗闇になった気がする。搭乗したら最
今回行ったトルコツアーでは、気球での観光が含まれていた。打ち上げ場ではいくつかの旅行会社が一緒になる。搭乗する気球は違うが、A社の添乗員の僕はお客さんたちと一緒に乗った。B社の添乗員は乗らなかった。これは添乗員の意志ではなく旅行会社の方針だ。「いいなあ
久しぶりのトルコに行った。コロナ禍明けの物価高騰はどの国に行っても感じたが、個人的には今回のトルコが一番だった。ちょっと前まで円換算で300~500円程度、五つ星ホテルでも1000円少々だったビールがイスタンブール市内の普通のレストランで1200円、田舎でも800円以
いつぞやのトルコツアーでの話。朝、出発前に年配女性客に声をかけられた。「すいません。今さら言うのもなんですけど、実はシャワーと蛇口の切り替えが壊れていてシャワーをつかえませんでした。」「あら。どうしてすぐに連絡をくださらなかったんですか。」「だって
ツアーと添乗員だけで言えば、アンケートはかなりの高評価だった。スペインのハイライトを効率よく巡るコースそのものは秀作で、よほどの失敗をしなければ、参加者にはとても満足していただける内容だった。明神さんについては、七割のくらいの方は触れていなかった。いろ
「ねえ、さっき諏訪さんに何か言おうとしたでしょ?」武田さんは、目をキラキラさせている。「別に何も。」「いや、言おうとしていた。私には分かる!」分かるもなにも「でも・・・」と口に出していたのだからそりゃわかるに決まっている。「あんたは、どんな時で
「すみません、お待たせしちゃって。先にいらしてたんですね。」明神さんが、ほんの僅かでも気まずい思いをされないように配慮したつもりだった。「私の部屋のシャワーがどうしようもないポンコツでねー。ツートンさんを貸り切っちゃってごめんなさい。」武田さんも続
セビリヤにて。最後の観光を終えてホテルに着いた。この日の夕食はついていなかったので、これで解散だ。「明神さん、夕食はどうされますか?」バスからホテルの部屋に帰る前に僕はたずねた。このツアーでは、夜の自由食が三回あり、これが三回目だった。一回目は、
大聖堂の観光を満喫したお客さんたちを連れて、僕らは休憩場所の銅板細工屋に着いた。しっかり修行した職人たちが伝統工芸品を見事な腕前で手掛ける様子を、お客さんたちは興味があるフリをして見ている。トイレを使わせてもらうための「せめてもの礼儀」だった。「うちに
http://mastertwotone2020.livedoor.blog/archives/24270164.htmlhttp://mastertwotone2020.livedoor.blog/archives/24294683.htmlhttp://mastertwotone2020.livedoor.blog/archives/24303036.html(間が空いてしまったので、過去三話分のURLを貼っておきます)==
こんなことがあるんだと思った。その方は、日本人日本語ガイドとして、韓国人グループを三回も案内したことがあるという。日本の派遣添乗員には、育成の過程がある。一般的には、最初に東南アジアやインド、トルコなど優秀な日本語ガイドがいるところで案内人の動きを学び
プラド美術館を楽しみにされていた坂田夫妻はご満悦だった。特にご主人は、「こんなに読むはずないわよ」と奥様に突っ込まれながらも購入した画集とガイドブックを早速袋から出してニコニコしていた。「トイレに行ってくるね。」奥様がその場を立ち去ると、ご主人は僕の
クエンカからラマンチャを経てマドリッドに入るとほっとした。ここでの二泊滞在中の観光には、日本人の日本語ガイド(正確には通訳)と現地ガイド(こちらは英語のみ対応)がつく。マドリッドは人が多いしスリも多いが、案内する側のマンパワーがあれば、明神さんのフォロ
日本よりも遥かにコロナ禍を終えて日常が戻った欧州だが、その名残を見かける機会は日本よりも多い。北欧で見られるコロナ禍の名残り。もはやだれもきにしていないのだけど。面倒くさいから剝がしたり、取り除いたりしないのかもしれない。一方で、時々人混みでマスクをす
当時、僕が勤務していた旅行会社のブラックリストには、二種類あった。一つ目は、顧客同士でのトラブルにおける暴言、暴力。または添乗員が心身に危険を感じるような行為。今で言う極端なカスタマーハラスメントが原因となるもの。これは完全にその人の人間性や、団体旅行
上田さんは、北川さんのことを知っていた。管理職ということで、あまり添乗をする機会がない人だったが、前年の繁忙期に、人員が足りず一度だけ出た時に、たまたま彼女がいらしたという。帰国後の参加者アンケートに目を通しながら、上田さんは嘆いた。他のお客さんの北川
遠い昔。僕がまだある旅行会社の社員だった頃の話だ。年末年始のツアーに出かけた。行き先はウィーンとベルリンの二都市。12月30日にウィーンフィルのコンサート(元旦のニューイヤーコンサートと同内容。30日から三日間同じコンサートが開催されて、元旦だけテレビ中継され
http://mastertwotone2020.livedoor.blog/archives/23512759.html↑ ↑ ↑エピソード①と間が空いてしまったので、前回分のURLを貼っておきます。内容を忘れてしまった方はご覧ください。 翌日、バレンシアからクエンカに移動して観光を始
韓国ツアーでのバス移動中。ガイドさんがカップラーメンの話を始めた。「世界でのカップ麺のシェアは、日本が最高だけど、最近は韓国も頑張っています。特に、ロシアでは、辛ラーメンが他を圧倒しています。」「へー・・・。」「私が思うに、ロシアは寒いから、唐辛子
実は、フィンランドのヘルシンキに、馴染みのSUSHI屋がある。寿司屋でなくて敢えてSUSHI屋だ。お店の名前はHAIKU。アルファベット表記と一緒に「俳句」でなく「句」の文字だけがある。こんな名前なので日本人が経営者だと思ったら、中国系のアジア人だった。スタッフも含めて
駐車場から歩いていくと、広い吹き抜けのホールが見えてきた。その中心に石像見えた。かつて考古学博物館入口に立っていた石像。足元には水をたたえていた。近づくとやはり大きかった「ん?あれって前はカイロの博物館の入り口にあったやつだ。」引っ越しを済ませたとは
ノーベル博物館内にある土ショップの入り口。右上にマークした青い円内に山中伸弥さんの椅子が飾られていた。スウェーデンはストックホルムのノーベル博物館。ここの土産ショップの入り口には、かつて山中伸弥さんのサイン入り椅子が飾られていた。他の受賞者のサイン入り
北マケドニアからコソボに向かう車窓より。3月は、まだまだ雪山が目立つ久しぶりにバルカン七カ国のツアーに行かせてもらえた。道路事情はイマイチだし、毎日ホテルの到着時間が遅いし、観光案内は難しいのに日本語ガイドが一人もいないから英語ガイドの通訳が大変だし、そ
リスボン市内の闘牛場。地下はショッピングモールになっている。とあるポルトガルツアーにて、リスボンに着く前に、現地手配会社から連絡があった。「リスボンの市内観光で、ガイドの見習いを同行させてもよろしいでしょうか?東京のツアー担当者には許可を得ています。添
円安と物価高で、年々上がる海外旅行ツアー代金。しかしながら、コロナ禍でため込んだ気持ちが、まだまだ消費者には残っているようで、参加者は増え続けている。本当にありがたい。いつ減少し始めるか分からない恐怖感を抱えながらも、嬉しさと感謝でいっぱいの気持ちでいる
このシリーズは、既に終えたつもりでいたが、このブログ自体コロナ禍をきっかけに書き始めたものなので、筋を通して言及しよう。デジタル庁が、コロナワクチン接種証明書アプリのサービス停止を発表した。国内でも海外でも、提示機会がほぼなくなり、もはや役割を終えたとい
明日からエジプト。今回お世話になる日本語ガイドとは、とあるSNSで繋がっている。それを通じて、メッセージが来た。「すみません。お願いがあります。無理ならけっこうなのですが・・・。」日本人以上に正確な日本語を話す彼が、実に悲痛な書き方をしてきたので心配にな
初めてお会いした時は、「ちょっと元気がなさそうな方だな」という印象だった。お渡しした書類を、とても読みにくそうにしていた。「文字は大きめにしてあるのに。目が悪いのかな?」と思った。その取引先旅行会社での参加履歴はなかった。健康上の問題点等の申告履歴も
翌朝、前日までの天気が嘘のように晴れた。12月下旬。朝9時半頃のヴィレの街とスキー場。極夜の時期のスキー場は、いつもライトがついている。なお、これ以上明るくなることはない。実際よりも少しだけ明るく撮れたヴィレの朝この時は冬至の直前。一年で番暗い時期。ヴィレは
ホテルを出た。街中は、深夜なのにまだ大盛り上がり。さすがはサタデーナイトだ。騒ぎをよそに、僕は空ばかり眺めて歩きながら、一度転びそうになった。「『滑りやすいから、足元に気を付けてください』って、我々の添乗員さんは案内していましたよ。」お客さんにから
「よし!」と、小さく声を出しただけで、タバコをふかしたような白い息が出るバルコニーから部屋に入り、僕は、お客さんの部屋に電話をした。若い一人参加の女性、機内でオーロラを見られなかった女性客は、すぐに反応した。若い女性客は、僕と同じで星空を眺めていた。新
夜のレヴィの街を行き交う人々。4日目の朝。雲は空高くに立ち込める靄に変わったが、相変わらず晴れる気配はなかった。朝9時過ぎ頃。ヴィレは極夜の時期ではあるが、太陽は地平線の浅いところまではやってきて、多少は明るくなる。僕は、お客さんたちに、スキー客でなくて
超便利アイテムオーロラアプリを手に入れたものの、入ってくるのは悪い情報ばかり。オーロラの発生に関してだけ言えば、ツアー期間中の条件は良かった。だが、見えるとなると毎晩分厚い雲に邪魔をされた。「晴れれば、オーロラを見られる可能性が高い」というアプリの
日本が大変なことになっており、新年の挨拶を憚りましたが…今年もよろしくお願いします。昨年に続き、新年はエジプトで迎えました。観光には、アブシンベル神殿の日の出が含まれておりまして、つまりこの日のそれは初日の出に当たっておりました。初日の出というお日柄です
2023年は、このシリーズの記事を書いたろうか?おそらく今年最初にして最後の記事。そして、シリーズ最終回。いきなり書こうと思ったのは、僕がかつて所属していたワクチンコールセンターが、今日で終わったから。「まだあったの!?」と、思われた方が大半だと思うが、実は
いつもご購読いただいてありがとうございます。既にご存知だと思いますが、LINEのブログリーダーの更新通知サービスが終了しました。便利だったのに、残念です。つきましては、今後の更新通知をを得るには、ライブドアのアプリをインスト―ルをしていただき、その中でフ
オーロラを絶対に見る方法。実は、ないこともない。正確にはほぼ絶対。現在、航空機の欧州線ルートの大半は、北極圏の中を通る。この時が、最高のオーロラチャンスだ。上の写真のように、オーロラは北極圏で輪状に発生する。この中を通る航空機に乗っていれば、左右どち
オーロラのツアーが割り当てられた時は、いつも憂鬱な気分になる。きれいなパンフレットを見て、美しいオーロラを見られる前提でツアーに申し込む一般客と違い、見られなかった最悪のことを考えてしまうのは、添乗員の性だろう。自然現象だけに、自分の力ではどうにもでき
ロンドン近郊のウィンザー城。イギリス王家の居城には、いつも観光客が絶えない。城の素晴らしさは有名だが、空港の近くにあることで、常に低空飛行の航空機が上空を過ぎていうことでも知られている。観光客の多くは、城を眺めながら、いつも空を見上げているが、この日
前日に書いたマナーハウスホテルの続き日帰り観光客がいなくなる夕方。カッスルクームはすっかり静かになる。その時間帯を見計らって、僕は四人のお客さんたちと村の中に出た。お目当ては、知られざるケーキの名店。「そんな素敵なお店あったかしら。」マダムの一人
ガイドブックにもよく載っているイギリスはコッツウォルズの名所カッスルクーム。村の中にはわずかなパブレストランと、ティーサロンしかない。午後三時半には薄暗くなってくるこの時期、窓の明かりには暖かみを感じる谷底にあるから、街の外側を走る車の音も聞こえない。
久しぶりの投稿です。ロンドンのコンラッド・ロンドン・セントジェームズパーク。高級感溢れる素敵な部屋やサービスはもちろん、ウェストミンスターもバッキンガムは余裕の徒歩圏内。ピカデリーだって25分ほどという絶好の立地。贅沢この上ないこのホテルで、クリーム
ポルトガル中部のアベイロ。ここは、旧駅舎の外壁が、アズレージョという美しいタイルで覆われていることで知られている。90年代は、まだ現役の駅だった。同じ敷地内に新駅舎ができて、こちらは保存されることになり、現在に至る。コロナ禍前、最後に来た時は柵で囲まれて、
「ツートン君、ちょっといいかな。」声をかけてきたマネージャーのPCには、取引先のウェブサイトが表示されていた。よく見ると、「マスター・ツートンがご案内する」がおすすめポイントのひとつになっているツアーだった。最近、一部の取引先は、添乗員の名前を入れてツアー
2017年は、こんなだったサンチャゴ・デ・コンポステラ大聖堂。この前、お客さんにコロナ禍前は工事中だったと言ってしまったけど、2019年の春にはこんな感じで、殆ど外観の修復は終わっていたようだ。現在は、聖堂正面にある州庁舎を大々的に修復している。今回訪れた時の
あくまで個人的な感覚や相性の問題かもしれないが、ルフトハンザ航空は大好きで、添乗員としてもっとも信頼している航空会社のひとつ。本日、羽田を1時間遅れで出発。フランクフルトでの乗り継ぎが、元々1時間20分しかなかったため、計算上は20分というタイトな乗り継ぎとな
先ほど、となりで受付していた添乗員とお客さんのやりとり。「お客様、お顔を覚えたいので、マスクをお取りいただけますか?」「はいよ。」「どうもありがとうございます。」「僕の場合は、これ(ツルツルの頭を指さして)が目印になるよ」「いえ、そういう方は、他にもたくさ
「ツートンさん、私、ここの観光に参加しないでバスで待っています。いやね。会社のミーティングに参加しないといけなくて。いや、同僚から頼まれたんですよ。聞いているだけでいいから、この会議には参加してくれって。」こんなことを仰るお客さんが増えつつある。その
「Oh!」薬局の女性店員は、僕の歯の様子を見ると、両手で口を覆いながら世紀の大悲劇に遭遇したかのような表情を見せた。確かに、僕の状態はそれに近いものではあったかもしれないが、それにしても大袈裟なリアクションだった。「どうにかできませんか?」切なく訴える
朝、神秘的な光をたたえる外の風景に気付く。部屋の前に広がっていたのは、黄金色に輝くぶどう畑。でも、まだ僕の歯はなかった・・・。朝のぶどう畑は美しい「ふー・・・」と、大きく息をつくと、欠けた歯の隙間から息が抜けていった。このように書くと、けっこうな笑い
昨日、マルタとチュニジアのツアーから帰ってきた。季節外れの暖かさでずっと半袖で過ごせて季節感なし。まあ、天気はよくて助かったけど。いろいろネタはあるけれど、まずは「歯なしの添乗員」の続きを書かないとね。でも、まだそんな元気はないので、とりあえずマルタの
昨日は、トルコ航空でマルタ島に出発した。今、乗り継ぎのためイスタンブールにいる。LVのデコレーションがいつもながらすごい。モニターには、英語表記と並行して、時々目的地の言語に表示が切り替わる。さすが、Meeting Point of the World を自負している空港だけある。
この日に泊まった古城ホテル。でも、僕の歯はなかった。欠けた歯をはめ込んでみた。不安定ではあったが、落ちずには済みそうだ。「とりあえずごまかせるかな。いや、ごまかさなきゃ。」口の中をいろいろ探りながら確かめてみた。サ行とタ行の発音は前歯の近くに舌がいく
カルカソンヌのライトアップ。フランスで一番美しいライトアップとも言われている。本当は、逆側から撮る全体の風景が良いのだが、今回は機会がなかった。朝日に染まる旧市街。朝早めに散策を始めると、中世の様子を残した街並みを満喫できる。その日は、カルカッソンヌの観
パリ近郊のジベルニー。モネの家にある日本庭園。静かな水面に睡蓮が映えていた。このツアーで訪れた2日後には閉まり、来年4月まで開かない。ここを楽しみにされている方は多い。近年、オーバーツーリズム気味ではあるが、この日は比較的空いていた。手続きを無事に終えて他
紅葉に染まるフィヨルドは初めて見た。まさかこれほど美しいとはその日、ストックホルムでの自由行動中、僕はお客さんへのプレゼントを選んでいた。「なに買おうとしているの?奥さんへのお土産?」外から僕の姿が見えたのだろう。中年女性客の二人組が店に入って来た。
こぼれ話 パリの五つ星でのチェックアウト③ 宿泊客とホテルスタッフの関係
ベルサイユ宮殿。パリの有名観光地はどこも混雑しているが、ここも例外ではない。今回は、庭園も含まれていたので、よりお楽しみいただけたようだ。とても協力的なお客さんたちは、次々と支払いを終えて雑談をしていた。「このドライクリーニング代、僕のデポで落とさない
走っているバスの中より。凱旋門のアーチの向こうにシャンゼリーゼが伸びる。遥か彼方にはにコンコルド広場とオベリスク。ホテル近くのデパート。ギャラリーラファイエットのホール。この写真は今回ではなく、2019年のクリスマスシーズンに撮影たもの支払いを控えたお客さん
パリには何度も来ているのに、ついつい撮ってしまうエッフェル塔。建物に敬意を払うかのごとく、すぐそばにあるのは街路樹くらいで、とても見通しが良い。フランス人は、自分の街のシンボルを、とても大切にすると思う。もうひとつのパリのシンボル・ノートルダム大聖堂。火
バルトより お一人専用ツアーは出会いの場ではありません(笑)
順調に行程を終えて帰国日を迎えた。現地ガイドに案内されて、タリン国際空港でチェックインカウンターに並んだ。手続きを一人一人済ませていく。すると、ガイドが僕に話しかけてきた。「どうして皆、一人ずつチェックインいているのですか?夫婦やお友達同士なら、一緒
「ヴィリニュスの案内は不満でした。ガイドの言っていることが二割くらいしか分からなかったです。」ある日のランチの時、複数のお客さんたちとの会話の中で、一人の女性客が言った。「そんなに分かりにくかったかな・・・。」僕は、首をかしげた。ガイドの日本語は、
この時に楽しんだバルトのグルメ。ゼペリーニ。旅行会社のパンフレットや添乗員の案内では「じゃがいもだんご」と紹介されることが多い。イタリアのニョッキを田舎くさくした料理。ドイツでは、付け合わせで出てくることが多いが、こちらではメインディッシュ。中にミート
5月以来の北欧。この前、バルトのツアーに行った時、終盤は涼しくなったから、今回も心地よい涼しさを感じられると思ったら…また夏がぶり返している。バルトも同じ状態らしい。ほんと、いつになったら涼しくなるのだろう。今はコペンハーゲンにいて、これから北上するから、
逆光を利用して、十字架で太陽を隠すか隠さないくらいのところで撮ると、それなりに神秘的になる十字架の丘。宗教施設で写真を撮る時に意識すべきは光だと思う中世には、子供の病気が治ったことで、神に感謝して十字架を立てた家族がいたという。19世紀半ばには、重い病気
杉原記念館には、小さいがある程度の品数を揃えた売店がある。ここの売り上げは、施設の運営に役立てられている。「寄付金箱に小銭をお入れいただくのもいいけれど、皆さんの記念になるものを売店で買われると、寄付も兼ねて一石二鳥です。」マリウスは、僕のそういう案内を
杉原さんの執務室。残っていた写真などを元に再現したもの。家具や調度品は、その時代のものではあるが、本人が使っていたものではない。机の上のものは、すべてレプリカ。カウナスの駅にある記念レリーフ。彼は領事館を出て、列車でカウナスを出発する直前まで、ここでビザ
ヴィリニュスの聖ペテロパウロ教会の内部。17世紀の建築。内部の白亜の壁は2000体の漆喰彫刻で埋め尽くされている。イタリアから呼んだ彫刻家が、200人のリトアニア人を使って完成させた。地味なイメージがあるバルト三国だが、派手に目を引く見どころは少なくない。ここはそ
リトアニアのカウナスにて。店の窓辺に置かれた猫。ヨーロッパでは、時々この手のしゃれたデコレーションを見る。 「普通のツアーに一人で参加すると、どうしても気を遣うの。分かるでしょ?」確かに気を遣うべきケースはたくさんある。食事時は、夫婦や友達同士が離れな
リトアニアのトラカイ城。大きな湖に浮かぶ浮き城のように見える。男性陣にとって幸運だったのは、ツアー開始当初、食事時のテーブルが常に四人また五人掛けのものが5つ用意されていたことだ。たまたまそういう手配のレストランが重なった。大人数テーブルに男女混合に座り
お一人様参加専用ツアーにいらっしゃる方々のコミュニケーション力は素晴らしい。特に女子。初日のツアー受付時には、すでに自己紹介が始まっていて、乗り継ぎのヘルシンキ空港に着いた時には、既にある程度のグループが出来上がっていた。なんだか、中学、高校のクラス替
8月25日朝6時21分。ヘルシンキ空港。この時期になると、さすがに夜明けが遅くなってくる。毎日7、8分の単位で日が短くなっているのだから当然だ。ツアー中でさえ、それを感じるかもしれない。今回の行き先はバルト三国。北欧ほどではないが、ヨーロッパ北部であることは間違
「私、ドイツに来たらソーセージとビールばかりだと思っていたの。」「まさか(笑)そんなわけわりません。」「そうね。けっこういろいろ出て来て、わりと美味しいわね。」好みはあるだろうが、今時、そんなひどいものを出すところは、逆に珍しい。「心配で、日本から
昼間の活気あるローテンブルク。少し余裕があるなら、城壁の上を歩きたい。歩く価値があるのは、プレーンライン辺りからレーダー門、ガルゲン門を抜けてシュランネ広場まで。あるいはそのすぐ西にあるクリンゲン門まで。この間の一部だけでもいい。観光客で賑わう中心地
ある一人参加専用ツアー。参加者は全部で19人。内訳は女性16で男性は3。最近のツアーは、常に女性のほうが多い傾向にあるが、こと、一人参加ツアーとなると、それが顕著だ。この数の比率は、出発前の挨拶電話で、お客さんたちにお伝えした。特に男性客には心の準備が必要だ
ローテンブルクの聖ヤコブ教会内にある「聖血の祭壇」。最近のツアーでは、ほとんど観光に入っていないが、今回はローテンブルクに二泊するということで、久しぶりに案内できた。ドイツには、比較的よく来るのだが、この祭壇を案内するのは12年振りだった。祭壇は、3.5
久しぶりにある外資系航空会社に乗った。以前と変わらない、きっちりとしたサービス。ビールの種類が変わっていて、少し残念だったけど、食事はそれなりだったし、スナックにおにぎりはあったし、・・・多少、食事の内容が落ちた気はしたけど、言われてみればというレベル
今日、2023年8月11日は、2019年8月以来のお盆ツアー出発日ということで、ここに記しておこう。2020年を思い出すと悲惨だけど、2019年の夏頃は充実していた。タイトなスケジュールをこなしながら、日本で開催されるW杯ラグビーのチケットをいかに手に入れるかばかりを真剣に考
先日、スイスより帰国した。最近のツアー。特にスイスでは、食事をある程度抜いて自由食にしてある手配が目立つ。今回は、その案内に苦労した。コロナ禍が始まる前、スイスフランのレートは115円前後だった。それが、現在は167円前後。米ドルやユーロの高騰ぶりはよく騒
以前紹介した群馬県の梨木館に行ってきた。http://mastertwotone2020.livedoor.blog/archives/15237265.html相変わらず広い部屋と適温の温泉でのんびりできた。今日は、この旅館の食事の紹介。観光地でない温泉旅館ということもあり、食材は全て地元のもの。胡麻豆腐などの前
検疫で不要になってからも、頑なにビジットジャパンウェブを使っている。だって紙の税関申告書を書きたくないんだもん。ヨーロッパだって、いちいち紙で書かせるところなんてもはやないしね。で、コロナ禍以降初成田だったんだけど、同じウェブでも、羽田とは段取りが違った
2022年10月に海外添乗復帰以来、13本目のツアーにして、初めての成田空港。個人的には、2019年3月に香港からの羽田便が欠航になり、成田便に振り替えて着陸して以来の成田だ。随分と長い間来てなかったんだなあ。あまりにも久しぶりだったから、間違えて羽田空港に行かないよ
一般的なフランスのツアーを案内をしている時に、時々お客さんから「本格的なフランス料理を食べられると思っていた」と言われることがある。気持ちは分かる。だが、普通のツアーでは難しい。高級レストランとなると、食事時間をどんなに短く見積もっても二時間半はかかる
この前航空機に乗った時、隣が母親と赤ちゃんだった。正直、ついてないなあと思った。機内でギャン泣きする赤ちゃんには時々悩まされる。仕方ないことだから、腹が立つわけではないのだが、添乗中の貴重な休憩機会である機内の時間を失うのはストレスだ。しかも、今回は隣
エールフランス機内より3.11のシリーズをほとんど書き終えていたのに、アップできずに出発してしまった。やはり添乗前の準備中は緊張するのかな。前日の午後くらいからブログを書くどころじゃなくなる。以前は、この緊張感に自分で気づかなかった。まさか、これほど添乗以外
http://mastertwotone2020.livedoor.blog/archives/14390127.html(これまでの登場人物は、こちらでご覧ください。)例によって間隔がかなり空いてしまったので、過去5話分の話を添付しておきます。http://mastertwotone2020.livedoor.blog/archives/18502129.htmlhttp://mas
ストックホルムにて ちょっと変わったホテルの紹介 Scandic Victoria Tower
スウェーデンのストックホルム郊外キスタ地区。比較的、見渡しが良いところで、ひとつだけ、やたら高い塔が現れる。スカンディック・ビクトリアタワーホテル。予備知識なしで、これをホテルだと思う人は少ないと思う。「ツートンさん、あれはなんですか?」バスで後ろに
コロナ禍後、添乗現場が変わってきた。一番嬉しいのは、多くの旅行会社で、添乗員にWIFIルーターが支給されるようになったことだ。一番欲しかったものが、ようやく現場で利用できるようになった。添乗中、特によく使うのがグーグルマップ。大都市の真ん中で、自由行動が
湖水地方での宿泊初日。ディナーの後、誰から言い出すともなく、湖畔にあるホテルの庭園にみなさんが集まっていた。晴れた日の夕方の風景を涼みながら楽しみたかったのか、それとも食事中に話し足りなかったのか。ひょっとしたら、単純に部屋に帰りたくなかったのかもしれ
添乗員は、ある程度経験を積むと、「確かな自分のやり方」に辿り着く。この前、僕はそんな場面に出くわしたかもしれない。久しぶりに後輩添乗員と会った。僕が作った「ツートン塾」という添乗員のコミュニティーのメンバーで、その中でも優秀な人材だ。LINEなどで時々やり
時は三日ほど遡ってスコットランドのエジンバラ。郊外にあるホテルは、小高い丘の上にあり、ごらんの景色を眺めながらの朝食となった。いろいろ言われているイギリス料理・・・いやここではスコットランド料理か。ガイドブックでよく見る「『イングリッシュ・ブレック
こぼれ話 イギリスで料理を美味しくたべさせようとする添乗員の努力
この日は、コッツウォルズの観光をして、そのままロンドンに入る行程だった。6月中旬のコッツウォルズは、気候も風景も最高で自然と足が進む。だから「私、歩くのが苦手なの」と言う人も、知らないうちに歩数計の数字がとんでもないことになっていることがある。 正直
ツアー中、ホテルの立地が街の中心だったら、ディナーの後、近所のバーやパブに案内することがある。日本で言うと、ただの飲み屋なのだけど、意外とお客さんには喜んでもらえる。ふだんアルコールをたしなまず、日本では外に飲みに行かない方ほど乗り気だったりするから面
クロアチアとスロベニアのすすめ③ 最終回 アドリア海沿岸の魅力
さて、いろいろあってだいぶ間が空いてしまったけれど、久しぶりにブログ再開。「クロアチアとスロベニアのすすめ」最終回は、アドリア海沿岸からお送りします。まずはイストラ半島。スケジュールの余裕がないと訪れないこの半島には、魅力あるところがたくさん。中世の
「ブログリーダー」を活用して、マスター・ツートンさんをフォローしませんか?
エーゲ海クルーズを終えてラブリオンの港に戻ってきた。スーツケースを受け取ってホールを抜けると知り合いのギリシャ人日本語ガイド、アンナ(仮名)が手を振っていた。「お久しぶり!」と挨拶をして、お客さんともどもバスに乗り込んで出発した。走り出して一通り案内
修理しながら辛抱強く使っていたスーツケースにとうとう別れを告げた。これまでたくさんのスーツケースと付き合ってきたが、特に思い出深いものだった。五回ツアーに行ったところでコロナ禍に入り、しばらく部屋の隅で休んでいた。添乗に出ていないと整理していない服が
事故が起こったことにより、バス会社が行っている安全対策について書こうと思う。どの案件か特定を避けるため、地名や人名は数字とアルファベットで記載する。分かる人には分かるだろうけど「●●ですよね?」的なコメントは気付き次第即削除しますからご了承ください。以
2月頃、世間を賑わせたサントリーニ島および周辺の地震。島内の学校が閉鎖して、住民が島外に避難する事態にまで発展した。また、多くのクルーズ船が4月いっぱいの抜港を決定した。余震も続き、ツアーの催行も危ぶまれたが、大半のホテルやレストラン、土産屋が「例年通
チャムルジャモスク。2019年に完成した新しいトルコ最大のモスクは、イスタンブールのアジアサイドに一際目立って建っている。日本発着のトルコツアーで、アジア側の観光が組み入れられたものは珍しいが、今回はその機会に恵まれた。バスを降りて階段を上がってモスクが
洞窟ホテル。谷間の洞窟がホテルルームになっている。添乗員部屋がある谷底から撮影。最上部まで部屋。夜は雰囲気が変わる。どの旅行会社のトルコツアーでも売りのひとつになっているカッパドキアの洞窟ホテル。実は、けっこうな添乗員泣かせの代物。写真で見るときれいな
ANA利用で行くトルコツアーの仕事をいただいた。これまでいただいたトルコの旅は、必ずトルコ航空利用だったので、とても新鮮で楽しみにしていた。なんと言ってもコロナ禍明け初めてのANAだ。最近はJALやANA利用のツアーに恵まれていなかったもんな。やはり愛すべき日系航
マラケシュからカサブランカに向かう途中、サービスエリアのカフェにて。「ノスノス(モロッコでカフェオレのこと)をいただきたいのですが、カードを使えますか?」「はい、ご利用いただけます。」キャッシュレスの波はモロッコにも来ている。ヨーロッパほどではない
「今日は時間があるからゴシック絵画も見てみましょうか。」フィレンツェが誇る美の殿堂・ウフィッツィ美術館に入るなりガイドさんが言うと、一部のお客さんは喜んで頷いただけで、他の方々は少し遠慮したそうな表情を見せた。一般的にゴシック絵画は宗教作品が多く、キリ
日光東照宮は雪の中訪れた。札幌を除けば暖かいところばかりからやってきたお客さんたちは、寒さに震えていた。それでも僕に言わせれば、お客さんたちは幸運だったと思う。時期を選びながら余裕のある行程で天気予報をチェックしておけば、晴天時の訪問は可能だ。しかし
久しぶりに国内添乗に出た。1月末にフィンランドから帰って来て、次のエジプトまで二週間空いてしまったため、若手相手の研修やレクチャーに労力を費やしながら、国内の仕事をいただいた。「あしかがフラワーパークに行くツアーがありますよ!」アサイナーがノリノリで
まず、なんと言ってもツアー選びは大切だ。フィンランドやノルウェーであればオーロラエリアで3泊欲しい。現地ガイドやオーロラに詳しい添乗員も「3泊すればだいたい一回くらいは」と口を揃える。僕個人としては4泊は欲しい。昨年のフィンランドツアーでは、4泊中の4泊
去年はこんなの見られましたっけね正直、北欧のオーロラとはあまり相性がよくない。というか、アラスカやカナダのイエローナイフといった北米方面に比べると、北欧でオーロラが見られる確率は低い。いつか、個人的に添乗員たちに統計を取ったことがある。調査協力いただい
真冬のフィンランド。メインはオーロラ鑑賞だが、今回はいろいろ観光がついていた。そのひとつがトナカイのソリ体験。二人乗りのソリに分乗して雪原をゆっくりと進む。御者さんは歩いてトナカイを誘導しているので本当にゆっくりだ。今回は参加者が奇数だったので、僕は女
いつかNHKでノートルダム大聖堂復興の特集番組をやっていた。そこでは一般人には想像もつかない作業の手間や苦労が描かれていた。一番ショックだったのは、鉛の屋根が崩れ落ちて溶けてしまったことが原因で、かなり強く汚染されてしまっていた内部の状態だった。作業員は
冬の光はヨーロッパの建築物をきれいにしてくれる。上の写真はすべてスペイン年末年始のツアーは、家族連れが多い。母親と子供か両親と子供の組み合わせが大半だが、大抵子供は娘だ。しかし、今回は男性が大半を占めた。二十代から三十代前半にかけて「子供」の立場になっ
2024年最後の仕事となったヨルダン。ヨルダン観光のシンボル。ペトラ遺跡のエル・カズネこれが岩をくりぬいたものだというのだから驚く。インディジョーンズの映画でお馴染み噂には聞いていたが、想像よりも遥かに空いていた。イスラエルがパレスチナ、ヒズボラとの戦闘
今年もよろしくお願いします。昨年書かなかった分、今年はまた書いていきたいと思います。今年はスペインで新年を迎えました。にほんブログ村↑ ↑ ↑ ↑ブログランキングに参加しています。上位に行くと励みになるので、よかったら上のバナーをクリックしてください。
12月3日に帰国してその二日後の夜。変な夢を見た。どこかの国に入国する夢を見ていたのだが、どうしても自分のパスポートが機械からはじき出されてしまう。自分でどうやっても、係員が何をやってもだめ。先に通ったお客さんたちがイライラしている様子が目に入ってきて、
ここ数日、ちっとも思い通りに物事が進まないので気分転換にちょっと。この前、久しぶりにエジプトに行ったのだが、入国の際、係員にとうとう言われてしまった。ペラペラパスポートをめくりながら「すごいですね。エジプトのビザが七枚目よ。こんなに来るなら、どうして住ま
当日朝、僕は最初に羽田空港の第二ターミナルに向かった。まずは10名のお客さんのお出迎えだ。「あら、今回はたったこれだけ?」集合後に目をキラキラさせて喜ぶマダム。でも、そんな都合のいいはずもなく、「いえ。この後第一ターミナルに移動してJAL便でいらした方々
「これは大変そうだな。」打ち合わせの書類を眺めながら思わずつぶやいた。「どうかしましたか?」隣に座っている若い添乗員が声をかけてくれた。彼は、添乗員ルームでたまに見かける人なのだが、国内専属で仕事をしているため、会話を交わしたのは初めてだった。「
一昨日トルコから帰ってきて、次は10日間ほど空けてクロアチア。その合間に東京見物ツアーの国内添乗をすることになった。で、準備を進めているのだが、東京の案内って難しいな。特に車窓。別に気取って言うわけではないが、ロンドンやパリのほうが簡単だぞ。アテネの車窓
とりあえず商談のチャンスは確実になくなったので、先方に電話しようとしたが繋がらない。どうやら通信インフラにも問題が発生しているようだ。この時代、メールは既にあったが海外用携帯での使用はまだそれほど浸透しておらず、この時点では連絡手段が断たれた状態であった
先日、スイス大使館で行われた取引先旅行会社のイベントに参加した。過去にその会社のスイスツアーに参加経験のある添乗員の中で、イベント実施日に日本にいる者たち五人が呼ばれた。旅行会社の販売促進に各国大使館が助力するイベントは、90年代の中頃から流行り始めて、
細身さんからの「助けて光線」がだんだんと強く太くなってきた。気が付くと背後の中肉中背レディースも何かを放ち始めていた。なんだか妙な責任を負わされているような気分になってきた。面倒くさいと思う一方で、へんちくりんなやりがいも感じていたような気もする。「
ちょっと前に参加したとある取引先での旅行イベントでの出来事。女性の四人組がいらしていた。もう参加するツアーは決まっていた。最初は他のスタッフが対応していたらしいが、非常に質問が細かいということでノルウェーによく行っている僕が呼ばれた。席につくなり一番
早朝く暗いうちにホテルを出て、打ち上げ場に着く頃にようやく薄明るくなってきた。多くの気球はまだ地面に横たわり、轟音とともに膨らませている最中だった。やがて立ち上がる。炎が上がると辺りのうっすらとした明るさはかき消されて暗闇になった気がする。搭乗したら最
今回行ったトルコツアーでは、気球での観光が含まれていた。打ち上げ場ではいくつかの旅行会社が一緒になる。搭乗する気球は違うが、A社の添乗員の僕はお客さんたちと一緒に乗った。B社の添乗員は乗らなかった。これは添乗員の意志ではなく旅行会社の方針だ。「いいなあ
久しぶりのトルコに行った。コロナ禍明けの物価高騰はどの国に行っても感じたが、個人的には今回のトルコが一番だった。ちょっと前まで円換算で300~500円程度、五つ星ホテルでも1000円少々だったビールがイスタンブール市内の普通のレストランで1200円、田舎でも800円以
いつぞやのトルコツアーでの話。朝、出発前に年配女性客に声をかけられた。「すいません。今さら言うのもなんですけど、実はシャワーと蛇口の切り替えが壊れていてシャワーをつかえませんでした。」「あら。どうしてすぐに連絡をくださらなかったんですか。」「だって
ツアーと添乗員だけで言えば、アンケートはかなりの高評価だった。スペインのハイライトを効率よく巡るコースそのものは秀作で、よほどの失敗をしなければ、参加者にはとても満足していただける内容だった。明神さんについては、七割のくらいの方は触れていなかった。いろ
「ねえ、さっき諏訪さんに何か言おうとしたでしょ?」武田さんは、目をキラキラさせている。「別に何も。」「いや、言おうとしていた。私には分かる!」分かるもなにも「でも・・・」と口に出していたのだからそりゃわかるに決まっている。「あんたは、どんな時で
「すみません、お待たせしちゃって。先にいらしてたんですね。」明神さんが、ほんの僅かでも気まずい思いをされないように配慮したつもりだった。「私の部屋のシャワーがどうしようもないポンコツでねー。ツートンさんを貸り切っちゃってごめんなさい。」武田さんも続
セビリヤにて。最後の観光を終えてホテルに着いた。この日の夕食はついていなかったので、これで解散だ。「明神さん、夕食はどうされますか?」バスからホテルの部屋に帰る前に僕はたずねた。このツアーでは、夜の自由食が三回あり、これが三回目だった。一回目は、
大聖堂の観光を満喫したお客さんたちを連れて、僕らは休憩場所の銅板細工屋に着いた。しっかり修行した職人たちが伝統工芸品を見事な腕前で手掛ける様子を、お客さんたちは興味があるフリをして見ている。トイレを使わせてもらうための「せめてもの礼儀」だった。「うちに
http://mastertwotone2020.livedoor.blog/archives/24270164.htmlhttp://mastertwotone2020.livedoor.blog/archives/24294683.htmlhttp://mastertwotone2020.livedoor.blog/archives/24303036.html(間が空いてしまったので、過去三話分のURLを貼っておきます)==
こんなことがあるんだと思った。その方は、日本人日本語ガイドとして、韓国人グループを三回も案内したことがあるという。日本の派遣添乗員には、育成の過程がある。一般的には、最初に東南アジアやインド、トルコなど優秀な日本語ガイドがいるところで案内人の動きを学び
プラド美術館を楽しみにされていた坂田夫妻はご満悦だった。特にご主人は、「こんなに読むはずないわよ」と奥様に突っ込まれながらも購入した画集とガイドブックを早速袋から出してニコニコしていた。「トイレに行ってくるね。」奥様がその場を立ち去ると、ご主人は僕の
クエンカからラマンチャを経てマドリッドに入るとほっとした。ここでの二泊滞在中の観光には、日本人の日本語ガイド(正確には通訳)と現地ガイド(こちらは英語のみ対応)がつく。マドリッドは人が多いしスリも多いが、案内する側のマンパワーがあれば、明神さんのフォロ