寂れたスナックで語る物語 第十二話 「かいこ」 その(8)
ようこそ、当スナックへお越しくださいました。 私はマスターの、「素姓乱雑(そせいらんぞう)」です。 前回までお話しした 「かいこ」 は、”「いや、事故が起きるまでをつぶさに知るものはいたがや」 「誰なんです、その人は」 翔梧は勢い込んで聞いた。「人と言うよりも一頭と言った方がいいだろう」 今ここにあるはずもない村人が手渡したという箱の中の、蚕がよみがえり蠢(うごめ)いた気がした。“ という内容までで...
2024/03/15 07:00