chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
マメチュー先生の調剤薬局 https://www.mamechu.com/

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の豆知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

maricats
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2019/06/30

arrow_drop_down
  • 誰にでもあるよね、こんな日は その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら ボンヤリと虚空を見つめるてんまさん。 “忘れちゃったの?おねえちゃん” てんまさんは記憶、事実があやふやにならないように、経験した出来事や出会った人物をスケッチして覚えます。 こないだまゆちゃんにラムネ貰ったんだっけ。久しぶりに食べたなぁ。甘くてほっこりした。 大量にカゲが、ポ村を通過。 そういう日はとても心が、ざわつきます。 人によっては、食欲不振・睡眠障害等の症状が、あらわれる。他にも不安な思いが心をしめたり、全てのやる気が失われたりする事があります。 「深呼吸、深呼吸」 カゲの通過によって突然湧き上が…

  • 猫と行うただいまの儀式 その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 ポにゃちゃんはポあねが帰宅するたびに嬉しそうにお出迎えに行きます。なのにしばらくすると嬉しそうだったポにゃちゃんは、無表情でポあねに抱えられていました。 「おかえり」 どうやらポにゃちゃんはポあね相手でも、抱き上げられるのは好きではないようです。 もちろん甘えモードの時もあるのですが、いい子いい子してもらうか、せいぜい膝に乗っけて貰いたがるくらい。抱き上げられちゃうのは苦手のようです。 いつもポにゃちゃんは、お出迎えに行ったらポあねに捕まって抱っこされちゃう。なのにポあねのお出迎えせずにはいられ…

  • 猫と行うただいまの儀式 その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 作業時に邪魔してくるからどかそうとしたら、こんな顔をしてくるねこさん。そっちが先に邪魔してきたくせに、ほんとに自分勝手な子たちです。 というかこの子、ポにゃちゃんはポいもに対し、いつもこんな顔をしてきます。怒っているよりは、いつでも笑っていた方がいいって聞きますよ?ポにゃちゃん。 ポいもが今までずっと一緒に暮らしていたのは、ぽんちゃんというねこさん。この子はすっごく甘えん坊で、かまってちゃんでした。 だからポにゃちゃんとの初対面時、ついぽんちゃんと同じような感じでかまってしまったのです。 北の国で暮らしてい…

  • 父親の趣味 その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 比較的趣味の多い父。音楽も好きな父はポあねから貰ったウクレレを習い始め、発表会にも出場したそうです。 父のウクレレ発表会を見に行ったポあね、なぜだか笑いながら話しかけてきました。 「何?」 「お父さんのウクレレの発表会見に行って来たんだけどね」 「ああ、おとうやん、どうだった?」 「お父さんが一生懸命、格好つけて弾いてるんだけどね」 「ほう」 「ぜんっぜん音が聞こえないの」 ポあね… 自分でウクレレあげて、自分で習うよう勧めたのに。 失礼ですよ?それは。 父という存在は、相変わらず可哀想な生き物…

  • 父親の趣味 その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 趣味で音楽をやっているお友だちが多いらしく、ウクレレを習い始めた父。練習しているそうですが、果たして上手になるのでしょうか。 どうやら発表会もあるのだそうです。 さて、うちの父はポいもから見るとですが、比較的多趣味。再放送のサスペンスを見るくらいしか、楽しみのない母と比べても圧倒的多趣味。 麻雀や、囲碁・将棋・パズル・小説や漫画等の読書・ゲーム、昔は釣りやゴルフもやってたそうです。競馬の番組もたまに見ているので、ひょっとしたら馬券も買っているのかもしれません。 ”これらの趣味から、どのような年代の人物かを想…

  • 実家の父 その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 今回は鳥が好きらしい実家の父のお話です。 実家をリフォームする前、庭には柿の木があり、小鳥用に父がいつも柿の実を残していました。 柿の実を食べ尽くした後、今度は千両(正月飾りによく使われる植物)を食べに来る小鳥たち。鳥さんたちにとって赤い千両の実より黄色の実の方が美味しいらしく、黄色の実からどんどん無くなっていっていきます。 雀以外にも、ウグイスやメジロ、シジュウカラ、ヒヨドリ等が、柿の木や梅の木等に止まりにきます。 「ポいもー、ウグイス来てるぞー」 「ウグイスにゃ?」 おじさんとねこさん、縁側…

  • 実家の父 その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 「ポあね、ほらこれ」 「何?おとうさん」 ポあねが実家に帰ると、スマホで撮った動画を見せてくるという父。 毎回父が見せてくるこの手の動画や写真に対するリアクションに、ポあねはほんのり困っている様子。 「か、かわいいね」 「うん。そうだろう?まん丸くて小っちゃくてな?」 知人が送って来る画像など、見せられてもリアクションに困るのって、結構あるあるですよね。 例えば。 ”座敷童を目撃して撮影にも成功したよ。さらに幸せが舞い込んできた!見て!!この座敷童の画像。見るだけでも幸運が舞い込むらしいよ。これを見せた友だ…

  • おトイレ事情 その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 甘えたい時、ご飯が欲しい時、だまってこちらを見つめアピールするタイプのポにゃちゃん。そんなポにゃちゃんですが、突然「にゃーにゃー」とわめき散らすことがあるのです。 ドタドタドタッ! 「むにゅにゅ、にゃむー」 部屋の外でポにゃちゃんが何か言いながら、走り回っているようです。 「うるさいなぁ、もーー」 あんまりにもうるさいもんだから、様子を伺ってみると。 「む?この匂い」 ポにゃちゃんが喚いていた理由は、うんちをしたというお知らせのためだったようです。 これはいわゆる、ねこさんによるトイレハイとか、…

  • おトイレ事情 その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら ※こちらの記事は、ポにゃちゃんが元気だった頃のお話です。 ポにゃちゃんが先程から黙ってこちらを見ています。 彼は甘えたい時、抱っこしてとは言わず、態度で示すタイプなのです。こちらをじっと見つめて、察してくれるまで待っている。 これはお腹が空いた時も同じ。 「にゃぁにゃぁ」と口でアピールしてくることはありません。 あるとすればこちらが眠っていて、じっと待っていても気づいてくれない時とかです。それでも可能な限り、我慢している様子。 ポにゃちゃん、自分の食卓の前でご飯をくれるまで黙って待つ。 実家で共に暮らしてい…

  • 薬の服用時間

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 「あ、これ?これはね…ペットボトルだよ。たくさん並べると、猫除けになるって言われてるんだって。実際はどうだか分からないけど」 「にいに」 「これはワンちゃんの置物だね」 「お?」 「本物だと思った?よく出来ているものね。そうそう、カエルの置物を玄関に置く人も多いんだよ。カエルって縁起がいいんだって。縁起、分かるかな?」 たまちゃんはお兄ちゃんであるクロ太さんに対し、にこにこしながらうなづいています。 ”無事に帰る””若返る””福が帰る””お金が帰る”などと言われ縁起がいい生き物とされているカエル🐸 ある神社…

  • 食間について その4

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 胃を痛めてしまったケイヒさんは、薬を服用しようとしますが用法用量には”食間に服用”と記載されていました。「食間っていつ?食事と食事の間?それは具体的にいつのこと?」悩んでしまいさらに体調が悪化したケイヒさんは、マメチュー先生の薬局に電話。 その後、ケイヒさんからの連絡を受けたクラゲさんが迎えに来てくれました。 「すんません。ご迷惑おかけしました。マメチュー先生の顔見たら、なんか落ち着きました」 マメチュー先生は胃に優しい、カモミールティーを出してくれました。 【食間とは】 食後、2時間位たってか…

  • 食間について その3

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 繊細な性格の農家のケイヒさんは、大切な野菜たちを心配し過ぎて胃を痛めてしまいました。食欲はわきませんが元気をつけないと、野菜たちを守れません。 「そうだ、ナメ江さんに貰ったそうめんに薬味を入れて食べよう」 しかし食べてる途中で、少しツラくなってきてしまう。 (残すのは嫌だな…。そういえば新しく買った胃薬があったっけ?) 薬を飲むのが苦手なケイヒさんですが、心配性なため薬は常に常備。もし何かがあった時のためにと、薬はいつも準備しています。 「ええと、用法用量は」 心配性で繊細なケイヒさんは、毎回薬…

  • 食間について その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 ケイヒさんは、心配性仲間のナメ江さんからおそうめんと薬味を頂きました。そんな彼はナメ江さんと会話をしている途中なのに、心配性をこじらせて大事な農作物のことが気になり、一人様子を見に行くことに… ケイヒさんは育てたお野菜を、子どものようにいつも大事にしてます。野菜も災害・病気などで、いつどうなるか分からないので心配がつきません。 そんな時、背後に漂う邪悪な気配。 「なんだよ、お前!どうやって入ってきた!?」 ポ村の出入り口にある鳥居には、悪しきものが村に侵入出来ないよう、結界としての効果があります…

  • 食間について その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 「そうめん(乾麺)と薬味ですか?ナメ江さん、わざわざありがとうございます」 「いいえケイヒさん。コチラコソ、お野菜を頂いちゃっテ」 農家のケイヒさんと、小料理屋三すくみの女将ナメ江さんとの物々交換。これはポ村ではよく見られる光景です。 それにしてもナメ江さん… 荷物が重いからか、ほんのりと潰れているようです。 「違うのヨ。出かけるときに色々と荷物を揃えていないと、心配になるものダカラ」 「なるほど。それ、良く分かります。僕もです」 例えば、カード類をパンパンに入れた財布・他貴重品、折り畳み傘、携帯等のガジェ…

  • 隣人が聞きたがるWi-Fiのパスワード

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 「Wi-Fi使わせて欲しいんですけど、パスワード教えてもらえます?」 「はい?」 Wi-Fi? 買い物帰り、家に入ろうとしたときに、突然見知らぬ男性に声をかけられたポいも。 「はあ」「半年前に」 (半年前?けっこう前だな) 「いえ、はは」ごめんなさい。 荷物置いてまで、あなたと長話するつもりはなくて…「このマンションって、Wi-Fiの設備の有無がどうなっているのか分からないんですけど」 ポいもが住む場所は、隣人との交流がほとんどない地域。不動産屋にも隣人への引越しの挨拶は、不要と言われていました。なので分か…

  • 微妙に不愉快なしゃっくり その3

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 薬局に遊びに来ていたトビーくんは、頂いたレモンスカッシュを一気飲み。それ以来、何だかしゃっくりが止まりません。しゃっくりを止めるため、桃から赤ちゃんが出てきた時くらいみんなに驚かしてもらおうとするトビーくんですが… 「ところでさ」 ペンネくんが不思議そうな顔をして質問をしています。 「そうねぇ。刺激にならないのかしら?マメチュー先生、これも迷信?」 ただショック死する可能性を考えると、人を驚かすのはお勧めはしません。健康な人でも、驚いたことによる衝撃により死亡してしまった例は、いくつも報告されて…

  • 微妙に不愉快なしゃっくり その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 薬局に遊びに来ていたトビーくんは、頂いたレモンスカッシュを一気飲み。それ以来、何だかしゃっくりが止まりません。 ひっく、うっく。 「ぼくさぁ、トビーくん。聞いたことがあるんだけど、しゃっくりが止まらないとさ…」 「あ、マメ先生だ」 ポ村の名産品の一つに、梅こんぶ茶があります。 梅こんぶ茶は、代謝UP・便秘解消・ダイエット等、様々な健康効果が得られますし、調味料の代わりにもなります。 ふーふー、ちびちび。 「はぁ、おいしいわぁ」 きのこさんは酸味と塩味を感じつつ、勿体振りながら少しずつ飲むのが好き…

  • 微妙に不愉快なしゃっくり その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 「どうぞ、マメチュー先生の手作りレモンスカッシュだよ」 「パゴ先生ありがとう」 ゴックゴック… 「ひっく、うっく」 「あれーペンネくん、しゃっくりー?」 「うん、ひっく。しゃっくりってなんか急に出るんだよね。うっく……。とまった」 「ペンネくんのしゃっくりは、すぐ止まるんだね」 「そうだよ、パゴ先生。もうちょっと長い時もあるけど、けっこうすぐ止まるー」 「トビーくんはしゃっくりほとんどしたことないなぁ。なんか、楽しそう」 「ほとんどしたことないなんて、あるんだぁ。人によって違うんだね。面白いなぁ」 ”僕はト…

  • 花粉症の季節 その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 農家のケイヒさんはポ村住民に野菜を届けるため、大急ぎで育てたお野菜を収穫中。所が花粉症でなかなか仕事が捗りません。そこに、にゃこさんまでやってきました。 「にゃこ今俺さ、忙しいから大人しくそこで待っててな?」 いい子で…? にゃこさんは、早く仕事を終わらせたいケイヒさんの邪魔をしまくってしまいます。 「にゃって、遊びたいのにゃもの!」 「今、忙しいんだってば。早く収穫して、早く配達しないと」 「にゃっふ!」 それでもよく分かっていないにゃこさん、ケイヒさんにからみいています。 「あー、もうっ」 …

  • 花粉症の季節 その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 暖かくなり昆虫や、冬眠から目覚めた生物が活動的になる季節がやってきました。 ポ村で農家を営むケイヒさんも活動的。 種まきは楽しいけれど、とっても忙しいのです。 種まきが終わると今度は、春のお野菜を収穫。新じゃがいも、春キャベツ、新玉ねぎ、アスパラガス等、春の日差しを浴びて元気に育っていました。 実は野菜を使ったスイーツを作っているポ村の可愛いお菓子屋さん”パティスリーマルズ”から配達のお願いをされていたので急がなくてはなりません。 「マルズさんの野菜スイーツは、俺も早く食べたいしなぁ」 ポ村内ではケイヒさん…

  • 春の毛玉まつり

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 冬が終わり暖かくなってくると、やけにウキウキしてしまう。 寒い時期はちょっとつらそうなわこさんとのお散歩も、暖かい春に見かけるととっても羨ましい。一緒にお散歩して、一緒に出てきたばかりのお花の眺め…羨ましい限りです。 お散歩にちょうどいい気候だと、気持ちがよすぎて一生お散歩していたい気分になる。 そんな季節がついにやってきました。 春は、様々なものが生まれかわる季節。 植物も風も昆虫も日差しも。 そして猫の毛も…。 そう、春は換毛期です。 「顔も目も口の中も、やたらかゆいっ!」 実家で一緒に暮らしていたねこ…

  • ガマの油 その3

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 三すくみの皆さんは午前中、陽射しを浴びて体温を上げないと活動しにくい性質を持っています。そのため、お三方は日向ぼっこをしていたのですが、陽射しが徐々に弱まり、風も出てきてしまいました。乾燥・寒さで身体が動かなくなっていたナメ江さんは、飛んできた布団の下敷きとなり、固まってしまう。 「ナメ江さん、大丈夫かい?」 布団が背中に乗っかっただけなのですが、ナメ江さんは背中を痛がっている様子。 肌が乾燥し、背中の皮膚に炎症が出来ているようです。 「待ってて下サイ、ナメ江さん。ガマの油塗りまショウ」 「ウウ…

  • ガマの油 その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 三すくみの皆さんは午前中、陽射しを浴びて体温を上げないと活動しにくい性質を持っています。そんなお三方が日向ぼっこ中、お酒を飲んで身体を温めたいと、パカじいがやってきました。 「ボトルキープしている日本酒を飲ませてもらうよ」 パカじいをジッと眺めていたのは寒がっているナメ江さん。 「パカじい。フワフワっとして、暖かソウ」 一方、大の酒好きであるパカじい。 彼はお酒を飲んでふわふわとした感覚を味わいながら、ぼんやりするのが好きみたい。 「ええと、わしの日本酒はこの壺だったかの」 ヒュウウウゥ 「ん?…

  • ガマの油 その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 早朝、とてもヒンヤリとした空気に包まれていました。寒い日が続くと、嫌になるものです。 ですが幸い、徐々に暖かくなってきたので、こたつ布団を干す事にした三すくみの皆さま方。 「寒い季節は、布団を干す、タイミングが、分カラナイのよね」 今日は、体温を上げるのに適した朝になりつつあるようです。 三すくみの皆さん、午前中は主に体温を上げることに専念。 「ア!朝は用事があるんダッタ」 そんな事を思い出しても、体温を上げることに集中してしまいます。 冬の暖かい日差しを浴びることが出来るこんな日は、世の中のおじいさん、お…

  • 子どもの頃のお話 その3

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 動物が苦手な母親がいたため、犬猫さんたちを飼うことが出来なかった子ども時代。犬猫さんたちの代わりに、ぬいぐるみを買ってもらっていたのですが、それでも感じる心の隙間。 ぬいぐるみでは埋められない心の隙間を埋めるように、ポいもは大きな動物の絵を描くようになりました。 ポいもが通っていた幼稚園では”絵画”を教えてくれたので、それ以来、夢中になって絵を描くようになったのです。 そしたら賞を貰いました。 どんな賞だったのか当時、理解していませんでしたが大した賞では無かったと思います。多分ですが、参加賞的な…

  • 子どもの頃のお話 その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 子ども時代、虫とお友だちになっていたポいも。新しいお友だちを探すため、アゲハ蝶の食草である山椒の元へ。 子どもの頃は、卵や赤ちゃんを見つけるのが好きでした。宝物を発見した時みたいに、テンションがあがります。 でも見ているだけで臭角という臭い角を出して、怒られてしまうのです。 なんだか見ているだけでしっぽで床を叩き、イライラをアピールしてくるねこさんに似ています。 普段から大抵の生き物に嫌われるポいもは、なれっこです。大抵の人間が苦手なポいもは、大抵の人間や動物たちからも嫌われてしまうのです。 生…

  • 子どもの頃のお話 その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら ポいもは動物好きの父の影響があったためか、動物に興味のある子供に育ちました。 一方、母と隣に住む母方の親族は大の動物嫌い。 幼い頃から、この人たちとは価値観や考え方が違うなって思っていました。 そして母方の親族がポあねの方を可愛がっているのは、何となく分かっていたため、ポいも自身、そんなに懐いてはいませんでした。まぁあくまで何となくですけど。しかし大人になったある日、母方の伯母がポいもにポツリとつぶやいた言葉がありました。 「ポあねちゃんばかりを可愛がっていたから、ポいもちゃんはうちに遊びに来てくれなかった…

  • 自己判断による服薬拒否 その8

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 患者さん対応をしていたマメチュー先生。その患者、フェネさんは副作用の心配などから自己判断で薬をやめていたそうです。とはいえ本当に飲まなくていいのか、心配になった様子。 「血圧がコントロール出来ていれば薬を飲まなくてもいいの?でもコントロールするってことは生活習慣を改善しなくちゃってことよね?」 「もちろんそれも大切です。塩分を控えたり運動したり、体重を減らしたりするにはやはり時間がかかります。急にいっぺんに色々やろうと思っても、お仕事や普段の生活があるのでかえってストレスに…そしてそのストレスが…

  • 自己判断による服薬拒否 その7

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 医療機関がすくないポ村。 ポ村の村長は、都会の薬局で働くイチイさんをポ村まで連れてきていました。 イチイさんと村長は、マメチュー先生が患者対応をしている姿を店外から眺めている。 一方薬局の休憩室で寛いでいたまゆさんUSAさんは、村長にばれたくないため、こたつの中に潜伏しているようです。 ”あっつ。もう出たい。村長まだいる?” ”一体村長ったらあそこで何してるわけ?” ”USA、村長が誰と一緒にいるか見てみてよ” ”だめよ、これ以上覗いたらバレちゃう。でも声からすると若い男の人っぽいよね” 薬局で…

  • 自己判断による服薬拒否 その6

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 医療機関がすくないポ村。 ポ村の村長は、都会の薬局で働くイチイさんをポ村まで連れてきていました。 どうやら、医療従事者として不適切な行動をとりがちなまゆさん、USAさんを教育してもらうためのようです。 休暇中のまゆさんはUSAさんは薬局で寛いでいました。 「ねぇまゆちゃん、窓の外見て」 「え?」 !! ”ひぃい、村長出たー” 薬局に村長が来たことに気付いたまゆさん、USAさんは、慌ててこたつの中に隠れていました。 そ、村長が… 村長は何やら薬局内を窓の外から伺っています。 「おや?今日のスタッフ…

  • 自己判断による服薬拒否 その5

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 医療機関がすくないポ村。ポ村の村長は、都会の薬局で働くイチイさんをポ村まで連れてきていました。 どうやら、医療従事者として不適切な行動をとりがちなまゆさん、USAさんを教育してもらうためのようです。 そんな中、まゆさんは血圧が高いのに薬を飲んでいない様子のフェネさんが気になっていました。 薬局では、まゆさんとUSAさんが寛いでいました。 三すくみでランチ後、村長が来ることも知らずに、薬局に遊びに来ていたようです。 マメチュー先生の薬局では、ヘルシーで健康的なドリンクや食事をとることも出来るため、…

  • 自己判断による服薬拒否 その4

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 医療機関がすくないポ村。 ポ村の村長は、都会の薬局で働くイチイさんをポ村まで連れてきていました。 そのポ村ですが最近カゲが現れたせいで、未だ心にマイナスの感情を抱えたままの村民がいるようです。 そんな中、まゆさんは血圧が高いのに薬を飲んでいない様子のフェネさんが気になっていました。 「椿だ。可愛いー!大好き」 人見知りな妖精の少女、シルプさんは嬉しそうに椿を眺めています。 「んー?あ!シルプちゃん!」 「ん?」 「なに?どしたの?」 「葉っぱ、見てごらん」 「なにこれ?もこっとしたのついてる」 …

  • 自己判断による服薬拒否 その3

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 医療機関がすくないポ村。 ポ村の村長は、都会の薬局で働くイチイさんをポ村まで連れてきていました。 そのポ村ですが最近カゲが現れたせいで、未だ心にマイナスの感情を抱えたままの村民がいるようです。 そんな中、三すくみでランチをしていたまゆさんは、血圧が高いのに薬を飲んでいない様子のフェネさんが気になっていました。 「ねぇUSA」 「ん?」 「急に何よ」 「冬はさあ、朝に血圧が上昇すんの。それがモーニングサージ」 「ふうん。つまり今の時期の朝ってこと?」 「言いたそうだから聞いてあげてるの」 「憎った…

  • 自己判断による服薬拒否 その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 医療機関がすくないポ村。 ポ村の村長は、都会の薬局で働くイチイさんをポ村まで連れてきました。 イチイさんの勤める薬局は、患者さんから頼りにされる薬剤師が多いことで有名。おそらく教育がキチンとしているのでしょう。 そんな薬局で勤めるイチイさんを、薬剤師会の方から紹介してもらったという村長。ポ村は元々長寿な人が多くて有名ですが、村長はより村人の健康を守りたい。 教育が行き届いている薬局でエリアマネージャーをしているイチイさんに、ポ村の薬剤師に対し、ちょっと厳しめの指導をして欲しいと考えていたようです…

  • 自己判断による服薬拒否 その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら ポ村が冷たい空気に覆われた、寒い寒い冬のお話。 「マメチュー先生、この間シジミチョウの話を、都会に住む孫にしてたらね”シジミチョウってなに?”って聞かれちゃって。シジミチョウは、都会でもあちこちで飛んでいるのよ。なのになんで知らないのかしら?きっと今どきの子は、虫になんて興味ないのね。虫を見かけると季節を感じることだって出来るのに」 「そうですね。昆虫をはじめ鳥や植物は、季節の変化を感じられていいですよね。まだ暑かったり寒かったりしても、もうすぐ季節が変わるんだと気づかせてくれる存在ですから」 「そうよねぇ…

  • 冬眠明け その3

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 冬眠が明けたばかりでぼんやりしていたまゆさんですが、明日のお正月はポ村民みんなが村役場に集う日。 さぼろうとしていたまゆさんですが、マメチュー先生に促されて出席することになりました。 しかし体内時計が乱れまくってやたらと眠そうです。 そんな時、自宅の煙突の方から物音が… 「え?な、なにっ?」 「にゃぷー、ぷぷー」 「にゃこ!にゃこってば!起きてよ。変な音がするんだって!羽音?村長?」 「にゃぷぅー」 「わぁっ!」 「こんにちはだす」 「こんにちはだす…って、え?カラスケどうしたの?」 「お届け物…

  • 冬眠明け その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 12月31日、まゆさん冬眠明け。 長いこと眠っていたからか、ぼんやりしているまゆさんは、起きたばかりだというのに再び眠そうです。 「まだ12月31日。冬休み中。冬眠の続きを…」 まゆさんは、うつらうつらしながらベッドへ向かいます。 まだ起きたばかりだというのに… 冬眠明けはいつもこんな感じでしばらくボーっとしてしまうようです。 「にゃこもおねむねむ…」 その時。 “ちりんちりん” 「この音はっ!」 大晦日の正午。 村長がならす鈴の音が村中に響き渡っています。 ちりんちりんちりん この鈴の音は冬眠…

  • 冬眠明け その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 「はぁ、なんかいっぱい寝たら疲れたなぁ」 冬眠から目覚めたまゆさんは、まだ夢の中にいるようなふわふわした感覚に包まれています。 一方、にゃこさんはまだ熟睡中。 「可愛い顔して寝てるわ」 さて、まゆさんの冬眠明けのお目覚め料理はお粥です。 長い間何も食べていなかったので、まずは胃に優しいものから頂きます。 村の名産品の梅干しをお供に。 「おいしー。ほっこり」 冬眠明け最初の朝食は、何でもない食べ物でもすごく美味しく感じます。 長いお休みの間に、たくさん寝て、のんびりご飯を食べて、ゆっくり過ごす。 せっかちな所…

  • 冬眠する人

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら クリスマスも終わり、大晦日が近づいてきました。 ポ村ではこの期間に一番雪が降るので、冬眠したり家の中にこもったりする人が多いです。 まゆさんも現在、冬休み中の冬ごもり中。 ポ村に来てから、なぜかこの期間は物凄く眠たくなり、数日間眠ったままになることが多くなりました。 そのため、積雪量が穏やかになるお正月までの2、3日ほどは起きることなく眠りにつきます。 これは人ぞれぞれですが、まゆさんの場合は28、29日頃から毎年猛烈に眠くなり、そのまま大晦日のお昼ぐらいまでは一切起きず爆睡。 そんな今日は28日。 そろそ…

  • 猫さんの欲しいもの

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら これはポにゃちゃんが元気だった、とある冬のお話ー。 コンタックさんが、いらしてるにゃ。 ということは、おねにゃんのお仕事関係の方にゃすね? いい子のポにゃさん、コンタックさんにご挨拶するにゃす。 「おねにゃんがいつもお世話になっておりますにゃ」 さて、今度はコンタックさんにお茶をお出しするにゃわ。 にゃにゃ? なぜにゃ。なぜなのにゃ。 せっかくコンタックさんに、お茶とお茶菓子をお出ししようとしてたのに。 どうして。 「マルはいいにゃわあ」 ポにゃちゃんときたら、コンタックさんをほったらかしにしてまで、マルに…

  • 小料理屋三すくみ その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 クリスマスの2次会をするため、小料理屋三すくみにおとずれたまゆさんとUSAさん。体調を崩していたUSAさんのためにハブ酒を用意していた、三すくみの皆さんですが、気味悪がられてしまいました。 結局選ばれたお酒はまゆさんはヤマモモ酒、USAさんは純米酒。 二人はお酒を飲みながら、会話を楽しんでいます。 「USAはさ、最後の晩餐何にする?食べなれたものにする?それとも大枚はたいて贅を極める?」 「最後に食べるもの?食べ放題じゃダメ?色々食べたいもの」 「話をつまんなくするなよ」 「ねぇ。それって地球が…

  • 小料理屋三すくみ その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら トゥルルルル、トゥルルルル 「ハイ、小料理屋三すくみでゴザイマス」 ここは村はずれにひっそりと佇む小さなお店。 メニューには、薬膳系のおつまみ等、体に良いものが多いようです。 「まゆさんとUSAさんが、今からイラッシャルソウヨ」 「最近USAさん、体調崩してイタラシイネ」 「お酒好キきなUSAさんには、ハブ酒ナンテドウカナ?」 「イイワネ、血の巡りも良くなるし、冬にピッタリのお酒ダモノネ」 “ガララ ”イラッシャイマセー” クリスマスの二次会に、この小料理屋を訪れたまゆさんとUSAさん。 先程のディナーもお…

  • マメチュー先生とクリスマス その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 USAさんは、マメチュー先生お手製のクリスマスディナーが楽しみで仕方がない。飾りつけを終え、オードブルを食べ、いよいよお楽しみのメインが完成したようです。 「きゃー、ようやくメインね!」 「にゃっ!にゃにゃにゃにゃっ」 「ふー」 ところがメインが運ばれてくる前に、木じじいの困った声とにゃこさんの声が聞こえてくる。 「む?にゃこ、何してんの?」 にゃこさんは木じじいの頭の上の飾りに興味を持ったらしく、取ろうと奮闘しています。 どうやらねこさんもツリーやオーナメントを見ると、ウキウキしてしまうみたい…

  • マメチュー先生とクリスマス その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら クリスマスパーティーの準備中。 USAさんはクリスマスをめちゃくちゃ楽しみにしていたのですが、ここ最近体調がすぐれない日が続いていました。 記事:もうすぐクリスマス 結局USAさんの体調は、クリスマス当日になっても万全には回復しなかったようです。 先程から、ボーっとしたまま飾り付けしています。 今までであればUSAさんは、飾りつけの段階でワクワクし、張り切っていたのに。 「飾り付けが終わるまでは、いったん寝かしといてあげよ♪」 「まゆちゃん、みんざいってなんにゃ?おくすり?」 「そうだよ、USAを休ませてあ…

  • もうすぐクリスマス その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 クリスマスを楽しみにしていたUSAさんですが、なにやら体調が良くないそうです。仕事終わり、薬局に遊びに来ていたくまじろ先生から問診を受けた結果”寒暖差疲労では?”と診断されます。 「自律神経が乱れて冷えやすくなる。食欲もなくなるよ」 一日の最低・最高気温に差がある、室内外の温度差も大きくなる、そんな季節におきやすい症状。 その差に対応するため熱を作ったり、放出したり必要以上に体はエネルギーを消費してしまうのです。 「そうなんですね。じゃぁ、あたしその寒暖差疲労なのかも」 「USA、体調を戻すため…

  • もうすぐクリスマス その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 「あたしね。毎日クリスマス当日が来る日を楽しみにしながら、シュトーレンを少しずつ食べてるの」 USAさんが言うシュトーレンは、日持ちするドイツのお菓子です。 「あれ、おいしい?」 「おいしいわよー。まぁ実はあたしもクリスマスケーキの方が好きだけど、シュトーレンはクリスマスを盛り上げるのに一役買ってくれてるの」 「ふーん」 「この時期はお店に行くのも楽しいわよね。クリスマス用のグッズがたくさん並んでてさ。どれも可愛くって全部欲しくなっちゃう。そんで買ったものを並べるのがまた楽しくって!街がクリスマスっぽくなる…

  • お子さまとお薬 その3

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 資格を取得するためお勉強で忙しいまゆさんに、遊んでもらえず拗ねていたにゃこさん。 小学一年生の男の子、トビーくんと遊んでもらう約束をしたのですが、どうやら熱を出してしまったようです。 数日後、熱は下がったようなのですが、咳と痰が続いているトビーくん。 マメチュー先生は処方された粉薬の飲み方を変更するよう、トビーくんに提案することにしました。 「トビーくん、もうお兄ちゃんになったじゃないですか?そろそろお薬、大人の飲み方してみませんか?」 「おとなの飲み方?してみるっ!おにいちゃんだもの!」 「お…

  • お子さまとお薬 その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 資格を取得するためお勉強で忙しいまゆさんに、遊んでもらえず拗ねていたにゃこさん。小学一年生の男の子、トビーくんと遊んでもらう約束をしたのですが、どうやら熱を出してしまったようです。それを知ったにゃこさんは、トビーくんの周囲をうろちょろ。困ったねこさんです。 トビーが気になっただけにゃのに。 一方、マメチュー先生から服薬指導を受けているトビーママ。 ”熱が出たらすぐにお薬を飲ませなくては!”と思っていたというトビーくんママ。 「子どものお熱が下がらないとすっごく不安で、心配で。そんなに高くなくても…

  • お子さまとお薬 その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 「今は忙しいって言ったでしょ」 人が忙しい時ほど、周囲をちょろちょろする生き物、それがねこさん。 「ああああー、にゃこさん寂しいにゃぁ。誰もあそんでくれないにゃぁ。ひとりぼっちにゃわあぁ」 「大げさなんだから。試験が終わったら、たくさん遊んであげるってば」 まゆさんは現在、資格を取得するため勉強中。 薬剤師には認定薬剤師、専門薬剤師など様々な資格があります。 これらは働く上で必須ではないけれど、よりスキルを磨きたいという人にはとても役に立つ資格。 薬のプロとしてより高い知識を得るため、マメチュー先生もたくさ…

  • イチイさん その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら前回のお話 イチイさんとにゃこさんの元に突然現れたトビーくん。彼は見知らぬイチイさんを見て警戒しているようです。「何者だっ」「ショッカーの一味か?それともばいきんまんかっ?!」 「その黒縛り何?」「それともゴキブリかぁっ?!」 「嫌な”黒”持ってきたな。大人も泣くやつだぞそれ。……でさぁ」 先程の悪しきものが腐らせた土から、再び悪しきものが生まれそうになっています。 「むむっ、悪しきもの!」 「悪しきもの?そう言われてんのか」 「こいつ、こんなところにっ」 悪しきものはポ村の農家、ケイヒさんをいつも困らせてい…

  • イチイさん その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら都会で数十店舗の調剤薬局を経営する、社長の息子のイチイさん。とある薬剤師会で知り合ったポ村の村長に、薬剤師の指導をするよう頼まれていました。 「すいません。今日は出勤すると聞いていたんですけど…」「ではちょっと一人で村を見学してから帰ります」 「そうですか。分かりました。ではまた今度」 一人でポ村を散策するイチイさん。薬局ではマメチュー先生やクラゲさんにしか会うことがなく、指導の必要性を特に感じていないイチイさんですが、ポ村に訪問するのが好きなので村長に頼まれるたびに一応薬局を視察。そしてマメチュー先生の仕事…

  • 冬の遊び その3

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎ 物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 冬を迎えたポ村。妖精の少女シルプさんは美容師のハイエさんに片思い中。遠くから見つめているだけで精いっぱいです。それなのにそんな彼女の元に、ハイエさんが村の子供たちと一緒に突然の登場。さらにはハイエさんにリンゴのスイーツを差し入れるために、マメチュー先生までやって来ました。 差し入れはたくさんあるとのことで、お言葉に甘えてその場にいたみんなで頂くことにしました。 「マメチュー先生、このアップルパイ。クランブルがサクサクしてすっごくおいしーです」 「ほんとですか?よかったです」 「ヨーグルトも甘酸…

  • 冬の遊び その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 冬を迎えたポ村の朝。元気な子どもトビーくんとペンネくんは、美容師のハイエさんを連れてお散歩をしていました。彼らの近くではてんまさんと、ハイエさんに片思い中の妖精の少女シルプさんがおしゃべりをしています。 「ねぇ、てんま。女の子同士のおしゃべりっていいよね。なんかおちつく」 女子同士のおしゃべりセラピー。 村人各々が心を癒す術を持つ、それはセルフメディケーションを進めている村長がすごく喜ぶことだと思います。 「あーそんでーごはんたべー、よーくねむるー♪」 お散歩中のハイエさん、トビーくん、ペンネく…

  • 冬の遊び その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら ここはポ村。 現在、冬を迎えています。 トビーくんと、お友だちのペンネくん。 冬の早朝から、お外で元気に遊んでいます。 朝いちばん、まだ誰も歩いていない場所の霜柱を踏んであるくのが、冬の楽しみ。 「あらあら、おはよう」 まだ眠っていたところに、突然声を掛けられてびっくりしつつも、きちんと挨拶を返してくれました。 ハイエ美容室。 「あっ、やだ。ハイエさん、こっち来る」 人見知りの妖精の少女、シルプさんは今日も片思い中の彼、美容師のハイエさんを見つめていたようです。 関連記事:妖精の恋 好きな人のことは、何度も…

  • 教えてマメチュー先生! 薬の廃棄方法

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 「ごめん、後でな」 「なんでにゃ?」 「うーん」 「なんで?」 「…」 「ああ、にゃこ…」 大好きなにゃこさんに泣かれてしまい困ってしまうケイヒさん。 でも… ケイヒさんは、先ほどからぼんやりと薬箱を眺めていました。薬を飲むのは苦手なくせに不安な気持ちからつい、色んな市販薬を買い置きしたくなる 安心のためだけに購入しているから、1・2回使って…もしくは1回も使わないまま使用期限が過ぎてしまう薬も多いようです。 実はケイヒさん、ちょっとしたストレスで、今日もまた胃が痛い。でも薬を飲むかどうか迷っている様子です…

  • 教えて、マメチュー先生!薬を飲む時の水の量

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 「うう、胃がいてぇ」 ポ村で農家を営むケイヒさん。 不安症なところがあるからか、彼は胃を痛めてしまうことが多いようです。なのですが、ケイヒさんは薬を飲むのが大の苦手。 関連記事:花粉症の季節 「最近、飯もあんま食ってないなぁ。このままだと冷蔵庫のもやし、腐っちゃうだろうなぁ。だからって捨てるのは、いやだなぁ。仕方ない、炒めてたべるか」 ・・・。 「いや、違う。痛くない、痛くない。気のせい気のせい。もやし捨てるなんて作った人に悪いし」 (もやしは購入品) ”薬飲むかなぁ” 「ああ、あの胃薬。飲むといつも喉に違…

  • 猫の集会所

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら ご近所のねこさん同士で行うとされているねこの集会。 なんでそんな可愛いことをしているのでしょう。 会話の内容等、ちっとも可愛くないことをしている可能性もありますけれど、それでもやっぱり可愛く思えてしまいます。 ねこさんのすることですからね。 こちらはポあねと住んでいた頃のご近所ねこ、ぷーちゃん。 どうやら地域ねこのようです。 当時はポあねの職場に近い、お茶が有名な地方都市に住んでいたので、近所に茶畑がありました。 初めてぷーちゃんと出会った時、かわいいねこさんがいると思い、この町に引っ越してきた旨、挨拶をし…

  • 猫さん熱中症

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 夏、おうちでねこさん、わこさん等と暮らしているお宅は、室内の温度に気を付けなければなりません。 エアコンも扇風機も苦手なポいもは、夏はたびたび熱中症のような症状にさいなまれてしまいます。こんな風にねこさんをポいもと同じような目に遭わせないよう、十分なケアが必要です。 DNA的には暑さに比較的強いと言われているねこさんですが、ポあねと暮らしていたポにゃちゃんはどさんこ。より夏の暑さをしんどいと思っているかもしれません。 とはいえ人間の場合、すぐに暮らしている環境に身体が適応してしまうので、ねこさんも多少は適応…

  • おしゃべりな人 その3

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 ねこさんが大嫌いなまゆさんの伯母ペリコ。にゃこさんがまゆさんパパと遊びに行っている隙に、まゆさん宅に遊びに来たようです。ペリコ伯母さんは一人、おしゃべりをし過ぎたせいか、のどが痛くなってしまったとのこと。 「のど飴ある?」 「のど飴の場所?薬箱じゃない?」 「どこにあるの?」 「タンスの上だったかな。忘れた。探してみて」 「なによそれ。あたしが探すの?」 「自分が欲しいんでしょ?子供のころ遊ばなかった?物を隠して”宝探しゲーム”って。それをやらせてあげよう」 「いい年してやりたくないわよ。そんな…

  • おしゃべりな人 その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 ねこさんが大嫌いなまゆさんの伯母ペリコ。にゃこさんがまゆさんパパと遊びに行っている隙に、まゆさん宅に遊びに来たようです。おしゃべりな彼女は、遊びに来てからずっと一人で何かをしゃべっています。 「何この子。全然可愛くないじゃないの。これでアイドルなの?今の子って、昔の芸能人と雰囲気が変わったわよね。知ってる?昔はとっても素敵な人が多かったのよ。 そうそう、昨日お洋服買いに行ったらね、お店の人に似合ってるって凄く褒められたの。あたしいっつも褒められちゃうのよね。え?この話、何度も聞いたって?全く同じ…

  • おしゃべりな人 その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 「えー父ちゃん、にゃこを連れてっちゃうの?」 「たまにはいいじゃないか、なぁにゃこ?久しぶりにお父さんと遊ぼうな?」 「にゃ」 「いやだよ、にゃこがいなかったら寂しいもん。絶対やだ」 「まゆちゃん、すぐ帰るにゃからね。今日はとうちゃんと遊んであげるお約束をしたのにゃ」 にゃこさんがいなくてさみしい… という以外にもにゃこさんがまゆさん宅からいなくなると、ちょっと憂鬱なことがある。 「じゃあさ、あんまりにゃこに父ちゃんの整髪料の匂いをくっつけないようにね。にゃこいっつもおじさん臭くなって帰って来るから」 「え…

  • 猫と蝉

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら ついつい夜更かししてしまう、学生時代の夏休み。 これはポいもが、高校生だった頃のお話。 夜更かしが好きなのは、ねこさんも同じ。 元々夜行性と言われているねこさん。 人間と暮らしていると、ある程度は人間のライフスタイルに合わせてくれるようになる。 だからなのか、いつもはすでに寝ている夜中も、夏はポいもが寝ないと我が家のねこさん、ぽんちゃんもねんねしません。 それぞれ、夏の夜を満喫中。 「にゃー」 ぽんちゃんになかれるたびに父は都度起きて、窓を開けてあげています。 ぽんちゃん、本当は自分で窓を開けられるのに… …

  • 夏の昆虫たち その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 夏、よく道端で亡くなっている昆虫と言えば、アオドウガネ。せっかく生まれてきたのに… アオドウガネと同じくらい道端で亡くなっている昆虫に、蝉もいますね。 他の生物が亡くなっている姿はあまり見かけないのに、アオドウガネや蝉はどうして自分が死んだ事を伝えたいのでしょう。 せいぜい手を合わせる事くらいしか、私には出来ません。 私が住む地域でよく見かける蝉は、アブラゼミとかミンミンゼミ。 彼らには失礼ですけど、なかなかにトリッキーなお姿。 私には蝉の模様は怖いのですが、その模様の異様さが不思議で神秘的にも…

  • 夏の昆虫たち その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 夏。 昆虫たちが活発に活動してる季節です。 人間はね、だるそうにしている人が多いですけれどね。 昆虫たちは元気に飛び回る一方、あちこちで亡くなっている姿も見かけます。 中でもアオドウガネが、よく亡くなっているようです。 アオドウガネとは道端でひっくり返っている緑色の昆虫です。 アオドウガネも熱中症なのでしょうか? 優しい人は踏まれないよう、路上で弱っているアオドウガネを発見次第、自宅で保護してあげているそうです。 素敵ですね。 素敵じゃない私は、彼らがあまりにも道端で亡くなっているので、どれだけ亡くなってい…

  • 巻き爪に悩む

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 就寝前、普段だったらどうでもいいことが、いちいち気になってしまうことがある。 ポ村に住む農家のケイヒさんも、そんなどうでもいい事が気になってしまうタイプの一人のようです。 もう一度トイレに行っておいた方がいいかな? ちょっと寒いから、布団もう一枚かけようかな。 ん?腹が鳴りだしたぞ。 食べ終わってからだいぶ経つのに、今ごろ消化?ギュルギュルとうるさいなぁ。 ああ、背中はかゆいし、足もかゆい。 あれ、爪が伸びてきている。 爪…気になるなぁ。 爪が伸びてる、爪が… ケイヒさんは爪がちょっと伸びているだけで、気に…

  • 姉妹 その3

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 トビーくんは探し物の途中、ポ村に現れた知り合いだという女性に出会います。 覚えていないトビーくんは訝しみますが、女性が語るトビーくんの情報は正確なようでした。 「トビーくん、キッズ用コスメいらない?」 「こすめってなんだ!?毒薬か?」 「あげたい女の子いないの?」 「なにぃ。最強なのは男の子だっ!女の子は守ってあげなくちゃいけないものだっ」 「やだなぁ。ちっちゃい昭和男!ドキッとしちゃうこと、突然言うなよぉ」 「ドキってなんだ?心臓悪いのか?」 「ふふ、またそんなこと言って。2年前の5月15日の…

  • 姉妹 その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 トビーくんは探し物の途中、ポ村に現れた知り合いだという女性に出会います。覚えていないトビーくんは訝しみますが、女性が語るトビーくんの情報は正確なようでした。 「でも大きくなったね。うーん…2年前から身長は10センチ以上は伸びてるかな?当時は幼稚園生だったね」 「う!なぜそれを!いやいや、トビーが何歳かなんて、見ればなんとなく分かるもののはず…」 「きみは今もちっちゃいけど、もっとちいちゃくて。その時、丁度お昼でさ。トビーは、ママにご飯食べさせてもらってたよ」 「なんだそれ、うそをつくな。幼稚園生…

  • 姉妹 その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら あたしの前ではいつも斜め後ろ向いちゃって、ロクに顔も見せてくれない女。 なんだかんだでそんな姉に会わなくなって今日で、ちょうど半年。 親ならまだしも兄弟というのは、親元を離れるとあまり会わなくなるものらしい。人によっては、ほとんど縁切り状態になっている人もいるという。 特にうちは母親が違うし、一緒に住んでいたのもそう長いわけじゃない。 それでも思い出はたくさんあるけれど。 母親違いで1歳下の妹って、そりゃ複雑だよね。 まぁ、あの子はその辺に関しては、なんとも思ってなさそうだけど、世間的には…そういうのはね。…

  • パティスリーマルズ その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 パティスリーマルズにケーキを買いに来たUSAさん、そしてきのこさん。パティシエのマルズさんが、ひょんなことからお手伝いのりーちゃんの為にパンケーキを作ってあげることになったのですが、パンケーキに合わせるハチミツの瓶が硬くて開かなくなってしまったようです。 「瓶が開かない?そっか。蜂蜜とかジャムって一回開けると、開けづらくなるのよね」 ケーキを買いに来ただけのUSAさんですが、何となく申し訳ない気持ちがあったため、ハチミツの瓶を開けてあげることにしました。 というかこのメンバーの中では、USAさん…

  • パティスリーマルズ その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 森の中に佇んでいるのは、まるで生クリームみたいなパティシエ・マルズさんが営むスイーツショップ。 ナッツやフルーツ、野菜等を使用したケーキを中心に扱っているお店です。 もうすぐ、営業終了の時間。 ケーキはもうあと一つで完売。 パティスリーマルズはポ村で人気のスイーツショップのため、閉店時間までケーキが残っていることは珍しいのです。 スタタタタタッ マルズでお手伝いをしているこちらのちびっ子は、りーちゃん。 将来はお菓子屋さんになるのが夢なのだそうです。今日は一日、お店のお手伝いをして空腹状態みたい。 そんな二…

  • 関節を鳴らしたい

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 神社の鈴の音、一度でいいから上手に鳴らしてみたい。 車のクラクション、何も気にすることなくプップと鳴らしてみたい。 そして… “パキッ“ 腰に違和感を感じた時、ひねって関節を鳴らしてみたい。こうして時折、腰に生じた違和感を、解消したくなるのです。 ”パキィ” ただ音が鳴っているだけなのに、この音が鳴ると気持ちがよく、ずれていた関節が元に戻った気持ちにすらなる。 ずれが生じていた人間関係だって元に戻るような、そんな気持ちにだってなれちゃいます。 ストレッチをして悪くなった血行をほぐす…ついでに腰の関節も鳴らし…

  • ミツバチの暮らし その3

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 毎日けっこうな仕事量をこなすミツバチたち。姉妹や赤ちゃんたちに囲まれ楽しいけれど、それなりに苦労もあるようです。そのため、一人で自由に過ごしてみたいと思ったミツバチは、こっそりおうちを抜け出すのですが、出先で悪しきものに出くわしてしまいます。 ”おねえちゃん!ママ!怖いよ。どうしよう” 「!!」 チョロチョロ… 「てんまちゃん!?」 「ポ村の鳥居の結界が効きづらいから、悪しきものが多いんだから」 てんまちゃんはたまに悪しきもの退治のため、この辺をパトロールしているらしい。 助けてもらってばかりだ…

  • ミツバチの暮らし その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 毎日けっこうな仕事量をこなすミツバチたち。姉妹や赤ちゃんたちに囲まれ楽しいけれど、それなりに苦労もあるようです。そんな時、ミツバチは自由を満喫する美しい蝶々の存在を思い出す。 昼間見かけた花の蜜を吸っていた蝶々。羨ましいなって、ちょっぴり思った。 みんないると安心するし楽しいんだけど、一人にもなってみたい。 一人で過ごすって、どういうものなんだろう?ちょっとした好奇心。そういうことを考えるお年頃なのかな? ひとり、おうちを抜け出して、何も考えずにぼーっと過ごす。みんなが起きる前の刹那。ひとりぼっ…

  • ミツバチの暮らし その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 「ママ!おはよう」 「おはよう。今日もお仕事頑張ってね」 「はい!」 毎朝お仕事前に、ママにしっかり挨拶するのが、我が家の大切なルール。うちは家族が多いから、一日一回以上は必ずママに顔を見せることになっている。 ママはもちろん、他の家族も大好きだし、お仕事するのだって楽しい。生まれたばかりの赤ちゃんたちの為に、お花の蜜を集めるのはやりがいを感じてる。 けどね、ちょっと忙しいなって思うときもある。 アタシたちの勤務時間は一日6~8時間。 残念ながら休日はなし。 お姉さんになってまず、最初に行うのがお部屋のお掃…

  • 軽減税率制度 その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 2019年10月1日から始まった軽減税率制度。節約するためUSAさんは、消費税が8%のうちに日用品などを買い漁る。 「節約?USAって元々節約下手だったよね」 「む!まゆちゃん、いっつも一言多いんだから」 「だって言ってたじゃん。割引になっている肉や野菜を見ると、いつも買っちゃうんだって」 「良いじゃない、それは。割引に惹かれるんだもの」 「でも使い道は考えてないんでしょ?だから買っても、そのまま放置。で、忘れる」 「う…」 「忘れ去られた肉や野菜はその後、本格的にご臨終。USAは死んでしまった…

  • 軽減税率制度 その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 「ええと、今度はチークの色、何にしようかな?あたしは肌の色的に、青みがかったピンクかな?でもなぁ。微妙そもそも似合う色と好きな色が違う人って、みんなどっち優先して買ってるのかしら?あ、そうだ。コスメだけじゃなく、アクセも欲しいんだった。ルームウェアも新しいの欲しいしなぁ…あぁ、節約しなくっちゃだわ」 まゆさんはUSAさん宅で、彼女の荷物を受け取るため、お留守番中。買い物に行っているUSAさんの代わりに、にゃこさんといっしょに帰りを待っているのです。 2019年10月1日からスタートした軽減税率制度。 今回は…

  • 内臓脂肪減少薬 その12

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら前回のお話 (内臓脂肪減少薬 その1はこちら) 自分の体型が気になり始めたあかりさん。でもダイエットは簡単にできるものじゃない。そのため、内臓脂肪減少薬に頼ろうとするが、ぽっちゃりの母親に諫められてしまう。 あかり家宅 「おかあさん、痩せ薬ほしいの?」「あかりが欲しがる薬がなんなのかは、よく分からないけど…そもそもあんた!その体型で痩せたいって、ほんとのぽっちゃりの苦しみ知らないでしょう?好きな服も着られないし、汗もかくし、靴下も履きづらい。階段は上りたくないし、いびきもかくし、狭い場所を通るのにだって躊躇する…

  • 内臓脂肪減少薬 その11

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら前回のお話 (内臓脂肪減少薬 その1はこちら) 英会話を勉強中のあかりさん。最近自分の体型が気になってきていた。それなのに学生時代の同級生、藤島恭平に「丸くなったな」と言われ、落ち込んでしまう。あかりさんの後輩、小林柚月も人の注目を集めたいため、細くきれいになろうと薬の力を借りる。 職場 「え?あ…」 「藤島さん」藤島さんが外国の方の対応に戸惑ってる。どうしよう、あたしも対応できない。あたしが助けてあげられるとしたら人を呼んでくることくらい。このお客さま、よく見かける外資系のお得意さまだよね。えっと、どこの課…

  • 内臓脂肪減少薬 その10

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら前回のお話 (内臓脂肪減少薬 その1はこちら) 体型を気にし始めたあかりさん。内臓脂肪減少薬の存在を知り、手に入れたいと思い始める。夢の中で、ねこさんたちにダイエットを反対されるが、あかりさんは何を言われても納得しなかった。 あかり家宅 「あー、今日もあんまりダイエットできなかったなぁ」 そういえば、変な夢見た気がする。もうちょっとで痩せた自分が手に入りそうな夢…ーーーーーー。 「ちょっともー、はなしてよー」 「それはにゃこのにゃ。にゃこのっ、にゃこのっ!」「違うよ、あたしのだよ。きれいになって見返したいんだ…

  • 内臓脂肪減少薬 その9

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら前回のお話 (内臓脂肪減少薬 その1はこちら) 外見を磨くのに命をかけているあかりさんの後輩、小林柚月は内臓脂肪減少薬を母親に買ってもらい手に入れていた。 そんな中、困っている様子のまゆさんとてんまさん。 「どしたのにゃ?」 「このままじゃ本当に薬が必要な人に、処方できないんだよ」「ダイエットしたい人、多いんだね。だから薬を制限されちゃうんだよね」 「それ、にゃこが解決してあげられることにゃろか?」 あかり家宅 「使えそうにない…」 屈辱の一言くっそー痩せたいなぁ。悔しいなぁ。でもご飯食べたいなぁ。やっぱり腹…

  • 内臓脂肪減少薬 その8

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら前回のお話 (内臓脂肪減少薬 その1はこちら) 体型を気にし始めたあかりさん。しかしダイエットはつらいので、同僚のひかりさんに相談。「肥満症治療薬っていうのがあるんだって」「知らなかった。上記の条件を満たしている方?18歳以上、腹囲女性90センチ以上?」「あたし、腹囲90センチ以上あるように見えてる?」 「厚着していけばいいじゃん」「今の時期に?」 「じゃあ、腹巻」 「うん。ちゃんと”あなたが買っちゃだめですよ”って、指導してもらいな」「なにそれー、結局楽して痩せられないってこと?」 「痩せる必要ないってこと…

  • 内臓脂肪減少薬 その7

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら前回のお話 (内臓脂肪減少薬 その1はこちら) 少しおなかが出てきたことを気にしているあかりさん。そんなあかりさんの職場に学生時代の同級生、藤島恭平が中途入社でやってくる。彼には「将来、まん丸になってんだろうな」という嫌味な予言をされていた。 藤島恭平はあたしを見て面白そうに笑っている。「まんじゅう似合うよな」 「はい?」「お前さ、昼飯だけじゃ飽き足らず、サンドイッチまで食うつもりだったわけ?あと昆布のおにぎり。どういう組み合わせのセンス?」 「…」「ほんっとーに…」 「…」「丸くなったな」 はい? あかり家…

  • 内臓脂肪減少薬 その6

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら前回のお話 (内臓脂肪減少薬 その1はこちら) 少しおなかが出てきたことを気にしているあかりさん。そんなあかりさんの職場に学生時代の同級生、藤島恭平が中途入社でやってくる。彼には昔… という嫌味な予言をされていた。 「では、みなさんも藤島さんに挨拶を…」 「川本です。よろしくおねがいします」 「坂田です。おねがいします」挨拶…大丈夫。あたしの名字は日本で一、二を争うほどのよくあるやつだ。「さ、佐藤です。よろしくおねがいします」 「佐藤さん。今後ともよろしくおねがいします」 「…」ん?「山下です。よろしくおねがい…

  • 内臓脂肪減少薬 その5

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら前回のお話 (内臓脂肪減少薬 その1はこちら) 平日のお昼休み「お土産を渡したい」というあかりさんの母から連絡が入る。「いつもぐうたらしてるんだから」と娘に対し率直にモノを言う母にうんざりしている様子。「おかあさん、あたし仕事辞めるかも」 「何それ、うそでしょ?」 「…」「入社してまだ3年しかたってないのに、何言ってるのよ。あんな大企業に奇跡的に入れたのに。馬鹿なこと言ってこの子は」 奇跡だと思ってたんだ。。。 「やりたいことがあるから」 「何よ、やりたいことって。聞いたことないわよ。仕事辞めたいからって適当な…

  • 内臓脂肪減少薬 その4

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら前回のお話 (内臓脂肪減少薬 その1はこちら) ぽっこりとおなかが出てきたことを気にしているあかりさん。職場では今日から中途採用の男性が入社。そのため可愛らしい見た目の後輩女子、小林柚月は気合を入れていた。小林柚月はあたしのことをチラ見した後、他の女性社員のことも眺めていた。特にひかりのことは全身しっかりとチェックしている。髪型、メイク、洋服、足元、爪の先。”ひかりはけっこうきれいだからね”小林柚月にとってひかりは、尊敬する先輩というより身近なライバルのような存在らしい。 一方あたしはダボっとしたシャツにパンツ…

  • 内臓脂肪減少薬 その3

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら前回のお話 (内臓脂肪減少薬 その1はこちら) ちょっとだけ太ってきたことを気にしているあかりさん。外見重視の人が多い世の中、体型が気になるようです。”見た目で判断しないで”って言っていたギャルが「イケメン大好きー、付き合うならイケメン限定」とか平気で言ってる。それを見た目で判断してるって言うんじゃないんだろうか、といつも思う。錯視とかってのがあるけど、人って見て感じたものを、そのまま受け入れて飲み込んじゃうんだよね。あたしだって人を見た目だけでは判断したくないし、されるのも嫌だけど、見た目の好みってのはやっぱ…

  • 内臓脂肪減少薬 その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら前回のお話 (内臓脂肪減少薬 その1はこちら) 洋画や洋楽が好きで英会話に興味のある女子、あかりさん。彼女に後輩の愚痴を送信してきていた同僚のひかりさんから、電話がきました。「どうしたの?」 「だって今、あかりが呪いの言葉を送ってきたじゃん!だから怖くなったんじゃん!なにあれ?」 「呪いの言葉?」 「へー、洋書なんか読もうとしてたの?ぐうたらしているようで、けっこう勉強熱心だよね」 「どんな人間にもいろんな面があるものだよ」 「英語の本はさすがにだけど、あたしもさっきまでアリアナなら聴いてた」 「いいよね。あた…

  • 内臓脂肪減少薬 その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 2024年、4月。 海外旅行きたーいっ。 「にゃ」 本当は本物のねこちゃんと暮らしたかったあたしの名前はあかり。そして大事な相棒、ねこロボットの名前はエルトン。 「にゃ」 この子は一人暮らしのあたしを癒し、慰めてくれている。いつかはお金を貯めて、本物のぬくもりを与えてくれるねこと暮らしたいとは思っているけど。 「よしよし、おいで。抱っこしてあげる」 こんなあたしは社会人三年目。 同期のひかりからだ。名前が似ていて親近感が湧いたのを覚えている。 「ああ…あの子ね、小林柚月」 見た目がかわいい子は性格がかわいくな…

  • ポあね旅行中 その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 ポにゃちゃん起床後、早朝から旅行のため出かけて行ったポあねが、いなくなっていることに気が付く。これまでずっとポあねだけと暮らしてきたポにゃちゃん。どこを探してもポあねがおらず不安なようです。 しまいにはポいもの部屋にまで、ポあねを探しに来ました。 でももちろんポいもの部屋にもポあねはいません。 ”ポにゃ覗いてる…” てぽてぽ。 どっか行った。 …。 また来た。 ”ポにゃ覗いてる…” てぽてぽてぽ。 どっか行った。 …。 う、また? ”ポにゃ覗いてる…” てぽぽ… どっか行った。 なんだかポいもさ…

  • ポあね旅行中 その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 朝から何度もポいもの部屋を覗きに来るねこ。 確かにねこさんというものは、トイレやお風呂などを覗きたがる習性がある。 ポにゃちゃんもたまにしか開けないクローゼットや、シンク下の収納部分などを開けると、一緒になって覗き込んでいます。覗いたあとは、中に入りたがる。 靴箱とかも覗いては、入りたがりますね。 外出するから靴箱を開けているのに、すたすたと靴箱に入っていかれると正直困ります。 ポにゃちゃんが邪魔で靴、取り出せないんですよね。 なにしろ無理やり取ろうとすると、爪を出したねこの手がちょこちょこと伸びてくる。 …

  • 猫は写真を撮られるの、好き?嫌い?

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら みなさんは写真、好きですか? 両親というのは基本、子どもの写真を撮りたがるものですよね。 やはり成長していく姿を収めておきたいのでしょう。 ポいもも物心つく前から出かけるたびに写真を撮られていたため、幼い頃の写真を見返しても私自身、撮られることを嫌がっている様子はありませんでした。 当時は撮られることが当たり前だったのです。 気になることがあるとすれば”兄弟あるある”で、妹である私の写真の方が、ポあねよりも少ないことくらいですかね。 しかし幼い頃はいつも撮っていた写真も、小学校高学年くらいになるとその数は激…

  • 負の感情の化け物 その3

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 今日はマメチュー先生、トビーくん、クラゲさん、ヤマオというメンバーでポ村の鉱物を採取しに来ました。 この鉱物は加工により薬になったり、ライトになったりするという、優れものなのだそうです。 そんな時、ポ村にカゲが現れる。 カゲとは、負の感情のカタマリの化け物。 その存在をまともに目撃すると、心にマイナスの影響を及ぼすと言われています。 御神木のそばにある大きな十字架を使って、マメチュー先生はヤマオと協力し、カゲを倒そうと思ったのですが… 「ヤマオさん?」 ヤマオはすでにカゲにやられたのか、ショボン…

  • 負の感情の化け物 その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 今日はマメチュー先生、トビーくん、クラゲさん、ヤマオというメンバーでポ村の鉱物を採取しに来ました。 この鉱物は加工により薬になったり、ライトになったりするという、優れものなのだそうです。 「トビーさん、危ない遊びはだめですよ」クラゲクッションが代わりとして待機中 「マメー、ガムでふうせん出来たー。上手ー?」 「すごいすごい!一番上手です」 「あのね、お友だちのペンネ君はふうせん作れないんだってー」 「じゃあトビーさん、今度教えてあげて下さいね」 「うん」 「ふうせん割れちゃった」 そのとき、突然…

  • 負の感情の化け物 その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 子どものころ”白線から落ちたらワニに食べられるごっこ”なる遊びをやったことがある、なんて人もいるかと思います。 ポ村に住む子どもさんのトビーくんもそれと似たような遊びを、ポ村の出入り口にある鳥居の前で行っています。 邪悪なものからポ村を守ってくれるお地蔵さまと鳥居 「ほらほら。トビーくんはここだよ」 トビーくんがからかっているのは、ポ村の外をウロつくワニ、ではなく”悪しきもの” 小さきモノ? 鳥居から出たらワニ(悪しきもの)に喰われるごっこ、ポ村バージョンのお遊びをしているようです。 腐ったものから発生した…

  • 猫のキャリーバッグ

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら ※ポにゃちゃんと暮らしていた頃のお話 「ポにゃちゃんやー?」 ポにゃちゃん、行方不明。 どこで行方不明になったかというと、もちろん家の中。 ねこさんとは目を離すとすぐ、行方不明になるものなのです。 いつもポにゃちゃんがいるベッド、トイレ、お食事処を確認したのですが見当たりません。 「なぜいない…」 家にはいるだろうとは思うのですが、長い間見かけないと心配になってきます。 というかしばらく顔を見ていないと無性に会いたくなってくる。 そんなポにゃちゃん、というかねこさんが好んで行きそうなところ… 所詮、高い所か…

  • 冬支度

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら ポ村、初冬。 この村では冬、外出が出来なくなるくらい雪が降ることもあるので、年末は冬眠する人が多い。冬眠といっても本当に寝ている人もいれば、食料を備蓄して家の中にずっとこもっている人もいるようです。 早めに冬の準備を始めておかないと、雪が積もってからではそれなりに大変。 ポ村の村人たちは大丈夫でしょうか? 「やっば!」 「しょうがないにゃわ。まゆちゃんも一緒に、にゃこのご飯食べるのにゃ」 「えー、いいの?にゃこ。じゃあカリカリじゃなくて、ウェッティーの方を貰ってもいい?」 「いいにゃよ。まゆちゃんとにゃこは…

  • アホウドリ

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら てんまさんは、マメチュー先生にこんな風に言われたことがありました。 「マメチュー先生?」 「患者さんの言うことを、信じてはいけないのです」 「信じては…いけない?」 「そうです。決して信じないでください」 「マンマー、ママママー。まだかなぁ?マンマー♪」 「てんまちゃん?ぼくねー。美容院に行ってるママを待ってるんだー。大人しく待ってるのー」 「そうなんだ、いい子だね」 「ねーえっ。なにか、お話して。おはなしー」 「お話?」 「うん」 「ええと、じゃあね。アホウドリって知ってる?」 「うん」 「英語でアルバト…

  • 妖精の恋 その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 妖精の少女であるシルプさんは、絶賛片思い中。そんな彼女の思い人は美容師のハイエさん。 シルプさんはまるでストーカーのように、美容室の窓からハイエさんのことを見つめています。 なんか疲れてるみたい… お仕事大変なんだろうなぁ 私が癒してあげられたらなぁ。 必要として貰えたらなぁ。 だいたい、あの女の髪の毛なんて雑草を切るみたいに、鎌でぶった切ってやればいいのに。ちょっと待って、近づいて欲しくないから高枝切りバサミの方がいいかな。 「ひっ出た村長」 「まゆさん?」 突然何かに驚くまゆさんの声。 「絵…

  • 妖精の恋 その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 「よし!」 もじもじしたり、真っ赤になったり、気合を入れたり、先ほどから百面相をしている彼女は人見知りの妖精シルプさん。 関連記事:花占い 人間に対し警戒心があるからか、マメチュー先生に対してさえ、心に壁があるようです。 妖精の少女、シルプさんにはどうやら好きな人がいるみたい。 「ああああーやっぱりだめー」 何かを覚悟したような仕草の後、今度は枯葉にまみれゴロゴロしながら悶えているようです。 好きな人を思い、悩ましい日々が続いている様子。 そんな彼女が好きな人はどんな人なのでしょう。 ドコッ 「ひゃっ!」 …

  • 平和な光景 その3

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら前回のお話 少々治安が悪い街に異動になったポいも。それでも可愛らしいハトを見て癒されていました。しかし自宅マンションへ戻ると…1階の掲示板にこんな張り紙が張られていました。⚫︎騒音注意 ⚫︎タバコのポイ捨て禁止 本当はこういうマンションの悪い部分って、引っ越し前の内見時に確認しとかないとなんですよね。 我が家のマンション、未だに治安悪め。でもまぁ、この程度はどこのマンションでもあるのかな? 他にも ⚫︎これポいもの住むフロア ⚫︎ポいもは見たことありません そんなことがあったとは!見た人びっくりしたでしょうね…

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、maricatsさんをフォローしませんか?

ハンドル名
maricatsさん
ブログタイトル
マメチュー先生の調剤薬局
フォロー
マメチュー先生の調剤薬局

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用