マリア様がみてる二次創作小説「プライベート Attacker」(四)
「いえ、別に。そう思っただけなの」質問のやり先をひっこめる。トクガワさんは一瞬にして表情をほぐした。礼儀正しい後輩顔になる。さっきの攻め顔と、こちらのおとなしめの甘えた声の貌と。どちらが彼女の素なのだろう。「もしや、そこなるお姉さまはリリアン女子大の方でしょうか?」──…お姉さま!!うわ、お姉さまだって!!嬉し恥ずかし、加東景。成人式を迎えてはいるが、いまだかつて、そんな呼ばれ方をしたことなぞない。リリアン女学園の幼稚舎から純粋培養されたお嬢さまがたがエスカレーター式に進学するリリアン女子大とはいいながら、大学キャンパス内ではスール制度などはなく、お上品言葉などが不文律で飛び交っているわけでもない。ましてや、あのサトーさん、お嬢さま学校出なのに、からきしそんな気配もないからして。いったいどこの女子校出身者...マリア様がみてる二次創作小説「プライベートAttacker」(四)
2023/04/22 05:52