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2005/08/02

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  • 選書に未来が透けるか…

    年頭に書いた漢字一字は「真」だった。これは既に今年図書館の仕事を退くと決めていたことも頭にあったと思う。種田山頭火の言「新は必ずしも真ではあるまい。しかし真には常に新がある」から、心構えとして選んだ。しかし、振り返ると「真」に近づけたか、甚だ心許ない。ただ、「新」らしいことはやり遂げた。令和6年を表わす私の一字は「本」と言っていい。それは絵本の読み聞かせを継続していること以上に、自費出版として拙著を2冊も仕上げたからだ。今まで書き残してあった文章を読み返しながらの編集作業は楽しく、さらに差し上げた方々に会まで催してもらい、はずみで(笑)次の一冊にも取り組むことが出来た。何を今さらアナログな書籍を…という気もありつつ、やはり手にした時に、重みの感触が嬉しい。過分な評価や励ましも頂いた。このブログを含めて「書...選書に未来が透けるか…

  • 今年初!の独り視聴者委員会

    思えば2020年頃から「独り視聴者委員会」と称し、結構テレビ番組のことを書き散らしてきた。しかし今年は一度も取り上げてないようだ。心に残るドラマなどが少なかったからか…そうかもしれない。正直に書けば一番多く観た?のは『相棒』シリーズ再放送。なんといっても昼寝の友、安心してこっくりできる。NHKの朝ドラ、大河は一応観ている。今年はそれほどのインパクトはなかった。『虎に翼』はまあまあで、『おむすび』は駄作だ。『光る君へ』はちょっと現代的過ぎた。ドラマはやはりTBS日曜劇場(翌週放送が情けない)が面白かった。やはりつくりが凝っている。これは、もはやブランド化しているような印象を持つ。他に印象深く残っているのは、『アンメットある脳外科医の日記』(関西)、『新宿野戦病院』(フジ)、『季節のない街』(テレ東)『海のは...今年初!の独り視聴者委員会

  • つまりは、自分次第だと…

    久しぶりの池谷本は新刊。Re101『生成AIと脳この二つのコラボで人生が変わる』(池谷裕二扶桑社新書)。本書に人々のAIに対する態度は5つに分類されるとある(今年9月のアンケート結果)。それによれば現在の自分は「5観察派:AIを活用しておらず、様子を窺っている」タイプだ。それゆえに手にした一冊だ。予想以上に進化していてビックリ!という高齢者にありがちな感想を持つ。著者の示す例や論理は納得のいいものが多く、例えば、特にAIによるカウンセリング、授業などは今まで信じていた常識を覆すものだった。つまり、「人間味」などという粗い情緒面に対する評価だ。「仕事をする側」の偏見の有無が刺激される。「第4章生成AIが抱える10の問題」では危惧される点が明確に整理されている。総じて思うのは、人間は結局ラクにはならない。新し...つまりは、自分次第だと…

  • 12月が妙に長く思うのは…

    今月は妙に長い気がする。日曜日スタートだからか…全然関係ないはずだが。最初の週は読み聞かせが2回、そして役員をしている団体の町民大会があり、気忙しかった。土曜日の午後、積雪が増えないうちにと思い、隣県の温泉へ出かけた。そしてそこで強烈な場面を目にする。三週間も経ったがまだ忘れられない。事件や事故の類ではない。実は夕食時に隣のテーブルについた親子に目が惹き付けられて、どうにも落ち着かなかった。おそらく20代の夫婦に、2、3歳頃の男児だろう。席に着き、最初に子どもの食事(お子様向け)を夫が世話して細かく砕いていた。それ自体今どき普通だろうが、母親はその様子に一瞥もしない。その子は一言も喋らず、一人でスプーンやフォークを使い落ち着いた様子で食べ続けていた、それにも驚いたが、私たちが席を離れる40分ほどの間、父親...12月が妙に長く思うのは…

  • 100冊目が問いかける

    Re100『〈ひと〉の現象学』(鷲田清一筑摩書房)。予想はある程度していたけど、難しい本を手にしてしまった。風呂場で読んだ(そんな類の本ではないが)けれど、何日ぐらいかかったのか。ざっと半月以上は確かだろう。正直に言えば、理解度1割ちょっとか。しかし、それだけでありながら印象深い記述は多い。第一章の「顔存在の先触れ」は特にうぅむと唸ることが多かった。私たちは日常、他者の顔を真正面から凝視できないことに初めて気がついたように思う。「いわば盗み見するというかたちでしか、じっと見つめることができない」という事象は何を意味するのか。一体、何のために顔を見るのかという問いが始まる。そこで第二章「こころしるしの交換」に移ると面白い一節に合う。筆者はある小学校の出前授業で、子どもたちに心の存在を問うてから、こんなふうに...100冊目が問いかける

  • 物語が嗅覚を刺激する

    久しぶりに小説を、と思って手に取ったのが、この名作Re98『蛍川・泥の河』(宮本輝新潮文庫)。この作家には一度手を出したが、そんなに馴染みがあったわけではない。しかし、さすがにこの作品は心に染み入った。昭和30年代という時代。当時の大阪、北陸富山という舞台を、色濃くイメージさせてくれた。なんといってもニオイがする。それは匂いであり臭いだ。土地の自然環境だけでなく社会環境も景色となり、全体的に強く迫ってきた。現代とはかなりかけ離れた人間の機微を感じさせる。自分も少しだけ懐かしく思うのは、貧しさ、醜さそして意地のような部分が心底にかすかに残っているからではないかと考えた。ことし8冊目のドリアン著作本。Re99『あなたという国』(ドリアン助川新潮社)。自身のバンドやニューヨーク滞在経験をもとに、劇的な展開のある...物語が嗅覚を刺激する

  • ほぉおと思って締めくくる

    今週は3日間こども園に通い、今年最後の読み聞かせの締め括りをした。4つの絵本を取り上げた。前半は『めをさませ』と『うえきばちです』。短い本で、テンポよく攻めてみる。これらは、まず「テッパン」と言っていいほどウケる。「うえきばち」はこども園では初めてだけれど、反応は小学校とほとんど同じ。もちろん、絵の面白さが抜群なわけだが、大人になっても楽しめるのは「同音異義語」を使う工夫があるからで、その空想と馬鹿馬鹿しさが本当に楽しい。さて、後半はクリスマスを意識した2冊。いくつかサンタクロースが登場する話も考えたが、結局選んだのは次の本だった。最初は「ちいさなもみの木」。しみじみとした味わいがある。年に一度の機会に読んでみたくなる本だ。「ちいさなもみの木」が大きく育ち、この後、毎年続くクリスマスにつながるような終末が...ほぉおと思って締めくくる

  • 三年ぶりのお猫さまたち

    今年最後の小学校での読み聞かせは4年生。何を選ぼうかと多少迷った。時期的なクリスマスものは学年としてどうかと思い、困った時の猫頼み(笑)ということで、この2つをピックアップした。『ねこはるすばん』(町田尚子)と『のら猫のかみさま』(くすのきしげのり)、どちらもいい本で、前に取り上げたことがある。調べてみたら、どちらもおよそ3年前。『ねこはるすばん』は楽しい妄想が軽快なテンポで語られる。絵本の楽しさがつまっているような一冊だ。ある学校のPTA時に親子で聴いてもらったことも印象深い。語りは、出だしはゆるく「なんだ?」と思わせておき、徐々に明るくしていくパターン。終末をアドリブで締める。『のら猫のかみさま』…これは物語として大好きな一つだ。かつて別ブログで紹介していた。その時に対象は年中児から大丈夫と考えていた...三年ぶりのお猫さまたち

  • それは、幸せな出会わせ方

    『野口芳宏一日一言』(野口塾文庫)には、こう記されている。9月29日<詩を虫食い(□の空欄)にして扱うことに関して>虫食いは完全なる回答が明らかになっていないと、学力形成にはならない。『これ以外に正解はない』という時に虫食いを指導に位置付けることができるが、そうでない場合は単なる当てずっぽうとなる。伏字を使うとクイズ的面白さになり、どういう学力を形成するのかが曖昧になりがち…という意味で心しなければいけない警句である。私の「詩の伏字クッキング」という実践及び提案を改めてみると、当時その危険性に対する意識はどうだったろうか。指導のメリットを挙げ、授業づくりのパターンも例示していた。先行実践(青木幹勇氏)から「理解することと密接な関係にある」「詩を読みながら、詩を作るという、学習をする」という考えをもとに、パ...それは、幸せな出会わせ方

  • 一言から、己の存在を確かめる

    編者である照井孝司先生よりご恵送いただいた。Re97『野口芳宏一日一言』(野口芳宏・著野口塾文庫)。「教育箴言集」と銘打たれ、365項目にわたって人生観、教育観から始まり、国語科指導のポイントまでが並べられている。致知出版社の一日一言シリーズと同形式といってよい。野口語録のエッセンスである。編者が野口先生に学んだ足跡でもある。長きにわたり真摯な姿勢を続けてこられたからこその労作と思う。私も講座や著書に触れ、何度も同じ言葉を聞いてきたつもりではあるが、半端な根性ゆえに受けとめる深さは到底叶わない。一見ランダムのように並べられたと感じる箇所にも、明確な流れの意図を汲み取れる。「向上的変容の連続的保障」…4月の扉にあるその言葉は、授業の本質として常に心に留めていた。そこはぶれずに歩んできたが、振り返ってみると「...一言から、己の存在を確かめる

  • 呑み込まれつつ呑み込む

    発刊は2006年。見逃すほど忙しかった頃ではないはずだが、関心が他に向いていた時期だったのか。Re94『詩の風景谷川俊太郎詩集すき』(谷川俊太郎理論社)は子ども向けだが面白かった。先週読んだ『赤ちゃん・絵本・ことば』の中で谷川が朗読した「ひとりひとり」という詩を調べ、この詩集に行きついた。ひとりひとり違う小さな物語を生きてひとりひとり大きな物語に呑みこまれる読み進めたら校歌の詞が5編あり、それもさすがの出来栄えだと思う。例えば「わたしがたねをまかなければはなはひらかない」や「はみ出せこころとび出せからだ」という歌いだし。「ごくふつう」の言葉をこれほど巧みに操る人はいない。自ら職人という形容もしたように思うが、作るべき像が見えていたからだ。何年振りか忘れるほどに久しぶりの、光のページェント拙著第二集の執筆途...呑み込まれつつ呑み込む

  • 生きるの宝石箱を見つける

    図書館で、ある挨拶のための材料探しをしていたら、詩集の棚にB6版横型の本を見つけた。それはRe91『生きるわたしたちの思い』(谷川俊太郎withfriends角川SSC)。続編のRe92『生きるわたしたちの思い~第2章~』(同前)である。2008年、2009年の刊となっている。初期のSNS「mixi」から始動した。そこで、谷川俊太郎コミュニティが作られ、著名な詩『生きる』というトピックが立てられ、その詩をつなげていく試みが呼びかけられた。自分もやったなあと思い出したのは、このトピックの参加ではなく、担任していた教室で子どもたちに向けてだった。あの詩の持つ解放性、拡散性とリズムは、魅力的だった。「生きているということいま生きているということ」…作者がその後に記したコトバを、失礼ながら例示と考えると、読者一人...生きるの宝石箱を見つける

  • 歴史は、その書名に

    11月23日に行われた「野口芳宏先生師道の碑」の除幕式と祝賀会への参加は叶わなかったが、賛同者として名を連ねたので実行委員会より当日発刊の著書が送られてきた。Re90『教師人生を楽しむ』(野口芳宏・編著さくら社)。先生の自選論文集と、全国諸氏からの寄稿(野口語録、野口実践)で構成されている。自選論文にある随想、論考のどれもを記憶していると喜びながら、その教えがしっかり身についているかと言えば甚だ心許ない。浅学菲才はもちろんだが、コラムにある「素直さ」に欠けているのかもしれない。「秋田の子どもは素直だから学力が高いよ」…かつて師から掛けられた誉め言葉を複雑な気持ちで思い出す。見開きの形で紹介された「野口語録」と選んだ方の思いや解釈は、共感できることが多い。長い間に私も似たようなエピソードは限りなくある。身近...歴史は、その書名に

  • あっち思ったりこっち見たり

    Re87『魂のみなもとへ』(谷川俊太郎・長谷川宏朝日文庫)。5年前の冬に読んでいて感想を残してある。再読し付加しておきたい箇所が二つあった。一つは「子どもは駆ける」という詩に付けられた「駆ける子ども」の文章だ。かなりの頻度で幼い子と接しているからだろうか。やけに心に響いてくる一節がある。「子どもが反復を厭わないのも、まるごとの体がいまを精一杯に生きているからだ。(略)いまという時間をまるごと生きるからだは、同じことを何度くりかえしても、そのたびに経験が新鮮なのだ。」「精神は反復をきらう」(ヴァレリー)から導くと自然、肉体は反復を好む。理解出来るのは、いかに子どもの精神が自然と肉体から分化していないかだ。ここに教育のヒントがある。さて、もう一つは「結構な死にかた」。これは谷川の詩「しぬまえにおじいさんのいっ...あっち思ったりこっち見たり

  • 「最後から二番目の…」という心地

    『最後から二番目の恋』…続編も含めてもう十年以上前のドラマだ。中井貴一と小泉今日子の主演で、鎌倉を舞台にした物語は本当にお気に入りだった。「事件」らしい出来事はほとんどなく、日常風景を織り込ませ中高年の恋模様を淡々と描いていた。脚本は岡田惠和。かの山田太一から褒める手紙が送られてきたという。極楽寺駅が印象的で、鎌倉観光をした折に立ち寄ったことが懐かしい。さて内容はもちろん、この「最後から二番目の恋」というタイトルが洒落ていた。実際にそんな台詞があったわけではない(と思う)が年齢設定からのイメージだろう。では、なぜ「最後」ではなく「二番目」なのか。そんな些末なことに気を留めてみる。「最後」の持つ本気度、切実感が、「二番目」と添えたことで多少和らぎ、それが肩の力の抜けた雰囲気に結びつくのだろうか。しかし、実際...「最後から二番目の…」という心地

  • 冬に備える「ココロのヒカリ」

    三週続けて、こども園の読み聞かせに通った。今回は「紙芝居」を中心にしようと構想した。時期的にふさわしいと思い「てぶくろを買いに」は取り上げようと決めていた。原作とは少し異なり端折っている部分は惜しいが、初めて買い物にいく子ぎつねへ共感する子は多いだろうし、読み手としての安心感があった。もう一つは悩んだ。イソップや笑い話系統も考えたが、今回は久しぶりの宮沢賢治を選んでみた。「どんぐりとやまねこ」である。一種のファンタジー要素があるなかで、魅力的?個性的?な登場人物が惹き付けるのではないか。さらにどんぐりたちの諍いも面白い。園内での争い事を思い出す子もいたかもしれない。難しい言葉もあるが、子どもたちはじっと聞き入ってくれた。これも原作と違うとはいえ、賢治のもつ世界観のようなものが惹き付けているか。二作とも紙芝...冬に備える「ココロのヒカリ」

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