空港からはタクシーでホテルに向かうことになり、無秩序になんとなく客待ちをしているタクシーの群れの中にいたミニバンの一人とRajさんが交渉し、すぐに皆でそのタクシーに乗り込んだ。丁度ヒンドゥーの大きなお祭りの最中で、多くの人々は田舎に帰っていると説明を受けたように、通りにはシャ...
クッカバラの囀りを皆さんにお届けし、思いを共感、共有できたら嬉しいです。快い囀りと響きますように。
学生時代、車窓からのぞく青く輝く稲穂に願いをし、三つ目の願い叶って故郷を離れ、海外で家庭を築くも気がついたら一人。3匹のバッタ達も、次々に高校を卒業し、進学と同時に家を出て行きました。そこに新たな相棒トンカを迎え入れ、人生を謳歌しようじゃないか、との境地に至っています。そんなクッカバラの囀りを皆さんにお届けし、思いを共感、共有できたら幸いです。
一週間ほどご長女のいるノルマンディーに出掛けていたお向かいの90歳になる マダム が、帰ってきたら丁度お庭の無花果が熟れていると、薔薇の花をあしらった小皿に幾つか盛って差し入れをしてくれた。 丁度庭の林檎でアップルケーキを焼いたところだったので、一切れお返しにお届けすることに...
庭の隅にある小さな林檎の木の枝がしなる程に、今年は林檎の実が鈴なりになっている。朝日が差し込む頃に、林檎たちの弾んだおしゃべりが聞こえてきそうなぐらいに、小さな実が輝いている様子がキッチンの窓から見て取れる。 長女バッタがフィレンツェに旅立つ前に我が家で週末を過ごしたが、庭の...
どこまで踏み込んでいいのか、 どこまで踏み込むべきなのか。 自立した成人となったのだから、相談されないのであれば、話があるまで待つべきなのだろう。 それでも、親が子の幸せを願い、子の将来を心配するのは、当然のことではあるまいか。 天高く馬肥ゆる秋 そんな言葉がふっと唇にのる程...
ひょんなことから、この9月から一年間、一週間に一回ではあるが、高校生を我が家に預かることになった。夕食を共にするわけだが、好き嫌いはないらしく、完食してはくれるが、美味しいからなのか、礼儀正しいからかなのかは、正直なところ分からない。と言うのも、おかわりのリクエストはなく、成長盛...
トンカとの散歩から帰ってくると、玄関脇に小さな包みがちょこんと置いてあった。おおっつ!近所に住む 苔庵のマスター からの差し入れに違いない。散歩の途中に、別件でメッセージのやり取りをしていて、彼女が苺大福を上手に作れたことを知っていた。しかし、差し入れしてくれるなんて、感謝、...
日本に一時帰国して驚くことが沢山あるが、驚く内容が大まかに言って二種類ある。青年期まで過ごした日本との違い、そして、現在住んでいるフランスとの違い。その両方ともに当てはまることも少なくないが、その一つにごみ収集がある。 住んでいる自治体により、厳格さ、分別の仕方など様々であろ...
最近のトンカは、泥で体温を下げることがお気に入り。泥と言っても、雨がちっとも降らない日々が続いているので、地面が掘り起こされて、柔らかく冷たい土が表れているところを探して、寝転がっている。 実際のところ、誰が地面を掘り起こしたのかは分からない。猪かもしれないし、他の犬仲間かも...
ボーダーコリーのタンジェリンちゃんとお知り合いになる。タンジェリンって、確か蜜柑の総称だったよな、と思い、目の前の元気なボーダーコリーと結びつかないが、そんなことを言ったら、トンカだって同じだろう。パティシエが聞いたらぎょっとするに違いない。現に、先日レストランで、デザートにトン...
ノルマンディー で趣味の陶芸を楽しんでいる友人からメッセージが入る。「好天続き。週末は海に繰り出す予定。遊びに来られたし。」 彼女 が、旦那の会社の都合で 日本駐在 から一年も経たずに 帰国 してから既に一年になろうか。以前は毎週末の様に会っていた大切な友人夫婦なのに、すれ違...
森を歩きながら、光と陰を追う。 木々の隙間から差し込む太陽の光が、地面に一筋の線を描く。地面が落ち葉で覆われていると、その部分だけ落ち葉が鮮やかな色に燃え立つ。地面に届く前に、小ぶりな枝があれば、太陽の光は濃厚な緑の葉を貫く。貫かれた葉は、葉脈まで見えるかのように透明感のある...
とても些細なことではあるものの、何か違和感を覚えていたところ、ぱっと霧が晴れるかのように問題が明確となり、それを解決した時の爽快感といったらないだろう。 問題解決の糸口は、実はちゃんとそこに転がっていて、それを見ようとするかしないかだけで、世の中が全く違って見えてくるのだから...
緯度が高いだけあって、フランスにおける日照時間の変化にはすさまじいものがある。日本のように、畳一筋分づつ日が短くなる、などという奥ゆかしいものではない。夏時間であることも影響して、既に朝6時半にして外は闇。バス停でバスを待つ間も、漸く東の空が薄っすらと明るくなり出すといったと...
こうも暑い日が続くと体が参ってしまう。森の中でも、空気が全く動いていない。こんな日は、トンカではないが地べたにへばって、土の冷たい感触を味わいたいもの。 散歩から帰ると、ぐっしょりと汗を掻いている。いつまでも猛暑が続く筈はないと思いながらも、げんなりとしてしまう。 ところが、...
ある事情からフランスの公的機関の某サイトに登録し、活用していた。確か2年前のことだろうか。そのサイトの運営会社から突然メールが入ったのだが、そのタイトルといったら物々しい以外の何者でもない。「ネット犯罪への注意喚起」。 当社のサービスプロバイダーがサイバー犯罪の標的となり、そ...
今年の夏は猛暑日が少なく、8月に入ると涼しくなってしまって、このまま秋に突入かしらと思いきや、意外にしぶとく、熾火が時々ぱっと燃えあがるかの如く、太陽がぎらぎらと大地を照らし、アスファルトは焼けた鉄板のように熱くなっている日々が戻ってきている。 それでも日照時間は明らかに短く...
小川のほとりに、赤まんまの群れを見つけた。ピンク色の粒々が愛らしく、そして懐かしく、つい手に取って一房頂戴してしまった。 我が家に戻り、空き瓶に水を入れて、赤まんまを挿す。 フランスの子供達も、赤まんまを摘んで、おままごとをするのだろうか。我が家のバッタ達はどうだったであろう...
未だ夏であることを思い起させるような暑い日となり、こんな時間に散歩に出てしまったことを恨めしく思いつつ、それでも元気に尻尾の先を威勢よくくるりと丸めて闊歩するトンカの後ろ姿を愛しく思いながら歩いていた時のこと。グレーのピットブル君が藪からさっと姿を現した。 彼とは何故か暑い日...
最近変な癖がついてしまって、夜中にふと目が覚め、つい携帯でメッセージを確認し、ツイッターの投稿を目で追ってしまい、気になると深追いをして、小一時間近く経ってから、また眠るといったことをしている。当然、翌朝の目覚めは芳しくなく、なんだか頭がぼーっとしている。 これは良くない、と...
原因は全く不明ではあるが、恐らく私の不徳の致すところに尽きるのだろうが、「クッカバラの囁き」がレーダーに全くひっかからなくなってしまった。 所謂「INポイント」のポイントがゼロに近く、このままでは無に帰してしまいそう。 もうちょっとだけ、囁き続けていきたいと思っておりますので...
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空港からはタクシーでホテルに向かうことになり、無秩序になんとなく客待ちをしているタクシーの群れの中にいたミニバンの一人とRajさんが交渉し、すぐに皆でそのタクシーに乗り込んだ。丁度ヒンドゥーの大きなお祭りの最中で、多くの人々は田舎に帰っていると説明を受けたように、通りにはシャ...
ルクラ入りした時には、ラメチャップから飛行機に乗っており、そのラメチャップにはカトマンズから車で半日かけて行った。帰りも、あのアップダウンの激しい山道を車で行くのかと思うと気が重かったが、なんとカトマンズまでの便が手配されていた。 体調の思わしくないAmmaのことを思えば、ひ...
Ammaにも相棒にも、予め慰労会のことを告げていたし、二人ともそれが重要な儀式であることを十分に理解してくれていた。微熱が続くAmmaは怠そうではあったが、そこは肝が据わっているし、出番となるとどんな状態であっても周囲の期待を裏切らずに、求められる役割を立派に果たすことに掛け...
ルクラのロッジで、未だ微熱があって寝ている相棒ではあったが、どうしても連絡をしなければならない方たちにメッセージを書いていた。部屋ではwifiが怪しげだったので、食堂に行って確実に送信して欲しいとお願いをされた。 お湯を貰いに行ったり、wifiコードを確認に行ったり、メッセー...
ルクラのロッジは、初めてルクラ入りした時に寄った場所だった。食堂には午後の便を待つトレッカー達で賑わっていて、のんびりとした空気が漂っていた。空港の目と鼻の先なので、飛行機の発着による騒音に悩まされるかと思ったが、二度ほど賑やかになっただけで、その後はひっそり閑としてしまった...
Ammaは時々鼻をかむために、立ち止まらねばならなかった。咳込むこともあった。それでも、弱音の一つ吐くでもなく、黙々と歩き続けた。歩くペースは、普段以上に遅くなったと思う。そうしながらも、Ammaは自分の足で歩くことを続けた。 私はと言えば、Ammaの後ろをのんびりと、これが...
令和六年 新年明けましておめでとうございます 皆皆さまにとりまして、幸せな一年となりますよう、ご祈念申し上げます 本年も引き続きどうぞよろしくお願い致します クッカバラ
Ammaの体調も振るわなかったが、相棒の体調も怪しげだった。二人には、私の病をバトンタッチしてしまったような思いがあったし、一方の私はすこぶる元気になっていた。ルクラまで、無事に歩いて行くためにも、出来る限りのサポートをしたかった。 そこで、荷物を一切背負わないように、私が二...
人にはそれぞれ矜持がある。母は45歳にして大学生3人を抱えた未亡人になるなんて、思いもよらなかっただろうし、しかも、亡くなった旦那の家業を継ぐことになろうとは、考えてもいなかったであろう。 3年間は父の話題を母にすることはご法度だった。母から話題にする分には問題がないが、子供...
パクディンのロッジでは、遅い昼食をAmmaと私のみでとったように記憶している。相棒の調子は、ここでも今一つで、確か早々に寝入ってしまったように思う。ダールバートに舌鼓を打つ私の傍で、Ammaは所謂チャーハンに、溶き卵をさくっと焼いただけのシンプルな卵焼きが定番となっているオム...
部屋に落ち着くと、ごんごんとしたドゥードコシ川の瀬音が耳に入ってきて、ああパクディンに戻って来たのだとの感慨が強くなった。寒空が広がる部屋の外では、もうすぐ日も暮れるであろうのに、男性が洗濯物をしていた。これから干しても乾くのだろうか。 夕暮れ時の凍てつく中、ナムチェのロッジ...
相棒は高熱は下がったものの、本調子ではなかった。まるで私の体調の悪さをバトンタッチして、引き受けてもらったようなものであった。実際のところ、本当にそうなのかもしれない。私がフランスから風邪のウィルスを持ち込んでしまったに違いなかった。 加えて気になったのが、喉がおかしいと言っ...
最初の計画ではタンボチェに行き一泊、その後キャンジュマまで下山し一泊、そしてモンジョに戻り一泊、としていた。それがタンボチェには行かずにナムチェに戻ってきたことから、予定していたロッジの手配を再度しなければなかった。 もちろん全てRajさんが手配してくれるので、我々は状況を教...
ナムチェを早朝の出発の時点では、37度に熱が下がっていた相棒であったが、次の宿泊場所のジョルサレで、夜になると39度5分という信じがたい数字が出てしまっていた。 シャンボチェの丘 で、私に抱きついて、感極まって泣いた時のことが急激に思い出され、どきりとした。まさか。 ひょっと...
冠雪のコンデ山群が見え始めて暫くすると、眼下にナムチェの家並みが見え、ほんの二日前にことなのに、ひどく懐かしく思われた。その日の朝から頭痛はすっかりとなくなっていて、足取りも軽やかに、それこそ飛び跳ねるようにしてカメラのシャッターを切っていた。 行き交うトレッカー達との挨拶も...
シャンボチェの丘を降りてナムチェに戻るのだが、若干距離的には長くなるが、直滑降になってしまう来た時の道を避け、比較的緩やかな道を下って行くとのことだった。実のところ、来た道を戻るのも悪くないとは思っていた。 人というものは、一般に進行方向にある景色を見て歩く。その意味では、通...
一日中寝ていたからだろうか。朝はかっきりと目覚めることができ、Ammaと相棒と一緒に、ご来光とまではいかないが、夜明けの気配が広がりつつある外の世界の扉を開けた。相棒は大切なブルーのクリスタルボールを抱えていて、いかにも彼女が放つ音の粒で朝をもたらすかのように意気込んでいる様...
Ammaと相棒がいつ部屋を出て行って、そして再び戻って来たのか、記憶にない。それでも、「お粥を作ってもらったわよ。」とのAmmaの言葉に驚いたことを覚えている。 Ammaは私が前夜頻繁に下痢でトイレに駆け込んでいたことを知っていた。何か食べないとエネルギーが湧いてこないし、こ...
Ammaと相棒が朝食に部屋を出て行ってから、何となく気配を感じてスリーピングバッグから這い出すと、ダウンを着てカメラを取ってトレッキングシューズを履いた。相棒が私の名前を呼びながら、窓の外を走っている姿が確認できた。 ビスターレ、ビスターレ。ふらつきそうな身体に活を入れ、それ...
リゾートの準備してくれた、自慢のセットメニューとやらをご馳走になろうかと皆で食堂に繰り出していった。Rajさん情報では、ミソスープやら白米が出てくるらしい。そんなの無理にいらないのに、と思うものの、それこそRajさん曰く、「リゾートなので、融通が利きません」とのことだった。 ...
空港からはタクシーでホテルに向かうことになり、無秩序になんとなく客待ちをしているタクシーの群れの中にいたミニバンの一人とRajさんが交渉し、すぐに皆でそのタクシーに乗り込んだ。丁度ヒンドゥーの大きなお祭りの最中で、多くの人々は田舎に帰っていると説明を受けたように、通りにはシャ...
ルクラ入りした時には、ラメチャップから飛行機に乗っており、そのラメチャップにはカトマンズから車で半日かけて行った。帰りも、あのアップダウンの激しい山道を車で行くのかと思うと気が重かったが、なんとカトマンズまでの便が手配されていた。 体調の思わしくないAmmaのことを思えば、ひ...
Ammaにも相棒にも、予め慰労会のことを告げていたし、二人ともそれが重要な儀式であることを十分に理解してくれていた。微熱が続くAmmaは怠そうではあったが、そこは肝が据わっているし、出番となるとどんな状態であっても周囲の期待を裏切らずに、求められる役割を立派に果たすことに掛け...
ルクラのロッジで、未だ微熱があって寝ている相棒ではあったが、どうしても連絡をしなければならない方たちにメッセージを書いていた。部屋ではwifiが怪しげだったので、食堂に行って確実に送信して欲しいとお願いをされた。 お湯を貰いに行ったり、wifiコードを確認に行ったり、メッセー...
ルクラのロッジは、初めてルクラ入りした時に寄った場所だった。食堂には午後の便を待つトレッカー達で賑わっていて、のんびりとした空気が漂っていた。空港の目と鼻の先なので、飛行機の発着による騒音に悩まされるかと思ったが、二度ほど賑やかになっただけで、その後はひっそり閑としてしまった...
Ammaは時々鼻をかむために、立ち止まらねばならなかった。咳込むこともあった。それでも、弱音の一つ吐くでもなく、黙々と歩き続けた。歩くペースは、普段以上に遅くなったと思う。そうしながらも、Ammaは自分の足で歩くことを続けた。 私はと言えば、Ammaの後ろをのんびりと、これが...
令和六年 新年明けましておめでとうございます 皆皆さまにとりまして、幸せな一年となりますよう、ご祈念申し上げます 本年も引き続きどうぞよろしくお願い致します クッカバラ
Ammaの体調も振るわなかったが、相棒の体調も怪しげだった。二人には、私の病をバトンタッチしてしまったような思いがあったし、一方の私はすこぶる元気になっていた。ルクラまで、無事に歩いて行くためにも、出来る限りのサポートをしたかった。 そこで、荷物を一切背負わないように、私が二...
人にはそれぞれ矜持がある。母は45歳にして大学生3人を抱えた未亡人になるなんて、思いもよらなかっただろうし、しかも、亡くなった旦那の家業を継ぐことになろうとは、考えてもいなかったであろう。 3年間は父の話題を母にすることはご法度だった。母から話題にする分には問題がないが、子供...
パクディンのロッジでは、遅い昼食をAmmaと私のみでとったように記憶している。相棒の調子は、ここでも今一つで、確か早々に寝入ってしまったように思う。ダールバートに舌鼓を打つ私の傍で、Ammaは所謂チャーハンに、溶き卵をさくっと焼いただけのシンプルな卵焼きが定番となっているオム...
部屋に落ち着くと、ごんごんとしたドゥードコシ川の瀬音が耳に入ってきて、ああパクディンに戻って来たのだとの感慨が強くなった。寒空が広がる部屋の外では、もうすぐ日も暮れるであろうのに、男性が洗濯物をしていた。これから干しても乾くのだろうか。 夕暮れ時の凍てつく中、ナムチェのロッジ...
相棒は高熱は下がったものの、本調子ではなかった。まるで私の体調の悪さをバトンタッチして、引き受けてもらったようなものであった。実際のところ、本当にそうなのかもしれない。私がフランスから風邪のウィルスを持ち込んでしまったに違いなかった。 加えて気になったのが、喉がおかしいと言っ...
最初の計画ではタンボチェに行き一泊、その後キャンジュマまで下山し一泊、そしてモンジョに戻り一泊、としていた。それがタンボチェには行かずにナムチェに戻ってきたことから、予定していたロッジの手配を再度しなければなかった。 もちろん全てRajさんが手配してくれるので、我々は状況を教...
ナムチェを早朝の出発の時点では、37度に熱が下がっていた相棒であったが、次の宿泊場所のジョルサレで、夜になると39度5分という信じがたい数字が出てしまっていた。 シャンボチェの丘 で、私に抱きついて、感極まって泣いた時のことが急激に思い出され、どきりとした。まさか。 ひょっと...
冠雪のコンデ山群が見え始めて暫くすると、眼下にナムチェの家並みが見え、ほんの二日前にことなのに、ひどく懐かしく思われた。その日の朝から頭痛はすっかりとなくなっていて、足取りも軽やかに、それこそ飛び跳ねるようにしてカメラのシャッターを切っていた。 行き交うトレッカー達との挨拶も...
シャンボチェの丘を降りてナムチェに戻るのだが、若干距離的には長くなるが、直滑降になってしまう来た時の道を避け、比較的緩やかな道を下って行くとのことだった。実のところ、来た道を戻るのも悪くないとは思っていた。 人というものは、一般に進行方向にある景色を見て歩く。その意味では、通...
一日中寝ていたからだろうか。朝はかっきりと目覚めることができ、Ammaと相棒と一緒に、ご来光とまではいかないが、夜明けの気配が広がりつつある外の世界の扉を開けた。相棒は大切なブルーのクリスタルボールを抱えていて、いかにも彼女が放つ音の粒で朝をもたらすかのように意気込んでいる様...
Ammaと相棒がいつ部屋を出て行って、そして再び戻って来たのか、記憶にない。それでも、「お粥を作ってもらったわよ。」とのAmmaの言葉に驚いたことを覚えている。 Ammaは私が前夜頻繁に下痢でトイレに駆け込んでいたことを知っていた。何か食べないとエネルギーが湧いてこないし、こ...
Ammaと相棒が朝食に部屋を出て行ってから、何となく気配を感じてスリーピングバッグから這い出すと、ダウンを着てカメラを取ってトレッキングシューズを履いた。相棒が私の名前を呼びながら、窓の外を走っている姿が確認できた。 ビスターレ、ビスターレ。ふらつきそうな身体に活を入れ、それ...
リゾートの準備してくれた、自慢のセットメニューとやらをご馳走になろうかと皆で食堂に繰り出していった。Rajさん情報では、ミソスープやら白米が出てくるらしい。そんなの無理にいらないのに、と思うものの、それこそRajさん曰く、「リゾートなので、融通が利きません」とのことだった。 ...