メインカテゴリーを選択しなおす
【感想】「教室が、ひとりになるまで」印象に残ったこと・考えたこと3選 〜人間社会で生きることの大変さが描かれる特殊設定ミステリー〜
1. はじめに マズラプです。257回目の投稿になります。 今回は、小説「教室が、ひとりになるまで」を読んだ感想を書いていきます。 教室が、ひとりになるまで (角川文庫) 作者:浅倉 秋成 KADOKAWA Amazon 本作品を読んで印象に残った以下の3つについて書いていきます。 ①種明かしに驚きと説得力のある特殊設定ミステリー ②人間社会を生きることの大変さと、そんな社会で生きていくために必要なこと ③どうしても触れておきたいシーン2つについて どちらかというと、作品の紹介というよりは、感想や感じた魅力を書いて発信することで、少しでも作者の方の励みになればいいなというような趣旨の記事になっ…
六人の嘘つきな大学生 [ 浅倉 秋成 ]価格:1,760円(2023/3/17 11:46時点)感想(12件) 成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。全員で内定を得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を空けると「●●は..
「六人の噓つきな大学生」で注目された浅倉秋成の最新作「俺ではない炎上」。 今回も読みごたえのある作品となってました。 【あらすじ】 外回り中の大帝ハウス大善支社営業部長・山縣泰介のもとに、支社長から緊急の電話が入った。 「とにかくすぐ戻れ。絶対に裏口から」 どうやら泰介が「女子大生殺害犯」であるとされて、すでに実名、写真付きでネットに素性が晒され、大炎上しているらしい。 Twitterで犯行を自慢していたようだが、そのアカウントが泰介のものであると誤認されてしまったのだ。 誤解はすぐに解けるだろうと楽観視していたが、当該アカウントは実に巧妙で、見れば見るほど泰介のものとしか思えず、誰一人として言い分を信じてくれない。会社も、友人も、家族でさえも……。 ほんの数時間にして日本中の人間が敵になり、誰も彼もに追いかけられ、ともすると殺されそうになる中、泰介は必死の逃亡を続ける 前作「六人の嘘つきな大学生」と同様に、物語の各章は登場人物のそれぞれの名前が冠されており、登場人物の視点を切り替えながら進んでいく構成である。 前作は就活のグループディスカッションという限定的な空間で進む作品でしたが、今回は自分のSNSを他人に悪用され、塗り衣を着させられたことをきっかけに炎上した事からの逃亡劇であるため、かなり広い空間表現であるため、前作とは異なる舞台設定であり、面白かった。 ただ、伏線回収は見事であり、読み終わることで理解する時系列や犯人の動機があきらかになり、非常に楽しめました。 また、家族/会社/取引先など各方面から見られる「自分」という部分も大きな要素になっており、読み終わった後「自分は各方面からどんな風に見られているんだろう?」「自分は各方面によってどんな風に振舞っているんだろう?」と考えさせられました。 ただ、前作は「絶対映像化してほしい!」と思ったのとは対照的に、小説だからこそ成り立つ物語だと思いました。 現在社会で問題となっているSNSの顔の見えない人間の暴力性を描いていて、物語として面白いのだが、映像化には演出家の腕がかなり試される作品かなと読んでいて思いました。
就職活動を経験した方は誰しもが感じる事を、グループディスカッションというワンシチュエーションでジェットコースターの様な展開を楽しめる作品です。 とあるIT企業の入社最終選考まで残った6人の就活生。 最終選考は当初、内容次第では全員が内定をもらえる可能性もあるグループワークであったが、直前に起こった震災の影響で突然採用枠が1つ変更されることが最終選考直前に就活生に知らされることとなり、それぞれの思惑が入り乱れていくという物語。 人の裏表をテーマにした作品のため、人間の悪い部分がクローズアップされていくのですが、悪い部分だけがクローズアップされるだけでなく、その人の異なる一面や、違う人の視点を入れていく事で、この手の作品にありがちな気分の悪くなるような着地ではなく、どこか爽やかな気分で読者を読み終わらせてくれる所がこの作品に支持が集まっている理由じゃないかと思います。 舞台、映画、漫画化が決定しているようなので、とても楽しみです。 作者の浅倉秋成氏は、「伏線の狙撃手」と呼ばれており、今後も別の作品を読んでみたいと思います。
ポンカスホラーを観続けること。 最近、少々しんどくなって、質の良い映画も観るようにしてます。 でも基本はポンカス。 そして小説をとにかく読み倒す! …