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  • ブログ開設から気付けば4周年

    2021年4月24日にこのブログを始めましたので、今日で4周年を迎えることとなりました。毎日戯言を投稿し続けてきましたので記事総数は365×4+1で1671です。4年区切りは閏年の計算がやりやすくて助かります。 ちなみに4周年のことは直前で思い出しました。 ビックリです。継続の長さではなく、忘れていた自分に。 なんでもかんでも忘れるので困ったものです。 さすがにそろそろ長くなってきたか 毎年、ブログの周年を迎える頃になると「大した長さではない」「長さは重要ではない」と天邪鬼的なことを述べてきた気がしますが、4年間の1671記事となるとさすがにそろそろ長いと言ったほうがいいような気がします。 ま…

  • ダブルバインド

    時にはサラリーマンっぽい日記。 どっちや? 「後で修正してもいいから、とにかくまずはスケジュールを立てなさい」 「自分で立てたスケジュールなんだからしっかり守りなさい」 うーん、典型的なダブルバインド。 いや、やむを得ずスケジュールを修正することは許容するものの基本的にはスケジュール通りに動きなさいと言わんとしていることは分かりますが、なかなか現実はよんどころないものです。 もちろんスケジュール管理やタイムマネジメントは間違いなく必要なことです。 しかしそれが一般化できるかと言えば否で、個々で動いているかチームで動いているか、開発業務なのかクレーム対応業務なのか、長期計画に対してか短期計画に対…

  • 科学は意思決定を行わない

    道を決めるのは政治の仕事。 科学に是非は無いが、政治は是非を決める行為 私のような工学屋、すなわち科学の世界に生きる人間にとって、学問的結論には是非を考えません。物体がどのような原理で運動しようとも、物質がどのような化学反応を起こそうとも、生物がどのような理屈で進化しようとも、それはそうなるだけであり、それ自体は是も非もないただの現象です。 時々、「科学に従え」といったフレーズを見かけることがありますが、それは厳密に言えば科学的な姿勢ではありません。科学は上述したように是非を問う学問ではないためです。 しかし政治では必ず物事の是非を問います。科学が現象を説明する行為であれば、政治はその現象に対…

  • 根性論を是としたいのか非としたいのか、都合良く使い分けたいのか

    週に何度も出張があると、さすがに生活リズムが乱れて困ります。 ブログの毎日更新はそもそも生活がある程度安定していなければ成し得ない趣味だと思うばかりです。 まあ、それでも書くのですが。 仕事と趣味の線引き ブログの毎日更新。 これが仕事であれば「時間が無いからできない」と真顔で答えるところですが、これは趣味ですので「時間が無いというのは言い訳に過ぎない」とやたらマッチョなことを言い出してみます。 気合と根性とやる気さえあれば、毎日多少の文章を書いてブログを更新する程度の作業に時間を作れないはずはありません。 現実には本当に時間が無い時だってありますので根性論に過ぎないのですが。 「時間が無いと…

  • いずれAIには勝てなくなる、それはそうですが

    誰もがいずれは死ぬのです。 それはそうだが、それがどうした 最近、「どうせAIには勝てなくなる」「いずれAIのほうが人間よりも賢くなる」といった言説をちょこちょこ見かけます。 まあ、それは事実でしょう。AIに限らず、人間の能力を超える装置が作られてそれにより人々の仕事や生活様式が変わることは昔からよくある話で、AIもその延長線にいます。 織機よりも素早く布を編むことができる人はいませんし、蒸気機関よりもパワーを出せる人はいません。パソコンよりも計算能力が高い人もいないのと同様、いずれAIよりも賢い人はいなくなるでしょう。 とはいえ、何かしらの技能を外部に頼ることで人間が人間で無くなるかと言えば…

  • 下っ端よりも幹部、幹部よりも魔王のほうが強い

    私「昨日の会議のせいで風邪をひきました」 同僚「は?」 私「より具体的に言うと、冷や汗で風邪をひきました」 同僚「は?」 私「本部長や役員もいる審査会で、20人くらいに囲まれた中で、企画書の不備を工場長から長時間ガン詰めされたおかげで冷や汗が凄かったんすよ、会議後半は汗が冷えちゃって寒さに震えていました」 同僚「それは、お疲れ様」 元上司だからこっちの強度も把握されているのでギリギリまで絞り上げてくるのがまた恐ろしくも優しくて怖いです。口調が荒い訳ではなく、思考を強要する質問をむしろ丁寧に積み重ねていく詰め方は、明らかに「教育目的」なのが肌感覚で分かるので優しさを感じます。しんどいですけど。 …

  • 歯医者に行っただけの話

    物語とは”物事を語ること”である。 つまり、ちょっとした日常の事柄を語ることも立派な物語である。極論、日記も物語である。 そう言い張ってみます。 ある日の物語 奥歯の調子が悪い。 いや、理由は分かっている、どう考えても虫歯だ。 だって痛いんだもの。 ここしばらく忙しさにかまけて医者に行けていなかったが、この歯は歯医者さんにも虫歯の兆候があると言われていた。それを放置して歯医者に行かなければこうなるのは分かり切っていた結末だ。 とにかく海外出張を控えているのに歯の不健康は宜しくない。 私は、行かなければならないのだ。 歯医者に。 とにかく時間が無い。直ちに治療をしてくれる歯医者を探そう。 幸い歯…

  • 「言ったもん負け」の組織風土は宜しくないが、人の仕事は楽しくない

    属人性とモチベーションの話。 人の企画書 企画部署へ異動して約1年。自分で書いた企画書はまだそこまで動きが進んでいないため、仕事での比率は引き継いだ企画書のフォローのほうが多くなっています。 前任者が書いた企画書に対して、会議の場で「どういう理由でこの内容を書いたんだ」「この根拠はどういう理由だ」なんて問い詰められましても(知らんがな!書いた人に聞け!)と思うしかないのですが、参加者からすれば誰が書いてどう引き継がれたかなんて知ったことではありませんし一切関係ありませんので、こちらとしてもその場凌ぎで「(たぶん、知らんけど)これこれこういう理由です、その点についてはご指摘いただいた意見を参考に…

  • テクノロジーが発展しても外国語を学ぶ意味は残る

    テクノロジーが利便性をもたらしても、平等をもたらすわけではない。 言葉が持つ意味 「テクノロジーの進歩によって翻訳の正確性は増していくのだから外国語を学ぶ必要は無くなる」 このような言説は時々耳にすることがあるでしょう。 実際、技術の発展は著しく今や生成AIを用いてほぼ完璧なレベルで翻訳を行うことができるようになりました。まだ微妙なニュアンスの違いや業界ごとに異なる専門用語の意訳などは難しいところですが、それも数年程度で解決されそうなほどテクノロジーは目覚ましく進歩しています。 しかしながら、「テクノロジーの進歩によって翻訳の正確性は増していくのだから外国語を学ぶ必要は無くなる」が正鵠を射てい…

  • 他者の愚かさを嘲ることの愚かさ

    少しばかり、ではなく相当に辛辣な話。 他人は鏡 ことわざにもある「他人は自分を映す鏡」は、他人に対して感じる好悪や評価は自分自身の内面を映し出している鏡のようなものであるとする考え方です。 この言葉は自己啓発の文脈で用いられることが多いと思われます。ただ必ずしも「人の振り見て我が振り直せ」といったように内省を求めるものではなく、どちらかと言えば心理学的な投影の結果としてそうであるとした概念に過ぎません。 よってその是非や善悪を問う意味は特に無いのですが、このことわざを展開すると次のようなことが言えます。 「他者を過小評価する人は自らが過小であることを露呈する」 もっと率直に言えば、他者を愚かだ…

  • ビジネスにこそコスパ・タイパの概念を

    コスパやタイパなど、支払ったお金や時間に対するパフォーマンスを意識する言葉があります。プライベートでそういったことを意識するよりも、パブリックや仕事でそういった意識を持ってもらえたらと個人的には思っています。 弥縫策の愚 社会人の基礎知識である問題解決手法とは、【問題の明確化】にして、データに基づいて【原因の特定】をし、その原因に対して【解決策の立案】をしたうえでそれを実行して【対策の検証】によって改善効果を確認し、問題が解決するまでPDCAを繰り返していくフレームワークです。 非常に初歩的かつ当たり前のやり方ですのでそこまで難しく考える必要はありませんが、実際にいざこれが厳密に出来る人は意外…

  • 英語に追われるくらいなら追う覚悟で

    日記ライクなことを書きたい気分。 英語に浸かれ 語学力を身につけるためには根本的に時間をかけないといけないと思っています。 それは単純に、語学とは閃きの学問ではなく記憶の学問であり、暗記の速度には人それぞれ個体差があるもののなんにせよ時間をかけなければどうにもならないものであるため、そして言葉は使わなければ錆びるように日常的に使用している日本語ですら使わない言葉はどんどん頭から抜け落ちていくためです。 よって英語を本気で身につけたいのであれば英語に浸かる必要がありそうです。如何に英語へ時間を割けるかが勝負だと思われます。たとえどれだけ語学的なセンスが無くとも、長時間やっていれば否応なしに覚えら…

  • 四月は心機一転の機会

    合理主義者に見えて、意外と気分的なことも大切だと思っています。 企画職はなんでも知っている(ことを求められる) 新しい部署へ異動してからおよそ一年経ちました。その間に一番苦労したことと言えば、一に知識不足、二に英語です。 知識不足は当然ながらどうにもなりません。新しい部署で必要とされる知見を全て元から持っていることなんて誰しも期待していませんし、それは時間を掛けて習得していく他ないことです。 そもそも企画部署の仕事とは現場と経営を接続することであり、現場の情報を噛み砕いて整理して新たな企画を作り、経営者に伝えて説得を行うことが仕事です。思い付きの適当な企画なんてものは許されず、企画とは現場に沿…

  • 何もしなければピンチはピンチのまま

    何もしなければピンチはピンチのままです。 そんな当たり前の話をしましょう。 変化に対応するための変化 アインシュタインが言ったとされる「狂気とは即ち、同じ事を繰り返し行い、違う結果を期待すること」は多少有名な言葉です。まあこの手の名言によくあるパターンとしてこの言葉は実際にはアインシュタインが言ったわけではないと判明しているようですが、それはさておき。 もちろん同じ行動を繰り返していても外部環境の変化によって異なる結果へと至ることもありますが、大抵の場合は同じ行動を繰り返せば同じ結果が出力されます。異なる結果を求めるのならば異なる行動を取らなければなりません。 組織や個人は行動を変化させるより…

  • 良し悪しを知り、悪しきを選ぶことを恥と呼ぶ

    悪いものを隠すのではなく、選び方を教えること。 アドバイスの取捨選択 年度頭の時期になると、新たに環境が変わる学生や社会人に対する様々なアドバイスがネット上で溢れかえります。それらは全て赤の他人に対する口出しですので基本的には“お節介”ですが、そのほとんどは悪意なく悪行でもない、概ね有益かせいぜい無害な"善意のお節介"ですので、受け取る側が取捨選択して必要なものを取り入れればよいでしょう。 ただ、この手のアドバイスそれ自体を批判的に捉える人もいます。 「他者へのアドバイスは上から目線のマウントであり受け入れる必要はない」 「大抵のアドバイスは役に立たないから聞く必要はない」 「新人にアドバイス…

  • フラットに物事を見るための帰結主義と義務論の行き来

    単一の判断基準では党派性を避けられないと私は考えます。 道徳的帰結主義 善悪の基準には雑に分類すると二大派閥があります。一つは義務論であり、一つは帰結主義です。もっと具体的に分類していくと広大な話になってしまうので、とりあえず二つだけをピックアップします。 義務論は簡潔にまとめれば行為自体の本質から善悪を判断する考え方であり、「行為の道徳性は行為の結果に基づくのではなく一連の規則と原則の下でその行為自体が正しいか間違っているかに基づくべきである」とする規範的な理論です。 帰結主義とは大雑把に言えば善意ではなく善行に価値を置く考え方であり、より具体的に言えば「ある行為の結果がその行為の正しさや誤…

  • 日本がもつ熟議的方法の強み

    物事にはメリットとデメリットがある。 過激なアクションが引き起こす事態への道義的責任 ここ何年も各所の著名人が散々警鐘を述べてきたイデオロギー的論争の帰結に関して、ジョセフ・ヒースのサブスタックがかなり上手くまとまっていたのでおススメします。昨今の国際的な政治動向に興味を持っている方であれば一読の価値がありそうです。 ジョセフ・ヒースのこの記事は、アメリカのトランプ政権や欧州の右派躍進はバックラッシュでありリベラル派や進歩主義者の急進的なやり方に対する反発だがその道徳的責任はどこにどの程度あるのか、そういったことへの論考です。 僭越ながら当ブログでも度々述べてきたように、対立勢力を殲滅すること…

  • 直行出張は朝のリズムが崩れるから苦手

    好きな人は好きなんでしょうけど、私はリズムが崩れるので苦手です。 今日はそんなお出かけお仕事に関するフワッとした雑談。 土日で忘れる 月曜の直行出張はなんとなく怖いです。うっかり忘れていつものルーチンで職場へ向かってしまいそうになるので。 誰も幸せにならないお馬鹿ムーブをしないよう気を付けねばなりません。そんなわけで、朝寝惚けていても間違えないようにちゃんと移動ルートと時間を目につくところに置いておきました。 やってることはお馬鹿ムーブですがこちらは人の不幸にはならないのでセーフです。 満員電車は向いていない 出張の困ったところは、いつもと違う時間に移動しなければならないことです。 まあ出張な…

  • ブログでの雑談ではなく職場での雑談に関する自己分析

    省察は大切。 何故そう考えるのかを振り返る 年度末の会話。 上司「来年度は組織再編に伴って大幅な席替えをするけど、席の希望はある?」 私「特に無いです」 同僚「座席に希望がないなんてあり得る!?」 まあ、どこに座っていても仕事はできますし、座るための椅子と机さえあればいいかなと。 周囲の傾向を聴いてみますと、基本的には雑談をしやすい席配置で偉い人から遠い席が人気のようです。後は背後が壁だとなお良しといった感じでした。ふむふむ。 私は雑談をしたい時は誰彼構わず雑談をけしかけるタイプの迷惑人間ですのでどこに座っていても雑談を躊躇しませんし、誰が隣に座っていても関係ありません。それこそ偉い人にも気に…

  • 国家安全保障の観点と、手段の誤りについて

    国際関係の仕事を取り扱う部署にいるためアメリカの関税騒動の影響を大なり小なり受けてしまっており、困ったものです。誰もが日常レベルですら影響を受けるとはいえ、仕事ではそこまで関わりたくなかった。 国家安全保障の観点 様々なメディアがアメリカの関税に関して経済学者を引っ張り出してきて色々と話をさせていますが、正直なところあまり意味が無いと思っています。 主流派経済学において自由貿易が善であることは半ば公理であり、自由貿易を否定する主流派経済学者なんてまずほとんど存在しませんし、経済合理性を考えれば関税を上げる行為は悪手以外の何物でもありません。 よって今回の関税騒動に関して経済学者にコメントを求め…

  • 社会正義に関する認知の違い

    そもそもSocial Justiceを「社会正義」と訳すのは宜しくないと思う派。 「社会的公正」が妥当ではなかろうか。 進歩主義と保守主義 アメリカの社会分断を筆頭に、Progressives(進歩主義者)とConservatives(保守主義者)の間では意見が割れることが多々あります。 そのような場合、同じトピックを同じ言葉で話していても、そもそも言葉の認知自体が異なることすらあり、Social Justice(社会正義・社会的公正)もそのうちの一つです。 もちろんベースの価値観として、公正であること自体は善と認識されます。誰もが人権や政治的権利を行使する自由を持ち、幸福を追求できる公正さを…

  • 生産性向上は仕組みの変更によってもたらされる

    国家や組織の生産性に悩むのは”上”のお仕事。 生産性の歴史 生産性(Productivity)の話となると、どこのメディアでも個人の手技に関する話題がほとんどを占めているように感じます。どうやって仕事を処理するか、いかにしてタスクをこなすか、そういった方法論についての言及が主です。 確かに個人の生産性はそうした仕事術によって向上します。 ただ、それらを足し合わせることで国家や組織全体の生産性が向上するかと言えば、必ずしもそうとは言えません。集団の構成員全員が足並みを揃えて生産性向上へ熱心に取り組むとも限りませんし、同じ行動を取っても同じだけ生産性が上がるわけでもなく、そもそも一定数は生産性が上…

  • 感想と都会と英語

    ごった煮の雑記。 感想文とは反りが合わない 文章を書く行為が私にとって苦ではないことは、まあ毎日ブログを更新していることからもご了承いただけるかと思うのですが、実は感想を書くのはあまり得意ではありません。 私の文章とその基となる思考は、なんと言うか、分析的です。そのせいで感想を書こうとしてもどうにも批判的視点が抜けないというか、ちょっと毒なり棘なりがありそうな文章になりがちです。そういった感想文は優しくない世界になりかねません。 「面白かった」と伝える行為ですら、「これこれこういう理由でこうだったためこの部分に私は面白みを感じました」みたいな冗長で説明調の感想となります。要するにくどいです。 …

  • 若年層の投票率に関する検討

    若年層の投票率が低いことに関して、それを問題視する意見を各所で見かけます。 ただ、それは少し短絡的な問題提起です。若年層の投票率が低いことそれ自体は事象に過ぎず、投票率が低いことによる悪影響や投票率が低い原因を特定して問題としなければなりません。 それこそ『若年層の投票率が低いこと』を直接的な問題とした場合、解決策は簡単でシンガポールやオーストラリアのように罰則を設けて義務投票制とすればいいだけです。そうすれば必然的に投票率は高まります。若者は嫌々ながらも投票所へ行って何も考えずに適当な候補者へ票を投じることになるでしょう。ただ、それに意味があるかと言えば議論の余地がありそうです。 問題の深掘…

  • 仕事が終わらないんだ

    仕事が終わらないです。 いや、まあ、社会人になって以降、完全に仕事が終わって無くなったことはないのでそれはいつものことなのですが、終わらない感じが違います。 単純に、スピードが遅いので仕事が終わりません。 単純に練度が低く理解が浅い 異動していよいよ一年。まだ新しい仕事に慣れていないため、個々の仕事を処理するのに大変時間が掛かっています。 新商品の企画書一つ起こすにも、細かい経緯や具体的な背景情報を知らないので全部探してひっくり返して読み込み、他社の状況もさっぱり知らないので一から調べて学び、市況や価格などマーケット情報も頭に入っていないので数字をガチャガチャと整理し、その他諸々も含めて「探し…

  • 説得とコミュニケーション能力

    他者は基本的に変えられないが、変えるための高度な技術はある。 コミュニケーションの違い 対人コミュニケーションにはいくつかの種類とレベルの違いがあります。 まずは対話(dialogue)。 これはコミュニケーションの基礎で、自分の考えを伝えたり相手の考えを聴くことを指します。相互理解が進み建設的なやり取りを構築できることが理想的ですが、本質的にはただ話して聴くだけでも対話は成立します。 次に交流(interaction)や議論(discussion)。 これらはただ話して聴くだけではなく、自分の意見を相手が理解できる形で伝えたり、相手の言い分を理解することを含みます。結果として参加者の行動が変…

  • 豊かになるにはどうすればいいか

    豊かになるにはどうすればいいか。 簡単です。 家庭裁判所に「名の変更許可」の申立書を提出しましょう。 書類と理由がしっかりしていれば「豊(ゆたか)」になれます。 豊かさと教養 いや、まあ、真面目な話をしても面白くないじゃないですか。 豊かになりたいなら答えは一つで、教養を身につけること以外ないんですから。 豊かとは「溢れるほど大量にある状態」ではなく「不足が無く満ち足りている状態」を意味する言葉です。そのため瞬間的に満たされた状態ではなく持続可能な状態であることが豊かさを感じるためには重要だと言えます。 すなわち不足しないことではなく、不足があっても満たせることが豊かさを感じる方法です。 その…

  • 代表的なメディアの偏向をまとめてみる

    認知バイアスや詭弁などについては時々言及してきましたが、今回はメディアバイアスについて語ってみましょう。 偏向の善悪と対策 ジャーナリズムは中立公正・真実と正確さを重要な倫理規範としています。 しかしそれでも人が情報を取り扱っている以上、必然的に偏向(バイアス)は生じます。 偏向自体は必ずしも悪いことではありません。真に客観的な視点は神様以外には持てない以上、偏向を悪としては誰もから善が無くなってしまうでしょう。 もちろん虚偽や誤情報の拡散、ポジショントークや意図的な誤解による利益誘導など、偏向は問題を引き起こすことがあります。 よって偏向そのものを問題と捉えるのではなく、偏向があることへの無…

  • 建設的な対話に必要な姿勢

    相手を変えようとするのではなく自分を変えようとすること。 まるで宗教やスピリチュアルで聞きそうなフレーズですが、割とリアルな方針だと思っています。 変えられるものと変えられないものの峻別 過去の偉人や現代の賢者など様々な人が述べているように、大抵の場合、他者を変えることはできません。 よって対話において他者の思考を変革しようと狙うのは愚策です。もちろん対話によって双方が変化して高みへと至ることが理想形ではありますが、他者の変化を期待できない以上、それを望むのは高望みというものです。 それよりは変えられる自分に焦点を当てましょう。 すなわち、人と対話をする時は端から自分の考えを変える前提で話した…

  • 情報と「三面図」

    例えばAP通信とFoxニュースを交互に見ると分かるように、同じアメリカの同じ事象を報道しているとは思えないほど乖離しています。比較してみると報道の偏向に関する手法を学べますので、ちょっとした脳トレにおススメです。 比較しなければ分からない 三次元の物を写真のように二次元的手法で切り取って表現する場合は複数の角度から撮らなければ全体像を正しく捉えることができないように、物事も見る角度によって表し方が変わります。 よって報道機関が異なる情報を報じていたからといって、「どちらかが正しくどちらかが間違えている」と断定するのは明確に誤りです。どちらも正しい場合もあれば、どちらも間違えている場合だってあり…

  • 民主主義と党派性

    そこまで目新しいわけではない話ですが、民主主義政治と党派性はとても難しい関係にあります。民主主義政治、特に間接民主制において党派性は不可欠な要素であり、そして党派性は民主主義を毀損する要因にもなり得るためです。 党派性の意味 党派性とは「主義・主張などが特定の党派にかたよっていること」を意味する言葉です。汎用的な言葉ではありますが、もっぱら政治界隈で使われることが多い言葉だと言えます。 党派とは仲間や団体を意味する言葉であり、要するに党派性の大小とは所属に対する愛着の大小に等しいものです。学校や会社、地域や国家、家族やサークル、宗教や政治的見解など、同集団に所属する人々に対してどれだけ愛着を持…

  • 雑記でもええじゃないか

    シンプルに雑記。 貧弱!貧弱ゥ! またもや体調を崩して寝ていたせいで、雑記です。 雑記は楽に書けるため、大抵こういった場合にサッと書き上げてソロっと投稿しています。 いつも書いているような社会や政治に物申す系の真面目風な押し付けがましいオピニオン記事もいくつかテーマの種自体は残してあるのですぐにでも書けるのですが、毎日オピニオン記事ばかりが続いてはブログが重苦しい雰囲気になりますし、そういった重い記事は書きあげるためにそれ相応の気力が必要と言いますか、時間よりも精神力に余裕が必要ですので今回は控えます。 むしろオピニオン記事は雑記記事と同様に書く時間自体は短いです、なにせ思ったことを書くだけで…

  • いずれ仕事が無くなることは必定である

    未来予測は常に不確定で、不確定だからこそ恐れを生むが、恐れはほどほどに。 仕事はいつだって消滅と誕生を繰り返す 最近、「AIがホワイトカラーの仕事を奪うからこれからはブルーカラーの仕事が重要になる」的な意見が増えつつあるように思います。 ただ、それはちょっと視野が狭いのではないでしょうか。現在は投資資金がAIに注がれているため優先的に進んでいるだけであり、ブルーカラーの仕事だって機械化・ロボット化によってどんどん失われていくことは必然です。 そもそもこの世の全ての仕事は常に淘汰圧へ晒されています。 そしてそれは長い目で見れば自然なことです。別にロボットやAIが登場する前から様々な仕事が時代に合…

  • 話し合いの場を設けるためのコスト

    誰かが支払わなければならないが、平等ではない。 民主主義と話し合い 民主主義を定義するための完全なコンセンサスは存在しないものの、そのうちの一つとして市民が平等な発言権を持つことが民主主義の根底的な特徴とされています。 言い換えれば、民主主義とは話し合いを重視する政治形態です。 何らかの力によって誰かの権利が抑制されることは民主主義にとって不正義であり、誰もが平等に発言権を持ち、個々の権利を公平に主張し合い、その権利を公正に調整する「話し合い」の場が不可欠です。 よって民主主義では「話し合いが大切だ」と声を上げるだけでなく、「どうすれば話し合いの場を成立させられるか」をちゃんと考える必要があり…

  • 具体的にどうやって核武装をする?

    率直に言って、無理では? 核武装の是非 近頃、日本のSNSや海外の著名人のオピニオン記事で「日本の核武装論」をちょこちょこ見かけます。 その理屈は理解できます。日米同盟の安定性に疑義を感じた人々が安全保障策の一つとして核武装を考えているのでしょう。 実際、核兵器は有効な兵器です。離島や国境を争うような局地戦争・限定戦争には役立ちませんが、全面戦争は抑止する効果を見込めます。 ただ、日本でどうやれば核武装ができるのか、私にはさっぱり分かりません。 どうやって運用するかが肝 核武装をするのであれば核兵器をどこかから買ってくるか自分たちで作るかしかありませんが、核兵器を買うのは政治的にも物理的に無理…

  • 真面目で不真面目な真面目人間

    職場や仕事のことあれこれ。 【ビジネス】カテゴリでは書かない程度の雑談。 馬鹿の発想 最近、一時間早く職場を出ると一時間早く帰宅できることに気付きました。 大発見です。 なんて考えがふと脳をよぎったので、たぶん疲れているのだと思います。 帰宅時の運動 職場は高層ビルの20階以上のところにあるのですが、ちょっとした運動がてら毎日階段を下りて帰っています。 正直に言えば大したことのない運動量です。慣れれば気軽なものですし、膝を壊さないようにだけ注意すればいいでしょう。 ただ、退勤時にエレベータを通り過ぎて階段へ向かう様を見られると少し困ります。 (え、なんでこいつエレベータに乗らないんだ?)といっ…

  • 言葉の乱れに関するどうでもいい考察

    どちらの言い分も分かるようになった世代の戯言。 言葉が変化することへの是非 言語学者が語るまでもなく誰もが体感的に知っていることとして、言葉は変化していきます。それは言語自体が持つ動的な特性を理由とするものもあれば、外部環境によるものもあります。 話者の不完全な言語習得も一つの要因です。発話や語彙が不完全に伝承されることでも言語は変化していきます。 年配者がいわゆる「言葉の乱れ」を懸念するのは話者の不完全な言語習得を危惧することが理由の一つでしょう。適切に言語を学んでいれば言葉が誤用されることはないはずだとした考えは、実際には言語が変化する原因は不完全な言語習得のみではないため絶対的に正しいわ…

  • 幸福とマインドフルネスと微積分

    幸福を感じることは実のところ難しくない、と私は雑に思っています。 何もかもが満ち足りていても不幸を感じる人もいれば、何もかもが不足していても幸福を感じる人もいるように、人は状況ではなく思考で幸福か不幸を感じるのですから、頭の中を足し算的に幸福で満たすか、引き算的に不幸を減らしていけば自然と幸福になるのではないでしょうか。 「話半分」の意図的な誤用 もちろんまったく不幸を感じないことは現実的ではありませんので、目標は5割キープです。5割は幸福なことで頭を埋めておき、残りを状況に応じて可変とする。そうすれば急な不幸を感じてもダンパーとして機能しますし、不幸で頭が埋め尽くされることもなくなるでしょう…

  • 泥をかぶる仕事

    頑張って探せば何事にも落としどころはある。 中間の仕事 営業と技術の対立や反目は会社あるあるネタです。 そして今の私はその対立を解す、或いはそもそも生じないように調整することがお仕事の一つです。 なにせ現在は企画職として営業と技術を繋ぐ中間地点にいます。営業サイドの情報をまとめて企画立案をし、その企画を技術サイドに依頼する、時に営業と共に顧客へ赴き、時に開発の会議へ参加して一緒に案を捏ねる、そんな橋渡し的ポジションです。如何に対立を生じさせずスムーズに物事を進めるかが私自身の仕事の正否を左右する以上、程よく交通整理をすることは必要な仕事と言えます。 目的の違い 先日、顧客へ提出する技術的な文書…

  • 誕生日は年に一回訪れる

    3月16日。 今日は私の誕生日です。わーい。 この書き出しも4回目です。芸が無いのもご愛嬌。 各種記念日どころか自分の誕生日ですら忘れる人並み外れた記憶力を持つ私ではありますが、ブログのおかげでここ数年はちゃんと誕生日を思い出せています。「そう言えばそろそろ誕生日的な記事を書く時期が近付いてきたような」と気付いて自分の誕生日を調べる癖が付きましたので。ブログって凄い。 ちなみに自分の誕生日はスマートフォンのメモ帳に書きました。これでいつ事故にあって記憶喪失になっても大丈夫です。 羅列的 誕生日は子どもの頃の思い出話をする日に決めていますが、今回は何を話しましょう。 人様に語れる範囲の真っ当な思…

  • 物事を相殺して考えるのは人間の自然な発想であり、悪い癖

    とても自然な発想で、しかし気をつけるべき考え方について。 無意識の脳内裁判官 脳は非常にエネルギーを使う器官のため、人は無意識のうちに自然と省エネ思考をします。認知バイアスと呼ばれるその脳機能は、例えば物事から情報を削ぎ落して簡略化したり、二項対立的なパターンに落とし込んだりするものです。 これらは省エネかつ合理的ではありますが、事実を事実として捉えられなくなるリスクがあるため必ずしも良いとは限りません。 例として、詐欺師Aが殺人犯Bに殺されたとします。 そういった場合、「どんな理由があっても殺人をしたBが100%悪い」「詐欺を働いたAに落ち度がある」といったような意見が出てくるでしょう。 こ…

  • 統計的差別云々も考える必要はあるが、そもそも他者を攻撃すべきではない

    誰しも内心の自由はありますので心の中で思うだけならばいいのですが、差別や悪口を口に出したりネット上に書き込んだりしてしまうのは宜しくないことです。 特に統計的差別は気をつける必要があります。 差別とは『人種、性別、宗教、国籍、民族、性的指向、障害、年齢、言語、社会的身分などに基づく不当な扱いや恣意的な区別』だと国連が定義しているように、不当であったり恣意的であれば差別となります。 そして統計的差別は”論理的で正当な差別以外のもの”に誤認しがちなものですが、統計的差別はどれほど合理的に見えても差別の定義に該当します。 統計の恣意的な判断 あまり具体的な例を出したくありませんのでボカして、「ある地…

  • 中道的視座を持つことの効用

    ポジショントークと中道的視座を見分けることは難しいものの。 方法論の類似性 中道の視点で物事を捉えるためには必然的に両極端の見解を天秤へ載せる必要があります。 特に中道的思考で分かりやすいパターンとしては、「世間ではこのような見解が多い」が「反対側にはこういった意見もある・別の側面もある」、そういった見解を補足することです。どう考えても妥当な見解が一方にあったとしても、それに限定せず他方の見解をも拾ってきて検証することが中道の視点を持つための基本となります。 しかしながら、このような中道的視座、すなわち両論併記的方法は必ずしも世間一般の理解を得られるものではありません。世の中にはポジショントー…

  • 饒舌多弁の無駄話

    小賢しい小技。 或いは枝葉末節ばかりの小枝。 ブログの手抜き 当ブログにおいて、記事の構成はほぼ固定化されています。 3年以上毎日ブログを更新した結果「型が定まった」と前向きに捉えてもいいような気はしますが、ただ惰性に流れているだけです。守破離の理屈からすればちゃんと師を定めて学んだわけではないので「型が定まった」のではなく所謂「型無し」です。 まずは頭に浮かんだ適当なセンテンスを冒頭に置き、ざっと1~3つの見出しになる程度の文章を書き、最後に結言としてまとめを書く。蛇足的な思い付きがあれば余談に記す。後は下書きに置いておき投稿する時にボタンを押す。イラストも、アイキャッチも、写真も無く、ただ…

  • ようやくはてなブログに戻る気力が湧きつつある

    事業所の設計職から本社の企画職へ、部署を異動してからおよそ一年経ちました。 設計職の頃は自分が扱う製品群の知見だけで良かったのですが、企画職は会社全体の製品知識や競合他社を含む市場情報の幅広い熟知のみならず、財務・経理・営業・経営に関する知識も必要になります。国内だけならばまだしもグローバルでそれらを求められているため、まったくもって未だ学び切れていません。毎日が勉強です。 今年度の前半はノリと勢いで誤魔化していましたが、中盤はいよいよヘヴィになっていて、終盤はだいぶヘタレていたように思います。ダニングクルーガー効果的なアレで、最初はなんとかなるさと無根拠な自信がありますが、学べば学ぶほど知ら…

  • 好悪は本質的には差別

    明け透けに語っていいことではないが、一応は考察して自覚的になっておく必要があると思う事項について。 社会は好悪で動いている 世の中の論議を眺めていると時々思うこととして、世の中は好悪の情が存外に支配的です。人々は何かしらを判断する時に自らの好悪を基準に選別しています。 もちろん私だって生物ですので多少なりとも好き嫌いはあります。食べ物や人に対してはあまり嫌いな属性はありませんが、納期、無駄な会議、袖あたりは嫌いです。 ただ、物事を好き嫌いで考えることは忌避すべきだとした祖父の教えを守っているため、なるべくは好悪の色眼鏡を外した状態で物事を中庸に見たいと望んでいます。 ただ、結局のところ好悪の情…

  • 雑記アソート

    どうにもお疲れなので、緩い話をしましょう。 サラリーマンのコスプレ 先日、同じ技術系の同期から「最近サラリーマンのコスプレしてるよね」と言われました。 気持ちは分かります。今年度から本社へ異動してスーツを着て仕事をするようになったので私自身「サラリーマンになったような気がする」と馬鹿みたいなことを言っていましたが、やはり技術系の人間は同じ感覚のようです。 スーツなんて研修や出張の時だけしか着ず、それ以外はずっと私服の上にユニフォームを着て仕事をしてきた現場の技術者からすると、スーツを着るだけでなんとなくサラリーマンに見えます。元々はそんななんちゃってサラリーマンでしたが、今ではなんだかんだ毎日…

  • 英語の道は遠い

    今日は雑な日記です。 語学研修の終わり 先日、一年間の語学研修が無事修了しました。もちろん継続的な学習はこれからも必須ですが、これで英語力強化年間にもひとまずの区切りとなります。 研修開始前後のテスト結果を比較すると一応は誤差レベルで成績アップしていたので少なくとも会社から怒られることは無さそうですが、大した成長はしていませんでした。残念ながらボチボチです。怒られないものの褒められるほどでもない、そんなフワッとした成績に落ち着きました。 なんともはや、語学はどうにも不得手です。他の科目と異なり掛けた時間に対する成長率が著しく低いと感じます。たぶんセンスが無いのでしょう。 言い訳をすると、今年は…

  • 問題を騒ぎ立てることの意味と無意味

    先日投稿した記事、『問題を考える人』と『解決方法を考える人』は昨今の情報社会についての私的な見解を一般化したものとなります。 今回はもう少し率直に、昨今の言論空間に対して苦言を述べていきます。 問題を騒ぎ立てることの無意味 個人であれば問題と共存したり温存したり依存したりしても自由です。それがある意味で人生の質を高めることもあるでしょうし、たとえそれが自らを傷つけることになろうとも、私は多少なりとも自由主義者ですので自己決定権を尊重します。 ただ、集団や社会では別です。問題が存在することでの影響の範囲を考慮すれば、問題は速やかに解決されることが是と考えます。 その点からして、『問題を考える人』…

  • 『問題を考える人』と『解決方法を考える人』

    「世の中には3種類の人間がいる。数を数えられる人間と数えられない人間だ。」 これは私の好きなジョークですがまあそれはさておき、人間を二分で分けることは現実的ではないものの思考実験的に役立つこともあります。 今回はそんな二分法的思考で、人々を『問題を考える人』と『解決方法を考える人』に分けてみましょう。 問題解決手法 そこまで厳密に取る必要はない大雑把な分割ではありますが、世の中には『問題を考える人』と『解決方法を考える人』が居ます。 前者は世の中にある問題を発見し、それがどれだけ問題であるか、如何に世の中へ悪影響を与えているかを考えます。 対して後者はその問題がどんな原因で生じているか、どうす…

  • アメリカの言い分と日本の立ち位置

    仁義なき国際関係にも見かけ上の仁義を。 アメリカの存在 日本では日米同盟の有効性について意見が割れてきましたが、昨今のNATOやウクライナを見ればアメリカが及ぼす軍事プレゼンスには一定の効果があったと実証的に証明されたと言ってもいいでしょう。 アメリカのような番長が居なければISISやロシアのような悪党が世界に蔓延ることとなる、なんだかんだ他国にとって迷惑であったり自分から喧嘩をふっかける事もある我儘番長ではあるが「世界の警察」としては機能していた、そういうことです。 少なくとも現状のウクライナからアメリカが手を引いてはどうにもならないことは西側諸国で意見が一致することでしょう。これはアメリカ…

  • アジア版NATOの非現実と国際的な世論の変化

    昨今の国際的な時事問題はアメリカさんが大暴れしていてすぐに目新しい情報が更新されてしまうため、ちょっとストレートに触れにくいです。さらにはそれに振り回されてやたらと極端な陰謀論めいた言説も無数に飛び交っており、軽く拾うだけでも火傷しそうな雰囲気を感じます。 アジア版NATOの非現実性 それこそ例えば先日は「アメリカが信頼できなくなった今、アジア版NATOが現実味を帯びてきた」なんて言説を見かけました。 正直、ちょっと意味がよく分からないです。 ロシアとウクライナの状況を中国と台湾に置き換えて、アメリカの安全保障が信頼できなくなったとするのが言説の根底にあるのでしょうが、地理的に見たアメリカにと…

  • 穏健派の言い分

    暴力の是非に関して。 暴力の応報 時代や教育の差異だとは思いますが、私は基本的に暴力反対派です。暴力は物事を容易に変革できる反面、副作用が大きいため控えた方がいいと思っています。 たしかに階級闘争的な発想において、弱者にとって暴力は有益な武器です。囲んで棒で叩けば弱者達でも強者を打ち倒せます。 しかし同手法で強者達に連帯されると弱者達は為す術が無くなります。そして「こちらの暴力は許されるがあちらの暴力は許されない」なんてダブルスタンダードは通りません。結果、自らの暴力を許容するならば他者による応報も許容する他なくなります。 つまり暴力での変革は弱者に有用と思えるものの、長い目で見れば不利な方法…

  • 紛争の落としどころを模索することの巧拙

    日本人、というよりは、定住する集団に対する偏見。 喧嘩を忌避する集団 これはデータに基づかない圧倒的な偏見なのですが、日本人はどうにも紛争の落としどころを模索することが苦手な気がします。 基本的には争いを避けるものの、争い始めたらどちらかが打ちのめされるまで徹底的に戦う、そんな風潮です。 別に欧米が紛争の落としどころを模索することに長けていると言いたいわけではありませんが、ロシア・ウクライナ戦争でも開戦当初からロシアへ様々な政府高官を送り込んで落としどころを模索してきた欧米とは日本は少し趣が違うというか、ウクライナへの支援はするのにロシアへの停戦交渉を積極的に行わず、むしろ交渉すら否定する言説…

  • アナログ(連続値)人間でいこう

    デジタル(離散値)な考え方は、ちょっと極端です。 アナログとデジタル 俗な意味のアナログとデジタルは、「そろばんを使うのがアナログ人間で電卓を使うのがデジタル人間」のように時代の新旧のような意味合いを持ってしまっています。 ただ、この記事ではもっと普通の意味でアナログとデジタルを用います。 アナログとは連続値のことで、デジタルとは離散値のことです。 文字通り連続値とは物事の変化を連続的に取り扱い、離散値は離散的に取り扱います。 例えば10と20を取り扱う時、連続値では10.1、10.2、10.3、10.35、10.352などなど、10と20までの間にある無限の数値も含めて取り扱います。対して離…

  • 朝の雑談と日付の雑談

    一本の記事にするには忍びない雑記の積み上げ。 The・雑談 偉い人「なあ、AIには詳しいか?自分で使ってるか?」 私「まあ、ボチボチです。人並み程度かと。一応メジャーどころは一通り触っていますし、ChatGPT辺りは活用してます」 偉い人「最近は現場の若手がこれで報告書を書いたりしてるようだ」 私「上手く使いこなせれば楽ですからね。自力で出来ない人が頼り切ると成長に支障が出ると思いますが、出来る人が時短のために使う分には問題ないかと」 偉い人「情報流出とかは大丈夫なのか?こう、AIの学習に入力した情報が使われたりはしないのか?」 私「もちろん流出しますので注意が必要です。学習させないような設定…

  • 戦争は暴力で始まり話し合いで終わる

    いや、もう、凄く語りたくない。 そんな気持ちではありますが、逆張りの誹りを覚悟で語ります。 お題はロシア・ウクライナ問題についてです。 ああ、本当に語りたくない。個人的な感情と政治的な思考は別で、混同されるのはイヤなのですが、今回は後者の政治的な視点を主に語っていきます。 交渉のチャンネル 昨今の国際情勢に関するメディアや一般人のコメントに「トランプはプーチンとグルなんじゃないか」といった批判があります。ロシアと交渉を行うこと自体を問題視するような論調です。 これはダメです。一線を越えています。 私もトランプ大統領のディール内容や放言に同意している訳ではないのでそう言いたくなる気持ちは凄く分か…

  • 知能と知識、そして見識

    ”頭の良さ”に関する雑感。 知能と知識 知能とは物事を理解する力であり、知識とは知った物事の内容です。 立派な学校を卒業していても道理を弁えない人がいるように、学は無くとも鋭い洞察力を持つ人がいるように、知能の高低と知識の多寡は明確に別物として扱う必要があります。 雑に例えれば、知能とはハードウェアのスペックであり、知識とはソフトウェアのパフォーマンスです。ハードウェアに偏重していてもその高スペックを活用し切れませんし、ソフトウェアに偏重していてもやはりそのパフォーマンスを生かし切れません。バランスが大切です。 同様に知能と知識はそれぞれが補完し合う関係であり、片一方に偏重した状態は健全ではあ…

  • アイデンティティの手放し難さ

    以前にもちょろっとブログで述べたことがありますが、インターネットアカウントのbio(人物紹介・プロフィール)に自身の精神疾患を記載する人がいることについて気になっています。 それが気になる理由は普通に考えれば利用可能性バイアス、すなわち『そうでない人は書かず、書かない人のbioは目にとまらないから書いている人のbioだけ記憶に残っている』だけでしょうが、そもそも何故記載するのかを疑問に思っています。 例えばコミュニケーションを取る際の注意喚起の意味であったり、投薬や闘病に対する奮起の目的かもしれません。或いは一種の個性、他者と差別化された自らのアイデンティティとして捉えている場合もあるでしょう…

  • 「地獄への道は善意で舗装されている」の異なる表現

    今日はこんなことわざを見かけました。 Hell is full of good meanings, but heaven is full of good works. 地獄は善意で満ちているが、天国は善行で満ちている。 当ブログでは少しクドいほど『善意』と『善行』の違いを語ってきましたが、まさにそのことを端的に述べたことわざです。 私のような現代の凡人が考えるようなことはすでに過去の賢者が発見していて時間に研磨されて伝えられているのであり、そういった古典の英知から学べることは無数にあるのだと思い知らされます。 ちなみに、『善意』と『善行』を使い分けている記事をブログ内検索してみると思ったよりも…

  • 緩い話とヘヴィな話を混ぜれば中和されることを期待する回

    感情的にはまったくもって共感できないけども理屈的には有り得る話を記事に起こしていたのですが、思ったよりもメンタルを削られたので途中でストップします。 その記事の投稿は後日にしましょう。 『多数派から感情的に同意を得にくい話』は、書いていて少し疲れます。 当ブログでは『異なる側面での物事の見方』を提供するための記事を時々書いていますので、多数派の感情とは異なることを言及することもあります。それは何も他所様の見方を批判したり世間に対して逆張りをしたいわけではなく、私がただ中庸を好み複数の側面で物事を見る癖のあるだけです。 そのような時は人様の逆鱗へむやみやたらと触れないようなるべくマイルドな表現を…

  • 被害者文化に染まることは避けたほうがいい

    社会学者は視野が広いので社会の健全性を心配するが、私は視野が狭いので個人を心配する。 被害者文化の方法論 先日の記事でも少しだけ取り上げましたが、昨今は『被害者文化(Victimhood Culture)』が社会的な問題、或いは研究対象となっています。 被害者文化の詳細は専門書や書籍を読んでいただいたほうがいいのですが、大まかにまとめると次のような思想・考え方を指します。 ■個人や集団が、侮辱に高い感受性を示すこと■第三者へ不満を言うことで、対立を処理する傾向があること■助けを受けるにふさわしい犠牲者のイメージを作り上げようとすること 現代社会を侵食する「被害者文化」の病理…暴走する「被害者意…

  • なぜか続いている不思議

    気付けばこの記事で1400日連続投稿となりました。 1年を365日と設定すると約3.8年間続けた計算となります。1年を1400日に設定すると1年間です。まったくもって意味の無い計算ですが。 3.8年とは、なんとも長いような短いような微妙な期間だと思います。三日坊主の466倍と言えばそれなりに多く見えるかもしれません。数字とは不思議なものです。 ちなみに、1400日連続であることに直前で気付いたため、慌てて記事をでっちあげているところです。準備不足が否めないどころか準備すらしていません。この記事がどこへ着地するかは不明です。冒頭の意味不明トークからも分かるように、すでに迷子になりつつあります。 …

  • 野蛮さへ立ち戻るか、困難でも公正を求めるか

    あまり語りたくなかったのですが、被害者文化についても取り上げることとしましょう。 野蛮 世の中には快不快の情に基づき不平不満を騒ぎ立てて人々を扇動しようとする人がいます。 この辺りはVictimhood Culture(被害者文化)として社会学的に研究されている領域ですので、厳密に理解するためには専門書なり書籍なりを読んでいただくのが宜しいです。 『The Rise of Victimhood Culture: Microaggressions, Safe Spaces, and the New Culture Wars』が恐らくベストなのですが、待ち焦がれているのにいつまで経っても邦訳が出な…

  • 出張の移動中もお仕事をするかどうか

    雑な雑談。 出張中 この旅は国内宿泊出張中です。 いえ、この度は国内宿泊出張中です。 ちなみに「旅」は住んでいる所を離れて遠くへ行くことですので、「この旅」でもあながち間違いではありません、なんて。 さすがに営業職や外出自体が仕事である方々と比べれば出張の機会は少ないですが、そこそこ出張るお仕事をしています。少なくとも技術職だった頃よりも確実に増えました。 とはいえ国内だと日帰り出張ばかりなので、日帰らない出張は久しぶりとなります。なんだかんだ日本も広いもので、さすがに前泊しないとどうにもならない距離はあり、仕事が朝からとなれば尚更です。 初日は移動のみで、翌日仕事をして帰ります。 「働いてか…

  • 大人と子どもの誹謗中傷

    社会が大人に厳しいのは仕方がない。 誹謗中傷は犯罪 インターネット上では毎日どこかしらで誹謗中傷が飛び交っています。 誹謗中傷の加害者として訴えられた人の多くは「正当な批判・論評だと思った」と言い訳するそうですが、「根拠を持って」「非攻撃的に」為されるものだけが批判であり、批判と誹謗中傷は似て非なるものですらなく完全に別物です。僅かでも攻撃性があればそれは批判足り得ません。 そして誹謗中傷は犯罪になります。民事・刑事ともにです。 もちろん厳密には構成要素を満たさなければ犯罪とはなりませんし親告罪ですので被害者が訴えるかどうかによりますが、そもそも誹謗中傷は犯罪だと考えておいたほうが無難です。程…

  • 能力と収入は必ずしも比例しない

    以前にも書いたことを、もう少し丁寧に。 比例が成立する条件は限定的 世の中には自然体で職業差別をする人が多々見受けられます。 その根底には何があるのか、そこにはどうにも能力と収入に強い比例関係があるとした誤解が一因となっているのではないかと考えています。或いは昔から言われているような学歴と収入の相関も同類です。「優れた人が高給を得るものだ」、転じて「収入が低い人は優れていない人だ」、そういった誤解が能力と収入を関連付けてしまい低収入の職業に対する差別意識を生み出しているのではないでしょうか。 現実を鑑みると、能力と収入に相関や比例関係が生じるのは極めて狭い限定的な条件のみとなります。それこそ同…

  • 文章に「が」が多いのだが

    悪いクセです。 「が」が多い 私の文章は「が」が多いです。 「何々ではありますが、それは何々で」 「何々ではありますが、それはさておきこれは何々で」 といったように、何かしらを述べる際の前置きとしての情報補足を前段で行って、それを接続するために「が」が多用される傾向があります。 なんというか、くどい文章の典型例とすら言えそうです。 もちろんこの変なクセは自覚していて治そうとはしているのですが、なかなかうまく行かないのが実情です。 不思議ですね。 反証的思考 勝手な自己分析ですが、恐らくは反証的思考・批判的思考が原因だと思われます。何かしら自論を構築する際には必ずその対角にある批判的意見を同時に…

  • 新規性は高く、しかし新奇性はまだ無い中国

    中国に行って思ったこと。 見知った新しさ 昨年の12月に仕事で中国へ行きました。 上海や北京には行っていませんが大きな都市へ行き、その発展度合いに驚いたものです。アメリカへ行った時と同様にスケール感の違いを感じました。 発達した都市や社会システムが構築されているのを見ると、いずれ中国が世界を支配すると思うのも宜なるかなです。実際、日本よりも進んでいる部分は各所に見られました。 ただ、個人的な感想ではありますが、私はそこまで中国の発展に危機感を持ちませんでした。 中国の都市や社会システムはたしかに新規性が高いです。 インフラ系統は更新周期が長く新しい都市であればあるほど高度なインフラを備えること…

  • Time(時)Place(場所)Occasion(場合)は言説と同程度に大切

    当ブログでは類似テーマの記事を時々投稿しています。 これは何も毎日投稿するネタが切れたとか書いたことを忘れたとかではなく、いや書いた内容を忘れることは時々ありますがそれはさておき、どうすれば伝わりやすくなるかを模索しているためです。 自らの思考を語るうえで、様々な表現を用いることは実に妥当で常套です。自らが最も理解しやすい言葉だけでは同じ感性を持った狭い範囲の他者にしか伝わりません。様々な人に自身の思考を幅広く展開するためには時に相手が共感しやすい言葉を用い、時に相手が想像しやすいたとえ話を用い、時に抽象的、あるいは具体的に物語ることが必要です。 ちなみにお釈迦様の説話に似たような話がたくさん…

  • 麻薬はよく分からない世界だ

    米中貿易戦争のニュースでちょくちょく麻薬の単語を見かけます。 正直なところ、麻薬問題に関してはさっぱり感覚が分かりません。 幸いにして麻薬とは一切縁のない世界で生きてきたため、どうして麻薬に手を出すのかも理解できませんし、麻薬に手を出したいと思ったこともありませんし、そもそもどうやって麻薬を手に入れるのかも分かりません。恐らく手を出す理由も入手経路も人づてなのでしょうが、そういった悪い人がいる世界に生きてこなかったため麻薬問題に関する直感的な理解は難しいと感じます。 思ったよりも大問題 実感的なものが無くとも人は数字を扱うことができます。 そんなわけで、今回はWorld Life Expect…

  • 野次馬根性ではなく知的好奇心を持とう

    良い好奇心と悪い好奇心。 好奇心と本能 好奇心は大なり小なり誰にでも備わっている機能です。人に限らず類人猿や犬猫、げっ歯類や鳥など他の動物も好奇心を持っていることが分かっています。 好奇心はそれが満たされることで脳の報酬系によって喜びが得られることから、年齢や経験によって感受先は変化するものの好奇心は常に存在し続けます。 好奇心を説明する理論はいくつかありますが、とりあえずはシンプルに本能的なものだと考えてよいでしょう。 生物は「不確実で曖昧」なモノや状態を嫌います。生命の維持を第一目標とする生物の本能にとって、安全かどうか分からないモノや危険な状態は望ましくないためです。 そのため脳の報酬系…

  • 正しさの広め方

    世の中はシンプルで、そして難しい。 バックラッシュ 仕方がないことですが、米大統領が変わった影響によってここのところの国際ニュースはもうアメリカ一色になっています。 やはり停滞ではなく変化が金銭を生むのであり、ビジネス界隈でゲームチェンジャーに人が群がるのも必然というもので、ここしばらくはライターや解説者やジャーナリストの稼ぎ時だなと捻くれた目線で見ています。大人げない視点です。 まあそれはさておき、米共和党サイドが既存システムや言論をガチャガチャとぶっ壊して自勢力の都合が良い方向へ持っていこうとしていることが山ほど報道されていますが、私は自然な成り行きだと思っています。なにも特異なことはなく…

  • 雑談オブ雑談

    善悪を絡めた考察記事は雰囲気が重くなりすぎるため、異なる雰囲気の記事を投稿することによっての換気が定期的に必要です。 と、私は思っていますが、私が思っているだけです。読み手への配慮というよりは書き手側への配慮だったりします。 文章の内容は書き手の思考によりますが、書いた文章が書き手に影響を及ぼすこともありますので、私は悪循環へ陥らないようテーマや思考をほどほどに散らしたほうがいいと思っています。「深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いているのだ」であり、「狂人の真似とて大路を走らば即ち狂人なり」です。 それっぽいことを言ってみましたが、要するに雑記を書きます。 今回はオチ無しテーマ無し教訓無しの…

  • 「ナチスは良いこともした論」と「ヒトラーに例える論証」

    詭弁VS詭弁。 私は安全工学的観点から「ヒューマンエラーを起こさない人間なんて存在しない」と考えています。どれだけ賢い人間であっても常に正しいことをできるわけではなく、時には誤ったことを述べてしまったり間違えた選択をしてしまうものです。 よって物事や言説は誰が言ったかではなく何を言ったかを是々非々で判断すればいいと思っています。これ自体は世間的にも普通の見解で、「あいつは気に入らないけどこれには賛成」「あの人は好きだけどこれには反対」といったことは当然あるでしょう。 ただ、そういった是々非々の意見を持つことに対して次のような反論を先日見かけました。 「それは”ナチスは良いこともした論”であり詭…

  • 強さとは「物事を思うがままに動かす力」だと思う

    今月はやたらと鋭利な記事が多くなってしまっているので、閑話ならぬ緩和をしていきます。 つまりは雑談です。 強い女 SNSで「強い女とはなんぞや」といった口喧嘩が起きているのをうっかり観測してしまったので、口喧嘩なんかは放っておいて私の思う強い人物像を語ってみましょう。 ちなみに、ネットでよく見かける男女論的な枠組みではなくただの私の好みの話です。 私はどちらかと言えば強い女性が好きです。 ただ、正直に言うと攻撃的な女性は苦手です。 別に攻撃的な男性も得意ではありません、単純に暴力性を好まないため、基本的には温厚な人や優しい人が好きです。 そのため私自身も攻撃性を外へ発露しないよう努めてはいます…

  • 善人ごっこの落とし穴

    人を抉るような鋭利な言説は宜しくないとはいえ、時々思っていること。 たまにはダークな感じの記事を書いてみましょう。 善人ごっこ 「悪人を叩く自分は悪と対峙する側、すなわち善の側であり、悪人を叩く自分は善なのだ」 といった妄想に浸っている善人ごっこをSNS辺りでよく見かけます。 現実には悪の反対側が善とは限らず、悪と対立する悪も当然の如く存在します。常識的に考えてヤクザとヤクザが争っていたらどちらも悪でしょう。 よって悪人を叩くことは自らの善性を証明することにはなりません。 また、人を叩く行為はそれが物理的であれ言論であれ攻撃であり、他者を攻撃することは悪です。 つまり表面的な虚飾を剥ぎ取って本…

  • 社会性を持つこととは、人間に擬態することだと思っている

    重苦しいテーマを記事にすると重苦しくなります。 まあ、当たり前です。 時々であればいいですが常に重いと胃もたれしてしまうので、切り替えて緩い話をしましょう。 この記事タイトルはヘヴィな雰囲気を醸し出しているかもしれませんが、中身はそうでもありません。 内部指向型 職場で時々「誰々は挨拶しない」「挨拶を返してくれない」と文句を言っている人を見かけます。私は他人が挨拶するかどうかをまったく気にしないので、少し新鮮な気持ちになります。なるほど、そういう感想もあるのかと。 以前にコストパフォーマンスの観点から挨拶を推奨する理屈を組み立ててみたこともありますが、それは「挨拶はコスパが悪い」といった意見へ…

  • 紛争の解決は「どの残酷さを選ぶか」であり、残酷ではない道は今のところ存在しない

    非情さのベクトルに関しての辛辣な見解。 現実的な紛争の解決策 先日、パレスチナ問題の解決策としてガザ地区から住人を移住させる計画があること、そして日本語圏ではあまり見かけませんが海外では国際連合パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)にも批判があることを紹介する記事を書きました。 その後のニュースを眺めていると、アメリカは周辺諸国や日本を含めた諸外国へ難民の受け入れを打診しており、それらのニュースに対する日本語圏のリアクションを観測してみると反対意見が多数のようです。 気持ちは分かります。ガザ地区からの移住はイスラエルの利となり勝者の横暴を許す形となりますので理想論としてはそれを避けたほうが望…

  • 中国の経済的脅威とアメリカの関税政策に関する所感

    アメリカのトランプ大統領が推し進める関税政策に関するニュースを日々見かけます。 これに対してアメリカ国内からの批判が高まるのは妥当なことでしょう。関税は自国内産業の保護として機能しますが同時に対象産業以外の支出を増大させます。要するに間接消費税の一種であり、基本構造は補助金と類似するものです。全体から徴収して一部へ再分配することは相対的には不平等であり、国内から不平の声が上がるのは自然なことだと言えます。 国際的な非難が高まっているのは、まあノリと勢いかと思います。相当特殊な資源物品でない限りアメリカへ売り難いのであればアメリカ以外へ売ればいいだけの話ですので、他国からすれば本来そこまで致命的…

  • 分からない技術者はいらない

    営業「担当じゃないのは重々承知しているんだけど、担当者が分からないそうなのでちょっと教えてくれないか」 私「えー、まあいいですけど」 事業所で技術屋をやっていた頃は営業さんとこんなやり取りが時々ありました。 今年度から本社へ異動してきて企画屋になった今でも、同様のことが時々起こります。 営業「工場の技術者に聞いても分からないって言われたから、ちょっと教えてくれないか」 私「えー、まあいいですけど」 営業さんが「分からない」ことも、技術系の人に問い合わせることも問題ではありません。 ただ、技術屋が営業や顧客に「分からない」と答えることだけは承服しかねます。辛辣ですが、よくもそんな恥知らずなことが…

  • Elinで遊んでいるだけの日記

    どうにも愚痴っぽい記事を書いてしまいそうな気分なので、あえてゲームの話をしましょうそうしましょう。 サンドボックスゲームが好き ちょっと前に新しいゲームをやっていることを記事にしましたが、今回もそのゲームの話を続けます。 前回は何故かゲームタイトルを書き忘れましたが、やっているのはElinというゲームです。2007年に公開された名作フリーゲームElonaの正式な続編で、2024年11月にアーリーアクセスが始まった開発途中のゲームとなります。Elona2?知らない子ですね。 前作も馬鹿みたいに遊んだ記憶があるためせめて正式公開されるまでは手を出すことを控えようと思っていましたが、我慢しきれずに手…

  • 我儘な自分を再発見する無意味な工程

    今日はブログを投稿した気になっていました。 夜になって気付きましたが、まだ投稿してなかったです。びっくり。 やっぱり投稿時間が朝になったり夜になったりしていると駄目です、昨日の夕ご飯どころか今日の朝ブログを更新したかどうかすら記憶を保つことのできない私のような人間がそんな器用なことをやろうとしたって上手くできるわけがありません。 そんなわけで、休日ですし雑談です。 なお、私は「そんなわけで」を万能なワードだと思い込んでいます。話題転換、閑話休題、仕切り直しに話題逸らし、全てにオールマイティで使用できる素敵な言葉です。 でも自分で思っているニュアンスと他者への通じ方にそこそこ齟齬が生じることが日…

  • ”成長”に関する変化は主に自然対数で記述される

    2018年に発刊されたハンス・ロスリングの名著『ファクトフルネス』で語られた人間の思考の癖、10の思い込みのうち、「直線本能」は実にありとあらゆる事柄で見かけることができます。 直線本能とは物事が直線的に増えたり減ったりすると思い込んでしまうことです。 物事には慣性がありますので、ある変化の傾向が変わらずに続くと考えることは自然な考え方です。しかしながら、自然な考え方とはつまり熟慮を経ていないただの思い込みに過ぎません。 去年よりも今年の何かしらが悪くなったからといって来年も同じくらい悪くなるとは限りませんし、4歳で100cmだった男の子の身長が5歳で107cmになったからといって「これならこ…

  • 認知バイアスを認知すること

    ふと辿り着いた英語の「認知バイアスのリスト」ページが、思った以上に充実していて驚きです。 アンカリング、可用性ヒューリスティック、認知的不協和、確証バイアス、自己中心的バイアス、フレーミング効果、論理的誤謬、プロスペクト理論のように日本語圏でもメジャーな認知バイアス以外にも、アポフェニア、拡大不感受性、誤った事前情報、自己評価、真実の判断のようなあまり聞き覚えのない認知バイアスも網羅されています。 聞いたこともない認知バイアスがいっぱいあるので、ざっと読んで興味を感じたバイアスの詳細を調べるだけでも良い勉強になりそうです。 なんとなく面白かったのでこのページを紹介したかっただけです。 ただ、ま…

  • 統計的差別を無くすことは難しいが、避けたほうがいい

    理想を言えば「全ての差別は無くすべきだ」と言いたいところですが、現実問題として統計的差別を無くすことは難しいと思っています。 ネット上でも国家や宗教や人種や職業や男女で区分された集団に対する統計的差別を見かけない日はありません。 統計的差別の撤廃が難しいのは、それが合理的な判断だからです。 差別の再生産 まずは国連による差別の定義を見てみましょう。 Discrimination is any unfair treatment or arbitrary distinction based on a person’s race, sex, religion, nationality, ethnic…

  • 理想と人命

    普段、当ブログでは時事問題を直接取り扱いません。時事問題は鮮度がありますし、実際には無数の背景情報があり切り取られた単独のニュースで何かしらを語るのは視野狭窄に陥りかねないと考えるためです。そして背景情報を踏まえた解説などは専門家やジャーナリストが行う仕事ですので、やはり当ブログで語るようなことではありません。そもそも個人の感想であればSNSへ行けばいくらでも流れています。 よってこのブログでは様々な時事情報から表面的な部分を削ぎ落して本質の部分を主題とするように心がけています。 昨日の記事は時事問題に対して解説を含めて直接的に取り扱った珍しいパターンですが、この記事ではいつもの調子で主題部分…

  • 紛争を終わらせるための現実論は、非情であり事実でもある

    珍しく時事問題について直接取り上げてみましょう。 先日、アメリカ大統領がパレスチナ問題の解決策としてガザ地区を「一掃する」計画を提案したことがニュースになりました。 これに対して思った以上に感情的な意見や批判が飛び交っているのを見かけました。 まあ気持ちは分かるのですが、一応こういった意見は特別突飛なものではなく昔からあることを紹介してみたいと思います。 紛争を終わらせること 日本語圏ではほぼ見かけませんが、海外ではパレスチナ問題に対処しているUNRWA(国際連合パレスチナ難民救済事業機関)に対していくつかの批判が存在します。 その一つが「UNRWAが紛争を永続させる役割を果たしている」とした…

  • ブログに滲み出てくる癖

    ブログに手が回っていない話をしようとしても手が回っていない状況。 話が逸れる なんだかんだ毎日更新する程度にはブログ活動をできているものの、他所様のブログへ訪問したりコメントをするなどの交流にさっぱり手が回っておらず、それが少し寂しいし当ブログへスターを押してくださったりコメントを残してくださる方々にはなんとなく申し訳ない気がしています。 といったことを書こうと思って早ひと月。 忙しさを言い訳にいざブログのことを書こうとすると、途中から職業病の話になったり忙しさの量的な話になったりと不思議なほど話が逸れてしまい書けませんでした。 一応書き出しは冒頭のようなブログのことから書き始めるのですが、ズ…

  • 忙しさは単純に時間では測れない

    個人的な感覚ですが、忙しさには二種類あると思っています。 一つは”長さ”による忙しさです。仕事に従事する時間の幅であり、これが長ければ長いほど当然ながら人は忙しさを感じます。 もう一つは"量"による忙しさです。あれもこれもと多数のタスクを抱え込んでいる場合、人は多忙を感じます。 忙しさの重さ 今の私は圧倒的なまでに後者の忙しさを感じています。本社へ異動してから労働時間はむしろ短くなりましたが、以前よりも遥かに多忙さを感じるばかりです。 昨年まで事業所で設計をしていた頃は、もちろん多数の仕事を抱えてはいましたが基本的にはコントローラブルでした。私が設計して、私が手配して、私が調整して、などなど全…

  • 政治家の任期を伸ばすことの愚かさ

    政治に求めるもの。 民主主義にも存在する独裁官 近年、各国でトップの延長論が様々出ています。 少し前であれば安倍総裁の任期延長や習近平主席の任期制限撤廃、プーチン大統領の任期延長改憲などが代表的で、現在はアメリカでトランプ大統領の3選を可能にする法律案が議論となっています。 世界の不安定化が続く中でこのような論陣が起立するのは自然な現象です。 それこそ独裁者を嫌い最高権力者の執政官ですら定期的に交代していた共和制ローマであっても国家存亡に関わる非常事態においては執政官を超える役職としてのディクタトル(独裁官)を任命して難事へ対応していたようにです。 民主的な意志決定はその他の政治体制に比べれば…

  • 昔に比べて「職業病」を意識しなくなった

    厳しめの論調や結論の記事が増えていると疲れを実感する。 写し鏡 当ブログは特に方向性もなく日々思い付いたことをつらつらと書き連ねているだけの雑記ブログです。そのため毎日思考したことが赤裸々に記録されていきます。 そうなると当然ですが私自身の精神状態が極めて顕著にブログへ反映されます。疲れている時は疲れている内容、元気な時は元気な内容、特に何も考えていなかった日には特に何も考えていない内容が出力されます。 とはいえ内心の自由とは読んで字のごとく内心にあってこその自由であり、思ったことをなんでもかんでも赤裸々に発信していい自由ではありませんので、外部へ出力していることを意識してある程度のお化粧を施…

  • 正義と善の乖離

    埼玉にある事業所の工場で設計をやっていた去年までは営業への不満を漏らす人をちょこちょこと見かけていましたが、今年から本社に来た結果、工場への不満を漏らす人をちょくちょく見かけるようになりました。 そんなよくある光景になんとも言えない感慨深さを感じます。営業部門と生産部門の実に典型的な争いです。 正義の種類 この手の問題はどうにもなりません。どちらが正しくどちらが間違っているわけでもなく、それぞれの立場からすればどちらも正しいためです。 営業部門には「仕事を取ってきているのは俺たちである」とした自負があり、生産には同様に「俺たちが金を作っている」とした誇りがあります。それらは平行線を辿らざるを得…

  • 経済に関する論争を見る度に思うこと

    自然科学屋からすると経済学は別世界に思える。 何を善とするかの基準 古典的な自然科学は非常に”硬い”学問です。科学的手法と再現性が非常に重視されており、いつ、どこで、誰がやっても同様の結果をもたらす法則を取り扱っています。 そこには意思や思想信条の差は無く、資本主義者がいつ試験をしても社会主義者がどこで試験をしても関係ないものが自然法則です。時に反証が発見されて新たな法則となったり古い法則に修正が加わることはあるものの、本質的には不変の法則を見出すことこそが歩みとなります。 その点、経済学は少し趣きが異なります。 昨今であれば関税に関する議論が分かりやすいでしょうか。 関税は他国の輸出ダンピン…

  • ストレッチ目標は人を選ばなければならない

    ビジネスは環境に依存します。 そして手法とはツールのことであり、ツールは環境に依存しません。 よって世に謳われているビジネス手法には再現性がありません、スティーブ・ジョブズと同じことをして同じ手法を使えば同じような成功者になれるわけではないように。 ビジネス手法の多くは残念ながら学術研究と統計を伴わない神話です。 それでも多くの人が不明瞭な未来の闇を少しでも照らし出すことを希求して”正しい手法”なる神話へ飛びつくことは止むを得ないことですが、残念ながらそれは不幸と失敗の再生産となります。 ストレッチ目標への懐疑 呼び名は様々ですが、社員の成長を促す挑戦的な目標として「ストレッチ目標」「努力目標…

  • 不真面目なりの真面目

    ちょっと喉が渇いたなとお湯を沸かしてお茶かコーヒーを飲もうとした時、ふと先日里帰りした際にもらった味噌汁が目に付いたので、味噌汁を飲むことにしました。 結論としては、喉を潤すために飲むものではないな、といったところです。当たり前のことですが。 あと、マグカップで飲む味噌汁は、少し違った風情があります。悪い意味で。久世福商店のちゃんとしたお味噌汁なので美味しいは美味しいのですが、もうマグカップを出してしまったからと横着せずにちゃんとした汁椀で飲めばよかったと思いました。 今日はマッタリしたい気分なので、そんなどうでもいい話を連ねていきます。 残留決定? 4月下旬にまた中国出張が決まりました。 ま…

  • 国際関係を善悪で捉えることの誤り

    「中国が軍事(又は経済)で他国へ侵略的な攻勢を行っている」 と聞いて、そんなことはない、そんな悪い国ではないと反発する人を見かけることがあります。 今回はそういった国家間のコンフリクトに関する雑記を。 国際社会の基本 当ブログでも度々述べてきたように国際社会はアナーキーです。統一政府があるわけでもなく権力分立や保障制度も存在しない以上、国際社会は無秩序な無政府状態、すなわちアナーキーであると認識することが国際関係を考える上での前提とする必要があります。 身近で分かりやすい例を言えば、国際社会には警察が存在しません。私たち個人の人間は法を犯せば警察に捕まりますが、国家は国際法を犯したとしても捕ま…

  • 正の陰謀論を見たい(人任せ)

    誰かやってくれないかな。 陰謀論とアノミーの相関 過去にも学術研究を取り上げた記事で紹介したように、陰謀論はアノミーと強い相関を示します。 ◆陰謀論者の特徴 - 忘れん坊の外部記憶域 アノミーとは、難しい言葉で言えば「個人が従うべき道徳的価値観、基準、または指針が根こそぎにされたり崩壊したりした社会的状態」を指す言葉です。価値観や基準、指針や道徳が日々変化する世界において、個人が保有する道徳的規範が時代遅れになったり適応の欠如によって生じる個人とコミュニティの絆が崩壊した状態であり、社会に対する不満や変化の拒絶、一体感の喪失や孤立をもたらします。 言い換えれば、アノミーとは「世界はどんどん悪く…

  • ふと思ったことを、ふと書くだけの日記

    ふと思ったこと。 発想のスケール 「タワマンに住みたい」みたいな意見がありますが、ふと、それはスケールが小さいのではないかと思いました。 19世紀アメリカのゴールドラッシュで一番儲けた人は砂金堀りではなく道具屋であると言われるように、タワマンに住む人よりもポンとタワマンを建てられるようなオーナーのほうがお金持ちのはずです。ローンで首が回らないオーナーはさておき。 つまり「タワマンに住みたい」ではなく「タワマンを建てたい」のほうがスケールが大きい発想ではないでしょうか。 ちなみに私は小市民なのでタワマンに住みたいと思ったことは一度もありません。そこそこ静かなところでスーパーなどが近所にあり掃除が…

  • 選挙を通じていない権力者の是非

    論理ではなく好悪に帰結する話。 政治任用制度 ここ最近見かける言説の一つに次のようなものがあります。 「イーロン・マスクがアメリカで権力者となりつつある。選挙を通じて民衆から選ばれた政治家ではない人間が、金の力で権力を得るのはいかがなものか」 個人的には金の力で成り上がったわけではなく経営者として成功したから成り上がったのであって、金は後から付いてきたものですし、政治の世界に招かれたのも金の力ではなく経営者としての手腕によるものだと思っていますが、まあそれは人それぞれどう解釈しても構わないでしょう。 ただ、この言説によるイーロン・マスクへの批判は少し筋が悪いと思っています。 そもそも日本ではあ…

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