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2022/01/09

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  • 『虐殺器官』伊藤計劃 感想

    こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 9・11以降の、〝テロとの戦い〟は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう……彼の目的とはいったいなにか?大量殺戮を引き起こず〝虐殺の器官〟とは? 1921年に人類学者であり言語学者のエドワード・サピアが、「言語は用いる人間の思考に影響する」という言説を発表しました。その後、サピアの下で言語学を研究していたベンジャミン・ウォーフは、この言説をさらに発展…

  • 『灰とダイヤモンド』イェージイ・アンジェイェフスキ 感想

    こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 焦土と化した戦後ポーランドの混沌とした状況を四日間の出来事に凝縮して描く長篤小説。ヨーロッパ戦線が実質上終結していた一九四五年五月五日、ワルシャワ南部の地方都市で党幹部と誤認された労働者が反革命テロ団により射殺される事件がおこった。 1930年代、ドイツではアドルフ・ヒトラー率いるナチス(国民社会主義ドイツ労働者党)が台頭し、ソ連では独裁政権のスターリン体制が成立しました。この二大国に挟まれたポーランドは、両国からの侵攻の恐怖を常に抱くことになりました。二大国は互いに牽制しあっていましたが、双方でポーランドへ攻め込むことを予め「独ソ不可侵条約…

  • 「眼」シュリィ・プリュドム 感想

    こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 十九世紀のナポレオン・ボナパルト戴冠は、フランスの激動の始まりを告げたと言えます。ヴァグラム、ドレスデン、ライプツィヒ、ワーテルローと、対外的な軍事騒乱が立て続けに起こり、さらにはフランス七月市民革命による復古王政の打倒と、国民感情を強く揺さぶりました。この影響を受けたフランス芸術や文化は大きな変化を見せます。特に文学においては、革命の自由による思想的なロマン主義、作品における美化を省いた自然主義、すべての善悪を絡げた現実主義など、新たな思潮が同時的に隆盛しました。また、フランス詩においても大きな変化が見られました。十一世紀より引き継がれてい…

  • 『ためいきのとき』アンヌ・フィリップ 感想

    こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 36歳の夫ジェラール・フィリップを肝臓ガンで亡くした妻の、夫に捧げるレクイエム。自らの孤独と悲哀を胸に、夫の死を深く見つめて綴った文章には、彼女の高貴な感性と強靱な精神があふれている。真実であること、純粋であること、精神的に優雅であることを心がけていた彼女ならではの、香りたかい愛の書。 1950年代後半から隆盛したフランス映画史の転換的衝撃「ヌーヴェルヴァーグ」、その前の時代に輝いた俳優がいました。ジェラール・フィリップは、第二次世界大戦争後から1950年代のフランス映画界、とくに文芸映画を支えた役者でした。早くから俳優を目指していたジェラー…

  • ウィリアム・シェイクスピア『ヘンリー六世 第三部』感想

    こんにちは。RIYOです。続いて第三部です。 第二部最終幕で映し出されたイギリス内乱の様相は、ヨーク家とランカスター家の争いが次々に生み出す互いの憎悪を、どこまでも激しく連鎖させて血に塗れた戦闘を繰り広げていきます。 ヨークが強引に手に入れた玉座に腰を掛けると、ウォリックは王位を表明することを進言します。そこにマーガレットとランカスター側の貴族たちを率いたヘンリー六世が現れます。互いに王位を主張するなか、ヘンリー六世はヨーク公に対して、「自分の生命がある限りは王として統治させてほしい、そしてその後はヨーク公の思うようにして構わない」という身勝手な提案を出しました。これを受け入れたヨーク公とは反…

  • ウィリアム・シェイクスピア『ヘンリー六世 第二部』感想

    こんにちは。RIYOです。続いて第二部です。 第一部最終幕でのヘンリー六世とマーガレットの婚姻は、不安の影を落としながら宣言されました。本作はシェイクスピアが歴史的な人間の言動をもって普遍的な人間像を描こうとしたことからも、この展開は物語に非常に強い印象を持たせています。ヘンリー五世という強力な王権が消滅したことで生まれた国政の無秩序が、社会や国民の精神の奥深くまで蝕む様子が、この第二部でも明確に描かれています。ウィンチェスター司教の対抗相手という印象が強かったグロスターですが、第二部に入るとその愛国心と騎士道、そして清廉潔白な性質が浮かび上がります。ヘンリー六世が何かと頼りにする場面にも説得…

  • ウィリアム・シェイクスピア『ヘンリー六世 第一部』感想

    こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 百年戦争とそれに続く薔薇戦争により疲弊したイングランドで、歴史に翻弄される王へンリー六世と王を取り巻く人々を描く長編史劇三部作。敵国フランスを救う魔女ジャンヌ・ダルク、謀略に次ぐ謀略、幾度とない敵味方の寝返り、王妃の不貞──王位をめぐる戦いで、策略に満ちた人々は悪事のかぎりをつくし、王侯貴族から庶民までが血で血を洗う骨肉の争いを繰り広げる。 ノルマンディ公ウィリアムのイングランド征服より長く続いていたイギリスとフランスの領地問題は、王位継承問題を口実に、イギリス王エドワード三世が本格的な実戦闘を開戦させます。1339年の北フランス侵入に始まっ…

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