マルティン・ルター『九十五箇条の提題』を学ぶ・39
ドイツ宗教改革の発端にもなったとされるマルティン・ルターの『九十五箇条の提題』の日本語訳を学んでいく連載記事である。連載39回目である。なお、英訳された『九十五箇条の提題』を、当方で日本語訳して掲載することとした。14〔39〕大変に鋭い神学者であっても、人々に豊かな贖宥(の効果)と、真の悔い改め(の必要性)を、同時に称賛することは非常に困難である。訳は当方要するに、これはルターによって誤りだと認識されている「贖宥」の効果と、本来人々が行うべき「真の悔い改め」が、両立されないことを示した一節だといえる。人々は、より楽な方で良いと願う限り、「贖宥」になびくであろうし、また、神学者も経済的な収入に繋がるのであれば、同意をするであろう。だが、ルターとしては、人々に「真の悔い改め」をして欲しいわけだから、それを説か...マルティン・ルター『九十五箇条の提題』を学ぶ・39
2022/11/26 08:42