電気回路、計測工学、制御工学でよく現れる三角関数の公式について、オイラーの公式を使った導出法を中心にしてまとめる。※オイラーの公式をこのように利用するのは数学的には適切ではないかもしれないが、各種公式の導出が楽になる。オイラーの公式オイラーの公式は、$$e^{j\theta} = \cos \theta + j \sin \theta$$である。証明の概要:指数関数、余弦関数、正弦関数のマクローリン展開(ベキ級数展開)は、それぞれ以下となる。$$e^\the
このサイトは、これまで携わってきた講義や研修で使用してきた資料を基に加筆修正し作成しています。工学基礎の勉強に活用して頂けると幸いです。初学者にも馴染めるようになるべく平易に解説しているつもりです。
※本編に合わせて、以下虚数単位は\(j\)とします。複素数は、実数と虚数を組み合わせた数、つまり「数」全体のことである。具体的には、「\(x+jy\)」という形で表される数である。\(x,y \)は実数で、\(j\)は虚数単位(2乗すると-1になる数、つまり\(j^2 = -1\) )と高校数学で学ぶ。複素数は、2次元平面(複素数平面、ガウス平面とも)で表現できる。複素数平面では、複素数は点またはベクトルとして表現でき、複素数の加算、減算、乗算、除算などの演算を視覚
国東半島は、大分県の北東部に位置する場所で、多くの寺社や仏像、石仏が密集している。特に「六郷満山」と呼ばれる独特の仏教文化圏が形成されており、これは日本でも珍しい宗教的な景観となっている。この寺社密集地帯は、奈良時代に半島の6つの郷に建てられた28の寺院群が中心となっており、宇佐神宮(八幡宮の総本社)の神仏習合思想によるものといわれている。平安時代には天台宗・真言宗などの密教が国東半島に伝わり、石仏文化が開花し、険しい岩山や奇岩を活かし、岩壁に石仏を刻んだり、磨崖仏が数多く
熱伝導方程式は、物体内の温度分布の時間変化を記述する偏微分方程式である。熱の伝わり方を理解し、予測するために不可欠なツールであり、工学、物理学、材料科学など、さまざまな分野で応用される。制御工学では、温度制御や熱管理が必要なシステムにおいて、熱伝導方程式を使ってプロセスの動作をモデル化し、制御設計を行う。熱伝導は、高温の物体から低温の物体へと熱エネルギーが移動する現象である。この熱の移動は、原子や分子の振動、自由電子の運動などによって起こる。熱伝導の基本的な法則は、
昨年の夏ごろまで、1反程度の畑を借用して各種の野菜を趣味程度に作っていた。畑は山際にあったため、ジャガイモやサツマイモは猪の格好の標的になった。防獣ネット、害獣忌避剤、撃退ライトなど試したが、効果は一時的なもので全て突破された^^; 電気柵は高価で管理が大変なので却下した。 猪は臆病だが力は強いので、会って注意するわけにはいかないし、当然、罠などを掛けるのは禁止されている。結局、猪対策は農家がやっているように周囲に鉄柵を張り巡らすしかないと分かったが、趣味の園芸では経費的
ハミルトニアンは、「物理系のエネルギーを表し、運動を決定する最も基本的な関数」であり、解析力学から量子力学・統計力学に至るまで幅広く適用される概念である。エネルギーエネルギーとは、物理系が持つ 運動の能力を表す量 であり、一般に以下の2種類に分けられる。1) 運動エネルギー物体が持つ運動に関連するエネルギーは、$$T = \frac{1}{2} m v^2$$である。一般化座標\(q\)を用いると、$$T = \frac{1}{2} m \dot{q}^2$
ラグランジュ力学は、ニュートン力学をより一般化し、洗練された数学的表現で記述する手法 で、特に、複雑な系(剛体、電磁場、相対論、量子力学) に適用できる強力なフレームワークである。ラグランジュ力学の基本一般化座標ニュートン力学では、デカルト座標 \((x,y,z)\)を用いるが、ラグランジュ力学では一般化座標 \(q_i\)を導入する。運動を表現できる座標は直交座標に限らない。 極座標でも良いし、剛体の運動なら各質点の直交座標変数より重心座標や相対座
望月新一教授のブログ記事 "高度な偽装を狙う「技術」と、究極的な真実の解明を目指す「科学・純粋数学」"を読んで十分に理解できなかったのでAI(ChatGPT)に尋ねてみた結果の顛末^^; “ 望月新一教授は、「技術」やそれへの科学や数学の「応用 と 純粋数学を含む自然科学を「ウソの創出」 対 「 究極的な真実の解明」とブログで述べているが、純粋数学がより大きなウソ(仮想的な現実)の創造のように思えるがどうだろうか? 勿論、より大きなウソの創造を否定はしないが。 ” という問
新聞やニュースで採りあげられて随分経つので、今更ながらだが、百聞は一見に如かずで、福岡県朝倉郡筑前町安の里公園ふれあいファームへ「わらかがし」のゴジラを見に行った。「筑前町 どーんとかがし祭」のサイトに多数の写真があるものの、実際に見ると自分で沢山の写真を撮りたくなる、迫力のあるかがしだった。 このやまかがしゴジラは、高さ約10mで、実際?の「ゴジラ -1.0」 の5分の1だが、十分な威圧感があった。50mのゴジラが出現したら、呆然と見上げている内に踏み潰されるに違いな
※13. 波動方程式、12. 電磁波を参考にしてください。波動方程式をまとめながら徒然に考えた。まさに凡夫の愚考である(笑)。流体の3次元の波動方程式と電磁波の波動方程式は同じ様な微分方程式で表せるが、これは数学的な構造によるものなのか、物理現象の根本的な性質なのか?流体の波動方程式と電磁波の波動方程式は、どちらも以下の一般的な波動方程式の形をとる。$$\frac{\partial^2 \phi}{\partial t^2} = c^2 \nabla^2 \phi$$この形
電磁波を考える上で参照となる、波動方程式についてまとめる。波動方程式は、振動現象 や 波の伝播 を記述する基本的な微分方程式であり、音波・電磁波・水面波・弦の振動 など多くの物理現象に適用される。※数学部分に関しては、19. 偏微分方程式(微分方程式)を参考にしてください。一般的な波動方程式の導出波動方程式を導くために、基本的な例として 弦の横波(1次元の場合) を考える。弦の微小部分の運動方程式弦を\(x\)軸に沿って張り、弦の変位(たわみ
行列の固有値と固有ベクトルは、線形代数での重要な概念であり、2次形式の標準形、機械学習、信号処理、物理学など幅広い分野で応用される。固有値行列 \(A\)に対して、式(1)の条件を満たすスカラー \(\lambda\)を 固有値という。$$A v = \lambda v\;\;\; \cdots(1)$$ここで、\(A\)は\(n \times n\)の正方行列、\(v\) はゼロでない\(n \times 1\)のベクトル(固有ベクトル)、\(\lambd
2次形式表現を用いることで、最小二乗法をより簡潔に表現し、計算を効率化することができる。2次形式を利用した最小二乗法は、機械学習や統計モデル、時系列分析、信号処理など幅広い分野で応用されている。ここでは、その表現形式とScilabによる実装を紹介する。最小二乗法は、観測データに対して最適なモデルをフィットさせるための方法で、誤差の二乗和を最小化することでパラメータを推定する。特に、線形回帰のような問題で広く使われる。基本的な最小二乗法は、次の形で表される線形モデルを考える。
統計的な1つのデータの集団を母集団というが、調査対象とする2つ以上の母集団の間に互いに差があるか、どの程度の差があるかを検討するのに分散分析法を使う。要因と水準要因:出力変数または応答変数(実験結果)の大きさを評価するための入力(変動)する変数で、因子ともいう。温度、圧力、電流などが因子となる。水準:因子の影響をみるため、その大きさを何段階かに変えるときの段階のこと。例えば、温度が因子\(C\)とすると、\(C_1 = 30 \)[℃]、\(C_2=50\)
回帰分析回帰分析は、ある変数(目的変数)の変動を、他の変数(説明変数)との関係を通じて説明・予測するための統計手法である。計測工学では、センサデータの解析や測定精度の向上、システムの最適化を目的として回帰分析が活用される。具体的には、以下がある。・センサデータの補正と校正センサによる測定データには誤差やノイズが含まれることが多いため、回帰分析を用いることでデータの補正や校正が可能になる。例えば、「温度センサの出力と実際の温度の関係を回帰分析し、測定誤差を補正する。」
最小二乗法は、測定値群を多項式などの尤もらしい関数曲線で表す手段であるが、必ずしも測定点を通るものではない。とびとびの実験データを得た時は、それらの中間点を推定したり、点列を繋いでなめらかな曲線を描いたりする必要もある。これらの手法をデータ補間、曲線近似という。ラグランジュの補間法ラグランジュ補間法は、与えられたデータ点を通る1つの多項式を求める方法 である。これは、ニュートン補間法と並ぶ代表的な補間手法の1つであり、特に数値解析や信号処理の分野で用いられる
変位電流電流が至るところで連続であるとするために、電荷の移動による電流と電界の変化に伴う電流を考える。この電界の変化に伴う電流を変位電流という。変位電流は、時間変化する電場が作る「見かけの電流」 と言うこともある。この変位電流の導入により、電磁波の存在が理論的に導かれた。図1は、伝導電流と変位電流の違いの模式図である。図1に示すように、コンデンサ(2枚の極板)に時間とともに変化する電圧(交流電圧)を加える。図1(a)のように、上の電極側が\(+\)(高い
マクスウェルの方程式は、「電磁気学の究極の4式」 である。電場と磁場の関係を記述する 4つの基本方程式 で、電磁気学の基礎をなすものである。これらの方程式は、電場と磁場がどのように発生し、相互作用するかを説明し、電磁波の存在や光との関係を理論的に導いた 重要な理論式となっている。マクスウェルの方程式は、微分形(局所的な場の変化を記述)と 積分形(場全体の性質を記述)の2つの形式がある。ガウスの法則(電場の発散)電場に関するガウスの法則は、電場 \(\math
電磁誘導とは、磁場の変化によって導体内に電流(誘導電流)が発生する現象で、 ファラデーの法則 によって説明される。電磁誘導は、磁場の変化によって起こる ことが特徴で、以下のような状況で発生する。・コイルの中を通る磁束の変化:磁石をコイルに近づけたり遠ざけたりすると、コイル内の磁場が変化し、電流が発生する。磁場が一定のままだと電流は発生しない。・導体が磁場内を動く(フレミングの右手の法則):導体を磁場内で動かすと、電子が移動して電位差(起電力)が発生し、電流が流れる。
電磁力とは、基本的に電荷を持つ粒子が互いに及ぼし合う力、または電流が磁場から受ける力のことを指す。電磁力の特徴は、遠隔力、引力と反発力、距離の二乗に反比例、であり、電磁力の種類は大きく分けて、静電気力(クーロンの法則)と磁力(フレミングの左手の法則や右ねじの法則など)である。ここでは、磁界中の電流に働く力について考える。磁界と電流の間に働く力図1に示すように、磁石のN極とS極との磁極間に生じる磁界\(H\)(青矢印)中で、磁界と直角に導線を置き、赤矢印の
宇宙シミュレーション仮説は、我々が経験する現実が高度な技術を持つ存在によって作られたシミュレーションである可能性を提案する仮説である。この考え方は哲学的な思考実験の一つであり、科学、哲学、技術界で議論されている。この仮説は、2003年にオックスフォード大学の哲学者ニック・ボストロムにより「Are You Living in a Computer Simulation?」という論文で提案された。論文は14ページほどの短いものである。ここからは、論文とAIなどで調べた結果をもと
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電気回路、計測工学、制御工学でよく現れる三角関数の公式について、オイラーの公式を使った導出法を中心にしてまとめる。※オイラーの公式をこのように利用するのは数学的には適切ではないかもしれないが、各種公式の導出が楽になる。オイラーの公式オイラーの公式は、$$e^{j\theta} = \cos \theta + j \sin \theta$$である。証明の概要:指数関数、余弦関数、正弦関数のマクローリン展開(ベキ級数展開)は、それぞれ以下となる。$$e^\the
式(1)のシステムを考える。$$\dot x = A x + B u,\quad \sigma = S x \;\;\; \cdots (1)$$ 超平面 \(\sigma_i\)でのスライディングモードの存在条件は式(2)で与えられる。$$\begin{cases} \dot \sigma_i \gt 0 & \text{if } \sigma_i \lt 0 \\ \dot \sigma_i \lt 0 & \text{if } \sigma_i \
近隣の寺院参拝ということで、平山観音院(高野山真言宗:北九州市)へお参りに行った。平山観音院は、十一面観音を本尊とし、江戸時代に建立されたと云われている。淡島神社に到る県道262号の途中に案内看板があり、そこから農道を山の方に入っていく。車一台分の狭い道を上がっていくと、寺院の駐車場(草に覆われた空き地)がある。そこから250m程度緩い坂を徒歩で登っていくと平山観音院の客殿(写真1)が見えてくる。法事や様々な催し物で使われる客殿前には、睡蓮の池が広がっている。客殿の裏横
スライディングモード制御則の設計の目的は、切換面にない状態から切換面に収束させて、その面上に状態を保つことである。これを保証することは制御器の設計にかかっている。ここでは、式(1)に示す\(m\)個の入力を有する線形な系にたいして、スライディングモードを生じさせることを考える。$$\begin{cases} \dot x = A x + B u \\ \sigma = S x = 0 \end{cases} \;\;\; \cdots (1)$$制御入力は、式(2)のように
奈良へ小旅行した。これまで、東大寺、興福寺、薬師寺などを参拝したことがある。今回は、1泊2日で吉野の金峯山寺を目指した。初日は、橿原神宮(写真1)を参拝して大和八木駅周辺のホテルで宿泊すれば良いと考えていたが、時間が余ったので、明日香村まで行ってみた。レンタカーが手配できなかったので、電車で移動して飛鳥駅で下車した。駅前にレンタサイクルがあったが、自転車はもう数十年乗っていないので、徒歩で高松塚古墳(写真2)を目指した。脊柱管狭窄症で痛む足を引き摺りながら向かっていたが
周波数整形による切換超平面の設計法スライディングモード制御(SMC: Sliding Mode Control)は、システムのパラメータ変動や外乱に対して高いロバスト性(頑健性)を持つ非線形制御手法で、この制御法では、「切換超平面」と呼ばれる状態空間内の部分空間を設計し、システムの状態量をこの超平面上に拘束するように制御入力を切り換える。状態量が超平面上に拘束された状態が「スライディングモード」で、このモードではシステムの動的振る舞いは、切換超平面の設計のみに依存し
最適切換超平面の設計法式(1)のシステムに対して、スライディングモード制御になってからの状態の変動を最小にする最適な切換超平面を求めることを考える。$$\begin{cases} \dot x_1 = A_{11} x_1 + A_{12} x_2 \\ \dot x_2 = A_{21} x_1 + A_{22} x_2 + B_2 u \\ \sigma = S_1 x_1 + S_2 x_2 \end{cases} \;\;\; \cdots (1)$$ここで
連続時間系のスライディングモード制御における切換超平面の設計を考える。極配置による設計法式(1)の線形時不変系で考える。$$\dot x_a = A x_a + B u \;\;\; \cdots (1)$$ここで、\(x_a \in R^n,\; u \in R^m\)で、\((A,\;B)\)は可制御とする。このときの拘束条件\(\sigma_i = 0 ,\; (i=1,2, \cdots, m)\)の集合を$$\sigma = S x_a = 0
式(1)のシステムにおいて、$$\dot x = Ax + Bu,\quad \sigma = Sx \;\;\; \cdots (1)$$ 式(2)のように外乱の存在する系を考える。$$\dot x = Ax + Bu + h(x,t) \;\;\; \cdots (2)$$ここで、\(h(x,t)\)は、システムの不確かさと非線形性を含む関数とする。このとき、$$\dot \sigma = S\{Ax + Bu + h(x,t) \} = 0$$となるので、等価制御入力
スライディングモード制御は、線形制御とは異なり、線形制御系における状態方程式と出力方程式の対$$\dot x = Ax + Bu,\quad y = Cx + Du$$からなる状態空間モデルに代わって、状態方程式と切換関数の対からなるモデル$$ \dot x = Ax +Bu,\quad \sigma = Sx$$として表される。スライディングモード制御系は、基本的に時間領域での設計、より厳密には位相空間での設計であるため、線形制御系のように時間領域、周波数領域と自在に変換
スライディングモード制御において、実際にスライディング面上で使用される各種の切換方式(スイッチング方式)について、それぞれの特徴を整理する。理想リレー切換方式完全なON/OFF切換を行うリレー動作で、これまでの項目1.2.3.のシミュレーションで使用してきた切換方式である。式で表すと、$$u(t) = \begin{cases} +K, & \sigma(x) > 0 \\ -K, & \sigma(x) < 0 \end{cas
スライディングモード制御則の設計では、スライディングモードに入る方式の選択と制御則の構造を予め指定するかどうかの問題がある。ここでは、スライディングモードに入る方式を考える。制御対象は、線形時不変システムで以下とする。$$\dot{x} = Ax + Bu,\quad x \in R^n, \; u \in R^m \\ \text{切換関数}\sigma(x) = Sx, \quad \sigma(x) = [\sigma_1(x), \sigma_2(x), \cdot
ここでは、式(1)の状態方程式で示す線形時不変のシステムを制御対象とする。$$\dot{x} = Ax + Bu \;\;\; \cdots (1)$$ここで、\(x \in R^n , \quad u \in R^m\)である。また、\(B\)行列の\(m\)個の列ベクトルは、\(b_i \quad (i=1,2, \cdots, m)\)とする。可変構造系の基本用語の定義1.可変構造制御系の構造は、ベクトル関数の切換関数\(\sigma(x)\)の符号に
スライディングモード制御の基本的な考え方として、式(1)で示す二次系システムを考える。$$\dot x = y \\ \dot y = 2y - x +u \\ u = -\phi x \;\;\; \cdots (1)$$ また、式(2)の変数\(\sigma(x,y)\)を導入する。$$\sigma(x,y) = xS, \quad S = 0.5x + y \;\;\; \cdots (2)$$ここで、フィードバックゲインを式(3)のように選ぶ。$$\phi = \l
まず、16. 離散時間システムにおける状態推定(1)の内容をまとめて示す。離散時間システムとして、式(1)を考える。$$x_{k+1} = Ax_k + v_k \\ y_k = C x_k + e_k \;\;\; \cdots (1)$$ここで、\(v_k,\; e_k\)は平均値0の正規白色雑音でそれぞれの分散を\(R_v,\; R_e\)とする。また、初期状態\(x_0\)の平均値を\(m\) 、分散を\(R_0\)とする。状態推定器は式(2)とする。$$\hat{
先に訪れた9. 真木大堂(国東半島)に続いて、国東半島の寺社参りをした。今回は、国東半島のほぼ中央の山間に位置する文殊仙寺を目指して車を走らせた。宇佐方面から豊後高田市街を抜けて県道548号を登っていくと、天念寺の案内看板が屡々目に入る。本来、私は目的地に計画的に向けて動き、寄り道が嫌いな性格であるが、前回の真木大堂の時と同様に何とは無く惹かれて、脇道へと入った。天念寺は養老2年(718年)、六郷満山(国東半島一帯にある寺院群の総称)を開いたと伝えられる仁聞菩薩
サーボ型一般化最小分散制御(GMVC)は、制御対象の出力が目標値に追従するように、出力の分散を最小化する制御方式である。従来の最小分散制御(MVC)に比べて、「目標追従性」が明示的に設計目的に組み込まれている。サーボ型GMVCは本質的にはモデルベースの制御方式で、以下の特徴からある程度のロバスト性を持つ。・出力フィードバック構造:モデル不確かさがある程度許容される。・目標追従と外乱抑制のバランス:外乱やモデル誤差が存在しても、リファレンス追従性を確保できるよう設計されている
閉ループ制御系で外部入力として目標値、外乱があり、それらの変化によって定常偏差が生じるときは、内部モデル原理に基づいて制御系の構造を見直す必要がある。外部入力がステップ状に変化する場合には、そのモデルとして\(\frac{1}{1-q^{-1}}\)(積分器)を前置補償器として設ける。図1に制御対象の前に補償器\(\frac{1}{\Delta}\)を設置した構成を示す。\(\Delta = 1-q^{-1}\)である。前置補償器と制御対象を併せた見かけ上の制御
最小分散制御を適用するには、制御対象は最小位相系で、むだ時間が正確にわかっている必要がある。この条件を緩和するために一般化最小分散制御が提案された。式(1)の線形離散時間モデルの制御対象を考える。$$A(q^{-1})y_k = q^{-j_m} B(q^{-1})u_k + C(q^{-1})e_k \;\;\; \cdots (1)$$ここで、$$A(q^{-1}) = 1 + a_1 q^{-1} + a_2 q^{-2} + \cdots a_n q^{-n} \\
静電容量は、電子部品のキャパシタ(コンデンサ)が蓄えられる電荷の量を表す指標で、単位はファラッド\([F]\) である。\(1\;F\) は \(1\:C\)の電荷を\(1\;V\) の電圧で蓄えることができることを意味している。キャパシタの基本構造は、2枚の導体板 (電極) とその間に挟まれた誘電体(絶縁体)で構成される。これに電圧を印加すると、電極に電荷が蓄えられて電場が発生する。キャパシタは、様々な電子回路で使用される。キャパシタの用途は、エネルギー貯蔵、ノイズ除去、
電流とは、電気が導体などの経路を通って流れる様子を指す。具体的には、電荷を帯びた粒子が連続的に動く現象である。電流の大きさは、1秒間にどれだけの電荷が移動するかで決まる。電流の単位は\([A]\)で、\(1\;[s]\)間に\(1\;[C]\)の電荷が移動する電流を\(1\;[A]\)と定義する。また、電流の向きは、電荷が移動する方向によって決まる。一般的には、電子が移動する方向と反対方向を電流の方向とする。これは、歴史的な経緯によるもので、電子の存在がまだ知られていなかっ
電位とは、ある地点における電荷の持つエネルギーのことを指す。電位は、基準点における電位を0と定義し、その基準点からの距離と電荷によって決まる。電位の単位はボルト\( [V]\)であり、\(1\;[V]\)は\(1\;[C]\)の電荷を\(1\;[J]\)分の仕事をして運ぶのに必要な電位差と定義される。電位電界においても重力場と同じように、電気的な位置エネルギーの高い点、低い点がある。(重力場では、高いところにある質量は大きな位置エネルギーを持つ。)電気的
電界におけるガウスの定理は、電荷と電場の関係を表す重要な法則である。この定理は、「閉曲面を貫く電気力線の総量は、その閉曲面で囲まれた電荷の総量に比例する」という内容を表している。ガウスの定理は、電荷と電場がどのように関係しているかを理解する上で重要な役割を果たす。この定理を利用することで、様々な電場の分布を求めることができる。具体的には、ガウスの定理を用いることで、・点電荷、球対称電荷分布、無限に長い帯電導体の電場を求める・導体の表面における電場の分布を求める・静電ポテンシ
電界(電場)とは、電荷に力を及ぼす空間の性質の一つである。電荷の周りには電界が存在し、電荷に力を与える。電界は、ベクトル量であり、大きさと方向を持つ。電界の大きさは、その点における単位電荷が受ける力と、その電荷の電気量の比で表す。電界の方向は、電荷に働く力の向きと同じである。電界の単位は、国際単位系(SI)では\([N/C]\)で、\(1\;C\)の電荷が\(1 \;N\)の力を受けるのが電界の強さである。電界は目に見ることはできないが、電荷の動きによってその存在を知ること
静電力は、帯電した物体同士に働く力である。帯電とは、物体に電荷と呼ばれる電気的な状態が蓄積されることを指す。電荷には正と負があり、同じ極性の電荷は反発し合い、異なる極性の電荷は引き付け合う。静電力は、私たちの身の回りで様々な現象を引き起こしている。例えば、静電気ショック(帯電した物体に触れたときに感じるバチッという衝撃)、雷(雲の中で発生した静電気が放電される現象)、埃の付着( ホコリは静電気を帯びやすく、そのため物体に付着しやすくなる)などがある。電荷
FIRフィルタの設計では、フーリエ級数展開法で求めたインパルス応答に窓関数を掛ける窓関数法が代表的である。窓関数法によるフィルタの設計手順は、以下である。1)仕様決定:・フィルタの種類(LPF、HPF、BPF、BRFなど)・カットオフ周波数、阻止域減衰量、許容されるリップル量の決定2)窓関数の選択・矩形窓、ハミング窓、カイザー窓など、様々な窓関数があり、各窓関数によって、周波数特性やリップル量が異なる。必要な仕様を満たせる窓関数を、特性比較表などを参考に選択する。3)フィル
ディジタルフィルタの構成ディジタル信号処理の分野で、ディジタルフィルタは基本的で重要な技術で、様々な領域で活用されている。ディジタルフィルタは、特定周波数範囲の信号の伝送や除去などアナログフィルタと同じ目的で使用されるが、図1に示すように、連続時間の入力信号をサンプラーによる標本化、AD変換器による2進数のディジタル信号への変換、ディジタルフィルタ演算、DA変換器による連続時間の出力信号への変換、という操作を必要とする。これらの操作は煩雑ではあるが、以下のような様々
式(1)で表記する1入力\(n\)次元定係数線形システムを制御対象とする。$$\dot{x}(t) = A x(t) + b u(t) \\ y(t) = c x(t) \;\;\cdots \cdots (1)$$式(1)のシステムは可観測、可制御とする。さらに、状態変数\(x_1(t) \sim x_n(t)\)が直接観測できるとすると、入力を$$u(t) = -f x(t) \;\;\cdots \cdots(2)$$とすることで、状態フィードバック制御が構成できる。
※可観測性の解説は、11. 可観測性 、9. 対角正準形 を参照願います。システムを$$\dot{x}(t) = A x(t) + b u(t) \\ y(t) = cx(t) \;\; \cdots \cdots (1) $$で表す1入力1出力の\(n\)次元システムとする。可観測性の条件可観測性は以下のように表すことができる。(1)式(1)を対角正準形で表現したとき、すべての\(\tilde{c}_i\)がゼロでないとき、システムは可観測である。(2)あ
※可制御性の解説は、10. 可制御性、12. 可制御正準系 を参照願います。※固有値、固有ベクトルの計算手順の詳細については、固有値と固有ベクトルの計算 を参照願います。座標変換1入力1出力\(n\)次元システム $$\dot{x}(t) = Ax(t) + bu(t) \\ y(t) = cx(t) \; \cdots\cdots(1)$$を正則な\(n \times n\)定数行列\(T\)によって座標変換$$x(t) = T z(t)$$すると、$$\
制御対象を入力\(m\)、出力\(l\)の\(n\)次元の線形定係数システムとする。$$\dot{x}(t) = A x(t) + B u(t) \;\cdots \cdots (1) \\ y(t) = C x(t)\; \cdots\cdots (2)$$ここで、 \(x(t) , \;\;\; u(t), \;\;\; y(t) \)は、それぞれ\(n,\;m,\;l\)次元のベクトル、また、\(A \; (n \times n),\;\;\; B \;(n \tim
システムの特性を以下の状態方程式(式(1))、出力方程式(式(2))で表現する。$$\dot{x}(t) = A x(t) + B u(t) \;\;\cdots \cdots (1)\\y(t) = C x(t) \;\;\cdots \cdots (2)$$ \(x(t)\):状態変数、\(u(t)\):入力変数、\(y(t)\):出力変数、\(A\):システム行列、\(B\):入力行列、\(C\):出力行列※状態方程式の詳細に関しては、3. 動的システムの状態方程式表
インピーダンスを精度よく測定するために重要な要素は、測定条件の最適化である。インピーダンス測定器(LCRメータやインピーダンスアナライザなど)を使用する際に必要となる基本的な設定条件をまとめる。 (1) 周波数:最も基本的な条件が周波数である。全ての電子部品には周波数特性が有り、周波数によってインピーダンス値は変化する。インピーダンス測定器の測定精度は、周波数やインピーダンス値に応じて変化する。(2) 信号レベル:測定端子から出力される交流信号を測定対象に印加するが、その信
インピーダンスは、抵抗、キャパシタ(コンデンサ)、インダクタ(コイル)などの電気的性質を複素数で表したものである。インピーダンスの測定には、以下の2つの方法がある。1.直流法:オームの法則に基づいてインピーダンスを測定する方法で、抵抗器両端の電圧と、回路に流れる電流を測定し、電圧を電流で割ることでインピーダンスを求める。直流法は、比較的簡単な方法であるが、測定対象が直流動作なので、測定対象のインピーダンスが抵抗のみの場合に使用できる。2.交流法:交流法は、交流信号を用いてイ
温度センサは、物体や環境の温度を測定し、電気信号に変換するセンサである。温度センサは、主に以下の種類に分類される。*接触式温度センサ・測温抵抗体 :白金等の金属または金属酸化物の電気抵抗値が温度によって変化する性質を利用したセンサ。高精度で安定性があるが、高価で、熱電対に比べて応答速度が遅い。・サーミスタ(NTC,PTC,CTR):温度変化に対して電気抵抗の変化の大きい抵抗体(主に半導体)を利用したセンサ。小型で安価、応答速度が速いが、精度が低く、温度範囲が狭い。・熱電対:
力 センサは、物体に加わる力やトルクを電気信号に変換するセンサで、ロボットや工作機械、自動車、医療機器など、さまざまな分野で広く使用されている。力 センサには、以下のような種類がある。・ひずみゲージ式:金属箔、金属線などで構成されたひずみゲージに力が加わると、抵抗値が変化する性質を利用したセンサで、高精度で小型だが、温度変化の影響を受けやすい。・圧電式(ピエゾ式、半導体式):機械的応力を受けると電荷を生成する物 質(圧電材料)を利用したセンサ、応答速度が速く、高温・高圧環境
チェビシェフフィルタは、フィルタの一種で、バターワースフィルタに比べてロールオフ(フィルタの帯域の端における通過特性の変化の急峻さ)が急勾配で、通過帯域にリップルがある場合(第一種)と阻止帯域にリップルがある場合(第二種)がある。・第一種チェビシェフフィルタ:ローパスフィルタの特性は、リップル係数とチェビシェフ多項式によって決まる。通過帯域ではリップルがあるため、高調波を含む信号には適していない。ただし、リップルは通過帯域における信号の反射を調整し、電圧定在波比(VSWR)
ベッセルフィルタは、群遅延が最大限平坦になるようにしたアナログフィルタである。位相特性が線形になるため、方形波などの波形を入力しても、歪みの少ない出力波形を得ることができる。※群遅延:周波数によって信号の伝搬時間が変わる現象。群遅延\(\tau_g\)は、入力波形と出力波形の位相差\(\phi\)を角周波数\(\omega\)で微分することで求められる。\(\tau_g = -\frac{d \phi}{d\omega}\)以下にベッセルフィルタの特徴をまとめる。・群遅延の
バターワースフィルタは、通過帯域における周波数特性が最大限平坦になるように設計されたアナログフィルタの一種である。リップルと呼ばれる通過帯域におけるゲインの変動がなく、減衰特性は周波数の平方根に比例する。バタワースフィルタの特徴は、・通過帯域が平坦: 通過帯域における周波数特性が平坦なので、信号の歪みを最小限に抑えることができる。・減衰特性: 減衰特性は、周波数の平方根に比例する。・設計が容易: 数学的な計算が比較的簡単であるため他のフィルタに比べて設計が容易。バタワースフ