茂吉のねこ
茂吉のねこ/文・松谷みよ子絵・辻司/ポプラ社/1973年茂吉は、茂吉の「も」の字を聞いただけでもけものというけものは、すかんすかんとにげだすほどの鉄砲うちの名人。この茂吉、とほうもない酒飲みで、一日やまへ入るとつぎの三日は酒を飲んでいます。酒の相手は、かわいらしい三毛猫が一匹。不猟のある日、酒飲んでねるべと酒屋によると勘定がだいぶたまったから払えといわれ、帳面を見ると覚えのない勘定がついているので言い争いに。あたりが暗くなったころ、赤い半纏を着たかわいらしいわらしが店先にやってきて、「さけ一升おくれという」というと、「かんじょうは茂吉だ。」と、表へでていきます。あっけにとられた茂吉がやにわに手に持った煙管を、わらしにめがけてなげつけるとわらしは悲鳴をあげにげだしました。ぼんがぼんがと逃げていくわらしをおい...茂吉のねこ
2023/05/13 17:00