そもそも我が門所立の境智において重々の秘説あり。一には、本地難思境智冥合不渡余行直達正観事行の一念三千の大御本尊は境なり、この本尊に向かい奉る我らは智なり。これすなわち、末法下種益の境智なり。二には、右に挙げるところの境妙たる本尊一幅の上において、また境智を論ずれば「南無妙法蓮華経 日蓮判」は境なり、「釈迦・多宝」等は智なり。三には、首題の一仏に境智あり。また「日蓮判」とあそばす宗祖の当体において境智あり。また、日蓮、日興および我ら衆生との間において境智あり。 39節は、御本尊首題の『南無妙法蓮華経日蓮』は境智の妙法であるという正宗教義を否定する日守に対する破折です。富士日興門流の相伝法門に無…