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カイト・カフェ https://kite-cafe.hatenablog.com/

教育を中心に日々の関心事を書いています。基本的に週日更新。学校に合わせて長期休業も取っています。

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2017/12/16

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  • 「見ているようで見ていない」~体験が経験にならない不思議な話

    NHK大河ドラマではしばしば月が出て来る。 しかしその「月」を、 私たちは見ているようで、実は見ていない。 なんでもかんでも経験すれば何とかなるというものではないのだ、という話。(写真:SuperT) 【大河ドラマが今年も面白そう】 昨年一年間、ほんとうに楽しませてもらったNHK大河ドラマ「光る君へ」が終わり、今月から「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」が始まりました。 舞台となるのは江戸中期~後期の吉原遊郭です。実は学生時代から江戸の文化史には興味があって、吉原のこともけっこう勉強してきたのです。ですから「日本堤」だの「見返り柳」だの、あるいは「仲之町」だの「河岸見世(かしみせ)」だのといった単語…

  • 「今年はこうなる、こういう年」~2025年に予定されている主なできごと

    予定は未定、計画はしばしば倒れる。 だからどうなるか分からないけど、 2025年はこうなる(予定)! 2025年はこんなことの(◯)周年記念日、という話。(写真:フォトAC) 【2025年】 松の内も明けて気分も落ち着き、学校は今日あたりから3学期の通常運転といった感じでしょう。いかに惚けた子どもでも今週に至って正月気分ということもなかろうかと期待しています。 さて2025年。昭和世代にとっては憧れの21世紀も四分の一を終わろうという今年、いったいどんなことが予定されているのか、ざっと概観してみたいと思います。 西暦が4の倍数になる年(例えば昨年)は、閏年と夏季オリンピックとアメリカ大統領選挙…

  • 「歳をとると人的資産は減る一方で増えることはほとんどない」~高齢者の人間関係

    自分の周りから人がいなくなることに関して、 母はどのように対処してきたのだろう。 歳をとると人的資産は減る一方で、 増えることはほとんどないのだ という話。(写真:フォトAC) 【母はどのように人を失っていったのか】 97歳の母がいます。 ここまで長生きすると、すでに両親は他界し(当たり前ですよね)、三人姉妹に弟二人の五人姉弟のうち、姉二人、弟一人が亡くなって、残る一人も疎遠。自分も含めて姉弟の配偶者のうち残っているのは義妹ひとりになっています。 友だちは――亡くなったと明らかな人もいますが、みな長命なので、遠くに住む息子に引き取られただの施設に入っただの、そんなふうにしているうちにひとりひと…

  • 「年賀状にLINE:IDをつけた件、どうなったか」~ちょっと憂鬱な正月に考えたこと④

    年賀状にLINEのQRコードを載せてIDを報せる、 今年はひとりの利用者もなかった。 年賀状の程よい距離間からSNSへの移行は敷居が高いらしい。 怯えることもないが、期待できることでもないと思う、という話。(写真:フォトAC) 【年末にブログのアクセス数が上がって――】 日ごろはアクセス数が100~120といった私の弱小ブログ、ところが昨年暮れに突然200~300と跳ね上がりました。世間的にはお笑い種でも、私にしてみると大バズりです。 何があったのかと思ったらかなりの人が「年賀状にLINE ID」とか「年賀状じまい LINE ID」とかで検索をかけ、一年前の私の記事*1にたどり着いたようなので…

  • 「年賀状じまいにこころ暗くする」~ちょっと憂鬱な正月に考えたこと③

    とにかく今年は年賀状じまいも返信なしも多かった。 年賀状だけの関係は終わりにしようという意志表示。 しかし別の立場もある。それぞれの思いがあって、 伝統を閉じるのは実に難しい、という話。(写真:フォトAC) 【“年賀状じまい”が驚くほど多かった】 この正月が憂鬱だったのは、① 子どもたちが帰省しなかった、② 能登半島地震および羽田空港事故から一周年でテレビ番組等に振り返る機会が多かった、そして、③ 年賀状じまい、返信なしが驚くほど多かったこと、この三点によります。 特に③は深刻で、こちらが送った120通(妻の分、夫婦連名の分も含む)に対して、元日に届いた年賀状はおよそ半分。そのあとダラダラと昨…

  • 「しかしもはや集団では生きられない」~ちょっと憂鬱な正月に考えたこと②

    危機に際して欧米人は最後のひとりになる覚悟をし、 日本人は集団で守りに入る。 しかし今や私たちも、欧米人と同じ生き方を探り始めた。 もはや集団で生きるのは難しいのだ。という話。(写真:フォトAC) 【ホラー映画で、なぜ主人公たちはバラバラになるのか】 先週の土曜日、民放テレビで「ミステリーという勿れ(劇場版)」というドラマをやっていました。地上波初放送だそうで、テレビの連続ドラマの時は欠かさず見ていたので、さっそくかぶりつきました。 作品の感想などは別に書く機会もあるかもしれませんが、中にちょっと気になるセリフがあったのでメモしておきました。主人公の久能整(くのう・ととのう)が、登場人物たちを…

  • 「この国で生きていくための技能」~ちょっと憂鬱な正月に考えたこと①

    能登半島地震と羽田空港地上衝突事故から1年、 わが家でも家族がそろわない少し憂鬱な正月、 考えてみたらこの国の民は、 生れたときから、生き方に厳しい制限がかかっていた。という話。(写真:フォトAC) 【少し憂鬱な正月】 昨年の正月は長女の家族4人と長男夫婦、96歳だった私の母と私たち夫婦、計9名の賑やかな始まりだったのが、今年は子どもたちがそれぞれの配偶者の家で過ごす順回りなので、母と私たちだけ、たった三人の静かな元旦となりました。 しかも母は昨年の6月末から入所している老人ホームの生活にすっかり慣れ、車椅子を使って無理をしない生活を送っているため、足腰がずいぶん弱って寝室と居間との行き来も大…

  • 「教員採用試験の倍率低下、しかし教職人気の低下のためではないという」~大分県の奇跡

    キース・アウトを更新しました。 kieth-out.hatenablog.jp

  • 「明けまして おめでとうございます」~新年の御挨拶

    「明けまして おめでとうございます」~新年の御挨拶 - カイト・カフェ

  • 「今年気にかけた三つのこと」~今年のまとめ②

    今年、興味を持ったことは集約すると三つ。 “集団”を失っても私たちは生きて行けるのか、 日本人を日本人に育てる教育は何が何でも残す、 そして、光る君へ という話。(写真:フォトAC) 【「不適切にもほどがある」が指摘した令和の違和感】 今年前半のテレビドラマでもっとも心躍らせたのは流行語大賞にもなった「不適切にもほどがある」でした。中高年の圧倒的支持を取りつけ、昭和の風物が面白ワールドにしか見えないZ世代もウケて大評判となったドラマでしたが、30年かけて葬って来た昭和のセクハラ・パワハラ体質を復活させようという試みだと、一部から激しく非難された作品でもあります。 昭和の典型的オヤジ・体罰教師の…

  • 「介護の10年が終わる。自らの人生の聖地巡礼」~今年のまとめ①

    母を施設に入れた。 選択の余地はなかったが、姥捨ての気分は残った。 余裕が生まれたので百姓仕事の学び直しをして、 自らの人生の聖地巡礼に出た。我が青春を問うために という話。(写真:フォトAC) 【介護の10年が終わる】 偶然ですが10年ごとに人生を切り替えてきました。 20代は学生アルバイトも入れて家庭教師と塾講師で、30歳で中学校教師になって、40歳の時に小学校に異動しました。50歳代を管理職で過ごし、60代は――今のような定年延長も再任用もなく、講師として学校に残る道もありましたが「若い志望者の道を塞いではならない」と言われて席を譲りました。その譲った(講師の)席がわずか1~2年で埋まら…

  • 「クリスマス、オランダ冬至と、冬休み」~この時期の風物詩

    今日はクリスマス。 しかし必ずしもイエスの生まれた日ではないらしい。 この時期に重なるのは冬至と冬休み。 いずれを調べてもなかなか面白い。という話。(写真:フォトAC) 【クリスマスだけど、イエスの生まれた日かどうかは分からない】 クリスマスです。イエス・キリストの誕生日を祝う日ですが、イエスがこの日に生まれたという歴史的証拠はないのだそうです。 ただ、太陽が「1年でもっとも夜の長い日」に打ち勝って輝きを復活させる「冬至」と、mイエス・キリストの復活との対比から火を探って、4世紀の中頃、西方教会でこの日を誕生日とすると決めたようです。 北欧ではそれよりずっと以前から冬至を祝う習慣があり、イエス…

  • 「教師としてのアイデンティティの構築(手を抜くなら教科教育)」~縮小した学校行事をどうしようか④

    あれだけ盛りだくさんの「特別活動」なのに、 与えられた時間は年35時間だけ。 しょせん無理な話で、だったら自分流に、 価値を組み直すしかないだろう という話。(写真:フォトAC) 【あれだけの盛りだくさんを、年間35時間で行う】 日本の学校に特徴的な「特別活動」というのは、日本人の子どもを日本人に育てようというとんでもない試みですから、内容もとんでもなく豊かになり、そして時間もとんでもなくかかるものです。ところが呆れたことに、学習指導要領を見ると「特別活動」にかけることのできる時間は年間で35(授業)時間しかないのです。 例えば運動会の一日開催は6時間(実際に6時間かかったとしても、計算上は4…

  • 「修学旅行は思い出づくりではない。運動会は地域パフォーマンスではない」~縮小した学校行事をどうしようか③

    学校の「特別活動」は例外的な活動ではない。 日本の学校教育の根幹にある最も大きな柱だ。 しかしそれを見る立場はさまざま。 撲滅すべきと言う人と、これだけは残せという人と。 という話。(写真:フォトAC) 【「特別活動」という特別なもの】 日本の学校に特徴的な「特別活動」というのは、「特別な活動」といった一般名詞ではなく、学習指導要領のなかに定められた「教科教育」「道徳教育」と並ぶ大きな教育の柱を指す固有名詞です。その中身は中学校の場合「学級活動」「生徒会活動」「学校行事」の三つ、小学校ではこれに「クラブ活動」が加わって四つとなります。 「学級活動」は学級として行う活動のほぼすべて――係活動・当…

  • 「同床異夢:学校は何をするところか?」~縮小した学校行事をどうしようか②

    学校のアイデンティティ――活動内容の矛盾のなさ、統一性。 それがなくなって、学校は何をするところか分からなくなった。 そして、今の学校はオレの思う学校とは違うと、 みんなが怒るようになってきているという話。(写真:フォトAC) 【アイデンティティという面倒くさい用語の話】 できれば日本語に置き換えたいのにうまくハマって来ない言葉として「アイデンティティ(identity)」というのがあります。「自己同一性」「自己認識」などと訳されますが、「自我同一性」「自同律」と訳されることもあれば、「主体性」の意味で使われることもあります。ときに「個性」や「自我」などの意味でつかわれることもあって、その都度…

  • 「学校は誰のものか」~縮小した学校行事をどうしよう①

    令和6年は新型コロナ禍復興元年だった。 縮小した、あるいは中断した行事をどう扱うか、 夏祭りをどうするのか、町民運動会は復活できるのか――。 そしてそれが最も問題になり続けたのが学校だった、という話。(写真:フォトAC) 【だからこうなる】 妻が同僚の女性教師から、配偶者のこととして聞いて来た話です。その夫教師は小学校の教務主任をしていて、この9か月あまりの苦労話として、こんなことを言っていたというのです。 「とにかく今年はコロナ復興元年というか復旧元年というか、3年半で失ったもの、縮小したものを旧に復そうという年だったはず。ところが特に今年赴任してきた先生たちが、『せっかく縮小したものを元に…

  • 「紫式部の書いた第三の物語が『光る君へ』」~NHK大河ドラマが終わった

    NHK大河ドラマ「光る君へ」が終わった。 今回の大河は観方が特殊だ。 視聴者は推理劇を観るように、 脚本家の仕掛けを探った、という話。(写真:フォトAC) 【NHK大河ドラマ「光る君へ」が終わった】 NHK大河ドラマ「光る君へ」が終わりました。視聴率は「いだてん?東京オリムピック噺」に続くワースト2だそうですが、確かな爪痕を残したように思います。 個人的には、第2作「赤穂浪士」から60年間も大河ドラマを見続けてきた私にとっては、「平清盛」「麒麟が来る」「鎌倉殿の13人」を押しのけて、断トツの1位に上げたくなる作品です。吉高由里子の押さえた声と目の演技は毎回背筋が寒くなるほどすごかったですし、柄…

  • 「私がすべてを知っているという空しい感覚」~1971年の紅白歌合戦を見た②

    1971年は特別な年だった。70年安保という激動の余韻が消え、 札幌オリンピックが目前に迫り、平和の気分が漂った――、 しかしその底では、別の暗いものが蠢いていた。 今の私はすべてを知っているが、誰に、何も、してやれることはない。という話。(写真:NHK) 【1971(昭和46)年第22回NHK紅白歌合戦を観た(続き)】 アメリカのビルボード誌のヒットチャートHot100で1位になったことのある日本人は今でも坂本九だけだと思いますが、その坂本九が乗ってはいけなかった飛行機の便名を、私は空で言うことができます。1985年8月12日羽田発JAL123便。群馬県御巣鷹の尾根に墜落したあの日航機です。…

  • 「テレビの中の若者たちの、その後の姿を私は知っている」~1971年の紅白歌合戦を見た①

    土日と二日に分けて、 NHKは1971(昭和46)年の紅白歌合戦を放送した。 半世紀前の若者たち、時代の最前線の人々・・・。 驚いたことに私は、彼らの「その後」を知っているのだ。という話。(写真:NHK) 【1971(昭和46)年第22回NHK紅白歌合戦を観た】 一昨日、昨日と二日に分けて放送のあった1971(昭和46)年第22回NHK紅白歌合戦(リマスター版)を観ました。いろいろ感慨のある放送でした。 71年といえば半世紀以上、実に53年も前の放送で、私はそのとき高校3年生、最初の大学入試まで2週間を切っていたと思うのですが、おそらくリアルタイムでこの放送を観ていました。私はそういう子でした…

  • 「世界が日本の学校の『特別活動』をみている」~付録:世界の給食事情・OECD国際成人力調査

    「キース・アウト」を更新しました。 kieth-out.hatenablog.jp

  • 「ADHDのすばらしい訳語を見つけた!」~そろそろ外来語に疲れてきた③

    英語もできないのに、略語まで出て来るとお手あげ。 それなのに巷には、英語の略称が溢れている。 もはや日本語に変換することが不可能なまでになったが、 時にとんでもない名訳に出会うこともある、という話。(写真:フォトAC) 【アクロニム(英語の頭文字をとった略称)が覚えられない】 普通の外国語でさえ頭に入って来ないというのに、英語の頭文字をとった略称(アクロニム《Acronym》というらしい)など、さらに覚えられません。 CIA(中央情報局)、FBI(連邦捜査局)、UFO(未確認飛行物体)、VIP(要人)、MVP(最高殊勲選手)くらいまでだと何とかなります。しかしここ10年余りに聞くことの多くなっ…

  • 「カウンセリングが日本語にならないわけ:日本語にした方がいい言葉」~そろそろ外来語に疲れてきた②

    日本に概念がないので外国語のまま、というものもある。 定着するまでに時間がかかるか、消えてしまう言葉である。 しかしコンピュータ用語のように圧倒的に数が多いと、 圧倒されて太刀打ちできない、という話。 (写真:フォトAC) 【カウンセリングが日本語にならないわけ】 外国から輸入されたときに日本になかったから外国語のまま、というのは事物に限りません。概念もそうです。その代表が「カウンセリング」「カウンセラー」です。 教育心理学における私の師匠筋のひとりは、「カウンセラーの日本語訳は《人格者》でいい!」などと言っていましたが、訓練を受け、資格を持ったカウンセラーよりも村の古老の方が相談相手として優…

  • 「文章に外国語を入れたくないが、それでも入れないわけにはいかない」~そろそろ外来語に疲れてきた①

    いくつかの理由から、 私は文の中に外国語が入るのを嫌う。 しかしそれでも避けきれない場合がある。 ひとつは固有名詞、そして日本に今までなかった言葉、という話。(写真:フォトAC) 【私が外国語を文章に入れない理由】 文章を書くときにこころがけていることのひとつは、安易に外国語を使わないということです。正確に言えば、日常生活に定着した言葉でもできるだけ使わないようにして、誰かの話した言葉として使う時のみ、カッコつきで表記するようにしています。 例えば「OK」というような場合です。 なぜ使わないかというと、ひとつには外国語の場合、どれほどたくさんの人の合意が成立しているか疑わしいからです。案外分か…

  • 「縁の下の力持ち:人は美しく生きなくてはならない」~ダイヤモンド・プリンセスと人々の生き方②

    乗客2,666人、乗員1,045人、合計3,711人、 国籍は57カ国に及び、半数は70歳代以上。 その人たちを救うために、全国から3000人もが集まった。 「縁の下の力持ち」、彼らの生き方は美しい、という話。(写真:フォトAC) 【2020年2月3日】 先週金曜日(2024年12月6日)のNHK「新プロジェクトX~挑戦者たち~」、サブタイトル「クルーズ船 集団感染~災害派遣医療チーム 葛藤の記録~」は、2020年2月3日に横浜港に戻って来たクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号船上における、新型コロナウィルスと人間との14日間に渡る戦いを描いた物語でした。 この船には厚生労働省や自衛隊、国…

  • 「教育理論のドーナツ化現象」~世界が憧れる日本の教育は、日本国内から消えようとしている

    「キース・アウトを更新しました」 kieth-out.hatenablog.jp

  • 「黒船来たる:令和2年の敗戦」~ダイヤモンド・プリンセスと人々の生き方①

    テレビで久々に「ダイヤモンド・プリンセス」を見た。 4年前、船内で新型コロナの大規模な集団感染を起こした船だ。 あの船の帰港とともに、時代は変わり、 世界のあり方も変わったのかもしれない。という話。(写真:フォトAC) 【黒船来たる:令和2年の敗戦】 先週金曜日のNHK「新プロジェクトX~挑戦者たち~」はサブタイトルが「クルーズ船 集団感染~災害派遣医療チーム 葛藤の記録~」という、2020年2月3日横浜港に戻って来たクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号船内における、14日間に渡る新型コロナウィルスとの戦いを描いた物語でした。 わずか4年前のできごとですから記憶に新しいことですが、この日、…

  • 「クリスマスも近い、年寄りにこそスマートウォッチが必要だ」~ジジイがスマートウォッチを買ってどうする?③

    スマートウォッチは万人に幸せをもたらすものではない。 特殊な働き方をしている人々、スポーツアスリート、 そして年寄りにこそこの装置は役に立つ。 クリスマスも近い、ひとつ考えてみよう。という話。(写真:フォトAC) 【AppleWatchはどこまで便利か。搭載されたアプリあれこれ】 スマートウォッチがどれくらいすごい装置かというと、おそらくそれほど大したものではありません。 65年前の電気炊飯器、60年前の白黒テレビ、55年前の電気洗濯機・電気冷蔵庫、50年前のガス瞬間湯沸かし器、45年前の電子レンジ、30年前のWindows95(+インターネット)、20年前の携帯電話(いずれも私の手元に来た年…

  • 「健康管理が気軽にできる」~ジジイがスマートウォッチを買ってどうする?②

    スマートウォッチが身体のデータを集め、 時には警告を与え、時に危険を知らせる。 能動的・主体的に行うことの困難な健康管理を、 先端技術がごく自然にやってくれる、という話。(写真:apple) 【健康診断:問題はあるが心配はない】 人間ドックの行って最後の行程である医師の問診と総合診断の場まで進んで、そこで言われることはここ数年だいたい同じようになっています。「いろいろ問題はありますが、心配はありません」 問題はあるが心配はない――言い得て妙です。自覚的な症状としては心拍数が常に90以上とかなり高いこと、若いころに比べると畑仕事をしていてもはるかに疲れやすくなっていること、首だの肩だの背中だの、…

  • 「アップルウォッチを買いまして――」~ジジイがスマートウォッチを買ってどうする①

    スマートウォッチ(AppleWatch)を買った。 問題は70歳を過ぎたジジイに、こんな高価な端末が必要か? ということだ。 一カ月少々使ってみて、さて――、という話。(写真:apple) 【スマートウォッチを買いまして――】 スマートウォッチを買いました。「Apple Watch Series 10(GPSモデル)― 46mmジェットブラックアルミニウムケースとインクスポーツループ」という製品です。 製品名を正確に書いたのは、単語のひとつひとつについて選択肢が発生して見た目も機能も値段も違ってくるからです。 大別して3種類(Apple Watch Series 10・Apple Watch …

  • 「古代史を、呪術中心に学んだらどうか」~呪詛と怨霊、除霊の話②

    「丑の刻参りセット」がネットで売り出される時代、 呪詛や怨霊はあまりにも軽く扱われ過ぎる。 あるいは古代史を呪術中心に学び直したら、 歴史がよく分かり、先祖への敬意も高まるのではないか、という話。(写真:フォトAC) 【ますます盛んな「丑の刻参りセット」】 教員になったばかり年ですからもう40年以上前の話ですが、生徒と地域調査をしている最中、通りかかった神社の石垣の間に小さな藁人形が押し込んであるのを見つけたことがあります。5cmほどの大きさで、特に釘が刺さっていたわけでもありませんが、深夜ここにきて藁人形を押し込んでいった人間がいると思うと、少し背筋の寒くなる感じがありました。 小さなものと…

  • 「式部は何しに大宰府へ」~呪詛とまじないの話

    NHK大河ドラマ「光る君へ」 それにしても、紫式部を大宰府まで送る必要があったのか? そこでふと思いついたのは、 伊周(これちか)の、あの激しい呪詛からの解放だった、という話。(写真:フォトAC) 【視聴率10%はまるで話題にならないドラマか】 昨日の日刊ゲンダイDIGITALの記事「過去最低視聴率は免れそうだが…NHK大河「光る君へ」はどこが失敗だったのか?」に、ファンのひとりとして苛ついています。中を見ると、「なんとか世帯視聴率で過去最低は免れそうだが、良くも悪くも、まるで話題にならないまま12月15日放送で終わる。大石静の脚本、女性主役のドラマを得意とする内田ゆきプロデューサーが制作統括…

  • 「当為に翻弄される学校、ネバーランドの選手を追う」~当為と存在、ロマンチズムとリアリズム②

    「こうあるべきだ」はすぐに「こうあるはずだ」に翻訳される。 しかし現実は必ずしもそうはならない。そして人々は落胆して叫ぶ。 「ほら見なさい。ネバーランドの選手は、 あんなに前を走っているじゃないか!」、という話。(写真:フォトAC) 【「かくあるべきこと」に翻弄される学校】 「当為(とうい)」と「存在」。別の言い方をすると「かくあるべきこと」と「かくあること」。その間で常に翻弄されてきたのが学校です。 教員の働き方改革が喫緊の課題となって以来、学校批判の論調はずいぶん柔らかくなってきていますが、時計を20年ほど戻して平成の最初の20年間(いわゆる失われた20年)を思い出すと、ほんとうに教師であ…

  • 「『タワー・マンション』:私のつくった寓話をお読みください」~当為と存在、ロマンチズムとリアリズム

    「こうあってほしいこと」と「こうあること」は違う。 しかしこの二つはしばしば混同され、あるいはわざと利用される。 けれどそれを厳密に扱わないと、 我々は、未来を誤る。という話。(写真:フォトAC) 【創作寓話をひとつ】 あるところに一組の夫婦がいました。二人とも働き者で、昼の本業以外に夜のバイトもそれぞれ二つずつ掛け持ちし、おかげで夫婦合わせての月収は100万円にも届きそうなほどでした。 彼らがそこまで必死に働くのには、実は目標があって、駅前に立つことの噂されているタワーマンションの最上階に部屋をもち、そこで優雅な生活を送るためだったのです。まず頭金を稼ぎ、そのあとは25年か30年のローンを組…

  • 「老人が、頭を打ったらどう対処するか」~踏み台を踏み違えて、転んで頭を打った。

    居間から外に出ようとして、 踏み台を踏み違えて、転んで頭を打った。 若いころとは違う、何が起こるか分からない。 さてこんなときはどう対処したらよいのか、という話。(写真:SuperT) 【踏み台を踏み違えて、転んで頭を打つ】 うららかに暖かかった先週の土曜日、いつにも増して洗濯をし、30個以上ある鉢植えをすべて居間の前の犬走に並べ、たっぷり水をやりました。――何を言いたいのかというと、居間の南側は、足元には鉢植えの植物がいっぱいあって、目の前には洗濯物がたっぷりかけられていて、外に出るには少し無理な態勢を取らなくてはならない状況にあったということです。 午前中もたっぷり働いたのですが畑仕事も多…

  • 「ダメなこともすばらしいことも、すべて人間だから」~東池袋自動車暴走死傷事故の受刑者の死や教員飲酒運転、そして人手不足。

    東池袋自動車暴走死傷事故の受刑者が死んだ。 人生の終着点が刑務所なのは無念だろう。 人間はしばしばどうしようもないミスをする。 だがその人間でなければできないこともある。という話。(写真:フォトAC) 【事故と火事が怖い――もはや病気も怖くないが】 東京・池袋で乗用車が暴走し11人が死傷した事故で、車を運転していた受刑者が老衰のため亡くなったとニュースにありました。93歳だったそうです。*1何の罪もない若い母子を殺してしまったのですから過度の同情はできないのですが、同じ高齢者として、身につまされる面があります。 元通産省の技官で退職後はクボタの副社長もしていたという輝かしい経歴をもつ受刑者が、…

  • 「私が年賀状をやめないわけ」~年賀状を如何にせん、人間関係を如何にせん

    ハガキの値段が一気に上がり、 年賀状という習慣への迷いも生まれる。 だが、いろいろ考えたら、 やっぱりやめるのは難しいと思ったという話。(写真:フォトAC) 【年賀状を如何にせん】 ハガキの値段が63円から85円に一気に35%も値上がりして、先日の飲み会でも「年賀状どうする?」が話題になりました。 私の場合は最盛期の半分以下に減っているとは言え昨年が120枚。今年同じ枚数を出すとすると1万と200円。なんと昨年より2640円も高くなっているのです。同じ状況で迷う人が出て来るのも無理ありません。 しかしこれを機に年賀状をやめるというのも勇気のいることです。なぜ勇気がいるのかというと――そう考えた…

  • 「『自由にのびのびと育つ子』は厳しく躾けられている」~子どもの自由に関するちょっとした考察②

    強制や圧力から解放されることだけが“自由”ではない。 恐怖からの自由、貧困からの自由、差別からの自由・・・。 学校で一番自由なのは、よく学び、よく動き、よく遊ぶ、 つまりよく躾けられた子だ。という話。(写真:SuperT) 【躾ができているとこんなに自由なんだ】 つい数年前まで、我が家では3羽のウサギを飼っていました。最初の1羽は娘のシーナが独身時代に購入したネザーランド・ドワーフで、1年ほど遅れてきた番(ツガイ)の2羽はクリスマスセールの売れ残りを、6月になって妻がタダ同然でもらってきたミニウサギでした。3羽同時に放すと喧嘩はするは生殖活動に入るはで大変なので、ゲージを出るのはいつもジュンバ…

  • 「制御されない自由は奪われるか、私たち自身の手で譲り渡される」~子どもの自由に関するちょっとした考察①

    不登校がいよいよ35万人にもなったという。 学校に行かなくていいと言った人たちは、今、何を考えているのだろう? 学校に行かない自由を選び取った子どもたちは、 まるっきり自由ではないというのに――、という話。(写真:フォトAC) 【私は間違っている】 私は次のような考え方を非常に不健康なものだと考えます。「『不登校35万人』の何が問題なのか分からない。日本の小中学生は922万人もいるのだ。35万人はその3.8%に過ぎない。本当に微々たるものだ。 だいたいこの多様性の時代に『不登校という生き方』を選んだことの何がいけないのか。それは無数にある生き方のひとつにすぎないではないか。それに、今の段階で不…

  • 「多様性の時代に全体を見ることはできない」~新語・流行語の候補と紅白歌合戦の出場者が発表されて

    NHK紅白歌合戦の出場者が発表されたが、 初出場歌手のひとりも知らない。 新語・流行語大賞の候補も、半分は分からない。 多様性の時代というのは、何も分からない時代なのだ。という話。(写真:フォトAC) 【紅白歌合戦の出場歌手が決まる】 年末のNHK紅白歌合戦の出場歌手が決まりました*1。<紅組>が、aiko(15)、あいみょん(6)、ILLIT(初)、石川さゆり(47)、イルカ(2)、HY(3)、坂本冬美(36)、櫻坂46(4)、椎名林檎(9)、Superfly(8)、髙橋真梨子(6)、tuki.(初)、天童よしみ(29)、TWICE(5)、乃木坂46(10)、ME:I(初)、MISIA(9)…

  • 「教師の子育て訓:学校で教え子にするように、我が子を育ててはいけない」~孫2号の七五三で考えたこと

    先週土曜日は孫2号の5歳の七五三祝い。 たくさんのおとなたちに囲まれて、2号も嬉しそうだ。 かなりうまく育っている。それもこれも教員である父親が、 職場でやっている教育を、我が子にはしなかったおかげだ。という話。(写真:フォトAC) 【イーツよ、うまくできたぞ!】 先週の土曜日、東京に住む孫2号の七五三参りがあり、夫婦でお祝いに行って来ました。5歳の祝いです。 2年前の3歳のときもそうでしたが、娘夫婦には両家の親(孫にとっては祖父母)に祝ってもらいたいという気持ちがあり、夫婦ともに弟や妹との仲がよいためにこの人たちにも声をかけるので、それぞれが配偶者を連れて参加。孫は1号・2号と二人だけなのに…

  • 「地域に必要なものは必ず残る、もしくは復活する」~校長先生のお仕事⑥

    一般教職員と違って、校長は特殊な人間関係を負わされる。 教委、地区の人々、地域の名士、地方議会議員、 学校は彼らのものであって校長や教員の私物ではない。 だからどうやっても、校長の思い通りにはならない。 という話。(写真:フォトAC) 【校長は誰と付き合っているのか】 一般の教職員が職務上で対応しなくてはならない相手はまず児童生徒、その保護者、教材会社や旅行会社といった民間業者、だいたいそのようなところでしょう。 管理職、特に校長の対応する相手はだいぶ異なります。児童生徒・保護者・民間業者はもちろんですが、働きかける対象の中心が教職員となり、あとは外部との折衝が大きな仕事となってきます。その“…

  • 「今日は満月。1000年前、藤原道長が見上げたものと同じ月」~満月の科学とすばらしい偶然

    今日は満月、 1006年前の今夜、藤原道長はあの有名な歌を詠んだ。 しかもその日と今日の間には、すばらしい一致があり、 今日と明日の間には素敵な偶然がある。という話。(写真:フォトAC) 【今日の満月は1000年前、藤原道長が見上げたものと同じ月】 今夜は満月、しかも特別の満月です。 今から1006年前、西暦2018年の今日(旧暦・寛仁2年10月16日)、藤原道長が三女・威子(いし/たけこ)の立后(後一条天皇の中宮となった)の祝賀の席で、あの有名な短歌を詠んだとされる日です。 その夜、気持ちよく酔った道長は大納言・藤原実資(ふじわら さねすけ:「光る君へ」ではロバートの秋山が演じている)を呼ん…

  • 「『行事の精選』という教育の質の低下」~校長先生のお仕事⑤

    文科相は財務省案を批判して、 「それでは必要な教育指導が行われなくなる」といった。 しかし文科省は「必要な教育指導」を、 すでにずいぶんと削減してきたのじゃないか、という話。(写真:フォトAC) 【文科相、財務省案を批判する】 財務省の「時間外労働を月平均20時間以内に抑えることを条件にとりあえず10%まで教職調整額を引き上げ、その後時間を置いて残業代に変えていく」という案、今週火曜日(12日)阿部文科大臣は「教師の長時間勤務を改善する方策として、教職員定数の改善についてはいっさい示されていない」、その状況で残業時間の縮減ばかりを迫れば、「必要な教育指導が行われなくなる恐れがある」と批判したよ…

  • 「通知票も修学旅行も、卒業式さえもやめられる――場合がある」~校長先生のお仕事④

    さまざまにある学校制度を、いっしょくたに語ってはいけない。 残業代が出るようになっても、 仕事自体が減らなければ、時間外労働の抑制には繋がらない、 ――と思っていたが、そうない場合もあった、という話。(写真:フォトAC) 【ネットで検索したら自分のブログがヒットした】 文科省の諮問委員会である中央教育審議会の特別部会が正式に「教職調整額を10%以上に引き上げるべき」という建議をした5月13日、傍聴していた「(給特法のこれからを考える)有志の会」の代表者がすかさず記者会見を開いて「点数を付けるとすれば0点だ。審議を最初からやり直してほしい」と訴えたという話は再三確認しています。 このとき初めて「…

  • 「校長は驚くべき権限を持っている!(?)」~校長先生のお仕事③

    学校教育の要諦は教育基本法が定め、 学校教育法が背骨を通し、施行法が肉付けをする。 それだけでがんじがらめのようだが、 見方を変えれば、学校独自にできることは山ほどある。という話。(写真:フォトAC) 【クイズ:どれがなくせる仕事かな?】 クイズです。 次の中で、校長先生が独断で廃止できるものはどれか、すべて挙げよ。 運動会 通知票 小学校英語 家庭訪問 総合的な学習の時間 中学校文化祭 音楽会 修学旅行 教員評価 卒業式 実は答えは2セット用意できます。 1セット目の答えは「廃止できないもの3・5・9、廃止できるもの1・2・4・6・7・8・10)というもの。 2セット目は「どれも廃止できない…

  • 「校長の仕事、謎に包まれているが実はこんなふう」~校長先生のお仕事②

    授業中以外の教員の姿を想像することは難しい。 校長の仕事は、その教師たちの目からも隠されている。 何をしているのか分からない校長職だが、 それを万能のように考える人もいるのだ。という話。(写真:フォトAC) 【校長は巨大な権限を持っている】 「先生たち! 校長先生はたいへんな権限を持ってるよ。校長先生にしっかり働いてもらいましょう」 SNSの中にこの文章を見つけたとき、私は軽いめまいのようなものを感じました。ここまではっきりと異なる印象を突きつけられることはめったにないからです。「犬は哺乳類ではない」とか「上杉謙信は女性だった」と言われるくらいの違和感があって、だからこそ捨て置けない、一応は考…

  • 「時間外労働に対するそれぞれの思い(財務省vs.文部科学省vs.現職教員)」~校長先生のお仕事①

    教員の時間外労働の扱いについて、 文科省と財務省が真っ向から対立している。 双方の事情は分かる。それにしても分からないのは、 調整額増額に反対する現職教員たちの考え方だ。という話。(写真:フォトAC) 【文部科学省VS.財務省】 空前の教員不足・志願者減少を背景として、とりあえず教員の時間外手当をどうするかという点で、文科省と財務省が真っ向からぶつかり合っています。 昨年4月の段階で過労死ライン(残業月80時間)を越える教員が小学校で約14.2%、中学校で36.6%もいる状況で、仕事も減らせないし教員も増やせないことを思い知っている文科省は、ならば金しかないと、現在4%の教職調整額を一気に13…

  • 「運動会や修学旅行は『日本人が日本人になるための学習』の実地試験だ」~文化的グローバル化の話⑤(最終)

    金がかからない、世間から文句を言われない――、 行政の下す判断は、最初からその2点に縛られている。 だから不必要な小学校英語やプログラミングは残り、 必要な運動会や修学旅行は縮小される、という話。(写真:フォトAC) 【寓話「バッタの実験」】 先月の中頃、「ムカデのジレンマ」という寓話に関連して、私には出典や題名が分からないまま、しかし大切にしている小話や寓話がある、というお話をしたことがあります*1。その同じ流れなのですが、次の寓話も、題名も出典も分からず困っている物語です。『昔、ある昆虫学者がバッタをしつけて、手を叩くとジャンプするようにした。そうしておいて、残酷なことに、足をむしり取って…

  • 「日本人が日本人になるための練習」~文化的グローバル化の話④

    道徳の神髄は“正義”よりも“美しいかどうか”だ。 街の道路にゴミが落ちていないにも、群衆の静けさも、 皆、それが美しく心地よいから選ばれた。 選ばれて、幼稚園や学校で一生懸命、練習したのだ。という話。(写真:フォトAC) 【“名前を言いたくないあの人”の話】 予想されたことですが極めて不愉快な朝です。これから4年間ほぼ毎日、ニュースのたびにあの顔を見なくてはならないのですから、今日一日くらいはテレビや新聞、ネットニュースを見ないようにしていてもいいでしょう(できるかな?)。 私が(今は名前も口にしたくない)“あの男”が嫌なのは、彼が美しくないからです。顔ではありません。顔や体形だけだったら、す…

  • 「ひとは練習しなければ歩くこともできない」~文化的グローバル化の話③

    大人である私たちがいま自然にやっていること、 それは本能でなければすべて学んだことだ。 あがめるべき教会もモスクも党委員会も持たない日本人は、 どこで人間になる教育を受けたのだろう、という話。(写真:フォトAC) 【本能でなければ、私たちにできることは学んだことだけだ】 私たちができることすべては、先天的なものか後天的な(学んだ)ものに分類できます。後者の「学び」にも二種類あって、無意識・無計画に行うものもあれば、意図的・計画的なものもあります。 「麻中之蓬(まちゅうのよもぎ)」という言葉があって、「くねくねと曲がりやすい蓬も、屹立する麻の中で育てばまっすぐに伸びる、それと同じようにしっかりし…

  • 「昔から日本人が立派だったわけではない」~文化的グローバル化の話②

    かつて酒の路上飲みは、日本人にとってもあたり前ではなかった。 コロナ禍以前の日本人はもっと恥を知る人たちだった。 ただしそれは平成の話で、昭和まで遡るとそうでもない。 それを現在まで高めたのは、日本人のたゆまぬ努力のおかげだ、という話。(写真:フォトAC) 【日本だって路上飲みは当然ではない】 先週の金曜日は「諸聖人の日(別名万聖節)」でした。つまりハロウィーンの翌日。前の夜の渋谷を中心とする界隈はどうだったのでしょう。 ハロウィーンの夕方、6時から8時くらいまでのニュースでは渋谷駅周辺に仮装した人は少なく、落ち着いた雰囲気だという話でしたので安心していたのですが、翌朝ニュースを見たら10時過…

  • 「教職調整額13%をやめて残業代を出すらしい」~その方が結局は安上がりだかだ

    「キース・アウト」を更新しました。 kieth-out.hatenablog.jp

  • 「諸聖人の日:日本のハロウィーンがスタンダードになる日は来るのか」~文化的グローバル化の話①

    今日は万聖節、昨晩はハロウィーン。 日本のハロウィーンにアメリカ人が来るなんて、 誰が想像しただろう。 しかもそれが日本にとって良いことではなかったなんて、という話。(写真:フォトAC) 【諸聖人の日】 11月になりました。キリスト教国では今日が「万聖節」。「諸聖人の日」とも訳されるすべての聖人に祈りをささげる日です。 ここで言う“聖人”は一般的な「聖なる人」ではなく、キリスト教に尽くして亡くなった人のうち、特に教会が選んで認定した人のことを言います。宗派によって多少異なるようで、注意して区別する必要がありそうです。 たいへんな人数ですから異教徒の私たちがことさら覚えることもないと思うのですが…

  • 「何を考えてもいい、何を言ってもいい、賛同者は必ずいる」~ネットが世界を狂わせる④

    どんな少数意見にも万単位の支持者がいる ――それがネット社会だ。 その支持者に支えられて、人々の要求も変化してきた。 唖然とするような内容が平然と語られる――、という話。(写真:フォトAC) 【何を考えてもいい、何を言ってもいい、賛同者は必ずいる】 昨日は「インターネットの誕生日が昨日でした」という寄り道で終わってしまいましたが、今週私がウダウダと私が考えていたのは、 ある特定の場所で少数派であっても全国、あるいは全世界的にみると数としては少数ではない。かつて紅白歌合戦に選ばれないような歌手は「売れていない歌手」だったが、今は数万人規模のコンサートを開いている。 どんな突飛な考え方でも、それ支…

  • 「閑話休題:インターネットの誕生日」~ネットが世界を狂わせる③

    昨日、10月29日はインターネットの誕生日。 1969年のこの日、初めてパケット通信の情報が動いた。 誰も考えなかったことだが、それから半世紀以上たって、 世界は連絡を深めるたびに分裂していくじゃないか、という話。(写真:フォトAC) 【閑話休題:インターネットの誕生日】 うっかりしていましたが昨日10月29日はインターネットの誕生日でした。 何年の10月29日なのか、つまり今、インターネットは何歳なのかということになるのですが、これが驚いたことに55歳。1969年の生まれなのだそうです。今から半世紀以上前の昨日、アメリカのカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)とスタンフォード研究所(S…

  • 「毎年紅白歌合戦に出てくる、名前も聞いたことのない有名人たち」~ネットが世界を狂わせる②

    紅白歌合戦に出てくる歌手の半分も名前を知らない。 それなのにみな有名人なのだそうな。 多様性の時代はあちこちの島宇宙で、 人々は小さく、濃く、まとまって暮らすようになる。という話。(写真:フォトAC) 【紅白歌合戦に出てくる、名前も聞いたことのない有名人たち】 ちゃんみなという名前の歌手を知っていますか? 水曜日のカンパネラの詩羽(うたは)というボーカルはご存じでしょうか? 二人とも知る人は知る人気歌手で、コンサートを開けば軽く数万人を集める人たちです。私はたまたまテレビドラマを通じて知って、ひところ夢中になって聴いていました。しかしそれはわずかな機会を掴んでこじ開けた扉から知った人たちで、偶…

  • 「若き情報弱者の犯罪と偏り」~ネットが世界を狂わせる①

    あれほどあからさまな死刑台へのエレベーターに、 若者はなぜかくも易々と乗ってしまったのか――。 そこにはネット時代と特有の、 情報の偏りがあるのかもしれない、という話。(写真:フォトAC) 【若き情報弱者の犯罪】 右の画像は先週、ネットのあちこちで引用されていたテキストの画像です。『「横浜で老人を撲殺した闇バイト宝田「僕は何年で出られますか?」→弁護士「は?一生出られませんよ」」という長いタイトルともに貼られたもので、今年10月15日に横浜市青葉区で75歳の男性を殺害して20万円を奪ったとして逮捕された22歳の容疑者についいて書かれたものとされた文章です。「接見した弁護士 何名も接見しましたが…

  • 「教師の出世欲は、突然に降ってくる」~なぜ校長になんぞなりたいのか

    キース・アウトを更新しました。 kieth-out.hatenablog.jp

  • 「政権を担う気のない野党はいらない、世界を担う気のないアメリカは偉大じゃない」~総選挙と米大統領選、ふたつの選挙の憂鬱

    日本の衆議院議員選挙は二日後の10月27日、 米大統領選挙は翌週の11月5日、 いずれも気が重い話だ。 日本には見たい顔がない、米国には見たくない顔がある、という話。 (写真:フォトAC) 【憂鬱な2週間】 日本の衆議院議員選挙(総選挙)は明後日の10月27日、米大統領選挙は翌週の11月5日、いずれも日曜日が投票日です。双方とも接戦が予想されていますが、総選挙は遅くとも28日未明には大勢が判明し、しかし大統領選挙の方はおそらくその日のうちの決着というのはなさそうです。予想外の大差となって得票の少なかった方が早々と敗北宣言をすれば別ですが、そもそも集計に時間のかかるシステムである上に、数え直しが…

  • 「間もなく総選挙」~選挙の結果で学校がどう変わるか、考えたことある?

    いよいよ総選挙。 今回の選挙が学校や日本の教育をどう変えていくのか、 関心がないわけではないが、先生たちは忙しすぎる。 しかしあと4日ほど、ちょっと立ち止まって考えてみよう。という話。 (写真:フォトAC) 【いよいよ総選挙】 いよいよ衆議院選まで今日を含めて4日となり、テレビやネットのニュースも慌ただしい雰囲気になってきました。衆議院議員選挙を総選挙と呼ぶのは、3年ごとに半数ずつ選び直す参議院議員選挙と違って全員を一斉に入れ替えるものだからですが、最長で4年も待たなければ次の総選挙は行われませんから、この機会にちょっと子どもの気を引いておきたいものです。 例えば、「投票用紙ってのは不思議な紙…

  • 「思い出せないある哲学者の物語、生成AIはどう答えるか」~生成AIと仲良くできるようになってきた話③

    作者や出典の分からない寓話というのは他にもあって、 「死んだら死後の世界があって驚いた無神論者の話」 もそれにあたる。生成AIに訊ねると、 Copilotは分からないと答え、ChatGPTは――という話。(写真:フォトAC) 【やっぱり記憶力が問題だ】 このところNHKドラマ「坂の上の雲」の再放送を楽しんでみているのですが、その第一回のオープニングでナレーター(渡辺謙)がこんなことを言っていました。「明治維新によって日本人は初めて、近代的な『国家』というものをもった。誰もが『国民』になった。(中略)社会のどういう階層のどういう家の子でも、ある一定の資格を取るために必要な記憶力と根気さえあれば、…

  • 「副操縦士(Copilot)とのやり取り:私は騙されない」~生成AIと仲良くできるようになってきた話②

    長年懸案だった物語の題名が分かった。 しかし生成AIの情報は確認の必要がある。 絵も描かせてみた。けれど思い通りにはならない。 いずれの場合も、最後の決め手は人間だ――という話。(写真:フォトAC) 【聞いた時のことが何も思い出せない物語】 印象深い話、心動かされた物語、あるいは使い勝手がよかったりたくさんの人に伝えたかったりするような智恵、そういったものを手に入れたときの「いつ」「どこで」とか「誰から」といった周辺情報は何かしら残っているものです。ところが先週お話しした「ムカデのジレンマ」については、まったく何も思い出せないのです。しかもあれだけ印象的な話なのに1度聞いたきり、おそらくそれか…

  • 「Google先生には訊くことのできないことがある」~生成AIと仲良くできるようになってきた話①

    子どものころから疑問を放置できない性質だった。 そのくせ人見知りだからひとに聞けない。 人に聞かないと道に迷う。 そんな私にネットは神の恩寵だったが――という話。(写真:フォトAC) 【「調べる人」は奮闘する】 昔、エニアグラムという性格診断が流行したとき、娘に誘われて有料の診断を受けたら結果は「調べる人」でした。人格を九つのタイプに分けてどこに当てはまるかを教えてくれるというものですが、他は「挑戦者」だの「個性派」だの、およそ私には当てはまらないものばかりなので、自分でも「調べる人」だろうなと思っていたら「調べる人」だったという、実につまらない結末でした。結局、料金を払った分だけ損でした。 …

  • 「小さな原因で大きな現象が起こる心のバタフライ・エフェクト」~振り返ってみれば人間は本当に難しい④

    人の人生を大きく狂わせる心の問題。 しかし原因はほんの些細なことなのかもしれない。 些細なことで重大な結果がもたらされる――。 だとしたら大事なのは、原因追及ではない。という話。(写真:フォトAC) 【ムカデはなぜ歩けなくなったのか】 今週はまず「植物といのは非常に単純で分かり易いもので、畑は素直だし作物はウソをつかない、だから心安くいられる」という話をし(15日火曜日)、「人間の能力は『わかる』『できる』『すらすらできる』の3段階を経て成長するものであり、一度獲得した能力は容易に消えない」という話もしました(16日水曜日)。ところがこれだけだと植物の成長も人間の成長も同じになり、極めて単純で…

  • 「イップスとムカデのジレンマ」~振り返ってみれば人間は本当に難しい③

    長く時間をかけて築いてきた熟練が、 一瞬のうちに失われることがある。 それが余技で起こるならかまわないが、 職業上の特殊技能だとたいへんだ。さらに――、 という話。(写真:フォトAC) 【技能が一瞬で失われるとき】 昨日の記事の最後の方で、私は、「一度身に着いた『すらすらできる』は、そう簡単には失われない」と書きました。ところが驚くほどあっけなく失われることもあります。 教員になった年に地域の草野球チームに強制的に入れられ、おそらく大学1年生の体育の授業以来10年ぶりくらいにボールを握ったら、まるで思ったところに投げられなくてびっくりしたことがあります。10mほど離れてのキャッチボールから始め…

  • 「すらすらできることの積み重ね」~振り返ってみれば人間は本当に難しい②

    「分かっていてもできないこと」を、 「分かっていなくてもできること」に育てることを《学習》という。 学習には三つの段階があるが、それを経て身に着いたものは、 普通は失われない、 という話。(写真:フォトAC) 【「分かっていてもできないこと」「分かっていなくてもできること」】 人間には「分かっていてもできないこと」と「分かっていなくてもできること」のふたつがあります。「分かっていてもできないこと」の代表的なものはスポーツで、例えば野球のピッチングに関する指南書といったものはこれまで何百冊も出ていて、今でもアマゾンなどで軽く50冊以上は購入できそうです。しかし50冊のピッチング理論を読んだところ…

  • 「畑は素直で、作物はウソをつかない」~振り返ってみれば人間は本当に難しい①

    植物の育つ時期が終わろうとしている。 畑も一部を除いて閉じて行く。 今年の夏は妙だった。しかしそれで実りが少なくても、 それは畑や作物のせいじゃない。 という話。(写真:SuperT) 【畑じまい間近:今年の夏はいつもと違った】 あれほど暑かった夏が終わり、ようやく秋の気配が感じられるようになりました。とはいえ天気予報は「明日も最高気温は30度」などと平気で言ったりしますから油断はできません。「最高気温30度」は30年前なら国内の多くの地域で「今夏の最高気温」として記録された数値です。とんでもない時代が来たものです。その暑さのためもあって、今年の畑はいつもと様子の違うことがいくつかありました。…

  • 「”瞬間湯沸かし器”革命と新たな野蛮人の世界」~子どもたちが心配だ②

    文明社会は人間を甘やかし、 自分の労苦は誰かが代行すべきだと信じる人間を次々と生み出す。 だが社会はその要求には応えきれない。そして気がつくと、 私たちはひとりで戦わなくてはならない世界をつくってしまったのだ、 という話。(写真:フォトAC) 【“瞬間湯沸かし器”革命】 世の中や人間を考えるとき指標としていることのひとつは、若いころ講演会で聞いた次のような話です。「文明というのはもともと人間がやって来たこと機械や制度や他人にやってもらうことだ。だから文明人は必ず依存的になる。つまり幼児化するのである」 私にとっての文明開化(=劇的な生活の変化)となると、一人暮らしを始めてから数年後の“瞬間湯沸…

  • 「出しゃばりお米(よね)のいなくなった世界」~子どもたちが心配だ①

    「出しゃばりお米(よね)」 昭和の初期まで日本にいた、お節介なおば様たちの総称だ。 そのお米たちがいなくなって、 はて? 現代の若者たちは幸せなのだろうかという話。 (写真:フォトAC) 【出しゃばりお米(よね)を知っていますか?】 出しゃばりお米という人物に心当たりはありますか? おそらく80歳以上だと即答できる人は多いと思いますが、それ以下だと怪しくなります。実在の人物ではありません。1956(昭和31)年にテイチク・レコードから発売された「愛ちゃんはお嫁に」*1という曲に出くる人です。私でさえ「懐メロ」で覚えました。 歌詞を見ると愛ちゃんは村のアイドル的存在のようで、恋焦がれる「俺ら(オ…

  • 「明日は記念日だらけの日」~付録:少なくとも人ごみに出るときはマスクをしましょう。日本人のたしなみです。

    明日10月10日は一年で最初の二けたでぞろ目となる日。 書いた字面や語呂合わせが面白いため、記念日が続出する。 これはなくてもいいのにと思うようなものまで、一挙紹介。 子どもと一緒に楽しもう、という話。(写真:フォトAC) 【明日は記念日だらけの日】 明日10月10日は二けた最初のぞろ目の日で、音も面白く、数字を並べた形も面白いのでさまざまな記念日になっています。 《まずは形から》 「目の愛護デー」。 10月 10日を横に倒すと目と眉の形になることから、中央盲人福祉協会が1931(昭和6)年に「視力保存デー」として制定。戦後、厚生省(現在の厚生労働省)が「目の愛護デー」と改称したそうです。19…

  • 「幸せは別にある。新たな階層と親ガチャ不満」~なぜパズルには打ち込めるのに勉強はダメなのか⑤

    親ガチャ――。 もっといい親のもとに生まれていれば、 もっといい人生があったはずだという誤った確信。 そんなことはない。大切な視点が欠けている、という話。(写真:フォトAC) 【明治初年の親ガチャ解消】 ここ数年「親ガチャ」という言葉が流行し、「どんな親の元に生まれたかで人生が決まってしまう(不公平じゃないか)」といった意味で使われるようになっています。 どこに生まれたかで人生が決まってしまうと言えば、江戸時代まで遡るとさらに顕著で、武士の家に生まれれば武士、商家に生まれれば商人と、養子にでも出ない限りほぼ決まった人生を送るしかありませんでした。生まれた瞬間に人生は決まっていたのです。 しかし…

  • 「せめて旧帝できれば東大、最低でも早・慶・上智」~なぜパズルには打ち込めるのに勉強はダメなのか④

    誰も我が子が大谷翔平になることを本気で考えないのに、 勉強のこととなると限界が見えなくなる。 せめて旧帝、できれば東大、最低でも早・慶・上智 これは努力だけで何とかなる話ではないのだ。 という話。(写真:フォトAC) 【せめて旧帝できれば東大、最低でも早・慶・上智】 大谷翔平選手の御両親が本を書いたという話はつとに聞きませんが、鈴木一郎(イチロー)選手のお父さんは書いています。しかも(私の調べたところでは)7冊も。確かにあの偉大な大リーガーがどのように育てられてきたか、というのは興味深い話です。今からイチローではちょっと時代遅れの感がありますから、大谷選手のお父さんが本を書いたら私も読んでみま…

  • 「子どもと世論の板挟みになる教師たち」~沖縄では心を病む教師の数が全国平均の 2倍いるという

    「キース・アウト」を更新しました。 kieth-out.hatenablog.jp

  • 「子どもと大人が互角に戦える場は”勉強”の世界にない」~なぜパズルには打ち込めるのに勉強はダメなのか③

    頭がいいという状況の基礎には、高い記憶力がある、 そして各々の生来の記憶力には、圧倒的な差があるのだ。 記憶力の弱い人に“勉強”は楽しめない。 しかしゲームの世界のほとんどは、記憶力を問わない、 という話。(写真:フォトAC) 【頭がいいとはどういうことか】 頭がいいというのはどういうことか――こういう「完璧な答えでなくてもいいこと」を訊くのに、生成AIはとても便利です。マイクロソフトのAI:Copilotはこんなふうに答えます。「頭がいい」とは、一般的に知識や理解力、問題解決能力、創造性、論理的思考力などが優れていることを指します。具体的には以下のような特徴が挙げられます:知識の豊富さ:幅広…

  • 「数学が楽しくて仕方のない時代があった」~なぜパズルには打ち込めるのに勉強はダメなのか②

    久しぶりに中毒気質・中毒体質があふれ出て、 身体に異変が出るほどパズルにハマっていた。 しかしパズルだとあんなにできることが、 学校の勉強ではなぜできないのだろう? という話。(写真:フォトAC) 【突然、手足がむくむ】 靴下を脱いで見た足の、足首から先だけが妙にむくんでいました。97歳になった母がさかんに「足がむくんだ」「足がむくんだ」と言って嘆くので、「むくみ」というものがどういうものか良く知っていたのですが、自分がなるとは思いませんでした。指で押してすぐに戻るのは「むくみ」ではないと聞いたことがあったので指で押そうと思ったら、その手の指もむくんでいてビックリします。キーボードを打つ際に何…

  • 「中毒体質・中毒気質」~なぜパズルには打ち込めるのに勉強はダメなのか①

    ガムが辞められない、タバコではほんとうに苦労した、 ギャンブルもゲームも危ういところを回避し続けてきた 自分にはほんとうに中毒体質・中毒気質があると思う。 しかしなぜ、ハマるものとそうでないものとがあるのだ?という話。(写真:フォトAC) 【ガムが辞められない】 最近、とは言ってもここ半年ほど、ガムを噛む習慣が根付いてしまい、常に噛んでいなくて気の済まない感じになっています。 ロッテ・キシリトールガム(ミント味)、143g(およそ95粒)のボトルを常に3個用意して、1個は仕事部屋(と言っても和室の縁側)、1個は居間、そして最後のひとつは車の中に置いてあります。 基本的に食事の時間以外は必ず口に…

  • 「10月になりました」~10月のウンチクと行事

    10月になった。 あれほど暑かった夏も終わり、さすがに秋の気配。 落ち着いた雰囲気をとり戻しながら、 子どもたちにも10月を教えてあげよう。という話。(写真:フォトAC) 【10月になりました】 10月になりました。 今年になって10番目の月で31日間あります。平年だと10月と1月はカレンダーの曜日が同じになるのだそうで、だとしたら2024年の元日は火曜日だったということになります。調べたら実際そうでした。 日本では「10番目の月だから10月」と分かり易いのですが英語は厄介で、10月の英語名Octoberの接頭辞octoは8を表すラテン語に由来しているのです。8本足のタコ(octopus)や8…

  • 「後始末、汚れ仕事は男にやってもらうのがいい」~自民党総裁選、終わる

    自民党総裁選が終わり、石破氏が新総裁に決まった。 私は初の女性首相の出現を望んだが叶わなかった。 まあいい、汚れた自民党の後始末、汚れ仕事は、 男たちにやらせるがいいのかもしれない。という話。(写真:フォトAC) 【自民党総裁選、終わる】 自民党総裁選挙が終わって石破茂さんが当選し、第28代自民党総裁となるとともに10月1日に召集される臨時国会で第102代内閣総理大臣に指名される見通しです。 私は政治に関心があって消極的自民党支持者なのに、具体的で細かな政治状況には疎く、個々の政治家の業績などが覚えきれないので、いつも何となくボーっと見て、直観でものごとを判断するふうがあります。「この人、顔が…

  • 「木曽御岳噴火10年と登山ブームの話」~付録:自民党総裁選で投票してみる?

    2014年の木曽御岳噴火から10年たった。早いものだ。 この噴火で多くの命が犠牲となったが、 犠牲者の年齢は実に多岐に渡っていた。 それが現在の登山の状況だからだ、という話。(写真:フォトAC) 【木曽御岳噴火から10年】 死者58名、行方不明者5名、負傷者61名という大変な被害をもたらした木曽御岳火山噴火から今日でちょうど10年だそうです。あの日、たまたま紅葉を撮影に来ていたNHKクルーの残酷なほど美しく鮮明な画像と、夕方、山を下りて来た火山灰で真っ白な人たちが、重い口調で「たくさんの人が死んでいる」と呟く様子は、いまも瞼の裏に焼き付いている感じです。しかしまさか60名を越す人々が亡くなった…

  • 「静と式部、嘘を書いたのは式部の方だったのかもしれない」~“光る君へ”がますます面白くなってきた

    「光る君へ」。 ここにきて、源氏物語や紫式部日記との対比が多くなってきた。 実際の文書資料をどう料理するか、そこに脚本家の腕が見える。 虚々実々、それは実に面白い。という話。(写真:フォトAC) 【ちょっと夢中】 私はめったに人をバカにしたり無視したりもしない代わりに尊敬したり崇拝したりもしない相対主義者で、ずいぶん齢もとっているので、もう何年も誰かに心酔するとか感心しっぱなしということがありませんでした。しかしここにきて脚本家の大石静にホトホト感心し、心動かされ、嫉妬もしています。嫉妬というのはその才能に対してではなく、「源氏物語」という最高の素材を前に、十分なスタッフに囲まれて存分に創作で…

  • 「勉強はそこそこでいいが、必死に支えなくてはならない子もいる」~子どもが夢中になって勉強するようになるために④

    これから真の実力者が生き残る弱肉強食の時代が来るという。 しかし焦ることもない。私のような凡夫は、 好きな分野で身の丈に合った目標を立てて生きて行けばいいのだ。 ただし必死に学校の勉強を支えなくてはならない子もいる。という話。(写真:フォトAC) 【毎日試されるのはたまらない】 大人になって何が幸せだったのかというと、定期テストや入学試験がなくなったことです。あれがあるばかりに私の生活はちっとも自律的なものにならず、常にテスト日から逆算して日程が組まれ、テスト範囲に対応してやるべきことが決められていました。しかも私は物覚えが悪いので、同じ学習をするにしてもひとの倍もかかったりします。倍もかけて…

  • 「実力より1割~2割程度上を目指す『けなげな子』の育成」~子どもが夢中になって勉強するようになるために③

    スポーツの良さのひとつは能力が見えやすいこと、凡人の限界は年齢が進むとはっきりと見えてくる。しかし勉強の限界はなかなか見えてこない。それを丁寧に調べ、1~2割上を目指させれば何の問題もないはずだ、という話。(写真:フォトAC) 【スポーツの良さは実力の限界が見えやすいこと】 大谷選手の野球人生は傍から見ると順風満帆、天井知らずの能力を全開させて不断に進化しているように見えます。努力のしがいもあるに違いありません。しかし凡夫は違います。 子どものころの私は“駆けっこ(短距離走)”こそ遅いものの長距離は強いといった思い込みがあり、小学校4年生のときの第一回東京オリンピック男子マラソンで、日本の円谷…

  • 「勉強のスポーツも、才能のある子には遊び事」~子どもが夢中になって勉強するようになるために②

    「勉強をしろ」と一度も言われずに育った子たちがいる。 その多くは、頭が良くて勉強が面白かったからやり続けた子か、 そもそも勉強などしなくてもよかった子たちだ。 「勉強をしろ」と言わなければやり始めるわけではない。という話。(写真:フォトAC) 【「勉強をしろ」と言われたことのない子たち】 17日の「踊る!さんま御殿!!」は、「教育熱心パパママSP阿部一二三・詩のパパ&平野美宇のママの(秘)教育法」がサブタイトルでした。その中で「言われなくても勉強をする子」、「言われなければ果てしなく練習するちびっ子アスリートの話が出てきました。口火を切ったのはフリーアナウンサーの中野美奈子さんでした。「仕事が…

  • 「スポーツの世界は親次第」~子どもが夢中になって勉強するようになるために①

    結局、大谷翔平も阿部一二三・詩も、 偉大な親がいての彼らだ。 トンビはタカを産まない。それは分かっているのに、 勉強では突然変異があると思いがちなのはなぜだろうという話。(写真:フォトAC) 【ウチの子は大谷翔平になれない】 大谷翔平選手が昨日、48号2ランを打って48本塁打48盗塁を達成。50-50も目前となりました。その活躍ぶり、注目のされ方、そして10年間で約1015億円という契約金を考えると、ああ私も息子のアキュラに野球をやらせておけばと、つくづく思います。アキュラは大谷選手より1歳年上ですから先に渡米している可能性も高く、私も今ごろは左団扇で悠々自適な生活を送っていたに違いありません…

  • 「字幕をつけてドラマを観れば、一流の俳優の凄さが分かる」~名優の見つけ方②

    大きな音が嫌い、小さな音だと聞こえない、 だから日本のドラマに日本語の字幕を付けて鑑賞する、 なかなか鬱陶しいやり方だがデメリットばかりではない。 俳優たちの優秀さが、字幕を読むと鮮やかに見えてくるのだ。という話。(写真:NHK) 【字幕をつけてドラマを観れば、一流の俳優の凄さが分かる】 聴覚過敏があってテレビの大音量が苦手。加齢による聴覚低下があって音量が少ないと聞こえない、その矛盾を、妻は「ドラマに日本語字幕をつける」という驚くべきアイデアで乗り切ろうとします。画面に文字が重なってかなり鬱陶しい場合もあるのですが、音量を上げるよりはマシという様子です。 子どものころの中耳炎のせいでもともと…

  • 「感覚過敏と配偶者過敏の物語」~名優の見つけ方①

    さまざまに細かな感覚過敏を持つ妻と、 家庭内紛争回避のためなら何でも受け入れてしまう、 極端に臆病な夫が生み出す、 奇妙な生活の物語という話。(写真:フォトAC) 【妻の感覚過敏(触覚編)と私の配偶者過敏】 どうやら妻には境界ギリギリの感覚過敏があるようで、生活の隅々で小さな軋みを起こしています。例えば人工の風。 本人もうまく説明してくれないのですが、ファンヒーターやエアコンといった冷暖房器具の風が苦手で両方とも滅多に使えず、冬場はファンヒーターで急速暖房をした上で止め、あとは昔ながら反射式ストーブで部屋を暖めています。あの、遠赤外線の暖かさがいいいのだそうです。 エアコンも「室温が30度以上…

  • 「育つべきものが育っていないと分からない世界を、物語が教える」~「光る君へ」に見る脚本家の力量④

    育つべきものが育っていないと理解できない世界がある。 それを知るためには経験が必要だが、 もし実体験として得られないとしたら、読書に頼るしかない。 そのことを紫式部も大石静も知っていた。という話。(写真:フォトAC) 【脚本家・大石静の独創性】 これまでのところの「光る君へ」の脚本家の独創性――普通の人には思いつかないこと、思いついてもすぐに手放してしまうことは、三つあります。 ひとつは藤原道長と紫式部の子どものころからの関係と恋愛、不義の子を産んだこと。 二つ目は源氏物語の桐壺帝と桐壺更衣のモデルが一条天皇と中宮定子だとはっきり定めてしまったこと。 第三に、そのために「源氏物語は紫式部が夫の…

  • 「ゴッド・マザー中宮彰子:普通の成長をしてこなかった子」~「光る君へ」に見る脚本家の力量③

    今は弱々しい《陰キャラ》の中宮彰子、 しかしこの子はやがて86歳まで生きて、 藤原家を支えるゴッド・マザーとなる。 いったい彼女に何が起こるのか――。という話。(写真:フォトAC) 【中宮のイメージが違う。名前の魔力に騙されていた】 源氏物語は高校の古典の時間に学び、中高の歴史の授業でも触れました。一度は読んでおかなくてはならないという義務感から大学生時代に谷崎潤一郎の「源氏物語」を読み、それはそれで楽しかったのですが、他にもしなくてはならないことがたくさんあって、源氏物語と紫式部については、以後、社会科教師として教科書程度のことを教えるに留まりました。それ以上深く学ぶことはなかったのです。 …

  • 「フィクションはフィクションだから面白い」~「光る君へ」に見る脚本家の力量②

    年間50話にも及ぶ大河ドラマ、 それを維持するには大胆な発想の転換が必要だ。 学者たちが何を言おうが、実際に見てきた人はいないのだ。 だったら一番面白い解釈を拾おう。という話。(写真:フォトAC) 【誰も真実を知らない】 大河ドラマを任された脚本家はきっとこんなふうに考えます。 これはたいへんだ。年間50回、1回の放送時間は45分(うちドラマ部分は40分)、全部合わせれば33時間に及ぶまさに大河ドラマ。生半可なことではすぐに持たなくなる。紫式部の物語だって? 資料はほとんどないじゃない。だからと言って好き勝手をやったらファンが許さない。 で、考えてみたらこれまでの大河ドラマの脚本家たちも、源義…

  • 「一条帝の半生と源氏物語の類似」~「光る君へ」に見る脚本家の力量

    NHK大河ドラマ「光る君へ」 いよいよ源氏物語が宮中で評判になり始める。 しかしそれにしても、学者の語る紫式部と大河の紫式部、 前者の方がより疑問の多いのはなぜだろう?という話。(写真:フォトAC) 【プロはプロらしく、技や力量を見せてほしい】 プロフェッショナルな人たちが、私がどう転んでもできるはずのない技を見せたり、偉業を達成したりするのを見るのが好きです。 大谷選手が易々とホームランを打つのを見るのもいいし、パラリピアンがとんでもない技や力で競い合うのを見るのも好きです。奈良や京都の観光バスのドライバーが、狭い住宅地の交差点を、右前10cm、左後ろ10cmくらいで一発ですり抜けて行くのを…

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