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2015/07/30

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  • 桜舞い散る交差点

    右折が嫌いだ。対向車線の流れを把握しつつ、辺りに歩行者がいないことを十分確認して右折を始めたとしても、交差点を曲がり切ろうとしたところで、逆走する自転車が突っ込んでくることだって有り得る。だから私は右折の際はいつも、おおげさに身体を捻って右斜め後方を目視するようにしている。先程から右折待ちをしているが、対向車線の流れが全く切れない。私が先頭で入った右折レーンだったが、今や後ろに何台もの車を従えてし...

  • 青いレーンの占有者とフルフェイスの効用

    クロスバイクを愛用してかれこれ20年近くになる。原チャリを持たない私にとって、クロスバイクが日常の足替わりだ。本格的なロードバイクならいざしらず、乗り始めた当時はクロスバイクのヘルメットや車道走行は奇異な目で見られる対象だったが、今や努力義務だったり道交法で明確に規定されていることが知られるようになり、随分と走りやすくなった。今朝、自転車専用と書かれた青色のレーンをクロスバイクで走っていると、後ろか...

  • シングルとツインの協奏曲

    一夜明けると一斉に花が咲き、ハンカバが外れた。そしてインナージャケットも脱いだ。冬の間かじかむ両手を守ってくれたハンカバだが、これを外した途端、レバーを握る指が軽くなったように感じる。冬の間ウエア内の暖を逃がさないでいてくれたインナージャケットだが、これを脱いだ途端、シートの上でダンスだって踊れるほど体が軽くなったように感じる。冬の間海に浮かんでいた富士山も霞に隠れてしまう春だけれど、軽くなった身...

  • 悔し涙はXSRを駆って吹き飛ばせ

    一平ちゃん、それはないぜ。あなたのことも大谷さんのも、僕が見ている二人の姿はメディアが作り上げた虚構だということは分かっている。一皮むけば、そこに生身の人間がいることは重々承知の上で、僕は夢を見ていたんだ。それでも一平ちゃん、それはないぜ、嘘だと言ってくれ。きっと一平ちゃんは違法賭博の胴元に嵌められたんだ。そもそも奴らは一平ちゃんの借金なんて、屁とも思っちゃいない。100万ドルだろうが1000万ドルだろ...

  • 愛車の魂が宿る黒い箱

    XSR700に跨り視線を落とすと、そこには小さな丸いメーターが一つある。ブラックアウトした車体に載る白いタンク同様、このメーターもキーを回せばブラックの背景に白字がくっきりと浮かび上がる。小ぶりなメーターだが走行中には必要な情報を確実に届けてくれるし、小ぶりであるが故に、無用に視界に出しゃばってくることもない。最近流行りの大型液晶カラーメーターと比較するとその存在自体はとても奥ゆかしいが、その奥ゆかしさ...

  • XSR700とサイドバッグと僕

    普段のツーリングでは、XSR700にサイドバッグを一つぶら下げて走っている。このバッグは愛車がW400だった頃に4万kmを共にした品なので、見えない部分に所々痛みが出ているが、外観だけをみれば長年風雨に晒されてきたとはとても思えない。取り付けには少々のコツと時間が必要だ。シートを外した状態でバッグの付属ベルトをシートレールをくぐらせ、ベルトホールに尾錠を通したら、最後にバッグ下部のリングとサイドバッグステーを...

  • 愛妻選びと愛車選び

    大谷さんが結婚を発表した日、妻に大谷さんと結婚したかったかと訊ねると、迷う表情もみせることなく私はあなたを選ぶわと答えた。球威、飛距離とも大谷さんには若干劣る私だが、お嫁さん選びなら決して負けてはいない。一方、私のバイク選びについてはどうだろうか。XSR700を手に入れるまで、愛車選びの期間は実に3年以上に及んだ。長期化の最大の要因は、途中コロナ禍もあり、自分自身のバイクライフに対する展望が見えなくなっ...

  • 年収10倍になった時に乗るバイク

    ライダーなら誰しも自分の愛車が最高のバイクだと思っていることだろう。しかし、年収が今の10倍になったらどんなバイクに乗りたいかと問われた途端、迷いが出てくるのではないだろうか。もし私に同じ問いが投げかけられたなら、その瞬間BMWのR nine T Scramblerが頭をよぎるかもしれない。先日R nine T Scramblerをじっくりと眺める機会に恵まれたのだが、水平対向2気筒エンジンの存在感は言うまでもなく、都会的な高級感を漂わせ...

  • 昭和の常識は令和の非常識

    ドラマ『不適切にもほどがある』が話題だ。主人公である昭和の中学校教師が、タイムマシンに乗って昭和と令和を行ったり来たりしながら、昭和の常識が令和の非常識になっていることに戸惑うコメディだ。私はドラマが紹介する昭和の時代に中学、高校生活を送った。私が通っていた中学は、全国で校内暴力の嵐が吹き荒れる中、厳しい部活と体罰で生徒を締め付けることで、管理教育の面子を保とうとしていた。休日も無く朝から晩まで部...

  • 背中で語りかけるライダー

    ツーリング先でライダーから声をかけられることは殆どない。そもそもライダーが集まるような場所には近寄らないし、たとえ間違ってそういう所へ足を踏み入れたとしても、私の背中には声をかけてくれるなオーラが漂っているだろう。干潟が広がる探鳥地で、カメラ女子に声をかけられた。彼女はカメラの腕を磨くために、干潟の風景を撮りに来たのだそうだ。カメラ女子が遠くで群れる鳥の名を聞いてきたので教えてあげると、嬉しそうに...

  • アナログな世界に生きるバイク乗り

    ユニクロのセルフレジはとても賢い。まずは商品についたICタグを読み込むため、買い物カゴを大きなくぼみの中に入れる。次にユニクロアプリの会員コードを読み込ませるため、スマホをバーコードリーダーの下にセットする。続いてレジがここのモールの会員ではないのかと聞いてくるので、慌てて財布から会員カードを抜き取り端末に通す。するとカードをスライドさせる向きを間違えてしまったらしく、もう一度やり直せと催促される。...

  • バイク乗りのロック魂

    散歩の帰りだろうか、おばあさんがコロコロと押してきたショッピングカートを、ガレージの手すりにチェーンロックでつないでいる姿を見かけた。カートの盗難対策はこれで十分だと思うが、窃盗団の興味はその隣に鎮座するレクサスにあるのではないだろうか。手すりにつながれたショッピングカートは滑稽に見えるかもしれない。しかしおばあさんにとっては、息子のレクサスなんかより、カートが運んでくれた思い出の方がずっと大切な...

  • 新春キャンプツーリング 絶望からの旅立ち

    今回は「新春キャンプツーリング」記事の第3弾(最終回)です。 【第1弾記事】へのリンク 【第2弾記事】へのリンク前回記事では、何とかXSRを引き起こし安堵したのも束の間、クラッチレバーが大きく曲がっていることに気づき、茫然としているところまでを書きました。果たしてXSRは再び走り出すことができるのか、ぜひ最後までお付き合いくださいませ。<<<前回からの続き>>>XSRにまたがりハンドルに手を伸ばしてみたと...

  • 新春キャンプツーリング 再び襲う悲劇

    前回記事では、バイクを降りて歩き始めたところで大きな音が響き、後ろを振り返ってみると愛車が横たわっていたというところまでを書きました。今回記事は愛車を引き起こすべく四苦八苦しているところから再開します。<<<前回からの続き>>ヘルメットを脱ぐことも忘れて愛車に駆け寄ってはみたものの、ガードレールが邪魔をして引き起こしのための足場を確保することが出来ない。腕力だけではどうにもならない。助けを呼ぼうに...

  • ライダーとしての素養が問われる新春キャンプツーリング

    私のバイク乗りとしての素養は、甚だ危ういレベルにある。そのため過去の愛車には大型のエンジンガードを装着することで、再三にわたる立ちごけにおいても被害を最小限に抑えてきた。しかし現在の愛車であるXSR700ではその完成されたデザインが崩れることを嫌って、エンジンガードをつける予定はない。よってライダーとしての素養の無さを気合と根性でカバーすることで、立ちごけを阻止していかねばならないのだ。ここまでを読んで...

  • エキパイから伸びる配線の謎

    その造形に惚れこんで愛車にしたXSR700だが、もうそろそろ熱も冷めてくる頃かと思いきや、走行距離が延びるに連れ、一つ一つのパーツが織りなす曲線に至るまで愛でる時間が増えてきた。そんなパーツ類の美しさを称する呼び方に「機能美」という言葉があるが、その代表格にXSRのエキパイから伸びる配線が挙げられる。メカ音痴の私であるが故、その配線の機能について語ることが出来ないにもかかわらず、これぞ機能美と無責任にも思...

  • 表参道に挑むライジャケ

    ハーレーのⅩ350/Ⅹ500が話題だ。「これがハーレー?」とか「しょせん中国製」といった雑音には耳を貸さず、まっさらな目で見てみると、コスパのよい恰好いいバイクのように思えてくる。オーナーはハーレーの魅力に取りつかれて、早々にナイトスターにステップアップするだろうから、買うとするならそんなオーナーが手放してレッドバロンに流れてきた中古が狙い目だ。そうすれば、ランニングコストも含めてコスパの良いバイク...

  • 鉄条網を飛び越えるXSR700

    XSR700を走らせていると、あたかも自分が映画「大脱走」でトライアンフを駆るスティーブ・マックイーンになったかのような気分になると以前の記事で書いた。XSRの腰高なポジションがそんな幻想を抱かせてくれる訳だが、本当にマックイーンが劇中で跨ったのも腰高なバイクだったのだろうか。「大脱走」は子供の頃から放送がある度に画面に食い入るようにして観ていたので、野球グローブをはめたマックイーンが、独房の壁に向かって...

  • ブーバイク10周年を襲うサプライズ

    バイク系ポッドキャストの「ブーバイク」が、放送開始から10周年を迎えた。『この番組は、岡山県在住のハンドルネーム

  • 愛車への熱量と趣味の世界

    ライダー歴も10年を優に超えたので、バイクへの熱量も落ち着いたと思っていたが、XSR700を愛車にして以降その熱が再燃してきた。バイクに乗り始めた頃にも、これと同じような熱を感じていた。当時趣味と呼べるほど熱中していたものがバイク以外に無かったため、毎週末W400を走らせることが出来た。一方、今は愛車のエンジンフィールが常に恋しい点においてはあの頃と同じだが、毎週末愛車を走らせているわけではない。なぜなら趣味...

  • シグナルダッシュの勝者は誰だ

    バイクは私の大切な趣味だ。折角の趣味の世界に無粋な競争やヒエラルキーは持ち込みたくないので、独りでバイクを楽しんでいる。だから排気量マウントとも無縁で過ごし、穏やかな心でこの趣味を満喫している。XSR125の国内発売が正式発表された。我が愛車XSR700の弟分だ、売れるに決まっている。しかし街中で沢山のXSR125を見かけるようになれば、中には下品な乗り方をする奴も現れるだろう。そんなXSR125野郎には、信号待ちで並ん...

  • XSR700から外れた部品の謎

    自宅ではバイクに必ずカバーをかけるようにしている。カバーを外す際に、安眠を妨げられたクモが恐慌を起こして右往左往している様を見るのは、なかなか楽しい。楽しんでばかりでは申し訳ないので、そっと捕まえて草むらの方に放り投げてやる。先日ツーリングに出発しようとバイクカバーを外そうとしたところ、その日はクモではなく小さなプラスチック部品が転がり出てきた。メカには疎い私だが、バイクカバーの中から現れたのだか...

  • ツーリングの充足と喪失

    今も学生達が使っている暗記用のチェックシートとペンのセットが発売されたのは、確か私が中学生の頃だったか。クラスメイトがこぞって使い始め、私も遅れまいと教科書を赤色のペンで塗りまくった。そうやって臨んだテストの結果は散々だったが、「たとえ時間がかかっても地道な努力に勝るものは無い」という教訓を得られた事がせめてもの救いだった。暑かった夏に引きずられているのか、今年の秋は冬に向かっている気配を感じない...

  • XSR700が落ちこぼれの愛車になる時

    XSR700が納車された際、足付きの悪さに冷や汗をかいた一件は以前の記事にも書いた通りだが、他にも少々驚いたことがある。納車手続きが終わり、緊張の面持ちでディーラーをあとにしてXSRを走らせたのだが、交差点で止まろうとブレーキをかける度に、意図せずアクセルを空吹かししてしまうのだ。おまけにクラッチはMT-09と比較しても明らかに重く、ちょっとした渋滞に遭遇しただけで左手が攣りそうになる。最近のバイクに自分の身体...

  • 美しいライディングの極意

    バイクに乗り始めてから、ずっと続けてきたことがある。それは交差点で停止線ピッタリにバイクを止めることだ。オーバーランは論外、停止線と前輪の間に数センチだりとも余白を生じさせない事を目標に、バイクをスムーズに停車させるのだ。バイクの挙動も最小限に、停止線ピッタリに止まることが出来ると、気分は上々である。ブレーキングの上達を目指して始めたこの停止線チャレンジ、スキル向上に寄与したかは不明だが、ツーリン...

  • XSR700の旅バイク性能と壁の乗り越え方

    キャンプツーリングを楽しむ人が増えた。バイクは趣味の中でも始めるにあたって特にハードルの高い部類になると思うが、一度高い壁を乗り越えてしまった人にとって、キャンプを始めることぐらい造作でもないのかもしれない。これまでずっとキャンプツーリングにはTANAXのキャンピングシートバッグ2を使ってきた。バイクがW400からMT-09に変わった際、MT-09のショートテールのシートに、はたしてこの巨大なバッグが乗るだろうかと...

  • XSR700が売れない理由

    MT-09の初期型が登場した当初、半日のツーリングで6度もMT-09とすれ違ったことがある。とにかく当時MT-09はバカ売れしていた。それに引きかえXSR700は、これまで銀色のタンクの初期型を一度見かけたことがあるだけだ。惚れこんだデザインを抜きにしてもXSRはとても良いバイクだと思うが、そんなXSRが売れない理由を考えてみたい。【その1】シート高の威圧的な値「このバイクの排気量は?」と尋ねられても正確な値を知らないが、シ...

  • 物を大切にするキャンパーとライダー

    多くのキャンパーは、テント設営と同時に寝袋やマットのセットも済ませるだろう。その理由は沢山食べて(あるいは呑んで)眠くなった時に、そのまま寝られるようにしておくためだ。当然私も同様だが、そもそも私のマットは浮き輪のように空気を吹き込んで使用するタイプ故、酔った状態でそれをするのは至難の業であり、昼の間に膨らませておくことが必須なのだ。先日のキャンプでも寝床は準備万端で夜を堪能し、そのまま寝袋に潜り...

  • XSR700のスタイルを守り通す猛者として生きる

    XSR700を購入する際、最後まで競合したのがW800だった。XSRにした決め手は「ヘッドライトは小さな丸目が良き」であった。当時の私の熱い拘りだが、あれから5カ月経った今は「W800の大きな丸目こそ至高」と自信をもって言える。XSR購入直後にツーリング先の湖畔ですれ違った大きな丸目は、それぐらいインパクトが大きかった。そんな訳で、大きさには拘らず「シングル丸目」の信者としてXSRに乗り続けることになったのだが、この丸目...

  • 立ちごけの無いバイクライフ

    ベランダでひっくり返って手足をバタバタさせているカナブンを救った。それも立て続けに3匹も。いずれのカナブンも恩人である私を振り返ることなく飛び立っていったが、私はカナブン様の恩返しを待っている。当初戦々恐々としていたXSR700の足付きだが、すっかり慣れてしまった。ゆえに今のところXSRと共にひっくり返って、手足をバタバタさせたことはない。と、油断した頃が一番危ない。そもそも、足つき楽勝だったMT-09で何度ひ...

  • XSR700愛に負けないブログ愛

    前回の記事「こんなはずではなかった編」では、愛車にしてみて初めて分かるXSR700の不出来な部分を整理してみた。大切な愛車の不出来について胸を張って語れるということは、それを補って余りある素晴らしさが存在するということである。XSR700の購入に踏み切った理由の一つが軽さだった。前の愛車MT-09と比較して、車格も排気量も小さくなるので当然軽くなるだろうと思い込んでいたのだが、納車を待つ間にスペック表を確認したと...

  • XSR700購入検討者に捧ぐ(こんなはずではなかった編)

    新しい相棒となったXSR700だが、前回の記事で説明した通り完全に一目惚れの衝動に駆られて購入に踏み切ったので、試乗はしていない。愛車選びは結婚のようなもの、「勢い」が大切なのだ。但し見た目に惚れたXSR700だが、何度かツーリングに連れ出したところ、その性格も私との相性も期待を遥かに上回るものだった。具体的には追々記事にしていきたいと思っているが、今回はそれとは反対に「こんなはずではなかった」という部分に焦...

  • 次期愛車選びの最終章

    前回の記事に書いたように3年以上続いた次期愛車選びが終結した。新たな相棒は、このブログで紹介してきた愛車候補には一度も登場しなかった車種だ。それほどこのバイクに関心を持ってから納車迄があっという間だったのだ。散々迷走した私の愛車選考は、2023年に入った時点では「CRF250 Rally」と「W800」が最終候補として絞り込まれていた。さて2台が残ったものの、軽さやキャンプへの対応力で「Rally」にするか、もしくは重さは...

  • じゃじゃ馬を御せなくなったライダーの末路

    異性に別れを告げるより、告げられる方が多い人生だった。それで良かったと思っているのは、負け惜しみだろうか。フラれた場合とは違い、自分から別れを切り出した時の思い出は、今も心の底に苦く黒い塊になって沈んだままだ。遂にMT-09に別れを告げる時がやって来た。1カ月前にオーダしていた新しい愛車は「納期未定」ということだったので、MT-09との別れはまだずっと先だろうと高を括っていたのだが、なしのつぶてだったディー...

  • 裏切ったのはタイチか私か?

    コロナ禍の間の忌まわしい思い出といえば、1カ月に2度も立ちごけをしたことだ。それ以来バイクに「乗れていない」感覚が払しょく出来ないでいたのだが、最近になって漸く「乗れている」感が蘇ってきた。先日も古風なガニ股ライディングスタイルの原2スクータをぶっちぎってやった。これで私の「乗れている」感は完全復活と言っていいだろう。ミラーからガニ股が消えた後も快走を続けていると、完全復活を祝うかの如く突然爽やかな...

  • シティ派ライダーは落とし穴に気を付けて

    シティ派の大人のライダーとしてバイクに乗り続けてきた私である。バイクでキャンプや鳥見など、コロナ禍の間だけのお戯れだ。Withコロナが定着した今こそ、以前のようにバイクで街を駆け巡り、おしゃれなカフェ情報等をブログで発信しなければならない。街乗りではヘビーデューティーなトレッキングブーツではなく、ブラウンが鈍く光るワークブーツを履いて。どうにもこうにもシルエットが決まらないライジャケは、目的に着いたら...

  • 愛用グローブと断捨離

    引越しの混乱の中、行方不明になってしまっていた夏用のメッシュグローブだが、猛暑到来に間に合わせるようにして、その姿を確認することができた。何度も風雨に晒されたおかげで、かなり色褪せてしまったが、しっかりと手に馴染んでいるので、そう簡単には手放せないのだ。そんな愛着あるグローブは、前愛車W400時代に愛用していたサイドバックの中で発見された。今では使い道が無くなってしまったこのサイドバッグは、引越し先の...

  • 昭和、平成、令和を生きるバイク乗り

    伊東四朗の現在を伝えるドキュメンタリー番組を観た。舞台にテレビ、ラジオと、仕事に真摯に向き合うその姿は、「老いてもなお」という言葉がピッタリだった。画面の中で今にも「ニン」と言い出しそうな伊東四朗を見ていて、若かりし頃に観た映画「稲村ジェーン」を思い出した。ビッグウェーブを待ち焦がれる波乗り達の青春を描いた映画にもかかわらず、サーフィンのシーンが全く出てこないで有名な、あの映画だ。その映画に伊東四...

  • 能面たちの免許センター

    引越しは終わったが、残務整理は終わらない。今朝は、ご無沙汰していたMT-09のご機嫌伺いも兼ねて、住所変更のため免許センターへと向かった。昭和は遠くなりにけりだが、休日の免許センターの混雑だけは、令和の時代も変わらない。センターの外は、施設内に入りきれない人達で溢れかえっており、皆一様にスマホに目を落としながら、自分の整理番号が呼ばれるのを待っている。私は住所の変更だけなので、整理券無しでもそのまま施...

  • 青春も終わりかなと思ったら泣けてきたバイク乗り

    引っ越し先にバイクを自走で移動させるため、リュックに入れたバイクカバーとロックを背負って、さあ出発という時、「ここの駐輪場からバイクを走らせるのも、これで最後なんや」と思ったら、泣けてきた。「こんなところで涙流しとったら、バイクなんか買い替えられへんやんけ」と自分に呆れながら、ディスコ帰りに、これで青春も終わりかなとぶやいて涙した女性をBOROさんが歌っていたのを思い出した。古い歌の一節に励まされるよ...

  • 母の日のバイク乗り

    病を患っていた母の体調が急変したとの知らせを受けて、取るものもとらず列車に飛び乗ったのは20年前だ。かなり動揺していたはずだが、特急に乗り換える前に、駅弁だけは忘れずに買った。その日選んだのは、いつも通り、私の好きな鶏の煮こごりの弁当だった。そして普段と同じように、車窓から街の風景が消え海が見え始めた頃に、弁当の蓋をとり、箸を手にした。その時は、とにかく普段と変わりなく振る舞っていれば、悪い事は起こ...

  • Zには見向きもしないZ世代ライダー

    以前と比べて、明らかにソバの量が減っていて、悲しくなった。先週のキャンプツーリングで、約2年ぶりに訪れた焼きそば屋でのことだ。ソバの量はともかく、コロナ禍においてもしっかり営業を続けて下さった事に感謝しなければと思い直し、ゆっくりと噛みしめながら焼きそばをいただくことにした。私が焼きそばに口をつけ始めてすぐ、続けざまに二組のお客が入ってきて、小さなそのお店はあっという間に満席となってしまった。私の...

  • 雨の匂いとキャンプツーリング

    最近の私を評して「コベは野鳥に心を奪われ、バイクには見向きもしなくなった。」と言い放った者がいるが、それは間違いだ。野鳥に夢中になっていると見せかけて、実は野営地でバードウォッチングを楽しむ鳥見キャンプツーリングで、バイクの新たな可能性を探求しているのだ。但し問題がある。最近のキャンプには、予約が必要なのだ。勝手気ままに旅ができるのが、キャンプツーリングの利点だったはずだが、ブーム到来のせいで本来...

  • バイクを降りる理由

    近々に転居しなければならない。本来であれば転居先は伊豆あたりが望ましいが、その選択をすれば、同時に無職という肩書がついてくる。伊豆が叶わぬ夢なら、せめて今よりもっと便利な場所でと探し始めたはいいが、驚いた事にそのような物件にはバイク置き場が無いというのだ。ここ1、2年、バイクで走る距離はめっきり減ってしまった。丁度バイクから降りる潮時を迎えたという事か。いや、走る距離は短くなったが、バイクに跨る回...

  • 私だけのモーターサイクルショー

    とても驚くべきことが起こった。東京モーターサイクルショーで、HONDAブースへの入場が2時間待ちになってしまったことか?違う。私の次期愛車選びだが、性懲りもなく、また新たなバイクが気になり始めたのだ。読者の皆様からの「コベはネタに行き詰ると、愛車選びの話に飛びつく」という声は無視することにして、これまで候補に挙がった車種を振り返ってみたい。確か最初はツーリングセローから検討を始めたように記憶している。こ...

  • 愛車に捧げたいラストピース

    遂にHAWK11が発表された。アフリカツインのエンジンを流用した、ホンダが満を持して投入するスポーツバイクだ。気になる値段は不明だが、同じアフリカツインの派生車種NT1100の価格168万円が参考になるだろう。仮にこれだけの札束を用意しようと思うと、「HAWK11が無いと僕死んじゃうかんね」と思える程には惚れこんでおく必要がある。ロケットカウル周りのデザインは秀逸で、一目見た瞬間に「僕死んじゃうかんね」となりかけたが...

  • 彼女が選ぶバイクと高原ホテル

    花粉だ黄砂だ、くしゃみの季節だ。野鳥に気付かれぬよう、息を殺して身を潜めていても、くしゃみ一つで台無しだ。その点、バイクはいい。ヘルメットの中なら、思いっきりくしゃみをしても誰にも迷惑はかからない。今日はくしゃみのせいで野鳥探しが捗らず、昼食が遅くなってしまった。駐車場を見てガラガラだと決めつけて飛び込んだ食堂だったが、暖簾をくぐると30分待ちと言われてしまった。どうやら私が見たのは裏手の第二駐車場...

  • ETC前夜の思い出

    来月から始まるバイクの高速道路の料金割引は、土日祝日限定で要事前申込み、更には1度の乗り入れで100km超の走行距離が必要になる等、全くもって期待外れな内容だ。もちろんバイクにETCが搭載されていなければ、割引の恩恵は受けられない。最初の愛車だったW400には、しばらくETCを付けていなかった。劣等生のまま教習所を卒業した私にとって、高速道路の走行はあまりにも敷居が高かったからだ。納車から半年が経ち、いよいよ初め...

  • バイク乗りとつながりたくないブログ

    私は閉鎖的なバイク乗りだ。他者を懐深く受け入れるということをしない。ライディングは勿論、バイクを降りた後の振る舞いに至るまで、私が描くライダー像からはみ出る行いは許容できない。些細な例を挙げれば、サービスエリア等に集うライダーの集団はとても苦手だし、タレントのGのように、両足のつま先を外に向けたまま走るライダーとは、決して一緒に走りたくない。「こちらこそ、ハンカバをつけるようなライダーとは一緒に走...

  • 初心者にお薦めするツーリングルート

    バイク乗りを長くやっていれば、天気予報など見なくとも、空を見上げただけで雨が近づいていることぐらいは分かる。今朝もそんな空の変化に気付いたので、鳥見を早々に切り上げ、まだ道端に雪が残る県道を自宅に向かって急いでいると、一台のバイクに追いついた。これもバイク乗りの直感だが、前を行くバイクがどうにも気になる。こちらに向かって突き出るように見える2本のキャブトンマフラーは、Kawasakiが生んだ名車W650の証だ...

  • シグナルダッシュにおける勝負の心得

    バイクに乗っていると、不思議に思うことがある。信号待ちからのスタートダッシュでは、他のバイクより早く出られたことが無い。これは、信号が青に変わっても、必ず一呼吸おいてからアクセルを捻るという教義を守っているからで、驚くことではない。本当に不思議に思うのは、ここからだ。例えば、信号待ちから先に出たのが原二のスクーターだった場合、スタートでつけられた差ぐらいは、私が駆るMT-09をもってすればすぐに追いつ...

  • 見失った道の先にあるツーリング

    鳥見ツーリングで向かう先は、多くの場合、沼や湿地等の周辺に葦原や藪が広がっている場所だ。これまでなら、目的地どころか立ち寄りすらしないような場所を目指すのだから、当然道に迷う。先日も完全に道をロストした挙句、開拓民が原野を切り拓いた頃から変わっていないような、細く曲がった道が複雑に入り組むエリアに飛び込んでしまった。これまでなら、庭先に出ている地元の人に道を尋ねつつ、迷路からの脱出ゲームを楽しむと...

  • 真冬の愛車事情

    冬鳥達が続々とやってきてくれるおかげで、休日は早朝の探鳥地巡りに忙しい。今年の寒さは冬キャンプで鍛えた私をもってしても厳しいものだが、鳥見の為にモンベルで揃えたアウターとミドルウェアはとても優秀で、これまで鳥を探しながら寒いと感じたことは殆どなかった。自宅と探鳥地の間の移動では、アウターをRSタイチに代えて走るのだが、ミドルウェアの方はバイク用としても申し分ない力を発揮してくれている。そのような訳...

  • 愛があれば交通社会の問題は全て解決

    遠くない将来、企業経営は勿論、国家行政の差配すら、どこまでをAI(人工知能)に委ねるべきかという議論が起こるだろう。人は己の知識に基づいて事態に対処するが、AIはディープラーニングによって得た無限の知識から、瞬時に進むべき道を導き出すのだ。運転席すら必要としないAIによる完全自動運転は、技術的には実用可能な段階まで進んでおり、あとは倫理的課題の解決や、法制面の整備を待つのみである。渋滞の長い車列を横目に...

  • バイク系ブログとしての宣誓

    ツーリングに出てもバイクの写真を撮らなくなってしまった。そもそも行き先が探鳥地なのだから、現地に到着する迄カメラの出番がやってこないのは仕方がないとして、ツーリングでは遠回りしてでもワインディングを走っていた習慣も一緒に無くしてしまったようだ。年末のキャンプツーリングでは、そんな状況を何とかしたくて、千葉県が誇る日本一低い山並みを縫うようにして走り回った。久しぶりに走るワインディングはどこまで行っ...

  • キジはいなかったキャンプツーリング

    年の瀬の慌ただしさを縫うようにして、鳥見キャンプツーリングに出た。陽が高くなっても全く気温が上がらず、寒さに震えながら到着したキャンプ場の受付で、薪の値段が750円と聞いて、一瞬聞き間違えかと思った。ここは初心に戻って枯れ木を拾い集めることも考えたが、鳥見の時間を削ることは許されないため、金で時間を買うことにした。ちなみにここのサイト代は、薪一束より安い。キャンプ場の営業部長を呼び出して、事業の継続...

  • イブの夜をバイクで走る勤労者

    イブの夜、サンタやトナカイ達がご馳走を載せたスクータに跨って、忙しそうに街を駆け回っていた。右折しようとしていたサンタは、目の前の信号が赤になると見るや、突如ハンドルを右に切って、歩道に乗り上げたかと思うと、しばらく歩道を滑走した後、そのまま車道に復帰した。トナカイは働き過ぎで自慢の赤鼻が役に立たなくなったのか、左手に持ったスマホで行先を確認しながら、夜の闇へと消えて行った。いずれの芸当も、ゴール...

  • バイクへの愛に気付いた話

    次期愛車選びが長期化している私に対して、以前からR1250GSを強力に推す友人がいる。最初にGSを勧められた時は、冗談だろうと聞き流していた。しかし会うたびにGSの素晴らしさを熱弁する彼をみるにつけ、どうやら彼は本気で私がGSを購入すべきだと考えているようだ。なんでも日本向け車両にはローシートがラインナップされているため、その点の問題は一切ないらしい。確かに値は張るが、1台のバイクを長く愛せるであろう私なら、買...

  • 幸せを呼ぶライダー

    若い頃、飛行機を乗り継ぎながら、米国の主要都市を数週間かけて回ったことがある。現地では、日本人と殆ど出会うことが無かった。私の英語力といえば、本場のサブウエイで、マスタードをたっぷり入れて欲しいということを、店員に伝えるのがやっとという有様で、精神的に辛い数週間だった。ようやく迎えた帰国の日、成田行きの搭乗を待つロサンゼルスの空港で、数週間ぶりに見た日本人の女性達は、荒れた大地に咲いた花々のようだ...

  • 旅をするということ(旅のおともにコッペパン)

    3年前の夏、北海道の大樹町でコッペパンを食べた。縦に入れられた切れ込みに、あんバターが塗ってある定番のやつだ。その日は上士幌のキャンプ場を出発し、襟裳岬を目指して、美しい景色を探しながら走っていたのだが、久しぶりに現れた街でパン屋をみつけた。これまた定番であるお盆の北海道の長雨がようやく途切れ、ちょうど雲の隙間から陽の光が差し始めたところだった。店には沢山の種類のパンが並べられているのだが、商品の...

  • 危険な香りと甘い誘惑に揺れるライダー

    ハンドルカバーの誘惑に屈する時がきた。毎年寒さの限界がくるまで、ハンドルカバーを付けずに我慢する。しかし私の限界点たるや、フルマラソンに挑戦しているにもかかわらず、苦しさに耐えかねて5km過ぎには歩き出してしまうぐらいの軟弱なものだ。出来もしない我慢をする理由は、あらためて述べるまでもなく、ハンカバがバイクのデザインを壊すからだ。バイク+醜悪という数式があるならば、その答えはハンカバということになる...

  • 安堵感に包まれるツーリング

    1年ぶりに下道だけで200kmを走った。なんてことの無い距離だと言いたいが、今の私にとっては「走った」というより「走破した」の方が相応しい表現かもしれない。それほど、久しぶりの長距離(?)ツーリングは身体に堪えた。バイクとは疲れる乗り物だということを、すっかり忘れていたようだ。そして、その疲れる乗り物に乗って安全に帰ることが出来た時には、安堵感に包まれるのだということを、やっと思い出した。1年はバイクの...

  • 凶暴なバイクと凶暴な乗り手

    歴代MT-09の中でも、私の愛車である初代モデルが最も凶暴なのだそうだ。本当にそうなのだろうか。先代の愛車であるW400はおそろしく鈍重だったが、そんなバイクに4万km以上乗った私でさえ、初めてMT-09を試乗した際には、低速からトルクがあって乗りやすいバイクだと感じた。もしもその時「凶暴」の片鱗が見えたなら、私はMT-09を手に入れていなかっただろう。勿論、乗り手の側に凶暴な意思があれば、話は変わってくる。しかし、...

  • バイクと涙と男と女

    齢を重ねると、人は涙もろくなる。もちろんバイクにも泣かされることはある。初めての愛車だったW400(ダブヨン)を下取りに出すため、バイク屋の前まで走ってきた時、不覚にもヘルメットの中で涙を流してしまった。引き渡しを終えて店から出る時も、駐車場に残されたダブヨンを見るのが辛くて、最後まで振り返ることが出来なかった。あの日、店の前で最後に出した左ウインカーの感触が、ダブヨンとの最後の思い出になってしま...

  • ライダーになれたその時

    これまで「やっと俺もライダーになれた」と思った瞬間が、二度あった。最初は中型二輪の免許が取れた時。一発試験ではなく、金で買う免許ではあったが、クランクでバイクがコーンに触れたことが原因で、最初の卒検に不合格となった時から苦難の道のりが始まった。普段の教習では難なく通過できるコースも、卒検になると身体が強張り、クランクでの検定中止を繰り返した結果、教習台帳の記載欄が一杯になり、追加で用紙を貼り付けさ...

  • 真冬におけるライダーの心得

    ライダーなら誰しも、ツーリングの朝は早いだろう。それに鳥見を加えるなら、夜明け前には走り出すことになる。メッシュジャケットが活躍し続けた10月だったが、冷え込んだ今朝は、遂に冬用ジャケットを着て玄関を出た。それでも、吐く息の白さに「これではいかん」と踵を返し、クローゼットからインナージャケットを引っ張り出して、結局冬のコーデで走り出すこととなった。急遽インナーを追加し走り出したものの、身体が守られれ...

  • ブームの到来とバイク雑誌の未来

    そんな事は二度と起こらないと思っていたバイクブームが来ている。メディアが煽っているだけだと疑う人は、バイク屋を覗いてみるといい。万年閑古鳥が鳴いていたバイク屋が、中古バイクを物色する若者達で賑わっているはずだ。バイクが売れるということは、バイク雑誌も売れているのだろうか。バイク雑誌を購入しなくなって久しい。骨があると思っていた雑誌は相次いで廃刊となり、かろうじて生き残った雑誌の多くは、メーカの提灯...

  • 愛車選びにおける紙カタログの使い道

    秋本番の早朝に走り出すというのに、メッシュジャケットの出番があるとは思わなかった。しかも予報外れの雨ですら心地よかった。こんな想定外な出来事が不意にやってくるから、何年乗ってもバイクに飽きないのかもしれない。愛車を買い替えようと考え始めて、1年近く経っただろうか。その間、これはと思ったバイクが見つかる度に、カタログを取り寄せてきたが、そんなこともカタログを眺めながら幾度となくツーリングを夢想したCRF...

  • 鬼滅のブーバイク

    鬼滅の刃を見ると、悲しくなる。望まずして鬼になってしまったからには、せめて人間どもを食い漁り、自由気ままに生きればいいものを、鬼の世界にも人間社会以上に強固なヒエラルキーがあり、鬼達はその呪縛から決して逃げられないのだから。若い世代でバイクに乗る人が増えた。先日など、友人宅らしき一軒家の前に愛車を持ち寄った若者達が、何やら楽しそうにお互いのバイクを眺めながら話をしていた。一瞬、時代が昭和に戻ったの...

  • ソロライダー、ソロキャンパーと、もう一つのソロ

    ツーリング先の駐車場で、荷物満載の私のバイクを見た男性から「最近流行りのキャンプツーリングですか?」と声をかけられた。そうなんですと、それだけを返すのは簡単だが、「最近流行りの」という言葉が引っかかる。意味の無い事だと分かっていても、言わずに後悔するぐらいなら、言ってしまおう。「もう長くキャンプツーリングをやっていますが、こんなにソロキャンプが持てはやされる時代が来るなんて、思いもしませんでしたよ...

  • 私のツーリングスタイルを決定づけたブランド和牛

    ツーリング先で、混雑する飲食店の行列に並ぶぐらいなら、餓死を選ぶ。たとえそれが有名な繁盛店であったとしても、10分、15分と前に進まない背中を見ながら、不毛な時間を過ごすことが耐えられないのだ。そのような訳で、ツーリング先でのお昼は、混んでいなさそうな地元のお店の中から、その時の直感で決めている。あれはダブヨンに乗り始めて1年程経った頃だったか。岡山から高梁川沿いに北上し、山陰を目指す途中、お昼の場所...

  • 2度目のクラッチレバー交換と国際的なロマンス

    クラッチレバーを交換した。MT-09のクラッチレバーの交換は今回で2度目。すっかり手慣れたもので、前回より大幅に作業時間を短縮し、交換を終えた。もしクラッチレバーの交換が苦手という方がいらっしゃったら、廉価で作業を引き受けて差し上げたいと思う。野鳥の写真を撮るようになって、放置していたインスタを再開した。生き馬の目を抜く様なツィッターとは異なり、どこか長閑な雰囲気が漂うインスタでは、下手くそな野鳥写真を...

  • バイクライフに寄り添う愛車と新しい傘

    新しい傘はいい。雨の日の憂鬱が薄れ、外を歩くのが楽しくなる。これまでなかなか気に入る傘が見つからず、1年間ほど折りたたみ傘だけで過ごしてきたのだが、先日ようやく買い求めたものを、今差している。雨具コーナの片隅でその柄と色合いをみつけた時、これを差して歩きたいと思った。だから最近の私は、雨の日に少し自慢げなはずだ。代車のジェンマから乗り換えた車検の帰り路、愛車のいつもの鼻息の荒さと従順さに安堵しなが...

  • 車検が与えるバイク乗りへの試練

    スーパーで惣菜の天ぷらを会計する際、「これはイカ天ですか?」とレジのお姉さんに尋ねられた。イカ天は98円だが、私は迷うことなく、「アナゴ天(158円)です」と答えた。金でも銀でもなく、正直に使い古した斧ですと答えた私に、神は何をもたらしてくださるだろうか。正直者の私は、バイクを車検に出さなければならない。車検の見積は、エンジンオイルやエアクリーナなど、特に必要のない交換品目が色々と上乗せされていたので...

  • メジャー級のバイクへの渇望

    右肩を痛めてしまった。バイクを乗るのも長時間は辛いし、ましてや重い荷物を載せてキャンプへ行くこと等とても無理だ。それでも痛んでいるのが大谷の右肩ではなく私の肩で良かったと思えるほど、今彼のプレーに夢中なのだ。巨木を一振りでなぎ倒すようなスイングで、あっという間にボールをスタンドに叩き込んだかと思えば、翌日にはマウンド上で打者を手玉にとっている。見ているこちらが怖くなる程の彼の快進撃なのだが、どんな...

  • バイクと理由なき反抗

    夏の風物詩と言えば、半そで短パン姿の大型バイク乗りである。この時期には必ずバイクウェア論争の着火剤になってくれるアレだ。Tシャツを風にはらませ、すね毛まみれの膝を露わに疾走していく姿を見せられると、炎天下でもプロテクター入りのウェアを着込んだ私の方が、圧倒的に哀れに思えてくる。バイクに乗ると、自由を得たような錯覚に陥る。バイクは機動性が突出していることから、乗り手は他の車両に対して圧倒的に優位に立...

  • 「スーパーカブ」が思い出させてくれたもの

    免許取得後1年間はタンデムが出来ないというルールを、すっかり失念していた。バイクに乗り始めて10年以上経つが、これまで一度も後席に人を乗せるという機会が訪れなかったのだから、そのようなルールがあったことを忘れたとしても仕方あるまい。勝手な解釈で、痴呆呼ばわりせぬようお願いしたい。タンデムといえば、彼女を乗せた若い男子の粋がった走りは、赤の他人からみても残念なものだ。頭の弱さを隠そうともしない排気音を...

  • 環境性能に優れた新車に買い替える誘惑と欲望

    サステナブルな移動手段として、電動キックボードが注目されている。確かに電動キックボードは、エコでスタイリッシュな乗り物なのだろう。しかしサステナブルを謳うのなら、放棄された自転車を集めてきてシェアした方が、よっぽど目指すべき社会に近づくではないか。結局新たな市場に金を誘引すべく、「サステナブル」という言葉が都合よく利用されているに過ぎない。そのような主張をする一方で、自身の趣味のために、無駄に化石...

  • 「バイクはいいぞ」と書かない理由

    「バイクはいいぞ」と書き逃げするのは嫌だ。「いいぞ」と言うからには、何が良いのかを表現したい。だからブログを書いている。あの坂を越えて向こう側を、見たことがあるか。それまで見上げるようにして走っていた坂の頂が背になった瞬間、私を囲む全ての空間につけられた色が一変するのだ。それはギアを変える暇すら与えない、一瞬の出来事だ。だから悠長にバイクを走らせている者は、決して気づきはしない。その坂は、初めての...

  • バイクへの愛情と親の愛

    バイクへ向けられた愛情は、走行距離を重ねるに連れグローブやブーツにまで及ぶようになる。それは、愛車に意思を伝える際に、グローブとブーツが介在しているからに違いない。そんな風だから、たとえ近所を走る時であっても、お気に入りのグローブとブーツは欠かせない。短時間の行程だからといって、愛用の品の折角の出番を奪うということなど、私にとっては有りえないのだ。しかし、テント、寝袋、チェア、ストーブ等々、無数に...

  • バイクを楽しむ為の黄金比

    キャンプツーリングは、目的地や状況に応じて、キャンプとツーリングのどちらに重きを置くかを、柔軟に変更することが出来る。例えば、近場でのキャンプということであれば、やはりキャンプでのリフレッシュを重視。キャンプが「7」に対して、ツーリングは「3」程度か。複数泊で距離を稼ぐ場合は、距離が延びるにつれ、ツーリングの比重がキャンプを上回るようになってくる。そして北海道のような広い大地を、何泊もかけて移動す...

  • トップケースの中身は何ですか?

    鳥見熱に侵されたせいで、双眼鏡に続いて、カメラまでも手に入れてしまった。「最初からカメラを買っておけば、双眼鏡は不要だったのに」というご指摘に対しては、思慮が浅すぎると言わざるを得ない。実はバードウォッチングにおいて、双眼鏡にはカメラでは代え難い、以下のような役割がある。●より広角な範囲で望遠が可能なため、野鳥を見つけやすい●双眼鏡を通して見る野鳥の姿の方が、カメラより圧倒的に美しいしたがって、鳥見...

  • ライダーとバーダーの境界線

    バーダーという言葉をご存じだろうか。バーダーとは、バイクで言うところのライダー、すなわちバードウォッチングをする人のことを意味する。バーダーになってからというもの、雨さえ降っていなければ、週末の度にリュックに双眼鏡と野鳥図鑑を忍ばせてバイクを走らせている。それでも探鳥地に到着するまでは、バーダーである前にライダーとしてバイクを走らせ、バイクを楽しんできた。ところが今朝は信号待ちの間に、鳩が頭を上下...

  • 旧車會に負けるな、病気にも負けるな

    土曜の午後、冷たい雨の降るサービスエリアに、旧車會が集結していた。雨の中を走ろうというぐらいだから、旧車會の中でも気合の入ったグループなのかもしれないが、走る姿は醜悪という言葉がお似合いで、一斉にエンジンをかけると、あたりに小便を撒き散らすようにして行ってしまった。おつむだけでなく、下(しも)の方も緩くなってしまった集団に追いつくことが無いよう、たっぷりと休憩をとった後、雨の中を1時間ほど走ってキ...

  • 選択肢はバイクか大砲か

    毎週のようにバイクで公園巡りをしている。最近手に入れた双眼鏡で、野鳥を眺めるためだ。一方で、バイクの走りに自分の体がついていかないと感じることが増え、ロングツーリングに出るのが怖くなってきた。加齢からくる体力の衰えかと考えると、とても寂しいが、長く安全にバイクを乗るため、もう少し角が取れたバイクに乗り替える必要がある。次の愛車候補にCRF250 Rallyが浮上してきたのには、そんな経緯があった。MT-09を購入...

  • バイクライフのために残された時間

    県知事選の投票のため、近所の小学校へと向かった。校門をくぐると投票会場の体育館まではグランドを横切らなければならない。朝からの雨のせいで地面はぬかるみ、足をとられながらも、傘を片手におっかなびっくりで一歩一歩進んでいる最中に気付いたことがある。雨の日のイベント等で司会者が発する「お足元の悪い中」というフレーズは、まだ道が舗装されていなかった時代の言い回しが、そのまま今に残ったものだということを。つ...

  • リボーンに向けての序章

    人は深い悲しみから立ち上がるため、まず最初に何をするのか。欲しかったものを買うのだ。しかし新しいバイクを買いにディーラーを訪れる程の元気は、今の私にはない。せいぜいパソコン画面を見ながら、注文確定のボタンをクリックするのが精一杯だ。そのクリックですら、悲しみを助長させることになりはしないかと、しばらく逡巡していたのだが、遂に再始動に向けた一歩を踏み出すため、欲しかったものを手に入れた。双眼鏡がこん...

  • 世界中の恋の歌も、別れの歌も、全て君のために

    君とは15年間も一緒に暮らしてきたんだ。君が何を考えているかなんて、表情を見ただけで分かるよ。あの時、君の目は、もう眠くなっちゃったと言っていた。君が我が家にやってきてしばらくの間、二人の関係はぎくしゃくしていたね。君は心を閉ざしたまま。僕も君との距離を近づける努力をしなかった。そんな二人の関係が一転したのは、本当に突然だった。あれは君との同居生活を始めて、一年以上が過ぎた頃だった。ふと君と目が合っ...

  • 黒い点になったCB1100

    緊急事態宣言下ではあるが、毎週のように近場でバイクを走らせている。私が暮らす地域には、ワインディングや、渓谷沿いの緑深い道など、およそツーリングに相応しい場所はない。その代わり、この季節に東京へとつながる国道を進むと、その先の空にくっきりと浮かぶ富士山が見えてくる。富士山が見える辺りから、左に目を向ければディズニーランド、右には東京スカイツリー、更に走り続けると、遠く貨物船が行き交う真っ青な東京湾...

  • バイクが教える恋愛論

    長らくの間、私の次期愛車選びは、あっちへ行ったり、こっちへ行ったりと、フラフラしていたが、遂に本気で乗りたいと思えるバイクにぶち当たってしまった。これまで候補に挙がったバイクは、全てカタログを取り寄せたのだが、カタログを手にしてから2カ月もの間、繰り返し眺めているのは、このバイクだけだ。他のバイクに対しては、少しの間熱くなることはあっても、最終的にはコロナ禍でロングツーリングは憚られるし、いま無理...

  • バイク用品インプレ記事の見本としてどうぞ

    今は昔、2010年の年明け、初めての愛車を迎えるにあたって、ヘルメット、ライディングジャケット、グローブを急いで買い揃えた。免許が本当にとれるかどうか不安だったので、教習所に通っている間は恐ろしくて買えなかったのだ。その一方で、パンツ、ブーツは、愛車がやってきた後もバイク用を買い足すことなく、手持ちの一般アパレル品で代用し、初心者の時期を過ごした。しばらくして、いよいよ遠乗りを始めるようになると、プロ...

  • 優しい心遣いができるライダーを目指して

    「ヨンヒャクを選ぶあたりが渋いですね」何年か前、伊豆のキャンプ場でバイク乗りの若者からかけられた言葉だ。当時の私の愛車(W400)を目にした彼が、W(ダブル)について色々と聞いてきたのが会話のきっかけだったのだが、Wと言えばW400のことではなく、W600が前提となること等、子供でも知っている。これ以上話が進んでしまうと、本当の事を言い出せなくなると感じた私は、「実はこれ、ダブロクではなく、ダブヨンなんです」と打...

  • ロケットカウルと不恰好なスクリーン

    半地下になったマンションの駐車場で、1台のバイクとライダーのシルエットが見えた。斜めにさす日差しが、緑色のロケットカウルを浮かび上がらせている。美しいそのカウルの隣で暖気を待つライダーにも、出発の儀式が必要なのだろう。肩の高さまで上げた左手に、ゆっくりとグローブをはめる姿は、大きなオペに向かう外科医のようだ。ジョギングシューズを履いた私は、ゴールまであと少し、彼の儀式を見届けている暇はない。私が駐...

  • キャンプに必要なものと不要なもの

    やっと見つけたサイトが、夜になってみると、街灯の明かりがテントを照らす場所だったりすると、死にたくなる。自然の暗さを提供できるという事は、そのキャンプ場にとって大きな付加価値になるはずだが、実際には、そんな場所にはなかなか巡り合えない。先週のキャンプでは、季節外れの暖かい夜だったにも関わらず、「オリオーン」と叫ぶおじさんが現れるぐらい、星空が綺麗だった。こんな夜は、ポケットに入ったスマホに出番はな...

  • 敏腕営業マン達と行く、砂浜キャンプツーリング

    土曜の午後、季節外れの暖かい風を受けながら、海を望む丘陵地帯を走っていた。前を行くのは、道先案内を買って出てくれたTさんが跨るメイト90だ。Tさんには「あまり飛ばさないでくださいね」と冗談交じりでお願いしておいたのだが、走り出してしばらくして、もっと真剣にお願いするべきだったと後悔した。そして道を間違えたTさんが見せてくれた、下りカーブでの華麗なUターンは、私の気持ちを奈落の底へと追いやった。それ...

  • 立ちごけで得るものと失うもの

    「立ちごけは、買ってでも経験しろ」既にベテランライダーの領域に入った私から、ひよっこライダー達へ贈る言葉だ。もしそんな私のメッセージに疑問が湧くようなら、あなたはライダーとして未成熟だと言わざるを得ない。バイクも長く乗っていると、それが危険な乗り物だという意識が薄れ、漫然としたライディングに陥りがちだ。立ちごけは、そんなライダーの慢心や油断を一瞬にして消し去る特効薬なのだ。しかも「買ってでもしろ」...

  • 甘い香りがするキャンプツーリング

    キャンプ場は不思議な空間だ。受付を済ませて、キャンプサイトに進めば、そこでは誰一人マスクをしている者はいない。昼前、テントの傍にバイクを残し、歩いて通りへ出た。すれ違う人の目線で、自分がマスクをしていなかったことに気付き、慌ててマスクを取り出す。マスクをしないキャンプ場と、マスクを強いられる街中と、どちらが正常で、どちらが異常なのだろうか。キャンプ場からしばらく歩き、商店街でみつけた蕎麦屋に入った...

  • キャンプブームとバイクスキル

    2月を最後にキャンプから遠ざかっていた理由は、コロナだけではない。昨今のキャンプブームの超がつく程の過熱ぶりをみてしまうと、自ずとキャンプ場から足が遠のいてしまっていた。とはいえ、今週末はVトークラジオのキャンプイベントが久しぶりに開催されるのだ。巨大なシートバックとトップボックスを背負って、さあブームの真っ只中に飛び込んでやろうではないか。久々のキャンプであっても、これまで何度となく繰り返してき...

  • ブー千葉の聖地で蘇るバイク魂

    通院が始まって4カ月。病状が一向に良くならず、何度も薬を変え、病院も変えた。私ではなく愛鳥の話だ。これまでは病気知らずの彼女だったので気付かなかったが、小鳥を積極的に診てやろうという動物病院は少ない。そんな訳で、流れ流れて辿り着いた現在の病院は、高速道路を使っても1時間以上かかるような場所にある。彼女をトップボックスに入れバイクで通うことが出来れば手っ取り早いが、そんなことをしたら彼女との蜜月関係に...

  • 魔女の一撃と愛車からの激

    欧米諸国では、ぎっくり腰のことを「魔女の一撃」と呼ぶ。昨日バイクに乗り込もうとした際、落としたグローブを拾おうとして、魔女からの強烈な一撃を食らってしまった。痛みで悲鳴を上げそうになりるのを堪えながら、引っ張り出したばかりのバイクを何とか駐輪場へと戻し、文字通り這う這うの体で部屋へと引き返した。ぎっくり腰は若い頃から何度も経験してきた。しかしバイクに乗るのを諦めなければならないほどの強烈な一撃は、...

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