~ Bella giardino ~ 目が覚めると真っ暗だった。 一瞬ここは社員寮、変な時間に目覚めたか? と、 随分前の記憶とごっちゃになったが、 身体に感じる振動と、鼓膜を震わせるエンジン音で、 今自分がどういった状況なのか、 すぐに理解することが出来た。 私は今、 たぶん車のトランクに入れられて運ばれている最中だ。 恐らく山にでも埋められるのだろう。 脚と脚の間から、ドロリとしたものが流れ出した。 どれくらいの間、車が走っていたのかは解らない。 でも、 私が目覚めてから、車が停止するまでの時間は短かった。 ドアが開いて閉まる音と振動。 そして足音に被って鍵同士があたり逢うチャリチャリいう…