ヘヤピンマッチに使うU字形の金具(ショートスタブまたは単にスタブ)の設計に必要な事前知識についての講座です。50MHzなら適当 に給電部に電線をU字に装着すれば、マッチングできると思えますが、力業での試行錯誤で求めるのは大変です。 一方、MMANAの「表示(V)」メニューにある「オプション(V)」をクリックすれば、次のような「スタブマッチ」タブを開けば、 ヘヤピンマッチの…
リビング・オーディオ改善:SPインシュレータ(2)金属インシュレータ追加結果
前回予告したように金属インシュレータを木片とSPの間に追加しました。結果は、木片のときのような劇的な変化はありませんでした。 また、金属の響きによる高音域の余韻が付加することもありませんでした。実は、こちらを期待したのですが、それに関しての今回の追加は期待外れとなっています。 ただ、これにより中低音(100Hz~250Hz程度)の響きがかなり大人しくなったので、ダ…
ここ数日、暖かい日があったので、ベランダの洗濯物干し竿をベースとして、HF(7/21MHz共用)Mobileアンテナを仮設置しました。当初、物干竿単体だと21MHzでしか、同調できませんでした。 次に、電線を3本(7m長、8m長、10.5m長)を用意して、ベランダから真下に垂らして、1本ラジアルとしたところ、いずれの電線でも7MHzで共振できました。但し、10.5mは少し長すぎたようで、6.950M…
HDAアンテナのMMANA分析(18)24MHz帯:DirectFeed(2)周波数特性
前回に引き続き、24MHz帯におけるHDAアンテナモデルのMMANA分析です。 本論) 1.給電点インピーダンスZ(R,jX) 24.740MHz…
HDAアンテナのMMANA分析(17)24MHz帯:DirectFeed(1)基本特性
今回は仮想給電点にコンデンサーC=45pFを挿入することで、jX=0の共振点を周波数21.940Hz付近に設定できました。ただし、給電点の抵抗分が50Ωから離れているため、50Ω給電とする場合にはマッチング回路を付加する必要があります。 (本論) 1.アンテナ定義
HDAアンテナの実測データ(7)MFJ-259Bで24MHz付近を測定
前回の21MHzに同調した場合でも24MHzバンドは十分使えるSWR値となっていましたが、今回は24MHzでAT-300のチューナー動作を行った場合でのMFJ-259Bでチューナー経由で測定した結果です。こちらでのチューニングすると付近の周波数に対する広帯域特性となりませんでした。 (本論) 1.各周波数における、SWR表示値、R(Ω)、|jX|(絶対値)(Ω)、RとXによるSWR計算値
(復習)電磁気学(8)伝導電流と変位電流(3)【最終】伝導電流密度Jに関して
今回で電磁気学での電流について完了します。なお、本論だけでは、理解できないと思い、後ろに補足を追加しました。 (3) 伝導電流密度J 導体にその方向の電界成分が作用しますと dV=E・dl dV;電圧(電位の差),dl(エル小文字);導体の微小長さ の大きさの電圧が発生し、電流が流れます。その導体の導電率…
(復習)電磁気学(7)伝導電流と変位電流(2)変位電流の考え方
アンペールの法則にマクスウェルが付け加えた項目が、今回の変位電流項です。この項目を付け加えることにより、あらゆる空間において電流の法則が成り立つことになりました。 ただ、歴史的な変位電流の発見の流れは、そう単純なことではなかったようです。 (アンペールの法則の矛盾) まず、当時の実験装置として、未だ交流発電機は無かったと思います。ですから、前回示した…
(完結)ΔLOOP形ラジアルGPアンテナ地表設置(6)周波数特性:バンド下限周波数でも正常動作可能とするには
今回でGPアンテナのアース側電線形状を従来の単線先端開放から、閉回路(LOOP)とした方式の分析は完了です。 (本論) 1. Z(R,jX)特性
ΔLOOP形ラジアルGPアンテナ地表設置(5)バンド中央値特性:周波数特性改善モデル
前回のΔLOOPラジアルを0.21λ→0.22λとわずか0.4mですが、全長を長くとりました。これにより7MHzバンド下端側のインピーダンスとSWR特性は改善することができました。 (本論) 1.アンテナ定義
新しいアンテナ実験環境整備:事前準備編(1)高所作業用装備を新たに購入
今年に入ってから、少しづつ準備はしてきたところまでを先行公開するものです。というのは、HDAアンテナでは、調整箇所が限定されるためにいろいろな改善することが難しいのです。また、コモン電流の多さから見てもアンテナとして常用できるものではありません。そのために通常の交信に耐える別のアンテナ環境を必要としていました。 本当は、去年の秋までにそれを終える必要があったのですが、こちらもアンテナ設置状況…
今回は、ベクトルの「発散」を利用した電磁気学の電流についてのおさらいです。電気回路による電流とは扱いが異なり、「電流とは、たくさんの電荷の流れ」としてミクロ的になりますが、交流電流とコンデンサの関係を厳密に数式表現していると考えてください。というか、電気回路はこれも元にして、回路計算上簡単に行えるようにしたものです。とくにjωは、今回の∂/∂tを簡単に計算できるた…
(続)ΔLOOP形ラジアルGPアンテナ地表設置(4)周波数特性:バンド下限周波数で動作破綻が判明
7.1MHz付近の周波数では問題なかったのですが、周波数特性を見るために7.1MHzより低い周波数で動作させるとインピーダンス特性が乱れるために動作性能に問題が発生しました。 (本論) 1. Z(R,jX)特性
(続)ΔLOOP形ラジアルGPアンテナ地表設置(3)基本特性:動作可能最小化モデル
今回のテーマは、地表に展開しているΔ形ループ形状の大きさをどこまで小さくできるかのMMANA上の試作です。実際に設置していたループ形状よりも小さくするとどうなるか?が今回の探求目的です。 (本論) 1.アンテナ定義
リビング・オーディオ改善:SPインシュレータ設置からの続編(1)音源再生方式変更
前回の100円木片の効果が素晴らしかったことで、すっかりリビングのオーディオシステムにハマっています。もちろん、2階のメインシステムとの差はありますが、かなり肉薄できているように思います。 それで、今回はメインシステムでは実施していない音源再生方式にトライしました。当初は、音切れが発生して問題があったのですが、PC上の音楽プレーヤの内部設定で、これを回避することができ…
前回やりました「ガウスの法則」は、純粋に電磁気学の物理法則ですが、今回の「ガウスの定理」は、数学分野の公式です。ただ、これを理解するのに電磁額の静電気の電荷による電束の発散が、ちょうど合致しています。 そして、数学的な意味合いとして、3次元の体積積分を2次元の面積積分に次元を落として計算できることを示しています。重要なことは、この体積→表面積に変換して計算しても求…
LPDAアンテナのMMANA分析(4)21MHz~24MHz周波数特性:for HDAアンテナ対比
HDAアンテナの21MHz帯~24MHz帯にかけての周波数特性と対比できるようにMMANAでの分析です。LPDAアンテナとして、最も性能が出やすい周波数帯となっています。というのは、多数あるエレメントの中央部に位置するエレメントが共振する周波数帯だからです。波長的に見ると20mと10mの中央値が15m、周波数でみても14MHzと28MHzの中央値は21MHzになります。 (本論) 1. インピーダンスZ(…
LPDAアンテナのMMANA分析(3)21.200MHz基本特性:for HDAアンテナ対比
MMANAに付属するLPDA(対数周期)アンテナを使って、21MHzから24MHz付近の動作を探ります。するとHDAアンテナと共通する事項がいくつか見つかりました。 HDAアンテナも物理的に複数のLOOPエレメントと垂直エレメントが1点の給電点から電源を供給する方式なので、当然似たような特性となるのかもしれません。 (本論) 1. アンテナ定義
HDAアンテナのMMANA分析(16)21MHz帯:DirectFeed(2)周波数特性
先に公開しました実測結果のように広帯域性になりませんでした。これについては、近い動作とするとLPDAアンテナのMMANAモデルが合致します。それについては、別途公開します。 (本論) 1.給電点インピーダンスZ(R,jX)
HDAアンテナのMMANA分析(11)21MHz帯:DirectFeed(1)基本特性
HDAアンテナ実測から少し時間経過しましたが、MMANAによる分析の結果です。 今回は仮想給電点にコンデンサーC=180pFを挿入することで、jX=0の共振点を周波数21.200MHz付近に設定することとしました。 ただし、給電点の抵抗分が50Ωから離れているため、周波数特性では、マッチング回路を付加する必要があります。今回のところは、180pFコンデンサー追加のみです。 (本論) 1…
(ベクトル解析復習)ベクトルの発散(4)電界と磁界の発散【”発散”を完了】
今回で、ベクトルの発散は完了できます。といっても「ベクトル発散」にかかる細かい部分は、ほとんど端折りました。ですから、疑問点は、正規の電磁気学本をご覧ください。ただ、マクスウェル方程式を理解できる部分は網羅できています。肝心なところだけを理解できていれば、もし、わからない壁に当たるとそれに関する部分だけをその時に勉強するとするスタンスです。
(ベクトル解析復習)ベクトルの発散(3)∇(ナブラ)演算子の定義について
今回、電磁気学で最も登場すると思われる数学の記号∇:ナブラと発音についての説明をします。 ∇は、ベクトルの微分演算子で、ベクトルの微分は、各単位ベクトル方向成分について、それぞれ微分(その成分のみが対象となるため、偏微分)して、それを足し合わせるとそのベクトル量(又は関数)全体を微分したことになることを表現しているだけです。 また、各方向成分ごとにそれを表現す…
ΔLOOP形ラジアルGPアンテナを地表すれすれに設置(2)周波数特性と実際の地面への適用
今回は、周波数特性についての分析です。Δ形ラジアル長がλ/2を1m高に設置したとなるエレベーテッド方式アンテナとの比較です。 (本論) 1. Z(R,jX)特性
(ベクトル解析復習)ベクトルの発散(2)divEの直角座標表示
この電磁気学の見直し編を書くにあたって、数冊の電磁気学本を図書館から借りて読んでいます。ただ、そのレベルはまちまちで、基礎を優しく解説すると基礎理論ばかりで、これの応用の理論が不足です。逆に電磁波等への応用を主とすると基本の理論は、ほとんど省略されてしまいます。一冊の本のページ数の制限から、どうしてもそうならざるを得ない事情だと思っています。ですから、いくつかの記…
ΔLOOP形ラジアルGPアンテナを地表すれすれに設置(1)基本特性と同一大地条件での改善パターン
Δ(Delta)LOOP形状としたラジアル(GP線)を持つGPアンテナに対して、前回の標準タイプの4本ラジアルGPアンテナと同じように地面に極度に近づける動作をMMANAでのシミュレーションです。 なお、過去の実験では、このLOOP線長よりも短かったことにより、非共振タイプのアース線として動作したために今回のモデルとは動作が異なっています。 ここでは、本来ならλ/4長(7MHzでは、高さ1m高…
(ベクトル解析復習)ベクトルの発散(1)ベクトルの発散とは?
今回からベクトル解析の2番目となる「発散」についてです。電磁気学では、静電気のガウスの法則と静磁気のガウス法則あたりしか、見かけませんが、ベクトル量の微分をする点において、理解しやすい計算だと思います。また、∇・A(任意のベクトル)の表示そのものがAの発散量を示すことをおさらいします。 ① ガウスの法則(電場) https://ja.wikipedia…
標準GPアンテナを地表すれすれに設置動作シミュレーション(1)周波数特性と実際の地面への適用
今回は、周波数特性についての分析です。通常のGP長がλ/4(1m高)との比較です。 (本論) 1. Z(R,jX)特性 <…
標準GPアンテナを地表すれすれに設置動作シミュレーション(1)基本特性と同一大地条件での改善パターン
今回は先に通常の4本のラジアル電線の高さを1m以下として、長さをλ/4×0.6とした場合をMMANAで再現してみます。 ただし、MMANA(MiniNEC)の限界は、地上に近くなると正しい給電点インピーダンスを計算できないとなっています。しかし、大地反射の計算は正しくできます。放射パターンが正しいのであれば、アンテナは正常に動作できていると判断します。 (本論) 1.アンテナ定義 …
(ベクトル解析復習)スカラー量で示す勾配(2)gradVの直角座標表示
電磁気学の静電気で習うところの電位V(電磁気学では”φ”)と電界(電磁気学だと”電場”)Eの関係を表すのに必要な基礎数学の部分です。ベクトル解析では、一番わかりやすい部分だと思うのですが、この関係の一般形は、アンテナから生じる電界の計算に使う重要な式 E=-jωμA-∇V を理解するために必須のところです。これはアンテナから生じるあ…
(番外)過去発表記事が掲載の”月刊ファイブナイン”誌のWebリンク【期間限定】
JA1ELY草野編集長の判断にて、過去の月刊ファイブナイン冊子の全巻をWebで無料閲覧が限定期間できます。私の記事が掲載した号をリンクで紹介します。特にWeb版となった以降は、オンラインで読むしかありませんので、雑誌記事完成形としては、これが最後の機会となるかもしれません。 (はじめに) 過去記事の公開にあたってのご挨拶 http://fivenine.com/ (JA5NSN/JO3KRP関連)…
HDAアンテナの実測データ(6)MFJ-259Bで21MHz付近測【広帯域性あり】
当初から21MHz付近のSWR特性は良好でした。一番最初に試したIC-7300M(50w)では、内蔵アンテナチューナを使用しなくてもSWR<1.5を満足していました。 ただ、AT-300の場合はアンテナチューナをスルーにはできませんので、21.200MHzでチューンした状態での動作としています。 (本論) 1.各周波数における、SWR表示値、R(Ω)、|jX|(絶対値)(Ω)、RとXによるSWR計算値
(ベクトル解析復習)スカラー量で示す勾配(1)「gradV」または「∇V」表現
前回までで、数学のベクトル基礎は完了できています。ここからは、ベクトル解析学での取り扱いになります。ですから、数学ではありますが、その式の意味は、物理的に意味をもつ式を構成しています。ここからは、その事例として、電磁気学に即した内容としていきます。なお、∇(ナブラと呼びます。)記号を先に登場させましたが、これについては、後にきちんと定義を説明します。ここでは、数式…
オーディオSPシステムへ天然木廉価インシュレーター(総額¥500)にて音質改善!
久しぶりのオーディオネタとなります。実は、計画はもっと前から準備していて、また、それに必要な材料も入手していたのですが、なかなか今回の改良へ着手する気になれませんでした。というのは、大した効果は得られないだろうと思っていたのと、根本的な問題は、スピーカー(以下、SP)の性能自体の問題なのだろうと勝手に決めつけていました。というのは、今回の対象SPは、2本ペアで約2.5万円…
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ヘヤピンマッチに使うU字形の金具(ショートスタブまたは単にスタブ)の設計に必要な事前知識についての講座です。50MHzなら適当 に給電部に電線をU字に装着すれば、マッチングできると思えますが、力業での試行錯誤で求めるのは大変です。 一方、MMANAの「表示(V)」メニューにある「オプション(V)」をクリックすれば、次のような「スタブマッチ」タブを開けば、 ヘヤピンマッチの…
前回のモデルの全てのエレメント対象に50.0~51.0MHz範囲内でGaとF/Bを追求しています。そのうちのBestモデルの1つで、これが最良ということではありません。同様なモデルは、MMANAを使えば、いくらでも設計できます。 今回の目標は、50.0~51.0MHz全般におけるGaとF/B性能の維持に加えて、中心周波数50.5MHz付近をより重視する設計です。このため、各エレメント長とエレメント間隔の全てを…
今回は、放射器と第一導波器位置によるSWR特性のみを改善した状態での周波数特性です。これだとインピーダンスZ(R+jX)特性とSWR特性で見ると全く問題ありません。 しかし、一方で八木アンテナとしての性能(Ga,F/B)及びパターンでの周波数変化を見ますと50.750MHz~51.000MHz(以上) 周波数帯に特性が偏る傾向があるのです。これは、元の8ELE6MW.MAAのデータの癖というか、そういう…
今回からは、HF帯のマルチバンド八木で昔用いられた「直接給電-direct coupling」方式を掲げます。 50MHzにおいては、ラジエータがブームから電気的に浮いた状態とさらにラジエータを左右エレメントに分割・絶縁して、その中点にDPと同様に給電する方式となるので、給電箇所の絶縁と分割支持のための高周波性能に優れた樹脂部品が余計に増えることから、メーカー製のように部品コストにシビ…
前回は説明漏れとなりましたが、)「γC-match」若しくは、「γ・C-match」と言うマッチング形式名称はありません。前回勝手に命名しているものです。ただ、誰でも思いつく回路なので、同様な回路は既に使っておられるメーカーや個人がいるかもしれません。 ただ、今回の設計だと詰めがあまいのか?利得面において、γマッチとの差が1.0dBもありました。この利得差がこの形式に対する最終評…
今回は、今まで発表していない(個人的に見た記憶が無いだけで、既に発表済かもしれません。)新しいマッチング構造の紹介です。このマッチング方式の売りは、ロッドはωマッチに相当する短い固定長を選択できます。γマッチ用コンデンサーC1及びCマッチ用コンデンサーC2は、ほぼ同じ容量を使い、(Tマッチの時のCの容量に近い。)γマッチ単独の場合…
前回の問題点(2)については、コンデンサーC2を工夫して、例えば、16pF程度の固定コンデンサーと直列接続にして、16pF(最大容量30pF)可変コンデンサーとすれば、C2の調整もそれほどクリチカルにならないのかもしれません。これについては、最終の評価で書きました。 (本題) 1. 給電点インピーダンスZ(RとjX別)
γ(ガンマ)マッチの改良方式であるω(オメガ)マッチについて【参考】として検討します。というのは、50MHzでは、γマッチに対する優位性は薄れてしまうことから、個人的に50MHzでならωマッチよりもγマッチを推奨する立場だからです。 その理由は、 (1)ωマッチの特長であるロッド長がγの0.5~0.7倍と短くて固定長となることは、50MHzではメリットとは言えない。HF帯(特にローバン…
γマッチとほぼ同じ方法であるT-match方式との性能比較をしますと中心周波数50.5MHz付近では、Ga:19.71(T:19.02)dBiと+0.69dB増、F/B:23.19(FD:23.26)dBと-0.07dB減(ほぼ同等)となっています。一方、ラジエータ長を見るとγ:1.46m(T:1.56m)長とγマッチのほうが、10㎝も短くなっています。ですから、FDとT-matchとの比較の場合のようにラジエータ長が利得やF/Bを決定づけるとは言え…
今回から50Ω同軸ケーブルにて直接給電できるマッチング回路について考えます。その代表例は、γ(ガンマ)マッチング方式です。個人的には、50MHzで活躍した給電方式です。今から50年以上前にマスプロ電工製4エレメント八木に実装されていました。当時は、可変コンデンサーは小型バリコンでした。ですから、調整はとても簡単に行えました。また、主ビームの偏りは意識することはありませんでした…
T-match方式では、FD方式に比べると中心周波数50.5MHz付近では、Ga:19.02(FD:18.45)dBiと+0.57dB増、F/B:23.26(FD:23.88)dBと-0.62dB減と一長一短となっています。しかし、これはマッチング方式の違いというよりもラジエータ自体の全長の問題となっています。FD方式だと誘導リアクタンスを小さくするため、ラジエータ全長を短くする必要がありました。その一方、T-match方式だとラジエー…
今回から、前回述べたFDラジエータからの変形となるT-match方式について検証します。T, γ(ガンマ),ω(オメガ)のいずれもラジエータエレメントに並行に沿う、短いロッドにより、エレメント中央位置からオフセットした位置に給電する方法に分類される方法です。この方法についての動作原理の理解を得ることが難しいようで、ネットで公開している情報は、玉石混合的(正しい記述と誤った解釈と…
FDラジエータと1:4バラン方式を使ったアンテナの周波数特性について、MMANAで分析してみます。 (本論) 1. マッチング前の給電点インピーダンスZ(RとjX別) 2. 50.5MHzにてマ…
今回からは、MMANAモデルから改良したオリジナルモデルで、Radiator(放射器)をFD(フォールデッド)タイプにする方法です。これと同等な方法は、ナガラ電子のモデルで使用しているT形マッチングです。この場合は、フォールデッドロッドとラジエータエレメントとの太さ比でもって、FD給電と同等な給電点インピーダンスとなるように持ち上げています。ですから、同軸ケーブルを使ったUバランでの…
シングル放射器(DP)の8エレ八木における周波数特性です。 9. Z(R&jX)特性 (1)マッチング回路なし 51MHz以上となるとRとjX変化が大…
今はこちらが当ブログのメインテーマです。残るラプラシアンを導出すれば、これで球座標について完了します。 (本論) 一般形の直交曲線座標のラプラシアン表示 電磁気学(28)ベクトル解析の直交曲線座標(8)ラプラシアン(∇^2V) https://jo3krp2.seesaa.net/article/515700277.html ▽^2V =(1/h1 h2 h3)[(∂/∂u1){(h2 h3/h1)}{(∂V/∂u1)} …
前回は自由空間の計算結果でしたが、今回はタワー上にある20m高として大地反射を含めた計算結果です。また、前回の説明していない部分を補足します。 (本論) 5. 組み合わせパイプ・データ欄の見方
前回(番外)記事でお知らせした内容につき、元の質問者であるJA7PRV局から更なるコメントをいただきました。 、質問者の知りたい内容が明確となったことから、こちらでも少し、検討してみることにしました。ただ、ご希望どおりの回答となるか?は今のところ未定です。 ただ、今回のコメントにあった2020年11月29日付け記事で紹介している「3巻きバランを使ったωTマッチ」 NanoVNA活用(55)テクニカル講座2020…
回転(rotA)または∇×Aの場合は直角座標においてもx軸成分表現なら他のy軸成分とz軸成分の引き算になるので、式にすると覚えにくいのですが、行列式で記載するときれいにおさまります。今回の球座標においても行列式での表記を利用します。 (本論) 電磁気学(27)ベクトル解析の直交曲線座標(7)回転(∇×A) https://jo3k…
今回も一般形式の測座定数公式を使って導出します。それでも、式の途中は複雑化します。また、最終式についても円柱座標のようなシンプルな形にはなりません。ですから、とても暗記はできません。 (本論) 電磁気学(26)ベクトル解析の直交曲線座標(6)発散(∇・A) https://jo3krp2.seesaa.net/article/515521162.html で、測座定数を使った発散を求める公式は 直…
次の写真は自宅の屋根の中央天頂部にあるUHF-TVの設置状況です。 アンテナ自体が支持ポールの低い位置となったのは、当初は、HF用アンテナ電線を支えるFRP…
この冊子にある「設計=施工へのワンポイント・アドバイス」記事を参考としています。 (冊子表紙のリンク) https://www.amazon.com/%E5%88%A5%E5%86%8ACQ-ham-radio-7%E6%9C%88%E5%8F%B7%E3%83%99%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A/dp/B08QTLNZ79 (本論) この記事の主旨は、当時はVHFのTVアンテナのステー線をLongWire(以下、LW)の…
新築時に用意した地面内の電線束=地表ラジアル線アースは、そのまま放置していました。今回これを使える機会を実現できるかもしれません。 というのは、来月当初予定で自宅2階部を一部リフォームすることになりました。その際に外壁に沿って一部足場が組まれることから、日頃手が届かない部分(屋根の片隅)にある(代用)アンテナ線からの引き込み電線を固定できるような準備をしたいと思…
これは、過去の大規模アンテナ設備に使用したことから分ったのですが、DIY店でも調達できる部品でも、プロご用達の専門店を利用すると例え1個だけの部品、今回は、ワイヤクリップ1個だけでの入手の場合で紹介します。
最後に別宅の予備システムで実装していた例を紹介して、この完了とします。こちらは、主に3.5/3.8MHz垂直八木アンテナを使用するために用意したコモンフィルタ群です。また、同時に14-28MHzのミニマルチ会社のトライバンダー八木アンテナにも適用していました。いずれも既に撤去済です。フィルタ自体も破棄しました。 (別宅の予備システム側にある室内壁面)
依頼のあったCMD1.8Ⅱ-MTの完成時の写真とこれとは別ですが、同じタイプを私自身もタワーアンテナ用として使っていました。この長期使用経過の様子を紹介しています。 9 コモンフィルタ CMD1.8Ⅱ-MTの完成写真 ①M型端子のコネクタ部分
前回お知らせしたように幅広い周波数帯域でコモンモード電流の減衰を確保できるか?が、このフィルタの性能を表していることの説明です。下限は1.8MHzに対応するのと同時に上限は50MHz以上まで十分に減衰できているかがフィルタ性能勝負の分かれ目です。 6 ネットアナ利用 CMD1.8Ⅱ 特性グラフ図
コモンモードフィルタの性能は、そのインダクタンスの大きさで決まるといっても間違いではありません。ただ、インダクタンスで生じるリアクタンスの周波数特性にも注意する必要は欠かせません。その部分は次回に紹介します。今回は、インダクタンス測定の方法を紹介しています。 5 性能判定測定法 完成したコモンフィルタの良否について判定する検査方法です。 最も確かな方法…
今回加工時の写真はありません。また、内部構造を写した写真も1枚も無いのです。さらに使用していた現物も別宅無線局設備の廃棄と同時に全て処分しました。なので公開しようとしてもできません。そして、自分自身も作り方を忘れています。残っているのは、大学ノートに記録した各寸法を記載した数字と簡単な説明だけが全てです。 3 VUキャップの加工 VUパイプ両端の防水処理とし…
今回はVUパイプ等への穴あけ時に利用する治具の紹介です。 2 パイプ穴あけ時固定治具 この治具は、NSNスペシャル・アンテナ記事を当時の月刊ファイブナイン誌に掲載の際、配布用アンテナ部品を作成するため準備したものです。 ドリルによる穴あけをパイプのような丸い表面に穴をあけようとするとパイプが回転してしまい、ドリルの刃先がすべってしまうことがあります。このよ…
「コモンモード実験室」関係の記事は当ブログ記事として全てを全てを再現したつもりだったのですが、今回の部分は漏れていたようです。 (記事概要) 前回までのレポート(当ブログでは「コモンモード実験室」の以下の記事案内に該当)とは、違う視点で、このテーマを考えていました。 【ブログ記事案内】 過去のHP記事再現(144)コモンモード実…
前回紹介したようにリビングのシステムで384KHzアップサンプリングと内部処理32Bit深度を採用したところ、ロック系の音楽では、力強さが削がれた感覚を持っています。しかしながら、楽器の音色の余韻は、とても甘く響きわたるようになっています。これを意図した理由ではありませんが、こちらでも心地よく聴ける音質であると言えるかもしれません。 (試聴音源) ホテル・カリフォルニア Eagles 2003年05月14日 ht…
2Fにあるメイン・システムに比べるとまだ改善の余地があると思い、本日からアップサンプリング周波数を192KHz→384KHz(PCM×8)の最大設定まで引き上げました。 USBケーブル長が、約5mと長いものを使用しているので、その間の伝送波形の乱れを心配したのですが、今のところ、誤動作や音切れは発生していません。 肝心の音調は、オーディオ再生プレーヤN-70Aでの384KHz出力とは違っています。どちらかというと音の迫…
1999年12月号CQハムラジオ誌に掲載された記事からの最後の紹介です。 当時、使用していた無線機は、FT-1011(50W)でした。 今のようなDSPによるノイズリダクションや狭帯域の低周波バンドパスフィルタはありません。したがって、ノイズ軽減の方策としてはIFフィルタを250Hz帯域とするか、自作の外付けの低周波フィルタを付加するか程度の対策しかありませんでした。
TS-520関連記事の後半です。実際にこのTS-520を使用していた時期は1990年あたりまでです。その後は、TS-850やFT-1011に切り替わりました。VFOがアナログでしたから、1KHz単位で周波数が正確に読み取れないのは、実用とはならない時代となったからです。
1999年12月号CQ誌に掲載されたケンウッド社無線機(当時はトリオ社)TS-520の受信部改造記事です。 当時の機器のミクサー部分は、MOS-FETによるシングルタイプのミクサーが主流で強力な受信信号があるとミクサー段の突き抜け信号や混変調があたりまえでした。これを軽減するため受信機のトップへアッテネータを挿入するものです。 同時に、RF段素子の交換とIFゲインの調整を紹介しています。素子の変更による不要なゲ…
結論を言えば、IC-7400のCI-Vのボーレート設定が最高19200BPSまでなので、USBをREMOTE接続から独立させてもそれ以上の高速接続できるという意味はありませんでした。しかし、他の機種では、役立つ場合もあるかもしれませんので、USB独立でHamRadioDeluxeVer5.24.0.38(Free最終)を使えるようにすることを検証しています。 また、質問者からのメール返答にあった「HRD側でDTRにチェックを入れる…
昨日、朝メールで標記のトラブルの相談があり、久しぶりに無線機IC-7300とHRDとの接続を試したところ、私の環境でもHRDとの接続が出来なくなっていました。以下は、その顛末です。 (本論) 1.当初の接続結果
前回内容の最後の部分は半分ぐらいは事実です。 さて、今回の内容部分の主題は、 (本論) アフリカの有名なDXサーであるJacky(3B8CF)氏から突然手紙が来たときは私も驚きました。 その内容は、日本製無線機の故障を直したいため、いくつかのトランジスターを送って欲しいとあって、かなりの枚数のIRCを同封してありました。 インド洋沖にあるモーリシャス島での電子部品の調…
1998年 第4号(年4回発行)に掲載 「私の宝もの」と題し、普段から大切にしている自分にとっての宝ものを紹介する内容で結構投稿があった人気コーナーでした。 私以外の記事として、アンティークラジオや自作無線機の紹介もありました。 アパマン時代のCQ誌掲載記事から少し後で、職場の広報誌に掲載された記事です。 (本論) この記事のねらいは、アマチュア無線の知識が…