6人の嘘つきな大学生 【浅倉 秋成】
就職活動を経験した方は誰しもが感じる事を、グループディスカッションというワンシチュエーションでジェットコースターの様な展開を楽しめる作品です。 とあるIT企業の入社最終選考まで残った6人の就活生。 最終選考は当初、内容次第では全員が内定をもらえる可能性もあるグループワークであったが、直前に起こった震災の影響で突然採用枠が1つ変更されることが最終選考直前に就活生に知らされることとなり、それぞれの思惑が入り乱れていくという物語。 人の裏表をテーマにした作品のため、人間の悪い部分がクローズアップされていくのですが、悪い部分だけがクローズアップされるだけでなく、その人の異なる一面や、違う人の視点を入れていく事で、この手の作品にありがちな気分の悪くなるような着地ではなく、どこか爽やかな気分で読者を読み終わらせてくれる所がこの作品に支持が集まっている理由じゃないかと思います。 舞台、映画、漫画化が決定しているようなので、とても楽しみです。 作者の浅倉秋成氏は、「伏線の狙撃手」と呼ばれており、今後も別の作品を読んでみたいと思います。
2022/10/23 17:38