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2005/08/02

1件〜100件

  • その伝染もこの伝染も

    昨年の8/18の日記には、県内のコロナ感染数が29名、湯沢管内は1人と記してあった。今日の報道で秋田県は昨日に続いて記録更新?し1800名を超した。そして管内はとうとう100名超。いつ罹ってもおかしくない状況である。TVでは社会経済状況が…と盛んに言っているが、この態勢、体制でいいのかと思う。政治家への不信は慣れっこだが、危機を自分の都合のいいものとそうでないものに露骨に分けている感が否めない。そうした態度は伝染していき、それで悲惨な目に遭うのは、やはり弱い立場にいる者だ。そしてこうした思いに囚われる時、民衆が強い力を求め硬直した世の中になる傾向となることにも注意深くありたい。一年前の記事は東京五輪のこと。今回の某企業不正報道がまたあの頃の胸糞悪さを思い出させる。五輪誘致から開催に到るまでの様々な不祥事、...その伝染もこの伝染も

  • その書名には仕掛けがいる

    すでに8月に入ってすぐの頃に読了していたが、感想メモをなかなか手につけなかった一冊がある。昨日、町内の「二十歳のつどい」が行われて、図書館だより特別号を出したと館ブログにもアップした。その会の様子が関係者が発信しているわけだが、記念講演の題がその書名と同じだった。講師はブラボー中谷氏。講演のこの著書との関連は、中味を聴いてないのでなんとも言えない。ただ、マジシャンであればタイトルの使い方は想像できる。ましてブラボー氏。「このステッキは今から花束になる」と語って演じれば、確かにその通りに進むわけだから…。もちろん、そんなネタを使いながら「言葉の力」を語ったことだろう。『言葉は現実化する』(永松茂久きずな出版)著者の主張はただ一つ「いい言葉を口にする習慣を身につけること」である。それ自体は、数多の啓発本、ビジ...その書名には仕掛けがいる

  • 「待つ」は放棄や放置ではない

    「待つ」存在でありたい。また、ぼんやりとこの本を開く。気にしなかったわけではない。かと言って始終思っていたわけでもない。書き綴りたくなる気持ちが湧いてくるのを、待っていたというべきか。『「待つ」ということ』(鷲田清一角川選書396)「1焦れ」P18より待つことには、偶然の〈想定外の〉働きに期待することが含まれている。それを先に囲い込んではならない。つまり、ひとはその外部にいかにみずから開きっぱなしにしておけるか。それが〈待つ〉には賭けられている。ただし、みずからを開いたままにしておくには、閉じることへの警戒以上に、努めが要る。〈待つ〉は、放棄や放置とは別のものに貫かれていなくてはならないからだ。時々、夜半に目が覚め、次から次へと思いが浮かんできて、再びの眠りモードになかなか戻れないことがある。職場や家庭の...「待つ」は放棄や放置ではない

  • 立秋過ぎて日記

    8月8日(月)先週はこども園読み聞かせが続き、中学生の職場体験もあったのでやや慌ただしかった。今週は盆踊り休館前に結構準備を進めることがありそうだ。午前中は家族の保険手続きや買い物等で出かける。午後はのんびりしてから孫をこども園へ迎えに。家に帰ってきてからもパワー全開の孫に、夏バテの文字はない。8月9日(火)先月から少しずつ進めていたアンケート集約をようやくまとめる。あとはどう一歩進めていくかだ。図書館ブログは「山の日」にちなんだ蔵書紹介二日目。盆過ぎの放課後教室の読み聞かせ選書に入る。県内ではコロナ感染者が1300超となり最多を更新している。久しぶりにドジョウ鍋を食して、スタミナをつける。8月10日(水)明日の祝日に、子どもたちの絵を使った絵灯籠のイベントをするのでPRのブログアップ。町内の二つの小学校...立秋過ぎて日記

  • 宝くじ買う前に「ルール」

    さすがにこの齢になって啓発的な本を頻繁には買わないが、ネットでよく訪れる知人が薦めている記事を見て、たまに注文する時もある。内容はある程度予想がつくのも年の功か(笑)。しかし、わかっていることと実行していることはまた別の話。結局、自己怠慢、悪しき生活習慣を自覚することになる結末が多い。『宝くじ・超当せんデータ「当たる人のルール」がわかった』(女性セブン編集部小学館)宝くじを定期的に買う習慣はない。もちろん当たったらいいなあと買わずに思っている時があるので笑えてくる。関心があったのは「当たる人のルール」だ。女性誌の記事の集約だから、ほぼ予想はつく。そして大方違いはなかった。「物事を丁寧にする」「身の回りをきれいに保つ」そして「何事も前向きに受けとめる」もちろん具体的には結構細かい「心掛け」が出てくる。そうし...宝くじ買う前に「ルール」

  • 8月9日『ミス・サンシャイン』

    新潮社のPR誌『波』8月号の編集後記で、「夏らしい本」と選んだ一冊として、この小説があった。「夏らしい本」と言われ、それぞれにイメージはあるかもしれないが、他に挙げられている『黒い雨』や『長崎』という書名をみれば、そうかと思う。日本人が「夏」の受け止め方として、心の中に留めておきたい一つだ。『ミス・サンシャイン』(吉田修一文藝春秋)一人の大学院生と往年の大女優の交わりを描く物語。女優が歩んだ道の起点であり背景であるのが、戦争と原爆といっていい。人間はいつも取り返しのつかない事をする。今も現実にある禍によって、多くの命が奪われ消滅しているが、生き残った者にとって、その命と共に居た共に歩んだ濃さは薄まるわけではない。サンシャインという呼称に宿る輝き、眩しさ、そして熱。それらを織り交ぜ戦後昭和における映画や芸能...8月9日『ミス・サンシャイン』

  • 夏に熱かった女子の言い草

    先月は毎週「週刊文春」を購読した。安倍元首相の狙撃事件が主記事になっていたわけだが、連載陣の多くも触れていた。その中で一番気になったのは、狙撃直後(生死もわからない段階)でいち早くネットへ発信した者たちが一様に「犯人の動機はともかく…」と共通した見解を述べたことに対する能町の評価だ。つまり彼らは、これらの事件をごっちゃにして、「差別はやめよう」というごく真っ当な主張に乗っかって「権力者の悪口もやめよう」を広めようとしているのです。能町みね子(週刊文春7/28言葉尻とらえ隊)これは小説なので、作家の考えそのものとは言い難いが、叫びがストレートなだけに、人格の一部に存在することは確かだろう。「食欲」を客観的に表現した一断面。確かにその通りではあるが、それゆえ「食物」や「料理」を文化と思えない不幸せ。人は誰しも...夏に熱かった女子の言い草

  • 漫談芸人やら船長やら

    『なまけていません』という絵本をこども園で二日続けて読んだ。シリーズもので2冊あったが、こちらは登場人物の会話のやりとりが主の流れだ。下読みをしている時は気づかなかったが、子どもたちの前で語り出すと、無意識に脚色が強くなっていくのか、「この調子、誰かに似てきたなあ」という思いがよぎった。ああ、あの浅草の…そうだ「ぴろき」だと思い出す。自虐ギャグのウクレレ漫談。かつて「笑点」に出演したことがあったが、それ以外のお笑い番組にはまず登場しない。数年前の寄席で二度ほど見たことがあり、なんとなく憐れみを伴う親近感を覚えて、売りに来たその場でCDを買ってやった(笑)。憑依されたか。同じ日に中学生の職場体験学習があり、最後に「絵本講座」と称して50分ほど、三人の女子中学生を前に語らせてもらった。簡単に絵本の種類のことな...漫談芸人やら船長やら

  • ハシビロコウとナマケモノ

    絵本にはシリーズものがよくある。同じように見えても、同じように扱っていいというわけではない。この二つの絵本で考えた。『うごきません。』(大塚健太柴田ケイ子パイ・インターナショナル)ハシビロコウという鳥が主人公。池のほとりでじっと動かないまま、様々な(変な意匠をこらした)動物たちが傍にきてもいっこうに動ぜず、黙っているのだが、池の中に小魚が浮かんだのを見つけると…。「うごきません」というフレーズを一ページごとに繰り返していくパターン。どんな「オチ」になるか興味が高まる。『なまけていません。』(大塚健太柴田ケイ子パイ・インターナショナル)同じコンビによる似たパターン。樹木にぶら下がっているナマケモノ。森の仲間たちに、注意されたり、様々な誘いをうけたりしても、「なまけていません」というフレーズを繰り返す。これも...ハシビロコウとナマケモノ

  • 待ちながら書く、書きながら…

    「待つ」存在でありたい。しかし、いったい何を…。時間が経過することによって変わりゆくものは仕方ない。自分の身体はもちろん、目に映る万物もまた同様だ。ゆっくりとこの本に向き合い、湧き上がってくる想念を焦らず綴ってみよう。その中で、生まれるいや見落としていた何かがきらりと光るかもしれない。『「待つ」ということ』(鷲田清一角川選書396)「まえがき」P9よりせっかちは、息せききって現在を駆り、未来に向けて深い前傾姿勢をとっているようにみえて、じつは未来を視野に入れていない。未来というものの訪れを待ち受けるということがなく、いったん決めたものの枠内で一刻も早くその決着をみようとする。待つというより迎えにゆくのだが、迎えようとしているのは未来ではない。ちょっと前に決めたことの結末である。三十代前半、校内授業研の折だ...待ちながら書く、書きながら…

  • 文月もこうして暮れて…

    7月26日(火)出勤後、昨日、自宅で完成させた図書館だよりを確認してもらう。11時からこども園で読み聞かせ。大型絵本を3冊。『ありとすいか』が時季的にぴったり。見たら給食にも西瓜が出ていた。TV発表の県内感染者数に驚く。午後はブログアップ予定の「読書案内」作業。退勤後、今度は爺としてこども園へ孫を迎えに。7月27日(水)シフトの関係で勤務なし。午前は印刷作業後に、久しぶりに隣市へ買い物。スーパーと道の駅どちらも結構賑わっている。帰宅後、昼食は久しぶりのナポリタン。ウインナーが入る昭和の味だ。午後からはのんびりと録画していた『コードブルー』映画版を観る。二回目だがなかなか面白い。今日も孫を迎えに行く。7月28日(木)午前中は自宅でのんびり読書など。午後から会議があり出勤。図書館2階で十数人規模の教育評価会議...文月もこうして暮れて…

  • 仮想の相手に時候の挨拶

    先週、町内の小学校の三年生が来館した。勤務日ではなく様子は観られなかったが、今日それぞれの感想を記し綴じられたものが届けられた。ざっと目を通してみると、内容はともかく見学した当日の午後にいわゆる「手紙文」の学習として取り上げたらしく、二十数名全員が冒頭に以下のような形で書き出していた。あじさいがきれいにさくきせつになりました。今日は見学させてくれてありがとうございました。「あじさいがきれいにさく」の箇所は、それぞれに考えた(らしい)文章になっている。「ひまわりがきれいにさく」「ふうりんの音がきれいに鳴る」や「夏やさいがおいしい」もあれば「プールに入りたくなる」「かきごおりが食べたい」といった素直な心情にあった語を使った文もあった。時候の挨拶を書く活動だろう。手紙・はがきを書く学習はもちろん今でも残っている...仮想の相手に時候の挨拶

  • 7月26日、「豊かさと長閑」

    『あの日の風景』(村上保)のあとがきで、著者は昭和と今の比較をこう締め括る。「昔祖父から聞いた『一つ得れば一つ失う』という言葉を借りれば、『豊かさ』を得て『長閑』を失ったのかもしれない。そんなことを考えながらの作業だった」。ごく普通に「のどか」という語は使われるが、改めて意味深く思えてくる。「長閑」を広辞苑で引くと、以下のような意味が記されている。①のんびりと、おちついて静かなさま、ゆっくりとあわてないさま②気にかからないさま。心配のないさま。③天気がよくて穏やかなさま。こう書き写してみると、それらは「心の豊かさ」そのものだという気がしてくる。7月26日の県内トップニュースは、コロナ感染者が1284人と初の千人超を記録したこと。梅雨明けが発表されても晴れ晴れとした気持ちになる人は少ないだろう。全国版をみれ...7月26日、「豊かさと長閑」

  • 遠くなるが、消えない昭和

    「降る雪や明治は遠くなりにけり」あまりに有名な中村草田男の句である。昭和30年代生まれ以上の世代なら、なんとなく明治を昭和に置き換えたくなるのではないか。では「降る雪」に換えて何を置けばおさまるか。季語だが気象では難しい気がする。暮らし、風物、流行、そして食べ物…昭和が色濃いものは…。『あの日の風景』(村上保秋田魁新報社)副題が「昭和が遠くなる」。著者はイラストレーター。秋田県出身ではなく、愛媛、長野、秋田の新聞に記事を寄せたという経緯で出版されたようだ。1950年生まれの心身に沁み付いている様々な「昭和」が、イラストと共に表現されている。100を超える項目ほとんどについて「そうそう」と頷ける自分に改めて驚く。俳句に照らし合わせられる語を探してみる。例えばこれはどうだ。「量り売り昭和は遠くなりにけり」商店...遠くなるが、消えない昭和

  • 「最強の思想」に導かれて…

    この研究者は初めて知った。舌津(ぜっつ)という名前そのものも今まで見たことがない。「舌」とつく名が暗示しているかのごとく、凄い文章だった。その情報量が自分になだれ込んでくるような印象を受けたのは、「七〇年代のジェンダー」という副題通り、その時代に「青春」を生きた年代の一人だからでもある。『どうにもとまらない歌謡曲』(舌津智之ちくま文庫)冒頭の一文にギュッと心を掴まれた。曰く「歌謡曲とは、おそらく、戦後の日本における最強の思想である。」それは、他の言語に関する文化と比べて、圧倒的に「浸透力」が異なるからだ。確かに確かに…。またJ-POPと称された音楽とも対象の広さにおいて違いは明らかだ。この「『教育的』効果」は無視できない。「恋愛と結婚」というテーマを皮切りに、次々に有名な歌謡曲が繰り出される。「瀬戸の花嫁...「最強の思想」に導かれて…

  • 今年も捩花は咲いたけれど

    五月下旬からどうにも調子が出ないので、このブログアップもサボり気味。しかし確実に季節は移る。自然は正直で、今年も計ったかのように捩花は咲く。7月19日(火)昨日が祝日開館で、今日が休館日。ただ自分は、こども園読み聞かせがあり、田代へ向かう。予定時刻まで少し時間があったので、「痩せワラビ」(笑)でもあるかなとポイントへ。約二か月ぶりの収穫、夕食の一皿分になる。県内コロナ感染者が800人超。予想されている1000人超も現実となる。湯沢管内はまだ低い。7月20日(水)学校は一学期最終週となり、町内の学校が午前中全校揃って来館してくれた。同職した教員が多くいて、久しぶりに二言三言話をした。先月実施したアンケート集計作業を進めている。帰宅後は大相撲TV観戦。今場所も混戦だ。風呂場読書の『どうにもとまらない歌謡曲』を...今年も捩花は咲いたけれど

  • 海を見に行きたくなる話

    7月の読み聞かせは「海」を取り上げたいと、書架を探していて見つけた一冊。一読してすぐに「やりたい」と感じた久々の作品だ。発行がクレヨンハウスというのも珍しい。カバーに付記している説明をみると「1992・第2回海のメルヘン大賞」の大賞受賞作。作者は当時高校2年だったとある。瑞々しい感性だ。『海のおっちゃんになったぼく』(なみかわさき・文黒井健・絵)2006.6クレヨンハウス自宅裏に広がる浜辺で、青いビー玉を拾った「ぼく」。コップに入れたら「しょっぱい水」になり、その「海」はどんどんと広がってくる。入れ物を替えて世話をしていてもだんだん大きくなり、どうしようもなくなって「すててしまお」と捨てようとするが、父に見つかってしまい…発想、展開、決着、皆納得できた。ふだん「飼う」となるとそれは家畜やペットを指すが、物...海を見に行きたくなる話

  • 回文の絵本、こう読む

    「言葉遊び」の授業は持ちネタが多かったが、「回文」についてはまとまった実践をした記憶がないし、記録もないはずだ。ただトピック的には何度か扱った。回文の絵本は探せばきっと多くあるだろう。今まであまり意識しなかったが、先日この本を見つけ、短いし読み聞かせのときの前座(笑)として使えると思った。『ぞうまうぞ・さるのるさ』(ことば・石津ちひろえ・高畠純)ポプラ社2014.8表紙裏(最初と最後の両方)に、「ぞう」と「さる」の回文がそれぞれ4文、6文載っている。これは中味のストーリーと直接関係ない内容である。最初は回文の説明に使えばいいかもしれない。じっくりと文字を追わせ、これから書かれている文章が、全部そういう形式になっていることを意識させるのに好都合だ。レストランでウエィターが「ぞうどうぞ」と山盛りになった草の一...回文の絵本、こう読む

  • 仕組んでは育たない力

    参議院選挙が終わった。各種報道が事前予想したとおりの結果になったし、自分でも「そうなるだろうな」と感じていたことと大差はなかった。秋田県は過去最低の投票率だった。それでいて期日前投票の割合が全国で最も高いというデータは、ちょっと考えればどういう傾向か理解できる。固定化された投票行動だ。それ自体を悪いと決めつけることはできないが、問題は根深いと思う。投票に行くと決めている人は、早々に自分が選んだ候補者に票を投じる。いわゆる選挙運動(事前はともかく)には左右されない。立候補した時点いや選挙の構図(支持政党や自らとの関わりの深さで見えてくる)が決まった段階で、ほぼ終わる。2018年7月北海道④「帯広の丘の石」これだけ投票率が下がってくると「選挙権の行使」にばかり目がいく。確かにその通りとはいえ、それは政治に関す...仕組んでは育たない力

  • 職人と飲めば美味いんだ

    毎回見ていたわけではないが楽しみな番組の一つだった『太田和彦のぶらり旅いい酒いい肴』。吉田類の方と比べると、やや理屈に傾く時があるとはいえしみじみと味わい深さもあった。酒場ライターの元祖のような人だと思う。独特の語り口で、様々なジャンルの酒飲みと語らう対談集なので、面白くないわけがない。『みんな酒場で大きくなった』(太田和彦河出文庫)6人の方々とそれぞれに名店と称されるような酒場で、店や酒の話、そして仕事の話などを、気ままに語る。かつて一緒に仕事をしたという椎名誠の回だけは「生ビール」のみというのも特徴的だが、それ以外には食した肴の品名なども記されていて雰囲気がある。こういう本を読むと、正直「東京人」にまだ憧れる。2018年7月北海道③「釧路湿原を見まわす」まるで傍に座している感覚で読み味わえたのは、角野...職人と飲めば美味いんだ

  • 一秒の価値を五十年先へ

    ここ数日併行して読んでいたのが、次の新書2冊。一つは養老氏と4人の識者との対談集。もう一つは成毛氏のいわば「人生の整理術」。読者対象は前者が幅広い年代、後者は主としてビジネスマンから定年前の方々と言えるだろう。読了してから、ある意味で非常に対照的ではあるけれど共通項も見いだせると思った。『子どもが心配』(養老孟司PHP新書)『一秒で捨てろ!』(成毛眞PHPビジネス新書)2018年7月北海道②「摩周湖を覗く」養老氏の対談は副題として「人として大事な三つの力」と記されている。編集サイドのまとめらしいが、著者も前書きで触れている。曰く「(学びのための根本的な能力)認知機能」「共感する力」「自分の頭で考える人になる」こと。目新しい提言ではないが、一流の方々とのやりとりは実に豊かな対話となっている。成毛氏の著書は、...一秒の価値を五十年先へ

  • 我も少数意見者

    TVでアナウンサーが口にしていたので、興味が湧き「NHK参議院選挙2022ボートマッチ」というサイトに入ってみた。聞いていた通りに「すべての候補者を対象に政策について実施したアンケート」と同じ質問項目に答えていくと、「候補者との考え方の一致度を数値で知る」ことができるという仕組みのようだ。さっそく入り「全て」(設問数は25)に答えてみた。5択から7択が多い。正直分からないものもあるが「回答しない」も設けられているので、それほど時間はかからなかった。結果、選挙区で一番一致度が高かった候補者とは48%となり、やはりというか投票をしようと考えていた人だった。他は20%台以下に留まった。全国区はというと、これが政党別になっているが、どれも一致度は低く、候補者別に照らし合わせても、30%を超える候補者がいない。そん...我も少数意見者

  • 「もしかして」はきっかけワード

    先月から町内4つのこども園の読み聞かせをスタートさせた。選書をどうするかはいつも大きな課題だが、小学校と違って簡単につなげる大型TVがないので、やはり大型絵本が中心になる。ただ、冊数が限られていて、やはり通常サイズのしかも絵が大きい体裁の本を見つける必要がある。その最初の一冊がこれ。『もしかして』(クリス・ホートン作木坂涼訳BL出版)赤、白を基調とした背景色なのですっきり見えるだろう。切り絵風にデフォルメされたサルは印象深い。物語の展開も繰り返しが用いられていて、調子もよく、これなら20人ぐらいまでなら大丈夫かと取り上げることにした。親や主人の言う事を守らない三匹の兄弟?サルという設定は、世界共通の古典的なものか。最初に「もしかして」と口を開いた者の思いが伝搬していく様子が楽しい。もしかして可能か、許され...「もしかして」はきっかけワード

  • 本を読んで手にしたものは…

    久しぶりの藤原和博本だ。このブログでメモを残しているのは5年以上前。2003年に公立中学校校長になり次々に著書を出していた頃、ある程度読み込んだ。同齢であることも一つの刺激となり、「よのなか科」の実践はできなかったが「情報編集力」というキーワードには影響を受けた。それは今にも通じている。『本を読む人だけが手にするもの』(藤原和博日本実業出版社)「読書」をモチーフにした藤原流の思考法、処世術といった内容であり、特に目新しい提言が多いわけではない。ただ、冒頭にある「私は紙の本も立派なモバイル端末(持ち運びできるデバイス)だとも考えている」という一言は、著者の持つ柔軟性、吸収力そのものだと思われ、それが行為を価値づけると得心した。自らの読書遍歴を語った第3章が興味深い。「私は、本を読まない子どもだった。」と始ま...本を読んで手にしたものは…

  • 今「美」を掬い上げるなら

    『新しい日本人論』(SB新書)は、加瀬英明、ケント・ギルバート、石平の三氏による鼎談であり、TVでよく見かける方々でもあるので、凡その主張は想像したとおりだ。一昨年2月の発刊であり、その後のコロナ禍やウクライナ問題による状況変化はあったにしろ、揺らがず持論展開をなさっているに違いないだろう。賛成できない主張も少なくないが、なるほどと教えられることもある。一つは「子どもを送り出すとき」の言葉が文化の象徴という点、日本なら「みんなと仲良く」だからだ。そしてもう一つは「日本人の判断基準」についての考えだ。師匠と仰ぐ野口芳宏先生の印象深い名言に次のことがあり、思い出してしまった。好きか嫌いかは自分が決める。良いか悪いかは社会が決める。正しいか正しくないかは歴史が決める。物事の判断を「自分・社会・歴史」というそれぞ...今「美」を掬い上げるなら

  • 幕の引き方、あれこれ

    読了した北方謙三のエッセイ集のなかで、葛城ゆきがお気に入りの歌い手として挙げられていたので、先日の訃報に少し驚いた。癌であることを周囲にも知らせつつコンサートを続け、先月も歌ったという。亡くなる前病院へ向かう連絡をしたことから、覚悟も見えるような気がした。そんなふうな幕の引き方もある。人生に「幕を引く」わけではないが、吉田拓郎の実質的な引退発表にも心が動いた。自分より10歳年長なら無理もない。似たような年齢でもまだ衰えない者、かなり目立つ人と様々だが、表現者としては、どんな引き際、幕の引き方をするのかはとても大切だ、時々、ちょっと観たくなかったと感じる方々も多い。フォークソングからニューミュージックで育った年代が相応の齢になっているので、商業ベースでは成り立つのかもしれない。しかし人前で歌うレベルかどうか...幕の引き方、あれこれ

  • 「飲む」ことはエネルギーの証し

    巻末にある「初出一覧」をみると、2020年3月号の「小説新潮」が7編、あとは2021年1月号と書き下ろしがそれぞれ1編ずつである。小説だけでなくエッセイもあり、書名から予想されるように「酒のある風景」が共通している。「飲む」は酒に限る語彙ではないが、連想として圧倒的であることを今さら思う。『もう一杯、飲む?』(角田光代、他新潮文庫)冒頭の角田の小説「冬の水族館」もなかなか渋いが、個人的にはラズヴェル細木と小泉武夫のエッセイが好みだ。つまりは、様々なシチュエーションで登場する多様な酒や、珍しい酒、それらまつわる実話の方が興味深い。まあ、酒に関する恋愛沙汰のエピソードなドラマのようなことはなく、平凡な人生ゆえなのか。ただ、現職教員時代の思い出話はかなり多い。現状の世間の目があまり厳しく、暴露(笑)するのは控え...「飲む」ことはエネルギーの証し

  • ブッダとブタをお手本に

    呼吸法に興味を持ったのはいつだったか。日本語ブームの折の「斎藤孝本」もずいぶん読みこんだが、それよりもっと早い時期だった気がする。そう書いていたら、大学時代の保健体育か、と思い出した。息と身体の動きについて想起できるものが結構ある。器械体操やとび縄運動、そしてドル平泳法もそうだった。『息の発見』(五木寛之・玄侑宗久角川文庫)「息」が発音から「生きる」に通ずるとはよく言われる。死んでいることを「息をしない」と表すし、当然と言えば当然。慣用句にも「息を引き取る」があり、逆の「息を吹き返す」を考えれば、まさに息こそ生である。呼吸法はロングブームなのは、自然な行為を意識化して活動を高めるか、筋道が見えやすいからだ。だから、多種多様な呼吸法の教えがあり、書籍化などもされている。私も複数の本を持っている。この対話で二...ブッダとブタをお手本に

  • 読者は悲しい65歳以上

    『隣りの女』(向田邦子文春文庫)を読んでいたら、たまたまニュースであるテロップを目にした。「もはや昭和ではない」…内閣府が発表した男女共同参画白書の中で使われた言葉だそうだ。当たり前のように見えていて結構残っていることがあるから、キャッチフレーズに使われる。昭和を知りたければ向田作品だ。五編の短編小説集。不倫などと言わずに浮気。テイクアウトではなく出前。アパートの壁の薄い部屋。台所の包丁を使う音、そしてミシン。もちろん無くなったわけではないが、それらが醸し出す人間のねっとりした感じは遠い過去になった。昭和前半に生まれた人間に文章で伝わってくる情景は数多くあるもんだ。『生きるための辞書』(北方謙三新潮社)。馴染みはないが、顔ぐらいは知っていた。シリーズ化されたエッセイ集を初めて読む。豪快な生き方を「旅」「食...読者は悲しい65歳以上

  • 思いの外、慣らされている

    ふだんあまり使わない言葉がふっと頭をよぎることがある。もちろんそれは知っている言葉であり他人が口にしてもなんとも思わないのだ、自分の頭に浮かんだら、珍しいお菓子を食べたようなそんな気になる。昨日、そんな役割を果たしたのが「思いの外」。一度、味わったら繰り返し食べたくなるように使ってみた。今年も人間ドックへ。宿泊コースは、初日の検査が終わればラクチンである。夕食を終え、18時からのBSで「楽天vs日ハム」中継をみた。秋田県民にとっては待望の吉田輝星先発である。結果は5回一死で2失点の降板。「思いの外」よくやったではないか。テンポのよい投球だった。限界は見えるが期待も残る。さて、肝心の検査。馴染みの病院なのでストレスはないが迷っていることがあった。胃カメラである。失念していたが、以前ピロリ菌検査を受けて異状な...思いの外、慣らされている

  • 梅雨時の独り視聴者委員会

    録画したままになっていた「ズームバック×オチアイ」を観た。「新しい戦争、その先へ」と題された内容は、考えさせられた。情報戦とはよく言われることだが、そうした展開は昔からあった。結局、人を動かす「言葉」「ことば」(二種類使い分けられていた)の力は大きい。「伝え方」のテクノロジーをどう生かすか。その番組で落合陽一が柳宗悦にシンパシーを感じていることを知り、少し意外な感じを持った。もちろん民藝運動に詳しいわけではないが、「民」の文化にどれだけ敬意を払うか、この視点を生きていくうえで取り落としてはいけないと改めて思う。それは地球規模、国家規模はもちろんだし、日常でこそ見据えたい。9年前の夏民藝の聖地と言われる場所で緩い見方ながらNHKドラマ「今度生まれたら」を楽しんでいる。内館牧子原作なので予想はついたが、類型的...梅雨時の独り視聴者委員会

  • 単純に測れない姿を見よ

    昨日の朝刊文化欄に久しぶりにK先生の文章が載った。数年前にかつて勤務した学校の職員等による集まりがあってお会いした折は、多少足腰が弱っていたように見えたが、相変わらずにこやかにお話をされていた。今回のエッセイも非常に淡々としてはいるが、先生独特の観察眼を駆使され達意の文章になっている。プール清掃の季節…2009.6.16という日付があるK先生とは何度も作文の審査をご一緒させていただいた。印象深いのは、競技スポーツと作文審査の違いを語られたときのことだ。今、図書館ブログで続けている町文集作品紹介をしており、当時発刊代表だった先生の巻頭言も読み直す機会があり、懐かしく思い出した。同時にずいぶんと時代が流れたと改めて思う。先生は陸上競技の走り幅跳びの順位ならば、距離の測定は専門家でなくともできると書いたうえで、...単純に測れない姿を見よ

  • 超乱読で作り笑顔を

    『文豪たちが書いた泣ける名作短編集』(彩図社)を読む。太宰治の『眉山』に始まり、菊池寛の『恩讐の彼方に』まで計10篇。半分は未読の作品だった。「泣け」はしなかったが、まあ味はあるわな…やはり芥川の『蜜柑』はドラマだ…鴎外『高瀬舟』の深い色調は独特だ…と、このような感想しか持てずに読了だ。文藝春秋誌がかつてSPECIALとして出版した2冊を再編集した『老後の真実』という文庫。健康や経済、住宅から恋愛まで、その道の専門家が「新しい常識」を記してある。脳研究者池谷裕二の「歳のせいで物忘れがひどいという誤解」は真面目に読み入った。要は思い込みをなくす…それが老いへ向かう唯一の姿勢だ。このシンプルな表紙絵に惹かれつい手にとった。『満月笑顔はすべてを解決する』(佐藤康行河出書房新書)。「心の専門家」と称する著者の経歴...超乱読で作り笑顔を

  • 最も伝えたい「にゃーご」

    3年ぶりにこの絵本を取り上げてみた。図書館に勤め始めボランティアグループと一緒に学校へ出向いた2回目、初めての1年生で読み聞かせた大型絵本だ。物語性があり、ユーモア、やさしさの詰まっている名作だ。今、改めて読むと、キャラクター色が強く出ているので、自分好みだし声には合っていると思う。『にゃーご』(宮西達也鈴木出版)「ネコにおそわれないように」という先生の注意を聞いていない3人組のねずみ。ネコが出合いに発した大きな「にゃーご」という声を平然と受け止め、桃狩りに誘う。その言葉に釣られて行動をともにするネコの計算高さと迂闊さが入り混じる。桃狩りが終わり帰路で欲望を果たそうと「にゃーご」と叫んだのだが…。他者を信じて疑わない、そして他者の状況に思いを寄せる、素直であっけらかんとした3匹のねずみ。ネコとしての欲望は...最も伝えたい「にゃーご」

  • 悪態吐く独り視聴者委員会

    いやあ、それにしても今回は酷いなあと悪態を吐きたくなってきた。もちろん高尚な話題ではない。NHKのいわゆる朝ドラのことだ。前クールの「カムカムエブリバディ」もその前の「おかえりモネ」も指摘したい点はあったにしろ、振り返れば見所が多い内容だった。それらと比較できないほどに、今回の「ちむどんどん」は出来が悪い。本土復帰50周年という意味づけもあったろうし、沖縄という舞台は頻度の高い設定だ。主人公が故郷での体験を経て都会へ向かい活躍するという、朝ドラ不動?のパターンは納得できても、どうにも穴の多さが気になってしまう。以下、三つに絞って悪態を述べてみよう。まずは、主要なキャラクターたちのあまりに鮮明な単純さであろう。主人公暢子の前向きさや快活さを描こうとしているのはわかるが、あまりにも短絡的な姿に映る。演技がどう...悪態吐く独り視聴者委員会

  • 「味を追う」とはいったい何か

    リサイクル本コーナーにあったので何気なく取った一冊。少しだけ小説は読んでいるが、食に関するエッセイも面白そうだ。するっと読みつつもどこか物足りなく、内容も繰り返しが多い昭和期の身辺雑記だなあと残念に思っていたとき、ある箇所を読み、全体像が俯瞰して見えてきた。こういう体験も貴重な一つだ。『味を追う旅』(吉村昭新潮文庫)それは「食べる?」と題された一文。古くからの知り合いで後輩のK君と一緒に飲んでいる時、彼が前夜帰宅して妻から「あなた、夕ごはん、食べる?」と訊かれたことに対して腹立ち、その感情に深く同意したという内容だった。取るに足らない些細な会話に垣間見える、人間の本性の根深さを感ぜずにいられない。著者とK君には「終戦前後の食うものも食えない頃」の共通体験がある。K君の妻とは年齢の差があり、そこに齟齬が生じ...「味を追う」とはいったい何か

  • 散読な再読で思い知る

    「散読」などという語はない。「読み散らす」という意味で使おうとしたが、それだったら「手当たり次第にたくさんの本を…」となり、そうたくさんではないし、まあ「散漫な」この頃の状況に当てはまっているのでヨシとするか。かえってギリギリ心に残っていく一節やら考えやらが拾えるのかもしれないなどと…。『三省堂国語辞典のひみつ』(飯間浩明新潮文庫)。著者が脚光を浴びた頃読んだ。今回、再び開いたのはドラマ「持続可能な恋ですか」で主人公の父親が辞書編纂者という設定で、勤め先が三省堂そのままになっており、多少そうした場面もあったので、また興味が湧いた。新語を拾う醍醐味に共感する自分がいる。若者ことばの代表格「やばい」の項で思い出す。プラスの意味としての「やばい」は、心を揺らす状況に対する警戒感が底にある。40年以上も前のシラケ...散読な再読で思い知る

  • あの頃もあの時も…

    数日前、痛みが続いているベッドの中で思い出した。かつてホームページ(ブログ以前に)をアップしていた頃に、「気まぐれ日録」と称して、漢字一字のタイトルをつけエッセイ風に書き散らしていたことがある。これは結構新しい?ホームページ表紙だ。これよりずっと前の表紙データは今は不明だその中に「痛」と題した文章の記憶がある。個人的な集録にも載せていたはずと、改めて引っ張り出してみた。少し長いが再掲してみる。========11月25日「痛」23日の朝から胃痛に悩まされた。なかなか収まらず、横浜方面への職員旅行へ出かけたはいいが、一人早めの帰宅となってしまった。痛みには結構強いほうと思っていたのだが、耐えているとやはり体力を消耗するらしい。痛み防止のためしょっちゅう食べ物を口に入れていたわりに、体重が少しおちていたことに...あの頃もあの時も…

  • 痛みで五月が暮れてゆく

    5月25日(水)先週末からの腰痛(からの足・膝痛)が一向に改善しない。土曜にかかりつけ医でレントゲンを撮り薬を処方してもらったが、もう一度相談しに行く。夜間も酷いので座薬を追加された。ところがあまり効き目がない。今日は勤務予定がないので良かったが、今後の段取りをどうするかと焦りもあり、辛い一日となった。5月26日(木)秋田市での県総会だったが欠席し、通常勤務で月替わり展示や防災関連本の紹介を進める。職員の家族にご不幸があり不意のことで驚く。天気は相変わらずいいが、公私ともに多難な下旬だ。気晴らしに読んだ向田邦子のエッセイ集が面白くブログを久しぶりに書き込む。別のことに集中すると痛みを一瞬忘れられる。5月27日(金)久しぶりに雨。午前は来月の図書館だよりの製作を終了。ブログアップの準備をする。午後から1時間ほど、...痛みで五月が暮れてゆく

  • 心情グラグラで右左

    対談した二人の名前を見れば、ほぼ内容は予想される。興味深く読めたし考えに共感できたこともある。ただ、こう書いてしまうと「ああ、お前は…」という見方が固定される。それがこの国の大きな不幸である気がするし、自分自身もなかなか脱け出せない感覚がある。ジャーナリズムに対する向き合い方も同様だ。『なぜ日本のジャーナリズムは崩壊したのか』(望月衣塑子×佐高信講談社+α新書)この対談でもやや思想的な区分が示されているが、メジャーな新聞など私たちが目にする報道のほとんどには、何かしらの先入観が入り込んでいる。だから「〇〇新聞は読まない」といった判断をする人も少なくない。一個の人間が受け入れられる情報には限りがあるから、現実問題として、それは仕方ないだろう。官房長官時代の菅前首相と望月記者とのやりとりはずいぶんマスコミを騒がせた...心情グラグラで右左

  • 待合室のソファで味わう

    指定された待合室のソファに腰を下ろし、借りてきたばかりの本を開いた。『メロンと寸劇』(向田邦子河出書房新社)である。「食いしん坊エッセイ傑作選」と添えられているので、まあ気楽に読み流すにはいいだろう、そんな気分でページをめくる。上手いねえ、この人…と昭和の大脚本家に何を今さらというような感覚が湧いた。冒頭のエッセイは「昔カレー」と題された、カレーにまつわる思い出のあれこれを綴った文章だが、三、四行読んだだけでその流れに魅せられた。もちろん、以前にも小説など読んだ記憶がある。飛行機事故で急逝した女性作家、恋多きだったかどうかのイメージは定かでないが、死後も多くの出版物があるこの作家に改めて「見つめられた」気がした。貴方は「記憶」をどんなふうに調理しますか。エッセイの上手い書き手を料理人に喩えるのは珍しいことではな...待合室のソファで味わう

  • 器からの妄想は…

    先日『人間の器』を読みながら、つらつらと思い浮かべた。いわゆる「器の大きい」人には、なりたくてなれるものでもないし、ほぼ青年期から壮年期で見通しがつくのではないかと予想する。自分がそう称されることはなかったし、これからも有り得ない。それにしても、人間の精神を入れ物に喩えるのは面白い。ただ、器とは容量の大小が決定的だったのは昔の話ではないか、と少しイチャモンをつけてみよう。まずは「形」。丸や四角といった単純なものから様々に派生する。入れ口があり、溜まっていくという要素を満たせばいいわけだ。そして「色」も無限に考えられる。いや、その前に器を作る「材質」が問題ではないか。金属製のがっちりしたもの、樹木で出来た素朴なもの、ガラスということもある。ゴム、シリコンなど最近の素材も考えられるか。もちろん、ここでイメージしてい...器からの妄想は…

  • 残念諦念皐月中旬日記

    5月13日(金)昨夜メールがあって来週の某小での読み聞かせが中止になったと聞く。残念。また拡大の兆しか。休校情報も入る。今日は「愛犬の日」ということで犬関連の紹介をブログで行う。明日以降の沖縄についても検索。午後から今年のワークショップ構想を練る。アイデアは沢山あるが課題も多く、まだ形になっていない。5月14日(土)朝のうちに図書館ブログアップ。「ぶどうパン」が食べたくなり開店に合わせて某スーパーへ行ったが陳列されていない。情報の幅を考える。午後から知り合いの火葬へ。あれほどの参列者の数は初めてだった。だからこそやるせない。迷ったがブログへ吐き出した。FBで翻訳機能を使ったらトラブル。少し慌てた。5月15日(日)沖縄本紹介を昨日に続けて図書館ブログへ。今日は久々に少し高い買い物をネットでするのであれこれ検索し、...残念諦念皐月中旬日記

  • 今週の手習いから

    『人間の器』(丹羽宇一郎幻冬舎新書)を読んだ。俗にいう「器の大きさ」という点では甚だ自信がない。だから、大小でなく形や色はどうだろうと逃げ口上を浮かべながら、読みきった。『ちくま』誌のコラム「見えるものについて」と題された文章の一節。これも視点かとは思うが、見えるという語の深さも示している。こちらは新潮社の『波』のコラム。自著のPRのための文章のようだが、共感できる。自分にとっては「さらしていこう」という主張をアピールすることが欲求か。今週の手習いから

  • 森節を味わう…その2

    61「ここへ来て良かった、という肯定こそ、幸せの手法である」常に現状を称賛する「奥様」を語りながら自分は違うと、このようにうたう。98「気持ちは伝わらないが、気持ちがあることだけは知ってほしい」一見、身も蓋もない言い方に見えて、森節は聴いていると心が落ち着く。99「楽しさを育てよう。」この章は実に読みごたえがある。「楽しさの種」を探して見つけることから始まるそれは、まさしく人生謳歌の気がする。「楽しさの素晴らしさを信じること」…これは歌に通ずるなあ。森節を味わう…その2

  • 森節を味わう…その1

    「森節(もりぶし)」と言えば♪おふくろさんよぉ、おふくろさん♪をイメージしてしまうが、ここでは作家森博嗣の書く文章、言い回しを指している。この著のまえがきに、著者自身がそう「言われたりする」と記してある。そこを読み、ああなんとなくわかるがその正体は…と感じてしまい、読書の目的となった。『つぶさにミルフィーユ』(森博嗣講談社文庫)具体例は、まえがきにすでにある。「本を読む価値」について述べている一節だ。「読んで忘れてしまっても良い。忘れるには、一度覚えなければならない。覚えて忘れることは、なにも覚えないことよりもずっと価値がある。それは、生まれて死ぬという生命の価値と等価だろう」・・・ここにある一種の小気味よさだ。また独特のユーモアセンス。「挫折」という語をよく使う者に対して「これだけすぐに挫折できる人間は、本当...森節を味わう…その1

  • 世の中で一番悪いバカヤロー

    ほんの少し思いを書いてみたけれど、書くほどにもやもやがつのる。だから、書きかけて止めたのだ。しかし、このことだけは叫ばねば、収まりがつかない。亡くなった者に対して、こんなふうに言いたくなるのは、おそらく初めてのこと。「バカヤローだ。大バカヤローだ」その訳は、ずっと前にこのブログに残していた。世の中で一番悪いこと世の中で一番悪いバカヤロー

  • 運命を決めるのは歴史だ

    この文庫は4年ほど前の発刊だが、今この書名をみると少し複雑な心持ちになる。自分が高齢者の括りに入るまで生きてきて、今ほど将来に不安を抱いた時は正直なかった。震災のときは確かに動揺したけれど、暗鬱さは現在の方が強い。言うまでもなく、感染症と世界情勢がその理由となる。照らし合わせて読んだ。『日本の「運命」について語ろう』(浅田次郎幻冬舎文庫)歴史物、中国物を多く書いている著者なので、付随して調べたことを講演会で話すことが頻繁にあるらしい。その記録をもとに編集された一冊だ。第一章が「なぜ歴史を学ぶのか」と題され、プロローグ的に自身の生い立ち等が記されている。個人に引き寄せて考えてみても「運命」を決めるのはやはり「歴史」だ。それはさておき、国史として興味深くなるほどと頷くことがいくつかあった。一つは江戸末期のペリー来航...運命を決めるのは歴史だ

  • 100年後にあってほしい遠足

    表紙絵の宇宙飛行船と書名だけで、うきうきするような一冊だ。帯に「2019年は、月面着陸成功50周年記念イヤー」とあり、あのアポロ11号がすぐ瞼に浮かぶ。もう100年経たないうちに実現するだろうか。いやい、や感染症で現実の遠足もままならないし、世界情勢も不安だらけ…そんな気分を吹き飛ばしたい。『みらいのえんそく』(ジョン・ヘア作椎名かおる・文)あすなろ書房2019.6「つきにちゃくりく!」から始まるこの物語は、最終の宇宙船シーンを除き、全て月面上で展開される。どこの学級にもいそうな、一人後からとぼとぼついていくタイプの子。お絵描きをしている間に寝てしまい、その間に宇宙船は飛び立ってしまう。「しようがない」と、またお絵描きを始めるその子の周りには…。全体的には言葉(文字)が少ない。しかし、絵で十分にストーリーがつか...100年後にあってほしい遠足

  • いっぽんばしをわたり…

    昔どこかで見た記憶があるような、ないような。今、手元にあるのは2003年3月で36刷となっているので、人気本なのは確かである。124cm×184cmの小さな版、わずか24P。見開き左ページに「~~~わたる」と一行の文章があり、右が絵だ。幼い子に読み聞かせする形だろうと思うが、アイデアがひらめいた。『いっぽんばしわたる』(五味太郎)絵本社1979.11「ぴょんぴょんわたる」とウサギの絵、「ならんでわたる」で鶏の親子の絵、ここはすうっと入るが「からんでわたる」で蛇が橋に巻き付く絵となる。ここで気づくのは、「ならんで」と「からんで」の韻を踏んでいることだし、絵が出てきてこそわかるという当然のこと。では、絵が待たされたら…と想像してみた。この版型だと教室では大型テレビに映すしかない。その制限を逆に活用する手があるのでは...いっぽんばしをわたり…

  • それは、望んだ道なのだ

    いろいろな忙しさ、いや楽しさのせいで読書は捗っていない。読みかけの本が二つあるが、GWになって読了と言えるのは、また次の2冊だけだ。『君の夢僕の思考』(森博嗣講談社文庫)『議論の余地しかない』(森博嗣講談社文庫)そしてこれらはフォトエッセイという形で、しかも今までの著書からの引用をもとに編集されたもの。量的にはずいぶんと少ない。ただ『議論の・・・』には巻末に糸井重里が「ぼくの森博嗣さんのたのしみ方」という文章を寄せていて、これが興味深かった。「森博嗣さんのことは、これまで『消費』の達人として鑑賞してきたのです。」と糸井は書く。また「金遣いのかっこいい人」という表現もしている。この言い方は、いわゆる「生産に価値がある」といった常識的思考に、ゆさぶりをかけてくれる。糸井が使う「消費」ということを、突き詰めて考えてみ...それは、望んだ道なのだ

  • きっと五月は忙しい

    一週目が過ぎて、何が忙しかったかというと、確かに昨日は久しぶりのフルタイム超の出勤だったので、目一杯働いた気がした。さらに帰宅すると、ドアの前で待ち構えていたように孫二人に捕まり、ジャケットを抱えたまま夕刻の道を「危ないから…」と叫び続けるひと時となり…。何とか今日は早朝から春山へ。短時間だがリフレッシュできた頭で、唐突に思いついた今日のお題には、もちろん訳がある。五月に始動することがたくさんあるからだ。とりあえず迫っているのは、月曜からスタートする(できるとは思うが…)読み聞かせだ。年度の締め括りの2月がコロナで出来なかったので、気合いも入る。しかも相手は一年生。さらに図書館事業の様々な交渉や連絡調整などが多くある。二年間コロナに振り回された感があり、やや様子見のスタートとしたので、ピッチを上げる必要がある。...きっと五月は忙しい

  • こどもの日に小さく決意

    最初、この句を見た時、こんなふうに思った。「自分は、どのくらい子どもに時間を使うことができたのか」この反省めいた想念を考えていること自体が、あまい。と思ったのは、自分もまだ親であると、ごく当たり前を気づいたからだ。しかも、「親の親」でもある。時間は有効に。もちろんお金も有効に。そして、次の一句で、とどめを刺す。まず、やろうと決めたら、すぐにだ。「こどもの日」に小さく(笑)決意する。こどもの日に小さく決意

  • 桜日記2022.5.4

    毎年この時期に必ず足を運ぶ廃校跡地へ。桜はまだ咲いていた。しかし、見ればわかるように、かなり傷みが酷い。以前の姿を知る者にとっては、年毎につらくなってくる。ちなみにこれは全体像だが、ちょうど10年前(5/6)に撮ったものである。帰り道の北沢道路が、もうすぐ山桜と芽吹く木々を見せてくれたことが救いである。こうして少しずつ景色は移っていく。心に留めておきたい姿と、このあといくつ出逢えるだろうか。桜日記2022.5.4

  • 長かった4月の訳は…

    昨夜は家人と「4月は長かったなあ」と顔を見合わせた。何の因果か「農耕節食者(笑)」と保健所から指定され、自宅待機ということになった。二人暮らしの家庭であるが、近くにいる身内とも接触できない。リアルタイムで個人日記を公開するのも憚られ、収まった今見直すつもりでアップしてみる。まだ半月ちょっとしか過ぎていないが、懐かしい気さえする。4月8日(金)前日夕刻に職員から家族がコロナの濃厚接触者になったので…と連絡があり、出勤後はその対応に気忙しかった。幸いなことに午後からは出勤できる態勢になった。ところが2時前に、我が家から孫が感染し陽性だったと電話があり慌てた。始末をして帰宅。念のため、抗原キットで検査。夫婦ともに陰性だったが保健所からの連絡を待たなければならない。4月9日(土)快晴。今年初めて洗車をする。天気のわりに...長かった4月の訳は…

  • 桜日記2022.4.28

    火曜夜からの荒天で、ここらの桜はほぼ終わり。では…というわけではないが、2年2か月ぶりに県外へ足を踏み出す。有名な観光スポットは翌日からの混雑に備えているようだった。お目当ては、この一本桜。うん、まあそれなりに…実は今回の一番はこれ…花は2,3,日過ぎたが、実はライトアップされた夜桜に見入った。おわかりでしょうが…なにしろ露天風呂ですよ。朝イチでカメラを持って風呂へ。桜日記2022.4.28

  • 足を洗って踏み出す

    早く目覚め、ベッドの中で開いた新聞に「新・地図のない旅」というタイトルで連載している記事を見つけた。この90歳を超え大作家が、四半世紀前に発刊したベストセラー『大河の一滴』を、今頃になって読む。それ以降の著書は何冊か目にしており、内容としては似通っているのだが、改めて考える点があった。この文章は「あとがき」に記された一節。この本で語られたように、発刊当時の90年代後半、もう既にこの国の凋落傾向が見え始め、今まさに行き詰まりの気配すら漂わせている。「あがきは、ひょっとして二十一世紀中つづくかもしれない」と著者が予見したことの真実味は、年々強くなる。では、どうすれば…。この著が書かれたきっかけは、敏腕編集者との会話にあったという。その折のエピソードが「古代中国の屈原の故事」である。通読して、やはり心に残ったのはその...足を洗って踏み出す

  • 皐月桜見頃日記

    4月22日(金)通常なら出勤しているが、シフトの関係で今日が休みである。家の事情で登園を控えている孫を連れて、太平山にある見晴らし荘を目指す。明日から開業するので道路は万全であった。桜も見事で「桜日記」としてアップする。高い場所にいくと「ヤッホー」とか「オーイ」とか叫びたくなるのは人間の本性か。誰一人いない山の中腹から一緒に大声を出してみた。自宅に帰ってから、明日は「子ども読書の日」というPRを、図書館ブログに記す。4月23日(土)年度初の「絵本とあそぼ」の会開催。絵本コーナーでこじんまりスタート。感染の経緯もあるが、なんとか今年は盛り上げていきたい。その後、ボランティアの方々と総会。話題はどうしても少子化とコロナ。「密」な関係を築きたい願いをどんなふうに実現していくか。帰宅するため車に乗ろうとすると、ルーフの...皐月桜見頃日記

  • 桜日記2022.4.25

    花曇りという感じの空。再びアルカディア公園へ。今が一番いい時期だろう。田畑の仕事が始まる頃だ。枝はどう伸びても花を咲かせる。ちょっと面白いショットを…。ここでの桜も今年は今日で見納めか。赤い列車でどこかへ向かって。桜日記2022.4.25

  • 名もなき一滴が光を放つ

    対談本で語られた、この「人生作品」という語が頭に残った。何度か繰り返し使われている。正直あまり養老先生らしくないような感じを受けた。それは、「作品」というと、なんとなく観られているようなイメージがあるし、まとまった形と考えてしまうからだろう。語った意図は、それとは違うとわかるのだが…。そんな時引き出しの中に、以前視写した文章を見つけた。出典を記していなかったが、これは村上春樹だなとわかった。一去年の夏に、このブログに読書メモを残してある。その日に赤字で引用している後半の部分が、上の「人生作品」と何かつながるような気がしてきた。表現としては正反対のように見えたとしても。「名もなき一滴」としての「作品」。こう書いてみると、本当に自分が好きなもの、夢中になれることに素直に没頭してみたい気がする。綿々と続く歴史のなかで...名もなき一滴が光を放つ

  • 桜日記2022.4.23

    天気が回復した夕刻、チャンスと思って1時間ほど廻った。かつて、勤務したことのあるN小、そしてM小。予想どおり、見事に咲かせていた。青空と白い雲とのコントラスト。微かに見える飛行機。人の居ないグラウンドを見下ろすように立つ。ここは兄妹のように寄り添う。桜日記2022.4.23

  • 桜日記2022.4.22

    町を見下ろす大平山に咲く残雪と一緒の時を…桜に導かれて、若芽たちがささやき始める短き時に咲き競え野の華よ桜日記2022.4.22

  • 桜日記2022.4.21

    前森公園、夕刻。満開の桜に見守られ、何を読む。一人と一人。毎年、その桜を見続けてきた。こんなにも巻かれ続けて、生きている。桜日記2022.4.21

  • 桜日記2022.4.20

    咲き初めのアルカディア公園一足先に見頃の一本人工物と自然物と…桜日記2022.4.20

  • 見誤ってはいけない道

    「プーチンって悪いよねえ。」と、4歳の孫までそんなことを口にする。ニュースや大人の会話から繰り返し耳に入った言葉だろうが、初めてそれを聞いた時何か違和感を覚えた。もちろん軍事進攻には激しく反対するが、一方の認識ばかり蔓延していいのかと不安もよぎる。そんな時に東大入学式祝辞のことを知った。「なぜこのようなことが起こってしまっているのか。一方的な側からの意見に左右されてものの本質を見誤ってはいないだろうか?誤解を恐れずに言うと『悪』を存在させることで、私は安心していないだろうか?」映画監督河瀬直美のメッセージが、日本の将来を背負って立ってほしい若者に向かってどれだけ届いたのだろうか。当然ながら、異なる見解を抱く者もいるはずだが、その違いを真摯に受け止めて現実を見つめることの大切さは変わらない。目を凝らせば、じわりじ...見誤ってはいけない道

  • 皐月中旬の甘辛日記

    4月15日(金)出勤したらデスクの横に、新しいリーフレットが仕上がってきていた。若干手違いがあって納期が遅れたが、仕上がりはまずまず。そのことを図書館ブログへアップする。前日にSNSで紹介してくれた方がいて、ふだんは多くて20~30のアクセス数が100超になる。本当に有難いことだ。管内のコロナ感染は高止まりだがこの後ミニイベントが続くので、気を引き締めてゴールデンウィークまでを乗り切りたいと思う。4月16日(土)午前に図書館で「イースターエッグ」作りを行うので、少し顔を出す。少人数だが楽しんでくれているようで良かった。ある放送局のモニターを始めていて、そのリポートを送る。番組指定があると見方が違ってくることが面白い。養老先生の対談本からに一節選び、「手習い」をする。安価な万年筆を購入して書いているが、滑りがよく...皐月中旬の甘辛日記

  • 意味なんか知らないよと

    この対談の結論は、題名にもあるように「人と人とはわかり合えない」ということ。考えてみれば、他人を1から100まで分かったとしたら気持ち悪くなるに違いない。だから、本質的にわかり合えないと同時に「わからないほうがうまくいく」というような心の向き方を持つことだろう。それで日常は進んでいく。『「他人」の壁』(養老孟司×名越康文SB新書)5年ほど前の対談だが、今読むとつくづくそうだと思う箇所があった。「極論すると、終わった後に飲み会がない勉強会って、無駄じゃないかとさえ思う」と語る名越氏。当然養老氏も賛成であり、わかるや気づくより「感覚を鍛えられる場に身を置いてみる」ことを強調する。流行らない「飲みニケーション」だ。自らの経験にも見事に当てはまっている。それは建て前と本音といった皮相的なことではなく、講座や勉強会で得ら...意味なんか知らないよと

  • 今週の手習いから

    先日読んだ『短編少女』の中にあった一節。少女が「親の失敗から学んだ」と記す。これは、しみじみと感じるようになった。非凡は言うまでもなく、鈍感であることも結構難しい『子どもが消えゆく国』(日経BP)の前書きとしてあった著者の言葉。時々、暮らしに紛れて見失いがちになる大事な方向性だろう。職場で冊子の整理をしながら、見直したときに目に留まった。「思いどおりにいかないのは当然」という諦観はいつできるのだろうか。心には吊るしておけないので、時々振り返ってめくってみよう。今週の手習いから

  • 甘く見ていた、2題

    昨日は2階の書棚へCDのラックを移動させ、そこから書棚内の整理をと目論んだ。作業するときはレコード!を流しながら進めるのが常だ。プレーヤーがあり、残してある20枚ほどのLP盤からその時の気分で選ぶのだ。今日はデイヴ・メイスン(70年代の名ギタリスト)でも聴くかと、ターンテーブルに乗せたら…。あれっ、サイズも回転数も違っているしノイズさえ聞こえない。んっ、いやな予感。針先を触ってみると感触がない。ああっやられた。2階は孫たちの遊び場になっているが、上の子の時には大丈夫だったので安心していたのだ。下の子の探求心(笑)が凄く、何かの仕組みをみると即動き出す性質を、甘く見ていた。健康オタクとして長年の宿敵「花粉」に対しての応戦は、毎年の課題である。まあ様々なことをやっているが、数年前、娘からもらった一つの柑橘系果汁を冷...甘く見ていた、2題

  • 今日も棄てるに時間がかかる

    まとまった時間がとれる日々となったので、この機会に…そんなことをもう幾度となく繰り返してきたが、今度は本気だ!…と、これも何度目の宣言だ。あきらめモードを背負いつつ、それでも少しずつ棄ててはいる。書籍は年に2度段ボールに詰める。ただCD類は一度、半分ほど処分しただけで、また溜まってきた。極小書斎の書棚の上なので、大地震があればちょっと危険かなと思っていたので、取り合えず2階へ移動させようと目論んだ。PCに取り込んでいるものはとにかく上へ…と作業させているうちに、2階の棚にある整理ケースに入れた古いVHSが目に付いた。おうっ、40近くあるではないか。何でここにあるのだ。と思ってしまうほど忘れかけていた。三種類に分かれていて、一つは自分の撮影品と町関係ビデオ、それからTV録画、そして半数が教育関係のVTRだ。法則化...今日も棄てるに時間がかかる

  • あれは何の回収だったのか

    朝ドラ「カムカムエヴリバディ」が終了。今までとは違う形で、これもまた面白かった。始まったあたりに、「カニカニエビリバディ」ともじったのは誰だったろうか。それほど豪華な味が並んだわけではないが、個人的に注目していた女優が多かったので好感がもてた。まあなんと言っても深津絵里に尽きるのだが…。6日放送分でアニーがラジオで告白したときの驚きの長回しシーン。あんな演出は朝ドラ史上、はたしてあったか。あのアップに応えられる女優はそうはいないはず。他の若手二人の主役はオーディションだったが、深津だけはオファーしたという。その理由はいくつかあったと思うが、齢を増すごとに輝くばかりだ。川栄李奈も以前から注目していた。彼女もシリアス系になるとぐっと締まる個性があるので、齢を経た役どころの方が映えた。最終が2025年という設定。その...あれは何の回収だったのか

  • 「少女」を読む少年+50

    隣市の学校へ通っていた頃、峠を下った集落でスクールバスを待つ一団を見て、何か自分でも小説が書けそう…と思ったことがあった。主人公は小学六年生女子。身体の中に感情が渦巻いている様子を…と思ったが、なんとなく重松清風になりそうなので断念(笑)。職業上の見方とはいえ、「少女」は面白い存在に違いない。『短編少女』(三浦しをん、他集英社文庫)風呂場読書は短編シリーズが続いていて、アンソロジーを読んでいる。これは「少女」を共通のモチーフとして、9人の作家によって書かれた一冊。既読作品が一つあり、萩原浩の直木賞作品に掲載されていた短編であった。他は初読だが、それなりの面白さに惹かれて読んだ。ただ、パターン化している点も感じる。少女に限らず、こうした世代を取り上げると、親の不仲、離婚、転居、転校そして学校内の軋轢、いじめ等々な...「少女」を読む少年+50

  • 見てみたい、日本の「進化」

    著者の本は2冊目。昨年読んだ本もなかなか面白かった。その時も書いているが「ズームバック×オチアイ」という番組を何度か観たことがあって、この若き研究者の発想や物言いは新鮮に思えた。「複眼的な視点」よとは違った意味で、確実に新しい世代の波を受けた感じがした。今回は他の論者も入り、より激しい。『日本進化論』(落合陽一SB新書)「ポリテック」。「政治Politics」と「技術Technology」を掛け合わせた造語がキーワードである。第一章が「ポリテックで『失われた20年』は取り戻せるか」という題で小泉進次郎と対談している。どうしても世代論というか世代格差で分析しがちだが、テクノロジーは全て目の前にあり、我々が日々対している。先日も仕事上のある新しい試みについて職場で話をしていて、実現するための「困難」の一つに、図書管...見てみたい、日本の「進化」

  • 直太朗詩華集を開いて

    貯まったポイントを利用して森山直太朗の新譜を購入した。特典として200ページを超す『森山直太朗詩歌集』が付いていた。森山と友人である詩人御徒町凧の作品がちょうど100編載っている。「はじめに」に森山が載せた作品の選定理由として、次の三つを基準として選んでいたが、少々わかりにくく感じた。・詩の上に成り立っているもの・曲自体が詩を生んでいるもの・詩そのもの確かに「詩そのもの」と思える作品はある。ただその判断は「詩とは何か」という根本のおさえで決する。三点の線引きは難しい。「詩」は初めから存在するものではないだろう。それがどんな状況であれ、表現であれ、誰かが詩と認めなければいけない。その意味で、三つの基準は全く読者(聴き手)に委ねられている。名曲『さくら』もこの詩華集に載っている。では基準のどれに該当するか。「詩その...直太朗詩華集を開いて

  • 迷った道での出合いに

    勤務のない日の午前や帰宅してからの夕方に、孫との散歩を楽しむ陽気になってきた。十分警戒して予防対策をしているが「花粉侵攻」が優勢になっている。数えてみたら発症から28年目を迎える。場所はちょうどこの散歩道で、新入生の下校指導をしている日。あの時も、今のように山並が曇ってみえるほどだったか。Eテレを観ていたら爺様の身に沁みるやりとりが…。「道に迷ってしまって…」と困っている子が訊くと「そりゃ、素晴らしいことだね」と応える男。「だって、今までにないものと出会えるんだから。」そりゃそうだ、そんなふうに発想を変えると全てはラッキーな出来事だ。もちろん徘徊となれば、その意識すらないか(笑)年度最終日。アナログ日記(5年手帳)を見直したら、昨年の今日「コロナ感染者、ゼロが秋田のみの日」と記してあった。今年は一昨日、初の30...迷った道での出合いに

  • 「まっ、いっか」と一途に

    地元の新聞が地域社会にある「不寛容さ」について特集記事にしていた。ちらっと見たが、それは全国共通の傾向だろう。この文庫の書名は、いわば「寛容」と呼んでもいい考え方だ。著者自身の容姿のことから始まるこの連載エッセイ集、結びの文章では聖徳太子の「以和為貴」に、「まいっか」とルビを振っている。『ま、いっか。』(浅田次郎集英社文庫)「和を以て貴しと為す」…言うまでもなく、十七条の憲法第一条にある有名な一節。これを「ま、いっか」と同等?とみなすセンスはさすがの稀代の小説家である。つまりは、生きていく上で必要なのは他人との和、そして自分の心の中の和、折り合いである。筆者は「早い話が『ある程度のいいかげんさ』」と記す。収められているエッセイの大半は「MAQIA」というファッション関係の雑誌連載である。筆者は長くアパレル業界に...「まっ、いっか」と一途に

  • 何度も立ち止まって考える

    学校に勤めていた頃、購読していた教育雑誌は多い時で月7~8冊あった。なかでも明治図書の「教育科学」を冠したものが半分だったはずだ。そこに惹かれた心持ちを今振り返ると、なんとも中途半端だったことよ。この著を読むと、私などはまさしく批判のど真ん中あたりに居た経験を持ち、考えさせられた一冊だ。『学校に入り込むニセ科学』(左巻健男平凡社新書)ターゲットとされているのは「水からの伝言」「EM」「TOSS」「ゲーム脳」「食育」「エネルギー・環境教育」「オオカミに育てられた少女」「江戸しぐさ」等々、多岐にわたっている。初期の「教育技術の法則化運動」において、「清涼飲料水」に関する論文を出し出版化されている当事者である自分は、間違いなく対象者となる。TOSSから距離を置いたのも早い段階だったし、その意味で著者の考えに近い箇所も...何度も立ち止まって考える

  • 勝負は、足腰に極まる

    当初は、一人横綱の仕上がり具合と新大関の動向が注目された春場所。結果的に「荒れた」というより「面白かった」15日間となった。千秋楽まで優勝の可能性を残した三人の力士はもちろん、奮起を促された大関陣も結果的に優勝決定戦へ向けて、盛り上がる演出をしてくれたような存在であった。結末も良かった。若隆景と高安の勝敗を分けたのは、足腰の強さと言っても過言ではないだろう。もちろん身体上のそれでもあるけれど、「足腰」を辞典で引けばわかるように「基礎的な活動力」を指していて、それは精神的な面も多分に含まれる。上半身が繰り出す力で勝負の優劣は動くが、それを支える足腰こそが最後に決定づける。今場所はまさに力士個々の勝敗数がそれを裏付けていた気がする。楽日に勝ち越しを決めた数人の力士、阿炎、豊昇龍、遠藤などもぎりぎり踏ん張れたのも「足...勝負は、足腰に極まる

  • 黒い現実は連鎖する

    放送される番組数としても多いわけだが、いわゆる刑事ドラマ、警察モノが好きである。四半期クールで必ず一つは観ている気がする。シリーズ化されている人気番組も半分はお気に入りだ。この文庫のトリビアは「事件」「警察」「鑑識」「刑罰」と章立てされていて既知のこともあったがヘェー20以上(笑)与えられる。『黒のトリビア』(新潮社事件取材班新潮文庫)関係ないが、昼に食した黒いラーメン事件編は、猟奇的な事柄が多く、なかには映像では扱いにくいだろうなと思うこともあった。また、これは鑑識編であるが「人間は死後三日で、身体の容積が倍になる」という記述もあり、解剖医を扱った話もよく観ていてもあまり触れられていなかった気がする。当然とはいえ、現実とドラマとはあまりに違う。「死体は出産する」という項目があり「棺内分娩」というらしい。妊婦が...黒い現実は連鎖する

  • 残念な習慣から格言を拾う

    雑誌代わりに風呂場読書にはいいかなと思い、あまり内容には期待せずに一冊110円だし…と2冊買い求めた。初めの一冊を読み始めてすぐ、ありがちなサイトや週刊誌などによく載る程度の情報だと分かった。そんな感じなので超高速で読み切ったが、改めて振り返ると、何か格言めいたことが浮かんできたりした。『日本人の9割がやっているもっと残念な習慣』『日本人の9割がやっているかなり残念な健康習慣』(ホームライフ取材班編集青春出版社)健康オタクを自認する者としては、特に2冊目の「健康習慣」の方で次の論語の一節にたどり着く。「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ビタミンCは錠剤で愛用している。これは結構長い。ところがこの書では「かぜはビタミンCで予防する」が残念な習慣として掲げられている。この情報はノーベル賞学者の説から広まったとある。しかし...残念な習慣から格言を拾う

  • 雑念を愛してコクを…

    別に練習などしなくとも人は老いる。書名を決めるのは、著者というより編集者の方かもしれないが、この名づけの意味は手に取る読者層、年齢層は感覚的に次の二つをイメージするのでないか。「老いる前に心がけておくこと」「老いていく現実をどう積み重ねるか」。練習好きの世代(笑)には、魅力的に感じられる。『老いの練習帳』(外山滋比古朝日新書)2020年に97歳で没した著者は、亡くなる1年前にこの新書を発刊している。もっとも単行本はその9年前、そして元になった連載原稿は40年前というから驚く。もちろん、時代を感じさせるエピソードもあるが、そのことは気にならない。自ら記すように「長く寝かせておいただけのコクはある」と感じた。その「コク」とはどのようにして生まれているのか。つまりは、普遍的な人間の習性や真実が寝かせられている。そして...雑念を愛してコクを…

  • ひっ迫が突然で、あれもこれも

    3月22日。知識の中途半端さを自覚しながらの正直な気持ちを…。昼までは、東京電力の「電力需給ひっ迫警報」なるものをTVでぼんやり見ていたが、帰宅してつけた画面に「東北電力」の文字も見つけてちょっと驚いた。ニュースを読むアナウンサーは「スタジオのライトも節電しています」と語り、「一室に集まって暖房を」「節電するには」等と、テロップがずっと流れ続けている。政府担当者の記者会見を見ても「お願い」ばかりで、原因、理由の類がどうも伝わってこない。先週の地震の影響という語もどこかズレている。もちろん電気を貯めておくことができないのは知っている。だから需給計画にそって運営するのだろうが、気温が下がる予測にも対応できないそんな脆弱なシステムなのかと思う。不意の災害やトラブルなら理解できる。しかし、これってシステム構築もしくは運...ひっ迫が突然で、あれもこれも

  • 好きなことを続けるために

    書名から予想できる「60歳になったのだからこれをやりなさい」「70歳になったらこれがお勧めです」といった類の話は一つもない。つまり「年齢の縛りから自由になる」ことが基底にある。著者自身が古希でAPU学長となり、また歴史関連等の著書で脚光を浴びる存在だ。そのエネルギーの源を縦横に語っている。『還暦からの底力』(出口治明講談社現代新書)この本は読み取り方を間違えてはいけない。著者は「人生で大切なのは好きなことをする時間」「一皮むいたら人間は同じでアホな人ばかりで(略)それが人間の本性」「大事なことは時間にして2割強の仕事より、8割近くの時間を過ごす仕事以外の部分です」と言い切る。強く肯くけれど、具体化の肝は次にある。「この見極めがつくと、思い切って仕事ができるようになります」人生をしっかり見つめ、人間関係に煩わされ...好きなことを続けるために

  • 二本のハシを持てばいい

    筑摩書房Webサイト上の問答がまとめられた一冊。いわゆる「人生相談」「身の上相談」とは、ちょっと趣きが違うし、問いかける側も少し変わっている。もっともそうした類をピックアップし編集したのかもしれないが…。この著者なら、ごく普通の相談だと「くだらない。終わり」としそうな気配もするので…。『何でも僕に訊いてくれ』(加藤典洋筑摩書房)とは言うものの書名通りに受け取れば、あらゆる問いが許されるはずなので、バラエティに富んでいる。「『物欲』は所有欲か?排泄欲か?」「民族の歴史の責任をとることについて」「人に対して用いる二分法を教えてください」等々身近な生活から信条、思想に到るまで縦横無尽に語り尽くす。一種の講座でもある。「偏差値の低い大学で学ぼうとすることは、楽をしようとしているだけか?」という問いへの応えが典型的で「本...二本のハシを持てばいい

  • 邪魔な自我を忘れれば

    久しぶりに孫Tと散歩をした。もうすぐ花粉も酷くなろうし、4月にはこども園に入園予定なので、こうした機会は頻繁になくなるのかなあと、思わずしみじみする爺である。ところで上の孫ともずいぶんとそんな時間を過ごしたが、幼児の行動とはなんとも気まぐれで、なんと不可解なものか…改めて目に浮かぶ。ある天気のいい夕暮れ。孫Kは、西を向き目を閉じたまま、笑みを浮かべながら歩き始めた。「おいおいっ」と数メートルで止めたが、どうやら瞼の裏が明るく少し暖かになって気持ちがゆるみ、そちらへ進んだらしい。幼い頃、自分にもそんな感覚があったような…。暖かさはお日様にあり、人は皆、その方を目指す。ある時、Kは稲刈りの終わった田んぼへ入り込み、歌にならない節をつけながら、言語と呼べない音を発して、あちらこちらと足を進めている。爺馬鹿なのだろうか...邪魔な自我を忘れれば

  • おぼえていろよ、このお話を

    読み聞かせグループの大先輩から頂いた一冊。見開きの左に文章、右に絵という体裁で進められる。描画は水彩だろうか、黒と赤の二色でハーフトーンをうまく生かした雰囲気がある。表紙絵で想像できるだろう。題名にある「おぼえていろよ」は、前半からキーワードとして登場する。この気持ちの変化が山である。『おぼえていろよおおきな木』(佐野洋子/作・絵)講談社2010.09話の主人公であるおじさんは、いつからここに住んでいるのか。家族はいたのか。「おおきな木」と「ちいさないえ」は、それまでどんな月日を重ねてきたのか…そんな想像をしてみることは悪くない。場面は「おれには、とんでもない木さ。」から始まるのだが、それまでの歴史が込められていると考えてみたい。周囲の人々や動物が感じる豊かさは、おじさんも享受していながら、不便で不都合なことば...おぼえていろよ、このお話を

  • 焼け跡という認識

    「ちくま」3月号の連載書評「世の中ラボ」で、東京五輪を検証した3冊を取り上げて、筆者はこんなふうに、そのコーナーを締めくくった。筆者自身も8年以上前の招致から反対の意志を示していたし、今「大罪」「失敗連鎖」と断ぜられたことに共感している。贔屓目に見ても「成功」などと口にはできないし、それは北京冬季五輪にも同様に強く感じた。取り上げられた一冊の中に「三度目の敗戦」と述べられた一節があり、そこを意識したフレーズだ。ただ、今「焼け跡」という語を使うと、どうしてもウクライナと重ねあわせることになる。映像とはいえリアルタイムで建造物や道路、公的施設などの破壊が進んでいる。現実としての焼け跡はこの瞬間にも広がっている。しかし、ここで「それと比べれば…」という思考は意味を成さない。何を失ったのか、である。引用された一節に、強...焼け跡という認識

  • 日程変更から設定変更へと

    本来なら土曜日曜は久しぶりの気仙沼に居るはずだったが、事情によりキャンセル。いつも通りに大人しく自宅で週末を過ごす。まあ、今日から春場所だし初日をじっくり観戦できるし、それに開いていない雑誌や録りためたTV番組などを見るにはいい機会だった。印象的に思ったいくつかのことをメモしておこう。2011年の放春花⑤了先月中旬に放送されたETV特集「ぼくはしんだじぶんでしんだ谷川俊太郎と死の絵本」は見入ってしまった。谷川が文を作った絵本は数多くあるが、このように作るのかと思った。女性イラスタレーターとのやり取りが興味深かった。ただ今回は特殊な例らしい。言葉と絵、そのせめぎ合いが伝わってきた。ピン芸人グランプリを決める番組を視聴した。新聞で結果を知っていたので、芸風を知ることや審査員の評価を楽しみに観た。ファンであるバカリズ...日程変更から設定変更へと

  • あなたの一日が世界を…

    見返しに著者メッセージが記されている。「この本を手にしてくださったあなたの一日が、よき日になりますように。そして、世界が平和になりますように。」ありがちに思える一節を読みつつ、今この時に限らず、世界に続く紛争の絶えない現状が、ほんの1ミリでも動くことにこの本は貢献できるか、と考えてしまう。『あなたの一日が世界を変える今日が輝く「10の問いかけ」』(くすのきしげのり・作古山拓・絵花丘ちぐさ・英訳PHP)「旅人編」と「青年編」で構成される。旅人が世界中のいろいろな場で説く『あなたの一日が世界を変える』こと。それは彼が1人の日本人から教えてもらったという前置きがあるが、そのことは重要ではない。彼の言う内容は「やろうと思えば、たった今から、一人で始められること」なのだ。静かにやさしく語られる。様々な場面展開にもそれなり...あなたの一日が世界を…

  • 手習いに責任なし

    これ以上、文字を書く(直筆)ことが上達するとは思えないのだが、どこか憧れは捨てきれない。また、直接ペンで書きつけて仕事に関わる文書を仕上げてきた幾ばくかの経験が培った力があるとすれば、いつのまにか便利なワープロ機能の出現に身を任せて弱体化したという懸念は、頭の中から離れないままでいる。書家石川九揚が強調している「直接書く行為の本質」を、語る学者や研究者などは多い。やはりもっと手足を使って、頭を働かせなくては…と何度も決意したことがまたぞろ思い浮かぶ。どこまで続けるか気負いはないが、心に任せてスタートしてみよう。かつて「キニナルキ」と称して続けた、箴言メモをこんな形で…。高畑氏はスポーツ関係のメンタルトレーナー。このコロナ禍で考えることが多かったという。アスリートたちの姿から、責任と勝敗という点に触れたとき、勝ち...手習いに責任なし

  • 啓蟄や生きて無傷の…

    3月1日(火)先週土曜夕刻に急遽連絡があり翌日から閉館。土日と図書館へ出向き打ち合わせや処理を行った。湯沢管内における感染者の多くが町内とのこと。しかし予定通りエントランス月別掲示を完成させ、図書館だよりを関係機関に配布して回る。依然山間部は雪が多かった。午後から新しい地域おこし協力隊員の方と懇談。3月2日(水)春弥生の気分とは異なり、2年前からのやや鬱感が続く。今年はましてロシアのウクライナ侵攻がありさらに募る。明日へ向けて「耳」をテーマにした蔵書紹介をしようと検索。新刊本では、「聞く・聴く力」より「耳の健康」面が充実している。ここにも高齢化の波か。ところが午前中から職場PCがダウンして断念。3月3日(木)勤務日でないので、朝、孫が来ぬうちに準備した図書館ブログを自宅からアップする。午前中はずっと孫のお相手。...啓蟄や生きて無傷の…

  • 心して、自分で考える

    【問題】12個の玉があります。見かけは同じだけれども、1個だけ(軽いのか重いのかはわかりません)、重さの違う玉があります。天秤ばかりを使うのは、3回までとして、その1個を見つけなさい。いやあ、考えた考えた。上の問いは結構有名らしいが、限界と感じるまでペンを持ったり頭に思い浮かべたりして、解答を探した。1時間ほどで情けなく断念したが、最終局面に行きつつも仮定する範囲が捉えられなかった。昔は得意だったのになあと加齢のせいにした。すぐ諦めなかったと自分を慰める。さて…。『かんがえる子ども』(安野光雅福音館)平易な文体で深いことが述べられている。今、私たちが大人自身がもっとも危惧しなければいけない、そして意識的に幼い者、若い人たちに強調すべきことつまり「自分で考える」ことの大切さである。「この本は『すぐ役に立つ』本でも...心して、自分で考える

  • その果ては発酵か腐敗か

    ちょうど一年前に「高齢者デビュー」(笑)を果たし、それをいい機会にブログ副題を替えてみたのだった。長年、叶わぬながら肝に命じてきたつもりの「陥穽から風穴をさがす」を「桜と絵本と豆乳と」という、いかにも呑気ムードの、齢相応の一節に変更したが…。まあ結果的に、比較的書けたのは「絵本」だけだ。「絵本」のカテゴリーで記したことは、読み聞かせ用メモとしても有用だった気がする。心構えもできるし、留意点も確かめられる。専門家のような分析はできなかったが、繰り返し使う場合など自分の参考にはなるだろう。読み込んできて、イメージが違ってくるなどという楽しみ方もあるかもしれない。続けよう。2011年の放春花③さて「桜」は…。この花は何度か書いた気もするが、他の人以上に思い入れを持っている。ただこのカテゴリーは「写真」の意識もかなりあ...その果ては発酵か腐敗か

  • 「おおブタ」を改心させるには…

    この絵本は、教職時代に読み聞かせに来校していたあるご婦人からいただいた。手持ちの本を貸したお礼だったかと思う。何度か校長室で雑談した記憶があり、聡明な方だったという印象が残っている。俗にいう転勤族で、興味関心をもって地域のサークルに加入して活動された。声もよく語りも上手だったなと思い出す。『3びきのかわいいオオカミ』(U・トリビザス文H・オクセンバリー絵こだまともこ訳冨山房)ほぼ7年、書棚に寝かせたまま(もっとも自分で目は通していたが)。長い間読み聞かせする機会がなかったが、たまたま4歳の孫相手に語ってみた。題名から想像できるように、一種のパロディ。「3びきのちいさなかわいいオオカミの兄弟」が「わるいおおブタ」に攻撃され続けるが、最後には…という展開である。母親から離れた兄弟が、最初に作ったのがレンガの家、次は...「おおブタ」を改心させるには…

  • いつも「このみち」をゆこうよ

    図書館エントランスに「読めばいいのだ!」と高飛車な(笑)タイトルをつけコーナーを設けている。「漢字」「詩文」「歳月(広報表紙)」「写真」等というラインナップで一番頭を悩ませるのは「詩文」である。昨年度も「今月の言の葉」という形で、複数掲示していた。今年度は一つであり、少し楽したつもりだが…。最終月なので、誰を取り上げたのか振り返る。4月・武鹿悦子、5月・川崎洋、6月・工藤直子、7月・内田麟太郎…とこの辺までは本職の詩人だったが、8月・糸井重里あたりから少しずれてしまった。9月・清水真砂子、10月・吉本ばなな、11月・森絵都…紹介作家の「おススメ3冊」という縛りも絡んだ。詩句の下に蔵書紹介を入れた掲示なので、やはり詩人だけだと選択の幅が狭くなり、探せなくなってしまった。12月・金田一秀穂、1月・穗村弘、このあたり...いつも「このみち」をゆこうよ

  • こんなに長い如月は…

    メモ程度に書きつけている日記の2月1日を見返すと、「旧暦の元日」と最初に記してある。それから4週間しか経っていないが、ずいぶん長かった気がする。1月最終週から図書館の利用制限が始まり、昨日から完全閉館だ。その間、相変わらず続くコロナ感染拡大、降雪も昨冬並みとなり、北京五輪、ウクライナ…と。2/27AM6:54の朝日県内感染者が200人台を記録したのは1月末、つまり高止まりはひと月続いた。しかし検査数との絡みがあり、検査制限を指示した国の思惑を考えると、これが実数かという不安はつきまとう。近隣館内の感染が増え、施設も混乱した。こども園や学校のことを想うと、長い閉塞感で浮足立っていないかと心配になる。中旬の出来事はブログに挙げてみた。北京五輪のこともいくつか書いてあるが、もう遠い昔のようだ。そう考えると去年の東京五...こんなに長い如月は…

  • 「昭和」を読んでみた

    先週読み終えた2冊の本。小説とエッセイ、共通点はないと思ったが、あっ、どちらも昭和なんだと気づいた。『寮生~1971年、函館。~』(今野敏集英社)待ちかねていた『隠蔽捜査』の新作は未読だが、何かその前にと警察小説ではないこの本を手に取った。作家と同齢なのでこの年号を記しているということは、やや自伝的な要素もあるかなという興味もあった。モデルはあの函館有名進学校で、男子寮内に起きたある事件を中心に展開していく学園ミステリーものだ。語り手である「僕」と一緒に入学した1年生数人が、校内で起こった2年生徒の死亡を巡って動く。様々な環境で育ち性格も異なる16歳たちが「事件」について、多少堂々巡りしながら、最後には謎を解明していく形だが、ある意味そのもたつき具合が懐かしい。ネットもスマホもない時間にあった空気感だろうか。来...「昭和」を読んでみた

  • お爺さん、手袋置いて…

    先週「確定申告」の文字を見ながら、これはもう少し後だな、天皇誕生日あたりか、と頭をよぎったのは偶然ではなかった。このブログをみると去年も一昨年も(その前年2月は平成だった)、苦闘(笑)メモを残してある。天皇へ税を納める時代ではないが、タイミングのいい休日になっているから、向かうのだと思う。去年は「天皇誕生日の472円」と題し、苦労したわりに還付が少ないことを嘆いた文章だった。その形で語れば今年は「天皇誕生日のマイナス1300円」なのである。時間はさほどはかからなかったが、追加徴税という結果に終わるとは…。何のためにやったのか!!とは思わず、きちんと国民の義務を果たしました。妻の分も取り掛かった。こちらは昨年までと違い孫の世話が忙しく「家内工業」が無くなったので実に簡単。最後には「確定申告の必要なし」と表示もされ...お爺さん、手袋置いて…

  • 横綱は言い訳しない

    昨年末から図書館エントランスに「リサイクル資料」(自由に持ち帰り可)として、古い月刊誌、週刊誌の類を置いている。ずっと放置されているものも多く、数冊家に持ち帰った。その中に、3年ほど前のスポーツ誌Numberがあり特集が「横綱論」だった。おおこれは…なかなか興味深いぞとめくってみた。私が子どもの頃はいわゆる「巨人大鵬卵焼き」の時代。家庭娯楽の一つとして大相撲のTV観戦があった。大鵬は絶対的な存在であり、地元出身の大関清国とともに人気が高かった。今思い出せば、その取り口は四つになって寄り切って勝つことが多いタイプで…雑誌でも語られる「横綱相撲」の典型にも思える。あくまでも個人的な見方と断っておくが、もう一人いわばこうした「受け」の相撲で印象深いのは北の湖だ。全盛期にそれほど熱心に観ていたわけではない。しかし、よく...横綱は言い訳しない

  • 遊弋して構えてみる

    遊弋(ゆうよく)という語を初めて知る。広辞苑には「艦船が海上を往復して待機すること」と載っている。今、自分の「海上」は図書館にあり、絵本の「島」などが見え隠れしているか。そんな想像ができる最近の読書から。『コロナ後の世界』(内田樹文藝春秋)「多様性を認めよう」「他者や異物を包摂しよう」という考え方は、現在の世界では多くの人が(捉え方に差はあるとしても)承知している。しかし、著者はそういった言い方を「すてきな目標」と評価しつつ、こんなふうに語る。「でも、これって、微妙に『上から目線』だと思いませんか。」その眼差しの行方は…「多様性と包摂」を否定するのではなく、その「上があってもいいんじゃないか」と。まえがきの時点でそう語り出すのである。そこでの提言キーワードは引用しないが、つまりは自己の日常性、周辺性、身体性にも...遊弋して構えてみる

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