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夫1人、子供2人、猫2匹と暮らし、映画と料理とモードが趣味。長谷川たかこのパリの日常。

たかこ
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フランス
出身
世田谷区
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2009/01/14

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  • 期待以下&期待以上

    『The Insider』は、スティーヴン・ソダーバーグ監督で主演がマイケル・ファスベンダー、ケイト・ブランシェット。パリに戻ったら一番に観たかった映画。服装からすると70年代が舞台?ジョージ・ウッドハウスはイギリス秘密情報部(SIS)の腕利き諜報部員。ボスから「機密情報が外部に漏れた。犯人を1週間以内に突き止めてくれ」と言われる。容疑者5人のリストの中には妻カトリンの名前があった。捜査するうち、妻カトリンが怪し...

  • 日本は遠い

    わたしのように高齢の親が日本にいて、往復している(していた)在住者は少なくない。わたしのごく周囲だけでも6人いる。親が高齢なら子供も若くはない。飛行機の往復はシンドイし、お金がかかる。頻繁にひとりで残されるパートナーもラクではない。わたしが行き来を始めた3年前、パリに帰ると夫ひとりの家の中は大変なことになっていた。入るなり異臭に気づき、匂いを辿ったら朝市用のカートの中に5日前買った魚が放置されてい...

  • 「ご到着前のお食事」

    JAL機内食のメインの食事は悪くない。東京→パリは和食「白身魚の根菜南蛮漬けとわかめごはん」を選んだ。洋食は「チキンのレモンクリーム煮煎茶風味、ペンネ添え」。どちらも有名(多分)レストランのシェフ監修。量よりバラエティで勝負するJALは小鉢(?)のほうが魅力がある。小鉢は和洋共通で:-揚げ出し豆腐の鶏だし餡(一口だけど美味しい)-ブロッコリーのキヌア・タルタルアーモンドがけ-海老と春野菜のジュレそして定...

  • 健康が一番

    を今回ほど痛感したことはない。発つ前日にお医者さんに行き、症状(寒気、咳、片頭痛…)を訴えると「気管支炎ですね、でも殆ど終わっている」。ところが全然終わってなくて症状は続き、寒気だけでなく東京は本当に寒くて(平年より6~7度低い)その上、鼻まで加わり、ここまで来て、一日にひとつのことしかできないなんて…ついにクリニックに行くことにした。驚いたことに、近くの商店街(端から端まで歩いて5分)にクリニック...

  • 「何が食べたい?」

    と聞かれると、「和食 !」とか、もう少し選択肢を広げて「フレンチ以外ならなんでも」フランスで日本料理(中国人経営のSUSHIは別)が高いように、日本では高いフレンチを食べたいとは思わない。わたしが着いて1週間後が娘の誕生日で、お寿司?と密かに楽しみにしていたら「フランス料理に赤ワイン」と言われた。あちゃ。東京のフレンチを探すの?まだ体力回復していないので遠くには行きたくないし、とネットを見始めて、以前、...

  • 一粒で二度おいしい

    3か月ぶりに会う母はまたひと回り小さくなったみたい。少し長い白髪の髪を三つ編みにして、年老いた少女(?)のようにも、優しい魔法使いのようにも見える。「まぁ!たかこちゃん、思いがけない」しばらく話をする。子供(彼女にとっては孫)たちの名前はよく覚えていて、「今どこにいるの?え?日本?」「じゃ、みんな日本にいるのね。パリには猫だけ?」(夫の存在を忘れている)。彼女に会いに行くのは夜7時ごろ、夕食が終わ...

  • エコノミーのY?

    JALコールセンターの“日本式応対”は他の航空会社と比べ物にならない。電話番号は載せているのに誰も出ない航空会社さえある。丁寧なオペレーターに、体調が悪くて出発日を2日後にしたい、というと「お探しします」カチャカチャ「ああ、エコノミーはもう一杯で、Yのお席しか空いていません」「Y?」 「はい、正規の料金になります」ボーディングパスにHとかFとか書かれていて同じエコノミーでも値段が違うことは察していたけど、A...

  • 病気のダブルパンチ

    しばらくお休みしていた理由のひとつは、インフルエンザによく似た(でもそうではない)感染症に罹ったから。しかも日本に発つちょうど1週間前に始まった。寒気、悪寒、すごい疲労感。その日曜日、“夫を連れ出す作戦”の一環として、ハロルド・ピンターのお芝居のチケットを予約していたのに、わたしは寝込み、ひとりで行ってもらうことに。お芝居に行くのは稀なのでがっかり。具合が悪くなって3日目に薬局でインフルエンザとコロ...

  • 『リアル・ペイン』

    『A Real Pain』というタイトルを見て一瞬「本物のパン?」と思った人は、わたしだけではないと思うけど、わたしだけ?real pain、文字通り訳せば“真の痛み”、でも“厄介者”という意味もあるそうだ。「今、トランプについている形容詞のひとつ」とアメリカ人の友達が教えてくれた。ユダヤ系アメリカ人のデヴィッドとベンジーは従兄同士。最愛のおばあちゃんが亡くなり2人は久しぶりに再会する。そしておばあちゃんの故郷ポーランド...

  • 血の繋がりより強い

    早朝、ベルで起こされ、サンドラがドアを開けると隣の夫婦と小さい息子。お腹が大きい奥さんが産気づいたので病院に駆け付けなければならない。ベビーシッターが来るまで男の子を預かってくれないか?「1~2時間なら預かるって言ってたから」と妻。「わたしがそんなこと言った?」 “フェミニズム専門”書店を経営するサンドラは、結婚にも子供にも興味がない独身。6歳のエリオットにどう接したらよいものか?一方エリオットは物...

  • 宝くじ50万€の当選者は

    トゥールーズで。車を停めた駐車場にE氏が戻って来ると、車の窓が壊され、リュックサックが盗まれている。中には身分証明書やクレジットカードが入っていた。すぐにカードを止めようと銀行に電話すると、すでに52ユーロが使われていた。使われた場所は駐車場から500mのカフェ。E氏がすぐそのカフェに赴くと、主人は「宝くじを買ったあのSDF(住居不定者)2人だ!」そのひとりのくじが当たっていて、しかも満額の50万ユーロ(約78...

  • 友だち以上 恋人以下

    バレンタインデーの夕刻、花束を抱えている男性とひんぱんにすれ違った。花屋の前には男性客の行列ができていた。1年で一番花屋が儲かる日らしい。夫はきっと忘れている、と思ったら意外。日本ではなぜか、女性がチョコレートで“愛を告白する”日だけど、フランスでは両方向。だから相手がいない人は肩身が狭く感じてバレンタインデーが嫌いな人が増えているとか。日本ほどではなくても、年頃になると親や周囲のプレッシャー(「あ...

  • マクロン汚名挽回作戦

    最初「人気挽回」と書いて、それは“以前あった人気を取り戻す”という意味で、果たしてマクロン大統領に人気があったと言えるか?最初の任期で国民は期待したけど徐々に裏切られ、去年7月の「内閣解散総選挙」は致命的。国内外で権力をなくし、メディアからも国民からも無視され、それでも胃潰瘍になったりしないのは(前頭部は後退している)、よほど図太い神経の持ち主、と感心する。だから「汚名挽回」のほうがしっくりする。「...

  • 医療砂漠フランスで

    ずっとかかっていた産婦人科の先生(女医)が定年退職したので他の先生(女医!)を探さなければならない。医療機関予約のプラットフォームDoctolibで探すと、女医さんは軒並み2~3ヶ月待ち。家族に、遺伝しやすい乳がんがあるので、年1回チェックしろ、と言われているのに。お医者不足、特に近年、専門医不足なのは聞いているけど、とりわけ産婦人科医。2012年に3700人いたのが2022年に2113人。なんと40%近く減っている。2か...

  • 納豆が問題

    「30歳過ぎて日本語を始めるのはムリです」と研修の先生が言われたけど、現状はそう捨てたものでもない。日本ブームで、日本語を習う動機が多様化したからか、生徒さんは12歳から78歳。平均年齢50歳!37歳で始めたF氏はとりわけ進歩がめざましい。これまで日本オタクの仏男子は“タタミゼ/tatamisé”とも呼ばれ、タイプ(日本女性にファンタズムとか)があったけど、彼はその範疇に入らない。日本べた褒めではなく「住むのは難しそう...

  • 日本語は難しい

    「『ここでタバコを吸ってもいいですか』…この“も”は何ですか?」と生徒さん。彼女は英語バイリンガルで、60歳過ぎてから日本語を始め、わたしとは6年目になる。70過ぎて「覚えるより忘れることのほうが多い」と嘆くけど、毎週休まず続けるモチベーションにはひたすら敬服。「『わたしもフランス人です』や『だれにも会いませんでした』の“も”は知っているけど」「何だと思います?」「タバコも吸っていいですか?という意味?」...

  • 何も起こらないのに、すごい映画

    夫は毎朝30分、室内自転車をこいでいる。買ったとき「2週間と続かないだろう」と思ったけど6年も続いているのは、自転車をこぎながらTVシリーズを観ているからだ。最近シリーズに飽きて、映画を数回に分けて観ている。ある朝、自転車から降りてきて「何も起こらないけど、すごい映画」「何も起こらない?」「主婦が料理を作ったり、片付けたり、そうじしたり・・・・その繰り返し」彼はアクションものが好きで「何も起こらない」のは...

  • ツリーに第二の人生を

    葉が色あせたモミの木が道端に捨てられているのを見ると可哀そうになる。華やかに飾られていたツリーが、こんな姿になっちゃって…捨てるときのためにビニール袋を有料で売っているけど、袋詰めのモミの木はさらに無残だ。それにこれ以上ビニールを増やしてどうする?そもそもこれは「廃棄物の無許可投棄」という違法行為で、最高1500ユーロの罰金。でもツリーに名前はついていないし、現行犯でない限り捕まらないので捨てる人は多...

  • 気になる初夢

    「初夢」は、Wikipediaフランス語版も「Hatsuyume」。「伝統的に日本では最初の夢が新しい年の運命を予言するとされている」。「12月31日の夜は眠らないことが多いので1月1日の夜に見る夢を“初夢”と呼ぶ」(年越しの晩は、日本人も自分たち同じく明け方までどんちゃん騒ぎをすると思い込んでない?)縁起のいい夢は「1富士2鷹3なすび」。4位以下は-諸説あるみたいだけど-4扇、5たばこ、6座頭…21世紀の人たちが見そうも...

  • 桜よりきれい?

    東京では、母のいる介護施設、片付け中の実家、娘の通っている病院…という行動半径。時々“都心”に出るのは打ち合わせなので遊びじゃない。「遊びに行きたい!」と息子に言ってみたら、「行こう!どこに行きたい?」12月はじめの週末のこと。埴輪展が見たかったけど、最終日近くで週末は混みそうだから、「紅葉が見たい」「紅葉はどこで見れる?」と息子から返事。詳しいのは君のほうだろ、と言いつつ、調べたら都内の紅葉の見どこ...

  • 出遅れ続き

    カラフルな粘土人形が「キリスト生誕の場面」を再現する「プロヴァンスのサントン人形」。夫のおばあさんから伝わったのを田舎の納屋で見つけ、「パリに持ってきたのを忘れていた」と、クリスマス直前に登場した。夫の両親が生きていれば100歳以上だから、何十年前?なのにメンバーが全員揃っている。左から東方の三博士、母マリア、飼い葉おけのキリスト、父ジョゼフ、息を吹きかけて赤ちゃんを温める牛とロバ。右側は羊飼いやお...

  • ズレすぎ

    3世代が実家に溜め込んだモノの片付けにげっそりしてパリに帰ってくると、クリスマスだった。「プレゼント、何が欲しい?」と言われても、何も欲しくない気分。義妹に同じ質問をすると、「さぁ…あまり思い浮かばない」「イヤリングは山ほど持ってるし…」とわたし。50くらい持ってない?「ネックレスも2年続けてもらったし」(そうでした)「インテリア?」「息子たちが、うちにモノが溢れてるっていうから」(確かに)結局「開け...

  • 羽田で卵焼き

    JALの直行便は1日1本。前は10時20分だったのに8時20分発になった。どうして?と聞くと「冬時間になったのでお客様が日があるうちにホテルや自宅に帰れるように」その代わり、暗いうちに出かけなければならない。子供も送りにきてくれない。納得できない理由づけだけどセ・ラ・ヴィ。朝4時に目覚ましを2つかけ、それでも起きれないのが怖くて殆ど眠らず、羽田に向かう。滅多にタクシーに乗らないので、夜明け前の東京の景色を...

  • 焼き鳥屋にて

    厄介なのが着物だ。高齢化で着物を手放す人が多く市場に出回りすぎていて、誰も買ってくれない。それに家族が着ていた思い出のある着物だ。友人にもらってもらうのが一番いい。ということで、娘やわたしが着たいもの、友人にあげるもの、の仕分けをした。わたしたちが着る、と言っても着付けから習わなければ。似合うかどうか顔に当ててみれば早いけど、たたむのに一苦労するから見て決める。それからMode Offに持って行く衣類(着...

  • 再び東京にいます

    借りているAirbnbの窓に、毎朝溢れるような朝日。日本の冬は素晴らしい。それだけで元気が出る…と言っても、現実はそんなに元気ではないけど。母は目に見えて弱ってきた。「食べられるうちは大丈夫」と介護士さんが言われるけど、食欲はほとんどないみたい。にゅうめんを少し持って行くと食べてくれる。「でも栄養はないわねぇ」と自分で言いながら。実家の片付けも再開。夏は暑すぎるのと、お腹を空かせた蚊の大群に取り囲まれ、...

  • 猫は水が怖い

    うちの猫は、蛇口から水を飲む。珍しいことではないみたいだ。そのほうがフレッシュで美味しいに決まっている。細く水を出すと、ピンクの舌で器用に飲む。うちに帰ると2匹揃って水を待ちかねている。難は水を止めるのを忘れること。特に夫は毎回忘れる。もったいないので、娘が水飲み器を買ったら、最初のうちは珍しがって飲んでいたけど、定着しなかった。蛇口から飲むくせに、水は怖いのでお風呂にお湯を入れていると逃げ出す。...

  • 密接するセクハラとパワハラ

    ネヴェンカ(Nevenka、この読み方でいいでしょうか?)は25歳の若さでポンフェラーダ市(スペイン)の市会議員に選ばれる。市民から支持される市長イスマエル・アルヴァレスは、ネヴェンカをいきなり予算担当につける。その結果、市長の傍らにはいつもネヴェンカの姿。この抜擢に、古株はあきれ、ネヴェンカは舞い上がり「何でもしますから」と市長の信頼に応えようとする。でもこの贔屓には理由があった。市長が気に入ったのはネ...

  • アリ、コバエ、イガ…

    5~6月はアリが大発生した。アリは1匹で歩いていると可愛くないこともないけど、何十匹が行列してうちの中を行進していると、これはなんとかしなければ。image: Qivio猫がいるので殺虫剤は使えない。重曹+チョウジが効くと教わって、アリの通り道に重曹をふりかけ、間隔を開けてチョウジを置いてみた。うちに来る人が「ナニコレ!?」という顔をするたびに「コカインじゃありません」。この方法は、効果はあったけどアリのネッ...

  • 知る人ぞ知る疲れない美術館

    歩きたがらない夫を歩かせるのは至難のワザ。歩いて7分のスーパーに行くのに、10分バスを待つ、という人だ。最近PTから「毎日最低30分歩かないと、今に歩けなくなる」と言われ、わたしが「もう一緒に旅行できない」と脅したので、少し気を付けるようになった。「ちょっと歩いてくる」と出かけるのはいいけど、あっという間に帰ってくる。ニンジンをぶら下げないと30分以上歩かない。生徒さんのひとりから、オテル・ドゥ・ラ・マリ...

  • 21世紀版シンデレラ『アノーラ』

    ブルックリンのクラブでストリッパー&エスコートガールをするアノーラは、ロシアのオリガルヒの息子ザハロフと出会う。高校生に見えるザハロフは両親の豪華なアパートにひとりで暮らし、親の金で遊んでいる。「君を1週間独占したらいくら?1万ドル?」「1万5千ドル!」親の金を湯水のように使っている放蕩息子と玉の輿を夢見るストリッパーは気が合った。“1週間の独占”から「結婚しちゃえばわたしをずっと独占できるよ」「し...

  • エルザおばさんの大昼食会

    エルザ夫妻市場の最終日には、お孫さんまで家族全員、昔の店員さんもやってきて、賑やかな「さよなら」になった。その時、エルザから、「10月に大昼食会をするから必ず来てね。車はある?」わたしは運転できないし、夫はパリの駐車場が高すぎるので、古い車は田舎に置いてある。エルザ夫妻はオルリー空港の近くに住んでいるので、空港まで電車で行ってタクシー?「空港を右に曲がって、すぐを左に曲がったとこよ。すごく簡単」オル...

  • 朝市の代替わり

    25年間通った朝市の八百屋さん、エルザおばさんが72歳で定年退職したのは今年の7月。退職後のエルザ夫妻、素敵なツーショット「死ぬまでやめない」と言っていたので「えっ?!」と思ったけど、「アレ(とご主人を指さし)がもう無理って言うから」過酷な職業だから、逆に「よく70過ぎまでがんばった」と言うべき。夜中の12時に起きて(!)冷蔵室の野菜果物をトラックに積み込む。定番の商品だけで50種類以上あり、そこに季節もの...

  • 両目が一緒に機能していない

    眼科で視力検査。「文字列が8つありますけど」「・・・・4つしかありません」視力は変わっていなかったけど、ダブルに見えるのは乱視のせいではなく、「両目が一緒に機能していないからです」個別に見ているから像が2つ見える、ということ。理由は(前にも書いたけど)10年くらい前に遡る。老眼が出てきたせいで(おかげで?)近眼が是正され、近くはコンタクトなしで見れるようになった。当時の眼医者さんが、「片目だけコンタクト...

  • 被害者ジゼル・ペリコに拍手

    情けない言い訳をする被告たちに対し、ジゼル・ペリコの勇気ある凛とした態度にはひたすら感心。彼女は最初「恥をさらすのはいやだから法廷に出ない」と言っていたが、「恥をさらすのは被害者ではなく加害者だということを世間に伝えるべき」と考えを変えて出廷。photo: TF1 info被告側の弁護士の「あなたは本当に意識がなかったのか?」「快感があったのではないか?」のようなひどい質問にもめげず、「なぜ被害者が口をつぐむの...

  • 被告人たちのプロフィル

    目下裁判が行われているマザン強姦事件。左が被害者ジゼル・ペリコ主犯の夫ドミニック・ペリコの携帯&パソコンから83人が“参加”したのがわかり(つまり2回やった男がいる)、そのうち身元が割り出された51人が逮捕、拘置された。51人のプロフィルをニュースでは「hommes ordinaires/ふつうの男性」と言うけど、こんなことをした男性を「ふつう」と呼ばないでほしい。年齢は27~73歳(犯行当時22~67歳)。全員がペリコ夫妻と同じ...

  • フランスを震撼させる強姦事件

    裁判が始まり、その様子が毎日ニュースになるマザン強姦事件(マザンはプロヴァンスの地名)。ドミニック・ペリコ(↓)が、10年に渡って妻に強い抗不安薬を飲ませ、ネットで募った志願者に強姦させていた、という信じがたい事件だ。image: 7sur7.be発覚したのは2020年9月。スーパーで女性客のスカートの中を盗み撮りしていたドミニック・ペリコ(当時67歳)が警備員に捕まった。携帯には何人もの女性客が撮られていた。警察はパソ...

  • 日本がわかる?『テラスハウス』と納豆

    生徒さんA(60歳男性)がNetflixでかかっている『テラスハウス軽井沢』を観ていて、よくその話をする。「面白い」「わかりやすい」「会話の勉強になる」というので、観てみたら(そう、今頃!)確かに面白い。周囲に聞いたら(当然、みんな既に観ていて)「軽井沢が一番面白い」でも、これで“会話の勉強”をしないほうがいい。60歳の彼が「めっちゃよかった」「ムズい」「エグい」を連発したら滑稽なだけでしょ。フランス語でも同...

  • カエルの孫もカエル

    「実は男ともやったことがあるんだ」「えっ、どうして今まで言わなかったの?」「フラれると思ったから」「バカね!・・・・女より嫉妬しないかも。でもわたしから離れないで」「絶対離さない」(エイズの怖さや知識がまだ浸透していなかった頃の会話)深夜のディスコから歩いて帰るエマとサミーは幸せで、未来は輝いていた。間もなく生まれてくる息子のため、サミーはアパルトマンの改装を始める。同じ建物で仕事をする写真家のシリル...

  • サスペンスでミュージカルでヒューマンドラマ

    舞台はメキシコ。有能な弁護士リタは今日も被告に勝訴をもたらした:妻を殺した暴力夫に無罪判決。勝ったのにリタは全然うれしくない。最近は、正義のためではなく犯罪者をシロにするための弁護ばかりだ。うんざりしてトイレに入ったリタに、新しい仕事を提案する謎めいた電話。待ち合わせ場所に行ったリタは頭から袋をかぶせられバンでどこかへ連れていかれた。目隠しを取ると、目の前に有名な麻薬カルテルのボスが座っている。「...

  • わたしはどういうおばあさんになるか?

    歩行器を押しながらいつもロビーを歩き回っているおばあさん。小柄でウェーブした白髪、お伽話に出てくるおばあさんのように可愛く、背中は曲がっているけどスタスタとよく歩く。わたしが受け付けで「来訪者」の記入をしていたらやってきて、受付の女性に「主人はいつ帰ってきますか?」「病院に行っていてあさって帰ってきますよ」そうですか、と立ち去ったかと思うとすぐ戻ってきて「主人はいつ帰って来るんですか?」翌日も同じ...

  • あ、ハクビシン!

    いつも借りているワンルームは駅まで徒歩15分。緑が多い住宅街で、パリでは聞けなくなった蝉の声が聞こえる。午前中に駅に向かって歩き出すと太陽が背中に照り付ける(つまり背後が東?)。駅から母のいるホームはさらに15分。これを2週間、毎日やっていたら首と腕がかなり焼けた。土方焼け。パリは日照時間が少なく、ヴィタミンD不足の人が多い。骨粗鬆症の初期で、お医者に「一日10分陽に当たりなさい」と、日本女性なら真っ青...

  • 世代ギャップ

    一方母は、わたしが発つ前に腰の激痛でホームから病院に運ばれた。圧迫骨折が疑われたけど、母はレントゲンも検査も拒否し「薬だけ欲しい」。母の頑固さにお医者さんも負け、鎮痛剤をもらって帰ってきた。名前すら知らなかった「圧迫骨折」とは、骨が脆くなった老人や閉経後の女性に、少しの衝撃で起こる背骨の骨折。ドスンと座っただけで折れるとか。レントゲンだけでも撮ればよかったのに、と言ったけど、圧迫骨折とわかっても手...

  • 日本骨折体験 3

    数日後、田園都市線→南武線→小田急線と乗り継いで、駅で待っていた娘とさらにバスに乗り、新百合ヶ丘総合病院へ行く。駅と病院を往復しているバスは1時間に2本しかない。病院は丘の上にあるので「歩いて行くと暑くて死ぬ」そうだ。5分で新しい明るい病院に着き、まずリハビリの理学療法士に会った。30台前半の優しい雰囲気の先生で、骨折周辺の固まった筋肉をもみほぐし、まだ上げられない腕を少しずつ上げたり(「イテテッ」と...

  • 日本骨折体験 2

    退院したあと、娘はシャワーを浴びるのも、服を着るのも、髪をまとめるのも彼に手伝ってもらわないとできない。料理はもちろん、電車い乗るのも怖いし、腕を伸ばして寝ることもできない。ご飯は左手で食べれるように練習。手術した病院で週2回リハビリが始まった。シェアハウスから駅まで15分歩き、そこから病院送迎バス(1時間に2本)で5分。リハビリだけが彼女の予定であり「目標」になった。一番の気がかりは手がしびれてい...

  • 日本の骨折体験

    ひょんなことから娘のカミーユが腕を骨折、救急車で運ばれた。2か月前のこと。週末だったので手術は3日後。ギブスをされて「バッファリンより少し強い」痛み止めをもらってシェアハウスに帰ってきた。でも強烈に痛かったのは手術後。投薬のプロトコルが日仏で大きく違う:フランスでは手術後モルヒネを使う。日本は「バッファリンより少し強い」痛み止め。子供の時から滅多に泣かなかった娘が電話で泣いている。何もしてやれない...

  • 着地・・・しない!?

    目が覚めると、機内が明るくなってスチュワーデスさんたちがエプロンをつけている。夕食から9時間、やっとご飯にありつけるというわけ。アナウンスでは「ランチ」が配られるということだったけど-日本時間ではお昼過ぎだし-出てきたのはどう見ても朝ごはん。ブラインドを上げると、青い空に雲の絨毯。「雲の上はいつも晴れ」は本当なのね。飛行機は高度を下げ、間もなく雲が割れて、小石を敷き詰めたような家々が見えてくる。ど...

  • 日本VSイギリス、幽霊くらべ

    わたしが日本にいた頃だから30年以上前『異人たちとの夏』という映画があった。主人公の原田(風間杜夫)は離婚して一人暮らしのシナリオライター。ある日、子供の頃住んでいた浅草に行ってみた。両親は彼が12歳のとき、交通事故で亡くなっている。はずなのに「おお!よく来た」と父親(片岡鶴太郎)が実家から出てきた。言われるままに家に上がると、亡くなったころのままの若い母親(秋吉久美子)が笑顔で迎える。思いがけな...

  • 灯台下暗し

    翌日、貼り紙ができなかった隣の建物の住人に電話することにした。Pages Blanches(白いページ)というサイトがあって、住所を打つと住人の電話番号がわかる。お金を払うと番号が隠せるListe Rouge (赤いリスト)というのがあって、勧誘電話などを防ぐことができる。でも最近は勧誘電話をかけるほうも方策を練って、防ぎきれないらしい。住人は半分以上このListe Rougeで、番号が出ている人たちに片っ端から電話した。見事に誰も...

  • リュリュ行方不明

    毎朝6時半に「腹が減った」と起こしに来るのはリュリュだ。でも今朝はタマで、時計を見ると7時を過ぎていた。パリに戻って3日後のこと。キャッツフードの音を聞いたらどこかから飛んでくるかと思ったけど現れない。野良猫だったリュリュは基本的に人間が怖いので、人が寝静まってから中庭をうろつくのが好きだ。でも朝には必ず帰ってくる。ご飯より大切な用事なんてあるんだろうか?雨も降っているので心配になって探しに行く。...

  • イエールに行くなら

    「ポルクロル島に行け」「すごく綺麗な島だ」とあちこちから言われた。島が好きなので(島国生まれのせい?)ポルクロルを見ずには帰れない。岬の先端の港から、夏場は30分置きに船が出ている。わたしは船を予約し(往復21€)、バスの時間を調べ、ぐずる夫を急かして時間通りバス停に着いた。のに、バスが15分も遅れてやってきたので既に汗びっしょり。バスは満員で、港が近づくと渋滞で進まなくなった。どうやらイエール近郊にい...

  • 泳ぐ、食べる、観る…

    海の反対側は、最初、海の続きかと思ったら、実は池で、無数の白鳥が遊んでいる(「遊んでるわけじゃない」と言われそうだ)。池はキラキラする水面と土手が交互になっていて、遥か彼方まで続いている。つまりどっちを見ても見渡す限りの風景。人影はない。夕刻になると、白鳥はどこかに行き、今度は空に無数の凧が上がる。この光景は、歩いて10分のミニスーパーに行かない夫(「歩きたくない」)は見ないので、写真に撮ったけど凧...

  • 見渡す限りの砂浜、きれいな海

    翌朝、礼儀正しい青年がやってきて5分でエアコンを修理してくれた。5分で済むなら昨日来てくれればよかったのに。お陰で寝不足だ。彼はマットピンクの従弟だそうで「エアコンを設置したのもぼくです」。ファミリービジネスなのね。水着の家族について行ったら本当に5分で海岸。砂浜が左右に、はるか彼方まで続いている。海はすごく遠浅で、背が立たないとパニックになるわたしでも安心。子供連れが多い訳だ。水は、底が見えるほ...

  • 浮気するから…

    両側に松林がある県道をタクシーはひたすらまっすぐ走る。ホテルもお店もない。海側にちょっと入ったところにピンクフラミンゴはあった。小さい建物で、外側に急な階段がある。エレベーターがない!と絶望的な声で夫。わたしたちが借りたアパートは3階だ。汗だくになってスーツケースを引っ張り上げ、アパートに入る。ボーリューのアパートに比べてかなり小さい。居間兼キッチンとこちらが寝室最上階なので天井が勾配していて夫は...

  • 欲張りすぎの結果

    今回、いつも行くBeaulieu/ボーリューに行かなかったのはオリンピックのせいだ。春頃のアンケート調査でパリ住民の60%以上が「オリンピック中、パリから逃げ出す」と答えたので、地方のヴァカンス用貸しアパートが一斉に値上げをした。開催地パリのホテルは2倍~3倍だけど、コートダジュールの貸しアパートも2倍以上。ヨットハーバーがあり、芸能人が多いサン=ジャン=カップ=フェラは「一泊1000€という物件もある!」とドミ...

  • 破壊行為、木と衝突、猫探し

    「火災などによる破壊行為」で、TGVの複数路線が不通になったのが7月26日。日本のニュースでも伝えられた。「今の社会を一度破壊して新しい社会を」と訴える反資本主義の“ウルトラ左派”の手口と言われ、捜査がが始まったけど犯人はまだ不明。やっと復旧したと思ったら、7月31日朝、ミニ竜巻が起こり木が倒れ、パリ→リヨン間のTGVと衝突。ちょうどヴァカンス7月組と8月組が入れ替わるときで8万人に影響。TGVに怪我人は出なかっ...

  • 100年ぶりの五輪でフランス人が感じ良くなった?

    金メダルの数は中国が10個とトップで、8個の日本とフランスが追っている。総合ではフランスが26個とトップで、期待を遥かに上回り、オリンピックに懐疑的だった人まで盛り上がっている。開会式の翌日、男子ロードタイムトライアル(Course contre la montre)がバスティーユ広場を通った。文字通り「時間との戦い」。アンヴァリッド広場からアレクサンドル三世橋まで、自転車で一番速く走った人が勝ち。雨降りなのに、住人や旅行...

  • 開会式:演出のトマ・ジョリーに拍手

    ニュースではレディ・ガガやセリーヌ・ディオンのインパクトを挙げていた。確かにステージで歌うのは4年ぶりのセリーヌ・ディオンの熱唱はファンでなくても感動した。けど何より、このショーの演出を手掛けたトマ・ジョリーの才能に大拍手。©Linternaute.comセーヌ川はパリを横切るだけでなく、何十世紀という時間を横切ってきたことを思い出させる演出。旧と新。伝統と斬新。コンシェルジュリー、パリ造幣局(ここでメダルが造ら...

  • 聖火とネズミ

    ラジオや政府広報では「100年ぶりのスポーツの祭典」「成功させよう!」と宣伝しているけど、地元では盛り上がらないオリンピック『PARIS 2024』。あちこちの道が通行止めになり(理由がよくわからん)、渋滞がひどく、物価は上がり、旅行者より警官の数の方が多い。スポーツ相ウデア=カステラに続いて、パリ市長イダルゴが(重装備で)セーヌ川に飛び込み、「気持ちいい!」「ついにセーヌで泳げるなんて幸せ!」©mediapartいろ...

  • マレの“日々の名残り”

    「同じ建物にいたミッシェルという娼婦のことを覚えていますか?」ドキュメンタリー作家だという女性から電話がかかってきた。彼女は、マレの娼婦の“生き残り”だったミッシェルのことを調べていて、通りのバーのオヤジから「あの夫婦が知っているはず」と言われたそうだ。覚えている、と答えたら週末にうちにやってきた。わたしたちがこのアパルトマンに越してきた96年、そのミッシェルは 60歳ぐらい、ブロンドに染めた髪、ミニス...

  • バルデラの垂れ目、エムバペのマスク

    極右RNは単独過半数を取らないどころか、3位に落ちた。既に首相になったつもりだったジョルダン・バルデラは(がっかりすると垂れ目になるらしい)「これはマクロンらの陰謀だ。自分たちは被害者だ」photo: France BleuRNは被害者面するのが得意だ。裁判沙汰になる度に支持を増やすトランプに似ている。RNの失墜の理由は、第一次投票と決選投票間の1週間に、移民が殴られる、移民が働く店に差別的落書き、ポスターを貼っていた与...

  • 七夕の願い事「極右が政権を取りませんように」

    「俺たちはフランス人、ここは俺たちの国だ、お前のようなアラブ野郎は出ていけ!」アン/Ain県の町で、チュニジア人男性が若い男2人に頭部を滅多打ちにされた。7月1日、国民議会総選挙第一回投票で極右RNが1位についた日のこと。犯人の2人(25歳)にすぐ懲役3年の刑が下った(ホッ!)アヴィニヨンでは、コートジボワール人の見習いがいるパン屋の壁に火がつけられ、「黒野郎!」「出ていけ!」の落書き。別のレストランの壁...

  • 知ってました?

    フランスではほとんどテレビ番組を観ないけど、日本では珍しいので、ひとりの時よくつけている。そのおかげで学んだのが「どうしてクセ毛と直毛の人がいるのか?」単純に「遺伝でしょ」と思っていたけど、正解は「脳の温度を調整するため」!人類が最初に出現したのはアフリカと言われ、そこでは日中は灼熱の暑さ、夜になると急激に温度が下がる。脳は過熱に弱い。クセ毛のほうが脳の温度を一定に保てるので、当時のアフリカ住人は...

  • 米刑務所の感動的プロジェクト『Tehachapi』

    JRというアーティスト、名前は知っていた。日本人には覚えやすい。頭文字だというから、ファーストネームはジャン、ジュリアン、ジュール…フランスの名前は基本的に聖人の名前だから限りがある。一方、姓は数えきれない。日本と逆。タモリみたいにいつもサングラスをかけている。本名も顔も不明だ。©Getty images.彼は「世界で一番大きい美術館を持っている」。「?」写真のコラージュ技術を使って巨大な作品を創り、世界中の地面...

  • 「この仕事、長くはできない」

    クリストフが亡くなったあと、3週間休んでいたチーズ屋の息子さんが朝市に戻ってきた。「ご愁傷様」はもうメッセージで書いたし、なんと言えばいいだろう、「大変でしたね」とか?と思いながらお店に行くと、息子さんが出て来て両手を広げ、わたしたちは抱き合うことになった。言葉にできないときはこのテがあった。どんな言葉より雄弁だ。息子さんの話によると、急性白血病は猛威を振るい、肝臓も侵されて黄疸が出て、血小板が殆...

  • 「この人が次期大統領よ!」だって

    「国民議会解散、総選挙」とマクロンが宣言したときから、ロシアのウクライナ侵攻も中東戦争もフランスのニュースから消え、総選挙一色。週末には「ファシズム反対」「民主主義の危機!」の極右反対デモがフランス各地で行われ、警察発表25万人、労組発表64万人。2002年、シラクVSルペンの大統領選2次投票前の極右反対デモは130万人を集めたことを思うと、反対派は激減している。当時の極右党首ジャン=マリー・ルペンと比べると...

  • 危険な男

    日曜日、ヨーロッパ議会選挙の結果、マクロン大統領のルネッサンスの候補者(14.60%)を大きく引き離して、極右RN(国民連合)のジョルダン・バルデラが圧勝(31.37%)。photo: La Tribune開票速報の直後にマクロンが「(選挙結果を見て)何事もなかったようには振舞えない」ので「国民議会解散、総選挙!」と叫ぶ。うんと好意的に言えば「勇気ある」、客観的に言えば「めちゃくちゃ」「自殺行為」の決断。しかも第一次選挙6月3...

  • あれが最後だったなんて

    日本にいる間、日曜日ごと(2回だけ)に夫にチーズ屋さん、クリストフの容態を聞いていた。1回目は「長時間の放射線治療が効いている」という希望の持てる知らせだったけど、2回目は「え、院内感染!?」放射線で弱っていたところへ黄色ブドウ球菌に感染。家族もガラス越しでしか会えない隔離された病室だったのに、なぜ?息子さんは夫に「もう父に会うことはないでしょう」と言ったそうで、「どういうこと?もう望みはないって...

  • 食べる

    スーツケースは無事に着いているだろうか?フランスなら心配になる。ヤマトは出発フロアの隅にあり、控えの紙を見せると「JL45…!」と係員が叫び、「ここに受け取りサインをしてください」「それは受け取ってから…」と言いかけて、2日前に別れたスーツケースが既に横にあるのに気づいた。日本のサービスは素晴らしい。ところで朝の8時前だと言うのに羽田は混んでいる。怖いほど誰もいなかった2022年6月の羽田出国してから夫に日...

  • タクシーとスーツケース問題

    帰りの便は10時20分、ということは8時すぎに羽田、ということは7時に出なければならない。「送っていくよ」と言っていた子供たちも7時と聞いて黙ってしまった。空港定額タクシーは予約しにくいので、着いてすぐから探し始める。果たして2週間先だというのに、どこも「予約がいっぱいで承れません」。連休は終わったのに、ウィークデイの早朝からみんなどこへ出かけて行く?電話予約ができる某タクシー会社も「いっぱいです」と...

  • 東京の一日

    けっこう頻繁に日本に来ているのは、ホームに入った母を見舞うためだ。彼女の雑用を片付けたり、買い物したり。その合間に子供たちに会い、打ち合わせが少し。実家の整理も続けなければいけないけど、これは8割方終わったところで止まっている。母は、最近のことは何度も聞くけど、しっかり会話ができるし、ユーモアもある。去年夫が会いに来たときは「まぁいいオジイサンになったわね!」97歳の母に「いいオジイサン」と言われた...

  • シェアハウス便り

    新百合ヶ丘は思ったより時間がかかり(移動にはいつも思ったより時間がかかる)息子とシェアハウスに着いたのは夜8時半すぎ。大きなキッチンで、娘と彼が鶏のグリルとズッキーニとポテトの準備に奮闘している。サロンには、料理を作ってひとりで食べている人、パソコンに向かっている人がポツポツ。そのうちテーブルのひとつでポーカーが始まり、仕事帰りの人も着いてにぎやかになった。顔ぶれはナイジェリア人、台湾人、ヴェトナ...

  • お父さん大奮闘

    飛行機の座席は、最前列(前部はファースト&ビジネスなので区切りの最前列)を予約してあった。隣はお父さんと2歳くらいの子供。泣き続けたら眠れない…と心配になったけど、とても大人しく、大奮闘のお父さんの方が騒がしいくらい。彼はおむつ、タオルケット、食糧など荷物が多いので座席前のスペースが広い最前列を予約していた。ところがこの席は、TV画面やテーブルがひじ掛けに組み込まれているため倒せない。つまりひじ掛けを...

  • 猫の考え

    娘が日本に発って(正確には、一緒に行って置いてきて)から4か月。先日、やっと彼女が残していった衣類を片付けた。洗濯した浴衣を畳んでいたら、どこからともなくタマが現れて、浴衣の上にゴロリと横になる。洗剤の匂いしかしないのに、どうしてわかったの?浴衣の柄を見分けるはずもないし…おまえは天才猫か?娘の不在を一番悲しんでいるのは間違いなくタマ、彼女の”べべ”。(勢いわたしはおばぁちゃん)メッセンジャーで話す...

  • チーズ屋さんのショック 続き

    朝市の商店主たちは重労働だ。午前3時に起き、冷蔵室の商品をトラックに積み、市場に着くのが5時。それから出店を設置して商品を並べ値段をつけ終わると7時。早起きのお客がやってくる…とクリストフから聞いた。商品数が多い八百屋のエルザおばさんは午前3時出発と言っていた。店じまいは午後2時ごろ。残った商品をトラックに積み、帰って冷蔵室に入れると午後4時を過ぎている。2か所の市場で週に2回ずつ、それを17歳の時...

  • チーズ屋さんのショック

    朝市の“クリストフのお店”でチーズを買うようになったのは、娘がお腹にいたときだから27年前 。当時はクリストフと奥さんと、品のいい中年のおばさんの3人で店を仕切っていた。クリストフが夏のバカンスを取る40日間は、他のチーズ屋に行くけど、それ以外は浮気をせず、毎週日曜日、顔を合わせていれば仲良くもなる。「息子さんはコンテ、娘さんは固めのロカマドゥール、あなたはあまり熟成していないロブロション、ご主人は・・・・...

  • シェアハウス便り

    娘カップルはボルダリングにはまり、週2回壁をよじ登っている。だんだん難易度の高い壁に挑戦していて、先週、娘は難易度“中”の壁の頂上まで上ったところで、「足が滑って一気に落ちた!」と聞いて母は一瞬青くなる。「どのくらいの高さの壁?!」「わたしの身長の3倍以上」というから5mくらいか。もちろん地上にはマットレスが敷いてあるので「かすり傷だけ」。でも「落ちている間に、これまでの人生が早回しで見えた」そうい...

  • 100年ぶりのパリ五輪まであと100日

    というタイミングでフランスチームの開会式ユニフォームが発表された。中央の私服はパリオリンピック企画委員長のトニ・エスタンゲ。その左の私服はベルルッティ副社長のアントワーヌ・アルノーPhoto de ©KacperKasprzykそう、作ったのはLVMH傘下(やっぱり)のベルルッティ(高級メンズシューズブランドだけど服も作るの?)ブリジット・マクロンはよくルイ・ヴィトンの服を着ている 。デザインが好きなんだろうけど、彼女がパリ...

  • 日本は幽霊が出やすい国

    邦訳が再版になり、出版社に招待された作家のシドニー。行こうか、行くまいか、ギリギリまで迷い、遅れて空港に着くと、出発が3時間遅れていて飛行機に乗れてしまう。関空では編集者、溝口が待っていた。お話はシドニー(イザベル・ユペール)と溝口(伊原剛志)の、なんとも非現実的な雰囲気の6日間。第一、シドニーが招待された理由も現実味がない。訳書が再版になる度、著者を招待していたら日本の出版社は全部倒産してしまう...

  • 『まだ明日がある』

    1940年代後半、イタリアの田舎町。戦後の物資不足で人々の生活は貧しいけど、新しい民主主義への希望が感じられる。夫と3人の子供、寝たきりの義父と暮らすダリア。家事の合間に縫物や傘修理の内職に走り回り、ちょっと気に入らないことがあると暴力を振るう夫に耐えている。長女のマルセラはそんな母を見るのが、自分の将来を見るようで辛い。「どうして逃げ出さないの!」「逃げるって・・・どこへ行けって言うの?」そこへ突然、...

  • 蟻の大侵入

    茶色くて2-3㎜で、外で見れば可愛いと思えるけど、それが群れをなしてうちの中にいると可愛くない。台所の壁際をせかせかと歩き、流しまで上ってきている。食べ物は全部隠し、猫がいるから殺虫剤は危いよね、と思いつつモノプリに見に行ったら、アリ&ゴキブリ専用で「子供、動物にも安心」という殺虫剤を見つけた。しかしあまり効果なし。数時間で戻って来る。ゴキブリは小動物より頑丈だから、アリとゴキブリを一緒くたにしてい...

  • 教師になり手が少ない訳

    コレージュ3学級(14~15歳)のフランス語の授業でロンサールの詩を勉強している。若い先生、ジュリアンは「Astéisme」という手法を「誰かを褒める時、非難のように聞こえる表現を用いること」と説明し、生徒たちの“ピンと来ない”という表情を見て、例を挙げる。「例えば『レスリー、その新しいヘアスタイル、素敵だね』という代わりに『レスリー、何そのヘアスタイル!』…」先生が言い終わらないうちにクラスは騒然となった。「...

  • 「大統領になって以来、最悪の思い出はなんですか?」

    人工妊娠中絶の権利が憲法に加えられた式典で、TF1のジャーナリストに聞かれたマクロン大統領。「間違った情報やでっちあげのシナリオが横行し、信じる人がいること。それが当事者、家族を深く傷つけること」持って回った言い方に、「それはブリジット・マクロンが男性だという噂のことですか?」「もちろんそうです」マクロンは答え、「これ以上話したくない」と苦々しく。この噂を知らなかったわたしは(読者の方に教えていただ...

  • シェアハウス便り

    娘カップルが新百合ヶ丘のシェアハウスに入居して2か月。部屋は狭いけどバス&トイレつき、キッチンやサロンの共有スペースは広くてきれい。サロンで会ったイギリス人の女性は「何でも聞いて」と親切そうだった。数週間経って聞いてみたら、「住人がアホばっか」「!?」娘曰く、英、米、豪、仏・・・つまり白人たちが、アフリカ系の住人に差別的発言&態度をするのだと。「それも精神年齢を疑っちゃうような、あからさまな差別」と...

  • 日本が好き

    片頭痛防止対策のひとつで、月に1回オステオパシー (骨矯正術)に通っている。うなじの左側が凝って-先生曰く“ブロック”されていて-それが片頭痛の一因になっているらしい。カイロプラクティックのように骨をポキポキせず-しても1回くらいー両手を頭や首筋に当ててじっとしている。だけなのに、よく効いてここ数か月大きな片頭痛になっていない。こういうのをマジックハンドと呼ぶのでは。なにしろ先生はオペラ座ダンサーた...

  • 誰のソファ?

    猫たちがソファを気に入ったのはいいけど、気に入りすぎて彼らの場所になってしまった。メリディアンヌ(méridienne)と呼ばれる長椅子で雑誌を読むのが夢だったけど、いつ行っても先客がいる。近寄るとキッと睨まれるので、「はいはい、お邪魔はしません」元祖メリディアンヌ。人間が寝そべり、猫は床、が正しかった。Edouard Manet 1862何がそんなに気持ちいいかというと、生地でしょうね。前のズタズタソファは皮でひんやりし...

  • アラン・ドロンの遺産

    相続をめぐる家族紛争が週刊誌をにぎわしていて、渦中の人、アヌーシュカ・ドロンがラジオで話していた。アラン・ドロンにはアントニー(59歳。母親はナタリー・ドロン)、アヌーシュカとアラン=ファビアン(33歳と30歳。母親はロザリー・ファン ブレーメン)の3人の子供がいる。この3人が、ドロンの近年の“伴侶”ヒロミさんを追い出した。追い出すまでは団結していた3人が仲間割れ。ドロンが遺産を圧倒的に多くアヌーシュカに...

  • ソファのその後

    Habitat倒産の被害者になり、その後どうなったかというと、弁護士2人が債権者代理になったことがネットで告知され、その人物に領収書や必要事項を記入した用紙を送った。「ほとんど望みはない」と夫。会社が倒産した場合、法定財産管理人が任命され、その人がまず自分の報酬を確保する。次に未払いの税金、社員の給料、契約会社の請求書が払われ、お客は最後だから。だからと言って、見ただけで気が滅入るこのソファ・・・・最近は猫...

  • 長身、イケメン、3枚目

    最近ひんぱんに耳にする名前、ラファエル・クナール。金曜日のセザール賞授賞式では『最も期待される男優賞』『最優秀男優賞』、監督として『最優秀短編ドキュメンタリー賞』の3つにノミネートされ、『最も期待される・・・』を獲得した。射るような眼差し。笑うと優しくなる。©Capture d'écran canal+ 受賞のきっかけ映画『どう猛な犬』は、南仏の田舎町で仕事もしないでたむろしている若者たちのお話し。アントワーヌ(ラファエル...

  • ホラーより怖い

    アウシュヴィッツ強制収容所所長のルドルフ・ヘスは妻ヘートヴィヒ、5人の子供と大きい邸宅に暮らしている。使用人もゾロゾロいて、広い庭にはプールがあり花が咲き乱れる。みんなが飢えている戦時に、ここには食べ物も豊富にある。訪ねてきたヘートヴィヒの母親は「楽園のようね」と目を見張る。その通り、この邸宅はヘス夫妻の理想の楽園。しかし。壁の向こうはアウシュヴィッツなのだ。“囚人”たちの悲鳴、監視の怒鳴り声、殴る...

  • 猫2匹、砂箱3つ

    先着猫タマの砂箱は浴室の隅、後着猫リュリュのは2階の廊下に置いてあり、2匹ともルールを守って暮らしていた。と言っても、タマは不満があるとそれを表明するため、砂箱の外で用を足す。不満とは、-娘かわたしが不在。-砂箱が汚れている。最近、タマが頻繁に「砂箱の外」でするので、何が不満なのよ、と観察していたら、ある日、リュリュが我が物顔で、タマのトイレで用を足しているではないか。それをタマが洗面台から恐ろし...

  • 男性の永久不妊手術

    Vasectomie(精管を切除して閉鎖)がフランスで急速に増えていて、2010年比で15倍(!)になったとニュースで言っていた。この手術、フランスでは2001年から許可され、アメリカや韓国と違って非常に稀だったのが、2010年には1940人、2022年に3万人を超えたそうだ。希望者は「これ以上子供は欲しくない」という35歳以上の男性が多かったのが、最近では子供がいない18から25歳の若者が増えている。これに反対する女性も少なくない。...

  • 『無垢』な子供たち

    カンヌ映画祭でシナリオ賞を取ってから、ずっと観たかった是枝裕和の『怪物』。フランス版タイトルは『L’innocence/無垢』封切りになったのは12月末、日本は2023年6月公開だから半年遅れ。東京に発つ前日で観れず、戻ってからもグズグズしていたのは、観た人たちの感想がイマイチだったからだ。息子とその話をしたとき「自分の目で観なければわからないよ」と言われ、全くその通りだ、と観に行った。夫に先立たれた早織は、ひとり...

  • ヘルシンキのヴァンター空港

    に降りたのは午前4時。零下6度。雪。外を歩くわけじゃないからいいけれど、雪景色とガランとした空港は寒々しく、東京の青空がもう恋しい。チケットはJALのサイトで買ったのに、東京-ヘルシンキもフィンエアー。正確にはJAL、フィンエアー、ブリティッシュの共同運航。後日、友人に話したら「それって文句言っていいんじゃない?」乗務員は愛想のないオバサンたちで「荷物の入れ場所がない」と言ったら「今忙しい」と一蹴された...

  • 即席なべ

    ある晩、息子がメガネを一緒に選んでくれと言うので、二子玉川のメガネ屋に行った。アレコレ試し、決まったのは8時の閉店間際。「うちでご飯を食べよう」と息子。駅から息子のアパートに向かって歩きながら(15分)、誘ってくれるのは嬉しいけど、寒いしお腹が空いた。今から買い物して料理して、食べるのは10時か?まず入ったのは魚屋。お刺身やお寿司コーナーまであり、こんな店が近くにあったら毎日通いたい、と思う魚屋。でも...

  • 美味しかった&何度も食べた

    大学の友達が集まったとき、「コンビニのおでんを4回食べた」と言ったら、「コンビニのものはあまり食べないほうがいいよ」そういえば息子も同じようなことを言っていたっけ。別にわざわざコンビニのおでんを買いに行ったわけではなく、娘と夜道を帰りながら「もう一度出るのはめんどくさい」「寒いし」「そんなら・・・」と、通り道でおでんを買ったのだ。あったかくて薄味で飽きない味、とリピーターになったのは…中毒性があるって...

  • イトーヨーカ堂のオバサン

    シェアハウスは寝具を有料で貸してくれるが、枕は小さいクッションのような、枕とは呼べないシロモノ。娘と駅前のショッピングセンターに買いに行った。西川で見たらあまりに高く(1万3000円から上は4万円台)。「もう少し手頃な枕は?」と聞いたら「それならあっち」。店員さんが指さした方向に行くと、イトーヨーカ堂の枕売り場、5000円台のメモリーフォームが並んでいる。わたしたちがアレコレ触っていると、中年の店員さんが...

  • 引っ越し

    娘がシェアハウスに住むことにしたのは、1年しか滞在しないのにアパートを借りて敷金や礼金を払い、家具を買うことはない、という理由から。彼と2人で滞在するのに2人入居可のシェアハウスを探すのに苦労したけど、新百合ヶ丘に見つかった。部屋の大きさも都内だと9㎡が、ちょっと離れると倍近くなる。Airbnbから引っ越しの日、スーツケース3つだから息子も動員して、新百合の駅に降りると、桜新町とは比べ物にならない大きな...

  • 怖かった

    夕方、娘と2人で実家に行く。玄関までの小道は木が茂り、草が伸び、2年以上誰も住んでいない家は寂しそうだ。冷え切った家の中を点検していると、2階で床がきしる音がした。ギョッとしたけど、娘に言ったら2人でパニックになるので黙っていると、また物音。わたしの部屋は2階、行きたいけど行けない。ドロボーと鉢合わせしたらどうしよう?娘は平気な顔で、シェアハウスで使えそうなケースの寸法を測ったりしている。3回目、...

  • 役所、銀行、デパ地下

    息子は日本に住んで4年。兄貴がいるうちに自分も日本に住みたい、と今度は娘が住むことになった。どこにいてもリモコンで仕事ができる、という時代になったのだ。三が日が終わると、住民票の取得、銀行口座開設、携帯電話の契約・・・・に娘と走り回る。彼女が住むのは新百合ヶ丘なので川崎市役所。休み明けで、待っている人が何十人もいて、ため息が出たけど、「午前中は200人待ちでした」と係の人。住民票(外国から転入)は、“申込...

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