chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
パリのふつうの生活 http://frenchcodeblog01.blog107.fc2.com/

夫1人、子供2人、猫2匹と暮らし、映画と料理とモードが趣味。長谷川たかこのパリの日常。

たかこ
フォロー
住所
フランス
出身
世田谷区
ブログ村参加

2009/01/14

  • 出遅れクリスマス

    2つの戦争のせいか、インフレのせいか、世の中、沈滞ムードでクリスマス気分にならない。17日の日曜日に、次の日曜がイヴであることに気づき真っ青になった。ツリーさえ買っていない!娘と待ち合わせして(ひとりでは運べないので)セーヌ河岸の花屋へ行った。恐ろしく寒い晩、着ぶくれして花屋に着くと、2日前通ったときはたくさんあったツリーが少ししか残っていない。残っているのは1m以下の小さいやつばかり。迷っていると...

  • 東洋人はみんな似てる?

    通っているラテンダンスの学校には週1回(1時間)~4回(4時間)まで各コースと、A volonté(無制限)があり、〈自分のやりたいダンス、相性のいい先生、都合のいい時間〉で選べることになっている。外見はちょっとダサいけど、いい先生が揃っている「無制限」は月170€もするのに、このコースを取っている人がかなりいる、という事実に気がついた。夕方6時から夜10時まで、お腹が空けばサンドイッチを買い、学校に住み着いて...

  • 観たあと更によくなる

    神社を境内を掃除する箒の音で目が覚める。布団を畳む。歯を磨く(朝ごはん、食べない!)道具を満載したワゴン車で都心に行き、公衆トイレを次々と清掃する。昼は公園のベンチでサンドイッチを食べ、木々の写真を撮る。仕事が終わると銭湯に行き、地下街の店(毎晩同じ)で食事。帰れば眠くなるまで本を読む…毎日判で押したような生活をしている平山。誰もやりたがらない仕事。娯楽と呼べるものがほとんどない、慎ましい生活。孤...

  • 言うは易し

    片頭痛の要因を減らしなさい、と言われて、わたしの場合はまず、〇コーヒーを減らす:毎日5~6杯飲んでいたエスプレッソを半分に減らし、目下実行中。〇お酒を減らす:わたしのことをお酒好きと思っている友人が多いけど、実は歳と共に酒量は著しく減っている(でも酒好きのレッテルは変わっていない)。この2週間ワインを飲んでいない。しかしこれからクリスマス、年末、新年と誘惑の季節が待っている。〇枕を変える:片頭痛対...

  • フランスの医療は

    ヘアサロンで隣の男性客と美容さんの話を聞くともなく聞いていた。ずっとNYに住んでいたという美容師さんに、男性客が「パリとどっちがいいですか?」。「うーん…どっちも短所、長所があって比べられないけど、医療はだんぜんフランスがいい」確かに!医師不足は問題だけど、それでもフランスの医療は優れていると、今回身に染みて思った。救急医は来てくれたし、3日目、途方に暮れて、かかりつけのお医者さんにメッセージを送る...

  • 救急での5時間

    まだ続くのか、もうたくさんだ、と言われそうだが、もう少しだけおつき合いください。期待したアキュポンの効果は4時間後に切れた。「もう一度救急医を呼ぼうか?」と夫。ムムム…確かに注射は効いたけど4時間後にまた始まることを考えるとウンザリだ。そこへ会社の人が「Hôpital Lariboisière(ラリボアジエール病院)のUrgence Céphalées(頭部救急)に行くといい」。そんなこと言われても・・・何しろまだ吐き気がしていて、タク...

  • 悪夢の週末2

    以前は、SOSメディサンに電話すると生身の人間が返事をしてくれたけど、コロナから手続きがややこしくなった。画面に個人情報を入力して初めて電話ができる。しばらく「そのままでお待ちください」が流れてやっと出てきた人間に、名前、生年月日、住所(全部入力したのに)病状を伝えると「担当者に代わります」。2人目に同じことを聞かれ、繰り返し、ドアコードまで聞くから「おお、来てくれるのか?」と期待するが、「担当医に...

  • 悪夢の週末

    しばらく鳴りを潜めていた片頭痛の発作が土曜日の朝始まった。すぐに処方された薬(スマトリプタン+消炎剤)を飲んだら2時間くらいで治まった、と喜ぶのは早く、午後になってまたズーン!ズーン!…今度は薬が効かない。ウンウン言いながらひたすら鎮まるのを待つしかない。同じく片頭痛持ちの(つまり理解がある)娘は泊りがけで友達の別荘に出かけている。夫がいるにはいるけど、看病に向いていない人なのだ。95㎏の体重でドシ...

  • 村の大昼食会

    夫の実家があるシャンパーニュ地方の村は人口200人。パン屋もカフェもなく(でも教会はある)郵便番号と相手の名前だけで手紙が届く。そこで毎年11月の日曜日、村の“古顔”を集めて昼食会があり、義父は常連だった。今年は夫とわたしにも招待状が来たのだ。夫はしょっちゅう田舎に行くけど、殆ど行かないわたしまで“古顔”扱いしてくれるとは(年齢のせいか?)。これは行かないわけにはいかない、と言ったら夫がびっくり。冬の田舎...

  • ご託宣のレストラン

    日本から来る友達から「美味しいフレンチレストランを選んで」と頼まれ、ハタと考えてみれば、また行きたくなるフレンチに最近出会っていない。マレの「JAJA/ジャジャ」は美味しいことは美味しいけど、コロナ以後、量を減らし値段を上げた(どっちかにしろ)。それに騒々しいので怒鳴り合わないと話ができない。家の近くにある「H/アッシュ」はミシュランひとつ星を取り気になるお店だけど、コース95€~、料理に合うワインを組ませ...

  • フランス語の博物館?

    11月1日、Cité Internationale de la Langue Française/フランス語国際都市がオープン。フランス語とフランス語圏のカルチャーの博物館で、場所はパリから北へ85㎞、エーヌ県のヴィレール・コトレ城。1539年、国王フランソワ1世が『ヴィレール=コトレ勅令』に署名し、ラテン語に代わってフランス語を公用語に定めたという象徴的な場所だ。マクロン大統領が特に力を入れたそうで、高校時代、フランス語教師(ブリジット)と恋に...

  • 前代未聞の“変異”

    フランソワと高校生の息子エミールは渋滞に閉じ込められていた。父はイライラとタバコを吸い、息子はポテトチップスをボリボリ食べ、「友達とやることがあったのに…」「やることってバカなゲームだろ。今日は2人で行くって約束したじゃないか」ムッとしたエミールは突然車から降りて歩きだす。オイ、待て!と追いかける父。その時、渋滞の中にいた救急車が異様に揺れ動いて、ドアから飛び出してきたのは羽が生えた人間。大きな羽...

  • えっ死語なの?

    ずっと会っていなかった友人と日本レストランでご飯を食べた。「最後に会ったの、コロナの前だっけ?」「いや、いくらなんでも…2021年?」コロナ前・コロナ後が戦前・戦後のようなマーカーになっているのは何処も同じ。2人とも鮭の照り焼きを選び、最後に残った甘辛ソースに、彼はご飯をぶち込んだ。残ったソースをパンで拭って食べるフランス人がよくやること。気持ちはわかるが、日本人はうちではやるけど、外ではあまりしない...

  • 『オオカミ少年』たち

    先週からフランス各地の空港に爆弾予告が相次いでいて、「その数は70件近い。予告はメールで届き、殆どはスイスの同じアドレスから送られている」と運輸相。なぜスイスかと言うと、EU(欧州連合)に加盟していないので、EUの処罰が課せられないから。なるほど。運輸相曰く、犯人は「悪い冗談が好きの大バカと、あくどい愉快犯」その度に機動隊が駆け付け、人々はパニックになり飛行機が遅れ、それを見て喜んでいるんだから全く大バ...

  • とんでもない「同意」

    文学少女ヴァネッサが作家ガブリエル・マツネフに初めて会ったのは、母親が“文学友達”を夕食に招いたときだ。リベルタンとして知られる彼の淫乱な話を、お客たちは面白がって聞いている。でも50歳のマツネフの視線は、執拗に13歳のヴァネッサを追っていた。間もなくヴァネッサはマツネフから手紙を受け取るようになる。「あの晩から、あなたのことが頭から離れない」「あなたのような人に出会ったのは初めてだ」詩的な言葉で綴られ...

  • 恋で若返る

    「その晩、お酒を飲んだの?どのくらい?」「今年、何人の男子とつき合ったの?10人以下?以上?」「そのうち何人と寝たの?」・・・・警察の尋問のように畳みかけるアンヌの前で、若い女の子は震えている。アンヌは警察官ではなく有能な弁護士。これから弁護する、強姦された女子に質問しているのだ。家に帰れば、打って変わった優しい表情。アンヌは夫と2人の娘と大きな家に暮らしている。絵に描いたような幸せ?そこへ、夫の前妻と...

  • 今度こそ?

    「鼻、咳、悪寒…」最後まで言わないうちに、薬屋のオジサンは「COVIDかもしれない!」「症状がぴったりです」となぜか嬉しそうに言う。「鼻・咳・悪寒」が症状の病気は他にもあると思うけど。「テストをしますか?」夫は心不全、高血圧、高齢、肥満…と悪条件が揃っているからうつすとマズい。「はい、するする」と言ったら、「え?症状は昨日から?じゃテストするのは早すぎる」3日後に来いと言われた。家族はみんな罹っていて(...

  • 最近SNSに最も登場した人

    1位はアントワーヌ・デュポン。ラグビーW杯フランス代表チームの主将。9月21日、対ナミビア戦で顔面骨折した(痛そう…)。翌日トゥールーズの病院に運ばれ口腔専門の外科医が手術し、顔にプレートを入れて補強。フランスチームの運命を担う選手だから、最優先で手術が行われ、経過はよく「準々決勝には出られるかもしれない」(なんて乱暴な…)サッカーは観るけど、ラグビーはルールがわからないし興味もない私でさえ、アントワ...

  • 非居住者が理解に苦しむ

    のは銀行の扱いだ。まず普通預金口座しか持てない。さらにネットバンキングができない。海外にいるからこそ必要なのに。日本にいないで振り込みをするときには誰かに頼まなければならないし、誰かが振り込んでくれても確認ができない。「届きました?」と聞かれても「さぁ…多分」その上、帰国中に、日本の企業なり個人に振り込みをするときは「外国向け送金」扱いになる。その操作は、わたしの銀行の場合、窓口ではなくブースに入...

  • 一時帰国者の密かな愉しみ

    それは免税!去年の12月、娘と帰国したときは、2人で念願の資生堂の化粧品を買い(娘のほうがたくさん買った。必要なのはワタシなのに)免税カウンターでパスポートを見せ、免税額でお昼ご飯が食べられた。ところが今年4月に免税制度が変わりパスポートだけではダメ。「日本国籍を有する非居住者」は戸籍の附票か在留証明(2年以上)が必要になった。なぜ?在留証明を日本大使館に申請するには、日本のパスポート、フランスの滞...

  • 夫殺しの女性を、うちの夫は知っていた

    北フランスのダンケルクで、37歳の女性がナイフで13か所刺し夫を殺す、という事件があった。女性は元高校教師、今は市議会議員、児童書の著者。夫はダンケルク大学の教授、51歳。2人の間には20カ月になる子供がいる。9月18日の夜、彼女は警察を呼び「家に泥棒が入り、夫は血まみれになっている」警察が駆けつけ、息絶えている夫を発見。血の付いたゴム手袋の裂け目と妻の手の傷が一致することから、妻を疑い始める。間もなく妻は...

  • 非常口?脱出を援助?

    飛行機の予約するとき、最前列の座席を選んだ。脚が延ばせるし、トイレに行くとき隣の人(たち)の邪魔をしなくて済む。乗ってみると、そこは非常口に接している席だった。すぐ逃げられる、と思ったのは大間違い。座るとすぐにスチュワーデスが近づいてきて、紙切れを渡し「これに同意していただけますか?」紙切れによると、この非常口席は、以下の条件を満たす人しか座れない。1)満15歳以上(十二分に満たす)2)付き添いや係...

  • 合羽橋の道具街

    息子がわたしに包丁をプレゼントしてくれるというので、やってきた。よく来るわけではないけど、下町っぽくて好きな界隈。こういう家並みが残っている。リシャール・コラスという日本通の実業家&小説家が「日本はミルフィーユだ」と言っていた。前の時代を残したまま、時代が変わっていくので何重もの層になっているから。彼曰く「一方中国は前の時代を塗り替えて変化する」入った刃物屋のおやじさんは「どこから来たの?フランス...

  • 東京ザッピング

    数か月、人が入らなかった実家は雑草が腰の高さまで伸び、お腹を空かせたやぶ蚊が待ち受けていた。鍵を探している間に4か所刺される。今年は暑すぎて蚊がいないんじゃなかったの?それに息子の血の方がフレッシュで美味しいのに…身体中に虫よけスプレーを振りかけた。近くの公園(空地?)で遊ぶ真っ黒に日焼けした子供たち。「腕白でもいい」という古いCMが浮かんだ。腕白がいいよね。しかし暑い。この暑さが80日以上続いてい...

  • 「パリ・オリンピックはダメだね」

    空港に向かうタクシーの運転手さんは定年間際のオジサン。おしゃべりで愛想がいいのはいいけど、「あ、あそこがわたしダンス学校」と夫に言うと、そっちを向き、「あそこに〇×が住んでいる」と夫が言うと、そっちを向く(前を向いて運転しましょう)。それからパリ市長イダルゴの悪口になり(歩行者、自転車用ゾーンを広げて渋滞を悪化させたイダルゴ市長は全タクシーから嫌われている)、「パリ・オリンピックはダメだね」「どう...

  • 夢の解釈

    時々、ストーリーがある夢を見るのに、目が覚めて手繰り寄せようとしてもスルスルと消えてしまう。数日前に見たこの夢だけは、ちゃんと覚えていた。夫とわたしは映画館にいる。劇場みたいに2階席があり、わたしたちは2階の最前列に座っていた。映画があと10分くらいで終わるというとき、夫が突然立ち上がり、2階席の欄干から乗り出して、落ちるところ、危機一髪でわたしは彼の片足を捕まえた。わたしの体重の倍以上ある夫をどう...

  • 雑草取りとトマトの味

    久しぶりに田舎に来た夫は庭仕事で忙しそうなので、「何か手伝うことある?」と聞いてみたら、「あ、庭仕事がしたいの?」「別にしたいというわけじゃ…」礼儀上言ってみただけで「特にないよ」という返事を期待していたんだけど、「じゃ野菜畑の雑草を取って」とシャベルと手袋を渡された。“野菜畑”と言っても、奥行き1m弱、幅4mほどの花壇に、オゼイユ、ミント、ピーマン、トマト、プチトマト…を栽培している。野菜の周囲には...

  • 気候変動は痒い?

    親戚の結婚式があり、週末田舎に来ている。家に入るのはちょっと戦々恐々だったのは、8月初め、娘が彼と田舎の家に来たら、家の中に蚤が大量発生していたから。娘は刺しまくられ(大抵彼女が蚊柱、蚤柱になる)、悲鳴を上げて電話してきた。今まで野良猫が出入りしてもそんなことはなかったのに。日本にいたときいつも猫3~4匹と一緒に住んでいたので蚤にはちょっと詳しい。蚤は並外れた飛翔力があるけど、泳げない。着ていたも...

  • カンヌ映画祭パルムドール『転落の解剖学』

    サンドラ、サミュエル、息子のダニエルの3人家族は、1年前から人里離れた山奥の一軒家で暮らしている。目の不自由なダニエルが犬と散歩して帰ってくると、父サミュエルが雪の上に倒れていた。周囲に赤黒い血が広がっていて、もう息はなかった。“転落事故”の可能性はすぐに退けられ、残るは自殺か他殺。家にいた妻のサンドラが殺人容疑者になり、旧知の友人で弁護士のヴァンサンが駆けつけてくる。裁判が始まった。観客は陪審団と...

  • タトゥーの氾濫

    みんな裸(同然)の海岸にいると、タトゥーを入れている人のなんと多いことか!数えたわけじゃないけど、20~50歳では入れている人のほうが多い感じだ。それも小さいモチーフや漢字ではなく、とくに男性は二の腕全体とか背中の上半分とか、脚(1本だけ)の上から足首までツタが絡まったようなタトゥーをしている女性もいたし、目立つのが増えている。一方トップレスは1週間いて1人だけ。娘がタトゥーを入れるのを夫は大反対して...

  • Bookingのせい

    不動産屋のドミニックからアパートを借り始めて早11年。電話で空き状況を聞いて日程が決まると20%の前金を送る。当日は駅か空港まで迎えに来てくれて、アパートに着くとロゼワインやタップナードの歓迎プレゼントが用意されている。何かが故障すれば修理に駆けつけて来るのも彼。発つ日には「清掃人が入る」と契約書にあるけど、ドミニックが新しいシーツやタオルと共にやってきて清掃人に早変わりするのだ。つまり不動産屋を越え...

  • トンネルを抜けるとそこは地中海!

    Beaulieu sur mer /ボーリュー・シュル・メールの小さな海岸『蟻の入り江』に再会したときの嬉しさは毎回変わらない。同じ町の同じアパートを借りるのは5回目だ。わたしたちより年上の夫婦が、毎年ブルターニュの同じアパートを借りるのを見て、どうして同じところに行くんだろう?と思っていたけど、その気持ちがわかる歳になったってことか。馴染みになった場所の安心感。夫が病気をしてからは、また今年も元気でここに来れてよ...

  • 警官つきTGV

    午前10時。雨、20度のパリを出たTGVは太陽を求める人たちで満席。時速285㎞-『のぞみ』と同じ速さ?-で、ニースまで6時間かかる。1週間海辺に行くのに往復12時間はもったいないけど、飛行機がすごく高かったので仕方がない。発車して間もなく、警官が4人も通路を通っていった。SNCF(フランス国鉄)のガードマンではなく、武装した警官なのでみんな「?!」という顔。しかも4人が束になって行ったり来たりするんで物々しい。...

  • アフリカンプリントは忍耐

    「ウエストをゴム」のブティックが閉まってから1年の月日が流れ、もうご縁がないかと思っていたら、近くに2件、アフリカンプリントのお店が開いた。しかも同じ道、間隔は5m足らず。1件はアフリカンプリントと無地の生地をパッチワークにしたりしてちょっとダサいが、もう1件はウィンドウのシンプルなワンピースが、ムム…悪くない。一度入って試着してみたけど、デザインがわたしには似合わなかった。でも張りのあるコットン...

  • 「食」はコミュニケーション

    料理研究家Nが日本から帰ってきて、「あなたにも小さいお土産があるのよ。ちょっと会えない?」食べまくった2週間の話、わたしも聞きたい!結局時間が合わず、電話で話したらすごい長電話になった。一番多くされた質問は「日本は初めてですか?」この返事「わたしは5回目、夫と娘は2回目です」は教えてあったので、最後にはスラスラ言えるようになった。一番連発したセリフは「おいしい!」中でも、一番美味しかったのが福井県...

  • 夏の連載小説 『アラン・ドロンVSひろみさん』

    の新しい章は『ひろみさんの反撃』。「パパを虐めた」とドロンの子供3人に訴えられたひろみ・ロラン。自宅が家宅捜査され事情聴取は6時間続いた。左がアントニー・ドロン。真ん中の奥にひろみさん。サングラス+マスクだとちょと怖い。photo:AFPその3週間後、今度はひろみさんが“集団暴力、誹謗中傷、盗み”で訴えた。集団暴力:子供たち3人がガードマンを連れてやってきて、A・ドロン宅からひろみさんを“力づくで”追い出した。...

  • アフリカンプリントが好きだけど

    鮮やかなプリント生地のロングドレス、お揃いのターバン。伝統的スタイルのアフリカ女性は思わず振り返るほど素敵。日本で着物姿の女性に振り返るのと同じだ。ワックスと呼ばれるこの生地は、実はアフリカ生まれではなく、インド更紗が元だと最近知った。インド更紗は中世からアジアやヨーロッパに輸出され、インドネシアでは王侯貴族の間で流行。自国で作ったインド更紗がジャワ更紗と呼ばれた。19世紀、オランダの会社が機械化で...

  • この人がパリオリンピックのアートディレクター

    7月26日。来年の今日はパリ・オリンピック&パラリンピック開会式。ラジオが特集番組をやっていて、開会式&閉会式のアートディレクターの名前を知った:トマ・ジョリ、舞台演出家&俳優、41歳。photo: sceneweb.fr22歳で演出家としてデビュー。2010年からシェークスピアの『ヘンリー6世』を2サイクルに分割する試みをして、2013年のアヴィニヨン演劇フェスティヴァルで上演(休憩も入れて18時間!)。モリエール賞(大衆演劇部...

  • メトロで出会った男女の一夜

    最近観た映画の中で一番良かったのは深田晃司の『Love life』だ。日本では2022年9月に公開になっているから筋を書くまでもないけど、フランス版のポスターには「ネタをバラさないでください」という注意書きがあった。フランス製“男と女のお話”では必ずと言っていいほどベッドシーンがある。日本映画はより間接的だ。『Love life』で、椅子に乗って電球を替えている夫の脚に、妙子が抱き着くシーン-フランス人が感じたかどうかは...

  • ブリジット・マクロンがよくLVの服を着ている訳

    ブリジット・マクロンは公式の場に現れる時、必ずフランスブランドを着ている。その筆頭は、Louis Vuitton、Balmain、 Chanel…衣装代はゼロがいくつか見当もつかないけど、わたしたちの税金で払われているんだろうか?7月14日、革命記念日の式典で。同じ日の夜。ルーヴルでの晩餐会。主賓のインド首相、ナレンドラ・モディと。白が好きでよく着ている。むずかしい色なのに、似合ってます。photo: journaldesfemmes.fr会計検査院の...

  • N一家、日本珍道中

    日本に発ったナタリー一家、帰ってから話を聞くのが楽しみと思っていたら、帰りを待たずメッセージが送られてくる。「ひらがなとカタカナ表を忘れてきた。写真に撮って送ってくれる?」は離陸前。「billet は何だっけ?えんぴつ?」は関空に着いたとき。ジャパンレイルパスのカウンターに行くところか。「えんぴつはcrayon 。billetはきっぷ」この調子で毎日質問が送られてきたらかなわんと思っていたら、次はアナゴの白焼きと小エ...

  • 親の責任?

    13日の夜から、革命記念日(パリ祭)の14日夜まで、13万人の警官&憲兵が全国の警戒に当たる、とニュース。photo:parisien.fr車に放火するのがパリ祭の“恒例”になっているけど、いつもより多くの警官&憲兵が駆り出されるのは、17歳のナエルが警官に射殺され、フランス各地で暴動が起こったから。一応鎮まったけど、だからと言ってアフリカ、アラブ系移民の怒りが鎮まったわけではない。暴動を恐れてお祭りを中止した市町村もある...

  • シネマの怪物が虐めにあう

    「アラン・ドロンが同棲者からモラルハラスメントを受けていると、子供3人が訴えを起こしています」週刊誌の記事ならともかく、先週の国営放送のニュースで何度も伝えられた。私が耳をそばだてたのは、87歳のドロンを虐めているという女性が日本人だからだ。60歳のひろみ・ロランさんは、「父を家族や友人たちから遠ざけようと、任意の暴力や監禁。それが次第に激しくなっている」と子供たち3人:ナタリー・ドロンとの間にアント...

  • 日本を見てから死ね

    民族大移動、と言ったらオーバーだけど、今年は大量のフランス人が日本へ行く。わたしの周囲だけで12人。日本語の生徒さんが行くのはわかるけど、日本に特別興味がなさそうだった夫の従妹2人(ともに70歳過ぎ)まで。今年の流行語大賞(フランスにはないけど)は「日本を見てから死ね」になるのでは。今週は生徒さんのナタリーが夫と娘と一緒に日本に発つ。料理研究家の彼女は「日本で食べたいもの」でコースを決めている:関空か...

  • デモから暴動へ

    パリの西ナンテールで、17歳のナエルが警官に撃たれ死亡したのが6月27日。その晩からナンテール市内で抗議デモが起きた:花火や火炎瓶を警官隊に向かって投げ、車やゴミ箱に放火、建物を荒らし、音楽学校に火をつけた。警官20人が怪我。ニュースは「デモ」ではなく「emeute/暴動」という言葉を使い始める。翌28日、2000人の警官、憲兵が出動。暴動はパリ西郊外からパリ市内に広がり、地方都市に飛び火する。警察署や学校に放火(...

  • 失言続くエマニュエル・マクロン

    今週はじめ、マクロン大統領は3日間マルセイユに行っていた。フランス第二の都市の治安の悪さ、貧困、住居難…を解消するのが任期の課題のひとつ。2021年に15億€の援助金を約束し、2年後視察に行ったというわけだ。そんなに不人気というわけでもないのね息子の仕事が見つからず困っている母親から話しかけられ、「息子さんはどんな仕事でもする気があるんですか?(母親「はい、なんでも」)それなら港をひと回りすれば、従業員を...

  • 2隻の遭難船

    毎日何回もニュースになった潜水艦Titanの行方不明。1912年に沈没したタイタニックの残骸を観に行く、アメリカのOcean gateという会社が企画している“観光ツアー”だ。潜水艦は6月18日に出発してすぐ消息がわからなくなった。乗っていたのはイギリス人大富豪(58歳)、パキスタン人大富豪(48歳)とその息子(19歳)、元海軍のフランス人でタイタニック専門家(77歳)、そしてOcean gate社長の計5人。フランス人は「ムッシュー・...

  • 年を取る速度が違う

    2週間遅れで誕生祝い、一番仲のいい友達7人が来る。10日くらい前に電話で誘うとみんあすぐ「行く!」「6月のフェットね」。自分の誕生日を口実に友達を呼ぶのは10年来の習慣で、覚えていてくれる。一方、夫は今年から「80歳まで誕生日を祝わない」と決めた。年取るのに直面したくないから、だと。夫は9歳上、私もいずれそうなるのかな。年齢差は人生のはじめと、年を取ってから感じられるというのは本当だ。さて。うちの家族が...

  • 大阪のオバサンとイヴリーのオジサン

    娘はイヴリーに彼と住んでいて、2人とも近くのアトリエを仕事場にしている。6~7人の画家やイラストレーターが共同で使っている。そこで“Porte ouverte/ドア開けっぱなし”と呼ばれる作品の公開日があった。郊外と言っても、「Marie d’Ivry/イヴリー市役所」はRER-C線でオステルリッツ駅から2つ目。夫とプラットフォームで待っていたら、あと1分で着くはずの電車が突然「削除」の掲示。「着く1分前に削除ってどういうこと?!...

  • コントワール・デ・コトニエまで!?

    80年代に人気だったKookaïに会社更生法、天下のギャラリー・ラファイエットグループが経営難!のニュースにびっくりしたのが今年2月。そしたら今度はコントワール・デ・コトニエとプランセス・タムタム。どちらもUniqlo (正確にはFast Retailing)の傘下で、コトニエは67店舗のうち28。タムタムは69店舗中27が消えることに。かつて若い子が夢見るブランドだったのに…でもその“かつて”は2000年代初めだから20年も前だ。Uniqloがこ...

  • 愛と支配欲

    ブランシュが弁護士に事情を話すところから物語は始まる。ブランシュは学校の先生、この仕事に情熱を持っている。ある晩、パーティでグレゴリーと出会った。銀行員で美男のグレゴリーの熱い口説きにブランシュはときめく。彼は理想的な男性に見えた。そこからはトントン拍子で、間もなくブランシュは妊娠し、グレゴリーはメッツに転勤になる。家族-とりわけ双子のローズ-と離れるのは心が痛んだが、転勤なら仕方ない。彼女は故郷...

  • マクロン夫妻のファッションって…

    なぜ、マクロンはシャツを2枚着ているのか?ストライプのピンクに合わせてピンクのシャツだから、色的にはマッチしているけど、なぜ重ね着?キャッチの「マクロンはよく働くのでシャツが2枚買える」は面白くなく、納得もできない。「それにジーンズの形が悪い」と娘。でもブリジット・マクロンの服装のほうにダメ出しが多かった。「いくら脚が自慢でも、この歳で膝を出しちゃダメ」とわたし。「この歳でキラキラのバスケットシュ...

  • 話は前後しますが、

    ゴールデンウィーク最後の日、東京-ヘルシンキのJALに乗った。なぜ経由便かというと-値段もあるけど-JALの直行便は朝9時、ということは遅くとも7時に羽田到着、ということは5時半出発、ということは4時半起き。つまり最後の日は全く使えず、前夜は殆ど眠れない。ヘルシンキ経由は夜11時で、最後の日が丸々使える。飛行機は空いていて、真ん中4席に娘と2人。折り重なりながら横になれた。娘は、寝息を立てているのに、機内...

  • パリと東京、ヴィンテージ比べ

    Mode offに服を持って行ったとき。店員さんが仕分けをする間待ち、名前を呼ばれてカウンターに行ったら、殆どの服がひとつのボックスにまとめられ、セーターが2枚、別のボックスに入っていた。この2枚は買い取れないのね、と思ったら、実は逆だった。“殆どの服”の中にはソニア・リキエルの夏物(30数年前のだけど)もあったので、「これもダメなんですか?」と聞いたら、「流行りじゃないんで」わたしはソニアだけ拾い出し、200...

  • 江の島の一日

    娘が着いてから毎日片づけじゃ可哀そうだから、日帰りで何処かに行こう。夫とは山(箱根)に行ったから海?最後の週末、わたしたちは江の島へ出かけた。田園都市線の中央林間で待ち合わせた息子は、短パンにプリントシャツ、水着、バスタオル持参で、コート姿の女2人を「ナニ、その恰好!」笑ったが、現実は寒くて、わたしたちが正解だった。江の島の駅を出ると、目の前が海。思ったより人が多い。カラスもたくさんいて、鷹に似た...

  • 縁むすびの花帯VS愛の南京錠

    毎日2回は通る道に小さい神社、桜神宮がある。その隣は幼稚園。人が忙しく行き来する駅前通りで、その一画だけ時間の流れ方が違う。ある日、ピンクの花がたくさん咲いているのを見て、初めて入ってみた。ピンクの花は、実は細い短冊で、その木は“縁むすびの木”。こんな小さい神社に、こんなに多くの人が願い事(読まなかったけど)をするんだと感心。桜にちなんだピンクの“花帯”も、近眼のわたしが花と見間違うくらい美しい。それ...

  • 最強のコンビ

    夫が発ち、入れ替わりに娘が着いてからは、前回の続きで実家の整理をする。男2人はあまり頼りにならないからだ。夫はちょこっと手伝っては昼寝をし、息子は、まぁ仕事があるから仕方ないけど、時間は限られている。「2時間で帰ってくるから、ここの押し入れと本棚をお願いよ」と男2人に言い置いて、帰ってくると全然進んでいない。「ナニしてたの!?」「いろいろ議論することがあって」と息子。「そう、なかなか面白かった」と...

  • 羽田は元気

    去年の7月、送ってきてくれた友人が羽田の閑散を見て「日本も終わりだ」とつぶやいたのを思い出す。たしかにSF映画みたいだった。10か月後、夫を送りに来た出発ホールは人が溢れ、ほぼ全部閉まっていたお店も7割方開いている。3年間、待ちかねた外国人が復活祭休暇にやってきて、連休前に帰るところ?セキュリティチェックに入る人たちの長蛇の列。JALのスタッフが「Face Expressをすると早く行けますよ」搭乗券とパスポートを...

  • パスポート騒動

    夫は正味8日間の滞在で、10数年ぶりで会う友人たちと食事をしたり、箱根にも行ったのであっという間に過ぎ、発つ日になった。彼の飛行機は夜11時なので、最後の一日、息子と過ごそう、と駅に向かって歩いていたら、「補聴器を忘れた!」「わたしが取ってくるから(そのほうが早い)ゆっくり(つまり通常のスピードで)歩いてて。パスポートは持った?」「パスポート?」「買い物したら免税のとき要るでしょ」夫はコートのポケット...

  • 心配させないでよ

    今回、田園都市線沿線にAirbnbを探したけど、夫と2人、喧嘩せずに過ごせる広さのが見つからない。日本の国境が開き、桜の季節(『桜=4月』と思っている外国人が多い)、それに円安も手伝って外国人が押し寄せているからか。結局、ワンルームを2つ借りることになった。ある朝、わたしの部屋で一緒に朝ご飯を食べ、「支度してくるから」、と夫は自分の部屋に帰った。30分後、ドアのベルを鳴らしたけど返事がない。シャワー中?...

  • 思い出辿り

    「水の音」の朝ご飯は、夕ご飯に負けず美味しかった。鯵の一夜干しは、温められるようにコンロが用意されていて、玉ねぎとジャガイモのお味噌汁は鍋ごと来る。お重の中には、卵焼き、ミニ昆布巻き、鰯の甘辛煮、鱈子炒り…こんな風に一口ずつ、色んなものが味わえる日本の食事に感激する。朝食には順応性がない夫が、「コーヒー、ハム、フロマージュ・ブラン!」と騒ぐかと思ったら、喜んで全部食べていた。その後、「モトを取らな...

  • このホテルは当たりでした

    「水の音」という小涌谷のホテルには、大浴場2つと貸し切れる露天風呂がいくつかあった。各階に作務衣が各サイズ用意され、部屋にはバスタオルと小さいタオル、足袋ソックスが入った温泉用の籠。夫は小さいタオルを取り出し「何に使うの?」「これで身体を洗ったり、浴場に入るとき、なんとなく前を隠すのに使うんだ」と息子。「何を隠す?」「・・・・」「ほかの人がしているようにすればいいの」とわたし。ところがちょうど食事時の...

  • 芦ノ湖の衰退

    ホテルに荷物を置いたのは13時過ぎ。「この辺でお昼を食べられるとこありますか?」と聞くと、「すぐ近くにフランス料理のレストランがあります」。ここまで来てフレンチを食べたくないけど、お腹が空いてえり好みは言ってられない。お店の名前はROI(王様)、お客さんは誰もいない。お昼のメニューは:ハンバーグ、メンチカツ、ポークソテー、シーフードグラタン。どれもスープとサラダつき。日本で(本場の)味を、とわたしはハ...

  • なぜ箱根かというと

    わたしは東京で諸々用事があるけど、久しぶりに日本に来る夫のために、1泊でどこかへ出かけよう。「山がいい」と言われ、思いつくのは箱根。近いし、山だし…何よりわたしには思い出のある場所。その昔、おばあちゃんが「二束三文で」土地を買い、「もしかしたら温泉が出るかも」と庭のあちこちを掘り返したけど、何も出なかった。温泉を諦め、茅葺の山小屋のような家を建て、わたしたちは毎年夏休みをそこで過ごした。当時は小涌...

  • 発てないかと思った

    年金改革反対のスト&デモが頻度を増し、週一になっている。日本に発つ日に当たりませんように、とお祈りまでしたのに、13日、12回目のストにぶつかってしまった。RATP(パリ交通公団)は「ほぼ正常」とニュースで言っているけど、RERをよく使う友人が「ニュースはトラブルを過小評価する、スーツケース持って混んだB線に乗るのは避けた方がいい」前日、デモのコースが発表された:オペラからバスティーユ。デモ隊が終着点に着くの...

  • マリーヌ・ルペンのひとり勝ち?

    年金改革でエマニュエル・マクロン支持が落下し、野党連合NUPESは、チンピラのようなヤジや暴言で国会を混乱させ評判を落とした。それを傍観し、時々まともな発言(「マクロンは象牙の塔に篭り、国民の声を聞かない」「49.3の連発は民主主義の危機」…)をしていたマリーヌ・ルペンが一気に点数を稼いだ。先週のアンケートで「1週間後に大統領選を行えば」第一回投票でルペンは31%獲得。与党のエドゥアール・フィリップ28%、急進...

  • 何処も同じ、却下される子供の名前

    一昔前のフランスで、子供の名前はカレンダーに記されている聖人名、歴史的に知られている人の名前に限られていた。それが“自由化”されたのが1993年1月。その後に生まれた子供にはテス、ケヴィン、オセアンヌ(océan/大洋のギリシャ語)…など外国名が出てきて、それでもまだ常識的だったのが、最近、戸籍責任者が仰天するトンデモナイ名前が続出:Nutella(ニュテラ:仏版ピーナツバター)Fraise(フレーズ:イチゴ)Anomalie (...

  • 閣外相が『プレイボーイ』の表紙に

    「エイプリルフールの冗談かと思いました」とニュースキャスター。社会福祉&連帯閣外相マルレーヌ・シアパが4月8日発売の『プレイボーイ』に、女性の権利について長いインタビューを載せ、表紙に(服を着て)登場する。2017~2022年(マクロン大統領1期目)に、男女平等&差別廃止担当閣外相、次いで市民権担当大臣と若くして重要ポストに就いた。でも一見、政界より芸能界のほうが似合いそうな雰囲気の40歳。photo:causeurエ...

  • 幽霊が出そうで出ない『永遠の娘』

    誰もいない田舎の夜道を走るタクシー。乗っているのは母と娘と犬、行き先は古い館を改造したホテルだ。レセプションの女性は不愛想で、母娘の予約を見つけるのに手間取り、ホテルはガラガラなのに希望の部屋は空いていないという。ジュリーが交渉している間、母親は何も言わず隅の椅子で待っている。なんとか希望の部屋をゲットしたジュリー、「ママ、この部屋、覚えてる?」「天井の壁紙を覚えているわ」母は若い頃、このホテルに...

  • 年金改革反対:どうやって収束させるつもり?

    木曜の9回目の年金改革反対スト&デモは参加者が108万人、抗議の声も激しくなった。出発点のバスティーユ数時間後、終着点のオペラでは過激極左派も加わった。photo:BMFTV2日前の火曜日、年金改革案は可決されたものの、僅か9票差。政府に同調するはずの右派レピュブリカンの一部が寝返って不信任案に票を入れ、スレスレの可決。反対派を強気にさせた。翌日水曜、沈黙していたマクロン大統領がやっとTVニュースに現れた。大統領...

  • 不信任決議案が通ったら

    金曜日以来「49.3(キャラント・ヌフ・トロワ)」「モーション・ドゥ・ソンシュール/不信任決議案」という言葉が、耳にタコができるほど繰り返される。ラジオをつけっぱなしにしているからタコができるんだけど。49.3、憲法49条3項とは、政府が、審議中の法案を国民議会の投票なしで可決できる。つまり強行採決。モーション・・・・は強行採決をひっくり返すことができる野党の手段。国民の3分の2が反対している年金改革法案を「投...

  • クジラの哀しい目『ザ・ホエール』

    英語(=国語)教師のチャーリーはオンラインで授業を行っている。でも「カメラが壊れている」と自分の姿は見せない。チャーリーは何年か前、男性と激しい恋に落ち、妻と娘を捨てた。その彼が亡くなったあと、無茶食い障害になり、270㎏の、クジラのような身体になった。トイレに行くのも歩行器が必要で、一日中ソファから動けない。手当たり次第に食べまくる発作と自己嫌悪、孤独、後悔…の毎日。通ってくる看護師のリズが唯一の友...

  • 女性の性被害の扱われ方

    モーリーンはCFGT(CGTに次ぎフランス第二の労働組合)組合員で、同時に国営原子力発電会社AREVAの労組秘書としてAREVA従業員の権利を守る。モーリーン(イザベル・ユペール)のファッションも見もの。女社長から支持されていたが、社長が代わり、男性社長になると「女に何ができる」という風潮になった。2012年、モーリーンは、EDF(フランス電力)の情報提供者から「EDF、AREVAと中国の原発会社の間で密約が取り交わされた」こと...

  • 国際女性デーの限定商品

    昨日3月7日、年金改革反対ゼネストで公共交通はほぼマヒし、学校の一部は閉まり(推定で、小学校教員60%がスト)製油所も閉まり…。全国のデモ参加者は警察発表で130万人、労組の発表は約3倍の300万人。どう数えればこれだけ差が出るのか、フランス七不思議のひとつだが、政府VS労組の対立の深さに比例して、“参加者数”の開きも大きくなる。年金改革は、エマニュエル・マクロン立候補時の公約であるだけに、いくら反対されても...

  • 「少子化が深刻な問題になっている日本からお伝えします」

    とFrance infoのニュース。ナニナニ?とボリュームを上げた。「40年来、日本は出生率低下に直面しているが、事態は年々悪くなる一方。2022年に生まれた赤ちゃんは80万人を割った。人口はフランスの倍近いのに、フランスの出生率(72万3000)をわずかに上回るだけ」フランスもコロナのせいで、1946年以来一番低い出生数「3年間続いたコロナ禍で、出会い&結婚は減り、状況は悪化した。日本で、結婚は子供を持つための前提条件な...

  • フランスで「浅田家!」がウケる訳

    予告編がつまらなそうだったので迷っていたら、観た友人が口をそろえて「とてもよかった」。そんなら、と映画館に行ったら2度満員。封切り1か月後でやっと観た。2週間で消える作品が多い中、1か月以上の上映、観客の評価が4.1/5と非常に高い。日本では2020年公開なので「今頃?」と思われるだろうけど。「人生は一度だけ。楽しんでください」のキャッチ、『La Famille Asada』写真家志望の政志のテーマは家族。家族(両親と兄...

  • ダンスは中毒

    週2回、サルサとバシャタに通っている。ダンスをスポーツと呼べるかどうかわからないけど、男性は冬でも汗をかく運動だ。サルサを始めたのは10年くらい前。スキーで脚を折った後のリハビリで始めたのが、やめられなくなった。踊るのは好きだから、最初は「うまくなりたい」なんて思っていたが、年齢か、資質がないか、その両方かで、万年“中の下”。楽しめればいいか、と開き直ることにした。ラテン音楽が(も)好きで、頭が空っぽ...

  • ギャラリーラファイエット・グループの危機

    ローコストの靴メーカーSan Marinoが清算(=倒産)、中級プレタのKookaïに会社更生法、Go Sport とGap Franceは買い手探し…どれも近年パッとしなかったブランドではあるけど、こうバタバタと倒れると不吉な予感。そこへ、「ギャラリー・ラファイエットが経営困難」。パリのデパートの代名詞じゃない!全国に57の店舗を持っていた大チェーンは2018年から経営困難になり、2021年までに33の地方店舗を売り渡した(ギャラリー・ラファ...

  • 観たあとに良さがわかる『Aftersun』

    11歳のソフィは元気と明るさに溢れた女の子。パパとふたり、トルコでヴァカンスを過ごす。パパとママは別れたから一緒に暮らしていないのだ。海辺のヴァカンス村で、泳いだり、ビリヤードをしたり、何もしないでプールサイドに寝そべっていたり、ダンスしたり…ふたりは仲のいい兄妹のように一緒に遊び、からかい合い、喧嘩もする。パパといる時間は楽しい。「また一緒に暮らせないの?」とソフィ。「もう元には戻れないんだ」とパ...

  • 4人の人生を台無しに

    ユモリスト、つまりお笑いタレントの「ピエール・パルマッドが運転する車が対向車に激突。パルマッド重症」のニュースは金曜日の夜。photo: le Parisienその後、毎日ニュースになるのは、パルマッドが有名タレント(わたしの知っている範囲で言えば明石家さんま?)だから、だけでなく、-パルマッドがコカイン+アルコールの覚醒状態で運転していた(駆けつけた消防隊員「目が完全にイっていた」)-対向車に乗っていた女性(28)...

  • 自分の居場所探し

    ソウルのホテルのフロントで向き合う若い女性2人。お客のフレディは生まれてすぐフランス人カップルにもらわれ、韓国は初めて。言葉も全然わからない。フランス語が話せるフロント係りの女性は、その晩、フレディを夕食に誘う。フレディはレストランの見知らぬお客たちをテーブルに呼んでガンガン飲んだ。二日酔いの頭で目を覚ますと、横に若い男が寝ていた。彼女は実の両親を探そうと決める。両親は別れていることがわかり、父親...

  • 「結婚の自由をすべての人に」

    の法制化について、荒井勝喜秘書官の「(同性のカップルを)見るのも嫌だ。となりに住んでいるのもちょっと嫌だ」「秘書官室もみんな反対する」「同性婚を認めたら国を捨てる人が出てくる」…の発言には唖然とした。オフレコで記者団の取材に応じたときの発言が、内容の重大さから表沙汰になって慌て、「差別的なことを思っていると捉えられたとしたら撤回する」と荒井秘書官。この言い方!自分の発言の問題を、「差別的なことを思...

  • 頭が痛い1週間

    月曜日の朝6時、頭が締めつけられるような痛みで目が覚め、片頭痛が始まった。しばらく起こらなくてヨシヨシと思っていたのに。少し待ってからトリプタンという片頭痛専用の薬を飲む。1時間半くらい治まった。具合が悪い時、必ず猫が付き添ってくれる。治まってしまえばふつうに暮らせるけど、頭痛と薬でグッタリする。予防として、あまり画面を見るな、眼を使うな、と言われるけど、画面を見ないことには何もできない時代だ。火...

  • 人間とは奇妙な生き物:『イニシェリン島の精霊』

    1923年。対岸のアイルランドから市街戦の爆音が聞こえてくるが、ここ、離れ小島のイニシェリン島では慎ましい日常が繰り返されている。パブに行く時間だ。荒野を横切ってパードリックはコルムを迎えに行く。パードリックは40代。妹と牛を飼い、牛乳を売っている。コルムは70過ぎ、バイオリンを弾き作曲をする。2人は親友で、毎日一緒にパブへ行くのが日課…ところが窓から呼んでも、コルムは顔を背けて返事をしない。翌日もコルム...

  • 子供たちの中学時代は

    古い書類の整理をしていたら、息子の中学の給食メニューが出てきた。12月のメニュー、例えば:【エンダイヴとミモレットのサラダ七面鳥のエスカロップ、マッシュルームソースマッシュポテトチーズ(カンタル)リンゴのコンポート】【人参のサラダポークソテー(豚肉を食べない人は鶏むね肉のソテー)カリフラワーチーズ(トム・ドゥ・サボア)フルーツのフラン】photo: maire de parisなかなか美味しそうではない?でも息子は、メ...

  • マフラーで+3度

    26日(木)曇り。最低気温1度、最高4度。とにかく寒い。ボンジュールと声をかけてきた相手が、誰かわからないくらい寒い。ニット帽を目深にかぶり、鼻までマフラーで隠しているからだ。「知ってる人?」と娘に聞かれ、「そうみたい」超がつく寒がりのわたしは、ウルトラヒートテックに厚手のセーター、ストッキングにヒートテックのレギンス、靴用のホカロン…と日本のテクノロジーの宣伝みたいな恰好で外に出る。そしてマフラー...

  • 年金改革:なぜこれほど反対する?

    19日の年金改革案反対デモには100万人以上が参加した。それに気を良くした労組は、1月31日に「さらに盛大なスト(公共サービス)&デモ」を予定、2月の学校の冬休み中にも「スト&デモを辞さない」と鼻息荒い。21日はLFI(屈しないフランス)が若者に呼びかけ、15万人が(若くない人も)反対デモをした。「マクロン、われわれの定年の墓堀人」「仕事の囚人は早死にする」のプラカード。photo:la Voix du Nord改革案の中で最も拒...

  • 年金改革反対デモ:催涙ガスで泣く

    午後4時にうちを出たとき、バスティーユ広場はデモの参加者で埋まっていた。突然写真に入りたがったオジサン雰囲気は平和的、は言い過ぎだけど、わりと静か。打ち合わせの場所はレピュブリック方向に歩いて15分。大丈夫か、とボーマルシェ通りを歩き出した。レピュブリック広場とバスティーユ広場を結ぶ大通りだ。メトロ一駅分(東京の一駅分よりずっと短い)歩いた辺りで、レピュブリックから来る人の波が倍増して殆ど進めなくな...

  • このお店、2度と来ないと決めた

    プレゼントでもらった革の手袋のサイズが合わず、交換してもらいにお店に行った。マドレーヌにあるHelionという手袋専門ブランド、創業1925年という老舗だ。お店は小さく古めかしく、奥に事務机があり、書類が散らかっている。店長らしき老婦人と、オバサンの店員。2人とも近所のパン屋の店員さんのような恰好で、店長おばあさんにいたってはダウンジャケットだ。老舗ブランドのエレガンスは微塵もなく、感じの悪さだけは保ってい...

  • 差別&問題発言が多すぎて

    ディディエ・デシャンのフランスチーム総監督の契約が2026年まで更新された。ジネディン・ジダンが望んでいたポスト:「僕の夢はフランス代表チームの監督になること」。それを期待していた選手、ファンも多い。夢が叶わなかったジダンを、ブラジルが監督として欲しがっている。photo:franceinfoインタビューを受けたフランスサッカー連盟会長、ノエル・ル・グラエ「ジダンがブラジル?そんな馬鹿な・・・まぁどこでも行きたいクラブ...

  • 日本映画のリメイク2つ

    1952年.ヨーロッパは第二次大戦の荒廃から立ち直ろうとしていた。ロンドンの市役所課長、ミスター・ウィリアムズは一部の隙もない服装で毎朝定刻に出勤してくるが、持ち込まれる陳情は「急がなくてもいい」と机の脇に積み上げられ、その山はうず高くなっていた。ある日、珍しく早退し、ウィリアムズ氏はかかりつけの医院へ赴く。そこで、末期がんで余命が1年もないことを告げられる。自分の人生を振り返ってみると、仕事への情熱...

  • このフェーヴ、中国産!

    パン屋ではクリスマスの翌日から売り出すギャレット・デ・ロワ。ビュッシュ・ド・ノエルとギャレットで年商の40%稼ぐというから 気持ちはわかるけど、本当のお祝は今日、1月6日の Epiphanie/公現祭。東方の三博士がはるばるイエスの誕生を祝いに来た記念日だ。フランスで90%の人が一度は食べるギャレット、1月末まで売り続けられる人気の理由は素朴な味とフェーヴの楽しさでしょうね。元来、ソラマメ(fève/フェーヴ)を入れ...

  • 是枝裕和監督&海外俳優

    大雨の夜、若い女が、教会の「赤ちゃんポスト」の前に乳児を置いていく。赤ちゃんの名前と「必ず迎えに来る」と書かれたメモが添えられていた。間もなく、教会の養護施設に勤めるドンスとクリーニング屋のサンヒョンが乳児を連れ去った。2人は「赤ちゃんポスト」に捨てられる乳児を、子供が欲しい夫婦に斡旋する闇仕事をしていた。人身売買だ。それを捜査している女性警察官2人が現場に張っていて、サンヒョン&ドンスのワゴン車...

  • 必ず美味しいポトフー

    肉屋さんの「ポトフー用牛肉」はGîte, Paleron, Macreuse・・・これにJoue de bœuf(頬肉)が加わることもある。この中でMacreuseマクルーズは脂肪分が少なく、出来上がりがパサつくのでわたしは避ける。他の4種から2種組み合わせるのをお薦め。大晦日の夜用に、腿肉/Gîteと頬肉/Joue de bœuf半々で計1.2㎏買った。その他の材料ニンジン(できれば砂地で育った砂ニンジン/carotte de sable)大きさにより6~10本カブ(できれば黄色...

  • 東京⇒パリ便、要注意

    朝9時の便が、その日唯一の直行便だったから取ったけど、後悔した。当然その日は使えない、どころか、わたしたちは5時前に起き(睡眠時間2時間半)。5時50分にタクシーが来た。このタクシーを予約するのが一苦労。便は9時10分、羽田まで40分、だから6時に出ればいいだろうと、大手タクシー会社を3件当たったけど、全部「6時台は一台もありません」。日曜の朝早くからみんなどこへ行くのよ。それで時間を10分ずつ前倒しにし...

  • 去年と同じメニュー

    粗食に驚いた東京⇒パリ便、それからクリスマスの食事を書くのが正しい順序だけど、クリスマスから書くことに。パリに着いてからイヴまでたった5日間。疲れているのに時差で早朝に目が覚めるもんだから2~3日はボーっとし、そのうえ東京では全然クリスマスモードではなかったので頭の切り替えに時間がかかり、木曜日にハタと「準備始めないと大変なことになる!」クリスマスはディジョンの義妹の家とうちと交互にすることになっ...

  • 意味がわからない決まり

    キャッシュカードをゲットし、デパートの化粧品売り場、より正確には資生堂のコーナーへ行く。わたしはリキッドファンデーションとパウダー、娘は、「しわの予防は20代から」と乳液と保湿クリーム。綺麗な販売員が、ファンデーションをわたしの顔に伸ばしながら「プルンプルンですね」マスクを取るとたるみが目立ち、プルンプルンのわけないでしょ。娘は口の形を褒められ口紅も買うことに。さすがにお世辞が上手い。免税手続きをす...

  • なぜコンビニおでんを4回食べることになったか

    今回の帰国の一番の目的は、実家の片付けだ。おばあちゃんから三世代暮らした家は、捨てるべきものが多すぎる。例えば、「水漏れ」と貼り紙があるお茶碗までご丁寧にしまってある。昔のお中元のタオルが何箱もあり、タオルにはカビが生えている。形式だけの贈り物はこういう運命を辿るのだ。入れ子のロシア人形のように、捨てても捨ててもまだモノが出てきて、よくこれだけとっておいたもんだ。断捨離なんて言葉がない時代だったの...

ブログリーダー」を活用して、たかこさんをフォローしませんか?

ハンドル名
たかこさん
ブログタイトル
パリのふつうの生活
フォロー
パリのふつうの生活

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用