マリア様がみてる二次創作小説「プライベート Attacker」(十五)
***佐藤聖が下級生にレポートの課題を肩代わりさせているのではないか──加東景のかねてからの淡い疑惑は、すぐに解消してしまった。聖はまたしても景の部屋に転がり込んできた。理由は、もちろん、仕上がらない読書感想文の執筆なのである。厄介者だと思っていた相手なのに、いざこうして日参してくれるとなると、やはりそれなりの愛着も湧いてくる。まあ、餌付けしてしまった野良猫のようなものか。逆にこの2LDKの部屋にふたりいるのが当たり前になっていて、聖が帰ってしまうと、とたん寂しさに襲われてしまうのだった。大家の池上弓子が入院してからこっち、独り暮らしの侘しさを切々と噛みしめていたから、賑やかになるのは嬉しかった。しかし、景にはどうしても聖に確かめたくてたまらないことがあったのだ。築山みりんの残したあの衝撃的な言葉。あれは...マリア様がみてる二次創作小説「プライベートAttacker」(十五)
2023/07/15 05:40