俳優大泉洋さんの『大泉エッセイ僕が綴った16年』、面白いです。水曜どうでしょうの話、家族の話、大泉さんが旅で遭遇したおもしろい人々の話など。それをいつものボヤキ口調や、時にマジメな文章で綴られています。しかしなぜ私は、こんなに面白いエッセイ...
俳優大泉洋さんの『大泉エッセイ僕が綴った16年』、面白いです。水曜どうでしょうの話、家族の話、大泉さんが旅で遭遇したおもしろい人々の話など。それをいつものボヤキ口調や、時にマジメな文章で綴られています。しかしなぜ私は、こんなに面白いエッセイ...
『烏の緑羽』を読んでから、またしても考察妄想を書き出してみました。※あくまで個人の感想です。ここまでの考察もしかしたら、ここまでの翠寛の苦難の人生は、紫苑の宮の逃亡のための前フリだったのかもしれません。なんだかんだいって雪哉は出自と天賦の才...
『烏の緑羽』は、長束と側近の路近、新たに側近に加わった翠寛の物語。路近の「忠誠」の理由と、翠寛の人生、そして長束の覚悟が描かれます。今回は特に、人物描写のすさまじさを感じた回でした。
『カラフル』は本屋大賞を受賞した阿部暁子さんの青春小説。挫折と絶望を味わった六花と伊澄がお互いを理解してゆく物語。本屋大賞を受賞した『カフネ』に劣らない名作です。
『風の岸 迷宮の海』を読むと、泰麒の人生の中で、ここが一番幸せだった時かもしれない。このあとに彼の運命を思うと、そう思わずにはいられません。十二国記とは十二の国からなる異世界。そこでは生き物は卵から生まれる。それぞれの国に王がいて、王は麒麟...
アニメ『烏は主を選ばない』のエンドカードを集めたポストカード集、手に入れました。受注販売で期間限定だったので、ちょっと高かったけれど思い切って購入。結果から言うと、買ってよかった…!アニメ『烏は主を選ばない』自体は面白かったけれど、キャラク...
イラストレーター名司生(なつき)さんの作品集『名司生ART WORKS』は、不思議な世界が美しい水彩で表現された作品集。人気ファンタジー『八咫烏シリーズ』の世界観が巧みに表現された表紙絵など、名司生ワールドの多彩な魅力が楽しめます。
『「八咫烏シリーズ」ファンBOOK』。今回、阿部先生作家生活10周年を記念し、描き下ろしや過去のインタビューなど秘蔵の記事を再編集。
『魔性の子』は十二国記の外伝的なホラー作品。記憶を失い、十二国の世界から現代社会に戻ってしまった泰麒が遭遇する惨劇の物語です。『魔性の子 十二国記 0』あらすじ広瀬は幼い頃の臨死体験から、他人とあまり馴染めずにいた。ただ、良くしてくれた恩師...
異世界「山内」を舞台とするファンタジー、八咫烏シリーズ。その中で「幕間」と題されるのは、人間側の視点からみた山内をホラー仕立てで描かれる物語です。『山を下りて』は、八咫烏シリーズファンBOOKにて掲載。『山を下りて』あらすじ主婦の美紀は姑の...
八咫烏シリーズ幕間『烏の山』。『弥栄の烏』から、『楽園の烏』の間の出来事をつづった短編。人間世界からみた山内を描いたホラー作品です。
『花菱夫妻の退魔帖 五』では、子を思う母の霊、子を襲う父の霊に遭遇する花菱夫妻。一方、鈴子の養い親殺しの容疑者の詳細が明らかに。そして、鈴子に執着する老婦人の不気味な行動。謎が謎を呼ぶ大正幽霊奇譚、ますます面白くなってきました…!
『星と輝き花と咲き』は明治のアイドル、女義太夫・竹本綾之助の半生を描いた時代小説。作者は『吉原引手草』の松井今朝子さんです。
『鬼滅の刃』で学ぶ はじめての仏教は『鬼滅の刃』を通じて仏教を学ぶ本です。『鬼滅の刃』と仏教の教えには共通点が多いのです。
本の栞って、みなさん何を使っていますか?本読みにとって栞は相棒のようなもの。手作りやノベルティ、ちょっと変わった栞まで、いろいろな栞を集めてみました。
『サトコとナダ』から考えるイスラム入門 ムスリムの生活・文化・歴史
『サトコとナダ』から考えるイスラム入門 ムスリムの生活・文化・歴史 では、イスラム教の歴史、テロ、イスラム教徒とのつきあい方について、漫画『サトコとナダ』を例に解説しています。仏教の宗派と似ている、さまざまなイスラム教徒たち『サトコとナダ』...
『向田邦子の恋文』は向田邦子の秘められた恋の手紙、妹・和子さんが姉との思い出を綴ったエッセイです。
『望月の烏』では、紫苑の宮の消息など、様々なことが判明したものの、まだまだ謎が多い八咫烏シリーズ。懲りずに妄想を考えてみました。※あくまで個人の感想であり、多くのネタバレを含みます。ご容赦いただければ幸いです。『望月の烏』感想はこちら判明し...
八咫烏シリーズ第二部『望月の烏』。時間軸でいうと『追憶の烏』の10数年後、『楽園の烏』の少し前といったところです。
『漢方・ツボ・薬膳・気功の本』クロワッサンちゃんと役立つ実用の本
『しあわせは食べて寝て待て』の薬膳『漢方小説』の漢方に刺激を受け、実生活でも漢方を服用したり、薬膳の食材を試したりしています。でも、実際のところ漢方を含めた東洋医学ってわかりづらいんですよね。何か、素人にもわかりやすい本はないものか…と探し...
『それいけ!平安部』は、新たに創設した「平安部」の活躍を描く…のですが、でも「平安部」っていったい、何をするの?
八咫烏シリーズ外伝『かりんみず』。『烏に単は似合わない』に登場した桜花宮の侍女・早桃の家族の物語です。
八咫烏シリーズ外伝『さわべりのきじん』は、シリーズ最初から旧知の仲だった澄尾と奈月彦の出会いの物語です。
人気アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の外伝集。映画にもなった『永遠と自動手記人形』や、C.H郵便社のベネディクトやカトレアのエピソードも。これまで、原作を読んでこなかったのでアニメとの違いや設定が新鮮でした。知っている話も、知らな...
『かもめ食堂』の料理が本になりました。『飯島風』はフードスタイリストの飯島奈美の料理とエッセイ。
『きらをきそう』は異世界・山内の「綺羅絵」と遊郭をモチーフにした短編。今後の物語に続く設定や伏線が多数あって読み応えあり。
松井今朝子さんの『吉原十二月』。吉原の一年間の行事にからめて、ふたりの花魁の半生を描きます。大河ドラマ『べらぼう』と同時期の絢爛豪華な吉原描写も素晴らしい。『吉原十二月』あらすじふたりの異なる性格の花魁、胡蝶と小夜衣。禿時代からしっかりもの...
八咫烏シリーズ展覧会&トークショーの思い出(2023.4.21~22)
八咫烏シリーズ展覧会&トークショーの思い出。2023年4月に行われたトークショーでは、八咫烏シリーズの装画、漫画のイラストも展示。
50代女性の団地ライフを描いた『また 団地のふたり』。出世や成功がなくたって、友達と美味しいものがあれば、人生は案外楽しい。
八咫烏シリーズ外伝2『烏百花 白百合の章』。電子書籍で発売されていたものと書き下ろし一作。第二部『楽園の烏』につながりがりそうなお話も…。
『なつのゆうばえ』は八咫烏の帝「金鳥代」の皇后である「大紫の御前」の物語です。悪役である彼女の過去に何があったのか。
八咫烏シリーズ外伝『ちはやのだんまり』。千早の妹、結の結婚話にまつわるドタバタ劇。登場人物がみんなかわいらしいです。
八咫烏シリーズ『はるのとこやみ』は1巻『烏に単は似合わない』の前日譚。東家の姫・あせびの母親・浮雲のお話です。
八咫烏シリーズ外伝『ふゆのことら』本編『烏は主を選ばない』 の前日譚。雪哉と、同郷の先輩である市柳のお話です。
『カフネ』には驚きと感動がありました。あらすじは普通なのに、読むとものすごく奥深い。疲れ果てているのに誰にも頼れない。そんな人を優しく、美味しく癒やす家事の物語です。ミステリ要素も少しあり。『カフネ』あらすじ法務局に務める野宮薫子は、離婚と...
八咫烏シリーズ外伝『あきのあやぎぬ』。西本家の嫡男、顕彦の側室になった女性の物語です。『あきのあやぎぬ』あらすじ西家の官僚の妻・環は夫の死後、多額の借金があることを知らされ、子供とともに食うや食わずの生活に落とされる。だがあるとき、夫と面識...
八咫烏シリーズの短編集『烏百花 蛍の章 八咫烏外伝』これまで電子書籍のみの発売であった短編が、新たに書下ろし2話を含む外伝集として発表されました。電子書籍で発売された4話は以下の通り。『すみのさくら』浜木綿の小さい頃のお話。南家の姫として両...
『科学がつきとめた疑似科学』は、そんな疑似科学に騙されないための科学リテラシー本。イラスト入りなので難しい科学もわりあい簡単に読めます。科学には「完璧」はない。なぜなら科学は反証できることが大前提だから。しかし世の中には確実性を謳った疑似科...
八咫烏シリーズ外伝『ふゆきにおもう』。『烏は主を選ばない』の主人公・雪哉の出生にまつわる物語です。『烏は主を選ばない』 から八咫烏シリーズの重要な役割を担ってきた雪哉。一見、飄々としているけれど、俯瞰的に物事をみる目と明晰な頭脳を持つ少年で...
八咫烏シリーズ外伝『まつばちりて』。本編『烏は主を選ばない』の登場人物・松韻の物語です。『まつばちりて』あらすじ八咫烏の世界「山内」でも下層の「谷合」。娼家で生まれた「まつ」は女郎になる運命を背負った少女だった。しかし、その才を見出されて金...
人の姿をとる八咫烏の世界を描いた阿部智里先生の『八咫烏シリーズ』外伝『しのぶひと』。若宮のお后候補だった美女・真赭の薄(ますほのすすき)に縁談がもちあがり…。『しのぶひと』あらすじ若宮・奈月彦を守るため、地方豪族の次男坊・雪哉は王の護衛であ...
『世界のすごい女子伝記 未来への扉をひらいた、歴史にのこる50人』
『世界のすごい女子伝記 未来への扉をひらいた、歴史にのこる50人』は、王様から芸術家まで、幅広い時代、分野で世界を変えた女性を紹介。イラストと装丁がかわいくて一目惚れ。ヨーロッパの女の子がベッドで読んでいそうな本です。しかし、やさしい文章で...
八咫烏シリーズ外伝『すみのさくら』。南家の姫・浜木綿の子供時代のお話です。浜木綿は南家の姫でありながら、両親が政権争いに敗れて殺されたため山烏として育った過去があります。その際に若宮とも面識があった…というのが『烏に単衣は似合わない』で語ら...
『亡霊の烏』を読んで説に思ったのが、「救いがほしい…」でした。なので、自分の心を救うためにも、少し楽観的な妄想をしたくなったんです。『亡霊の烏』の感想はこちらだって、『追憶の烏』の奈月彦の暗殺以来の衝撃が起こるんですよ。雪哉のいちばん大切な...
『亡霊の烏』は、『楽園の烏』後の異世界・山内で起こる苛烈な権力闘争が描かれます。そして、今回も地獄の様相を呈していきます。余韻に任せて書いたため、長文ネタバレご容赦ください。『亡霊の烏』あらすじ『楽園の烏』で博陸侯に敗れた地下街の長・トビは...
『光のとこにいてね』は、二人の女性の半生と愛を描いた物語。本当に一穂ミチ作品は残酷だ。残酷で美しくて愛おしい。鋭利な刃物でいつの間にか切られたような、その傷口は痛いのに、どこか甘い快楽をともなっていて、物語から抜けだせなくなるのです。『光の...
AudibleはAmazonのオーディオブック。でも、ただの朗読ではありません。一流の声優や俳優が演じる音の読書は、物語の世界にどっぷり入り込めるのです。そんな臨場感が半端ないAudible作品で特に最高だった三冊をご紹介。『墨のゆらめき』...
これまで読んできた作品の中で、図書館・書店・古書店が登場するものを集めました。随時更新予定。図書館のお話私設図書館や学校図書館、昔の図書館に本が飛び回る図書館まで。『図書館のお夜食』(原田ひ香)…夜だけ開く私設図書館の、物語に登場する夜食。...
三浦しをん初期の作品『月魚』。三浦しをんさんの好きなもの(本とBL)がぎゅっと詰まった美しい物語です。『月魚』あらすじ真志喜と瀬名垣は、幼い日に瀬名垣が見つけた稀少本のせいで大切なものを失った。だから二人は近づくことも、離れることもできない...
『レシピ ド シネマ 幸せを運ぶ29のおいしい映画』 川端 麻祐子
『レシピ ド シネマ』は映画の中の美味しそうな料理レシピがたくさん。映画好き、料理好きの方は必見の1冊。29の映画に出てくる、印象的な料理のレシピ自分の身の回りの恋愛体験や自分の感想などをふまえた川端さんの文章は潔い感じ。時には映画に対し自...
古書と旅と謎解きと『愛についてのデッサン―佐古啓介の旅 』野呂邦暢
『愛についてのデッサン―佐古啓介の旅』。古書店の若き店主・佐古啓介が、本に込められた人の思いを読み解いてゆくストーリー。40年以上前の作品だけど、まったく色褪せないし面白さがあります。旅と古書と謎解き旅と古書と謎解き。そんなふうに書くと、あ...
『時計館の殺人』は、時計塔の館で起こる惨劇を描いた館シリーズ第五段。これはもう、トリックがものすごいのでとにかく読んでほしい。『時計館の殺人』あらすじ少女の幽霊が出るという噂の鎌倉の時計館。その館で三日間、閉鎖された屋敷の中で降霊会が開催さ...
こんなにもたくさんの国が助けてくれた『THANK YOU WORLD 世界の国旗とありがとう』
『THANK YOU WORLD 世界の国旗とありがとう』は、東日本大震災で日本を助けてくれた国の国旗、援助、祈りの風景などを掲載。そして、それぞれの国の言葉で「ありがとう」と入れたメッセージブックです。小学校の図書館に置きたい本。アメリカ...
『早番にまわしとけ』は『遅番にやらせとけ』に次ぐ書店小説です。「遅番」が男子店員の物語でしたが、「早番」は女子が主人公です。書店のリアルな業務とともに書店員の恋愛模様や成長が描かれます。閉店危機の書店、ミス連発で怒られる日々、個性豊かでめん...
『遅番にやらせとけ 書店員の逆襲』は、書店の遅番男子バイトたちが遭遇する事件を描いています。読んだ後に少し幸せな気持ちになれます。『遅番にやらせとけ 書店員の逆襲』あらすじ三軒茶屋にある爽快堂書店。遅番を務めるバイトたちは、漫画オタクの小島...
『婚活マエストロ』は、ライター・猪名川が仕事のため婚活へ参加。そこで、婚活のリアルと、凄腕の社員・鏡原さんの秘密を知ることに。婚活に励む人も、そうでない人にも刺さる物語でした。作者は『成瀬は天下を取りにいく』の宮島未奈さん。『婚活マエストロ...
『かもめ食堂』は映画のための書き下ろし小説。この本を読むと、無性におにぎりをにぎって食べたくなります。『かもめ食堂』あらすじ「素朴でいいから、ちゃんとした食事を食べてもらえるような店をつくりたい」と思い、フィンランドにかもめ食堂を開いたサチ...
沖縄の島を舞台にした恋愛小説、『カフーを待ちわびて』の外伝『花々』。純粋な続編ではなく、明青や幸と交流のあった女性たちを主人公にした物語です。独立した物語になっているので『カフーを待ちわびて』を読んでいなくても問題なく読めます。『花々』あら...
ガリレオシリーズ『容疑者Xの献身』。さすがは直木賞受賞作。緻密なトリックも人間ドラマも素晴らしい物語でした。『容疑者Xの献身』あらすじシングルマザーの花岡靖子は、娘を襲おうとした元夫を殺害してしまう。隣人である石神は彼女たちの犯罪を聞きつけ...
江戸川乱歩の『幽霊塔』は、黒岩涙香版をベースに江戸川乱歩がリライトした現代版(といっても昭和初期)です。『幽霊塔』あらすじ北川光雄は叔父・児玉丈太郎が買い取った『幽霊塔』と呼ばれる古い屋敷を視察に行った際、不思議な美女と出会う。彼女は時計塔...
『幽霊塔』は明治32年、イギリスの小説を翻訳…というか、黒岩涙香が勝手に改変した塔を巡る冒険活劇ミステリ。『幽霊塔』は、少年時代の江戸川乱歩や宮崎駿も憧れた小説で、後に江戸川乱歩によってリライトされ、宮崎駿の『カリオストロの城』にも影響を与...
『山海経』とは、中国の古い書物で、「●●という地方には、こんな動物や植物がいる。」という一種の生物図鑑です。しかし、中に書かれている生き物たち、かなり奇想天外です。例えるならハリー・ポッターの『幻の動物とその生息地』に近いかもしれません。た...
森薫さん原作のアニメ『エマ』の監修をつとめた村上リコさんがまとめた『図説英国メイドの日常』。この本はメイドたちの言葉や数々の資料から、当時のメイドがどんな風に働き、生きていったのかを紹介しています。漫画『エマ』のようにはいかない、英国メイド...
英国版・家政婦は見た!『英国メイド マーガレットの回想』マーガレット・パウエル
『英国メイド マーガレットの回想』は1920年代の女性マーガレットのメイド時代の体験を綴ったもの。当時の労働階級への差別や辛い労働が描かれていて、古きよき英国に憧れる人にとっては少し厳しい内容かもしれません。けれど、劣悪な環境の中でも、キャ...
『迷路館の殺人』は、館シリーズ第三段。作中作の形式をとりながら、迷路仕立ての館で起こる殺人事件が描かれます。幾重にも張り巡らされたトリックに、ページをめくる手が止まりませんでした。『迷路館の殺人』あらすじ迷路館は天才建築家、中村青司が手掛け...
『のぼうの城』は、和田竜さんの大人気戦国小説。いわゆる「負け組」にあたる関東の小城・忍城が、豊臣秀吉という巨大権力に一矢を報いるためにたちあがるところが人の心をとらえるのでしょうね。もちろん、私も心を捉えられた一人です。「少人数が大多数を打...
『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』岸田奈美
『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』は、岸田奈美さんが家族のことや仕事のことをセキララに、そしてトコトン面白く描いた家族エッセイ。読み終わって思ったのは「この家族すげえな」です。みんなほんとすげえ。悲劇なのに喜劇まず、岸田...
『カフーを待ちわびて』は、沖縄の小島を舞台とした、あたたかく、奇跡のようなものがたり。原田マハさんの小説デビュー作です。『カフーを待ちわびて』あらすじガジュマルを渡る風が風吹き抜ける美しい島に飼い犬・カフーとともに暮らす明青。そんな明青のも...
カフェ・マーニの舞台となった月浦のカフェ
館シリーズ第二弾『水車館の殺人』。マスクで顔を覆う館の主人、彼の幼妻、画家の幻の遺作を見るため年に一度館を訪れる人々。「嵐の山荘」そして、「探偵」の島田潔。すべての伏線が回収される時、快感と恐怖が同時に襲ってきます。『水車館の殺人』 あらす...
『小野寺の弟、小野寺の姉』は片桐はいりさん、向井理さん主演で舞台化・映画化された原作小説です。『小野寺の弟、小野寺の姉』あらすじ早くに両親を亡くし、ずっと2人で暮らしてきたより子と進の小野寺の姉弟。しっかりものの姉・より子と、人見知りな弟・...
『定食屋「雑」』は、もともとお酒のアンソロジー『ほろよい読書』に掲載された短編。この本では定食屋「雑」のその後が語られます。『定食屋「雑」』あらすじ食に対する価値観の違いから、離婚を要求された沙也加。その原因を探るべく夫のいきつけだった定食...
『無私の日本人』は、歴史学者の磯田道史先生が古文書をもとに書かれた歴史小説。「無私」とは自分をの欲や利害にとらわれないこと。自分の欲を捨て出世を望まず、人のために尽くした三人の人々の物語です。これはすべての日本人に読んでほしい。特に政治家の...
『天国はまだ遠く』は、自殺志願の女の子と田舎の民宿の主人との交流の物語。人生をリセットできるのは、美味しいご飯と眠ること。疲れたら休んでいいし、楽しんでもいいんです。そんなふうに思わせてくれるやさしい物語です。『天国はまだ遠く』あらすじ仕事...
『世界でいちばん透きとおった物語2』は、電子書籍化不可能と言われた前作の続編。しかし、今回は電子書籍でも販売されている。その理由とは…。『世界でいちばん透きとおった物語2』あらすじ父親の残した原稿『世界でいちばん透きとおった物語』を発表した...
『赤と青のガウン』は彬子女王の留学記。彬子女王は皇族として初めてオックスフォードで博士号を取得された方。イギリスで体験したエピソードを面白く語っておられます。皇族、そして研究者として二つの視点で描く留学期はこれまでにない面白さでした。ちなみ...
『森崎書店の日々』は主人公の貴子が本の面白さに目覚め、人生を再生していく様子が描かれました。その続編となる『続・森崎書店の日々』では、貴子と森崎書店を取り巻く人々との交流が描かれます。『続・森崎書店の日々』あらすじ森崎書店を「卒業」して就職...
『森崎書店の日々』は、本に興味のなかった主人公が、古書店に住むことになり、読書に目覚めていく物語。時には人生の中で立ち止まってみると、そこから新しい景色が広がっていくんです。『森崎書店の日々』あらすじ恋人から「今度(別の人と)結婚するんだよ...
『夜明けのすべて』はPMS、パニック障害に苦しむ二人と、それを見守る大人たちの物語。読み終わって「ぽっ」っと小さな明かりが胸に灯ったような、そんな温かさを感じました。『夜明けのすべて』あらすじPMS(生理前症候群)に苦しむ藤沢さんは、月に一...
『レヴォリューション No.3』は読んだ後「うおぉーーー!!」と叫びながら走りだしたくなる。たとえそれが、私のようなオバちゃんでも。ゾンビーズシリーズ第一弾、新宿の落ちこぼれ男子校に通う「ザ・ゾンビーズ」の仲間たちの物語。『レヴォリューショ...
『友が、消えた』は、ザ・ゾンビーズシリーズの続編。読み終わった時、涙が溢れた。電車の中だったのに。私にもスイッチが押されたのだ。彼らのように。『友が、消えた』あらすじ落ちこぼれ高校生、ザ・ゾンビーズ。女子校の学園祭へ侵入したり、ストーカー被...
『烏衣の華 2』では、月季の恐れていたものが現れます。月季はそれに立ち向かうことができるのか。また、今回『後宮の烏』の登場人物たちも深く関わってきます。『烏衣の華 2』あらすじ男性を呪い殺す香炉の除霊を頼まれた月季は、香炉に取り付く女の幽鬼...
O・ヘンリーといえば、ニューヨークだ。『O・ヘンリー ニューヨーク小説集』
『O・ヘンリー ニューヨーク小説集 』は、小説の中でニューヨークを舞台にしたものを厳選。それに当時の時代背景や風俗などの解説文が加えられたもの。こんな本を待っていたのです。当時の社会情勢や風俗を知れば、より物語がたのしめますから。O・ヘンリ...
『そんなときは書店にどうぞ』は、書店や出版社の人々との交流を描いたエッセイ。映画『夜明けのすべて』の舞台裏や書店とのやりとりが赤裸々に、そしてユニークに綴られています。個性豊かな書店(と出版社)の人々読み始めはちょっと不安でした。だって結構...
『幸福な食卓』はとある家族のお話。この家族は普通じゃないかもしれない。でも、家族のかたちはそれぞれ。心が通じ合っていることこそが大事。『幸福な食卓』あらすじある日の朝食のとき、父さんが「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」と、言い出した。...
本屋大賞を受賞した瀬尾まいこさんの『そして、バトンは渡された』。多様性が叫ばれる今だからこそ、受け入れられた物語だと思います。「普通」や「幸せ」は、ひとりひとり違うものだから。『そして、バトンは渡された』あらすじ何人もの親の間を、バトンを渡...
『龍女の嫁入り 張家楼怪異譚』は中国・唐時代を舞台にした怪異譚。幽霊を引き寄せてしまう青年と、彼に嫁いだ龍王の孫娘。この若夫婦が幽霊や妖怪の騒動に巻き込まれていきます。『後宮の烏』シリーズの白川紺子さん初の単行本です。『龍女の嫁入り 張家楼...
浮世絵ファッションを現代のイラストで再現『お江戸ファッション図鑑』
『お江戸ファッション図鑑』は、町娘から花魁、庶民から大名まで。浮世絵に描かれた幅広い身分のファッション、髪型を紹介したイラスト本。イラストも美麗だし、年代別に髪型やファッションを紹介しています。これがめちゃくちゃわかりやすい!この本を読んで...
『面白すぎて誰かに話したくなる 蔦屋重三郎』は、彼の生涯や写楽のプロデュース、当時の政治や経済を踏まえて時代の寵児・蔦屋重三郎を語る一冊。大河ドラマ『べらぼう』の副読本としてもおすすめです。蔦屋重三郎の生涯蔦屋重三郎(蔦重)は、吉原育ち。吉...
『写楽 閉じた国の幻』は、写楽の正体に迫ったミステリ小説です。果たしてこれはミステリなのか、それとも学術的な研究なのか。途中でわからなくなってきます。それくらい設定がリアル。もしかしたら、こんな「写楽」の可能性もあるのじゃないか…と。『写楽...
M-1、漫才の解説書『答え合わせ』石田明(NON STYLE)
『答え合わせ』は、漫才師・NON STYLE石田明さんによるM-1、漫才の解説書。これを見ればM-1がより面白くなると思います。石田さんは一部で「教授」と呼ばれるほどM-1、漫才の解説に定評のある方。実は私、今でも一番好きな芸人はNON S...
カリスマ女性作家の、知的ガチトークバトル『古典夜話:けり子とかも子の対談集』白洲正子、円地文子
『古典夜話: けり子とかも子の対談集』は、名随筆家であり、骨董収集家で目利きの白洲正子、古典文学に造形の深い小説家・円地文子。この博識な女流文学者2人が語る古典・芸術よもやま話です。対談ではおふたりとも何気なく話しているようですが、内容はか...
『東京 わざわざ行きたい 街の本屋さん』は、本好きにとっては旅行案内であり、宝探しの地図のような本。本好きのみなさん、ぜひこの本を片手に本屋目的で旅や散策を楽しんでみてください。西荻窪から始まる何がすごいってこの本、最初の街が西荻窪なんです...
俳優・小林聡美さんのエッセイ『茶柱の立つところ』。日々の出来事がコミカルに描かれています。今回、久しぶりに読んだけれど、肩肘張らない感じがとてもいい。肩肘張らないエッセイ若い頃やマダム時代も、日常をコミカルに描いていた小林聡美さんのエッセイ...
神楽坂にあるブックカフェ、かもめブックス。かもめブックスは、校正会社・鴎来堂さんの経営するブックカフェ。そのためほかのブックカフェとはまた一味ちがったセレクトの本が楽しめます。かもめブックスちなみに、買った本はこちら「本を読む人のための書体...
森薫さんの中央アジア漫画『乙嫁語り7』では、女性同士の結婚制度「姉妹婚」が紹介されていました。19世紀には廃れてしまった風習らしいのですが、その元ネタとなるのがこの『ペルシア民俗誌』という本です。中東の姉妹婚・ハーハル・ハーンデ『ペルシア民...
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『99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方』竹内 薫
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俳優大泉洋さんの『大泉エッセイ僕が綴った16年』、面白いです。水曜どうでしょうの話、家族の話、大泉さんが旅で遭遇したおもしろい人々の話など。それをいつものボヤキ口調や、時にマジメな文章で綴られています。しかしなぜ私は、こんなに面白いエッセイ...
『烏の緑羽』を読んでから、またしても考察妄想を書き出してみました。※あくまで個人の感想です。ここまでの考察もしかしたら、ここまでの翠寛の苦難の人生は、紫苑の宮の逃亡のための前フリだったのかもしれません。なんだかんだいって雪哉は出自と天賦の才...
『烏の緑羽』は、長束と側近の路近、新たに側近に加わった翠寛の物語。路近の「忠誠」の理由と、翠寛の人生、そして長束の覚悟が描かれます。今回は特に、人物描写のすさまじさを感じた回でした。
『カラフル』は本屋大賞を受賞した阿部暁子さんの青春小説。挫折と絶望を味わった六花と伊澄がお互いを理解してゆく物語。本屋大賞を受賞した『カフネ』に劣らない名作です。
『風の岸 迷宮の海』を読むと、泰麒の人生の中で、ここが一番幸せだった時かもしれない。このあとに彼の運命を思うと、そう思わずにはいられません。十二国記とは十二の国からなる異世界。そこでは生き物は卵から生まれる。それぞれの国に王がいて、王は麒麟...
アニメ『烏は主を選ばない』のエンドカードを集めたポストカード集、手に入れました。受注販売で期間限定だったので、ちょっと高かったけれど思い切って購入。結果から言うと、買ってよかった…!アニメ『烏は主を選ばない』自体は面白かったけれど、キャラク...
イラストレーター名司生(なつき)さんの作品集『名司生ART WORKS』は、不思議な世界が美しい水彩で表現された作品集。人気ファンタジー『八咫烏シリーズ』の世界観が巧みに表現された表紙絵など、名司生ワールドの多彩な魅力が楽しめます。
『「八咫烏シリーズ」ファンBOOK』。今回、阿部先生作家生活10周年を記念し、描き下ろしや過去のインタビューなど秘蔵の記事を再編集。
『魔性の子』は十二国記の外伝的なホラー作品。記憶を失い、十二国の世界から現代社会に戻ってしまった泰麒が遭遇する惨劇の物語です。『魔性の子 十二国記 0』あらすじ広瀬は幼い頃の臨死体験から、他人とあまり馴染めずにいた。ただ、良くしてくれた恩師...
異世界「山内」を舞台とするファンタジー、八咫烏シリーズ。その中で「幕間」と題されるのは、人間側の視点からみた山内をホラー仕立てで描かれる物語です。『山を下りて』は、八咫烏シリーズファンBOOKにて掲載。『山を下りて』あらすじ主婦の美紀は姑の...
八咫烏シリーズ幕間『烏の山』。『弥栄の烏』から、『楽園の烏』の間の出来事をつづった短編。人間世界からみた山内を描いたホラー作品です。
『花菱夫妻の退魔帖 五』では、子を思う母の霊、子を襲う父の霊に遭遇する花菱夫妻。一方、鈴子の養い親殺しの容疑者の詳細が明らかに。そして、鈴子に執着する老婦人の不気味な行動。謎が謎を呼ぶ大正幽霊奇譚、ますます面白くなってきました…!
『星と輝き花と咲き』は明治のアイドル、女義太夫・竹本綾之助の半生を描いた時代小説。作者は『吉原引手草』の松井今朝子さんです。
『鬼滅の刃』で学ぶ はじめての仏教は『鬼滅の刃』を通じて仏教を学ぶ本です。『鬼滅の刃』と仏教の教えには共通点が多いのです。
本の栞って、みなさん何を使っていますか?本読みにとって栞は相棒のようなもの。手作りやノベルティ、ちょっと変わった栞まで、いろいろな栞を集めてみました。
『サトコとナダ』から考えるイスラム入門 ムスリムの生活・文化・歴史 では、イスラム教の歴史、テロ、イスラム教徒とのつきあい方について、漫画『サトコとナダ』を例に解説しています。仏教の宗派と似ている、さまざまなイスラム教徒たち『サトコとナダ』...
『向田邦子の恋文』は向田邦子の秘められた恋の手紙、妹・和子さんが姉との思い出を綴ったエッセイです。
『望月の烏』では、紫苑の宮の消息など、様々なことが判明したものの、まだまだ謎が多い八咫烏シリーズ。懲りずに妄想を考えてみました。※あくまで個人の感想であり、多くのネタバレを含みます。ご容赦いただければ幸いです。『望月の烏』感想はこちら判明し...
八咫烏シリーズ第二部『望月の烏』。時間軸でいうと『追憶の烏』の10数年後、『楽園の烏』の少し前といったところです。
『しあわせは食べて寝て待て』の薬膳『漢方小説』の漢方に刺激を受け、実生活でも漢方を服用したり、薬膳の食材を試したりしています。でも、実際のところ漢方を含めた東洋医学ってわかりづらいんですよね。何か、素人にもわかりやすい本はないものか…と探し...
物理的にも心情的にも「電子書籍で絶対に読めない本」を3冊集めてみました。紙の特徴や印刷、装丁を生かしたこれらの本は、電子書籍やオーディオブックでは味わえない体験を与えてくれます。 『世界でいちばん透きとおった物語』杉井 光 「電子書籍化不可
岡本かの子さんの短編『老妓抄』。作中に書かれたこの歌が好きで、折々に読み返しています。 年々にわが悲しみは深くして いよよ華やぐ命なりけり 岡本かの子とは 岡本かの子さんは芸術家・岡本太郎さんの母。そして、破天荒で壮絶な人生が浮かびます。(
猫は人間がいない時、何をしているのでしょうか。お昼寝?ごはん?それとも飼い主の知らない「どこか」へでかけていて、いつも素知らぬ顔で戻ってくるのかも…。 そんな空想を描いた絵本が『ねこはるすばん』です。 ご主人がでかけたあと、くつろいでいるか
乙女の本棚シリーズ『待つ』は太宰治の小説を今井キラさんがイラスト化。美麗で儚げな少女が「待つ」のは一体誰なのでしょう…? 『待つ』あらすじ 毎日、駅のベンチに佇んで「誰か」を待つ少女。彼女自身、待ち人が誰かわからない。 もし、その相手が現れ
Amazonのオーディオブック、Audible(オーディブル)。使ってみたら思ったよりもずっと快適でした。 ここでは、実際に私が使ってみて感じたAudible(オーディブル)のメリットとデメリットについて書いています。 Audibleのメリ
『どすこいみいちゃんパンやさん』は、体格のいい猫のみいちゃんがパンを焼くお話です。 みいちゃんのパンやさん 猫のみいちゃんはパンやさん。朝早くから起き出してお仕事をします。毎朝のルーティンは「しこをふむ」こと。手をグーパー、グーパーしながら
猫は人間がいない時、何をしているのでしょうか。お昼寝?ごはん?それとも飼い主の知らない「どこか」へでかけていて、いつも素知らぬ顔で戻ってくるのかも…。 そんな空想を描いた絵本が『ねこはるすばん』です。 町田尚子さんの絵本は猫のリアルな描写と
和風ファンタジー『烏に単は似合わない』をオーディオブック・Audibleで聴いてみました。原田マハさんの『板上に咲く』に続き、「聞く読書」は新しい発見があって面白いです。 『烏に単は似合わない』は人の姿をとる八咫烏の住まう山内で、日嗣の御子
『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場』 は、東日本大震災で壊滅した日本製紙石巻工場の復興ドキュメントです。 こんなにも、読むのが大変だった本はありませんでした。数ページ読むごとに、涙がでてしまうから。 この本をもと
『文様えほん』は、模様や文様が好きな人必見の絵本。文様を身の回りから探して紹介しています。 子どもはもちろん、着物や和雑貨が好きな大人が読んでも面白いですし、文様のことを楽しく学べます。 文様ってなんだろう 『文様えほん』では、知っているよ
『世界でいちばん透きとおった物語』は、本の中にさまざまな仕掛けがほどこされたミステリ小説。紙の本でしか実現できないトリックが満載の物語です。 「電子書籍化絶対不可能」、そんなキャッチコピーに惹かれて読んでみたら、ラストの展開と張り巡らされた
『板上に咲く』のAudible版を視聴。オーディオブックの朗読は、紙の本とは違う魅力にあふれていました。紙と朗読の表現がそれぞれ違っているので、同じ物語を2倍楽しめた気がします。 オーディオブックで読む『板上に咲く』 『板上に咲く』のあらす
文豪の名作とイラストレーターによる乙女の本棚。谷崎潤一郎の『秘密』は、私の大好きなマツオヒロミさんがイラストを描いています。 『秘密』あらすじ 浮世のしがらみを絶ち、隠遁生活を送る男。退屈しのぎから女装をして夜の街を歩く楽しみを覚える。ある
向田作品の根底にあるものはなにか。 それは彼女が育った「昭和」という時代と、「東京」という文化圏にある。作者の川本氏は解説しています。 昭和ことばに、懐かしい時代をうつす 向田作品には印象的なちょっと古い言い回しの言葉がよくでてきます。「べ
『まいまいつぶろ』は徳川幕府九代将軍・家重とその「口」となった大奥忠光。二人の絆と幕府側の思惑を描いた時代小説。 第170回直木賞候補作品。 徳川家重という人物 『まいまいつぶろ』の家重は、優秀な頭脳を持ちながらもひどいの吃音ために人と話す
文豪の名作と現代のイラストレーターがコラボした『乙女の本棚シリーズ』、今回は太宰治の『葉桜と魔笛』です。 姉妹愛と当時の切ない恋愛事情、少し不思議な出来事が葉桜の思い出とともに語られます。紗久楽さわさんの描写が物語の世界をより深く、美しく伝
文豪の作品と現代のイラストレーターがコラボした乙女の本棚シリーズ。詩人萩原朔太郎とイラストレーターしきみさんによる『猫町』は、幻想的な風景が広がるお話です。 『猫町』とは 三半規管に疾患のある(つまり、よく迷子になる)主人公が、散歩の途中迷
みなさんはお気に入りの音楽をどうやって見つけますか? サブスクやジャケ買いなど、方法はたくさんありますが、私は本の中からお気に入りの音楽を見つけるのが好きです。 文章のプロが描く音楽描写は巧みですし、聞いたときの感動が文章を通じて伝わってく
綾辻行人の館シリーズ第4弾。『人形館の殺人』は、京都の古い邸宅で起こる殺人事件を描いたミステリで、人形(マネキン)が作品のモチーフになっています。 シリーズの中でも異色として語られることの多い作品です。 『人形館の殺人』あらすじ 父親が遺し
「十角館の殺人」面白かった!久々に夜更かししても読み続けたい本に出会いました。作者・綾辻行人氏のデビュー作にして最高傑作との呼び声が高い傑作ミステリです。 ミステリ小説のネタバレ感想は無粋だと思うので、概略だけ。 『十角館の殺人』あらすじ