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(特別編)電磁気学(18)電磁誘導(5)相互誘導(3)二つのコイルに同時に電流が流れている場合
今回は、HFC-721のように二つのコイルに電流が流れた場合の相互の誘導起電力についてです。 (本論) 二つの回路に同時に電流が流れている場合、回路1の全磁束鎖交数N1は、I1によって生じるN11とI2によって生じるN12との和になりますから、 N1=N11+N12 =L1 I1+M I2 ....(5.34) 同様に回路2については、 N2=N22+N21 =L2 I2+M I1 ....(5.35) したがっ…
(特別編)電磁気学(17)電磁誘導(4)相互誘導(2)結合係数k
隣接するコイル間に発生する相互誘導の理論の続きです。変圧トランスにおける一次側と二次側の間やアンテナコイルにおけるアンテナ側コイルと同調用コイル間との結合が、今回の理論に該当します。 (本論) N21=M21 I1 ....(5.27) N12=M12 I2 ....(5.28) 式(5.27)、(5.28)によりますと 「二つの回路の間の相互インダクタンスは一方の回路に1Aの定常電流を流したとき、他…
(復習)電磁気学(13)マクスウェルの電磁方程式(5)周期関数における電磁方程式
マクスウェルの電磁方程式を実際に取り扱う場合は、電磁界が周期的に時間変化をする場合がほとんどです。また、電磁界が正弦波交流的(sinωt、cosωt)に時間変化するとして、解析しても一般性は失いません。なぜなら、非正弦波(方形波、三角波など)のときは、(基本波に高調波を足す)正弦波の和として取り扱いすればよいからです。したがって、電磁界E,Hの中に角周波数ωと時間t、…
(復習)電磁気学(11)マクスウェルの電磁方程式(4)電磁方程式と電磁気学:「ガウスの定理」等の導出
電気と磁気のいろいろな性質は、すべてマクスウェル方程式の中に含まれています。そして、この方程式を基とした応用においては、アンテナ、電波伝搬、立体回路といった電波に関する諸理論が成り立っているのです。当ブログでは、アマチュア無線で馴染みのあるアンテナに絞り、電磁気学を見てきましたが、今回は、一般的に習う電気と磁気に関する性質を、マクスウェル方程式(電磁方程式)から算…
(復習)電磁気学(11)マクスウェルの電磁方程式(3) 磁気と磁流源のある場合の電磁方程式
過去の当ブログ上の電磁気学では省略していた箇所です。今回は磁気での”一般論”の扱いなので取り扱うこととしました。といっても、電磁気学を習ったかたなら、理解していただいているように、磁気においては、最小単位は、N極とS極が必ず対となって生じる現象です。ですから、今回取り上げる”(単)磁荷”は仮想的なもので、現実には現れることは無いとE-B派にとって避けてとおりたい部分です…
(復習)電磁気学(9)マクスウェルの電磁方程式(1)第1方程式
今回記事と直接関係ありませんが、今、高校野球の合間にNHK教育「高校講座」番組では、高校数学Ⅱ(通称:数Ⅱ)として、三角関数が始まりました。三角関数の基礎の基礎なので、判るかたには、内容がもどかしいとは思うのですが、三角関数の復習は、今後の電磁気学においては、必須です。 (参考) https://www2.nhk.or.jp/kokokoza/watch/?das_id=D0022140222_00000 なぜなら、電磁気学で主に対象とする「何度でも微分…
2バンド・モービルホイップ探求は今回休みとします。未だ、メーカー製アンテナ方式での再現は全く実現できていないと実感させられたからです。単純なコイルだけの組み合わせでは、どうしてもブレークスルーできないのです。まだまだ、検討の余地はあります。 それと「電磁気学」講座も未だ、本編にまで到達できていません。なので今回は、こちらを進めることにしました。 (本論) …
(補足説明)ベクトルの回転(3)rotHの直角座標表示:微小増減分を近似値で求める。
前回の説明の中にあるA,B,C,D各辺上におけるP点より少しだけ、ベクトルHの値が増減している部分の計算を近似値として求める部分が、一番理解できない箇所であると思いました。実は、10年前の自分の知識だと、この部分の理解ができていました。ところが、今回、全く理解できなかったのです。 学生時代なら、微積分授業のなかで、全微分あるいは、偏微分によるテイラー展開などを思い浮かべることができれば、この問題は、簡…
(ベクトル解析復習)ベクトルの回転(3)rotHの直角座標表示
今回のベクトルHの回転(量)を求めるために周回積分の計算を使う方法の説明です。今回は教科書どおりの内容での紹介を先にします。というのは、それでも式の分量が多くて、途中の式の導出などの意味合いを説明すると式の流れが、見通せないと考えました。 (本論) (3)rotHの直角座標での成分表示
(ベクトル解析復習)ベクトルの回転(2)ベクトルの回転の定義
今回の電磁気学とは関係ありませんが、オーディオ関係でリビングのスピーカーの設置形態が、一作日に全ての材料を入手完了できて、予定していたどおりの最終形で完成できました。早速、昨日、試作品から模様替えして音出しできました。試作品でも十分効果がありましたが、もっと伸びしろがあったようで、少し前の設置状態との比較視聴から見ると全く別のスピーカーと置き換えたような感じで鳴っ…
前回の電磁気学復習で登場した「ベクトルの回転」に関する数学的な説明になります。また、「線積分」「周回積分」の復習も兼ねています。これらは、すでに、電流から生じる磁界の式、アンペールの法則でも登場しています。 1.3.1 ベクトルの回転 (1) ベクトルの周回積分 「アンペアの周回積分の法則」からの復習です。これをベクトル解析での厳密な式を考えます。まず、ベクトル…
(復習)電磁気学(8)伝導電流と変位電流(3)【最終】伝導電流密度Jに関して
今回で電磁気学での電流について完了します。なお、本論だけでは、理解できないと思い、後ろに補足を追加しました。 (3) 伝導電流密度J 導体にその方向の電界成分が作用しますと dV=E・dl dV;電圧(電位の差),dl(エル小文字);導体の微小長さ の大きさの電圧が発生し、電流が流れます。その導体の導電率…
(ベクトル解析復習)ベクトルの発散(4)電界と磁界の発散【”発散”を完了】
今回で、ベクトルの発散は完了できます。といっても「ベクトル発散」にかかる細かい部分は、ほとんど端折りました。ですから、疑問点は、正規の電磁気学本をご覧ください。ただ、マクスウェル方程式を理解できる部分は網羅できています。肝心なところだけを理解できていれば、もし、わからない壁に当たるとそれに関する部分だけをその時に勉強するとするスタンスです。
(ベクトル解析復習)ベクトルの発散(3)∇(ナブラ)演算子の定義について
今回、電磁気学で最も登場すると思われる数学の記号∇:ナブラと発音についての説明をします。 ∇は、ベクトルの微分演算子で、ベクトルの微分は、各単位ベクトル方向成分について、それぞれ微分(その成分のみが対象となるため、偏微分)して、それを足し合わせるとそのベクトル量(又は関数)全体を微分したことになることを表現しているだけです。 また、各方向成分ごとにそれを表現す…
(ベクトル解析復習)ベクトルの発散(2)divEの直角座標表示
この電磁気学の見直し編を書くにあたって、数冊の電磁気学本を図書館から借りて読んでいます。ただ、そのレベルはまちまちで、基礎を優しく解説すると基礎理論ばかりで、これの応用の理論が不足です。逆に電磁波等への応用を主とすると基本の理論は、ほとんど省略されてしまいます。一冊の本のページ数の制限から、どうしてもそうならざるを得ない事情だと思っています。ですから、いくつかの記…
電磁誘導とは、磁場の変化によって導体内に電流(誘導電流)が発生する現象で、 ファラデーの法則 によって説明される。電磁誘導は、磁場の変化によって起こる ことが特徴で、以下のような状況で発生する。・コイルの中を通る磁束の変化:磁石をコイルに近づけたり遠ざけたりすると、コイル内の磁場が変化し、電流が発生する。磁場が一定のままだと電流は発生しない。・導体が磁場内を動く(フレミングの右手の法則):導体を磁場内で動かすと、電子が移動して電位差(起電力)が発生し、電流が流れる。
電磁力とは、基本的に電荷を持つ粒子が互いに及ぼし合う力、または電流が磁場から受ける力のことを指す。電磁力の特徴は、遠隔力、引力と反発力、距離の二乗に反比例、であり、電磁力の種類は大きく分けて、静電気力(クーロンの法則)と磁力(フレミングの左手の法則や右ねじの法則など)である。ここでは、磁界中の電流に働く力について考える。磁界と電流の間に働く力図1に示すように、磁石のN極とS極との磁極間に生じる磁界\(H\)(青矢印)中で、磁界と直角に導線を置き、赤矢印の
(ベクトル解析復習)ベクトルの発散(1)ベクトルの発散とは?
今回からベクトル解析の2番目となる「発散」についてです。電磁気学では、静電気のガウスの法則と静磁気のガウス法則あたりしか、見かけませんが、ベクトル量の微分をする点において、理解しやすい計算だと思います。また、∇・A(任意のベクトル)の表示そのものがAの発散量を示すことをおさらいします。 ① ガウスの法則(電場) https://ja.wikipedia…
(復習)ベクトルの基本(1)ベクトル解析に使う式のおさらい:単位ベクトル
この過程は省略しようと思っていたのですが、電磁気本編の途中で説明するよりも先に行ったほうが良いと結論しました。 また、今回の対象学生は、大学基礎課程あるいは、高専の3年生で、電磁気学を1年間程度習ってはいるが、それでは、よく理解できない方としています。 ですから、以前の当ブログでやりました、各式を一般の高校卒業者向けまでの高校数学からの導出は省略します。 ただ…
電磁気学(6)電磁波工学本からの紹介:アンペール・マクスウェル式
前回のファラデーの電磁誘導にかかるマクスウェル方程式は、いつもの古い「アンテナ本」からの引用でした。 今回は、最近の書物:光・電磁波工学:西原 浩ほか2名共著:オーム社:2020/09/05発行から一部だけを引用して紹介します。 電磁気学については、最近の本となるとかなり簡潔説明となっています。というのは、この書物を読まれる方は、既に、電磁気学の基礎を習得されていることを…
電磁気学(3)マクスウェル方程式#2:「回転(rot)」を意味するベクトル外積で示す残り2式
(はじめに) ここでは、ここから始める理論に使うマクスウェル方程式を紹介しているだけです。未だ、その意味合いを理解していただく段階ではありません。ただ、電磁気学で使うベクトル式表記に慣れていただくために紹介しています。 (本論) ベクトル式の計算をする場合、一番面倒なのが、今回の「回転」を意味するrotA(A:任意のベクト…
電磁気学(3)マクスウェル方程式をスタート地点に:最初は古典法則式のベクトルの発散式で示す方程式
ここでは、マクスウェル方程式を紹介するだけのことです。この式が意味するところは、過去の電気と磁気の理論を簡潔にまとめ上げたことで、それは、マクスウェル氏単独の功績ではありません。 また、マクスウェル氏が発表した時点では、このような簡潔な式では無かったと電磁気の歴史に関する書物には記されています。 →詳しくは下記リンクを参照してくださ…
今回バージョンの電磁気学解説予定と通常の教科書本との解説順序の違いあたりを先に述べておこうと思います。 (本論) 1. 教科書的項目の流れの基本パターン (1)静電気 単電荷による電界ほか 〇 スカラーポテンシャル(電位) (2)定常電流(直流)の法則 (3)静磁気 磁性体に関する特性 (4)電流による磁界 〇 アンペアの法則 …
NHK「チコちゃんに叱られる!」番組的な質問でなら、「電場」とか「磁場」て普通に言うじゃない?。この「場」てなあに?・・・的なことを今回の”電磁気学”の初めてのテーマとしました。 (本論) ウィキペディア(Wikipedia)電磁気学 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E7%A3%81%E6%B0%97%E5%AD%A6 の中でも、言葉での説明はあるのですが、 >電場(でんば)または電界(でんかい、英: electric field)とは…
電流と磁界には密接な関係がある。導線などに電流が流れると磁界が発生し、逆に磁界変化によって起電力が発生し、電流が流れる。この関係を理解することは、電気工学などの応用分野で非常に重要である。・電流による磁界:導線に電流が流れると、その周囲に磁界が発生する。磁界の向きは、右ねじの法則に従う。右手を導線に巻きつけ、親指の方向を電流の方向にすると、残りの指の方向が磁界の方向となる。磁界の強さは、電流が大きいほど、導線からの距離が近いほど強くなる。・磁界による電流(電磁誘導):磁界が
磁気の基本的な性質は、磁石が互いに引き合ったり反発したりする現象に見られる。磁石にはN極とS極があり、異なる極同士は引きつけ合い、同じ極同士は反発する。この性質は、磁性と呼ばれ、磁場に反応する性質を指す。磁気の性質は以下である。・磁気双極子: 磁石には必ずN極とS極の両方が存在する。(磁気単極子の存在は未確認)・磁力線: 磁石の周りには、磁力線が存在する。磁力線は、N極からS極へと向かっている。・磁場:磁力線が存在する空間を磁場と呼ぶ。・磁荷:磁荷は、磁極が帯びている磁気の