Re31『星の子』(今村夏子朝日文庫)。芥川賞作家とは知っていた。初めて読む。こうした一人称設定で書かれる話は途中で入ってこない場合もあるが、サスペンスでもないのに読みきった。大きなうねりのある展開とはいえなくても、細やかな描写が飽きさせない。数年前映画化(芦田愛菜主演)されている。観てみたい。発刊された頃に手にし、数年後にまた読み、今回再々読。Re32『悩むことはない』(金子兜太文春文庫)。やはり味わいのある語りだ。いつまでも初心者の自分からみると、「川柳」ではないかと思う句がいくつもある。結局何を描くかがポイントだとすれば、金子はあきらかに人物、人間がクローズアップされるからだ。改めて頷いたのは小沢昭一との対談のあるくだり。小沢が「世間で悪いと言われていることを一つくらいやっていないと、精神のバランス...バランスやら現実やら呼吸やら