なんとなく眠れずにいて遠出は無理、では、と去年初めて出かけてちょっとばかり楽しかった大分川の小さな支流に行った。喜寿アングラー向きの優しい小河川である。 途中、コンテンポラリーなジイちゃんペアーと会った。餌釣りだった。二人が助け合って渓に降りる様子は好ましいものだった。 鮎釣りを教えてくれた同級生は今は病に倒れリハビリに励んでいる。熊野、四万十、仁淀、球磨川、一緒に遠征したことは楽しい思い出の…
春はフライフィッシング、夏は鮎釣り、秋、冬にはキスめがけて投げたりしながら余生を凌いでいる喜寿ジイの釣り日記です。
現役を退いて、高校の同級生ら気の合うトモと釣りをしてきましたが、高齢で病を得るものも出て、今は独りで釣ることが多くなりました。 いきおい、記事も近場の釣りだったり思い出すことだったり。それでも読んで下さる方がいらして、そんな深い愛を励みに綴っています。
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なんとなく眠れずにいて遠出は無理、では、と去年初めて出かけてちょっとばかり楽しかった大分川の小さな支流に行った。喜寿アングラー向きの優しい小河川である。 途中、コンテンポラリーなジイちゃんペアーと会った。餌釣りだった。二人が助け合って渓に降りる様子は好ましいものだった。 鮎釣りを教えてくれた同級生は今は病に倒れリハビリに励んでいる。熊野、四万十、仁淀、球磨川、一緒に遠征したことは楽しい思い出の…
疾風のように現われて疾風のように去って行った孫たちにとり残されたジイちゃん、孫と行く予定だった海釣りもサーカスやら資さんうどんやらで結局行けずじまい。積んだままの道具を連れて運河にブン投げに行った。フライにうつつを抜かしていたので久しぶりである。
熊本に赴任して結婚、次の年に阿蘇へ転勤となった。運良く新築したばかりの社宅に入ることが出来て生活は快適だった。夏は掛布団がいるくらい涼しいし冬は温泉があった。すぐに子供が出来た。 男だったので義父が鯉のぼりを送って来た。吹流しに真鯉緋鯉、子供の鯉が青と赤も付いて一揃いあった。だが、社宅だから敷地内に柱を立てるわけにはいかない、それで社宅を囲むフェンスに柱をくくりつけて、とりあえず真鯉だけ泳がせる…
初めは筑後の予定だった。矢部川で掛け損ないがいくつもあって次は根絶やしにキャッチしてすっからかんにリリースしてやろうと思っていた。 そのうちGWに突入。家族が集まると、生ビールを樽ごと買ってセットになっているレンタルのビールサーバーに繋いでジョッキで飲る、樽からサーバーに繋いで飲る味はビアホールに決して負けない。だが楽しくて限度を超えたか、酒が腰に響いて長距離はきつい。それで豊前に方向転換して…
島根県の高津川から帰って福岡の渓に行ってみた。高津では、小さかったけれどツ抜けくらい掛けることが出来ていたので、福岡ならもっといけるに違いないと思った。 福岡では桜が散ったと思…
匹見川の下流のどのあたりまで山女魚はいるのか漁協に尋ねてみた。思う存分フライ竿を振ってみたかったからである。 結論から言うと魚影濃く放流された所で釣りをした方が、いるかいないか分からない所で釣るよりいいです、ということだった。もっともなことで、それで教えられた川を漁ってみることにした。
春の渓では魚もジイちゃんもちょっとばかり勢いづいてよい季節にさしかかった感がしていたのだが海では潮はまだ冷たいまま流れていた。 関門の平均海水温は、グラフを見ると、この季節13度を下回ることはないのだが3月末で11度、それから少しは回復しかかったけれどまた下がって、過去の最低海水温に近い。
この日はお釈迦様の誕生日だった。 はなたらしの頃、近所のお寺さんに水筒持って甘茶を貰いに行ってたことなんかを思い出しながら渓に走る。友達の誰かもこの日が誕生日だったなんて四月八日をまさぐっていると突然この日が車検期限切れということに気がついた。途中まで来ていたけれど今日いっぱい猶予があるのに恐る恐る運転しながら帰る。だが、途中で工場に連絡して車検の約束を取り付けると急に安心してしまい、やっぱり釣…
この日は耳納連山を越えた。 合瀬の峠には立派なトンネルが出来ていてそこを潜って矢部へ走った。北九州からほぼ南にまっすぐ下っておよそ百キロ、三時間で着いた。 去年初めて降りた川で、二度行って一匹ずつ掛けている。漁協の放流マップを頼りに一つずつ漁って行こうとしたが、散々な目に合っていた。この川は一匹ながらもようやく掛けた川であった。 効率は良くないけれど、渓の景色が好きでまた来てみたいと思っていた…
陽気に誘われると出かけてみたくなってしまう。矢部川か星野川か、そのあたりで春めく渓を漁ってみることにした。 小石原の峠を過ぎたあたりでふと振り返ると車の珠数繋ぎ、これはいかんのんびりしすぎた。後ろを全部やり過ごして、さあこれから耳納の峠越えかと思うとちょっと面倒くさくなって、そういえば小耳にはさんでいた耳納から筑後川に注ぐ川のことを思い出した。 ということで、左に方向転換、取り舵いっぱい、こん…
『地図と拳』と『アマテラスの暗号』、どれも最後まで読むことが出来なかった。あんなに世間で楽しく読まれている本なのに、地図は直木賞を取ったと書いてあったけれど退屈で我慢を強いられるものだった。小説は虚構の面白さなのに、つい「ウソだーい」と言いたくなってしまう。 どちらも図書館に予約して長い間待たされてようやく手に取った本なのだけれど満州なら昔読んだ檀一雄の『夕日と拳銃』が面白かった。犯人探しならテ…
例年より一月遅れで利酒会があった。 いつもは梅が満開の頃だったが米の入荷が遅れたり人手不足だったりして、年が明けてようやく醸造に取り掛かったのでこの時期になった。 毎年のことながら真っ昼間から飲む冷酒は身魂をドロドロ溶解させて喜寿ジイにはちょっとばかりつらい。それでもう参加はやめようと思うけれど新酒を搾り始めたというラインが届くと、やっぱりイソイソ出かけてしまう。
例年より一月遅れで利酒会があった。 毎年、梅が満開の頃だったが米の入荷が遅れたり人手不足だったりして、年が明けてようやく醸造に取り掛かったのでこの時期になった。 毎年のことながら真っ昼間から飲む冷酒は身魂をドロドロ溶解させて喜寿ジイにはちょっとばかりつらい。それでもう参加はやめようと思うけれど新酒を搾り始めたというラインが届くと、やっぱりイソイソ出かけてしまう。
身辺の片々だけでなくテレビの見聞にもうんざりして、やっぱり渓に出かけることになる。久しぶりの晴天に浮かれていたし、白川と大野川、それに豊前四川で超絶スカタンをくらっていてなんとかせんといかんとも思っていた。
未明、師匠宅出発。目指すは阿蘇南郷谷、白川。 師匠は決して高速を走らない。あの川この川、川べりを川見しながらゆったり遠征が常である。 朝ぼらけ、白川のここぞという釣場で「ライズの…
立春を過ぎた響灘、吹きさらしの波止でブン投げていると風が時折南から吹くことがある。春一番か、とちょっと気持ちがざわついていよいよ嬉しくなってくる。もうタイイングも佳境であらかた巻き終わった。 カディス、パラシュートにソラックスパターン、それにミッジ、型や色違いで40種類、それでも他のフライマンに比すと少ない。それぞれ5本巻いたとしても200本は巻く。鮎バリもシワリやストレート、大きさを考えると…
さて今日も響灘、前回プチ爆釣した外海である。 朝七時、潮は上げ三分で申し分ない。だが海は荒れていた。晴天予報に浮かれて出て来たものの西北の風が当たって海は逆立って割れ、ウサギが飛ぶ。それで風を背にしていくらか穏やかな東へ抛る。 赤袖6号三本バリ、キンキラのデコは無し。意図は無い、さぼっているだけである。近頃の強い風が春一番かどうかなんて世間が波立ってくるとフライの準備は佳境で、必要な小道具はす…
釣り道具も、フライを始めてしまったので増えるばかり。何か売るか捨てるかして身辺を身軽にしておかないといかんと思う。 昔見た映画で、金の亡者が死に際に小判を餅に包んで飲み込むという場面があった。白黒のずいぶん昔の映画だったけれど、子供心ながら鮮明に覚えている。まこと、彼岸に持っていけるものなんて何もないのに。
釣るばかりでなく食べるのも魚を理解する一つの方法だ、という言葉があって、それで魚を理解するために料理に励む。出刃、小出刃、柳刃と包丁を並べて魚に向かう。家内が横から、ちょっと小さいんじゃないのと軽く口をはさんでくるが、大小は関係ない、これはサシの勝負なんだ、釣師と魚とな、いや自然とニンゲンと言い換えてもいい、助太刀は無用だと言っておく。この日まな板に乗ったのはさっきまで響灘を泳いでいた魚だ。 そ…
山陰は空気が澄み乾燥しきって爽快、潮の香りが生き生きと動いて、波止際に佇んでプファーっと深呼吸するとシワだらけの体いっぱい充ちてくるものがあって、ああ、なんだかまだ長生き出来そうな気がしてくる。 大寒を過ぎたある日、ボッチジイちゃん、自身の影ばかり引き連れて山陰へ釣り旅に出た。おーい、と山口から呼べば島根からこだまが返る県境の小弯である。
いい映画を観た。 イーサンホークとルトガーハウアーが二人並んで釣りをしている。ルトガーが言う。魚は人の内から光るモノがわかる。それがお前には無い、だから釣れないのだ。それは俺のような老人にしかないモノだ。なんていうところがあってたまたま観たので文脈は知れないけれど、ちょっと嬉しがらせてくれた。
「亡国のスパイ」というテレビドラマがあった。 内容は退屈だったが終話まで見てしまった。何が面白かったかというと、スパイが飲むウヰスキーグラスがどれも丹精のこもった逸品に思えて楽しませてくれた。これも演出なのだろうけれど、グラス一つ一つがこっそり伏線になっていたりして、グラスが登場するたびに立ち止まってしまう。 そういう小道具の細部には何か深い考証が極められていてようでドラマの展開以上に楽しませ…
日本中がGWで沸き立っているので古希ジイも人波の坩堝の中で沸騰してみたいと海へ行った。もちのろん、ブン投げに行くのである。 目指すは山陰の砂浜、毎年この頃からシロギスがウジャウジャ押し寄せてもう魚だらけというありさまで、ウホウホ、の予定だったけれどどっこも人もいなければ魚もいない。
テレビを視ていると、釣り人が「バカかお前」と呼ばわった。バカ呼ばわりを聞いたのはこれが二度目で、これだと他にもあったかもしれない。同行の釣り人にもスタッフにも言った。 一緒にいた孫娘、言った方もそうだが言われた方もニコニコ笑って、なんか好かん、と言う。 バカと言われたってテレビに出たい、出てちやほやされたいという人がいて、それだとニコニコしていられるかもしれない。もしかしたら彼らには深くて強…
見ましたよ、タイガージェットシン、馬之助と一緒にね。 プロレスには全く興味がなかったけれど、まあ面白いからと会社の後輩たちに連れ去られタクシーに乗せられて若戸大橋を渡って、今は区役所になっている若松体育館へ行きました。 もう40年も前のこと。
五木は藤の真っ盛り、そして豊前四川でもそうだった。魚は催促されたようにフライを追って来た。数は少なかったり小さかったりするけれど、自身の腕と運のことを考えると文句はない。 登山道…
五木から帰って薄ぼんやり追憶に耽っていると、皿倉山が海に行ってみないかとささやく。そうだった、ジイちゃんには海もあった。投げ釣りの身軽さ、パッと海へ、それでカーティスシーの運河へ行った。
解禁釣行の時、相良を流れるこまい川でちょっと楽しい思いをしていたので今回はこの川から始めた。 藤、繚乱。いよいよフライの季節だ。 身支度し…
先日、師匠の家へ。 丹沢の一匹、こけてネットを傷めたこと、グリパラで掛けたことなどを報告した。 そうしたらやっぱりネット枠をくれた。もう使わないからといってハサミ、フォーセップもくれた。私のグリパラを見てちょっとメリハリが足りんといってグリズリーもくれた。手ぶらでは帰さんところが師匠らしい。
平成の中頃から高津川に通いだした。二百キロの高速を朝駆けして2時間、インターを降りてすぐの上流域からが釣り場である。 初めは放流魚、それがひとしきり釣り人を楽しませてくれた後、お盆過ぎから次の鮎が海からやって来る。時々山女魚も掛かってこの川が本物の清流であると気づかされる。
丹沢湖へ出かけた。タンザワ=フライという裏も表も一緒くたになって名所巡りのお上りさんを刺激する。 57もの橋が架かってい…
久しぶり新幹線に乗った。 途中大きなバッグを抱えた女の子が乗ってきたのだが、なんとその中に犬が、それも二匹。新幹線が動物同伴可とは知らなかった。犬だと後で気がついたくらい大人しい犬だった。 春休みですぐに席がいっぱいになった。東洋西洋入り乱れて、このまま海に漂えば国籍不明船として撃沈されるに違いない。
一昨年、昨年と解禁を日之影川で迎えた。昨年は結局一回ライズがあってそれを掛けたという僥倖の一瞬のみだった。
さて、三日目、最終日。 一日目と三日目は移動だけに当てているのだが、一日目は前夜から超睡してよい朝を迎えていたので老体もしっかり立ち上がって釣りに向かうことが出来た。一日目も二日目も宿でよく眠ることが出来た。晩飯食ってウダウダ酒を飲んでいるうちに寝てしまった。五木の温泉も効いた。ペンションでションベンにも起きなかった。ダハハ。 もう涅槃の準備に取り掛かっているのかもしれない、それで爽快に三日目…
二日目。 今季初めての遠征なので昨年ちょっとばかり楽しい釣りをしていた瀬を巡ることにしていた。この日は栴檀轟につながる瀬である。午前の早い時間に着いてしまいサブイ。 昨晩の雨が雪になっていて瀬は冷たい、水温8度、気温は1度、空も水も人も一緒に震えている。魚もそうなのか、ここは橋からのぞいて魚が見えたらフライを追って来るのだが、やっぱりいない。
一日目。 五木の道の駅で遊漁券を買う。 知事選の公示があったばかりで、ダムには反対と賛成、それに中立。中立とはどういうことだろうか。 五木の人は反対が多いと聞いているけれど、千年の自然より人一人の命と言われれば黙るしかない。
京二川の、解禁日に餌釣りに先を越されていた瀬に行く。 今日は独り占め。昼、瀬は平水、水温10度。時折陽が差して気分も軽快である。 今日のウェポンはミッジニンフ、虫も飛ばずライ…
あの、遊漁券の要らない、つまり漁協の無い釣り場の話は雨で流れた。それで一人で近場に行くことにした。実は師匠からの誘いがなかったら、ここに行くつもりでいた。ちょっといい噂を聞いていたのである。
梅が咲いて、地酒研究会から案内が来た。 長男が学生時代に学んでいたサークルで、その仲間が卒業して地元に残ったのが年に一度、新酒が出来る時期を見計らって、まるで七人の侍の盗賊のように酒蔵荒らしにやって来る。学生時代にワタリをつけていた酒蔵に集まってやっているのだが、利き酒会という名目で同窓会もやっているのである。
師匠から電話があった。 解禁はどこか予定しているのか、熊本に行くが来るか、と聞くのでハイと答えた。遊漁券の要らないつまり漁協の無い川があるらしくてそこに行くという。大丈夫なのかあ。まあイエスがあってノーの無い世界だから仕方がない、ついていくしかない。