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昨年2023年8月において大阪堂島商品取引所で再開されたお米の先物取引は、米価高騰の時期と重なることから、値上がり原因の疑いがあります。先物取引再開には、堂島商品取引所のステークホルダーでもあるSBIホールディングスの強い働きかけがあったとされ、投機のチャンスを狙う金融筋の思惑が絡んでいるのは確かなことなのでしょう。農産物の先物取引については、投機マネーの流入が懸念されながらも、農産物価格の変動リスクをヘッジする役割を果たすとする肯定論があります。否、農家に対するリスクヘッジこそが、農産物の先物市場の存在意義とも言え、この役割なくしては、誰も同取引を正当化できないことでしょう。競馬や競輪などと同じく、単なる‘賭け事’となってしまうのですから。しかも、日本人の主食であるお米を賭け事の対象とするとなりますと、...米先物取引は農家に不利では
国産米価格の高騰が続く中、グローバリズムの時代なのだから、時代の変化として受け入れるべきとする擁護論も聞えてきます。お米市場が自由化された結果であり、この現状を受入れ、海外から安価なお米を輸入すればよい、というのです。おそらく、農政改革を訴えるグローバリストの政治家の多くも、この路線で改革を推進したいのでしょう。しかしながら、グローバリズムを帝国主義や植民地主義という言葉に置き換えてみますと、この擁護論が如何に危ういものであるかが容易に理解されます。古代ローマ帝国は、今日に至るまで様々な学ぶべき教訓を人類に与えています。現代に生きる人々が反面教師とすべき教訓の一つが、‘パンとサーカス’です。肥沃なナイルのデルタ地帯に広大な穀倉地帯が広がるエジプトを征服したことで、イタリア半島には大量の安価な穀物が流入しま...米価高騰とグローバリズム
今般の米価高騰については、今後のさらなる値上がりや品薄も懸念されており、政府が備蓄米放出の方針を示しても、国民の不安が払拭されたわけではありません。食料品の全般的な値上がりもあって、国民生活は苦しくなるばかりです。この問題、実のところ、経済における自由主義に関する二つの‘思い込みの問題’を提起しているように思えます。その一つは、国内市場における一般的な自由主義であり、もう一つは、グローバリズムにも繋がる国際経済における自由貿易主義です。近代における経済自由主義の祖ともされるアダム・スミスは、その著書『諸国民の富』において自由主義経済の効用を論じています。‘神の見えざる手’は、人々の自由な経済活動が自然に富をもたらすことを上手に表現した言葉です。確かに、より豊かな生活を求めて多くの人々が経済活動に熱心になり...米価高騰から経済における‘自由主義’を考える
米価高騰は、川柳にも詠まれて話題になるほどの国民の関心事となっています。昨年秋の収穫時期を過ぎても価格が下がらないのですから、この先を案じる国民は少なくないはずです。高止まりどころか、さらなる値上がりを予測する声もあり、国民の不安は募るばかりです。しかも、米価高騰の原因やメカニズムにつきましては、政府からの国民に対する明確なる説明もないのです。このため、マスメディアであれ、ネットであれ、様々な憶測が飛び交うこととなりました。本ブログでも、先物取引原因説を唱えたのですが、詳細な情報も専門知識も欠ける上に、昨年春頃から始まる農林中央金庫の巨額損失、大阪堂島商品取引所での先物取引の復活、SBI証券の参入、買い占めの誘発など、関連性が強く疑われる一連の出来事からの推測に過ぎません。国民生活に直結する大問題でありな...米価高騰は国会で調査を-国政調査権の行使
昨今の米価高騰については、現状の価格が農家にとりましては適正なのではないか、とする擁護論があります。政府が長期的に推進してきた減反政策とも相まって、お米の生産量が減少してきた理由は米価の低さにあるとする説です。採算が採れず、作れば作るほど赤字になるのでは、次世代の後継者が失われるのは当然であり、国民がこれまで通りに国産米の供給を望むならば、高価格は受忍すべきということになります。確かに、米価が採算割れを起こすような低価格であれば、日本国の農業はやがて衰退してゆくことでしょう。しかしながら、米作農家を一緒くたにして米価の高止まりをよしとするのは、いささか極論のようにも思えます。何故ならば、‘農家’には、既に農地の集約化を済ませた比較的規模の大きな農業事業者から山間部等の零細な農家まで様々であるからです。前者...米価高騰は農家を扶けているのか?
報道によりますと、昨年2024年6月に国会で可決成立した「食料供給困難事態対策法」が、今年の4月1日から施行されるそうです。同法の目的は、食料が不足する事態に備え、‘兆候の段階から、政府一体となって供給確保対策を講ずる’ことにあり、どこか、緊急事態宣言の食料版のような印象を受けます。「政府の意思決定や指揮命令を行う体制やその整備」するというのですから。有事を想定してか、食料をめぐる政府の動きが活発化している様子も窺えるのですが、同法は、今般の米価高騰の問題性をも明らかにしているように思えます。4月1日からの施行に先立って、政府は基本的な運用方針を明らかにしています。お米を含む対象12品目については、国内供給量が2割以上減少し、価格高騰が発生した場合などを「食料供給困難事態」と規定しており、今般の米価高騰が...米価高騰は「食料供給困難事態対策法」の対象になるのか
米価高騰の原因については諸説が入り乱れているものの、何れも説得力に欠けています。このため、複合要因説も唱えられることにもなったのですが、本ブログでは、先物取引をはじめとした投機マネーの流入、並びに、それに便乗する形でのバブル現象ではないかと疑っております。仮に、異常な値上がりが一種のバブルであれば、政府による備蓄米の放出は米相場に影響を与えますので、幾つかの留意すべき問題があります。最初に、政府備蓄米の放出によるプラス面を挙げてみることとしましょう。昨年のお米の作柄は6年ぶりに収穫量がアップしていますので、流通していない保管分を合わせれば、現状はお米不足の状態ではありません。となりますと、仮に、消費者への小売り段階で品不足であるならば、それは、さらなる値上がりを期待して人為的に供給が制限されていることを意...政府備蓄米放出と米相場の問題
昨年から続いてきた米価の高騰は、秋の新米の収穫時期を過ぎ、年が開けても収まる気配はなく、国民の家計を圧迫し続けています。お米は主食なだけに、とりわけ所得の低い世帯や子育て世代では、お米の購入を諦めるか、控えざるを得ない事態に直面しています。多くの国民が早期の正常化を期待してきたのですが、政府の動きは余りにも鈍く、国民の苦境を敢て黙認してきた観さえあります。ここに来てようやく江藤拓農林水産大臣も、買い戻しの条件付きながら政府備蓄米の放出を口にするようになりました。去年の夏には、坂本元大臣が‘新米が出荷になるので米価高騰は落ち着くので、備蓄米は放出しない’旨を説明していましたので、江藤大臣は、米価の高騰の主たる原因が、需給バランスにおける後者の不足にあるわけではないことには気がついたようです。実際に、お米の作...米価高騰の原因は投機?
政府は備蓄米放出へ準備、流通不足 米プレゼントに応募しましょう!
日本全国で米の価格🌾が暴騰している米の流通不足も深刻だ😱政府は備蓄米を放出を準備し始めた(リンクをクリックすると記事に飛びます)農相「備蓄米の条件付き販売可能に」米価高騰で見直しへスーパーなどでは便乗値上げが続いている😤トレトレストアでは、安価な価格で販
秋の収穫期も過ぎ、年の瀬も押し迫っている今日、凡そ2倍に高騰したお米の価格は一向に下げる様子は見られません。収穫量も十分に確保されているはずなのに、お米の集荷業者間では‘争奪戦’が続いているというのです。この‘異常現象’も、あるいは、大阪堂島商品取引所で始まったお米の先物取引の影響であるのかもしれません。商品の先物取引一般には、通常、限月における現物の受渡しを伴います。このことは、先物取引への投資額が増えるほど、消費者とは無関係な次元でのお米の取引量が増加することをも意味します(「受渡決済」)。もっとも、大阪堂島商品取引所におけるお米の先物市場につきましては、現物の受渡しを伴わない形での決済も行なわれているようです。取引参加者の大半は、農家、農協、卸売業者等の当事者ではない「非当事者」即ち、証券会社や内外...お米の先物取引は即刻廃止すべき
昨今の米価高騰について、その原因として先物取引等の投機マネーの流入が推測される理由は、日本国政府の沈黙にあります。物価高につきましては、ガソリンや電力・ガス等に対する対策は一先ず練られていても、凡そ全ての国民のエンゲル係数を上げる米価高騰につきましては、対策らしい対策を採ろうとはしていないのです。マスメディアもまた、この件については沈黙を守っています。この現象は、如何にも不自然なのです。主食である米価が2倍にも跳ね上がれば、通常は、一揆が起きてもおかしくありません。もちろん、‘飽食の時代’とも称されておりますように、今日では、お米の価格が高くとも、小麦やトウモロコシなどの他の食品で代替できます。このため、過去の時代よりも深刻度は低いのでしょうが、それでも、食卓にご飯のお茶碗が添えられている家庭が圧倒的に多...日本国政府の米価高騰に対する奇妙な沈黙
今年8月の大阪堂島商品取引所におけるお米の先物取引の再開につきましては、同取引所の凡そ3割の株を保有するSBIホールディングスの強い働きかけがあったと指摘されています。同取引所と民間の一企業との関係は、市場の運営者と事業者の癒着が生じますので、独占禁止法に抵触する可能性もありましょう。それでは、何故、SBIホールディングスは、お米の先物取引に手を出したのでしょうか。お米の先物取引については、既に2011年から試験的に実施されていたのですが、参加事業者が集まらないことを理由に農林水産省が許可を与えず、2023年には一端終了しています。お米の先物取引については、過去においても米価高騰の要因となり、国民生活を苦しめてきた歴史がありますので、農林水産省が二の足を踏むのも当然と言えば当然なことです。ところが、202...SBIホールディイングスが先物取引を再開させた理由
大阪堂島商品取引所で今年の8月から再開されたお米の先物取引は、米価高騰の一因となっているようです。それでは、何故、先物取引がお米の価格を押し上げるのでしょうか。この価格上昇のメカニズムは、‘人とは自らの利益を最大化するために行動する’と仮定しますと、容易に理解することができます。先物取引では、現在の取引価格よりも将来の限月における価格が上昇した場合、両者の差額による差益が生まれるのは‘買いヘッジ’です。このため、先物市場で高値が付いている場合には、同市場で取引に参加していない人々までも、大凡の将来における値動きを予測することができるのです。将来的な価格上昇が見込まれるからこそ、‘買いヘッジ’において高値が付くからです。先物市場での高値は、将来における値上がりの‘サイン’とも言えましょう。先物市場における価...お米の先物取引が米価を上げる理由
不思議なことに、主食であるお米の価格が2倍近くにも跳ね上がるという異常事態にありながら、マスメディアのみならずネット上では同問題に関する情報が圧倒的に不足しています。物価高が先の衆議院議員選挙における自公政権の敗因理由の一つでありながら、石破政権もまた、国民生活を護るために対策に乗り出す様子も見られません。‘令和の米騒動’と称されながら、政府は積極的な説明も対策も怠っており、この‘沈黙’には何らかの意図が隠されているようにも思えてきます。余りにも不自然なのです。昨日の記事で述べたように、インバウンド説、猛暑説、肥料価格高騰説、輸送コストアップ説の何れもが説得力に乏しいとしますと、真の原因は、別のところにあるのでしょう。そこで、情報不足の状況にありながら、幾つかの推理を試みてみたいと思います。第一の推理は、...米価高騰を推理する-先物取引原因説
2024年は、異常なまでのお米価格の上昇に見舞われた年でした。夏頃には平年ですと5キロ2000円台程度であったお米の小売り価格があれよあれよという間に3000円台に上昇し、秋の収穫期が過ぎた今日でも、一向に価格が下がる気配はありません。4000円台や5000円台のお米も珍しくはないのです。米価格だけを見れば、50%から100%を越えるインフレ率ともなりましょう。お米は日本人の主食ですので、急激な米価高騰は国民生活を直撃します。ところがこの状態を、日本国政府は、全くと言ってもよいほどに放置しているのです。今般の米価高騰については、様々な理由が挙げられていますが、一体、どこに原因があるのでしょうか。米価高騰の原因の一つとされるのは、コロナ禍収束後におけるインバウンドによる需要の増加です。需要増を受けて国内の米...日本国の米価高騰は人災か?
先日、米価高騰の記事を記しました。9月も中旬に入り、ぼちぼちスーパー等にも新米が並ぶようになってきました。 我が家はここ数年、雪若丸の5㎏袋を買っていました。今年の春ぐらいまでは、安売りのドラックストアで1800円ほど、スーパーで高くても2300円ぐらいで売っていたと思います...