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*小説『ザ・民間療法』全目次を見る人に何かを教えることは、自分自身にとっても学びが大きい。頭のなかにまとまりもなくつめ込まれていた内容が、むりやり整理される。せっぱつまった引っ越しのときみたいに、なくしたと思っていた大事な物が意外なところから出てくること
*小説『ザ・民間療法』全目次を見る私がまだ20代のころ、親戚中でいちばん仲良しだったいとこが、腰痛で入院したことがあった。昭和の時代には、腰痛といえば年寄りか新婚さんのモノと相場が決まっていた。それなのに若くて健康で独身の彼が、腰痛で入院するなんてよほど
*小説『ザ・民間療法』全目次を見る「やんだタマゲたな~。急にナニいうだぁ~♪」私の頭のなかで、オヨネーズの名曲「麦畑」が鳴り響いている。整体学校の大外先生から、出し抜けに「師匠、私を一番弟子にしてください」といわれた私は、いきなりプロポーズされた女性みた
*小説『ザ・民間療法』全目次を見るがん患者には、左側の脊柱起立筋が異常なほど固く緊張している人が多い。起立筋だけではなく、左半身の知覚はことごとく鈍くなっている。そんな状態では、どんなに力を入れてもんでも叩いても、ビクともしないのである。ところがある特定
*小説『ザ・民間療法』全目次を見る友人の父親の宗介さんは、今年85歳になる。戦争で胸に敵の弾を受けてしまってからは、彼はずっと片肺で暮らしてきた。それでも大して不自由もなく、特別な病気もしてこなかった。ところが最近、かぜをこじらせてしまった。症状がなかな
*小説『ザ・民間療法』全目次を見るがんの話をすると嫌われる。ここのところ、それを実感するようになった。がんという病気は、病院で発見されるまではほとんど症状がないのに、末期になるといきなり激痛におそわれる人が多い。「痛みのあまり絶叫して、アゴの骨がはずれた
*小説『ザ・民間療法』を始めから読む私にとって仕事の予約の電話は生命線である。できるだけ受け損ねないように、寝るときだっていつも手が届くところに電話を置いている。その日も夜中にグッスリと眠り込んでいるときに、突然、枕元の電話が鳴り響いた。深夜にかかって
*小説『ザ・民間療法』を始めから読む私の親しい友人である寺田さんは、ロック専門の音楽事務所をやっている。彼の紹介のおかげで、ロックミュージシャンたちからの予約も多くなっていた。音楽の好みとしては、私はロックよりも圧倒的に藤圭子のファンである。だが、私は
*小説『ザ・民間療法』を始めから読む考えてみると、人から人への「紹介」はおもしろいものだ。以前、タモリのお昼の番組に「ともだちの輪」というコーナーがあった。そこではその日のゲストが次のゲストを指名する。すると思いもよらない人同士のつながりが見られて、番