黒いグラウンドコートの姿が…
四十数年前にT先生と初めて出会ったときの姿を今でも覚えている。先生は黒いグラウンドコートを着ていた。当時おそらく野球部担当で監督をしていらしたのではないか。ただその場所は、球場ではなく作文審査会をする和室であり、昭和50年代とはいえ諸氏とは異なっていた。新米の私に寄せた目つきも鋭かった。それから数年後、先生は私の教室にスーツを着こなした指導主事として入って来られた。たしか文法の授業であった。研究協議で「演繹法と帰納法」の用語を出して、提示した指導法について助言してくださった。その年、国語教育研究の東北大会で分科会発表者となった私の指導助言者も務めていただき、縁が深まった。「いいじゃないですか。これを参加者の前で堂々と語る先生の声が聞こえるようだ」と事前指導の折に励ましていただいたことも懐かしい。明朗快活に...黒いグラウンドコートの姿が…
2024/07/30 21:06