神無月の巫女二次創作小説「君の瞳に生まれたエフェメラ」(四)
「はァ~?姫子がひとを殺したかもしれない──だって?面白いこというねえ。いま、それ、日本で流行ってんの?マジ受けるんだけど、アハハっ」受話器の向こうから聞こえてきたのは、大親友マコちゃんこと早乙女真琴の呆れ声。からからとした声だけど、歯に衣に着せぬ言いかた。昔から、変わってない。遠く離れても友だちじみた声で、嬉しくなる。短距離走者からマラソンランナーに転向して実業団に所属する彼女はいま、海外で強化合宿中だった。空気の薄い高山の坂道で走りを鍛えているという。「冗談も休み休みに言いなさいよ、あんたは~。というか、休み過ぎておかしくなってんじゃないの。寝相の悪い姫子さんは夢見も悪いんだぞっと」「そうかなぁ」「そうだろ、そうだろ。だいたいなぁ、あたしの知ってる姫子が、んな物騒なことしないっての。あたし、やだかんね...神無月の巫女二次創作小説「君の瞳に生まれたエフェメラ」(四)
2024/11/03 00:17