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2022/01/09

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  • 『にんじん』ジュール・ルナール 感想

    こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 にんじん色の髪の少年は、根性がひねくれているという。そんなあだ名を自分の子供につけた母親。それが平気で通用している一家。美しい田園生活を舞台に繰りひろげられる、残酷な母と子の憎みあいのうちに、しかし溢れるばかりの人間性と詩情がただよう。 ジュール・ルナール(1864-1910)はフランス西部に位置するマイエンヌで地元役人の父親のもとに生まれました。この父親は一般公共事業の請負業者で、のちに彼の出生地であるブルゴーニュ地方シトリー・レ・ミーヌに移り住んで市長となりました。反聖職者の共和党員であった彼に対し、母親は金物商人の家柄の娘で、敬虔なカト…

  • 『デカブリストの妻』ニコライ・ネクラーソフ 感想

    こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 十九世紀、ツァーリの圧政に抵抗し酷寒のシベリアへ流されたデカブリスト。その妻たちの美しい愛情をうたい上げた長篇叙事詩。 十六世紀より続いた皇帝(ツァーリ)による専横政治によって、ロシアでは上流貴族(ブルジョワ)による封建制と、地主貴族による農奴制が基盤となった社会が続いていました。国家は農奴たちを負担から逃がさないように罰則で土地に縛り付け、法的な土地緊縛を確立させていました。結婚の自由もなく、裁判権は領主に委ねられ、罰則は領主によって執行されるという、まさに奴隷的な処遇でした。また上流貴族(ブルジョワ)は、専横政治そのものに不満を抱き、引き…

  • 『深い河』遠藤周作 感想

    こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 愛を求めて、人生の意味を求めてインドへと向う人々。自らの生きてきた時間をふり仰ぎ、母なる河ガンジスのほとりにたたずむとき、大いなる水の流れは人間たちを次の世に運ぶように包みこむ。人と人との触れ合いの声を力強い沈黙で受けとめ河は流れる。純文学書下ろし長篇待望の文庫化、毎日芸術賞受賞作。 第二次世界大戦争を経て、それまで隆盛していた日本の文学は大きく変化しました。空襲によって与えられた凄惨な経験と、戦禍によって与えられた精神への強烈な苦痛は、文学という形を通して新たな思想や哲学となり、第一次戦後派という思潮を生み出しました。その後、復興に伴い流れ…

  • 『終わりよければすべてよし』ウィリアム・シェイクスピア 感想

    こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 前伯爵の主治医の遺児ヘレンは現伯爵バートラムに恋をしている。フランス王の難病を治して夫を選ぶ権利を手にし、憧れのバートラムと結婚するが、彼は彼女を嫌って逃亡、他の娘を口説く始末。そこでヘレンがとった行動は──。善と悪とがより合わされた人物たちが、心に刺さる言葉を繰りだす問題劇。 この作品は1601年から1606年の間とされており、一般的にシェイクスピア作品のなかで「問題劇」と呼ばれる『トロイラスとクレシダ』及び『尺には尺を』などと共に括られています。三作どれもが、暗く苦い笑いと不愉快な人間関係を軸に描かれており、これはシェイクスピアの喜劇時代…

  • 『ヴェローナの二紳士』ウィリアム・シェイクスピア 感想

    こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 本作『ヴェローナの二紳士』は、シェイクスピアが執筆した最初の喜劇と言われています。劇中には、女性の男装や情欲の森など、彼が後の作品に活かす発想が随所に現れています。舞台となるイタリア北部にあるヴェローナは『ロミオとジュリエット』でも知られています。 ヴェローナの紳士であるヴァレンタインとプローテュースは、互いに固い友情を交わし、何事も隠し事のない強い絆で結ばれていました。しかし恋愛についての考え方は正反対で、ヴァレンタインはそのようなものに関心を持つことができず、見識を広めたいという思いからミラノ公爵のもとへと旅立ちます。反してプローテュース…

  • 『タイタス・アンドロニカス』ウィリアム・シェイクスピア 感想

    こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 ローマの帝位継承権を争う前皇帝の息子兄弟。そこにゴート人との戦いに勝利したタイタス・アンドロニカスが凱旋帰国し、市民の圧倒的支持により皇帝に推薦されるが……。男たちの野望に、愛情・復讐心・親子愛が入り乱れたとき、残虐のかぎりが尽くされる……。シェイクスピアの作品では異色の惨劇。 ウィリアム・シェイクスピア(1564-1616)は、劇作家として活躍する初期の1588年から1593年の間にこの劇を書いたと考えられています。『タイタス・アンドロニカス』は、彼の作品のなかで最も暴力的で血生臭い作品の一つであり、名誉の力と暴力の破壊的な性質を題材として…

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