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2022/06/20

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  • 第42話 踊る指揮者

    指揮者といえば誰を思い浮かべるだろう? バーンスタインカラヤン佐渡裕小澤征爾 正直にいうとぼくはクラシックをほとんど聞いたことがないし、指揮者もほとんど知らないのありさま。たまたまテレビで「1万人の第9」を見た時の佐渡裕さんの指揮はダイナミックで、オーバーアクションじゃね?と素人ながらに思ったけど、カッコよかったなぁ。 だけど、ぼくが指揮者を見て「おーっつ!」と感じたのはただ一人。その名は、スマイリー小原 聞いたことないでしょ?スマイリー小原とスカイライナーズとして昭和40年代にテレビの歌番組で人気になったみたいだから、知っていたら結構年配であることがバレるかな。ぼくもリアルタイムで見たことは…

  • 第41話 交通誘導が天職?

    「行っていいのか、止まるのかわからない」「指先でチョイチョイやるのムカつく」妻は交通誘導員に厳しい。 ホームセンターやスーパーの駐車場、そして工事現場といろんなところで誘導員にお目にかかる。 誘導棒を無気力クルクル回している人。「いけーっ」っていう感じで力強く誘導棒を指し示す人。「いけーっ」って分かりやすいよね、妻に言うと悪くはないけど違うらしい。指図されているようだという。いやいやキビシー。 大きなアクションで、それでいて流れるようなフォーム、軽く会釈するのもありだとか。笑顔はいらないけど、やる気ねぇみたいな顔はNG。時にアイコンタクトがあると気持ちが伝わる、などなど。 いずれにしろ大きなジ…

  • 第40話 聞こえたことは幸?不幸?

    下の子が保育園に通っていた頃、戦隊シリーズは「宇宙戦隊キュウレンジャー」が放送されて毎土曜の朝を楽しみにしていた。 舌ったらずのせいか、単に間違えていたのか「宇宙変態キュウレンジャー」と言って、放送終了までキュウレンジャーは変態のままだった。 ぼくが子供の頃大ブームだった「宇宙戦艦ヤマト」を懐かしみAmazonプライムで見ていた時のこと。 ささきいさおさんが歌うオープニング曲に合わせて歌っていた。「はるばるのぞむ 宇宙戦艦ヤマト〜♪」各話の頭に流れる曲を早回しすることなく歌っていると小学生になった下の子も一緒に歌い出す。 「はるばるのぞむ 宇宙変態ヤマト〜♪」 息子のツボに入ったのか事あるごと…

  • 第39話 名は体を表す

    名は体を表す。 物や人の名前は、その中身や性質を的確に表すこと。名前をつける時「こんな風になってほしい」と願いを込めるよね。 強い意志を持って欲しい→剛優しい人になって欲しい→優子 残念ながら「名前負け」なんてこともあるだろうから、立派すぎる名前も考えもの。 バスに乗っていたある日のこと。座席は埋まって、吊り革につかまっている人がチラホラ。なんてことのない当たり前の日常だった。 ある二点を除けば。 その一点とはバスがやけに「カックン」と止まること。そのたびに乗客は進行方向へ身体をもっていかれる。 免許証取り立ての頃、ブレーキを強く踏み込んで止まると「カックン」になるから、止まる瞬 間にかるーく…

  • 第38話 ご飯と調味料

    コメが美味いとおかずがいらない、なんて経験ないだろうか?コメを味わいたい。おかずでコメの味を損ないたくない。そんな時のご飯のお供は、 納豆生卵桃屋ごはんですよおしんこ極め付けは塩 そんなところだろうか。主役はコメ。あとはいぶし銀の脇役。 炭水化物ダイエットを実践している知人がいるけど「えっ?コメ食わないの?」って感じ。まあ、いろいろあるだろうけど、コメがない食事はつらかろうにね。そうは言っても基本的におかずは欲しいよね。 在分前のことだけど基本がコメという家族に会ったことがある。 大学を卒業してアパレルメーカーに就職した時、僕の教育係になってくれた吉井先輩は社会人としてのイロハだけではなく、公…

  • 第37話 ぼくって影響されやすい・・・

    ぼくはとにかく影響されやすい。 テレビで新商品を紹介していれば欲しくなる。コンビニスイーツが美味いと聞けばすぐに試す。妻はそんなぼくを「思う壺」と言うが、うまそうに食べる姿を見せられた日には「思う壺」だろうと構わない。 深夜テレビでタレントがうまそうに食べる姿にも反応してしまう。翌日が仕事ならやむなくがまんもすゆがあ、翌日が休みで、コンビニに売ってそうなものであれば車を飛ばして買いにいく。 先日はお笑いタレントが人気のたこ焼き屋に行って、うまそ〜に食べるんだな、これが。居ても立っても居られなくなって、コンビニに行くと、冷凍のたこ焼きが売っていた。中がトロトロでも、外か「カリッ」でもないし、タコ…

  • 第36話 やべっちチャンネル

    「どうもー、やべっちです。今日はオープンしたばかりのひたちなか店に来ています。どんな二郎に会えるのか楽しみですね、それでは早速行ってみましょう。やべっちのラーメン二郎漫遊記、始まり、です。」 矢部君はラーメン二郎好きだ。部署が違うので接点は多くない。エレベーターの中や休憩室で少し話す程度。 「昨日、守谷行ってきました。たしかあっちの方に住んでるですよね」「うん、車なら10分かな。何しに行ったの?」「ラーメン二郎です」 いつも行列ができているのを横目に、車で通り過ぎているだけだが、店の存在は知っていた。「マシマシ 、っていうんだっけ」「全マシやりました」「?」「ニンニク、野菜、アブラ、カラメ」「…

  • 第35話 避雷針

    もう何十年も昔のこと、校内暴力が世間を賑わせていた。 「〇〇中の奴らやば過ぎ・・・」「〇〇中で窓ガラス全部割られたんだって・・・」「〇〇中で警察に捕まった奴いるらしい」そんな会話が連日クラスで繰り広げられた。 授業中校舎の周りをバイクが騒音を立てて走り回っていたことがしばしばあったが、ぼくたちの中学校で実際に事件が起きることはなかった。 「あの方がいるからうちら守られてるんだぜ。あの方がいなければうちの学校なんてとっくに支配されてるばずだから」 同級生の吉井くんはぼくにに言った。あの方とはこの中学校の卒業生の郡司先輩のことでとにかくすごい人らしい。 10人相手にケンカして勝った。普通の人間はデ…

  • 第34話 末は大作家?

    幼虫から育てていたカブトムシは8月も終わりに近づくと食が細くなっていた。そして9月に入るととうとう死んでしまった。 「土に埋めてあげたら?」「そうする」 しばらくすると子供は戻ってきた。「桜の木の下にお墓つくってあげた」「えっ?」 てっきり庭に埋めたと思っていたが近所の公園の桜の木の下に埋めたというのだ。「桜が咲いてキレイじゃない。カブトムシって桜見れないから」「・・・そうだね」 なんて詩的なことを言うんだと驚いた。そんなこと言う子供じゃないのに死に対峙したことで何かが変わったのだろうか? 「桜の木の樹の下には屍体が埋まっている」梶井基次郎を息子が知るはずもないが思考は同じように思える。 梶井…

  • 第33話 肉屋の娘

    小学校の頃、ひどく貧乏だった。友達はキレイな家に住み、ラジコンカーや、人生ゲームを持っていた。ぼくたち家族はアパートに住み、おもちゃを買ってもらうことなど誕生日でない限りありえない。 大人になって分かったのだが、親父はこの頃家を建てるための貯金に躍起になってたらしい。その甲斐あってぼくが高校に上がる前に一軒家に移り住むことができたが、当時のぼくにはそんなことを知る由もない。貧乏なことで卑屈になっていたぼくは、友達を家に呼ぶことはせず、いつも友達の家に遊びに行くばかりだった。 今はクラス替えを毎年行うことが主流らしいけど、ぼくたちの頃は2年ごとのクラス替えが当たり前。それぞれメリット、デメリット…

  • 第32話 MYさん

    マイ箸ブームがあったのはもう随分前のこと。割り箸は森林伐採、環境破壊につながるからマイ箸を持ち歩こう。そんな風潮が世間を席巻していた。 友達のMYさんとはそんなブームが落ち着いた頃に出会った。本名は榊原優だが、熱心なマイ箸の信者てあることから、ぼくの心の中ではMYさんと呼ばせてもらっている。 MYさんとは同じ保育園の保護者として会ったのが始まりだ。当初は母親同士が仲が良く、お互いの家を遊びに行き来しているうちに、ぼくとMYさんも料理好き、食べることが好きという共通点から打ち解けていった。 わざわざ連絡を取り合うことは少ないけれど、乗り換え駅が同じなのでホームでばったり会うことが年に数回ある。そ…

  • 第31話 他者依存型風自己解決型

    あなたは「自己解決型」てすか?それとも「他者依存型」ですか? ぼくは自分に降りかかったことであれば自分でなんとかしようとする。つまり「自己解決型」だ。 意識が高いとか、周りに迷惑かけたくないとか、そういうとこでなく、煩わしさを避けたいのが理由。他者に相談するとあれがいい、これがいいと色んな意見を言われるのが煩わしいので、出来ることなら自己解決してしまう傾向がある。 営業事務の冬美さんは一見、他者依存型だ。「新しいゴミ箱買うんだけどどんなのがいいかしら?」課内のゴミ箱が台車に当たって割れてしまった代わりのゴミ箱がなかなか決まらない。 「今までの丸型より四角の方が収まりが良いわよね?フタは足で開け…

  • 第30話 息 らくらくマスク

    メンズブラを知っていますか? 「メンズ ブラック ジーンズ」の検索ミスで「メンズ ブラ」が出てきたのには驚いた。男性用ブラジャー、世の中にはそういうものがあることに強く興味を抱いた。 「付けることで安心感が生まれる」「もう手放せない」「優しくなれる」という愛用者の声。 これでリラックスできるのであれぼ試してみたくなる。しかし世間の目が怖い。妻や子供たちの冷たい視線を浴びせられる。「パパやっぱり変態だった!」やっぱりってなんだよ、、、 むろん付ける人を非難するつもりは毛頭ないけけれど、メンズブラが市民権を得るのは随分先のことになるだろう。しかし大手通販サイトで売られていることから需要があることは…

  • 第29話 つながりを大切に

    ナンバープレートの数字を選べるようになったのは1998年からで、今では約半数の人が好きな番号を選んでいる。 記念日をつける人が多いようだ。結婚記念日、誕生日、納車日。ちなみに我が家はペット二匹の誕生日の組み合わせだ。 自分が好きな数字をつける人もいる。「1」ナンバーワンということなのだろうけど、ぼくなんかは逆に臆してしまう。「8」末広がりの八は縁起がいい数字として人気らしい。「3」「7」も人気の数字だが「7777」はギャンブル好き?と勘ぐってしまう。 語呂合わせなんていうのもあって「1122」いい夫婦。なんか照れ臭くないかね?町内の西沢さんのフィットは「2438」娘が気づいて教えてくれた時「お…

  • 第28話 リモコンどこ?

    テレビのリモコンは便利だ。昔はテレビ本体まで行かなければチャンネルが変えられなかったのに今では何メートルも離れた所からチャンネル変更ができる。 それゆえにリモコンがよくなくなる。そんな家庭は我が家だけではないだろう。 定位置はテーブルの上のはずだが、こたつの上、ソファの上、それはいい方で、こたつの中、子供机の上、それも筆箱やノートの陰になってる。テレビを消すに消せないし。朝のニュース番組も見れない。 「リモコンどこ?」「知らない」「テーブルの上置いといてよ、どこだよ」バキッという鈍い音と感触が、足元カーペット越しにあった。「うそ!ふんじやったしゃない!」 リモコンは使えたが我が家で一番多く見る…

  • 第27話 かぐや姫はドイツ人

    その日は発注ミスの処理に追われて帰りが遅くなった。駅から10分ほど自転車をこいで家に帰るのだが、駅前にはマンションやコンビニがあり人影はチラホラあっても少し離れると数台の車とすれ違うくらいの片田舎だ。 日中は日差しがあって暖かったのに夕方から雪が降り出した。小高い丘を登り切ると竹藪が風に吹かれてガサガサと音を立てながら笹に積もって雪をまき散らしながら揺れている。 暗闇の中に一点光るものがあった。「人か?」速度を落としながら目を凝らすと、竹が光っているようだった。 自転車を降りて引き返すと光は竹節の中から放たれている。それはまるで洒落たインテリアのようだ。近づくと人の声のようものが聞こえた。風の…

  • 第26話 早め早めの伊藤さん、せっかち武藤さん。

    「早め早め」と「せっかち」はほぼ同義語のようでありながら少し違う感じもする。 10ほど年上の会社の先輩、伊藤さんと武藤さんは同期。伊藤さんは総務、武藤さんは営業と部署は違うが大の仲良しで、二人で飲みに行く姿をしばしば見かける。 伊藤さんはとにかく早め早めの人だ。それは早く!早く!とあたふた急がせるわけでもなく、穏やかにそつなく確実に終わらせていくタイプだ。総務部の掛け時計はいつも5分進めてある。会社には誰よりも早く着いているらしい。 以前社員旅行のあった頃、時間を間違えて1時間以上早く待ち合わせ場所に着いてしまった時、伊藤さんはひとりゆっくりとコーヒーを飲んでいた。「おう、早いな」「時間間違え…

  • 第25話 朝、指名手配犯と

    朝の通勤は決まった時間に出る人が多いのでいつもの人に会う確率は高い。 駅へ向かうバス。バス停では60代の太ったおじさんと40代のO Lとぼくの3人が決まったメンバーだ。おじさんとは稀に挨拶をするが「暑いですね」「寒いですね」それ以上の言葉はない。女性は何度か駅前のスーパーで見かけたことがある。お菓子コーナーでチョコビを買っていたので小さな子供がいるのだろう。 電車の中。始発駅の3人がけの右端がぼくのポジションだ。少し遅れていつもアディダスを履いている40前後の女性が左端に座る。スタンスミスだけで数種類持っているほどのアディダス好きだ。職業柄なのだろうか?ひと駅進むと若い男性が間に座る。この若い…

  • 第24話 サイババみたい

    サイババをご存知だろうか? インドのスピリチュアルリーダーで教育、社会、医療に多くの奉仕した人として名を馳せたが、ぼくは手から砂(聖灰)を出す人としてのイメージが強い。 実はぼくもその能力を身につけてしまったのだ。数日前から右の手のひらがムズムズする感覚があった。その時は虫にでも刺されたのかと思って気にもとめていなかったが、日が経つにつれその感覚はムズムズから今まで味わったことがない浮遊するような感覚へと変わっていった。 妻と子供たちはスーパーへ。ぼくはひとりで遅めの朝食をとっていた。テーブルがざらついている。子供が砂糖をこぼしていったようだ。やれやれ、テーブルを拭いていってくれればいいものを…

  • 第23話 鈴木さん、リーチです。

    今住んでいる所へ引っ越してきてから早いもので10年以上の月日が経った。世代交代が進んでいる住宅街でお年寄りが多い一方で我が家のように小さな子供がいる家庭も年々増えている。 世間では近所トラブル、ゴミ屋敷等々住みにくいところもあるようだけど、ここはそんなことは一切なくて良いところに住めて良かったと今更のように思う。あえて言うのであれば子供が騒ぐ声が通りに響き渡る我が家こそが迷惑な家なのかもしれないが、クレームを受けたことはないし、お隣の佐藤さん老夫婦はいつも僕たちに優しい。 日本の苗字のベスト3は佐藤さん、鈴木さん、高橋さんであることを先日テレビで見たが、確かに町内にこの御三方は複数軒いる。 左…

  • 第22話 夏子シンドローム

    夏子さんは営業事務をやっている50代独身の女性だ。 夏子さんは仕事をそつなくこなす。小さいミスを見つければ必ず連絡をくれる。「そんな小さなことどうでもいいじゃなか」という人もいるが、夏子さんの小言は会社に良い働きをもたらしていることは間違いない、と思う。 それどころか夏子さんの発言は会社に大いなる影響を及ぼすことがある。朝礼での前日の報告、今日の予定など夏子さんが何か言うんじゃないかと皆ピリピリしている。「なんか言わないでくれ」という思いでその時が過ぎるのを待っている。 そんな夏子さんの一言を誰かしらが夏子シンドロームと名付けた。 「外階段が汚いのできれいしたらどうでしょう?」ああ、言ってしま…

  • 第21話 高速寿限無

    「もっとゆっくりでいいからしっかり読みなよ」 小学校の宿題に「音読」がある。字の如く声に出して読むことなのだが、下の男の子はこの音読を高速で終わらせたがる。早く宿題を終わらせたいというより、速く読みたいらしい。とにかく速く読みたいらしい。 ぼくに似たのか準備や整理が苦手で、「早く」やることを事あるごとに言い聞かせたが息子はこれを「速く」と解釈したのだろうか、物事をスピード重視で進めることが多く、それに快楽を覚えている感がある。 学童で流行ってるというけん玉を買ってあげたことがあった。初めは大皿に乗せることにも難儀していたが、やはり子供は飲み込みが早い。その日のうちに大皿、中皿、小皿を制覇してい…

  • 第20話 H.ONDA

    家の近所のアパートに20代後半の青年が住んでいる。アパートの前にはホンダのバイクが停まっていて、休みの日にバイクで出かける姿を見かける事がある。 ぼくも昔、深夜勤務があった頃、通勤用に中型免許を取ってカワサキのバイクを乗っていたことがある。通勤用に単に足代わりに使っていたぼくと違い彼は根っからのバイク好きなのだろう、いつもピカピカに磨かれている。 ツーリング仲間なのだろうか、休日には数台のバイクが停まっていることがあって、僕たち親子がララ(我が家の可愛いメス犬)の散歩でアパートの横を通ると彼は「ヒロ」と呼ばれていた。表札から「恩田」であることは分かっていたので「恩田ヒロシ」「恩田ヒロユキ」そん…

  • 第19話 おじさんはタクシードライバー

    おじさんはタクシードライバーだ。いや、正確には引退したからタクシードライバーだったということになる。おじさんというのは親父の兄の明おじさんのことで、このおじさんが破天荒というか、かなり無茶苦茶な人生を歩んでいる。二度の離婚歴があり、子供は二度目の結婚で二人の男の子を設けた。ぼくは下の子と同い年で年に数回程度だがLINEでやりとりしている仲だ。 二度の離婚ともおじさんの無茶苦茶な言動によるものらしい。その内容を親父が「兄貴はほんとしょうがない」と呆れたように、それでも嬉しそうに話しているのを聞いた。 「急いで空港へ行ってくれ!飛行機の時間に遅れそうだ!」「お客さんがそういうから、高速道路を200…

  • 第18話 りんご箱からサインボール

    ぼくが子供の頃、子供たちのスポーツと言えば野球だった。遊びでサッカーをやったりもしていたけど、断然野球だった。地域の少年野球クラブに入っていたし、よく親父とキャッチボールをやったものだ。暴投をすると「取ってこい!」と取りに行かされたことを思い出す。ぼくは誕生日プレゼントに買ったもらったミズノのグローブを使っていたが、親父のグローブはどこのメーカーかもわからない形も崩れたものだった。今ぼくも父親になってその気持ちがわかる。限られたお金は自分にではなく子供のために使いたかったのだと。 実際うちの子はナイキやアディダスの靴を履いているのにぼくはスーパーの安売りの靴をはいている。それを嫌だと思ったこと…

  • 第17話 源泉垂れ流し

    何となくそれと分かるけど、間違えて覚えてしまっている言葉がある。 ぼくは子供の頃「8日」を「はつか」と思っていた。そのせいか「はつか」と「ようか」は今でも意識してしまう。 ぼくの奥さんはそんなぼくをはるかに凌駕している。「団塊の世代」を「だんこんのせだい」「順風満帆」を「じゅんぷうまんぽ」分からないでもないけど、、、 先日プールの授業が嫌いという娘に対して「練習しないと、トンカチになるよ」「なにそれ?」「トンカチは沈んじゃうでしょ。だから泳げない人のことトンカチっていうの」冗談で言っているのかと思った、、、 そんな奥さんとまだ結婚したばかりの頃、二人で草津温泉に行った事がある。草津温泉といえば…

  • 第16話 リアル ジャイアン

    ドラえもんはいつから始まったのだろう? こんなに長い間愛され続けているコミックは他にあるだろうか? ぼくが子供の頃からアニメ放送されて以来、今では子供たちが土曜日の放送を待ち望んでいる。ぼくも一緒に見てしまう事があるがおもしろい。 ドラえもん、のび太、ジャイアン、スネ夫、しずかちゃんのトップ5。出木杉、ジャイ子、主要メンバーの親たち、カミナリさん、ドラミちゃん、クラスメイトの帽子の少年、小太りの少年、伊藤つばさちゃん。サブのメンバーも強力だ。 どっかで会った事があるようなキャラがまたいい。いつも点数が悪い子。いたいた。ややもするとうち末っ子が、、、いや足はめちゃ速いから同じではないか、、、。 …

  • 第15話 庭から不発弾

    一昨年の夏祭りでとった金魚の成長が止まらない。2センチ程度だった金魚は20センチを超え水槽の中で苦しそうに泳いでいる。 「水槽大きくしないとダメだな」「でも邪魔じゃない?」「おじいちゃんちみたいに池にしようよ」「面白いね〜」結局子供たちの意見が採用になった。 快速に乗れば都心まで1時間程度だが、片田舎と言ってもおかしくないこの土地では20坪ほどの庭がある家が多く、ぼくの家にしても例外ではなかった。いくつかの草木は植えているものの小さな池を作るには十分な広さがあった。 ペットショップで埋め込みタイプのプラスチックの池とポンプを購入。全長が1.5メートル位のひょうたん型で深さが30センチ。それが収…

  • 第14話 カリンの嫉妬

    結婚する前に軽井沢に旅行に行った時、ペンションで出してくれた手作りのかりん酒がたいそう気に入った妻はペンションの奥さんに作り方を聞いていた。庭にはかりんの木があり多くの実をつけていた。 庭のある家に住んだ時かりんの木を植えたいという妻の希望に応えることができたのはそれから数年後のことだった。苗木を植えてから3~4年経ったころだろうか、すくすくと背丈を伸ばし見事な実をつけだした。しかしその時にはかりん酒への情熱はとうに冷めていた。それでもかりんは毎冬鈴なりに実をつけていた。その実は落ちるまでほっとかれ、落ちたらそのままごみ袋に入れられ、重いと文句を言われ、かわいそうな庭の木となっていた。 「なん…

  • 第13話 じょんがらブギ

    子供たちと公園で遊んでいると散歩中の吉田さん夫妻を見かけた。二人は公園に入るとぼくに気づき軽く会釈をしてベンチに座る。 70を機に退職して、近所のレンタル農園を借りて晴耕雨読の毎日らしい。ぼくはあることを確かめたくて二人のところへ行った。 「こんにちは、今年は夏祭りやるそうですね」 ぼくの住む町内会の夏祭りは、盆踊り、カラオケ大会、ビンゴ大会となかなかの充実ぶりだ。夜店はプロの店をはじめ、子供会、サッカーチーム、町内の有志と多くの出店がある。夏祭りの開始のカウントダウンは市長が行うのが恒例になっている。 そんな夏祭りもここ2年は流行病の影響で中止になっていたが、今年は3年ぶりの開催となる。もっ…

  • 第12話 忍者の末裔

    親戚の義孝くんの結婚式で三重県伊賀市に行ってきた。招待は父と母だったが、最後に会ったのは何十年も前だし、三重県に行くほどの元気もないので「お前代わりに行ってこい」という指令を受けた。「ぼくなんて小学校の頃一度会っただけで覚えてもいないよ」「どうせ人数合わせだから誰でもいい」 旅行がてらで前乗りで伊賀に行くことにした。多くの人がそうだと思うが、伊賀と言って思い出すのは忍者しかない。そういうわけで伊賀流忍者博物館へ行くことに。 忍具展示、からくり屋敷と興味深く見ることができた。極めつけは忍術実演ショーで迫力満点。手裏剣が板に突き刺さる音は「おーっ!」と思わず声を上げてしまった。その後は城下町お菓子…

  • 第11話 ベンジャミン文庫

    母はブログで恋愛小説を書いている。ブログタイトルは「ベンジャミン文庫」ベンジャミン好きの母らしいタイトルだ。実家には数種のベンジャミンがリビングや出窓、トイレに置いてある。母の日にはカーネーションではなくベンジャミンを送るのが恒例になっている。 禁断の恋が中心のブログでファンもそこそこいるらしいく、ぼくもいくつか読んだことがあるが、自分の母親書く恋愛小説はなんだか読んでいて恥ずかしいくなったのを覚えている。 妻帯者の上司と事務員教師と生徒ママさんバレーのコーチとママさんなどなど 作品の特徴としてドロドロの関係というものはなく、叶わないとわかっている切ない胸の内を描くものになっていた。「ローマの…

  • 第10話 UFOがルイルイ

    家の前で子供たちとキャッチボールをしていた時、かすかな耳鳴りを覚えた。慢性疲労とストレスからきているのだろう。休みでも子供に急かされ寝ていることはできないのだから。今までも耳鳴りはあったが今回のはいつもとは違い、耳鳴りはどんどんと大きくなっていった。 「やばくない、この音。キーンって。すごい」 子供たちも騒ぎ出している。これは、あの時ぼくだけ聞こえなかったモスキート音なのだろうか?UFO飛来したあの時、子供だけに聞こえたモスキート音が聞こえるようになったのだろうか? 空を見上げる。 うわぁぁぁ、、、マジかよ。 上空にはUFOが群がっている。重なり合っているようにも見える。 左:UFO群 右:拡…

  • 第9話 老人とエレベーター

    スーパーのエレベーター乗り場でのこと。 先頭にいる老夫婦の会話。「なんで上を押すんだ」「だって上に行くんでしょ?」「馬鹿だな、お前は。今上にいるんだから、下へ来いってやらなきゃだめだろ」 昭和を思わせる亭主関白ぶりに奥さんは何も言えずにいたが、救世主になったのはたまたま居合わせた清掃係のシルバー作業員だ。 「上行きたいなら上押してくださいね」 旦那さんは気まずそうな顔でプイとそっぽを向く。奥さんは作業員の方に軽く会釈する。その姿にはしりやったり感はなく、あくまてまも控えめだ。 それにしてもエレベーターを呼ぶという考え方は面白い。行く方向を示すのではなく、まずお前がこっちに来いという姿勢はやはり…

  • 第8話 金柑とキンカン

    同じ読みでも違うものは沢山ある。 雨と飴。花と鼻。紙と髪、、、 それによる勘違いというのもある話しだ。学生時代にアルバイトで一緒に面接を受けた山田くんは、面接官から以前やっていたアルバイトは定期でやっていたのですか?の問いに、 「いえ、切符です」と答えた。 いや、話の流れから定期的にという意味でしょう。完全にツボに入ってしまい、笑いを堪えるので大変だったことがあった。 山田くんとはそれから2年間卒業するまでアルバイト仲間して楽しい時を過ごしたが、卒業を期にUターン就職してしまった。山田くん元気にしていますか? 最近、同音異義語による勘違いで驚いた事があった。 頭痛持ちのぼくは頭痛薬を常用してい…

  • 第7話 うんがつく

    15歳になるアメリカンコッカースパニエルと暮らしている。すっかりおばあちゃんになって寝ていることが多くなった。締まりも悪くなっているようで、うんちを所定の場所でした後もポトポトとこぼれうんちが床に落ちている時がある。うんちをした時は回りに注意!が家族の暗黙のルールになっていた。 それでも数ヶ月に一回は誰かが踏んでしまう。なんとも言えない気色の悪い感触は他に例えようがない。この時の被害者は次女で椅子の影に隠れて見えなかった物体を踏んだ途端に悲鳴をあげた。靴下は洗ったもののもう履く気はないというので、スーパーへ買いに行くことになった。 代わりの靴下をレジへもっていくと近くに花火のくじ引きがあったの…

  • 第6話 ジョン、ポール、ジョージ、アップル

    僕の親父はビートルズ来日公演に行ったことがある。都合の悪くなった知り合いからチケットをもらって行ったものの黄色い声ばかりで演奏はまともに聞こえなかったと言っていたが、事あるごとにこの日のことを楽しそうに話している。 小学校3年生の時、親父に「4人はアイドル」のアルバムを買ってもらった。歌詞カードに載っている4人の写真の下にジョン、ポール、ジョージ、リンゴと教えてもらった名前を書いてから、4人はぼくのアイドルとなり何十年と聞く続けることとなった。 ビートルズと出会って何十年という時が過ぎ、子供が学校でカッコいい歌を聞いたと歌ってくれた。「あかるい みなみのまちの~♪」どこかで聞いたことがある。こ…

  • 第5話 ジョニー・ピー・グッド

    親父の実家は長野県安曇野市で代々続くりんご農家だが、8人兄弟の7番目の親父は実家に残ることはできずに中学を卒業すると同時に集団就職で東京に来た。子供の頃は家族で夏休みに遊びに行ったりしたもしたけど、最近では冠婚葬祭に行く程度になった。 家業を継いだ長男の十三回忌にすっかり足腰が弱った親父の代わりに家族旅行がてら安曇野市に行くことがあった。平成の大合併で市になったものの元は村だった土地はやはり村というにふさわしい。久しぶりに訪れた親父の実家は建て替えをして綺麗になっていたが昔の面影は残していて懐かしさが込み上げくる。四方を山に囲まれた土地に子供たちも興奮気味だ。 十三回忌の施主は僕と同い年のよっ…

  • 第4話 トム・クルーズと牛丼

    バラエティ番組でタレントが来店した時の写真やサインが店内に掲げられているのはしばしば見る光景だ。僕が住む片田舎でも例外ではなく、ラーメン屋、佃煮屋、定食屋でお笑いタレントや元スポーツ選手が店主とにこやかに写っている写真を見ることができる。 隠れ家的な店にお忍びで芸能人が来ているなんていうのも聞く話で、芸能ニュースが好きな妻は「〇〇ちゃんってこういう店が好きなんだぁ、意外」と興味津々。 僕が遭遇したのは半端な有名人じゃない。僕が遭遇したのは、トム・クルーズだ。それも僕が住む片田舎の駅前にある松屋。 それはトラブル処理で忙しく昼食も取れず空腹に耐えきれなくなり、帰宅前に松屋に飛び込んだときのことだ…

  • 第3話 回転レシーブ

    中学時代バレー部だった。一生懸命やってはいたけれど、三年間を通して補欠でレギュラーになることはなかった。 顧問の権藤先生は変わり者で、回転レシーブに異常な情熱を注いでいた。その情熱は常軌を逸していて、練習の半分を回転レシーブにあてるほどで、前転、側転のマット運動を取り入れていた様を見て、他の学生たちは回転レシーブ部と揶揄していたりもした。 ある日の試合のこと、全国大会にも出たことがある強豪校相手で、到底僕たちが太刀打ちできるできるわけもなく大差で負けたが、試合後のミーティング権藤先生はその結果に触れることはなく、何度か回転レシーブを決めたレギュラーたちをほめ上機嫌だったことを覚えている。 バレ…

  • 第2話 UFO飛来

    子供たちと近所の公園でフリスビーで遊んでいたとこのこと。「キーンって聞こえない?」「なにこの音・・・」 ぼくにはまったく聞こえない・・・。若者にだけ聞こえるというモスキート音だろうか?通学途中のお年寄りの家の前を通るときも子供たちは同じように「キーン」という音が聞こえると言っていた。猫退治でモスキート音を出す装置があるらしいが、家の近くでそんなことを言うのは始めてだ。 ふと空を見上げると、皿のような形の物体が雑木林に飛んでいった。 「UFOだ!」 思わず声を荒げてしまった。 UFOは放物線をえがくのではなく、ある高さまでいった後、まるで風に押し戻されているかのように雑木林の向こうにほぼ垂直に消…

  • 第1話 バッテラ日和

    バッテラ研究の権威 二階堂先生がバッテラ指数を発表したのは先月のこと。 天気、温度、湿度、風などからバッテラを食べるのにふさわしい日を5段階であらわした指数はバッテラ愛好家の間で話題になっていた。 今日の天気はどうだ。春の柔らかな暖かさに桜が青空に彩を添えている。 二階堂先生のサイトと見るとぼくの住む地域はやっぱりバッテラ指数5。 今日はバッテラ日和だ。 バッテラ仲間の後藤さんからLINEが届く。龍ヶ崎にあるバッテラ専門店「吉住」への誘いだ。無論断る理由はない。常磐線から関東鉄道に乗り換え龍ヶ崎駅に降り立つ。間口一間ほどの小さな店の傍らには「バッテラ日和」ののぼりが立っていた。 「先生も面白い…

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